JP4876691B2 - ペースト充填済みプリプレグの製造方法および回路基板の製造方法 - Google Patents

ペースト充填済みプリプレグの製造方法および回路基板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、回路基板の製造の際に用いるペースト充填済みプリプレグの製造方法と複数層の回路パターンを接続してなる回路基板の製造方法に関するものである。
近年、電子機器の小型化、高密度化に伴い、産業用にとどまらず民生用の分野においても高機能な回路基板が強く要望されるようになってきた。特に接続部品の微細化、高機能化によって、より微細な回路パターンの形成が重要となり接続の要であるビア位置精度の向上安定化は、それらの接続信頼性を確保するため重要となっている。
以下従来の回路基板の製造方法について図3を用いて説明する。
以下従来の両面基板と多層基板、ここでは4層基板の製造方法について説明する。
まず、多層基板のベースとなる両面の回路基板の製造方法を説明する。
図3(a)〜(h)は従来の回路基板の製造方法の工程断面図である。
まず、図3(a)に示す51は、ガラスクロスに熱硬化性のエポキシ樹脂を含浸させた基板材料であるプリプレグであり、縦、横、厚みのサイズが500mm×500mm×0.1mmである。そして52は、導電性ペースト充填時のマスクフィルムとなる厚さ約19μmのプラスチックフィルムであり片面に熱硬化性樹脂からなる離型剤を塗布した構造のものである。プラスチックフィルムの材質は例えばポリエチレンテレフタレート(以下PETシートと称する)が用いられる。
図3(b)に示す工程は、PETシート52でプリプレグ51を挟持し、ラミネートなどの方法で加熱加圧することで前記PETシート52を前記プリプレグ51の両面に張り付ける工程である。
PETシート52をプリプレグ51の表面にしわ無く張り付けるため、PETシート52を加熱した状態で、ある程度の張力を加えている。
図5に、PETシートのTMAを示すが、例えば、PETシート(試験片:幅4mm、長さ10mm)を125℃に加熱しながら1.5g/mm程度の張力を加えると、図5に示すように0.04mm/10mmの伸びが生じる。これを張り付け長さ500mmに換算するとPETシート52は約2mm程度伸びると考えられる。
また、PETシート52を張り付けられるプリプレグ51自体にも熱が加わりBステージ状態であった含浸されたエポキシ樹脂が軟化した状態になる。
図6にエポキシ樹脂の熱特性を示す。エポキシ樹脂を粉状態で装置にかけた結果のため測定初期はばらついているが60℃付近からゲル化が始まり75℃近傍にTg点があり100℃付近ではエポキシ樹脂が溶融してさらに軟化していることが分かる。
100℃以上に加熱され、溶融したエポキシ樹脂が接着剤の役割を果たしPETシート52と接着貼り付けが行われる。この際エポキシ樹脂は軟化しているため、プリプレグ51自体の剛性は低下し、張り付け完了時にPET張力が開放されると、伸ばされていたPETシート52が再度収縮する。このため、プリプレグ51はPETシート52の収縮力で圧縮を受けることでPETシートと同時に収縮し寸法変化を生じる。
次に図3(c)に示すように、両面にPETシート52が接着されたプリプレグ51の所定の箇所にレーザ加工法などを利用して貫通穴53を形成する。このとき、同時に積層時の位置決め用基準穴54も形成する。
次に図3(d)に示すように、印刷機(図示せず)を用いてスキージ55でPETシート52の上から貫通穴53に導電性ペースト56を充填しビア57を形成する。このとき、上面のPETシート52は印刷マスクの役割を果たしている。
次に図3(e)に示すように、プリプレグ51の両面からPETシート52を剥離すると、ペースト充填済みプリプレグ58が形成される。前記ペースト充填済みプリプレグ58は、PETシート52の応力から解放されることで縮んでいた分だけ伸びが生じる。
そして、図3(f)に示すように、ペースト充填済みプリプレグ58の両面にCuなどの金属箔59を重ね熱プレスで加熱加圧することにより、ペースト充填済みプリプレグ58の両側に金属箔59が接着され、図3(g)に示す両面銅張り板60が形成される。両面の金属箔59は所定位置に設けたビア57内の導電性ペーストにより電気的に接続されている。
そして、図3(h)に示すように、両面の金属箔59を選択的にエッチングして回路パターン61が形成されて両面回路基板62が得られる。
次に、図4を用いて従来の多層の回路基板の製造方法を説明する。
図4(a)〜(d)は、従来の多層基板の製造方法を示す工程断面図であり、4層基板を例として示している。
まず図4(a)に示すように、図3(a)〜(h)によって製造された両面回路基板62と図3(a)〜(e)で製造された貫通穴53に導電性ペースト56を充填しビア57を形成した上積層用ペースト充填済みプリプレグ58aと下積層用ペースト充填済みプリプレグ58bが準備される。
次に、図4(b)に示すのは、積層ステージ(図示せず)上に金属箔59を乗せ、その上に下側のペースト充填済みプリプレグ58bを画像認識などで、基準穴位置を認識位置決めした後に積層し、さらにその上に両面回路基板62を画像認識などで基準穴位置を認識位置決めした後に積層し、さらにその上に上側のペースト充填済みプリプレグ58aを画像認識などで基準穴位置を認識位置決めした後に積層し、さらにその上に金属箔59を積層するアライメント積層工程である。
このとき、ペースト充填済みプリプレグの基準穴位置の寸法がばらつくと積層位置合わせが合わない等の悪影響が出る。
次に図4(c)に示すように、金属箔59で挟持されたペースト充填済みプリプレグ58a、58b、両面回路基板62を熱プレスで加熱加圧することでペースト充填済みプリプレグ58a、58bに含浸されたエポキシ樹脂によって両面回路基板62、金属箔59と接着され4層積層基板63となる。この時ペースト充填済みプリプレグ58a、58b、両面回路基板62と金属箔59はビアに充填された導電性ペーストや両面回路基板のパターンによって電気的接続が実現されている。
次に図4(d)に示すように、両面の金属箔59を選択的にエッチングして回路パターン61を形成することで4層回路基板64が得られる。ここでは4層の多層基板について説明したが、4層以上の多層基板、例えば6層基板については製造方法で得られた4層回路基板を両面回路基板の代わりに用いて、多層基板の製造方法(図4(a)〜(d))を繰り返せばよい。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1および特許文献2が知られている。
特開平7−106760号公報 特開2000−101250号公報
しかしながら、上記の従来の製造方法では、PETシートに熱と張力をかけ、同時にプリプレグにも熱をかけてPETシートとプリプレグを張り付けるので、熱によって軟化したプリプレグに、熱と張力によって大きく寸法を伸ばされた状態のPETシートが張り付くと、プリプレグは剛性が下がっているため、張り付け後PETシートの張力を開放するとPETシートが縮むためプリプレグは圧縮応力を受けプリプレグは寸法変化を生じる。
さらに、PETシートが張り付くことでPETシートに固定された状態になるのでプリプレグには大きな内部応力が残留することになる。その後、レーザーで加工した穴に導電性ペーストを充填して形成したビアの位置は、PETシートを剥離することで内部応力が開放されたプリプレグが再度寸法変化を生じるためビア穴の位置はずれが生じ、寸法精度が悪化したり、合致精度がばらつく問題点を有していた。
本発明は上記従来の問題点を解決するもので、プリプレグにPETシートを張り付ける時の応力を緩和させることでプロセス毎の寸法変化を抑制し、高精度な基板寸法を実現するための回路基板の製造方法を提供するものである。
上記目的を達成するために、本発明は以下の構成を有する。
本発明の請求項1に記載の発明は、片面に離型性を有するプラスチックシートをプリプレグに張り付けるラミネート工程と、プラスチックシートを張り付けたプリプレグに貫通穴を形成する工程と、前記貫通穴に導電性ペーストを充填する工程と、前記プラスチックシートをプリプレグより剥離する工程とを備え、前記プリプレグは基材に溶媒を含むエポキシ樹脂が含浸されたものであり、前記ラミネート工程はプラスチックシートの離型性を有する面にプリプレグ中の溶媒と同じ溶媒の2−ブタノンまたは同系の溶媒としてトルエンや2−ブタノンとトルエンの混合溶液を塗布する工程を含むことを特徴とするペースト充填済みプリプレグの製造方法というものであり、プラスチックシートの離型性を有した面にプリプレグに含浸した樹脂に含まれる溶媒と同じ溶媒の2−ブタノンまたは同系の溶媒としてトルエンまたは2−ブタノンとトルエンの混合溶液を塗布した後にプリプレグに張り付けることにより、プリプレグ表層の樹脂分を溶解させて接着剤としての機能を与えることができる。これにより常温で張り付けることが可能となり、貫通穴の加工位置精度を向上させたペースト充填済みプリプレグを提供することができる。
本発明の請求項2に記載の発明は、片面に離型性を有するプラスチックシートをプリプレグに張り付けるラミネート工程と、プラスチックシートを張り付けたプリプレグに貫通穴を形成する工程と、前記貫通穴に導電性ペーストを充填する工程と、前記プラスチックシートをプリプレグより剥離する工程とを備え、前記プリプレグは基材に溶媒を含むエポキシ樹脂が含浸されたものであり、前記ラミネート工程はプラスチックシートの離型性を有する面にプリプレグ中の溶媒と同じまたは同系の溶媒を塗布する工程を含み、プリプレグに含浸されたエポキシ樹脂のTg点以下の温度でプラスチックシートをプリプレグに張り付けることを特徴とするペースト充填済みプリプレグの製造方法というものであり、ラミネート温度がプリプレグに含まれるエポキシ樹脂のTg点以下であることから樹脂軟化がなくプリプレグの剛性も低下していない。これにより、ラミネートの際のプラスチックシートへの圧縮応力に対する耐性を十分確保することができ、安定した寸法および形状のペースト充填済みプリプレグを提供することができる。
本発明の請求項3に記載の発明は、Tg点以下の温度は30℃前後の常温であることを特徴とする請求項2に記載のペースト充填済みプリプレグの製造方法というものであり、ラミネート温度が30℃前後の常温であれば、プラスチックシートも張力をかけても、寸法変化の要因となるプラスチックシート自体の伸び量を抑制することができる。これにより、低応力でプラスチックシートにプラスチックシートを張り付けることができる。
本発明の請求項4に記載の発明は、溶媒を塗布する工程は、スプレー塗布、刷毛塗り、グラビア凹版塗布、ドクターブレード塗布のうちから選択される方法により行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のペースト充填済みプリプレグの製造方法というものであり、スプレー塗布、刷毛塗りはそれを実施するための装置を簡易化でき、また、グラビア凹版塗布、ドクターブレード塗布は精密な塗布膜厚を実現できるという作用を有する。
本発明の請求項5に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のペースト充填済みプリプレグの製造方法を用いてペースト充填済みプリプレグを準備する工程と、前記ペースト充填済みプリプレグの両面に金属箔を加熱加圧する工程と、前記金属箔をエッチングして回路形成を行う工程とを備えた回路基板の製造方法というものであり、貫通穴の加工位置精度を向上させたペースト充填済みプリプレグを用いることで寸法精度や合致精度が高く品質・生産性に優れた両面の回路基板を提供することができる。
本発明の請求項6に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のペースト充填済みプリプレグの製造方法を用いてペースト充填済みプリプレグを複数枚準備する工程と、ペースト充填済みプリプレグの両面に金属箔を加熱加圧し前記金属箔をエッチングして表面に回路を有する回路基板を複数準備する工程と、表面に回路を有する回路基板とペースト充填済みプリプレグと最外層に金属箔とを積層する積層工程と、それを加熱加圧する工程と、最外層の金属箔をエッチングして回路形成を行う工程とを備えた回路基板の製造方法というものであり、貫通穴の加工位置精度を向上させたペースト充填済みプリプレグと、このペースト充填済みプリプレグとを用いて積層構成することにより、寸法精度や合致精度が高く品質・生産性に優れた多層の回路基板を提供することができる。
本発明の請求項7に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のペースト充填済みプリプレグの製造方法を用いてペースト充填済みプリプレグを複数枚準備する工程と、ペースト充填済みプリプレグの両面に金属箔を加熱加圧し、前記金属箔をエッチングして表面に回路を有する回路基板を複数準備する工程と、表面に回路を有する回路基板を最外層にかつペースト充填済みプリプレグを介して積層する積層工程と、それを加熱加圧する工程とを備えた回路基板の製造方法というものであり、貫通穴の加工位置精度を向上させたペースト充填済みプリプレグと、このペースト充填済みプリプレグを用いて積層構成することにより、寸法精度や合致精度が高く品質・生産性に優れた多層の回路基板を容易なプロセスにより提供することができる。
本発明の請求項8に記載の発明は、積層工程は、表面に回路を有する回路基板とペースト充填済みプリプレグとを複数枚交互に積層することを特徴とする請求項6または請求項7に記載の回路基板の製造方法というものであり、貫通穴の加工位置精度を向上させたペースト充填済みプリプレグと、このペースト充填済みプリプレグとを用いて積層構成することにより、寸法精度や合致精度が高く品質・生産性に優れた高多層の回路基板を提供することができる。
本発明は、プリプレグにPETシートを張り付け、その後PETシートを張り付けたプリプレグに貫通穴を加工する工程とその貫通穴に導電性ペーストを充填する工程を有する回路基板の製造方法において、プリプレグにPETシートを張り付ける時に、PETシートにプリプレグに含まれる溶媒、或いはエポキシ樹脂を塗布する工程を有し、プリプレグ両面あるいは片面に、プリプレグに含まれる溶媒、或いはエポキシ樹脂を塗布したPETシートの塗布面とを張り付ける工程と貫通穴に導電性ペーストを充填した後に、PETシートだけを剥離する工程を設けることで、プリプレグに応力を出来るだけ加えないことで基準穴の寸法位置精度を向上させることが可能となり、寸法精度や合致精度が高い品質の高く生産性に優れたペースト充填済みプリプレグの製造方法および回路基板の製造方法を提供することができるという効果を奏するものである。
(実施の形態)
以下本発明のペースト充填済みプリプレグの製造方法と回路基板の製造方法について図1を用いて説明する。
以下本発明の両面基板と多層基板、ここでは4層基板の製造方法について説明する。
まず、多層基板のベースとなる両面回路基板の製造方法を説明する。
図1(a)〜(f)は、本発明のペースト充填済みプリプレグの製造方法の工程断面図を示し、図1(g)〜(i)は、本発明の回路基板の製造方法の工程断面図を示すものである。
まず、図1(a)に示す符号1は、ガラスクロスに熱硬化性のエポキシ樹脂を含浸させた基板材料であるプリプレグであり、縦、横、厚みのサイズが500mm×500mm×0.1mmである。そして2は、導電性ペースト充填時のマスクフィルムとなる厚さ約19μmのプラスチックフィルムであり、片面に熱硬化性樹脂からなる離型剤を塗布した離型面を持つ構造のものである。プラスチックフィルムの材質は例えばポリエチレンテレフタレート(以下PETシートと称する)が用いられる。
図1(b)に示す工程は、PETシート2でプリプレグ1を挟持しPETシート2を前記プリプレグ1の両面に張り付けるラミネート工程である。
例えば、PETシート2の離型面側に、プリプレグ1に含浸したエポキシ樹脂に含まれる溶媒、例えば2−ブタノン(もしくはプリプレグ1に含浸したエポキシ樹脂と前記エポキシ樹脂の溶媒を溶かし混合した状態のものを塗布しても良い。)などをスプレー装置4(もしくは刷毛塗り、グラビア凹版、ドクターブレードなど)を用いて塗布する。その後、2−ブタノンを塗布したPETシート2の離型剤側にプリプレグ1を任意の一辺側から空気をかみ込ませないようにラミネートロール3等を用いて順次プリプレグの反対の一辺側に向けて加熱せずに張り付ける。
この時、PETシート2に塗布した2−ブタノンがプリプレグ1に含浸したエポキシ樹脂を溶解させ接着剤となるので、プリプレグ1とPETシート2は加熱することなく常温で張り付けることができる。
常温で張り付けが可能なため、プリプレグ1の剛性は、図6より30℃前後ではプリプレグに含まれるエポキシ樹脂のTg点以下であることから軟化もなくプリプレグの剛性が低下していない範囲なのでPETシートの圧縮応力に対する耐性は十分ある。
また、図5に示すように、PETシート2も張力をかけても、寸法変化の要因となるPETシート自体の伸び量が30℃前後では0.4mm/500mm程度と従来の温度と比べて1/5程度に抑制される。この結果、低応力でプラスチックシートにPETシートを張り付けることができる。
図1(c)は、PETシート2を張り付けた状態のプリプレグ1である。
そして、次に図1(d)に示すように、両面にPETシート2が接着されたプリプレグ1の所定の箇所にレーザ加工法などを利用して貫通穴5を形成する。この時同時に積層時の位置決め用基準穴6を形成する。
次に図1(e)に示すように、印刷機(図示せず)を用いてスキージ7でPETシート2の上から貫通穴5に導電性ペースト8を充填しビア9を形成する。このとき、PETシート2は印刷マスクの役割を果たしている。
次に図1(f)に示すように、プリプレグ1の両面からPETシート2を剥離するとペースト充填済みプリプレグ10が形成される。前記ペースト充填済みプリプレグ10はPETシート2の応力から解放されるがPETシート張り付け時の応力が従来に比べ1/5程度に抑制しているので寸法変化は、非常に少ないものになる。
そして、図1(g)に示すように、準備されたペースト充填済みプリプレグ10の両面にCuなどの金属箔11を重ね熱プレスで加熱加圧することにより、ペースト充填済みプリプレグ10の両側に金属箔11が接着され図1(h)に示す両面銅張り板12が形成される。両面の金属箔11は所定位置に設けたビア9内の導電性ペーストにより電気的に接続されている。
そして、図1(i)に示すように、両面の金属箔11を選択的にエッチングして回路パターン13が形成されて両面回路基板14が得られる。
なお、本実施例は、PETシート2の離型面側に塗布する溶媒として、プリプレグ1に含浸したエポキシ樹脂に含まれる溶媒の2−ブタノンとしたが、その同系の溶媒として、トルエンや2−ブタノンとトルエンの混合溶液を塗布してもよい。
また、プリプレグ1に含浸したエポキシ樹脂に含まれる溶媒とは別に、プラスチックシートの離型剤中の溶媒と同じまたは同系の溶媒を塗布することも可能である。
次に、図2を用いて本発明の多層の回路基板の製造方法を説明する。
図2(a)〜(d)は、本発明の多層の回路基板の製造方法を示す工程断面図であり、4層基板を例として示している。
まず図2(a)に示すように、図1(a)〜(i)によって製造された両面回路基板14と、図1(a)〜(f)で製造された寸法精度の高い貫通穴5に導電性ペースト8を充填しビア9を形成した上積層用ペースト充填済みプリプレグ10aと下積層用ペースト充填済みプリプレグ10bが準備される。
次に、図2(b)に示すのは、積層ステージ(図示せず)上に金属箔11を乗せ、その上に下側のペースト充填済みプリプレグ10bを画像認識などで基準穴位置を認識位置決めした後に積層し、さらにその上に両面回路基板14を画像認識などで基準穴位置を認識位置決めした後に積層し、さらにその上に上側のペースト充填済みプリプレグ10aを画像認識などで基準穴位置を認識位置決めした後に積層し、さらにその上に金属箔11を積層するアライメント積層工程である。
次に図2(c)に示すように、金属箔11で挟持されたペースト充填済みプリプレグ10a、10b、両面回路基板14を熱プレスで加熱加圧することでペースト充填済みプリプレグ10a、10bに含浸されたエポキシ樹脂によって両面回路基板14、金属箔11と接着され4層積層基板15となる。この時ペースト充填済みプリプレグ10a、10b、両面回路基板14と金属箔11はビアに充填された導電性ペーストや両面回路基板のパターンによって電気的接続が実現されている。
次に図2(d)に示すように、両面の金属箔11を選択的にエッチングして回路パターン13を形成することで4層回路基板16が得られる。
なお、本実施例においては4層の多層基板について説明したが、4層以上の多層基板、例えば6層基板については、本発明の製造方法で得られた4層回路基板を両面回路基板の代わりに用いて、多層基板の製造方法(図2(a)〜(d))を繰り返せばよい。
また、両面回路基板を最外層にかつペースト充填済みプリプレグを介して積層する方法により、寸法精度や合致精度が高く品質・生産性に優れた多層の回路基板を容易なプロセスにより提供することができ、さらに両面回路基板とペースト充填済みプリプレグとを複数枚交互に積層する方法により、高多層の回路基板提供することができる。
従来の製造方法では、プリプレグとPETシートの張り付けを加熱しながら張り付けていたが、このような場合、プリプレグが加熱によって軟化して剛性が低下しているところに、熱と張力で大きく伸ばされたPETシートを張り付けていたのでPETシートの応力とプリプレグ剛性低下のため寸法が大きく変化していた、このため、ペースト充填後にPETシートを剥離するとその応力が開放されるため再度大きく寸法変化する。その結果、PETを張り付けた状態でビア穴の加工を行っていたので完成品のビア位置寸法がばらつき結果として、パターンや積層時の合致性が悪化する場合があった。
これに対し、本発明の回路基板の製造方法では、加熱することなくプリプレグとPETシートを張り付けるので、寸法変化の原因である、加熱によるプリプレグの剛性低下、PETシートの伸びが従来の1/5以下に抑えられるためレーザー加工後のビア位置寸法のばらつきが小さくなり、さらにPETシート剥離後も寸法変化が小さく安定するので、完成基板の寸法も安定しパターン合致性が向上する。
さらに、積層するときのペースト充填後プリプレグやコア基板となる両面基板(4層基板)の仕上がり寸法が安定するので積層合致性も向上する。
以上述べたように、本発明のペースト充填済みプリプレグの製造方法および回路基板の製造方法を用いることでプリプレグにPETシートを張り付けるときの応力を低減させることでビア形成時の寸法を安定化させることができる。
このことから、本発明を実施することにより寸法精度の優れた高品質の回路基板を提供でき、産業上の利用可能性は大であるといえる。
本発明のペースト充填済みプリプレグおよび回路基板の製造方法を示す概略工程断面図 本発明の回路基板の製造方法を示す概略工程断面図 従来の回路基板製造装置の断面概略図 従来の回路基板製造方法と従来の回路基板製造方法を同時に示した断面概略図 PETシートのTMAを示す図 プリプレグに含まれるエポキシ樹脂の熱による粘度変化特性図
1 プリプレグ
2 PETシート
3 ラミネートロール
4 スプレー装置
5 貫通穴
6 基準穴
7 スキージ
8 導電性ペースト
9 ビア
10 ペースト充填済みプリプレグ
11 金属箔
12 両面銅張り板
13 回路パターン
14 両面回路基板
15 4層積層板
16 4層回路基板

Claims (8)

  1. 片面に離型性を有するプラスチックシートをプリプレグに張り付けるラミネート工程と、プラスチックシートを張り付けたプリプレグに貫通穴を形成する工程と、
    前記貫通穴に導電性ペーストを充填する工程と、
    前記プラスチックシートをプリプレグより剥離する工程とを備え、
    前記プリプレグは基材に溶媒を含むエポキシ樹脂が含浸されたものであり、
    前記ラミネート工程はプラスチックシートの離型性を有する面にプリプレグ中の溶媒と同じ溶媒の2−ブタノンまたは同系の溶媒としてトルエンや2−ブタノンとトルエンの混合溶液を塗布する工程を含むことを特徴とするペースト充填済みプリプレグの製造方法。
  2. 片面に離型性を有するプラスチックシートをプリプレグに張り付けるラミネート工程と、プラスチックシートを張り付けたプリプレグに貫通穴を形成する工程と、
    前記貫通穴に導電性ペーストを充填する工程と、
    前記プラスチックシートをプリプレグより剥離する工程とを備え、
    前記プリプレグは基材に溶媒を含むエポキシ樹脂が含浸されたものであり、
    前記ラミネート工程はプラスチックシートの離型性を有する面にプリプレグ中の溶媒と同じまたは同系の溶媒を塗布する工程を含み、プリプレグに含浸されたエポキシ樹脂のTg点以下の温度でプラスチックシートをプリプレグに張り付けることを特徴とするペースト充填済みプリプレグの製造方法。
  3. Tg点以下の温度は30℃前後の常温であることを特徴とする請求項2に記載のペースト充填済みプリプレグの製造方法。
  4. 溶媒を塗布する工程は、スプレー塗布、刷毛塗り、グラビア凹版塗布、ドクターブレード塗布のうちから選択される方法により行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のペースト充填済みプリプレグの製造方法。
  5. 請求項1または請求項2に記載のペースト充填済みプリプレグの製造方法を用いてペースト充填済みプリプレグを準備する工程と、
    前記ペースト充填済みプリプレグの両面に金属箔を加熱加圧する工程と、
    前記金属箔をエッチングして回路形成を行う工程とを備えた回路基板の製造方法。
  6. 請求項1または請求項2に記載のペースト充填済みプリプレグの製造方法を用いてペースト充填済みプリプレグを複数枚準備する工程と、
    ペースト充填済みプリプレグの両面に金属箔を加熱加圧し前記金属箔をエッチングして表面に回路を有する回路基板を複数準備する工程と、
    表面に回路を有する回路基板とペースト充填済みプリプレグと最外層に金属箔とを積層する積層工程と、
    それを加熱加圧する工程と、
    最外層の金属箔をエッチングして回路形成を行う工程とを備えた回路基板の製造方法。
  7. 請求項1または請求項2に記載のペースト充填済みプリプレグの製造方法を用いてペースト充填済みプリプレグを複数枚準備する工程と、
    ペースト充填済みプリプレグの両面に金属箔を加熱加圧し前記金属箔をエッチングして表面に回路を有する回路基板を複数準備する工程と、
    表面に回路を有する回路基板を最外層にかつペースト充填済みプリプレグを介して積層する積層工程と、
    それを加熱加圧する工程とを備えた回路基板の製造方法。
  8. 積層工程は、表面に回路を有する回路基板とペースト充填済みプリプレグとを複数枚交互に積層することを特徴とする請求項6または請求項7に記載の回路基板の製造方法。
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