JP2008218874A - 回路基板の製造方法および回路基板の製造用材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】信頼性が高く、ビア接続安定性に優れた回路基板の製造方法を提供する。
【解決手段】上PETシート2aと下PETシート2bでプリプレグ1を挟持しラミネートなどの方法で加熱加圧することで前記上PETシート2aと下PETシート2bを前記プリプレグ1の両面に張り付ける工程において、プリプレグ1の上側に張り付ける上PETシート2aは穴径制御層を有しており、下側は穴径制御層を形成していない下PETシート2bである。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数層の回路パターンを接続してなる回路基板の製造方法と製造の際に用いる回路基板の製造用材料に関するものである。
近年、電子機器の小型化、高密度化に伴い、産業用にとどまらず民生用の分野においても回路基板が強く要望されるようになってきた。特に回路基板の高機能化が進み、より複数層の微細な回路パターンや内層接続手段を用いて接続されており、その接続信頼性は重要となっている。
以下に従来の両面および多層の回路基板の製造方法について説明する。
まず、多層の回路基板のベースともなる両面の回路基板の製造方法を説明する。
図9は従来の両面回路基板の製造方法の工程断面図である。
まず、図9(a)に示す51は、ガラスクロスに熱硬化性のエポキシ樹脂を含浸させた基板材料であるプリプレグであり、縦、横、厚みのサイズが500mm×500mm×0.1mmである。
また、52は導電性ペースト充填時のマスクフィルムとなる厚さ約19μmのプラスチックフィルムであり、片面に熱硬化性樹脂層を有しその反対面にシリコンなどを塗布した離型層を有した構造のもので、その材質は例えばポリエチレンテレフタレート(以下PETシートと称する)が用いられる。
図9(b)に示す工程は、PETシート52でプリプレグ51を挟持しラミネートなどの方法で加熱加圧することで前記PETシート52を前記プリプレグ51の両面に張り付ける工程であり、PETシート52の離型層とプリプレグ51が接触するように張り付けることで、後の剥離する工程で容易にPETシート52を剥がすことが出来る。
なお、図10に、プリプレグ51の両面にPETシート52がラミネートされた構成を示す。図中の101はPET基材、102は熱硬化性樹脂層、103は離型層を示す。
そして、次に図9(c)に示すように両面にPETシート52が接着されたプリプレグ51の所定の箇所にレーザー加工にて貫通穴53を形成する。
この時、PETシートはレーザーの熱により融点に達すると溶融し、溶融時の表面張力によりレーザー加工点を中心として穴が拡大する方向に作用するが、レーザーの熱で焼けきれることにより穴径が拡大するのを防ぐことができる。そのため、PETシート52が接している部分のプリプレグ51に形成された穴とほぼ同径の貫通穴を形成することが出来る。
形成された貫通穴は、図11に示すように、両面にPETシート52が接着されたプリプレグ51の表側から(集光レンズ31で集光された)レーザー光32を照射して形成する。この際、PETシート52、プリプレグ51を通過していくにしたがってレーザー光32の加工エネルギーが減衰し、レーザー光32の表側(入射側)の穴径d1に比べレーザー光32が抜けていく側(出射側/裏側)の穴径d2は小さく仕上がることになる。
一方、高密度の配線を実現させるために、表側の穴径(d1)を出来るだけ小さく設計して形成することにより、それだけ回路パターンの配置配線が有利となる。そのため高密度が要求されるほど穴径は小さくする傾向がある。
次に図9(d)に示すように、印刷機(図示せず)を用いてスキージ55でPETシート52の表側から貫通穴53に導電性ペースト56を充填することにより導通穴57を形成する。このとき、表面のPETシート52は印刷マスクの役割を果たしている。
次に図9(e)に示すように、プリプレグ51の両面からPETシート52を剥離することで導電ペースト充填済みのプリプレグ58が形成される。
この剥離する工程により、PETシート52に形成された穴に充填されていた導電性ペーストがPETシート52の厚みに相当する分だけ凸状の鋲の形態で残り、これにより、後述する加熱加圧する工程において、圧縮効果をもたらし導通穴の電気的接続の安定に寄与することになる。
次に図9(f)に示すように、導電ペースト充填済みのプリプレグ58の両面に銅はく等の金属箔59を重ね熱プレスで加熱加圧することにより、金属箔59がプリプレグ58と接着し、図9(g)に示す両面の銅張積層板60が形成される。
両面の金属箔59は所定位置に設けた導通穴57内の導電性ペーストにより電気的に接続されている。そして、図9(h)に示すように両面の金属箔59を選択的にエッチングして回路パターン61が形成されて両面回路基板62が得られる。
次に、図12を用いて従来の多層回路基板の製造方法を説明する。
図12は、従来の多層の回路基板の製造方法を示す工程断面図であり、4層基板を例として示したものである。
まず図12(a)に示すように、前述の図9(a)〜(h)によって製造された両面の回路基板62と図9(a)〜(e)で製造された貫通穴53に導電ペースト54を充填し導通穴57を形成した上積層用の導電ペースト充填済みのプリプレグ58aと下積層用の導電ペースト充填済みのプリプレグ58bが準備される。
次に、図12(b)に示す工程は、積層ステージ(図示せず)上に金属箔59を乗せ、その上にプリプレグ58bを画像認識などで基準穴位置を認識位置決めした後に積層し、さらにその上に両面回路基板62を同様に認識位置決めした後に積層し、さらにその上にプリプレグ58aを同様に認識位置決めした後に積層し、さらにその上に金属箔59を積層するアライメント積層工程である。
次に図12(c)に示すように、金属箔59で挟持されたプリプレグ58a、58b、両面回路基板62を熱プレスで加熱加圧することで4層の銅張積層基板63を得る。
上記の工程により、最外層の金属箔59は導通穴内の導電性ペーストを介して内層用の両面回路基板62の接続用の円形のパターン65によって電気的に接続される。
次に図12(d)に示すように、両面の金属箔59を選択的にエッチングして回路パターン61を形成することで4層回路基板64が得られる。
ここでは4層の多層基板について説明したが、4層以上の多層基板、例えば6層基板については製造方法で得られた4層回路基板を両面回路基板の代わりに用いて、多層基板の製造方法{図12(a)〜}を繰り返せばよい。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献資料としては、例えば、特許文献1、2が知られている。
特開平9−246718号公報 特開2001−257468号公報
上記の多層基板の場合において、内層用の両面回路基板62の接続用の円形のパターン65の大きさに対して導通穴57の穴径が小径であるほどクリアランスを確保することができ、積層の際の位置決めや積層における両面回路基板62とプリプレグ58a、58bとの位置ズレに対して有利である。
また、製品の高精度微細化が進み設計値としての穴径が小さくなってくると照射するレーザー光の光径も小径に設定する必要がある。
しかしながら、上記従来の製造方法においては、出射側の穴径はレーザー光の加工エネルギーが減衰するため入射側の穴径よりさらに小さくなる。
このように、入射側の穴径が小さくなると出射側の穴径はさらに小さくなることから、図13に示すような問題が生じる。
すなわち、導電性ペーストを充填した後に、プリプレグ51からPETシート52a、52bを剥離する場合、裏側(図の下側)のPETシート52b内に充填された導電性ペーストが剥離する際に、PETシート52bとともに取られる現象34が発生し、PETシート52の厚み分の凸状の鋲効果が得られないという問題があった。
また、プリプレグ51の界面から導電性ペーストが取られる現象34のみならずプリプレグ51の導通穴57から導電性ペーストが抜けて欠点となる現象33もあり、導通穴57を介する層間の電気的接続が不安定になる等の問題点を有していた。
これらの現象は、PETシートの厚みが一定であればPETシートに加工形成された貫通穴の穴径が小径に仕上がった場合は、大径に仕上がった場合と比較して、導電性ペーストがPETシートの穴内壁に接触する面積の穴径に対する比率(PETシート穴内壁面積比率)が大きくなる。これにより、PETシートに形成された穴に充填され穴内壁に接している導電ペーストがPETシートに保持された状態となり、PETシートの剥離の際に、導電ペーストがPETシートに追従して一緒に取られてしまうことに起因する。
そのため、形成される貫通穴の穴径が小径になるほど、貫通穴に充填された導電ペーストの全てをプリプレグ側に残した状態でPETシートだけを剥離することは困難となり、その結果、前述したような問題が生じるのである。
本来であれば、導通穴の表側の穴径(d1)を大きくし、それに応じて裏側の穴径(d2)を大きくすることで、導通穴の接続抵抗値の安定を図ることが可能である。しかしながら、要求される回路基板の製品としての設計仕様や積層工程における位置決め精度との兼ね合いから、一概に前記の対応を採用することも難しい。
本発明は、上記従来の問題点を解決するものであって、レーザー光の出射側のPETシートに形成される貫通穴の穴径を入射側のPETシートに形成される貫通穴の穴径と同等にし、PETシートの剥離の際に生じる導電性ペーストの取られ現象や欠点等の現象を防止し、導通穴を介する層間の接続の信頼性を高めることのできる回路基板の製造方法および回路基板の製造用材料を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を有する。
本発明の回路基板の製造方法は、プリプレグの表裏に離型性を有したプラスチックシートを張り付ける工程と、プラスチックシートを張り付けたプリプレグの表側から裏側にかけてレーザー光を照射することにより貫通穴を形成する工程と、前記貫通穴に導電性ペーストを充填する工程と、前記プラスチックシートを前記プリプレグより剥離する工程とを備え、前記プリプレグの表裏に張り付けられたプラスチックシートのうち表側に張り付けられたプラスチックシートのみは、前記プリプレグに接触しない面に穴径制御層を備えていることを特徴とするものである。
また、本発明の回路基板の製造用材料は、表裏に離型性を有したプラスチックシートが張り付けられたプリプレグと、前記プラスチックシートとプリプレグにレーザー加工により形成された貫通穴と、前記貫通穴に充填された導電性ペーストとを備え、前記レーザー加工はレーザー光が表側に張り付けられたプラスチックシート、プリプレグ、裏側に張り付けられたプラスチックシートへと照射貫通するものであって、前記プリプレグの表裏に張り付けられたプラスチックシートのうち表側に張り付けられたプラスチックシートのみは、前記プリプレグに接触しない面に穴径制御層を備えていることを特徴とするものである。
本発明における回路基板の製造方法および回路基板の製造用材料によれば、レーザー加工後の表側プラスチックシートの穴径と表側プラスチックシートの穴径をほぼ同径とすることができる。これにより従来の課題を解決し、導電ペーストの貫通穴への充填を安定化させることができ、導通穴を介する回路基板の層間接続の信頼性を高めることができる。
また、本発明の回路基板の製造用材料は、プラスチックシートがBステージ状態のプリプレグを保護する役割を備えているため、この状態で保管、あるいは搬送することも可能である。
特に、プリプレグの両面に有するプラスチックシートの存在により、充填された導電性ペーストが貫通穴から脱落することもなく保管、搬送することができ、回路基板の導通孔の接続安定性を高めるという上記の効果に加えて、回路基板製造における生産性の向上をも図ることができる。
また、表側に張り付けられたプラスチックシートに構成される穴径制御層は、融点を持たない熱硬化性樹脂を主成分とした樹脂で形成される層であることが望ましい。
この穴径制御膜の存在により、レーザー加工時におけるプラスチックシートの基材の溶融による穴の拡大を停止させることができ、穴径が拡大するのを防ぐことができる。これにより、プラスチックシートに形成される穴径を、プリプレグに形成される穴径とほぼ同径に形成することができる。
また、前記穴径制御層の膜厚は、0.3μm〜2μmの範囲であることが望ましい。穴径制御層の膜厚が0.3μm〜2μmの範囲であれば、任意に穴径を制御することが可能であり導通穴を介する回路基板の層間接続の信頼性を安定的に維持することができる。
また、レーザー光を照射することにより形成される貫通穴のプリプレグ裏側の穴径は、70μm以下であることが望ましい。これにより、高い配線収容性を備えた高密度実装に適した回路基板を提供することができる。
特に、本発明によれば、加工穴の穴径が70μm以下であっても、裏側のPETシートに導電ペーストを取られることなく剥離することができ、従来法では実現が困難な穴径を有する導通穴を形成することができる。
また、本発明の請求項1における前記プラスチックシートを前記プリプレグより剥離する工程の後、前記プリプレグの両面に金属箔を加熱加圧することで接着する工程と、前記金属箔を回路形成する工程を備えることにより、プリプレグに形成された貫通穴への導電ペーストの充填を安定化させることができ、表裏回路の接続信頼性が高い両面の回路基板を提供することができる。
また、本発明の回路基板の製造用材料を用いて、金属箔もしくは表層に回路を有する回路基板および請求項6に記載の回路基板の製造用材料を準備する工程と、前記回路基板用の製造用材料の表裏に張り付けられたプラスチックシートを剥離して導電性ペーストが充填されたプリプレグを準備する工程と、前記表層に回路を有する回路基板と前記プリプレグとを交互にかつ前記金属箔を最外層に積層し加熱加圧する工程と、前記金属箔に回路を形成することを特徴とする回路基板の製造方法とすることもできる。これにより、プリプレグに形成された貫通穴への導電ペーストの充填を安定化させることができ層間の接続信頼性が高い多層の回路基板の製造方法を提供することができる。
また、本発明の回路基板の製造用材料を用いて、表層に回路を有する回路基板および請求項6に記載の回路基板の製造用材料を準備する工程と、前記回路基板用の製造用材料の表裏に張り付けられたプラスチックシートを剥離して導電性ペーストが充填されたプリプレグを準備する工程と、前記表層に回路を有する両面または多層の回路基板と前記プリプレグとを交互にかつ前記回路基板を最外層に積層し加熱加圧する工程とを備えることを特徴とする回路基板の製造方法とすることもできる。
これにより、プリプレグに形成された貫通穴への導電ペーストの充填を安定化させることができ、表層に回路を有する両面または多層の回路基板を前記プリプレグを介して接続することができ、接続信頼性の高い多層の回路基板の製造方法を提供することができる。
また、裏側のプラスチックシートの厚みを表側のプラスチックシートの厚みよりも薄くすることで、裏側のプラスチックシートの穴内径部と導電ペーストの接触面積を減らし、剥離しやすくすることもできる。この場合、裏側のプラスチックシートの厚みは表側のプラスチックシートの厚みの100〜40%の範囲にすることが望ましい。
仮に、裏側のプラスチックシートに穴径制御層を設ける場合であっても、表側のプラスチックシートより薄い膜厚の膜厚制御層にすることで表側に形成される穴径に近くなり、裏側のプラスチックシートの穴内径部と導電ペーストの接触面積を減らし、剥離しやすくすることもできる。この場合、膜厚と穴径には相関があるため、膜厚制御層を0.3〜1μmに膜厚を調整すれば、望みの穴径が得られるという利点がある。いずれの場合であっても、前記範囲であれば、プラスチックシートをプリプレグから剥離したときに形成されるプラスチックシートの厚み分に相当する凸状の鋲効果が得られ、層間接続に必要な導電性ペーストの充填量を確保することができる。
本発明は、上記構成を有する回路基板の製造方法および回路基板の製造用材料により、レーザー加工後の表側(入射側)のプラスチックシートに形成された穴の穴径と表側(出射側)のプラスチックシートに形成された穴の穴径をほぼ同径とすることができるため、導電性ペースト充填後のPETシートの剥離工程における導電性ペーストの取られ現象や抜け・欠点等の現象を抑止することができる。これにより、導電ペーストの貫通穴への充填を安定させることができ、層間の接続信頼性が高い回路基板を提供することができるという効果を奏するものである。
また、本発明の構成を採用することにより、回路基板の配線の収容性を高めることが可能となり、さらに多層構成の回路基板における積層の位置決めを有利にすることもできるという副次的な効果をも有するものである。
さらに、本発明の回路基板の製造用材料は、プラスチックシートがBステージ状態のプリプレグを保護する役割を備えているため、この状態で保管、あるいは搬送することも可能であり、回路基板製造における生産性の向上をも図ることができる。
(実施の形態1)
以下に本発明の回路基板の製造方法および回路基板の製造用材料について説明する。
本実施の形態においては、両面および多層の回路基板について説明する。
図1は本発明の実施の形態1における回路基板の製造方法を示す工程断面図である。
まず、図1(a)におけるプリプレグ1は、ガラスクロスに熱硬化性のエポキシ樹脂を含浸させた基板材料であり、縦、横、厚みのサイズが500mm×500mm×0.1mmである。
また、プラスチックシート(以下PETシートと称す)2aは、表側(図面の上側)、すなわち後述するレーザー加工において入射側のマスクフィルムとなる厚さ約19μmのプラスチックフィルムである。
図2に示すように、前記PETシート2aは、プラスチックフィルム101の表層に融点を有しない熱硬化性樹脂からなる厚さ約1.2μmの穴径制御層102を備え、その反対面であるプリプレグ1と接する面に、例えばシリコンなどを塗布した離型層103を有した構造のものである。
また、PETシート2bは、裏側(図面の下側)、すなわち後述するレーザー加工において出射側のマスクフィルムとなる厚さ約19μmのプラスチックフィルム101であり、プリプレグ1と接する面にシリコンなどを塗布した離型層103を有した構造のものであり、PETシート2aとは異なり、表層に穴径制御層は備えていない。
なお、PETシート2a、2bの基材としては、例えばポリエチレンテレフタレートが用いられる。尚、2a、2bの基材としてPENやPPSを用いても問題はない。
また、上記の説明において、PETシート2a、2bは、表側(図面の上側)、あるいは裏側(図面の下側)と表現したが、以降の説明もこの例による。
次に図1(b)に示すように、表側のPETシート2aと裏側のPETシート2bでプリプレグ1を挟持し、ラミネートなどの方法で加熱加圧することによりPETシート2a、PETシート2bをプリプレグ1の両面に張り付ける。なお、既述のとおり、表側のPETシート2aは穴径制御層を備えており、裏側のPETシート2bは穴径制御層を備えていない。
次に図1(c)に示すように、両面にPETシート2a、2bが接着されたプリプレグ1の所定の箇所にレーザー加工法を利用して貫通穴3を形成する。
次に図1(d)に示すように、印刷機(図示せず)を用いてスキージ5でPETシート2aの上から貫通穴3に導電性ペースト6を充填し、導通穴7を形成する。
この工程において、表側のPETシート2aは印刷マスクの役割を果たしており、PETシートに穿設された穴4a、4bの穴径が回路基板の層間の接続信頼性や多層積層工程における合致性に寄与する。
次に図1(e)に示すように、プリプレグ1の両面からPETシート2a、2bを剥離すると導電性ペースト充填済みのプリプレグ8が形成される。
プリプレグ1からPETシート2a、2bを剥離しても裏側のPETシート2bも表側のPETシート2aと同等の穴径が確保されているのでPETシートに導電ペーストを取られることなく剥離することができる。
次に図1(f)に示すように、プリプレグ8の両面に銅はく等の金属箔9を重ね熱プレスで加熱加圧することにより、図1(g)に示す両面の銅張積層板10が形成される。両面の金属箔9は所定位置に設けた導通穴7の導電性ペーストを介して電気的に接続されている。
そして、図1(h)に示すように両面の金属箔9を選択的にエッチングして回路パターン11を形成して両面の回路基板12を得る。
上記の図1(c)の工程において形成された貫通穴3は、図3に示すように、プリプレグ1に穿設される貫通穴3cとPETシート2a、2bに穿設される穴4a、4bからなる。
PETシート2aの穴径制御層102は、熱硬化性樹脂のうち融点を有しない樹脂を主成分とし、かつ難燃性の高いものが望ましい。その理由は以下の通りである。
すなわち、PETシート2aの基材としてのプラスチックフィルム101の材料であるポリエチレンテレフタレートは、前記のレーザー加工の際、PETシート2aに入射したレーザー光の熱により融点に達すると溶融し、溶融した基材の表面張力により引けが発生し、レーザー光の入射点を中心にして穴が拡大していく。
これに対し、PETシート2aの表層に形成された穴径制御層102は、融点を有しないことから、溶けることなく焼け切れてしまう。
このことから、PETシート2aの穴径制御層102の存在により、PETシート2aの基材の溶融による穴の拡大を停止させることができ、穴径が拡大するのを防ぐことができる。その結果、PETシート2aに形成される穴4aの穴径は、プリプレグ1に形成される穴の穴径とほぼ同径に形成することができる。
実際には、表側のPETシート2aの穴径制御層102の厚みが1μm程度ある場合、PETシート2aに形成された穴4aの穴径は、プリプレグ1に形成された貫通穴3cの上側の穴径より10〜20μm程度大きく仕上がる。
一方、穴径制御層を備えていないPETシート2bに形成された穴4bの穴径は、プリプレグ1に形成された貫通穴3cの下側の穴径より40〜50μm程度大きくなる。
その結果、裏側のPETシート2bに形成された穴4bの穴径は、穴径制御層102を有する表側のPETシート2aに形成された穴4aの穴径より数μm〜10μm程度小さめではあるものの、前記穴3aの穴径とほぼ同等の穴径に形成することができる。
なお、穴径制御層102に用いられる融点を有しない熱硬化性樹脂としては、エポキシやメラミン、アルキドなどがあり、特に電気特性が安定していることやPETシートへの接着強度が強いなどの理由から、エポキシとメラミンを混合させた樹脂を用いることが望ましい。
また、本発明ではPETシートへの接着強度を上げるために僅かであるが熱可塑樹脂を添加している。
本願発明者の実験によると、従来の回路基板の製造方法においては、図4に示すように、裏側のPETシート2bに形成された穴4bの穴径が70μm以下になると、裏側のPETシート2bを剥がす際に、穴4b内の導電性ペーストが剥離されたPETシート2bに導電性ペーストが取られる現象34(図13に示す)が発生していた。
これに対し、本発明における回路基板の製造方法においては、裏側のPETシート2bに導電ペーストを取られることなく剥離できることが確認された。
特に、プリプレグの加工穴の穴径が70μm以下の場合において、本発明は、従来法に比較して顕著な効果を有することが実証でき、従来では実現が困難であった高い配線収容性を備え、かつ高密度実装に適した回路基板を形成することが可能となった。
ここで、図1(c)に示した工程の裏付けとして、本願発明者が実験により確認した穴径制御層102の膜厚とレーザー加工により穿設される穴径との関係を以下に説明する。
実験の結果を図5に示す。図中の「上PET径」とは、レーザー加工における入射側のPETシートに穿設される穴径を示し、「下PET径」とは、レーザー加工における出射側のPETシートに穿設される穴径を示すものである。
また、「上穴径」とはレーザー加工における入射側のプリプレグに穿設される穴径を示し、「下穴径」とはレーザー加工における出射側のプリプレグに穿設される穴径を示すものである。
また、この実験で用いたPETシートは、種々の厚みを有する穴径制御層を備えたもので、本実施の形態のPETシート2aに相当するものであり、穴径制御層の膜厚が0μmの場合は、穴径制御層を備えていないもので本実施の形態のPETシート2bに相当するものである。
図5に示す結果から、例えば、入射側のPETシートに形成された穴径制御層の膜厚が1μmで、出射側のPETシートには穴径制御層を備えていない(膜厚=0μm)場合は、「上PET径」及び「下PET径」はともに約150μmであることを示している。
すなわち、プリプレグの「下穴径」(約100μm)は、レーザー光の加工エネルギーが減衰するため、「上穴径」(約130μm)より小さくなるものの、「上PET径」及び「下PET径」については、ほぼ同径とすることができ、前述した本実施の形態における事例を実験により確認したものである。
なお、上記の実験により穴径制御層の膜厚を変えると穴径の制御が可能なことが確認できたとともに、穴径制御層の膜厚が0.3μm〜2μmの範囲であれば、導通孔の接続信頼性を維持できることも信頼性試験の結果、確認することができた。
なお、穴径制御層の膜厚が0.3μm以下の場合は、図5に示すように膜厚に対する穴径の立ち上がりが急激で穴径の制御が困難でかつ膜厚制御も困難という問題があり、穴径制御層の膜厚が2μm以上の場合は、塗布膜厚の応力でPETシート自体が大きくカールするという問題があるため、穴径制御層の膜厚を0.3μm〜2μmの範囲で形成することにより、品質、コストの観点からも望ましい。
なお、図6は本実施の形態における回路基板の製造用材料100を示すものであって、上記の図1(d)に示す工程が終了した時点のものである。
回路基板の製造用材料100は、プリプレグ1とPETシート2a、2bに貫通孔を設け、それに導電性ペーストを充填した状態の製造用材料100は、PETシート2a、2bの存在により、充填された導電性ペーストが貫通穴から脱落することもなく保管、搬送することができる。また、PETシート2a、2bは、Bステージ状態のプリプレグを保護する役割を備えているため、この状態で搬送することが可能となり、とりわけ多層の回路基板の製造に用いる製造用材料として有効である。
製造用材料100を搬送する場合、互いに接触しないように専用の保管箱あるいは搬送箱等を用いて保管、あるいは搬送することが望ましく、これにより、多数の製造用材料100を一時に保管、搬送することができる。
従って、この本発明の回路基板の製造用材料100は、回路基板の導通孔の接続安定性を高めるという効果に加えて、回路基板製造における生産性の向上をも図ることができ、産業上の利用可能性は大きいものである。
次に、図7を用いて本発明の多層の回路基板の製造方法を説明する。
図7は、本発明の多層の回路基板の製造方法を示す工程断面図であり、4層基板を例として示したものである。
まず図7(a)に示すように、前述の図1(a)〜(h)によって製造された両面の回路基板12と図1(a)〜(e)で製造された貫通穴3に導電ペースト4を充填し導通穴7を形成した上積層用の導電性ペースト充填済みのプリプレグ8aと下積層用のペースト充填済みのプリプレグ8bが準備される。
次に図7(b)に示す工程は、積層ステージ(図示せず)上に金属箔9を乗せ、その上にプリプレグ8bを画像認識などで基準穴位置を認識位置決めした後に積層し、さらにその上に両面回路基板12を同様に認識位置決めした後に積層し、さらにその上にプリプレグ8aを同様に認識位置決めした後に積層し、さらにその上に金属箔9を積層するアライメント積層工程である。
次に図7(c)に示すように、金属箔9で挟持されたプリプレグ8a、8b、両面回路基板12を熱プレスで加熱加圧することで4層の銅張積層基板13を得る。
上記の工程により、最外層の金属箔9は導通穴内の導電性ペーストを介して内層用の両面回路基板12の接続用の円形のパターン15によって電気的に接続される。
次に図7(d)に示すように、両面の金属箔9を選択的にエッチングして回路パターン11を形成することで4層の回路基板14が得られる。
なお、本実施の形態においては4層の多層基板について説明したが、4層以上の多層基板、例えば6層基板については製造方法で得られた4層回路基板を両面回路基板の代わりに用いて、多層基板の製造方法{図1(a)〜}を繰り返せばよい。
以下に、本発明により製造した回路基板の信頼性の評価結果を以下に説明する。
図8は、500個の導通孔202をチェーン状に接続した導通穴(ビア)の接続評価用の回路基板200を模式的に示した断面図である。
プリプレグが加熱加圧されて硬化した状態の基材201に導通穴202を500個設け、層間の接続が出来る状態にして表裏それぞれの層の金属箔を選択的に回路形成することで導通穴どうしを接続し、導通穴の接続抵抗が測定できるパターン203を設けたものである。
このような評価パターンを含んだ回路基板200を、従来の回路基板の製造方法と本発明の回路基板の製造方法で製作し、それらを比較した評価結果を表1に示す。
Figure 2008218874
まず、上(表)側及び下(裏)側のPETシートにレーザー加工により穿設された貫通穴の穴径を比べると、設計値の穴径φ150μmに対して、従来の製造方法では上側のPETシートに穿設された穴径の平均値は150μmであり、下側のそれは平均115μmであった。
これに対し、本発明の製造方法においては、上側のPETシートに穿設された穴径の平均値は150μmであり、下側のそれは平均値140μmとなり、下側のPETシートに穿設された穴径だけが従来法に比較して大きくなっていることがわかる。
このことから、従来法を用いた回路基板に比較して、本発明の製造方法を用いた回路基板においては、導通穴と金属箔との接触面積は拡大するものといえる。
接続評価用の回路基板200における接続抵抗値の比較において、従来の製造方法の場合では平均値1.53Ω、ばらつき(R)が0.43Ωであるのに対し、本発明の回路基板の製造方法においては平均値1.38Ω、でばらつき(R)が0.27Ωとなり、導通穴(ビア)の接続抵抗値が良化し安定していることからも確認することができた。
従来の製造方法においては、プリプレグに表側(レーザー入射側)及び裏側(レーザー出射側)に同構成のPETシートを張り付け、レーザー加工により貫通孔を形成していた。このような場合、レーザーのパワーがPETシートとプリプレグによって減衰するため表側より裏側の穴径が小さくなっていた。
特に、高密度を要求される回路基板では貫通穴を小さく設計する必要があるため、裏側の穴径はさらに小さくなり、裏側のPETシートに導電ペーストが取られる可能性が高く、導通孔の接続抵抗がばらつくという課題があり、なかでも加工穴の穴径が70μm以下の場合は、回路基板を提供することが困難であった。
これに対し、本発明の回路基板の製造方法では、PETシートの構成をプリプレグに張り付ける表側と裏側で変えることで、貫通穴の加工時のレーザー光の加工エネルギーが減衰しても裏側のPETシートに穿設される穴が表側のPETシートに穿設される穴とその穴径が同等となるため、貫通穴へ導電性ペーストを充填した後にPETシートを剥離しても裏側のPETシート側に導電性ペーストが取られることがなくなり、かつ裏側のPETシートに穿設された穴の穴径が大きくなった分に相当する分の導電性ペーストの充填量も増加することから接続抵抗値はさらに安定する。
さらに、本発明の回路基板の製造方法で使用する表側のPETシートは、穴径制御層を形成しないので1工程削減できるため安価に生産することが可能であり、同様に制御層の膜厚を薄くしたり、PETシートのPET基材自体を薄くしたものも使用材料が削減されるため安価に生産できる。
なお、本実施の形態においては、表側のPETシートのみに穴径制御層を設け、裏側のPETシートに穴径制御層を設けないPETシートを用いた場合についての回路基板の製造方法を説明した。
それに換わる事例としては、表側のPETシートと同様に、裏側のPETシートにも穴径制御層を設けることも考えられる。この場合、裏側のPETシートの穴径制御層の膜厚を、裏側のPETシートの穴径制御層の膜厚に比較して、極力薄くして穴径をコントロールするか、あるいは、裏側のPETシートの基材そのものを表側のPETシートの基材に比較して薄くすることによって、PETシートの穴内径部と導電ペーストの接触面積を減らし、剥離しやすくすることを前提とする。このような構成のPETシートを用いても本発明と同様の効果が得られることは言うまでもない。この事例において特に注意することは、裏側のPETシートの基材を薄くする場合、プリプレグから剥離したときに形成されるPETシートの厚み分に相当する凸状の鋲効果が得られるようにPETシートの厚みを設定することである。本願発明者の確認では、表側のPETシートの基材の厚みの90〜40%の範囲で裏側のPETシートの基材を薄くすればよいことがわかった。
なお、本発明の構成である、表側のPETシートのみに穴径制御層を設け、裏側のPETシートに穴径制御層を設けない場合にあっては、表側のPETシートの基材の厚みの100〜40%の範囲で裏側のPETシートの基材を薄くすればよい。前記の範囲において、下限値40%以下の場合は、充填された導電性ペーストによる凸状の鋲効果が得られない可能性がある。従って、前記範囲、望ましくは100〜50%の範囲に設定した方がよい。
(実施の形態2)
次に、本発明の回路基板の製造用材料を用いて両面または多層の回路基板の製造方法について以下に説明する。
まず、一時的に保管または他工程(工場含む)で製造された上記の実施の形態1における図6に示す本発明の回路基板の製造用材料100を少なくとも2枚準備する。
製造用材料100を準備するに当たっては、専用の保管箱あるいは搬送箱等を用いて搬送することが望ましい。
また、製造用材料100の一時保管や搬送過程においては、保冷庫等を用いて温湿度を一定(例:10℃以下、又は23±2℃、55±5%RH)に保った状態を維持することが望ましく、これにより製造用材料100中のプリプレグや導電性ペーストの性能を安定させることができる。
次に、銅はく等の金属箔9を2枚と表層に回路を有する回路基板を少なくとも1枚準備する。
なお、前記回路基板は、表層に回路を有するものであれば両面の回路基板に限定されるものではなく、多層の回路基板(例えば図7の4層の回路基板14)であってもよい。本実施の形態においては、説明を容易にするため、実施の形態1の図1(h)に示された両面の回路基板12とする。
次に、図1(e)の工程と同様に、製造用材料100の表裏に張り付けられたPETシート2a、2bを剥離することにより、導電性ペーストが充填されたプリプレグを少なくとも2枚準備し、これをプリプレグ8a、8bとする。
次に、実施の形態1の図7(b)の工程と同様に、両面の回路基板12とプリプレグ8a、8bとを交互にかつ2枚の金属箔9を最外層に積層し、図7(c)の工程と同様に、熱プレスで加熱加圧する。
次に、図7(d)の工程と同様に、両面の金属箔9を選択的にエッチングして回路パターン11を形成することで4層の回路基板14を得る。
なお、上記の説明において1枚の回路基板12と2枚のプリプレグ8a、8bとを交互に積層するとの表現を用いたが、この場合の交互とは回路基板とプリプレグとが互いに接する状態を示すものである。その状態であれば複数の回路基板12とそれ以上の複数のプリプレグとを互いに交互に積層し、最外層の金属箔にプリプレグが接するように積層することも可能であり、本発明の回路基板の製造用材料を用いれば容易に高多層の回路基板を実現することができる。
なお、本発明の回路基板の製造用材料100を用いて両面の回路基板を製造する場合は、実施の形態1の図1(e)〜図1(h)と同様に行えばよい。
次に、本発明の回路基板の製造用材料を用いて多層の回路基板の製造方法の他の事例について以下に説明する。
まず、一時的に保管または他工程(工場含む)で製造された上記の実施の形態1における図6に示す本発明の回路基板の製造用材料100を少なくとも1枚準備する。
また、表層に回路を有する回路基板を少なくとも2枚準備する。
なお、前記回路基板は、表層に回路を有するものであれば両面の回路基板に限定されるものではなく、多層の回路基板(例えば図7の4層の回路基板14)を複数であってもよく、あるいは、両面の回路基板(例えば図1の両面の回路基板12)と多層の回路基板とで複数準備してもよい。本実施の形態においては、説明を容易にするため、4層の回路基板14を2枚準備する。
次に、図1(e)の工程と同様に、製造用材料100の表裏に張り付けられたPETシート2a、2bを剥離することにより、導電性ペーストが充填されたプリプレグ8を準備する。
次に、4層の回路基板14とプリプレグ8とを交互にかつ2枚の回路基板14を最外層に積層し、その両表面に離型シートを配置して熱プレスで加熱加圧する。
これにより、8層の層間が電気的に接続された多層の回路基板を得る。
なお、上記の説明において2枚の回路基板14と1枚のプリプレグ8とを交互に積層するとしたが、複数のプリプレグとそれ以上の複数の多層の回路基板14あるいは両面の回路基板12とを互いに交互に積層し、最外層が回路基板14(または回路基板12)となるように積層することも可能であり、本発明の回路基板の製造用材料を用いれば容易に高多層の回路基板を実現することができる。
本発明の回路基板の製造用材料を用いて両面または多層の回路基板の製造することにおける利点は、実施の形態1における層間の接続信頼性が高い回路基板を提供することに加えて、回路基板の製造過程における生産性の向上を図ることができる。
つまり、回路基板の製造用材料を用いれば、製造工程において使用する主な製造装置は、PETシートの剥離機や位置決め積層を行うためのアライメント積層機および熱プレス機であり、PETシートのラミネート機やレーザー加工機、導電性ペーストの充填機等は不要となる。このことから、回路基板の生産効率を高めることができるとともに、最少必要な生産設備で、高多層の回路基板を容易に実現することができるため、本発明の技術を採用することは容易であり、本発明の技術を普及させることも容易に行うことができる。
以上述べたように、本発明の回路基板の製造方法および回路基板の製造用材料を用いると、表側PETシートに穴径制御層の無いPETシートを用いるので、まずPETシートの製造工程が1工程削減されることで安価な材料を用いることが出来、さらにPETシート剥離の際にペーストの取られ現象や抜け・欠点等の現象を防止できるのでペースト充填量が安定しビア接続信頼性が高く経済的な回路基板の製造方法を提供することができ、本発明の産業上の利用可能性は大であるといえる。
本発明の実施の形態1における回路基板の製造方法を示す工程断面図 同実施の形態における回路基板の製造方法の一過程の要部を示す断面図 同実施の形態における回路基板の製造方法の一過程の要部を示す断面図 同実施の形態における回路基板の製造方法を説明するための図 同実施の形態における回路基板の製造方法を説明するための図 同実施の形態における回路基板の製造用材料を示す断面図 同実施の形態における回路基板の製造方法を示す工程断面図 同実施の形態における接続評価用の回路基板を示す断面図 従来の回路基板の製造方法を示す工程断面図 従来の回路基板の製造方法の一過程の要部を示す断面図 従来の回路基板の製造方法の一過程の要部を示す断面図 従来の回路基板の製造方法を示す工程断面図 従来の回路基板の製造方法における課題を示す断面図
符号の説明
1、51 プリプレグ
2a、2b、52 PETシート
3、3c、53 貫通穴
4a、4b PETに穿設された穴
5、55 スキージ
6、56 導電性ペースト
7、57 導通穴
8、8a、8b、58a、58b 導電性ペースト充填済みプリプレグ
9、59 金属箔
10、60 両面の銅張積層板
11、61 回路パターン
12、62 両面回路基板
13、63 4層の銅張積層板
14、64 4層の回路基板
31 集光レンズ
32 レーザー光
33 導電性ペーストが抜けて欠点となる現象
34 導電性ペーストが取られる現象
100 回路基板の製造用材料
101 PET基材
102 穴径制御層
103 離型層
200 接続評価用の回路基板
201 基材
202 導通穴(ビア)
203 パターン
204 抵抗計

Claims (10)

  1. プリプレグの表裏に離型性を有したプラスチックシートを張り付ける工程と、プラスチックシートを張り付けたプリプレグの表側から裏側にかけてレーザー光を照射することにより貫通穴を形成する工程と、
    前記貫通穴に導電性ペーストを充填する工程と、前記プラスチックシートを前記プリプレグより剥離する工程とを備え、
    前記プリプレグの表裏に張り付けられたプラスチックシートのうち表側に張り付けられたプラスチックシートのみは、前記プリプレグに接触しない面に穴径制御層を備えていることを特徴とする回路基板の製造方法。
  2. 穴径制御層は、融点を持たない熱硬化性樹脂を主成分とした樹脂で形成される層であることを特徴とする請求項1に記載の回路基板の製造方法。
  3. 穴径制御層の膜厚は、0.3μm〜2μmの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の回路基板の製造方法。
  4. レーザー光を照射することにより形成される貫通穴のプリプレグの穴径は70μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の回路基板の製造方法。
  5. 前記プラスチックシートを前記プリプレグより剥離する工程の後、
    前記プリプレグの両面に金属箔を加熱加圧することで接着する工程と、前記金属箔を回路形成する工程を備えることを特徴とする請求項1に記載の回路基板の製造方法。
  6. 表裏に離型性を有したプラスチックシートが張り付けられたプリプレグと、前記プラスチックシートとプリプレグにレーザー加工により形成された貫通穴と、前記貫通穴に充填された導電性ペーストとを備え、
    前記レーザー加工はレーザー光が表側に張り付けられたプラスチックシート、プリプレグ、裏側に張り付けられたプラスチックシートへと照射貫通するものであって、
    前記プリプレグの表裏に張り付けられたプラスチックシートのうち表側に張り付けられたプラスチックシートのみは、前記プリプレグに接触しない面に穴径制御層を備えていることを特徴とする回路基板の製造用材料。
  7. 金属箔もしくは表層に回路を有する回路基板および請求項6に記載の回路基板の製造用材料を準備する工程と、
    前記回路基板用の製造用材料の表裏に張り付けられたプラスチックシートを剥離して導電性ペーストが充填されたプリプレグを準備する工程と、
    前記表層に回路を有する回路基板と前記プリプレグとを交互にかつ前記金属箔を最外層に積層し加熱加圧する工程と、前記金属箔に回路を形成することを特徴とする回路基板の製造方法。
  8. 表層に回路を有する回路基板および請求項6に記載の回路基板の製造用材料を準備する工程と、前記回路基板用の製造用材料の表裏に張り付けられたプラスチックシートを剥離して導電性ペーストが充填されたプリプレグを準備する工程と、前記表層に回路を有する両面または多層の回路基板と前記プリプレグとを交互にかつ前記回路基板を最外層に積層し加熱加圧する工程とを備えることを特徴とする回路基板の製造方法。
  9. 裏側のプラスチックシートの厚みは表側のプラスチックシートの厚みよりも薄いことを特徴とする請求項1に記載の回路基板の製造方法。
  10. 裏側のプラスチックシートの厚みは表側のプラスチックシートの厚みの100〜40%の範囲であることを特徴とする請求項9に記載の回路基板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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