JP2008225201A - マニピュレータ - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の圧電素子を個別に駆動して、各圧電素子の駆動に応じた駆動力を駆動対象に付与すること。
【解決手段】ハウジング48内に、圧電素子54、55、間座56、軸受58、60が収納され、軸受58は、間座56との当接により、軸受60は、ロックナット66との当接により、それぞれねじ軸50の軸方向への移動が規制され、ロックナット66の位置に応じた締結力が圧電素子54、55に付与される。圧電素子54に電圧V1が印加されると、圧電素子54の操作駆動に伴う押圧力がねじ軸50を介してインジェクションピペット34に付与され、細胞に針が挿入される。圧電素子55に微動用電圧V0が印加されると、圧電素子55の微動駆動に伴う押圧力が圧電素子54、ねじ軸50を介してインジェクションピペット34に付与され、インジェクションピペット3の位置が微調整される。
【選択図】図2

Description

本発明は、マニピュレータに係り、特に、顕微鏡観察下で細胞に針を挿入して、細胞に核などを注入する技術に関する。
バイオテクノロジーの分野において、顕微鏡観察下で細胞に針を挿入して、細胞に核などを注入するマイクロマニピュレータとして、例えば、微小器具に連結された慣性体と摩擦面に配置された移動体との間に圧電素子を挿入し、慣性力によるインパクト動作と、圧電素子自体の伸び縮みによる超微動動作を行わせるようにしたものが提案されている(特許文献1参照)。このマイクロマニピュレータでは、ピペット固定部分に慣性力で駆動可能な圧電アクチュエータを取り付けることで、インジェクションが可能となっている。
また、操作支援ロボットを用いたシステムにおいて、オートステージとマニピュレータとをワンタッチで切替え、ジョイスティックで細胞を視野の中心に来るように、オートステージを移動し、ジョイスティックのヘッドスイッチをクリックしたときに、そのときの視野中心位置(細胞位置)の座標をモニタ上に表示し、ヘッドスイッチを操作しながら、ワンタッチでキャピラリーの退避・復帰を行い、インジェクション後、細胞を1個ずつウェルに収納するようにしたものが提案されている(非特許文献1参照)。この操作支援ロボットを用いたものでは、マニピュレータは手動のステージや、ステッピングモータとボールねじを用いたステージを用いて駆動している。
特公平6−98584号公報 「単一細胞操作支援ロボット」 中央精機株式会社 2003年11月発行
従来技術のうち前者のものは、圧電素子をインジェクションに用いているが、他の用途に用いることには配慮されておらず、後者のものは、微小な領域で操作する際、マニピュレータ先端の針の位置決めを正確に行わないと、折損、操作対象に対する針の空振り等が生じることが危惧される。
本発明は、前記従来技術の課題に鑑みて為されたものであり、その目的は、複数の圧電素子を個別に駆動して、各圧電素子の駆動に応じた駆動力を駆動対象に付与するマニピュレータを提供することにある。
前記目的を解決するために、本発明は、駆動対象に連結される軸状部材と、前記軸状部材に連結されて印加電圧に応じて前記軸状部材の軸方向に沿って伸縮する圧電アクチュエータと、前記圧電アクチュエータの駆動を制御する制御手段と、を備え、前記圧電アクチュエータは、互いに直列に連結にされた複数の圧電素子を有し、前記制御手段は、前記複数の圧電素子をそれぞれ別々に駆動してなるマニピュレータであることを特徴とするものである。
本発明によれば、圧電アクチュエータの各圧電素子をそれぞれ別々に駆動して、軸状部材を移動させるようにしたため、各圧電素子の駆動に応じた駆動力を駆動対象に付与することができ、各圧電素子の機能を有効に利用して、駆動対象を駆動することができる。
前記マニピュレータを構成するに際しては、以下の要素を付加することができる。好適には、前記制御手段は、微動モードのときには前記複数の圧電素子のうち一方の圧電素子を微動駆動し、インジェクション操作モードのときには他方の圧電素子を操作駆動してなる。
この構成によれば、一方の圧電素子を微動駆動することで、駆動対象を微動させることができ、他方の圧電素子を操作駆動することで、駆動対象を操作動作させることができる。
好適には、前記制御手段は、前記各圧電素子に対して、前記各圧電素子の直線運動に伴う前記軸状部材のストロークに差が生じる電圧を印加してなる。
この構成によれば、各圧電素子に異なる電圧を印加することで、駆動対象を短いストロークで移動させたり、長いストロークで移動させたりすることができる。
好適には、前記一方の圧電素子と前記他方の圧電素子は互いに直列に接続され、前記一方の圧電素子または前記他方の圧電素子のうち少なくとも一方は、2個以上の圧電素子で構成されてなる。
この構成によれば、単一の圧電素子では、微動ストロークやインジェクションのストロークが不足する場合でも、微動ストロークやインジェクションのストロークを確実に確保することができる。
本発明によれば、複数の圧電素子を個別に駆動して、各圧電素子の機能を有効に利用することができる。また、本発明によれば、微動ストロークを確実に確保できるとともに、インジェクションのストロークを長く要するときにも圧電素子の変位を有効に利用することが可能なマニピュレータを提供することができる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態を示す細胞マニピュレータのブロック構成図である。図1において、マニピュレータシステム10は、顕微鏡観察下で細胞等の対象物に人口操作を実施するためのシステムとして、顕微鏡ユニット12と、ホールディング用マニピュレータ14と、インジェクション用マニピュレータ16とを備えており、顕微鏡ユニット12の両側にマニピュレータ12、14が分かれて配置されている。
顕微鏡ユニット12は、カメラ18、顕微鏡20、ベース22を備えており、円盤状のベース22の上方に顕微鏡20が配置され、顕微鏡20にはカメラ18が連結されている。ベース22上には細胞等の対象物が載置されるようになっており、ベース22上の細胞(図示せず)に顕微鏡20から光が照射されるようになっている。ベース22上の細胞で反射した光が顕微鏡20に入射すると、細胞に関する光学像は、顕微鏡20で拡大された後カメラ18で撮像されるようになっており、カメラ18の撮像による画像を基に細胞を観察することができる。
ホールディング用マニピュレータ14は、直交3軸構成のマニピュレータとして、ホールディングピペット24、XY軸テーブル26、Z軸テーブル28、XY軸テーブル26を駆動する駆動装置30、Z軸テーブル28を駆動する駆動装置32を備えて構成されており、ホールディングピペット24は、Z軸テーブル28に連結され、Z軸テーブル28はXY軸テーブル26上に上下動自在に配置されている。XY軸テーブル26は、駆動装置30の駆動により、X軸またはY軸に沿って移動するように構成され、Z軸テーブル28は、駆動装置32の駆動により、Z軸に沿って(鉛直軸方向に沿って)移動するように構成されている。Z軸テーブル28に連結されたホールディングピペット24は、XY軸テーブル26とZ軸テーブル28の移動に従って三次元空間を移動領域として移動し、ベース22上の細胞等を保持するように構成されている。
インジェクション用マニピュレータ16は、直交3軸構成のマニピュレータとして、インジェクションピペット34、XY軸テーブル36、Z軸テーブル38、XY軸テーブル36を駆動する駆動装置40、Z軸テーブル38を駆動する駆動装置42を備えて構成されており、インジェクションピペット34は、Z軸テーブル38に連結され、Z軸テーブル38はXY軸テーブル36上に上下動自在に配置されている。XY軸テーブル36は、駆動装置40の駆動により、X軸またはY軸に沿って移動するように構成され、Z軸テーブル38は、駆動装置42の駆動により、Z軸に沿って(鉛直軸方向に沿って)移動するように構成されているとともに、ベース22上の細胞等を、針を挿入するための挿入対象とするインジェクションピペット34に連結されている。すなわち、XY軸テーブル36とZ軸テーブル38は、駆動装置40、42の駆動により、ベース22上の細胞等を含む三次元空間を移動領域として移動し、インジェクションピペット34の位置、例えば、インジェクションピペット34の先端側からベース22上の細胞に対して、針を挿入するための挿入位置を制御する三次元軸移動テーブルとして構成されている。
また、これらテーブルは、移動テーブルとしての機能の他に、ナノポジショナとしての機能を備え、インジェクションピペット34を往復動自在に支持するととともに、インジェクションピペット34をその長手方向(軸方向)に沿って微動駆動するように構成されている。
具体的には、これらテーブルには、ナノポジショナとして、図2に示す微動機構44、または図3に示す微動機構46が付加(内蔵)されている。
微動機構44は、圧電アクチュエータの本体を構成するハウジング48を備えており、略円筒状に形成されたハウジング48内には、インジェクションピペット34の根元側に連結されたねじ軸50が挿通されているとともに、円筒状のスペーサ52、円筒状の圧電素子54、55、円筒状の間座56がねじ軸50の外周側に収納されており、スペーサ52の外周側には、軸受58、60が内輪間座62を間にして収納されている。
軸受58、60は、それぞれ内輪58a、60aと、外輪58b、60bと、内輪58a、60aと外輪58b、60b間に挿入されたボール58c、60cを備え、各内輪58a、60aがスペーサ52の外周面に嵌合され、各外輪58b、60bがハウジング48の内周面に嵌合され、スペーサ52を介してねじ軸50を回転可能に支持するようになっている。軸受58は、ハウジング48の内周面に嵌合された間座56との当接により、ねじ軸50の軸方向への移動が規制され、軸受60はスペーサ52に嵌合されたロックナット66との当接により、ねじ軸50の軸方向への移動が規制されるようになっている。
ハウジング48の一端側には孔48a、48b、48c、48dが形成されているとともに、円環状の蓋64が固定されており、他端側には、スペーサ52の軸方向端部とねじ軸50に締結されたロックナット66が配置されている。
予圧調整は間座54の長さを調整することによって押圧力を調整させ、軸受58、60へ適切な予圧力を与える。これにより、軸受58、60に所定の予圧が付与され、軸受58、60の外輪間に軸方向間距離としての間隙63が形成される。
圧電素子54は、孔48a、48b内にそれぞれ挿入されたリード線70、72を介して制御回路(図示せず)に接続され、圧電素子55は、孔48c、48d内にそれぞれ挿入されたリード線71、73を介して制御回路(図示せず)に接続されている。圧電素子54と圧電素子55は、互いに直列になって連結され、制御回路からの電圧に応じてインジェクションピペット34の長手方向に沿って伸縮する圧電アクチュエータの一要素として構成されている。
例えば、圧電素子54は、インジェクション操作モードのときに、制御回路からインジェクション用電圧として、例えば、図4に示すような矩形波状の電圧V1が印加されたときには、この印加電圧V1に応答して、インジェクションピペット34の先端側からベース22上の細胞に対して、針を挿入するための押圧力をインジェクションピペット34に付与するようになっている。一方、圧電素子55は、微動モードのときに、制御回路から、電圧V1よりもレベルの低い微動用電圧が印加されたときには、この印加電圧に応答して、ねじ軸50をその長手方向(軸方向)に沿って微動させて、インジェクションピペット34の位置を微調整するようになっている。
インジェクション用電圧としては、矩形波状の電圧V1の代わりに、図5(a)に示すように、時間勾配を有する台形波状の電圧V2を用いることができる。この場合、電圧V2を、初期値から最大印加電圧に達するまでの時間t1と最大電圧から初期値になるまでの時間t2がそれぞれ同じになるように設定することで、インジェクションの際に、細胞へ針を挿入するときの速度と細胞から針を抜くときの速度をそれぞれ同じにすることができる。また、電圧V2の代わりに、図5(b)に示すように、初期値から最大印加電圧に達するまでの時間t3と最大電圧から初期値になるまでの時間t4がそれぞれ異なる電圧V3を用い、インジェクションの際に、細胞へ針を挿入するときの速度と細胞から針を抜くときの速度をそれぞれ個別に設定することもできる。さらに、インジェクション用電圧としては、図6に示すように、三角波状の電圧V4を用いることができる。この場合も、初期値から最大印加電圧に達するまでの時間t5と最大電圧から初期値になるまでの時間t6を任意に設定することができる。
また、インジェクション用電圧を設定するに際しては、使用する細胞の性質に合わせて、電圧の振幅や電圧の波形を調整することが望ましい。
微動機構46は、圧電アクチュエータの本体を構成するハウジング74を備えており、略円筒状に形成されたハウジング74内には、インジェクションピペット34の根元側に連結されたねじ軸(軸状部材)76の軸方向一端側と、ねじ軸76の外周側を囲む円筒状のスペーサ78が収納されているとともに、圧電素子80、間座82、軸受84、86が収納されている。圧電素子80は、ねじ軸76の延長線上に、間座82を介してねじ軸76と直列になって配置されており、間座82は、ねじ軸76の軸方向端部に噛合されたロックナット88を囲むように配置されている。軸受84と軸受86は内輪間座90を間にしてスペーサ78の外周側に配置されている。
軸受84、86は、それぞれ内輪84a、86aと、外輪84b、86bと、内輪84a、86aと外輪84b、86b間に挿入されたボール84c、86cを備え、各内輪84a、86aがスペーサ78の外周面に嵌合され、各外輪84b、86bがハウジング74の内周面に嵌合され、スペーサ78を介してねじ軸76を回転可能に支持するようになっている。軸受84は、ハウジング74の内壁面との当接により、ねじ軸76の軸方向への移動が規制され、軸受86は、ねじ軸76の頭部に嵌合されたロックナット88との当接により、ねじ軸76の軸方向への移動が規制されるようになっている。
ハウジング74の一端側には、ねじ軸76をガイドする円環状のガイド筒92が固定され、他端側には、圧電素子80、81に対して、ねじ軸76の軸方向への移動を規制する蓋94が固定されている。蓋94には凹部94aが形成されているとともに、孔94b、94c、94d、94eが形成されており、蓋94の凹部94aと間座82の凹部82aとの間に圧電素子80、81が挿入されている。
予圧調整は間座82の長さを調整することによって押圧力を調整させ、軸受84、86へ適正な予圧力を与える。これにより、軸受84、86に所定の予圧が付与され、軸受84、86の外輪間に軸方向間距離としての間隙93が形成される。
圧電素子80は、蓋94の孔94b、94e内にそれぞれ挿入されたリード線96、98を介して制御回路(図示せず)に接続され、圧電素子81は、蓋94の孔94c、94d内にそれぞれ挿入されたリード線100、102を介して制御回路(図示せず)に接続されている。圧電素子80と圧電素子81は、互いに直列になって連結され、制御回路からの電圧に応じてインジェクションピペット34の長手方向に沿って伸縮する圧電アクチュエータの一要素として構成されている。
圧電素子80は、インジェクション操作モードのときに、制御回路からインジェクション用電圧、例えば、図4に示す電圧V1が印加されたときには、この印加電圧V1に応答して、インジェクションピペット34の先端側からベース22上の細胞に対して、針を挿入するための押圧力をインジェクションピペット34に付与するようになっている。一方、圧電素子81は、微動モードのときに、制御回路から、電圧V1よりもレベルの低い微動用電圧が印加されたときには、この印加電圧に応答して、ねじ軸76をその長手方向(軸方向)に沿って微動させて、インジェクションピペット34の位置を微調整するようになっている。この場合も、インジェクション用電圧としては、電圧V1の代わりに、図5または図6に示すように、電圧V2、V3、V4を用いることができる。
上記構成において、インジェクション用マニピュレータ16を駆動するに際しては、XY軸テーブル36とZ軸テーブル38を粗動駆動して、インジェクションピペット34をベース22上の細胞に近づけて位置決めした後、微動機構44または微動機構46を用いてインジェクションピペット34を微動駆動することとしている。
具体的には、図7に示すように、駆動装置40、42に内蔵された粗動用モータに対して、粗動指令200としてパルス信号を印加すると、粗動用モータのうちX軸用モータ、Y軸用モータ、Z軸用モータがパルス信号に応答して回転駆動し、XY軸テーブル36がX軸またはY軸方向に沿って漸次ベース22に近づく方向に移動するととともに、Z軸テーブル38がZ軸に沿って漸次ベース22に近づく方向に移動する。この場合、粗動用モータとして、ステッピングモータが用いられたときには、粗動指令200は、X、Y、Z軸用モータを設定回転数で回転させるために必要な角度ステップ数に相当するパルス信号を出力することになる。
また、微動機構44の圧電素子54又は55、又は微動機構46の圧電素子80又は81には、初期設定電圧Vsが印加されているだけであり、圧電素子54、55は、軸受58、60の予圧の反力による圧縮荷重が作用した状態に、圧電素子80、81は、軸受84、86の予圧の反力による圧縮荷重が作用した状態にある。
XY軸テーブル36またはZ軸テーブル38の移動に伴ってインジェクションピペット34が粗動用目標位置に到達すると、XY軸テーブル36とZ軸テーブル38の駆動が停止され、その後、駆動装置42に微動指令202が印加される。駆動装置42に微動指令202が印加されると、微動機構44の圧電素子55または微動機構46の圧電素子81に、微動指令202に従った微動用電圧V0が印加され、インジェクションピペット34がその長手方向に沿って微動し、ベース22上の細胞に対する挿入位置に位置決めされる。
例えば、微動機構44を用いた場合、微動機構44では、軸受58、60のうち軸受58の内輪と外輪の変位量であって、圧電素子55の変位の半分の変位量がインジェクションピペット34の微動変位量に設定されていることから、圧電素子55には、微動変位量の2倍の変位を与えるための制御電圧と初期設定電圧Vsとを加算した微動用電圧V0が印加されることになる。
このとき、例えば、圧電素子55に2xの伸びが生じたときには、この伸びによる押圧力は微動制御を行う前の予圧荷重に加えて軸受60の外輪60bを押圧し、軸受58の外輪58bを軸方向(図2の右方向)に移動させ、軸受58、60の各外輪58b、60b間の間隙63が2x分更に狭くなって圧電素子55の軸方向の伸びを吸収する。
この間隙63の変位は、弾性変形に伴って軸受58、60がそれぞれ軸方向にxずつ変位し、軸受58の外輪58bが軸方向に合わせて2x変位することにより生じる。
逆に、圧電素子55が2x縮むと押圧力が減少し、軸受58、60の弾性変形がそれぞれxずつ減少し、間隙63が拡がる方向に、軸受58の外輪58bが軸方向に合わせて2x変位することになり、圧電素子55の縮み分を吸収する。
このように、間隙63の変位2xを軸受58、60がxずつ分けて吸収するので、軸受58、60を互いに押圧する力がバランスしたときに、スペーサ52に嵌合している軸受58、60の内輪58a、60aがスペーサ52とねじ軸50とともに軸方向にx変位する。これにより、ねじ軸50に連結されているインジェクションピペット34が軸方向にxだけ変位する。つまり、圧電素子55の2xの変位の半分の変位量がインジェクションピペット34の微動変位量となって、インジェクションピペット34が挿入位置に位置決めされる。
インジェクションピペット34が挿入位置に位置決めされたときには、位置決めが完了したとして、インジェクション操作モードとなり、微動機構44の圧電素子54または微動機構46の圧電素子80に、微動指令202に従ったインジェクション用電圧として、例えば、電圧V1が印加され、ベース22上の細胞に対して、インジェクションピペット34の先端側から針が挿入される。
本実施形態によれば、微動機構44の圧電素子55または微動機構46の圧電素子81に微動電圧V0を印加することで、インジェクションピペット34に対して微動動作をさせることができ、微動機構44の圧電素子54または微動機構46の圧電素子80にインジェクション用電圧V1を印加することで、インジェクションピペット34に対してインジェクション動作をさせることができ、構成の簡素化を図ることができるとともに、インジェクションピペット34に対する位置決めを高精度に行うことができる。
また、本実施形態によれば、微動機構44または46に微動モード時に駆動する圧電素子55または81とインジェクション操作モード時に駆動する圧電素子54または80を設け、各モードに応じて各圧電素子を個別に駆動するようにしたため、微動ストロークを確実に確保できるとともに、インジェクションのストロークを長く要するときにも圧電素子の変位を有効に利用することが可能になる。
前記実施形態においては、Z軸にナノポジショナとしての微動機構44、46を適用したものについて述べたが、X軸、Y軸およびZ軸の全ての軸にナノポジショナ構造のサポート軸受を適用することができる。
また、前記実施形態において、微動機構44、46において、微動用の圧電素子として、単一の圧電素子55、81を用い、インジェクション用の圧電素子として、単一の圧電素子54、80を用いているが、微動用の圧電素子またはインジェクション用の圧電素子のうち少なくとも一方の圧電素子を2個以上のもので構成し、これらを互いに直列に連結する構成を採用することもできる。このような構成すると、単一の圧電素子では、微動ストローク、インジェクションのストロークが不足する場合でも、微動ストロークやインジェクションのストロークを確実に確保することができる。
本発明の一実施形態を示す細胞マニピュレータのブロック構成図である。 微動機構の一実施例を示す断面図である。 微動機構の他の実施例を示す断面図である。 インジェクション用電圧として矩形波状の電圧を用いたときの波形図である。 インジェクション用電圧として台形状の電圧を用いたときの波形図である。 インジェクション用電圧として三角波状の電圧を用いたときの波形図である。 インジェクション用マニピュレータの粗動時、微動時およびインジェクション時の動作を説明するための波形図である。
符号の説明
10 マニピュレータシステム
12 顕微鏡ユニット
14 ホールディング用マニピュレータ
16 インジェクション用マニピュレータ
18 カメラ
20 顕微鏡
22 ベース
34 インジェクションピペット
36 XY軸テーブル
38 Z軸テーブル
40、42 駆動装置
44、46 微動機構
54、55、80、81 圧電素子

Claims (4)

  1. 駆動対象に連結される軸状部材と、前記軸状部材に連結されて印加電圧に応じて前記軸状部材の軸方向に沿って伸縮する圧電アクチュエータと、前記圧電アクチュエータの駆動を制御する制御手段と、を備え、前記圧電アクチュエータは、互いに直列に連結にされた複数の圧電素子を有し、前記制御手段は、前記複数の圧電素子をそれぞれ別々に駆動してなるマニピュレータ。
  2. 前記制御手段は、微動モードのときには前記複数の圧電素子のうち一方の圧電素子を微動駆動し、インジェクション操作モードのときには他方の圧電素子を操作駆動してなる請求項1記載のマニピュレータ。
  3. 前記制御手段は、前記各圧電素子に対して、前記各圧電素子の直線運動に伴う前記軸状部材のストロークに差が生じる電圧を印加してなる請求項1記載のマニピュレータ。
  4. 前記一方の圧電素子と前記他方の圧電素子は互いに直列に接続され、前記一方の圧電素子または前記他方の圧電素子のうち少なくとも一方は、2個以上の圧電素子で構成されてなる請求項1乃至3のいずれか1項記載のマニピュレータ。
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