JP2009058931A - マニピュレータ及びマニピュレータシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】キャピラリの交換を容易に行うことができ、ピペットを容易に安定した位置にセッティング可能なマニピュレータ及びマニピュレータシステムを提供する。
【解決手段】このマニピュレータは、キャピラリを着脱可能にピペット先端側に取り付けて移動させ操作するものであって、ピペットを保持する保持手段25,26と、保持手段をマニピュレータ側に連結する連結手段22,27と、保持手段をマニピュレータによる移動とは別に移動可能にする手段22,22a,22bと、マニピュレータによる移動とは別の移動のときに保持手段を所定方向に案内する案内手段23,24,22a,22bと、を備える。
【選択図】図2
【解決手段】このマニピュレータは、キャピラリを着脱可能にピペット先端側に取り付けて移動させ操作するものであって、ピペットを保持する保持手段25,26と、保持手段をマニピュレータ側に連結する連結手段22,27と、保持手段をマニピュレータによる移動とは別に移動可能にする手段22,22a,22bと、マニピュレータによる移動とは別の移動のときに保持手段を所定方向に案内する案内手段23,24,22a,22bと、を備える。
【選択図】図2
Description
本発明は、細胞等の微小な対象物を扱うキャピラリを移動させて微小な対象物を操作するマニピュレータ及びマニピュレータシステムに関する。
バイオテクノロジ分野において顕微鏡観察下で卵細胞に核や精子を注入するなどのように細胞等の微小な対象物に操作を行うマイクロマニピュレータが知られている(例えば、下記特許文献1参照)。特許文献1に開示のマイクロマニピュレータ1000は、図4に示すように、ホルダブロック1300と、移動テーブル1400と、移動ステージ1600と、ステッピングモータ1700と、を有する。細胞等の微小な対象物を操作するピペット1100がピペットホルダ1200に装着されている。クランプ板1800がホルダブロック1300にボルト1810により着脱自在に取り付けられ、ホルダブロック1300とクランプ板1800との間にピペットホルダ1200が挟持されることで、ピペット1100がピペットホルダ1200を介しホルダブロック1300に固定状態で保持される。ピペット1100の先端側には例えばガラスキャピラリ1110が取り付け固定されている。
ホルダブロック1300は移動テーブル1400にボルト1310により固定して取り付けられる。移動テーブル1400は、移動ステージ1600に設けられたガイドレール1900に沿って直線移動可能である。移動ステージ1600にはステッピングモータ1700が取り付けられ、ステッピングモータ1700の駆動力が図示しないネジ機構等を介して移動テーブル1400へ伝達される。これにより、移動テーブル1400は、ガイドレール1900に沿って直線移動されてホルダブロック1300を移動させ、このホルダブロック1300及びピペットホルダ1200を介して、ピペット1100を所望位置まで直線移動させる。
また、非特許文献1には、油圧駆動の3次元マニピュレータに手動で大きなストロークを有するステージが装着され、そのストロークを使用してマニピュレータのセット位置を調整することが開示されている。
特開2004−325836号公報
株式会社ナリシゲのマニピュレータカタログ
ところが、上述の従来技術によれば、ピペット1100を取付けるホルダブロック1300に移動の自由度がなく、ガラスキャピラリ1110を交換するときに、マニピュレータ1000自体を大きく移動したり、ボルト1810を緩めクランプ板1800の挟持を解除してピペット1100をホルダブロック1300から外す必要があった。このように、ガラスキャピラリ1110の交換の度にピペット1100を外し、再度セッティングしなければならず、また、その際にピペット1100を常に安定した位置に繰り返しセッティングすることは困難であるため、面倒で非効率的な作業となっていた。
本発明は、上述のような従来技術の問題に鑑み、キャピラリの交換を容易に行うことができ、ピペットを容易に安定した位置にセッティング可能なマニピュレータ及びマニピュレータシステムを提供することを第1の目的とする。
上述のような液圧(空圧)の圧力調整で駆動するマニピュレータの多くには、圧力調整で駆動するマニピュレータ以外に手動で粗動が可能なアクチュエータが装着されており、使用者は操作する前に、この手動アクチュエータを駆動し、ガラスキャピラリを最適位置にセットする作業が必要になる。このとき、ガラスキャピラリの先端は細く、折損の可能性があるため、慎重な作業となり、さらに、ガラスキャピラリの先端位置を目視し、接眼レンズで確認しながら調整する必要があり、面倒な作業であった。
本発明は、上述のような従来技術の問題に鑑み、マニピュレータにキャピラリを最適位置にセットする際の作業を容易にできるマニピュレータシステムを提供する。
上記第1の目的を達成するために、本実施形態のマニピュレータは、キャピラリを着脱可能にピペット先端側に取り付けて移動させ操作するマニピュレータであって、前記ピペットを保持する保持手段と、前記保持手段をマニピュレータ側に連結する連結手段と、前記保持手段を前記マニピュレータによる移動とは別に移動可能にする手段と、前記マニピュレータによる移動とは別の移動のときに前記保持手段を所定方向に案内する案内手段と、を備えることを特徴とする。
このマニピュレータによれば、マニピュレータによる移動とは別の移動のときにピペットの保持手段を所定方向に案内手段により案内することができるので、例えば、キャピラリの交換のとき、キャピラリとピペットを交換し易い位置まで移動でき、キャピラリの交換が容易となる。また、案内手段によりピペットを所定位置まで移動させることができるので、ピペットを容易に安定した位置にセッティングすることができる。
上記マニピュレータにおいて、前記連結手段は、前記マニピュレータ側に着脱可能に固定された案内部材と、前記案内部材を前記保持手段側に連結する連結部材と、を有し、前記案内手段は、前記案内部材に設けられた案内溝と、前記案内部材を前記マニピュレータ側に緩めることが可能に固定する固定部材と、を有し、前記固定部材による固定を緩めることで、前記保持手段を前記案内部材とともに前記案内溝に沿って前記マニピュレータ側に対してスライド可能にするように構成することが好ましい。
この場合、前記案内溝を前記案内部材に少なくとも2つ設置し、前記各案内溝の延びる方向が前記保持手段を移動させる所定方向とほぼ一致するように構成することが好ましい。これによりピペットの保持手段を安定して所定方向に移動させることができる。
また、前記案内溝の一端部で前記固定部材により前記案内部材を前記マニピュレータ側に固定することで、ピペットの保持手段を所定位置に確実に固定することができる。
また、前記案内溝の一方が他端部側に円弧状溝を有し、その円弧状溝に沿って前記案内部材が回動可能であることで、ピペット先端のキャピラリの方向を変えることができ、例えば上向きにすることができる。
また、前記保持手段を移動させる所定方向は、前記キャピラリによる操作を行う位置から遠ざかる方向であることで、キャピラリの交換が容易になる。
本実施形態のマニピュレータシステムは、上述のマニピュレータ一対と、前記キャピラリによる操作及び操作対象物を観察する顕微鏡と、前記顕微鏡の視野を照射する光源と、を備え、前記キャピラリの交換のとき前記ピペットの保持手段を所定方向に案内して移動可能であることを特徴とする。
このマニピュレータシステムによれば、キャピラリの交換のとき、キャピラリとピペットを交換し易い位置まで移動でき、キャピラリの交換が容易となる。また、案内手段によりピペットを所定位置まで移動させることができるので、ピペットを容易に安定した位置にセッティングすることができる。
上記第2の目的を達成するために、本実施形態のマニピュレータシステムは、微小対象物に対する操作を行うキャピラリが着脱可能でありかつ電動駆動可能な3軸マニピュレータと、前記キャピラリの着脱のために前記マニピュレータを原点位置に復帰させる際に予め設定されたオフセット移動量分移動させるオフセット移動手段と、を備えることを特徴とする。
このマニピュレータシステムによれば、マニピュレータを原点位置に復帰させる際に予め設定されたオフセット移動量分移動させ、その移動後、マニピュレータにキャピラリを取り付けてから、マニピュレータをオフセット移動量分移動させて戻すことで、キャピラリを最適位置に容易にセットできる。これにより、キャピラリを最適位置にセットする際の作業が容易となる。
上記マニピュレータシステムにおいて前記マニピュレータは、前記キャピラリをその軸方向に駆動可能なアクチュエータを備え、前記アクチュエータが前記キャピラリを前記オフセット移動量分移動させるようにできる。
上記第2の目的を達成するために、本実施形態のもう1つのマニピュレータシステムは、微小対象物に対する操作を行うキャピラリが着脱可能でありかつ電動駆動可能な3軸マニピュレータと、前記マニピュレータの各軸方向の位置を検出するように配置された位置センサと、前記キャピラリの着脱のために前記位置センサが所定位置を検出するまで前記マニピュレータを移動させる手段と、を備え、前記所定位置から前記マニピュレータを移動させて前記キャピラリを所定位置にセットすることを特徴とする。
このマニピュレータシステムによれば、位置センサが所定位置を検出するまでマニピュレータを移動させてマニピュレータにキャピラリを取り付け、その後、所定位置からマニピュレータを移動させてキャピラリを最適位置にセットできる。これにより、キャピラリを最適位置にセットする際の作業が容易となる。
上記マニピュレータシステムにおいて前記マニピュレータが前記キャピラリをその軸方向に駆動可能なアクチュエータを備え、前記アクチュエータが前記キャピラリを所定位置にセットするように移動させることができる。
本発明のマニピュレータ及びマニピュレータシステムによれば、キャピラリの交換を容易に行うことができ、ピペットを容易に安定した位置にセッティング可能である。
また、本発明のマニピュレータシステムによれば、マニピュレータにキャピラリを最適位置にセットする際の作業を容易にできる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。
〈第1の実施形態〉
図1は第1の実施形態によるマニピュレータシステムの要部を示す斜視図である。図2は図1のマニピュレータの要部を概略的に示す斜視図である。図3は図1のピペットとキャピラリのガラス板上での位置関係を概略的に示す図である。
図1は第1の実施形態によるマニピュレータシステムの要部を示す斜視図である。図2は図1のマニピュレータの要部を概略的に示す斜視図である。図3は図1のピペットとキャピラリのガラス板上での位置関係を概略的に示す図である。
図1に示すマニピュレータシステム10は、ガラス板18上で溶液中の卵子等の細胞などに核や精子や試薬などを注入するためのインジェクションキャピラリ11を操作する第1マニピュレータ20と、ガラス板18上で溶液中の卵子等の細胞などを吸引等により保持するためのホールディングキャピラリ13を操作する第2マニピュレータ30と、を備える。
マニピュレータ20,30は、それぞれブロック部21,31を備え、ブロック部21,31の主平面21a,31aに取り付けられた各キャピラリ11,13が図1,図2のxyzの3軸方向に移動可能に構成されている。
インジェクションキャピラリ11及びホールディングキャピラリ13は、それぞれガラスからなり、各ピペットに着脱可能に連結されている。各ピペットは、円筒状のピペットホルダ12,14内に保持されており、各ピペットホルダ12,14がマニピュレータ20,30に連結されている。
マニピュレータシステム10は、さらに、ガラス板18の上方に配置された顕微鏡17と、ガラス板18の上方に配置され顕微鏡17の視野を照射する光源部19と、を備える。光源部19からの光がインジェクションキャピラリ11及びホールディングキャピラリ13の先端及びガラス板18上の溶液ドロップD(図3)を照射し、顕微鏡17でキャピラリ11,13の先端及び細胞等の操作対象物を観察可能になっている。
マニピュレータ20,30は、光源部19を挟んで互いに対向するようにガラス板18の上方であってその左右に配置されており、キャピラリ11,13とピペットホルダ12,14は、それぞれガラス板18に向けて斜め方向下向きに延びている。
次に、図1の第1及び第2マニピュレータ20,30について図1,図2を参照して説明する。なお、マニピュレータ20,30はほぼ同一の構造であるので、マニピュレータ20を例にして説明する。
図2のように、マニピュレータ20は、ボルト22a,22bによりブロック部21の主平面21aに取り付け固定されるとともに案内溝23,24を有する板状の案内部材22と、円筒状のピペットホルダ12を間に挟んでボルト26aで固定されて一体になって保持する板状の保持部材25,26と、保持部材25と案内部材22との間に配置されて保持部材25と案内部材22とを連結する棒状の連結部材27と、を備える。
なお、連結部材27は、保持部材25及び案内部材22に対して着脱自在に構成されているが、図2ではその構成の図示を省略している。
案内部材22は、案内溝23,24が板厚方向に貫通しており、ボルト22a,22bを案内溝23,24を通してブロック部21側にねじ込むことで固定されている。また、ボルト22a,22bを緩めることで、案内部材22は、ブロック部21に固定されたガイド部21bにほぼ沿ってスライド方向S、S’(ピペットホルダ12が延びる方向)にブロック部21に対しスライド可能になっている。
案内部材22の案内溝23は、図2のように、スライド方向S、S’に延びた直線状溝部23aと、直線状溝部23aの図の右端側に設けられた円弧状溝部23bとを有する。案内溝24は、直線状溝部23aとほぼ平行な直線状溝部からなる。
ピペットホルダ12は、案内部材22がボルト22a,22bでブロック部21に固定された状態で、保持部材25,26と連結部材27とを介してブロック部21に連結され、ブロック部21の主平面21aにおけるxyzの3軸方向への移動に連動して移動可能になっている。このときの案内部材22の位置は、図1のように、案内溝23の図2の左端23c(円弧状溝部23bの反対側)でボルト22aにより固定される位置である。なお、このとき、図1には示されていないが、図2のボルト22bが案内溝24の図の左端に位置している。
案内部材22を、図1の位置で、ボルト22a,22bを緩めてから、スライド方向Sにブロック部21に対しスライドさせると、案内部材22は案内溝23,24でボルト22a、22bにガイドされながらスライド方向Sにほぼ直線的に移動し、ピペットホルダ12がインジェクションキャピラリ11とともにガラス板18から離れるように斜めにほぼ直線的に移動する。このとき、案内部材22は、その下方端部22cがガイド部21bに沿ってガイドされることで、安定してスライドさせることができる。
そして、図2のようにボルト22bが案内溝24の図の右端に位置した状態で、案内部材22を回動方向rに回動させると、案内部材22は、ボルト22bを中心として、円弧状溝部23bに沿ってボルト22aにガイドされながら回動方向rに回動する。これにより、ピペットホルダ12がインジェクションキャピラリ11とともに図2の回動方向rに回動する。
次に、図1,図2のマニピュレータシステム10の動作を説明する。図3のように、光源部19から光を照射して顕微鏡17で観察しながら、マニピュレータ20,30を操作し、ガラス板18の表面18a上の溶液ドロップDに対しキャピラリ11,13を進入させて、例えば、ホールディングキャピラリ13でドロップD内の細胞を保持しながら、インジェクションキャピラリ11で細胞に核や精子や試薬等を注入する。
上述のような操作のとき、案内部材22は図1の位置でボルト22a,22bによりブロック部21の主平面21aに固定されており、主平面21a側の微小な動きが、案内部材22、連結部材27,保持部材25,26,ピペットホルダ12,ピペット等を介してキャピラリ11に伝達し、キャピラリ11を3軸方向に微小に移動させることができる。なお、マニピュレータ30においても同様である。
次に、所定の作業終了後に、キャピラリ11を交換する際には、図1,図2のボルト22a、22bを緩め、案内部材22を手動でスライド方向Sにスライドさせると、このスライドに連動してキャピラリ11がピペットホルダ12とともに図3の斜め方向Tに移動し、例えば、図3の破線の位置まで移動する。これにより、ピペットに取付けているキャピラリ11が図1の光源部19の下側領域から外れ、キャピラリ11の交換等の作業が可能な状態になる。
次に、案内部材22を図2の位置で回動方向rに回動させると、この回動に連動してキャピラリ11がピペットホルダ12とともに図3の回動方向Rに回動し、図3の一点鎖線の位置まで移動し、上向きになる。これにより、ピペットは作業状態時の設置位置から光源部19の傾域の外に移動することができ、キャピラリ11の交換がさらにし易くなる。なお、キャピラリ11の交換のときには、ボルト22a、22bを締めて案内部材22を固定してから行うようにしてもよい。
以上のようにして、キャピラリ11をガラス板18の表面18aから離し、光源部19の下側領域から外すことができ、キャピラリ11の図3の破線の位置や一点鎖線の位置で、ピペットホルダ12を保持部材25,26により挟持した状態で容易にキャピラリ11を交換することができる。このようにして、常時、安定した交換作業が可能となる。なお、マニピュレータ30においても同様にして図3の方向T’に移動させて容易にキャピラリ13を交換できる。
また、キャピラリ11の交換後、案内部材22を図2のスライド方向S’にスライドさせ、ボルト22aが案内溝23の端部23cに、ボルト22bが案内溝24の端部に、それぞれ当接させ、図1の位置でボルト22a、22bにより案内部材22をブロック部21側に固定することで、通常の作業可能な状態になる。これにより、キャピラリ11を交換しても、常に繰返し安定した位置にピペット及びキャピラリ11をセッティングすることが可能となる。
また、キャピラリの交換は、ボルト26aを緩めて保持部材25,26からピペットホルダ12を取り外すこと、または、保持部材25,26をブロック部21から取り外すことが、いずれも不要になり作業の効率化が可能になる。
また、案内部材22を回動させて図3の一点鎖線のように、ピペットホルダ12を上向きの状態にしてキャピラリ11の交換作業をすることで、キャピラリ11の再装着後、キャピラリ11内に試薬等を入れる際に圧力調整を行うとき、キャピラリ11が操作者の方に向いていないため、作業の誤り等のためキャピラリ11が圧力により飛び出した場合でも安全を確保することができる。
図4のような従来のマニピュレータによれば、ピペットを取付ける部品に移動させる自由度がなく、ピペットとキャピラリをセッティングする際、マニピュレータを大きく移動したり、ピペットを保持部材から外す必要があったのに対し、本実施形態によれば、ブロック部21に対する案内部材22の固定を緩めることで、ピペットを保持する保持部材25,26に移動の自由度を付加することができ、案内部材22の案内溝23,24でキャピラリを交換し易い位置まで安定して移動させることができ、キャピラリ交換のため保持部材25,26からピペットを取り外す(または保持部材25,26をブロック部21から取り外す)必要がなく、また、キャピラリの交換後に、ピペットとキャピラリを元の位置に安定してセッテングできる。
以上のように本発明を実施するための最良の形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で各種の変形が可能である。例えば、図2では、案内部材に案内要素として案内溝を設置し、手動でスライドさせる案内機構としたが、例えば、リニアガイド(クロスローラガイド)、ボールねじ、モータを組み合わせた機構を設置し自動的に駆動するようにしてもよく、さらに、リニアガイド(クロスローラガイド)とリニアモータの組み合わせでもよい。
〈第2の実施形態〉
図5は第2の実施形態によるマニピュレータシステムの概略的構成を示す斜視図である。図6は図5のインジェクション用電動3軸マニピュレータの概略的構成を示す斜視図である。
図5は第2の実施形態によるマニピュレータシステムの概略的構成を示す斜視図である。図6は図5のインジェクション用電動3軸マニピュレータの概略的構成を示す斜視図である。
図5に示すように、本実施形態によるマニピュレータシステム500は、ホールディング用の電動3軸(XYZ)マニピュレータ140と、インジェクション用の電動3軸(XYZ)マニピュレータ160と、倒立顕微鏡120と、電動の試料ステージ110と、を備え、各電動3軸マニピュレータ140,160は倒立顕微鏡120と一体になるように取り付けられている。なお、電動3軸マニピュレータ140,160は、試料ステージ110と一体構造となるように取り付けてもよく、これにより外部からの振動等の影響が受け難くなる。
インジェクション用の電動3軸マニピュレータ160には、電動で圧力調整可能なインジェクタ340を設置軸方向に往復運動するようにモータ駆動及び圧電素子駆動が可能なナット回転型アクチュエータ170が取り付けられている。ホールディング用の電動3軸マニピュレータ140にも同様のナット回転型アクチュエータ191が取り付けられている。
倒立顕微鏡120は電動焦点合わせアクチュエータ、対物レンズを切り替えるレボルバ部及び観察対象物への光照射のための光源を有する。
また、各電動3軸マニピュレータ140,160の設置時の安定性を向上するため、各電動3軸マニピュレータ140,160を重力方向に支持するための脚149,169を設置している。各脚149,169は、図5では各電動3軸マニピュレータ140,160に対しそれぞれ1箇所しか配置していないが、複数でもよい。
図6のように、電動3軸マニピュレータ160は、3つの1軸アクチュエータ161,162,163を3軸(XYZ)方向に組み合わせて構成されている。各1軸アクチュエータ161〜163は、ステッピングモータとカップリングとBS(ボールねじ)と案内要素とスライダとから構成され、オーバーストロークを防止するために駆動軸方向の両端にリミットスイッチ(図16参照)が設置されている。また、各1軸アクチュエータ161〜163のステッピングモータの励磁を切ることにより、各1軸アクチュエータ161〜163の各手動ノブ161a,162a,163aによりマニピュレータ160を各軸方向に手動操作することも可能な構成となっている。電動3軸マニピュレータ140も同様に構成されている。
1軸アクチュエータ163をZ軸方向の駆動用とし、そのZ軸スライダ163b上にはθステージ164が配置され、さらにθステージ164上にはナット回転型アクチュエータ170が配置されている。θステージ164は、ナット回転型アクチュエータ170の設置角度を調整するためのものであり、手動タイプであるが、電動タイプに構成してもよい。θステージ164の設置角度は、インジェクタ340に装着されるガラス製のインジェクションキャピラリ341の折れ曲がり角度またはインジェクション角度と一致するよう設定される。
次に、図5,図6のナット回転型アクチュエータ170について図7,図8を参照して説明する。図7は図6のナット回転型アクチュエータ170をθステージ164の平面と平行な方向に切断してみた断面図である。図8は図6,図7のナット回転型アクチュエータ170の斜視図である。
図7,図8に示すように、ナット回転型アクチュエータ170は、圧電アクチュエータとしての本体を構成するハウジング480を備えており、ほぼ筒状に形成されたハウジング480内には、ピペット状のインジェクタ340を駆動対象として、外周側にねじ部を有するねじ軸520と、ねじ軸520を囲む中空状の回転軸540が挿通されている。ハウジング480はその底部がベース560に固定されており、微動機構、ナノポジショナとして構成されている。
ねじ軸520の先端側には、治具580を介してピペット状のインジェクタ340の根元側が連結されており、ねじ軸520の中程には、ねじ軸520外周のねじ部とねじ結合されるねじ要素としてのボールねじナット(BSナット)600が装着され、治具580とねじ軸520との間にはスライダ620が連結されている。スライダ620はベース560とほぼ直交する方向に配置され、切り欠き640を間にしてリニアガイド660に連結されている。リニアガイド660はベース560底部側に配置され、ベアリング680を介して、ねじ軸520の軸方向に沿って移動自在にベース560に連結されている。
すなわち、リニアガイド660は、ねじ軸520の軸方向の移動に合わせて、ねじ軸520の先端側を支持したスライダ620を、ベース560に沿って往復動させるようになっている。この際、ねじ軸520のうちボールねじナット600よりもインジェクタ340側の部位が、スライダ620を介してリニアガイド660でスライド自在に支持されるので、ねじ軸520の直線運動をインジェクタ340へ伝達することができる。
ボールねじナット600は、回転軸540の軸方向一端側(先端側)の段部540aに固定されているとともに、ねじ軸520外周のねじ部とねじ結合され、ねじ軸520がその軸方向に沿って往復動(直線運動)するのを自在に支持するようになっている。すなわち、ボールねじナット600は、回転軸540の回転運動をねじ軸520の直線運動に変換するための要素として構成されている。
回転軸540の軸方向他端側は、中空モータ700内の回転部に連結している。中空モータ700のハウジング740は、その底部側がベース560に弾性体としてのゴムワッシャ760を介してボルト780が固定されている。中空モータ700が駆動されると回転軸540が回転し、回転軸540の回転運動がボールねじナット600を介してねじ軸520に伝達され、ねじ軸520がその軸方向に沿って直線運動するようになっている。
一方、回転軸540の段部540aに隣接して、軸受800、820が内輪間座840を間にして収納されている。軸受800、820は、それぞれ内輪800a、820aと、外輪800b、820bと、内輪と外輪間に挿入されたボール800c、820cを備え、各内輪800a、820aが回転軸540の外周面に嵌合され、各外輪800b、820bがハウジング480の内周面に嵌合され、回転軸540を回転自在に支持するようになっている。軸受800、820は、内輪間座840を間にし、回転軸540にロックナット860により固定されている。軸受800は、ハウジング480内の段部540aと円環状のスペーサ900と当接することにより、回転軸540の軸方向への移動が規制されるようになっている。軸受820の外輪820bとハウジング480の蓋880との間に、円環状の圧電素子920と円環状のスペーサ900が圧入されている。
また、各軸受800、820、圧電素子920には、スペーサ900の長さを調節し、蓋880を閉めることにより、予圧が付与される。具体的には、スペーサ900の長さを調整し、蓋880を閉めると、その位置に応じた締結力が軸受820と軸受800の外輪820b、800bに、軸方向に沿った押圧力として予圧が付与されるとともに、同時に圧電素子920にも予圧が付与される。これにより、軸受800、820および圧電素子920に所定の予圧が付与され、軸受800、820の外輪間に軸方向間の距離としての間隙940が形成される。
圧電素子920は、リード線(図示せず)を介してコントローラとしてのパソコン(PC)430(図10参照)に接続されており、パソコン430からの電圧に応じて回転軸540の長手方向(軸方向)に沿って伸縮する圧電アクチュエータの一要素として構成されている。すなわち、圧電素子920は、パソコン430からの印加電圧に応答して、回転軸540の軸方向に沿って伸縮し、回転軸540をその軸方向に沿って微動させるようになっている。回転軸540が軸方向に沿って微動すると、この微動がねじ軸520を介してインジェクタ340に伝達され、インジェクタ340の位置が微調整されることになる。
上述のように、ナット回転型アクチュエータ170は、中空モータ700によりボールねじナット600の回転運動をねじ軸520の直線運動に変換しねじ軸520を直動するが、ねじ軸520取り付けられたインジェクタ340は、中空モータ700の駆動時にリニアガイド660により回転せず、回り止めの機能を有している。このため、中空モータ700の駆動によりインジェクタ340が直線往復運動できる。
図7,図8のナット回転型アクチュエータ170は、中空モータ700を駆動することで、インジェクタ340を駆動し顕微鏡視野中心部ヘセットし、また、顕微鏡視野中心部から退避する機能を有し、圧電素子920を駆動することで、インジェクタ340の先端に取り付けたガラスキャピラリ341(図6)による細胞(卵)に対する穿孔動作をアシストすることができる。
次に、図5の試料ステージ110について図9を参照して説明する。図9は、図5の試料ステージ110を示す斜視図である。図9のように、試料ステージ110は、2つの1軸アクチュエータ111,112が2軸方向に配置され、試料台113を2軸方向に移動させるように構成され、図5の倒立顕微鏡120に取り付けられている。試料ステージ110を駆動する各アクチュエータ111,112の各モータの軸端には手動ノブ111a,112aがそれぞれ取り付けられており、各モータの励磁を切ることにより手動操作も可能となっている。
次に、図5のマニピュレータシステム500を制御するコントローラとしてのパソコンについて図10を参照して説明する。図10は、図5〜図9のマニピュレータシステム500についてのパソコンによる制御系を説明するための要部ブロック図である。
図10のパソコン(パーソナルコンピュータ)430は、各種制御を行うCPU(中央演算処理装置)431と、記憶装置に格納されておりマニピュレータシステム500の使用時に読み出されるプログラム432と、液晶パネルやCRT等からなる表示部433と、ハードディスクや光ディスク等の記録媒体に顕微鏡画像等を保存可能な記憶部430aと、を備え、操作者により操作されるジョイスティック470及びマウス470aがパソコン430への入力手段として接続されている。パソコン430は、CPU431によりプログラム432の動作及びジョイスティック470やマウス470aの各操作に基づいてマニピュレータシステム500の各部分を制御する。
すなわち、パソコン430は、信号発生器438を駆動し、その信号によりピエゾアンプ434を介してナット回転型アクチュエータ170のピエゾ素子からなる圧電素子920を駆動する。また、パソコン430は、端子台ボックス435を介してナット回転型アクチュエータ170と電動3軸マニピュレータ140,160と試料ステージ110と顕微鏡120のハンドルを電動で回転させる焦点合わせアクチュエータ436とにそれぞれ電気的に接続されており、ナット回転型アクチュエータ170の中空モータ700、電動3軸マニピュレータ160の各1軸アクチュエータ161〜163、試料ステージ110の各1軸アクチュエータ111,112及び焦点合わせアクチュエータ436がそれぞれ駆動されるようになっている。また、顕微鏡120に関し、対物レンズのレボルバ部や光源の光量調整も電動駆動するようにしてもよい。
また、マニピュレータ160には、インジェクタ340の圧力調整を行うシリンジモータが含まれ、そのモータが同様に駆動制御されることでシリンジの圧力を調整することができる。また、顕微鏡120には撮像素子から構成されたカメラ437が配置されており、カメラ437により撮像された顕微鏡画像がパソコン430の表示部433に表示される。
また、ホールディング用のマニピュレータ140も同様に駆動されるが、マニピュレータ140にはホールディングキャピラリの圧力(陰圧)調整を行うシリンジモータが含まれ、そのモータが同様に駆動制御されることでシリンジの圧力(陰圧)を調整することができる。
次に、図10のジョイスティックについて図11を参照して説明する。図11は、図10のジョイスティックの例を示す斜視図である。
上述のマニピュレータシステム500は、少なくとも2つのジョイスティック470を使用して操作される。ジョイスティック470は、一例として図11に示すようなハンドル479と複数のボタン471〜477が配置されたものを使用する。
図11のジョイスティック470のハンドル479と複数のボタン471〜477によりマニピュレータシステム500において次の表1のような操作を実行できるようになっている。ハンドル479は、右方向R、左方向Lに傾斜させる(倒す)ことでマニピュレータ140,160をX軸方向、Y軸方向に駆動でき、回転させる(ひねる)ことでZ軸方向に駆動できる。なお、表1において、4方向のハットスイッチ477の「⇔」は、左右方向の2つのスイッチであり、同じく「↓↑」は、上下方向の2つのスイッチである。また、陰圧+、圧力+は各シリンジモータによる圧力絶対値の増加、陰圧−、圧力−は圧力絶対値の減少である。微動駆動Z+、−は、Z軸方向に対する移動量の増加、減少である。
なお、表1のようなハンドル479と複数のボタン471〜477の各操作に対するレイアウトは、操作者が使い易いように適宜変更が可能である。また、細胞操作で圧電素子920を駆動する際、複数のパラメータで駆動する必要が生じる可能性があるが、その場合は、同様のボタンを追加等することにより対応できる。
また、使用するジョイスティック470は、ハンドル479を倒す(傾斜させる)度合いに応じて速度調整し、離すとマニピュレータ140,160の駆動を停止するタイプでもよいし(速度指令型)、ハンドル479を倒した分だけマニピュレータ140,160を駆動するタイプでもよい(位置制御型)。また、上述のような操作に用いるインターフェイスは、ジョイスティック以外に、例えば、図10のマウス470aとして複数ボタンが存在する2次元または3次元マウスを使用してもよい。
次に、パソコン430の表示部433に表示されるコントローラ画面について図12を参照して説明する。図12は図10のパソコン430の表示部433に表示されるコントローラ画面の一例を示す図である。
パソコン430の表示部433のコントローラ画面上には、カメラ437による顕微鏡画像を少なくとも2画面で表示するようになっており、例えば、図12のように、顕微鏡画像を第1表示画面433aに標準倍率で、第2表示画面433bに拡大倍率でそれぞれ表示できるようになっている。図12の例では、マニピュレータシステム500で卵Dが操作され、ガラス製のホールディングキャピラリ342に陰圧で保持された卵Dに対しインジェクタ340の先端のインジェクションキャピラリ341が穿孔動作した状態を第1表示画面433aに標準倍率で表示し、第2表示画面433bに拡大倍率で表示している。これにより、図10と同様に低倍率の顕微鏡画像と高倍率の顕微鏡画像とを参照するとき、顕微鏡画像の表示倍率の変更の必要性がなくマニピュレータシステム500による迅速な操作処理が可能となるとともに、常に標準倍率の画像で顕微鏡下の細胞(卵)等の試料の状態を把握しながら、拡大倍率の画像で微細な操作を行うことができる。
表示部433のコントローラ画面には、図12に示すように、略中央左右に第1,第2表示画面433a,433bが配置されるとともに、その下側に動作状態表示パネル433cが配置され、その上側には、画像操作パネル433d,試料ステージ操作パネル433e及びマニピュレータ操作パネル433fが配置されており、マウス470aによりそれぞれ操作が可能になっている。
動作状態表示パネル433cには、マニピュレータ140,160の実際のXYZ位置座標等が表示部433gに表示され、また、ジョイスティック470のボタン操作時に、どのボタンを押しているかを認識可能な表示部433hが配置されており、画像をみながら操作状態を把握することができ、さらに、マニピュレータ140,160の電動・手動の切り替え部433i及び休止ボタン433jが配置されている。なお、電動・手動の切り替え部は、別途スイッチを顕微鏡の周辺に設置して使用してもよい。
また、画像操作パネル433dには、第1,第2表示画面433a,433bにおける画像の倍率メニュー433k及び画像の表示位置メニュー433mが配置されており、操作者が画像の倍率や表示位置を調整可能となっている。また、顕微鏡画像はコントローラ画面上でのマウス470aによる操作で記憶部430aに保存でき、また、コントローラ画面上のボタンを押すことで、動画保存も可能である。
また、試料ステージ操作パネル433eには、試料ステージ110の駆動パラメータを調整するメニュー433nに加えて、XY駆動、原点復帰等操作が可能なボタンが配置されている。試料ステージ110は表示画面433a,433b上の顕微鏡画像を見ながらボタン操作により駆動できる。例えば、ボタンを押している間だけ+X方向に動かすことができる。
また、マニピュレータ操作パネル433fには、マニピュレータ140,160の駆動パラメータを調整するメニュー433p,433s,433tがあり、操作者が好みのパラメータに設定して使用することができる。また、マニピュレータ操作パネル433fには、図6〜図8のナット回転型アクチュエータ170を駆動する駆動ボタン433qが配置されている。この駆動ボタン433qを押すことで、予め設定したストロークでナット回転型アクチュエータ170が駆動し、インジェクタ340を顕微鏡中心部ヘセットし、また、キャピラリ341の交換等のために退避させることができる。
なお、ナット回転型アクチュエータ170及び試料ステージ110は、上述のように図12のコントローラ画面上のボタン操作により行うことができるが、ジョイスティック470や別途設置したスイッチ等で行うようにしてもよい。
従来のマニピュレータシステムによれば、顕微鏡設置場所にジョイスティック等を設置し、接眼レンズを操作者がのぞきながら操作するが、このような操作では、ジョイスティックの操作を目視しないまま行わざるを得ないので、使用するには熟練した技術が必要となるのに対し、上述のマニピュレータシステム500によれば、表示部433のコントローラ画面をみながらジョイスティック470の操作も目視できるとともに、コントローラ画面にもジョイスティック470の操作状態が表示されるので、マニピュレータシステム500を簡単かつ確実に使用することができる。
上述のような構成のマニピュレータシステム500におけるインジェクタ340のキャピラリ341を交換する際のオフセット移動について図13,図14を参照して説明する。図13は第2の実施形態を説明するための図であり、図12のコントローラ画面上のオフセット移動量設定画面(a)及びオフセット移動量選択画面(b)の各例を示す図である。図14はマニピュレータシステム500においてインジェクタ340のキャピラリ341の顕微鏡中心位置(実線)と退避位置(破線)を示す図である。
図12のコントローラ画面上のマニピュレータ操作パネル433fのメニュー433sをクリックすると、図13(a)のようなオフセット移動量設定画面が表示表示され、このオフセット移動量設定画面上のオフセット移動量設定欄433uに設定するオフセット移動量を例えば、aa(mm)と入力し、設定者の欄433vに設定者名を入力し、設定ボタン433wをクリックすることでオフセット移動量が設定される。同様にして、別の操作者が独自のオフセット移動量を別に設定することができる。
また、オフセット移動操作を行う場合、図12のコントローラ画面上のマニピュレータ操作パネル433fのメニュー433tをクリックすると、図13(b)のようなオフセット移動量選択画面が表示され、このオフセット移動量選択画面上で、選択するオフセット移動量が例えば、「1.aa(mm)」である場合は、その選択ボタン433xをクリックすることで、そのオフセット移動量を選択することができる。
インジェクタ340のキャピラリ341が図14の実線のように顕微鏡視野中心部にあるとき、上述のオフセット移動量aaの選択後に、図12の駆動ボタン433qを押すと、図6〜図8のナット回転型アクチュエータ170を駆動し、インジェクタ340を選択したオフセット移動量(ストローク)aa分だけ移動させ、キャピラリ341が図14の破線のように後退し顕微鏡視野中心部から後退し、この破線位置でキャピラリ341を装着し交換することができる。そして、キャピラリ341の装着後、図12の駆動ボタン433qを押すと、ナット回転型アクチュエータ170を駆動し、オフセット移動量(ストローク)aa分だけ移動させ、キャピラリ341が図14の実線のように前進し顕微鏡視野中心部に位置する。
上述のように、オフセット移動量は、単にナット回転型アクチュエータ170を駆動してインジェクタ340を顕微鏡視野中心部から退避させキャピラリ341を装着し再度アクチュエータ170を駆動し顕微鏡視野中心部に位置するように設定する。
以上のように、マニピュレータシステム500の操作前にインジェクタ340にキャピラリ341を装着するために原点復帰操作をするとき、単にマニピュレータシステムの原点復帰操作をするのではなく、1台のマニピュレータシステムで複数の操作者が存在する場合、図13(a)、(b)のように操作者ごとに原点復帰動作時のオフセット移動量を設定する。各操作者は図12のコントローラ画面の図13(b)のようなオフセット移動量選択画面で自分の設定したオフセット移動量を選択してから原点復帰操作をする。これにより、インジェクタ340にキャピラリ341を設定する場合、マニピュレータを駆動し最適位置(顕微鏡視野中心部)にセットする作業が不要になり、キャピラリ341の交換(取り付け)作業が容易になる。特に、複数の操作者が存在し各操作者毎にキャピラリ341の最適位置が異なる場合でも、各操作者毎の作業が容易となる。また、操作者が複数いなくても、作業毎に使用するキャピラリの形状が異なる場合にも有効である。
なお、インジェクタ340のキャピラリ341の交換作業について説明したが、ホールディング用のキャピラリ342についても同様に原点復帰の際に設定したオフセット移動量でキャピラリ342を顕微鏡視野中心部から退避させ、キャピラリ342を交換してから再度顕微鏡視野中心部に位置させるようにできる。
次に、マニピュレータの各軸に位置センサを配置し、マニピュレータの退避位置を検知する例について図15を参照して説明する。図15は第2の実施形態の別の例を説明するための図であり、図12のコントローラ画面上でマニピュレータの位置センサによる検出位置を表示する例を示す図である。
図6のマニピュレータ160のXYZの各1軸アクチュエータ161〜163に複数の位置センサ160a(図10)を配置し、マニピュレータ160の各軸方向位置を検出し、それらの検出信号は図10のパソコン430に入力する。各位置センサは予め各操作者が操作し易い位置を検出するように配置しておく。各位置センサ160aがマニピュレータ160の各軸方向位置を検出すると、図15のように、図10の表示部433の画面上で検出した位置センサに対応した数字1〜4が各軸XYZ毎に点灯するようになっている。
図16に図6の各1軸アクチュエータ161〜163に配置可能な位置センサの一例を概略的に示す。図16のように、各1軸アクチュエータ161〜163の移動部160bの側端部に複数の被検出片1611,1612,1613,1614を移動部160bの移動方向Wに離れて配置し、また、複数の光透過型の光センサ1601,1602,1603,1604を有し断面コ字状の位置センサ160aを所定位置に配置する。被検出片1611〜1614は移動方向Wと直交する方向に突き出ているが、その突き出し長さが順に長くなっている。位置センサ160aの光センサ1601〜1604は移動方向Wと直交する方向に離れて並んでいる。
各1軸アクチュエータ161〜163が駆動され、その移動部160bが移動方向Wに移動し、まず、被検知片1611が位置センサ160a内の空隙1610に入ると、光センサ1601が被検出片1611を検知することで移動部160bの位置を検出する。移動部160bがさらに移動方向Wに移動すると、各光センサ1602〜1604が各被検出片1612〜1614を検知することで移動部160bの各位置を検出できる。被検出片1611〜1614の位置をそれぞれ変えることで、位置センサ160aによる検出位置を設定できる。
なお、位置センサ160aは、例えば被検出片1614の検出位置を移動部160bの移動限界位置とすることで上述のリミットスイッチの機能も果たすことができる。また、図16の反対の移動方向W’側にも位置センサを配置することで、移動部160bが移動方向W’側に移動する場合の位置を検知できる。
インジェクタ340にキャピラリ341を交換し装着する際に、予め各操作者が操作し易い位置に配置した位置センサが図15の画面上で点灯する位置までマニピュレータ160を駆動しインジェクタ340のガラスキャピラリ341を退避させる。このときのマニピュレータ160の駆動はステッピングモータによる自動駆動でよいが、マニピュレータ160に装着している手動ノブ161a〜163aを回しながらセンサからの信号を操作者が確認し操作するようにしてもよい。
その後、ナット回転型アクチュエータ170に取り付けられているインジェクタ340のガラスキャピラリ341の取り付け治具を外し、ガラスキャピラリを挿入し、再度インジェクタ340に取り付ける。このとき、ガラスキャピラリは限界となる奥まで挿入し、インジェクタ内周内の限界部に当たるまで挿入することが望ましい。なお、限界部がない場合は操作者が決めた量だけ挿入するようにする。次に、パソコン430を操作し、上述と同様にして図13(b)のように予め設定したオフセット移動量を選択し、ナット回転型アクチュエータ170を駆動しキャピラリ341を所定量移動させ、顕微鏡視野中心部ヘセットする。
以上のように、1台のマニピュレータシステム500に対し操作者が複数存在し、使用するキャピラリ341の設置位置が操作者毎に異なる場合でも、マニピュレータに各操作者毎に配置した位置センサによりキャピラリ341の退避配置(図14のキャピラリ341の破線位置)を検出し、この退避位置でキャピラリ341の交換作業を行った後、ナット回転型アクチュエータ170を駆動しキャピラリ341を所定量移動させることで顕微鏡視野中心部(図14のキャピラリ341の実線位置)ヘセットすることができる。
なお、ホールディング用のキャピラリ342についても同様に動作させることでキャピラリ342を顕微鏡視野中心部から退避させ、キャピラリ342を交換してから再度顕微鏡視野中心部に位置させることができる。
以上のように、本実施の形態によれば、マニピュレータ160の位置情報(図12の動作状態表示パネル433cに表示されるマニピュレータ160のXYZ位置座標)をみながら操作してキャピラリ341をセットする必要がなくなり、また、パソコン430ではエンコーダ等の位置情報を認識しながら複数の操作者に対する位置調整が必要なくなる。さらに、ガラス製のキャピラリ341をセッティングする難しい作業を画像処理技術等を使用せず容易に行うことができる。
また、位置情報をコントローラ(パソコン)に記憶させて複数の操作者のセッティング操作をアシストすることも考えられるが、マニピュレータシステムの電源をOFFにする場合や、コントローラ(パソコン)を再起動すると、記憶した位置情報があいまいになる可能性が高いのに対し、本実施形態の構成を適用することで、複数の操作者がいる場合も確実かつ容易にガラス製のキャピラリのセッティング操作が可能となる。
なお、ある操作者が使用するキャピラリが他の操作者のものと比べて長かったり特殊な形状である場合、キャピラリ取付け治具にキャピラリを装着し易いように顕微鏡視野中心部から退避するとき、ナット回転型アクチュエータ170以外にマニピュレータ160の各1軸アクチュエータ161〜163を操作者が設定した移動量を連動させて駆動するようにして対応することができる。この場合、ナット回転型アクチュエータ170のみの駆動で対応するか、あるいはマニピュレータ160のいずれかの軸を駆動しアシストさせるかはコントローラ画面上に切り替えボタンを設置し、操作者が選択して駆動することで対応できる。
10 マニピュレータシステム、11 インジェクションキャピラリ、キャピラリ12,14 ピペットホルダ、13 ホールディングキャピラリ、キャピラリ、17 顕微鏡、18 ガラス板、18a 表面、19 光源部、20 第1マニピュレータ、21 ブロック部、21a ブロック部の主平面、21b ガイド部、22 案内部材、22a,22b ボルト、22c 下方端部、23 案内溝、23a 直線状溝部、23b 円弧状溝部、24 案内溝、25,26 保持部材、26a ボルト、27 連結部材、30 第2マニピュレータ、D 溶液ドロップ、R、r 回動方向、S スライド方向、140,160 マニピュレータ、170,191 ナット回転型アクチュエータ、340 インジェクタ、341 キャピラリ、500 マニピュレータシステム
Claims (11)
- キャピラリを着脱可能にピペット先端側に取り付けて移動させ操作するマニピュレータであって、
前記ピペットを保持する保持手段と、
前記保持手段をマニピュレータ側に連結する連結手段と、
前記保持手段を前記マニピュレータによる移動とは別に移動可能にする手段と、
前記マニピュレータによる移動とは別の移動のときに前記保持手段を所定方向に案内する案内手段と、を備えることを特徴とするマニピュレータ。 - 前記連結手段は、前記マニピュレータ側に着脱可能に固定された案内部材と、前記案内部材を前記保持手段側に連結する連結部材と、を有し、
前記案内手段は、前記案内部材に設けられた案内溝と、前記案内部材を前記マニピュレータ側に緩めることが可能に固定する固定部材と、を有し、
前記固定部材による固定を緩めることで、前記保持手段を前記案内部材とともに前記案内溝に沿って前記マニピュレータ側に対してスライド可能にする請求項1に記載のマニピュレータ。 - 前記案内溝を前記案内部材に少なくとも2つ設置し、前記各案内溝の延びる方向が前記保持手段を移動させる所定方向とほぼ一致する請求項2に記載のマニピュレータ。
- 前記案内溝の一端部で前記固定部材により前記案内部材を前記マニピュレータ側に固定する請求項3に記載のマニピュレータ。
- 前記案内溝の一方が他端部側に円弧状溝を有し、その円弧状溝に沿って前記案内部材が回動可能である請求項3または4に記載のマニピュレータ。
- 前記保持手段を移動させる所定方向は、前記キャピラリによる操作を行う位置から遠ざかる方向である請求項1乃至5のいずれか1項に記載のマニピュレータ。
- 請求項1乃至6のいずれか1項に記載のマニピュレータ一対と、
前記キャピラリによる操作及び操作対象物を観察する顕微鏡と、
前記顕微鏡の視野を照射する光源と、を備え、
前記キャピラリの交換のとき前記ピペットの保持手段を所定方向に案内して移動可能であることを特徴とするマニピュレータシステム。 - 微小対象物に対する操作を行うキャピラリが着脱可能でありかつ電動駆動可能な3軸マニピュレータと、
前記キャピラリの着脱のために前記マニピュレータを原点位置に復帰させる際に予め設定されたオフセット移動量分移動させるオフセット移動手段と、を備えることを特徴とするマニピュレータシステム。 - 前記マニピュレータは、前記キャピラリをその軸方向に駆動可能なアクチュエータを備え、前記アクチュエータが前記キャピラリを前記オフセット移動量分移動させる請求項8に記載のマニピュレータシステム。
- 微小対象物に対する操作を行うキャピラリが着脱可能でありかつ電動駆動可能な3軸マニピュレータと、
前記マニピュレータの各軸方向の位置を検出するように配置された位置センサと、
前記キャピラリの着脱のために前記位置センサが所定位置を検出するまで前記マニピュレータを移動させる手段と、を備え、
前記所定位置から前記マニピュレータを移動させて前記キャピラリを所定位置にセットすることを特徴とするマニピュレータシステム。 - 前記マニピュレータは、前記キャピラリをその軸方向に駆動可能なアクチュエータを備え、前記アクチュエータが前記キャピラリを移動させて前記所定位置にセットする請求項10に記載のマニピュレータシステム。
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| WO2015050205A1 (ja) * | 2013-10-03 | 2015-04-09 | 日本精工株式会社 | マニピュレータシステム及び微小操作対象物の操作方法 |
| WO2016051563A1 (ja) * | 2014-10-01 | 2016-04-07 | 株式会社ナリシゲライフメッド | マイクロツールの位置決め方法及びマイクロマニピュレータ装置 |
| WO2025104460A1 (en) * | 2023-11-14 | 2025-05-22 | Hollandi Reka | Microscope device, microscope system and methods for use thereof |
-
2008
- 2008-05-14 JP JP2008127277A patent/JP2009058931A/ja active Pending
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