JP2008222074A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】空気入りタイヤ1では、右上がりに傾斜する幅方向溝32を基調とするブロック列42と、左上がりに傾斜する幅方向溝31、33を基調とするブロック列41、43とが隣り合って配置される。また、幅方向溝31〜33の少なくとも一方の開口部にて幅方向溝31〜33の溝容積が拡大されている。また、タイヤ周方向に対する幅方向溝31〜33の傾斜角D1〜D3がタイヤ幅方向内側のブロック列41からタイヤ幅方向外側のブロック列43に向かうに連れて増加している。また、幅方向溝31〜33の溝深さh2と周方向主溝21〜23の溝深さh1とが0.30≦h2/h1≦0.70の関係であり、幅方向溝31〜33の溝幅w2と周方向主溝21〜23の溝幅w1とが0.20≦w2/w1≦0.50の関係である。
【選択図】 図1
Description
この空気入りタイヤ1は、タイヤ周方向に延在する少なくとも3本の周方向主溝21〜23と、タイヤ幅方向に延在する複数の幅方向溝(細溝を含む)31〜33と、これらの周方向主溝21〜23および幅方向溝31〜33により区画されて成る複数のブロック列41〜43とをトレッド部に有する(図1参照)。これにより、ブロック列を基調としたトラクションパターンが形成されている。
以上説明したように、この空気入りタイヤ1では、(1)右上がりに傾斜する幅方向溝32を基調とするブロック列42と、左上がりに傾斜する幅方向溝31、33を基調とするブロック列41、43とが隣り合って配置されるので(図1参照)、隣り合うブロック列41、42(42、43)の幅方向溝31、32(32、33)の溝幅方向が異なる。このため、いわゆる捻れ効果により、タイヤのインフレート時における各幅方向溝31、32(32、33)の開きが抑制される。これにより、タイヤ接地時におけるタイヤ形状の変化が抑制されて、タイヤの低転がり抵抗性能が向上する利点がある。例えば、幅方向溝の傾斜方向が一様なトレッドパターンでは、幅方向溝が同一方向に開口するため、インフレート時におけるタイヤ径方向外側へのタイヤ形状の変化が大きい。このため、タイヤの接地形状が変化してタイヤの転がり抵抗が悪化するおそれがある。
なお、この空気入りタイヤ1では、トレッド部センター領域にある幅方向溝31、32が両側の開口部にて溝容積を拡大させることが好ましい(図1および図2参照)。トレッド部センター領域には、タイヤ接地時にて高い接地圧が作用する。また、幅方向溝31、32が両側の開口部にて溝容積を拡大することにより、幅方向溝31、32の排水性が向上する。したがって、接地圧の高いトレッド部センター領域における排水性が向上するので、タイヤのウェット性能が向上する利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、センターラインCLを中心とするタイヤの接地幅Tの70[%]の領域をとるときに、この領域内に5本の周方向主溝21〜23が配置されることが好ましい(図1参照)。かかる構成では、これらの周方向主溝により排水性が向上し、且つ、各ブロック列41〜43の接地圧が均一化されてトレッド部の歪みがコントロールされる。これにより、タイヤのウェット性能を維持しつつタイヤの転がり抵抗を低減させ得る利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、タイヤの接地面における周方向主溝21〜23の総溝面積Aと幅方向溝31〜33の総溝面積Bとが0.25≦B/(A+B)≦0.45の関係を有することが好ましい。すなわち、タイヤの接地面における幅方向溝31〜33の総溝面積Bと、タイヤの接地面積Xとの比S=B/Xをとる。また、タイヤの接地面における周方向主溝21〜23の総溝面積Aおよび幅方向溝31〜33の総溝面積Bの和A+Bと、タイヤの接地面積Xとの比G=(A+B)/Xをとる。このとき、比Gと比Sとの比S/G(=B/(A+B))が0.25≦S/G≦0.45の関係を有することが好ましい。
また、この空気入りタイヤ1では、少なくとも1本の周方向主溝21〜23の溝壁角度θがθ≧8[deg]の範囲にあることが好ましい(図5参照)。かかる構成では、周方向主溝21〜23の溝壁角度θの範囲が適正化されるので、タイヤの転がり抵抗が低減される利点がある。例えば、θ<8[deg]となると、タイヤ転動時にてトレッド部の歪みが増加したときに、ブロックの倒れ込みが発生してタイヤの転がり抵抗が増加する。したがって、θ≧8[deg]としてブロックの断面形状を台形状とすることにより、ブロックの倒れ込みが抑制されてタイヤの転がり抵抗が増加する。なお、溝壁角度θは、周方向主溝21〜23の溝深さ方向の断面視にて、陸部の踏面に対する垂線と周方向主溝21〜23の溝壁面との傾斜角により定義される。
また、この空気入りタイヤ1では、トレッド部の幅方向外側端部に、タイヤ周方向に延在する細溝が形成されることが好ましい(図8参照)。例えば、この実施例では、タイヤ幅方向の最も外側にあるブロック列43に細溝431が形成されている。この細溝431は、ブロック列43の幅方向外側端部に沿ってタイヤ周方向に延在している。そして、この細溝431により、ブロック列43の幅方向外側端部に細リブ432が形成されている。かかる構成では、タイヤ接地時にて、細溝431により形成された細リブ432が積極的に摩耗することにより、ブロック列43の偏摩耗が抑制される。これにより、タイヤの耐偏摩耗性能が向上する利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、トレッド部にベルト補強層5が配置されるときに、トレッド部センター領域にある周方向主溝21、22の溝底からベルト補強層5までのトレッドゴムの厚さtが3.0[mm]≦t≦5.5[mm]の範囲内にあることが好ましい(図10参照)。かかる構成では、周方向主溝21、22の溝下におけるトレッドゴムの厚さtが適正化されるので、タイヤの転がり抵抗が効果的に低減される利点がある。例えば、5.5[mm]<tとなると、タイヤ接地時におけるトレッドゴムの歪みが大きくなり、ブロックの倒れ込みが発生してタイヤの転がり抵抗が増加する。また、t<3.0[mm]となると、ストーンドリリングなどによる外傷がベルト補強層まで到達し易くなるため故障の原因となり易く、また、クラックが発生し易くなる。
また、この空気入りタイヤ1では、幅方向溝31〜33の開口部が溝幅方向および溝深さ方向の双方に拡大されることが好ましい(図11参照)。かかる構成では、幅方向溝31〜33の溝容積が幅方向溝31〜33の開口部にて効率的に拡大される。これにより、幅方向溝31〜33における排水性が向上するので、タイヤのウェット性能が向上する利点がある。
また、この空気入りタイヤ1は、重荷重用空気入りラジアルタイヤを適用対象とすることが好ましい。かかる空気入りタイヤでは、タイヤの転がり抵抗が増加し易い傾向にある。したがって、かかる空気入りタイヤを適用対象とすることにより、転がり抵抗の低減効果がより顕著に得られる利点がある。
この実施例では、条件が異なる複数の空気入りタイヤについて、(1)低転がり抵抗性能、(2)スノー制動性能、(3)ウェット性能および(4)耐偏摩耗性能に関する性能試験が行われた(図12参照)。この性能試験では、タイヤサイズ275/80R22.5の空気入りタイヤがJATMA規定の適用リムに装着され、この空気入りタイヤに規定内圧が負荷される。
5 ベルト補強層
21〜23 周方向主溝
31〜33 幅方向溝
41〜43 ブロック列
431 細溝
432 細リブ
433 細溝
Claims (14)
- タイヤ周方向に延在する少なくとも3本の周方向主溝と、タイヤ幅方向に延在する複数の幅方向溝と、前記周方向主溝および前記幅方向溝により区画されて成る複数のブロック列とをトレッド部に有する空気入りタイヤであって、
トレッド部の平面視にて、右上がりに傾斜する前記幅方向溝を基調とする前記ブロック列と、左上がりに傾斜する前記幅方向溝を基調とする前記ブロック列とが隣り合って配置され、
前記幅方向溝の少なくとも一方の開口部にて前記幅方向溝の溝容積が拡大されており、
タイヤ周方向に対する前記幅方向溝の傾斜角がタイヤ幅方向内側の前記ブロック列からタイヤ幅方向外側の前記ブロック列に向かうに連れて増加し、且つ、
前記幅方向溝の溝深さh2と前記周方向主溝の溝深さh1とが0.30≦h2/h1≦0.70の関係を有すると共に、前記幅方向溝の溝幅w2と前記周方向主溝の溝幅w1とが0.20≦w2/w1≦0.50の関係を有することを特徴とする空気入りタイヤ。 - トレッド部センター領域にある前記幅方向溝が両側の開口部にて溝容積を拡大させる請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- センターラインCLを中心とするタイヤの接地幅Tの70[%]の領域をとるときに、前記領域内に5本の前記周方向主溝が配置される請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
- 5本の前記周方向主溝のうち内側の3本の周方向主溝により区画される前記ブロック列のブロック幅R1と、外側の周方向主溝により区画される前記ブロック列のブロック幅R2とが0.95≦R1/R2≦1.05の関係を有する請求項3に記載の空気入りタイヤ。
- タイヤの接地面における前記周方向主溝の総溝面積Aと前記幅方向溝の総溝面積Bとが0.25≦B/(A+B)≦0.45の関係を有する請求項1〜4のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
- タイヤの接地面における前記周方向主溝の総溝面積Aおよび前記幅方向溝の総溝面積Bの和A+Bとタイヤの接地面積Xとの比G=(A+B)/XがG≦0.25の範囲内にある請求項1〜5のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
- 少なくとも1本の前記周方向主溝の溝壁角度θがθ≧8[deg]の範囲にある請求項1〜6のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
- 少なくとも一本の前記周方向主溝の溝壁角度θがタイヤ周方向に向かうにつれて変化する請求項1〜7のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
- トレッド部の幅方向外側端部に、タイヤ周方向に延在する細溝が形成される請求項1〜8のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
- バットレス部に、タイヤ周方向に延在する細溝が形成される請求項1〜9のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
- トレッド部にベルト補強層が配置されるときに、トレッド部センター領域にある前記周方向主溝の溝底から前記ベルト補強層までのトレッドゴムの厚さtが3.0[mm]≦t≦5.5[mm]の範囲内にある請求項1〜10のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
- トレッドゴムの100[℃]加熱時におけるtanδが0.01≦tanδ≦0.10の範囲内にある請求項1〜11のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
- 前記幅方向溝の開口部が溝幅方向および溝深さ方向の双方に拡大される請求項1〜12のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
- 重荷重用空気入りラジアルタイヤに適用される請求項1〜13のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
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