JP2008220451A - 焼物調理器 - Google Patents

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Toshifumi Sakai
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Abstract

【課題】加熱室(11)に収容された食材(20)を加熱する熱源と、前記加熱された食材(20)から滴下する油脂(21)を下方から受ける水皿(3)と、前記水皿(3)に連続給水する給水手段と、前記水皿(3)内にて所定高さ位置に開放する排水口(330)を備えたオーバーフロー管と、を具備する焼物調理器に於いて、加熱される食材(20)から滴下して水皿(3)内の貯留水(17)に浮遊する油脂(21)が、前記オーバーフロー管(33)から外部へ流出するのを防止する。
【解決手段】前記水皿(3)内を、前記油脂(21)が浮遊する油脂浮遊域(B)と前記排水口(330)が位置する排水域(A)とに水平方向に区画する区画板(61)が設けられ、前記区画板(61)は、前記排水口(330)より低い位置から高い位置まで上方に延びていると共に、前記排水域(A)と前記油脂浮遊域(B)は、前記排水口(330)より低位に形成された連絡通路(70)を介して繋がっている。
【選択図】図2

Description

本発明は、焼物調理器、特に、加熱対象たる魚や肉等の食材から滴下する油脂の処理対策を講じた焼物調理器に関するものである。
この種の焼物調理器として、図6に示す如き構成のものが知られている(特許文献1)。
このものでは、加熱室(11)に配設されたヒータ(10)(10)の下方には水皿(3)が設けられていると共に、該水皿(3)の上方には給水栓(14)が配設されている。水皿(3)の底壁(30)に立設されたオーバーフロー管(13)の下方には、該オーバーフロー管(13)からのオーバーフロー水を受ける漏斗(15)が位置していると共に、漏斗(15)には排水管(16)が配管接続されている。又、排水管(16)には、排水処理用のグリース阻集器(18)が外部接続されるようになっている。
このものでは、給水栓(14)から連続給水し、これにより、水皿(3)内の貯留水(17)をオーバーフロー管(13)から継続的にオーバーフローさせながら食材(20)を加熱する。
一方、ヒータ(10)で加熱される食材(20)から滴下して水皿(3)内の貯留水(17)に浮遊した油脂(21)は、オーバーフローする貯留水(17)と共にオーバーフロー管(13)から漏斗(15)及び排水管(16)を経由してグリース阻集器(18)で分離回収され、油脂(21)の除去された排水が下水道へ排出される。これにより、下水道汚染が防止される。
実開昭52−105560号公報
しかしながら、上記従来のものでは、前述のように、水皿(3)内の貯留水(17)に浮遊した油脂(21)は、全て、オーバーフロー管(13)から排出されるから、その下流の前記グリース阻集器(18)に油脂(21)が早期に溜まり易く、該グリース阻集器(18)を頻繁に清掃しなければならないという問題があった。
本発明は、かかる点に鑑みて成されたもので、
『加熱室(11)に収容された食材(20)を加熱する熱源と、
前記加熱された食材(20)から滴下する油脂(21)を下方から受ける水皿(3)と、
前記水皿(3)に連続給水する給水手段と、
前記水皿(3)内にて所定高さ位置に開放する排水口(330)を備えたオーバーフロー管と、を具備する焼物調理器』に於いて、
加熱される食材(20)から滴下して水皿(3)内の貯留水(17)に浮遊する油脂(21)が、前記オーバーフロー管から流出するのを防止し、これにより、オーバーフロー管の下流側にグリース阻集器(18)が配管接続される場合でも、該グリース阻集器(18)の清掃頻度を少なくできるようにすることを課題とする。
[請求項1に係る発明]
上記課題を解決する為の請求項1に係る発明の解決手段は、
『前記水皿(3)内を、前記油脂(21)が浮遊する油脂浮遊域(B)と前記排水口(330)が位置する排水域(A)とに水平方向に区画する区画板が設けられ、
前記区画板は、前記排水口(330)より低い位置から高い位置まで上方に延びていると共に、
前記排水域(A)と前記油脂浮遊域(B)は、前記排水口(330)より低位に形成された連絡通路を介して繋がっている』ことである。
上記解決手段によれば、水皿(3)内の油脂浮遊域(B)と排水域(A)(オーバーフロー管の上流端たる排水口(330)が位置する領域)は、前記排水口(330)より低い位置から高い位置まで上方に延びる区画板で水平方向に区画されている。又、前記排水域(A)と油脂浮遊域(B)は、排水口(330)より低位に形成された連絡通路を介して繋がっている。
従って、水皿(3)内の貯留水は、前記連絡通路で繋がった油脂浮遊域(B)と排水域(A)の両者に貯留されると共に、油脂浮遊域(B)と排水域(A)の水位は、排水口(330)の高さに維持され、この状態で、水皿(3)内の貯留水が排水口(330)からオーバーフロー管に流入して外部へ排水されている。
一方、熱源で加熱される食材(20)から滴下した油脂(21)は、水皿(3)内の油脂浮遊域(B)の貯留水に浮遊する。ところが、油脂浮遊域(B)と排水域(A)(排水口(330)が位置する領域)を区画する区画板は、排水口(330)より低い位置から高い位置まで上方に延びているから、油脂浮遊域(B)の油脂(21)は、区画板で塞き止められて排水域(A)に移動することがない。従って、油脂(21)の除去された排水が排水口(330)からオーバーフロー管を経て外部に排出される。
[請求項2に係る発明]
請求項1に係る発明に於いて、
『前記オーバーフロー管は、前記排水域(A)の底壁(30)に持ち上げ自在に載置されたリング状部材である』ものとすることができる。
このものでは、水皿(3)に於ける排水域(A)の底壁(30)からオーバーフロー管たるリング状部材を持ち上げると、該リング状部材と前記底壁(30)との間に間隙が形成され、該間隙から水皿(3)内の貯留水が排水される。従って、給水手段からの給水を停止させた状態でリング状部材を若干持ち上げることにより、水皿(3)の底壁(30)側から貯留水を排水させて油脂(21)のみを水皿(3)内に残存させることができる。よって、水皿(3)内に残存した油脂(21)の回収及び廃棄が容易に行なえる。
[請求項3に係る発明]
請求項1又は請求項2に係る発明に於いて、
『前記熱源は、前記加熱室(11)の上方又は下方に配設されたガスバーナであり、
前記水皿(3)の前端部は、調理器本体(50)から前方に突出しており、
前記前端部に於ける水皿(3)の上面開口から該水皿(3)内を経由して前記ガスバーナの下方域に燃焼用空気が取り入れられる』ものでは、水皿(3)に於ける前記前端部(調理器本体(50)から前方に突出している部分)の上面開口から取り入れられた燃焼用排気は、水皿(3)内を経由してガスバーナの下方域に供給され、これにより、ガスバーナの適正燃焼が確保される。
従って、前記ガスバーナが赤熱板式のバーナである場合は、赤熱板の高温化が確保される。
[請求項4に係る発明]
請求項3に係る発明に於いて、
『前記区画板は、水皿(3)の前記突出した前端部の上面開口を覆い且つ給気取入孔(72)が開設された覆板の後方に下向きに連設されており、
前記区画板、又は、前記区画板と前記覆板を繋ぐ連結板には、前記給気取入孔(72)と前記ガスバーナ側とを連通させる給気吐出孔(71)が開設されている』ものでは、ガスバーナの燃焼用空気は、前記覆板に開設された給気取入孔(72)→区画板又は前記連結板に開設された給気取入孔(72)→ガスバーナの経路で供給される。
[請求項5に係る発明]
請求項4に係る発明に於いて、
『前記水皿(3)は、調理器本体(50)に形成された水皿差込口(55)から前方へ引き出し可能に構成されており、
前記覆板と区画板が結合された結合体は、水皿(3)内に落とし込み可能に構成されており、
前記水皿(3)の前記突出した前端部の上面開口を前記覆板が覆った状態で、前記水皿差込口(55)の周縁に裏側から係合するストッパ片が前記結合体に連設されている』ものとすることができる。
このものでは、覆板と区画板を備えた結合体に連設されたストッパ片が、調理器本体(50)に形成された水皿差込口(55)の周縁に裏側から係合している。従って、水皿(3)に対して引抜き方向の力が不用意に作用しても、水皿(3)が前方に抜け落ちる心配がない。
一方、水皿(3)を調理器本体(50)から引き抜くときは、覆板と区画板を備えた結合体を水皿(3)内に落とし込んで収納状態にし、前記水皿差込口(55)とストッパ片との係合を解除させた後、水皿(3)を調理器本体(50)から引き抜く。
[請求項6に係る発明]
請求項1〜請求項5に係る発明に於いて、
『前記水皿(3)には、前記給水手段からの供給水を前記排水口(330)から遠ざかる方向に案内する水流案内板(35)が設けられている』ものでは、水流案内板(35)が設けられているから、給水手段から水皿(3)内に吐出された供給水が排水口(330)に向けて短絡的に流動することがなく、前記給水手段からの供給水が水皿(3)内の全体に拡散される。
本発明は次の特有の効果を有する。
請求項1に係る発明では、油脂(21)の除去された排水が排水口(330)からオーバーフロー管側に排出されるから、オーバーフロー管の下流側にグリース阻集器(18)が接続される場合でも、該グリース阻集器(18)の清掃頻度を少なくすることができる。
請求項2に係る発明によれば、オーバーフロー管たるリング状部材を若干持ち上げることにより、水皿(3)の底壁(30)側から貯留水を排水させて油脂(21)のみを水皿(3)内に残存させることができるから、水皿(3)内に残存した油脂(21)の回収及び廃棄が容易に行なえる。
請求項3、4に係る発明では、調理器本体(50)から前方に突出した水皿(3)の前端部の上面開口から取り入れられた燃焼用空気がガスバーナに供給されるから、該ガスバーナの適正燃焼が確保される。
請求項5に係る発明では、前述のように、水皿(3)に対して引抜き方向の力が不用意に作用しても、これが前方に抜け落ちる心配がない。
請求項6に係る発明では、前述のように、給水手段から水皿(3)内への供給水が水皿(3)内の全体に拡散される。
以下に、本発明を実施するための最良の形態について添付図面を参照しながら説明する。
[焼物調理器の全体構成]
図1、図2に示すように、本実施の形態に係る焼物調理器は、食材を上下から加熱する両面焼き形式のもので、調理器本体(50)の正面中央には、加熱室(11)を開閉するハンドル(510)を備えた扉(51)が配設されている。扉(51)の側方の操作部(52)には、下火バーナ用摘み(53)と、上火バーナ用摘み(54a)(54b)が配設されていると共に、扉(51)の下方に開放する水皿差込口(55)には、水皿(3)が引き出し可能に装填されている。
加熱室(11)内には、食材(20)を載置する焼網(41)の下方に位置する前後の下火バーナ(40a)(40b)が配設されていると共に、各下火バーナ(40a)(40b)はバーナパイプ(a)とこれで加熱される赤熱板(b)で構成されている。
焼網(41)の上方には、前後の上火バーナ(55a)(55b)が配設されていると共に、該上火バーナ(55a)(55b)は、図1に示すように、前後の上火バーナ用摘み(54a)(54b)で操作されるようになっている。又、前後の下火バーナ(40a)(40b)は、単一の下火バーナ用摘み(53)で一括操作されるようになっている。
[水皿(3)の構成]
次に、下火バーナ(40a)(40b)の下方に配設された水皿(3)の構成を詳述する。
図2、図3に示すように、水皿(3)は、上方開放の扁平な矩形箱状に形成されていると共に、その前端上辺から取手部(31)が前方に突出している。水皿(3)の前端部近傍に於ける一方のコーナ部の底壁(30)には、水皿(3)の内外を連通させる排水管(32)が連設されていると共に、該排水管(32)は、オイル阻集器(18)を介して下水側に配管接続されるようになっている。
水皿(3)の底壁(30)には、前記排水管(32)の上端開口(320)を包囲する態様でオーバーフロー管たるリング状部材(33)が載置されており、これにより、リング状部材(33)が水皿(3)の底壁(30)から自由に持ち上げ得るようになっている。従って、リング状部材(33)を持ち上げると、水皿(3)内の貯留水(17)が底側から排水管(32)側に排水される。
水皿(3)の底壁(30)には、排水管(32)の配設部と反対側の側板(34)に平行な水流案内板(35)が立設されていると共に、前記側板(34)と水流案内板(35)の相互間に形成された給水案内路(80)の前端近傍に給水管(36)から給水されるようになっている。この給水管(36)には給水コック(37)が接続されており、給水コック(37)の給水摘み(38)を捻ると、給水コック(37)からの供給水が給水管(36)を介して給水案内路(80)に供給される構成である。
水皿(3)の前端部(水皿差込口(55)から突出した部分)に於ける上面開口(300)は、図2、図3に示すような着脱自在なカバー(6)で被覆されるようになっている。
図3に示すように、カバー(6)は、一枚の金属板に抜き加工及び曲げ加工を施したもので、水皿(3)の底壁(30)に載置される後方水平部(60)の前端から起立板部(61)が屈曲している。後方水平部(60)と起立板部(61)との境界には通水窓(70)(70)が開設されていると共に、起立板部(61)の上端から前方に延びる水平な幅狭部(62)には、下火バーナ(40a)(40b)及び上火バーナ(55a)(55b)に燃焼用空気を供給する給気吐出孔(71)(71)群が開設されている。又、幅狭部(62)の左右両端には、後述するように、水皿(3)の引き出しを阻止する為のストッパ片(68)(68)が屈曲起立している。幅狭部(62)の前端に続く小垂下部(63)の下端から前方に延びる幅広部(64)には、前記燃焼用空気を外部から取り入れるスリット状の給気取入れ孔(72)(72)群と、その両横に位置する指掛け孔(73)(73)が開設されている。又、幅広部(64)の前方は、小起立部(65)、水平手掛け部(66)、前端垂下部(67)、の順序で屈曲されており、前記水平手掛け部(66)は、水皿(3)の取手部(31)上に重ねられる構成である。そして、水平手掛け部(66)を水皿(3)の取手部(31)上に重ねた状態では、水平手掛け部(66)の前後から下方に屈曲する前端水下部(67)と小起立部(65)が水皿(3)の取手部(31)に前後から係合し、これにより、カバー(6)と水皿(3)が相対的に前後に移動しない状態になる。
図2に示すように、カバー(6)が装着された水皿(3)を調理器本体(50)の前面下部の水皿差込口(55)に差し込んだ状態では、給気取入れ孔(72)(72)群を備えた幅広部(64)は、オーバーフロー管たるリング状部材(33)の上方に位置した状態で、水皿差込口(55)から前方に突出する。この状態では、図2に示すように、リング状部材(33)の上端が排水口(330)になると共に、該排水口(330)は食材(20)からの油脂(21)が滴下する油脂浮遊域(B)より前方の排水域(A)に位置する。又、水皿(3)内は、排水域(A)と油脂浮遊域(B)がカバー(6)の後部の起立板部(61)で前後に区画されるようになっている。従って、本実施の形態では、前記起立板部(61)が既述発明特定事項たる「区画板」に対応する。又、排水域(A)と油脂浮遊域(B)が起立板部(61)で区画された状態では、前記起立板部(61)の下部に開設された通水窓(70)(70)の上端(74)は、リング状部材(33)の上端の排水口(330)より封水深さLだけ下方に位置するように構成されている。これにより、焼網(41)の下方の油脂浮遊域(B)は排水口(330)より低位に形成される連絡通路たる通水窓(70)(70)を介して排水口(330)に連通した状態になる。尚、本実施の形態では、カバー(6)の幅広部(64)が既述発明特定事項たる「覆板」に対応すると共に、カバー(6)が、「覆板と区画板が結合された結合体」に対応する。
又、水皿(3)が調理器本体(50)の水皿差込口(55)に差し込まれた状態では、カバー(6)の左右両端から屈曲起立するストッパ片(68)(68)は、水皿差込口(55)の上縁に裏側から係合し(図2参照)、これにより、水皿(3)が不用意に前方に抜け落ちる不都合が防止できる構成になっている。
[使用の実際]
次に、上記焼物調理器の使用の実際を説明する。
図2の状態で、給水コック(37)を開放して水皿(3)に連続給水すると、給水コック(37)からの供給水は、給水管(36)から、水皿(3)内の一側部に位置する給水案内路(80)に落下し、図3の矢印(X)で示すように、水皿(3)内の後部域に案内される。即ち、供給水が排水口(330)から遠ざかる方向に案内され、これにより、前記供給水が排水口(330)に向けて短絡的に流動することがない。よって、前記供給水が水皿(3)内の全体に拡散される。そして、給水コック(37)からの連続給水により、水皿(3)内の貯留水(17)が次第に増加し、やがてリング状部材(33)の上端の排水口(330)のレベルに達して、該排水口(330)から排水管(32)側にオーバーフローし始める。
次に、焼網(41)に食材(20)を載置して上火バーナ用摘み(54a)(54b)や下火バーナ用摘み(53)を操作し、これにより、下火バーナ(40a)(40b)や上火バーナ(55a)(55b)を燃焼させる。このバーナ燃焼時には、図2の矢印(C)で示すように、燃焼用空気は、水皿差込口(55)から突出するカバー(6)の給気取入れ孔(72)(72)を下方に通過し、その後、給気吐出孔(71)(71)から下火バーナ(40a)(40b)等の燃焼部へ取り入れられ、これにより、下火バーナ(40a)(40b)や上火バーナ(55a)(55b)が燃焼する。即ち、水皿差込口(55)から突出する水皿(3)の前端部の上面開口(300)(図2参照)から該水皿(3)内を経由して下火バーナ(40a)(40b)等の下方域に燃焼用空気が取り入れられる。
すると、下火バーナ(40a)(40b)や上火バーナ(55a)(55b)等で加熱調理される食材(20)で生成された油脂(21)(21)は、その下方に滴下して油脂浮遊域(B)に浮遊する。ところが、水皿(3)内は、オーバーフロー管たるリング状部材(33)が位置する排水域(A)と油脂浮遊域(B)が区画板たるカバー(6)の起立板部(61)で前後に区画されていると共に、前記起立板部(61)の下部に開設された通水窓(70)(70)の上端(74)は、リング状部材(33)上端の排水口(330)より封水深さLだけ下方に位置している。即ち、水皿(3)内の油脂浮遊域(B)は排水口(330)より低位に形成された連絡通路たる通水窓(70)(70)を介して排水口(330)に連通している。従って、油脂浮遊域(B)の貯留水(17)に浮遊した油脂(21)は、前記起立板部(61)の通水窓(70)(70)を通過することが出来ず、リング状部材(33)の上端の排水口(330)側に流動しない。従って、排水管(32)の下流側にオイル阻集器(18)が接続されている場合であっても、既述従来のものと相違し、オイル阻集器(18)を早期に洗浄する必要がなくなる。
次に、水皿(3)の洗浄作業を説明する。
給水コック(37)を閉じた後、図2の拡大図の想像線で示す位置までリング状部材(33)を若干持ち上げると、リング状部材(33)の下端と水皿(3)の底壁(30)との間に排水間隙(56)が形成されるから、該排水間隙(56)を介して貯留水(17)が底側から徐々に排水され、油脂(21)は水皿(3)内に残存させる。これにより、水皿(3)内の貯留水(17)を少なくして軽量にする。
この状態で、排水管(32)とオイル阻集器(18)との配管を適宜解除すると共に、給水コック(37)とこれの上流側配管の接続も解除する。
次に、図4(イ)に示すように、調理器本体(50)の水皿差込口(55)から前方に突出したカバー(6)の幅広部(64)に開設されている指掛け孔(73)(73)に指を引っ掛けてカバー(6)の前部を持ち上げ、この状態で水皿(3)のみを前方に引き出す。すると、図4(ロ)及び図5の想像線で示すように、カバー(6)が前傾状態で水皿(3)内に落とし込まれ、これにより、カバー(6)の左右両端から起立するストッパ片(68)(68)が、水皿差込口(55)の上縁(57)より低くなってこれとの係合が解除される。そこで、更に水皿(3)をカバー(6)と共に引き出して、これらを水皿差込口(55)から完全に抜き取る。
その後、水皿(3)やカバー(6)を洗浄した後、カバー(6)を落とし込んだ水皿(3)を水皿差込口(55)に差し込む。その後、水皿(3)内に前傾状態で落とし込まれているカバー(6)(図4の(ロ)の状態)を初期姿勢(図4の(イ)の状態)に戻し、更に、排水管(32)にオイル阻集器(18)を接続すると共に、給水コック(37)と上流側配管を接続する。
[その他]
1.上記実施の形態では、カバー(6)の幅狭部(62)に給気吐出孔(71)(71)を開設したが、起立板部(61)の上端近傍に給気吐出孔(71)(71)を開設してもよい。
2.上記実施の形態では、水皿(3)の前端部に装着されるカバー(6)の後端の起立板部(61)の下端に連絡通路たる通水窓(70)(70)を開設したが、図5の想像線で示すように、油脂浮遊域(B)と排水域(A)の底壁(30)を連絡パイプ(P)で繋ぐと共に、起立板部(61)には通水窓(70)(70)を開設しない構成にしてもよい。このものでは、連絡パイプ(P)が、油脂浮遊域(B)から排水域(A)に貯留水(17)を通過させる為の前記「連通路」に対応する。
3.上記実施の形態では、水皿(3)の前端部に装着されるカバー(6)の後端の起立板部(61)で油脂浮遊域(B)と排水域(A)を区画したが、オーバーフロー管たるリング状部材(33)の周側壁に排水口となる透孔を開設する共に、前記リング状部材(33)の外径より大きな内径を有する椀状体を倒立状態でリング状部材(33)に載置した構造にしてもよい。この場合、リング状部材(33)に倒立状態で載置した椀状体の下縁が前記透孔より下方に位置するように各部の寸法を設定する。このものでは、椀状体とリング状部材(33)の間が既述発明特定事項たる「排水域(A)」となり、椀状体の外側が既述発明特定事項たる「油脂浮遊域(B)」になる。
本発明の実施の形態に係る焼物調理器の正面図 本発明の実施の形態に係る焼物調理器の一部切欠の縦断面図 水皿(3)とカバー(6)の分解斜視図 水皿(3)の挿抜手順を説明する斜視図 カバー(6)を装着した水皿(3)の側面図 従来例の説明図
符号の説明
(3)・・・水皿
(11)・・・加熱室
(17)・・・貯留水
(20)・・・食材
(21)・・・油脂
(33)・・・リング状部材
(330)・・・排水口

Claims (6)

  1. 加熱室(11)に収容された食材(20)を加熱する熱源と、
    前記加熱された食材(20)から滴下する油脂(21)を下方から受ける水皿(3)と、
    前記水皿(3)に連続給水する給水手段と、
    前記水皿(3)内にて所定高さ位置に開放する排水口(330)を備えたオーバーフロー管と、を具備する焼物調理器に於いて、
    前記水皿(3)内を、前記油脂(21)が浮遊する油脂浮遊域(B)と前記排水口(330)が位置する排水域(A)とに水平方向に区画する区画板が設けられ、
    前記区画板は、前記排水口(330)より低い位置から高い位置まで上方に延びていると共に、
    前記排水域(A)と前記油脂浮遊域(B)は、前記排水口(330)より低位に形成された連絡通路を介して繋がっている、焼物調理器。
  2. 請求項1に記載の焼物調理器に於いて、
    前記オーバーフロー管は、前記排水域(A)の底壁(30)に持ち上げ自在に載置されたリング状部材である、焼物調理器。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の焼物調理器に於いて、
    前記熱源は、前記加熱室(11)の上方又は下方に配設されたガスバーナであり、
    前記水皿(3)の前端部は、調理器本体(50)から前方に突出しており、
    前記前端部に於ける水皿(3)の上面開口から該水皿(3)内を経由して前記ガスバーナの下方域に燃焼用空気が取り入れられる、焼物調理器。
  4. 請求項3に記載の焼物調理器に於いて、
    前記区画板は、水皿(3)の前記突出した前端部の上面開口を覆い且つ給気取入孔(72)が開設された覆板の後方に下向きに連設されており、
    前記区画板、又は、前記区画板と前記覆板を繋ぐ連結板には、前記給気取入孔(72)と前記ガスバーナ側とを連通させる給気吐出孔(71)が開設されている、焼物調理器。
  5. 請求項4に記載の焼物調理器に於いて、
    前記水皿(3)は、調理器本体(50)に形成された水皿差込口(55)から前方へ引き出し可能に構成されており、
    前記覆板と区画板が結合された結合体は、水皿(3)内に落とし込み可能に構成されており、
    前記水皿(3)の前記突出した前端部の上面開口を前記覆板が覆った状態で、前記水皿差込口(55)の周縁に裏側から係合するストッパ片が前記結合体に連設されている、焼物調理器。
  6. 請求項1から請求項5に記載の焼物調理器に於いて、
    前記水皿(3)には、前記給水手段からの供給水を前記排水口(330)から遠ざかる方向に案内する水流案内板(35)が設けられている、焼物調理器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015031471A (ja) * 2013-08-05 2015-02-16 株式会社パロマ 加熱調理器

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