JP2008221423A - マニピュレータシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な操作でミリメートルオーダの駆動から回転モータの分解能以下の微小駆動までの動作を可能にしたマニピュレータシステムを提供すること。
【解決手段】コントローラ43は、倍率認識装置100の認識による顕微鏡倍率がX倍未満であると判別したときには、各軸の粗動用ステッピングモータ102を駆動する。この結果、XY軸テーブル36がX軸またはY軸に沿って移動し、Z軸テーブル38がZ軸に沿って移動し、インジェクションピペット34が粗動用目標位置に到達すると、XY軸テーブル36とZ軸テーブル38の駆動が停止される。その後、コントローラ43は、倍率認識装置100の認識による顕微鏡倍率がX倍以上であると判別すると、微動機構44の圧電素子54に微動用電圧V0を印加する。これにより、インジェクションピペット34が微動し、ベース22上の細胞に対する挿入位置に位置決めされる。
【選択図】図1

Description

本発明は、マニピュレータシステムに係り、特に、顕微鏡観察下にある細胞に針を挿入するための駆動対象を粗動または微動させるための技術に関する。
バイオテクノロジーの分野において、顕微鏡観察下で細胞に針を挿入して、細胞に核などを注入するマイクロマニピュレータとして、例えば、XYZ軸の駆動アクチュエータに圧電素子を用いたものが提案されている(非特許文献1参照)。
また、操作支援ロボットを用いたシステムにおいて、オートステージとマニピュレータとをワンタッチで切替え、ジョイスティックで細胞を視野の中心に来るように、オートステージを移動し、ジョイスティックのヘッドスイッチをクリックしたときに、そのときの視野中心位置(細胞位置)の座標をモニタ上に表示し、ヘッドスイッチを操作しながら、ワンタッチでキャピラリーの退避・復帰を行い、インジェクション後、細胞を1個ずつウェルに収納するようにしたものが提案されている(非特許文献2参照)。この操作支援ロボットを用いたものでは、マニピュレータは手動のステージや、ステッピングモータとボールねじを用いたステージを用いて駆動している。
「光学顕微鏡 バイオ研究用マイクロマニピュレータ」 株式会社 三友製作所 2004年10月発行 「単一細胞操作支援ロボット」 中央精機株式会社 2003年11月発行
従来技術のものはいずれも、マニピュレータを用いた場合に、顕微鏡で観察するときの倍率が高く、操作対象物の大きさが小さい程、正確でより細かな操作が必要となることに十分配慮されていない。すなわち、ステッピングモータとボールねじによって駆動するマニピュレータでは、駆動可能な最小分解能には限界がある。また、圧電アクチュエータを組み合わせて構成しているマニピュレータでは、微小領域の操作は可能であるが、ミリメートルオーダのストロークでマニピュレータを駆動することができない。
本発明は、前記従来技術の課題に鑑みて為されたものであり、その目的は、簡単な操作でミリメートルオーダの駆動から回転モータの分解能以下の微小駆動までの動作を可能にマニピュレータシステムを提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明は、細胞に針を挿入するための駆動対象に連結された圧電素子の駆動により、前記駆動対象を微動させるナノポジショナと、モータの駆動により、前記ナノポジショナを伴って三次元空間を移動して、前記ナノポジショナの位置を制御する粗動機構と、前記モータまたは前記圧電素子に対して駆動を指令するコントローラと、を備え、前記コントローラは、前記モータに駆動を指令した後、前記圧電素子に駆動を指令し、前記駆動対象を前記細胞まで移動させてなるマニピュレータシステムを構成したものである。
係る構成によれば、コントローラがモータを駆動することで、粗動機構が粗動駆動してナノポジショナの位置を制御し、その後、コントローラが圧電素子を駆動することで、ナノポジショナが駆動対象を微動させて、駆動対象を針挿入位置へ移動させることができる。従って、ミリメートルオーダの駆動から回転モータの分解能以下の微小駆動までの動作が可能となる。
マニピュレータシステムを構成するに際しては、以下の要素を付加することができる。
(1)前記コントローラは、切替えスイッチに接続され、前記切替えスイッチの切替え操作に従って前記モータまたは前記圧電素子に対して駆動を指令してなる。
(2)前記コントローラは、顕微鏡の倍率を認識する倍率認識装置に接続され、前記倍率認識装置の認識結果に従って前記モータまたは前記圧電素子に対して駆動を指令してなる。
(3)前記コントローラは、ジョイスティックに接続され、前記ジョイスティックの操作に従って前記モータまたは圧電素子に対して駆動を指令してなる。
(4)前記コントローラは、顕微鏡画像を表示するパソコンディスプレイに接続され、前記顕微鏡画像を操作するマウスの動作に従って前記モータまたは前記圧電素子に対して駆動を指令してなる。
この構成によれば、コントローラにより、切替えスイッチの操作状態や倍率認識装置の認識結果、あるいはジョイスティックの操作方向またはマウスの動きを判別し、この判別結果に従ってモータまたは圧電素子を駆動することで、粗動と微動を自動的に切り替えることができる。
本発明によれば、ミリメートルオーダの駆動から回転モータの分解能以下の微小駆動までの動作が可能となり、かつ操作が容易なマニピュレータシステムを提供することができる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態を示すマニピュレータの構成図である。図1において、マニピュレータシステム10は、顕微鏡観察下で細胞等の対象物に人工操作を実施するためのシステムとして、顕微鏡ユニット12と、ホールディング用マニピュレータ14と、インジェクション用マニピュレータ16とを備えており、顕微鏡ユニット12の両側にマニピュレータ12、14が分かれて配置されている。
顕微鏡ユニット12は、カメラ18、顕微鏡20、ベース22を備えており、ベース22の上方に顕微鏡20が配置され、顕微鏡20にはカメラ18が連結されている。ベース22上には細胞等の対象物が載置されるようになっており、ベース22上の細胞(図示せず)に顕微鏡20から光が照射されるようになっている。ベース22上の細胞で反射した光が顕微鏡20に入射すると、細胞に関する光学像は、顕微鏡20で拡大された後カメラ18で撮像されるようになっており、カメラ18の撮像による画像を基に細胞を観察することができる。
ホールディング用マニピュレータ14は、直交3軸構成のマニピュレータとして、ホールディングピペット24、XY軸テーブル26、Z軸テーブル28、XY軸テーブル26を駆動する駆動装置30、Z軸テーブル28を駆動する駆動装置32を備えて構成されており、ホールディングピペット24は、Z軸テーブル28に連結され、Z軸テーブル28はXY軸テーブル26上に上下動自在に配置されている。XY軸テーブル26は、駆動装置30の駆動により、X軸またはY軸に沿って移動するように構成され、Z軸テーブル28は、駆動装置32の駆動により、Z軸に沿って(鉛直軸方向に沿って)移動するように構成されている。Z軸テーブル28に連結されたホールディングピペット24は、XY軸テーブル26とZ軸テーブル28の移動に従って三次元空間を移動領域として移動し、ベース22上の細胞等を保持するように構成されている。
インジェクション用マニピュレータ16は、直交3軸構成のマニピュレータとして、インジェクションピペット34、XY軸テーブル36、Z軸テーブル38、XY軸テーブル36を駆動する駆動装置40、Z軸テーブル38を駆動する駆動装置42を備え、インジェクションピペット34は、Z軸テーブル38に連結され、Z軸テーブル38はXY軸テーブル36上に上下動自在に配置され、駆動装置40、42はコントローラ43に接続されている。
XY軸テーブル36は、駆動装置40の駆動により、X軸またはY軸に沿って移動するように構成され、Z軸テーブル38は、駆動装置42の駆動により、Z軸に沿って(鉛直軸方向に沿って)移動するように構成されているとともに、ベース22上の細胞等を、針を挿入するための挿入対象とするインジェクションピペット34に連結されている。すなわち、XY軸テーブル36とZ軸テーブル38は、駆動装置40、42の駆動により、ベース22上の細胞等を含む三次元空間を移動領域として移動し、インジェクションピペット34を、例えば、インジェクションピペット34の先端側からベース22上の細胞に対して、針を挿入するための挿入位置まで粗動駆動する粗動機構(三次元軸移動テーブル)として構成されている。
また、これらテーブルは、移動テーブルとしての機能の他に、ナノポジショナとしての機能を備え、インジェクションピペット34を往復動自在に支持するととともに、インジェクションピペット34をその長手方向(軸方向)に沿って微動駆動するように構成されている。
具体的には、これらテーブルには、ナノポジショナとして、図2に示す微動機構44、または図3に示す微動機構46が付加(内蔵)されている。
微動機構44は、圧電アクチュエータの本体を構成するハウジング48を備えており、略円筒状に形成されたハウジング48内には、ねじ軸50が挿通されているとともに、円筒状の圧電素子54、円筒状の間座56がねじ軸50の外周側に収納されており、軸受58、60が内輪間座62を間にしてねじ軸50にロックナット66により固定されて収納されている。
軸受58、60は、それぞれ内輪58a、60aと、外輪58b、60bと、内輪58a、60aと外輪58b、60b間に挿入されたボール58c、60cを備え、各内輪58a、60aがねじ軸50の外周面に内輪間座62を介して嵌合され、各外輪58b、60bがハウジング48の内周面に嵌合され、ねじ軸50を回転可能に支持するようになっている。軸受58は、ハウジング48の内周面に嵌合された間座56との当接により、圧電素子を介して蓋64を締め付けることによって予圧が付与される。ハウジング48の一端側には圧電素子に電圧を印加するための信号線を通すための孔48a、48bが形成されている。
予圧調整は間座54の長さを調整することによって押圧力を調整させ、軸受58、60へ適切な予圧力を与える。これにより、軸受58、60に所定の予圧が付与され、軸受58、60の外輪間に軸方向間距離としての間隙63が形成される。
圧電素子54は、孔48a、48b内にそれぞれ挿入されたリード線70、72を介してコントローラ43に接続されており、コントローラ43からの電圧に応じてインジェクションピペット34のインジェクション方向に沿って伸縮する圧電アクチュエータの一要素として構成されている。例えば、圧電素子54は、コントローラ43からインジェクション用電圧として、例えば、図4に示すような矩形波状の電圧V1が印加されたときには、この印加電圧V1に応答して、インジェクションピペット34の先端側からベース22上の細胞に対して、針を挿入するための押圧力をインジェクションピペット34に付与し、あるいは、コントローラ43から微動用電圧が印加されたときには、この印加電圧に応答して、ねじ軸50をその長手方向(軸方向)に沿って微動させて、インジェクションピペット34の位置を微調整するようになっている。
インジェクション用電圧としては、矩形波状の電圧V1の代わりに、図5(a)に示すように、時間勾配を有する台形波状の電圧V2を用いることができる。この場合、電圧V2を、初期値から最大印加電圧に達するまでの時間t1と最大電圧から初期値になるまでの時間t2がそれぞれ同じになるように設定することで、インジェクションの際に、細胞へ針を挿入するときの速度と細胞から針を抜くときの速度をそれぞれ同じにすることができる。また、電圧V2の代わりに、図5(b)に示すように、初期値から最大印加電圧に達するまでの時間t3と最大電圧から初期値になるまでの時間t4がそれぞれ異なる電圧V3を用い、インジェクションの際に、細胞へ針を挿入するときの速度と細胞から針を抜くときの速度をそれぞれ個別に設定することもできる。さらに、インジェクション用電圧としては、図6に示すように、三角波状の電圧V4を用いることができる。この場合も、初期値から最大印加電圧に達するまでの時間t5と最大電圧から初期値になるまでの時間t6を任意に設定することができる。
また、インジェクション用電圧を設定するに際しては、使用する細胞の性質に合わせて、電圧の振幅や電圧の波形を調整することが望ましい。
微動機構46は、圧電アクチュエータの本体を構成するハウジング74を備えており、略円筒状に形成されたハウジング74内には、ねじ軸76の軸方向一端側と、圧電素子80、間座82、軸受84、86が収納されている。圧電素子80は、ねじ軸76の延長線上に、間座82を介してねじ軸76と直列になって配置されており、間座82は、ねじ軸76の軸方向端部に噛合されたロックナット88を囲むように配置されている。軸受84と軸受86は内輪間座90を間にしてねじ軸76の外周側に配置されている。
軸受84、86は、それぞれ内輪84a、86aと、外輪84b、86bと、内輪84a、86aと外輪84b、86b間に挿入されたボール84c、86cを備え、各内輪84a、86aがねじ軸76の外周面に嵌合され、各外輪84b、86bがハウジング74の内周面に嵌合され、ねじ軸76を回転可能に支持するようになっている。
ハウジング74の一端側には、圧電素子80に対して、ねじ軸76の軸方向への移動を規制する蓋94が固定されている。蓋94には凹部94aが形成されているとともに、孔94b、94cが形成されており、蓋94の凹部94aと間座82の凹部82aとの間に圧電素子80が挿入されている。
予圧調整は間座82の長さを調整することによって押圧力を調整させ、軸受84、86へ適正な予圧力を与える。これにより、軸受84、86に所定の予圧が付与され、軸受84、86の外輪間に軸方向間距離としての間隙93が形成される。
圧電素子80は、蓋94の孔94b、94c内にそれぞれ挿入されたリード線96、98を介してコントローラ43に接続されており、コントローラ43からの電圧に応じてインジェクションピペット34の長手方向に沿って伸縮する圧電アクチュエータとして構成されている。圧電素子80は、コントローラ43からインジェクション用電圧、例えば、図4に示す電圧V1が印加されたときには、この印加電圧V1に応答して、インジェクションピペット34の先端側からベース22上の細胞に対して、針を挿入するための押圧力をインジェクションピペット34に付与したり、あるいは、コントローラ43から微動用電圧が印加されたときには、この印加電圧に応答して、ねじ軸76をその長手方向(軸方向)に沿って微動させて、インジェクションピペット34の位置を微調整したりするようになっている。この場合も、インジェクション用電圧としては、電圧V1の代わりに、図5または図6に示すように、電圧V2、V3、V4を用いることができる。
上記構成において、インジェクション用マニピュレータ16を駆動するに際しては、コントローラ43は、XY軸テーブル36とZ軸テーブル38を粗動駆動して、インジェクションピペット34をベース22上の細胞に近づけて位置決めした後、微動機構44または微動機構46を用いてインジェクションピペット34を微動駆動することとしている。
コントローラ43は、例えば、演算手段としてのCPUや記憶手段としてのRAM、ROMなどのハードウエア資源を備えたマイクロコンピュータで構成されており、所定のプログラムを基に各種の演算を行い、演算結果に従って駆動装置40、42に駆動指令を出力するとともに、演算結果に関する情報などをディスプレイ(パソコンディスプレイ)45の画面上に表示させる制御手段として構成されている。
この際、図7に示すように、コントローラ43に、顕微鏡20の倍率を認識する倍率認識装置100が接続されている場合、コントローラ43は、倍率認識装置100から顕微鏡20の倍率に関する認識結果を示す信号を取り込み、顕微鏡20の倍率がX倍未満のときには、駆動装置40、42に内蔵された粗動用モータ、例えば、ステッピングモータ102を駆動するためのステッパの設定を行い、顕微鏡20の倍率がX倍以上のときには、圧電素子54または80を駆動するためのサーボの設定を行い、粗動時に、ステッピングモータ102に対して駆動を指令し、微動時には、圧電素子54または80に対して駆動を指令するようになっている。この場合、コントローラ43が顕微鏡倍率を判別することで、粗動と微動を自動的に切替えることができる。
また、図8に示すように、粗動と微動を切替えるための切替えスイッチ104がコントローラ43に接続または内蔵されている場合、コントローラ43は、切替えスイッチ104がオン操作またはオフ操作されたときの信号を入力し、オン操作を示す信号が入力されたときには、ステッピングモータ102を駆動するためのステッパの設定を行い、オフ操作を示す信号が入力されたときには、圧電素子54または80を駆動するためのサーボの設定を行い、粗動時に、ステッピングモータ102を駆動し、微動時には圧電素子54または80を駆動するようになっている。
この場合、操作者が切替えスイッチ104をオン操作することで、粗動動作が可能となり、切替えスイッチ104をオフ操作することで、微動動作が可能となる。すなわち、コントローラ43が切替えスイッチ104のオン操作またはオフ操作を判別することで、粗動と微動を自動的に切替えることができる。
一方、コントローラ43の代わりに、2台のコントローラを用いる場合、例えば、図9に示すように、ステッパコントローラ43aとサーボコントローラ43bを用い、ステッパコントローラ43aとサーボコントローラ43bにそれぞれ認識装置100が接続されている場合、ステッパコントローラ43aは、認識装置100から認識結果として顕微鏡倍率に関する信号を入力し、顕微鏡倍率がX倍未満を示す信号が入力されたときに、ステッピングモータ102を駆動し、サーボコントローラ43bは、認識装置100から顕微鏡倍率に関する信号を入力し、顕微鏡倍率がX倍以上を示す信号が入力されたときに、圧電素子54または80を駆動する構成を採用することもできる。
この場合、ステッパコントローラ43aとサーボコントローラ43bがそれぞれ顕微鏡倍率を判別することで、粗動と微動を自動的に切替えることができる。
また、図10に示すように、ステッパコントローラ43aとサーボコントローラ43bに粗動と微動を切替えるための切替えスイッチ104が接続されている場合、ステッパコントローラ43aは、認識装置100から顕微鏡倍率に関する信号を入力し、顕微鏡倍率がX倍未満を示す信号が入力されたときに、ステッピングモータ102を駆動し、サーボコントローラ43bは、認識装置100から顕微鏡倍率に関する信号を入力し、顕微鏡倍率がX倍以上を示す信号が入力されたときに、圧電素子54または80を駆動する構成を採用することもできる。
この場合、操作者が切替えスイッチ104をオン操作することで、粗動動作が可能となり、切替えスイッチ104をオフ操作することで、微動動作が可能となる。すなわち、ステッパコントローラ43aとサーボコントローラ43bが切替えスイッチ104のオン操作またはオフ操作を判別することで、粗動と微動を自動的に切替えることができる。
なお、切替えスイッチ104としては、パソコンディスプレイ45のコントローラ画面上に作製したものを用いたり、スイッチ回路として作製したものを用いたりすることができる。
次に、コントローラ43に倍率認識装置100が接続されているときの動作を図11に従って説明する。まず、コントローラ43は、倍率認識装置100から顕微鏡倍率に関する信号を取り込み、顕微鏡倍率がX倍未満であると判別したときには、ステッパの設定を行い、駆動装置40、42に内蔵された各軸の粗動用ステッピングモータ102に対して、粗動指令200としてのパルス信号を印加する。粗動用ステッピングモータ102のうちX軸用モータ、Y軸用モータ、Z軸用モータがパルス信号に応答して回転駆動すると、XY軸テーブル36がX軸またはY軸方向に沿って漸次ベース22に近づく方向に移動するととともに、Z軸テーブル38がZ軸に沿って漸次ベース22に近づく方向に移動する。この場合、粗動用モータとして、ステッピングモータ102が用いられているので、粗動指令200は、X、Y、Z軸用モータを設定回転数で回転させるために必要な角度ステップ数に相当するパルス信号を出力することになる。また、微動機構44の圧電素子54または微動機構46の圧電素子80には、初期設定電圧Vsが印加されているだけであり、圧電素子54は、軸受58、60の予圧の反力による圧縮荷重が作用した状態に、圧電素子80は、軸受84、86の予圧の反力による圧縮荷重が作用した状態にある。
XY軸テーブル36またはZ軸テーブル38の移動に伴ってインジェクションピペット34が粗動用目標位置に到達すると、XY軸テーブル36とZ軸テーブル38の駆動が停止される。ここで、コントローラ43は、倍率認識装置100の認識による顕微鏡倍率がX倍以上であると判別すると、駆動装置42に微動指令202を印加する。コントローラ43から駆動装置42に微動指令202が印加されると、微動機構44の圧電素子54または微動機構46の圧電素子80に、微動指令202に従った微動用電圧V0が印加され、インジェクションピペット34がその長手方向に沿って微動し、ベース22上の細胞に対する挿入位置に位置決めされる。
例えば、微動機構44を用いた場合、微動機構44では、圧電素子54の変位の半分の変位量がインジェクションピペット34の微動変位量に設定されていることから、圧電素子54には、微動変位量の2倍の変位を与えるための制御電圧と初期設定電圧Vsとを加算した微動用電圧V0が印加されることになる。
このとき、例えば、圧電素子54に2xの伸びが生じたときには、この伸びによる押圧力は微動制御を行う前の予圧荷重に加えて軸受外輪を押圧し、軸受58、60の各外輪58b、60b間の間隙63が2x分更に狭くなってねじ軸50がX変位する。
逆に、圧電素子54が2x縮むと押圧力が減少し、軸受58、60の弾性変形がそれぞれxずつ減少し、間隙63が拡がる方向に、2x変位することになり、ねじ軸がX変位する。
このように、間隙63の変位2xを軸受58、60がxずつ分けて吸収するので、軸受58、60を互いに押圧する力がバランスしたときに、スペーサ52に嵌合している軸受58、60の内輪58a、60aがねじ軸50とともに軸方向にx変位する。これにより、ねじ軸50に連結されているインジェクションピペット34が軸方向にxだけ変位する。つまり、圧電素子54の2xの変位の半分の変位量がインジェクションピペット34の微動変位量となって、インジェクションピペット34が挿入位置に位置決めされる。
インジェクションピペット34が挿入位置に位置決めされたときには、位置決めが完了したとして、微動機構44の圧電素子54または微動機構46の圧電素子80に、微動指令202に従ったインジェクション用電圧として、例えば、電圧V1が印加され、ベース22上の細胞に対して、インジェクションピペット34の先端側から針が挿入される。
本実施形態によれば、微動機構44の圧電素子54または微動機構46の圧電素子80に対する印加電圧を調整することで、インジェクションピペット34に対してインジェクション動作または微動動作をさせることができ、構成の簡素化を図ることができるとともに、インジェクションピペット34に対する位置決めを高精度に行うことができる。
また、マニピュレータ16の駆動を制御するに際しては、コントローラ43に接続されたジョイスティック47またはマウス49を用いることもできる。
ジョイスティック47を用いる場合、コントローラ43は、ジョイスティック47から操作方向に関する信号を入力して、ジョイスティック47の操作方向を判別し、例えば、ジョイスティック47が右側に操作されたときに、ステッピングモータ102を駆動し、ジョイスティック47が左側に操作されたときには、圧電素子54または80を駆動すること構成を採用することができる。
この場合、操作者がジョイスティック47を右側に操作することで、粗動動作が可能となり、ジョイスティック47を左側に操作することで、微動動作が可能となる。すなわち、コントローラ43がジョイスティック47の操作方向を判別することで、粗動と微動を自動的に切替えることができる。
一方、マウス49を用いる場合、図12(a)〜(c)に示すように、パソコンディスプレイ45上に映し出された顕微鏡画像上で、マウスポインタ49aがガラス針110の一部と重なったときに、マウス49を少なくとも2点でクリックすることにより、XY軸において、ポイント・ツウ・ポイント(PTP)駆動することで、マニピュレータ16を駆動する。
また、マウス49を用いる場合、図13(a)〜(d)に示すように、パソコンディスプレイ45上に映し出された顕微鏡画像上で、マウスポインタ49aがガラス針110の一部と重なったときに、マウス49をドラッグすることで、マウス49の動きに追随して、マニピュレータ16を駆動することができる。この場合、コントローラ43は、マウス49の動きを判別して、ステッピングモータ102または圧電素子54、80を駆動することで、マニピュレータ16の粗動と微動を自動的に切り替えることができる。
なお、1つのシステム上にマニピュレータ16を2台使用し、各マニピュレータ16をマウス49で制御する場合、どちらのマニピュレータ16を制御するかを切替えスイッチ104によって選択しても良いし、2台のマウス49で各マニピュレータ16を制御しても良い。この場合、マウス49の種類は問わない。例えば、ペン型などのマウスを用いることもできる。
本実施形態によれば、コントローラ43により、倍率認識装置100の認識結果や切り替えスイッチ104の操作状態、あるいはジョイスティック47の操作方向、マウス49の動きを判別し、この判別結果に従ってステッピングモータ102または圧電素子54、80を駆動するようにしたため、マニピュレータ16の粗動と微動を自動的に切り替えることができる。
従って、ミリメートルオーダの駆動から回転モータの分解能以下の微小駆動までの動作が可能となり、かつ操作が容易なマニピュレータシステムを構成することが可能になる。
前記実施形態においては、Z軸にナノポジショナとしての微動機構44、46を適用したものについて述べたが、X軸、Y軸およびZ軸の全ての軸にナノポジショナ構造のサポート軸受を適用することができる。
本発明の一実施形態を示すマニピュレータシステムのブロック構成図である。 微動機構の一実施例を示す断面図である。 微動機構の他の実施例を示す断面図である。 インジェクション用電圧として矩形波状の電圧を用いたときの波形図である。 インジェクション用電圧として台形状の電圧を用いたときの波形図である。 インジェクション用電圧として三角波状の電圧を用いたときの波形図である。 倍率認識装置の認識結果をコントローラに設定してマニピュレータを駆動するときの構成図である。 切替えスイッチのオンオフ状態をコントローラに設定してマニピュレータを駆動するときの構成図である。 倍率認識装置の認識結果を2台のコントローラで判別してマニピュレータを駆動するときの構成図である。 切替えスイッチのオンオフ状態を2台のコントローラで判別してマニピュレータを駆動するときの構成図である。 インジェクション用マニピュレータの粗動時、微動時およびインジェクション時の動作を説明するための波形図である。 マウスをクリック操作してポイント・ツウ・ポイント(PTP)駆動するときの操作方法を説明するための顕微鏡画像図である。 マウスをドラッグ操作してマニピュレータを駆動するときの操作方法を説明するための顕微鏡画像図である。
符号の説明
10 マニピュレータシステム
12 顕微鏡ユニット
14 ホールディング用マニピュレータ
16 インジェクション用マニピュレータ
18 カメラ
20 顕微鏡
22 ベース
34 インジェクションピペット
36 XY軸テーブル
38 Z軸テーブル
40、42 駆動装置
43 コントローラ
44、46 微動機構
47 ジョイスティック
49 マウス
54、80 圧電素子
100 倍率認識装置
102 ステッピングモータ
104 切り替えスイッチ

Claims (5)

  1. 細胞に針を挿入するための駆動対象に連結された圧電素子の駆動により、前記駆動対象を微動させるナノポジショナと、
    モータの駆動により、前記ナノポジショナを伴って三次元空間を移動して、前記ナノポジショナの位置を制御する粗動機構と、
    前記モータまたは前記圧電素子に対して駆動を指令するコントローラと、を備え、
    前記コントローラは、前記モータに駆動を指令した後、前記圧電素子に駆動を指令し、前記駆動対象を前記細胞まで移動させてなるマニピュレータシステム。
  2. 前記コントローラは、切替えスイッチに接続され、前記切替えスイッチの切替え操作に従って前記モータまたは前記圧電素子に対して駆動を指令してなる請求項1記載のマニピュレータシステム。
  3. 前記コントローラは、顕微鏡の倍率を認識する倍率認識装置に接続され、前記倍率認識装置の認識結果に従って前記モータまたは前記圧電素子に対して駆動を指令してなる請求項1記載のマニピュレータシステム。
  4. 前記コントローラは、ジョイスティックに接続され、前記ジョイスティックの操作に従って前記モータまたは圧電素子に対して駆動を指令してなる請求項1記載のマニピュレータシステム。
  5. 前記コントローラは、顕微鏡画像を表示するパソコンディスプレイに接続され、前記顕微鏡画像を操作するマウスの動作に従って前記モータまたは前記圧電素子に対して駆動を指令してなる請求項1記載のマニピュレータシステム。
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