JP2008216942A - 液晶装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】水または水溶液を用いずに、簡単かつ低コストにて帯電対策を施しながら、形成後の無機配向膜を確実に洗浄することにより、液晶装置の信頼性を向上させることができる液晶装置の製造方法を提供する。
【解決手段】TFT基板及び対向基板の各画素電極、対向電極上に無機配向膜を形成するステップS1、ステップS2と、無機配向膜に対し液体窒素を供給して、無機配向膜の洗浄を行うステップS3、ステップS4とを具備することを特徴とする。
【選択図】図4
【解決手段】TFT基板及び対向基板の各画素電極、対向電極上に無機配向膜を形成するステップS1、ステップS2と、無機配向膜に対し液体窒素を供給して、無機配向膜の洗浄を行うステップS3、ステップS4とを具備することを特徴とする。
【選択図】図4
Description
本発明は、第1の基板と該第1の基板に対向する第2の基板との間に液晶が介在された液晶装置の製造方法に関する。
周知のように、例えば光透過型の液晶装置は、ガラス基板、石英基板等からなる2枚の基板間に液晶が介在されて構成されている。
また、液晶装置は、一方の基板に、例えば薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下、TFTと称す)等のスイッチング素子及び画素電極をマトリクス状に配置し、他方の基板に対向電極を配置して、両基板間に介在された液晶層による光学応答を画像信号に応じて変化させることで、画像表示を可能としている。
また、TFTを配置したTFT基板と、このTFT基板に相対して配置される対向基板とは、別々に製造される。TFT基板及び対向基板は、例えば石英基板上に、所定のパターンを有する半導体薄膜、絶縁性薄膜又は導電性薄膜を積層することによって構成される。層毎に各種膜の成膜工程とフォトリソグラフィ工程を繰り返すことによって形成されるのである。
このようにして形成されたTFT基板及び対向基板は、パネル組立工程において高精度(例えばアライメント誤差1μm以内)に貼り合わされる。このパネル組立工程の一例を説明すると、先ず、各基板の製造工程において夫々製造されたTFT基板の画素電極上、及び対向基板の対向電極上に、液晶分子を基板面に沿って配向させるための有機配向膜が形成される、その後、焼成が行われ、さらに有機配向膜に対し、電圧無印加時の液晶分子の配列を規定させるためのラビング処理が施される。
次いで、例えば液晶封入方式により、TFT基板と対向基板との間に液晶が介在される場合には、TFT基板と対向基板との一方の基板上に、接着剤となるシール材が、一部に注入口となる切り欠きを有するよう略周状に塗布され、このシール材が用いられてTFT基板に対し、対向基板が貼り合わされる。
次いで、アライメントが施されてそれぞれ圧着硬化された後、真空下においてTFT基板のシール材の注入口の近傍に、規定量の液晶がそれぞれ滴下され、その後、大気解放されることにより、注入口を介して液晶がTFT基板と対向基板との間にそれぞれ注入され、最後に、注入口が、封止材により封止されて、液晶装置が製造される。
ところで、有機配向膜にラビング処理を施した後は、該ラビング処理に伴い、有機配向膜上にはラビング屑等の異物が付着する。
有機配向膜に付着した異物を洗浄しないで液晶装置を製造すると、液晶装置の品質が劣化してしまうことから、ラビング処理後は、水または水溶液を用いた既知のスクラブ洗浄を行って有機配向膜に付着した異物を除去するのが一般的である。
また、特許文献1には、水または水溶液を用いずに、ラビング処理後の有機配向膜に対し、気体の二酸化炭素と、固体の二酸化炭素(ドライアイス)の混合体を供給することによって、混合体の昇華により異物を除去して洗浄を行う配向膜の洗浄方法が開示されている。
特開2000−105374号公報
ここで、TFT基板の画素電極上及び対向基板の対向電極上には、有機配向膜に限らず、例えばSiO2等から構成された無機配向膜が形成される場合がある。
無機配向膜は、プレチルト角に相当する所定の角度を以て、対象基板に複数本、柱状構造物として蒸着されて形成されることにより、形成後、ラビング処理を不要として、液晶のプレチルト角を規定することができる。尚、このような無機配向膜の形成方法は、斜方蒸着法と称される。
斜方蒸着法によって、TFT基板の画素電極上及び対向基板の対向電極上にラビング処理が不要な無機配向膜をそれぞれ形成した場合も、形成に伴い無機配向膜にはゴミ等の異物が付着する。この場合も異物を除去しないで液晶装置を製造すると、液晶装置の品質が劣化してしまうことから、無機配向膜の形成後であっても、洗浄処理を行って無機配向膜に付着した異物を除去するのが一般的である。
しかしながら、上述した水または水溶液を用いた既知のスクラブ洗浄を行って洗浄を行うと、無機配向膜は、水分を含んでしまうと、例えば無機配向膜により液晶を垂直配向させる場合、電圧無印加の際、画素電極及び対向電極に対して垂直な面に対し所定のプレチルト角を有して傾く液晶が、画素電極及び対向電極に対して略平行となる角度まで傾いてしまうといった無機配向膜による液晶に対する配向規制力の低下が発生し、液晶装置の信頼性が低下してしまうといった問題がある他、液垂れやしみ、及び乾燥後、既知のウォーターマークのような水または水溶液特有の洗浄跡が配向膜に発生してしまうといった問題がある。
また、水溶液を用いずに、特許文献1に開示された気体の二酸化炭素と、固体の二酸化炭素(ドライアイス)の混合体を用いて無機配向膜の洗浄を行うと、TFT基板上に形成された各種回路が静電破壊されてしまう場合がある。よって、上述した混合体を用いて無機配向膜の洗浄を行う場合には、混合体の供給ノズルの供給口に、例えばポロニウムといった放射性物質を設ける等の帯電対策が必要となってしまい、製造コストが増大してしまうといった問題がある。
さらには、単に無機配向膜にエアを供給するのみでは、無機配向膜に付着した異物は、確実に除去することができないといった問題もあった。
本発明は上記問題点に着目してなされたものであり、水または水溶液を用いずに、簡単かつ低コストにて帯電対策を施しながら、形成後の無機配向膜を確実に洗浄することにより、液晶装置の信頼性を向上させることができる液晶装置の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明に係る液晶装置の製造方法は、第1の基板と該第1の基板に対向する第2の基板との間に液晶が介在された液晶装置の製造方法であって、前記第1の基板及び前記第2の基板の各電極上に無機配向膜を形成する無機配向膜形成工程と、前記無機配向膜に対し液体窒素を供給して、前記無機配向膜の洗浄を行う無機配向膜洗浄工程と、を具備することを特徴とする。
本発明によれば、液体窒素の供給により、水または水溶液を用いずに無機配向膜の洗浄を行うことができるため、洗浄後、無機配向膜に水分が含まれて、液晶の配向規制力が低下し、液晶装置の信頼性が低下してしまうことを防止することができる。また、液体窒素の供給のみで無機配向膜の洗浄を行うことができるため、低コストかつ簡単な手法により帯電対策を施しながら、無機配向膜の洗浄を確実に行うことができる。よって、液晶装置の信頼性を向上させることができるといった効果を有する。
また、前記無機配向膜洗浄工程は、減圧下において前記無機配向膜に対し前記液体窒素の固体粒子を供給し、前記固体粒子の昇華に伴い前記無機配向膜に付着した異物を除去することにより行うことを特徴とする。
本発明によれば、減圧下における液体窒素の固体粒子の供給後、固体粒子の昇華により、水または水溶液を用いずに無機配向膜の洗浄を行うことができるため、洗浄後、無機配向膜に水分が含まれて、液晶の配向規制力が低下し、液晶装置の信頼性が低下してしまうことを防止することができる。また、液体窒素の固体粒子の供給のみで、固体粒子の昇華に伴い無機配向膜の洗浄を行うことができるため、低コストかつ簡単な手法により帯電対策を施しながら、無機配向膜の洗浄を確実に行うことができる。よって、液晶装置の信頼性を向上させることができるといった効果を有する。
さらに、前記無機配向膜洗浄工程は、前記無機配向膜形成工程の直後であって、前記第1の基板及び前記第2の基板の乾燥前に行うことを特徴とする。
本発明によれば、無機配向膜洗浄工程を、無機配向膜形成工程の直後に行うことにより、形成後の無機配向膜に対し、洗浄前にさらなる異物が付着してしまうことを、確実に防止することができる。また、基板の搬送時あるいは基板を保管している際に無機配向膜に吸着する水分に対し、当該基板を加熱処理により乾燥させることによって、液晶装置の信頼性を向上させることができるといった効果を有する。
また、前記無機配向膜洗浄工程後、前記第1の基板に対し前記第2の基板を貼り合わせ、前記第1の基板と前記第2の基板との間に負の誘電異方性を有する前記液晶を介在させる貼着工程を具備していることを特徴とする。
本発明によれば、液晶を垂直配向させる無機配向膜の洗浄を、水または水溶液を用いずに、液体窒素の供給により確実に行った後、第1の基板に対し第2の基板を貼り合わせ、第1の基板と第2の基板との間に液晶を介在させることにより、製造後、製造中の要因により、第1の基板及び第2の基板の各無機配向膜に水分が含まれてしまうことを確実に防止できる液晶装置を製造することができる。よって、液晶装置の信頼性を向上させることができるといった効果を有する。
以下、図面を参照にして本発明の実施の形態を説明する。尚、以下に示す実施の形態において液晶装置は、光透過型の液晶装置を例に挙げて説明する。
また、液晶装置において対向配置される一対の基板の内、一方の基板は、第1の基板である素子基板(以下、TFT基板と称す)を、また他方の基板は、TFT基板に対向する第2の基板である対向基板を例に挙げて説明する。
先ず、本実施の形態の液晶装置の製造方法によって製造される液晶装置の構成を、図1、図2を用いて示す。
図1は、本実施の形態の液晶装置の製造方法によって製造される液晶装置の平面図、図2は、図1中のII-II線に沿って切断した断面図である。
図1、図2に示すように、液晶装置1は、例えば、石英基板やガラス基板等を用いたTFT基板10と、該TFT基板10に対向配置される、例えばガラス基板や石英基板等を用いた対向基板20との間に、液晶50が介在されて構成される。対向配置されたTFT基板10と対向基板20とは、シール材52によって貼り合わされている。
TFT基板10の液晶50と接する領域に、液晶装置1の表示領域40を構成するTFT基板10の表示領域10hが構成されている。また、表示領域10hに、画素を構成するとともに、後述する対向電極21とともに液晶50に駆動電圧を印加する、透明電極、例えば既知のITOから構成された画素電極9がマトリクス状に配置されている。
また、対向基板20の液晶50と接する領域に、液晶50に画素電極9とともに駆動電圧を印加する透明電極、例えば既知のITOから構成された対向電極21が設けられており、対向電極21の表示領域10hに対向する領域に、液晶装置1の表示領域40を構成する対向基板20の表示領域20hが構成されている。
TFT基板10の画素電極9上に、無機配向膜から構成された配向膜(以下、無機配向膜と称す)16が設けられており、また、対向基板20上の全面に渡って形成された対向電極21上にも、無機配向膜26が設けられている。
詳しくは、画素電極9上に、SiO2やSiO等のシリコン酸化物等の絶縁物により構成された複数本の柱状構造を有する無機配向膜16が、画素電極9に垂直な面に対し所定の角度θ傾くよう、上述した斜方蒸着法により形成されている。その結果、負の誘電異方性を有する液晶50は、斜方蒸着された無機配向膜16により垂直配向されている。
また、このことは、無機配向膜26であっても同様であり、対向電極21上に、SiO2やSiO等のシリコン酸化物等の絶縁物により構成された複数本の柱状の構造を有する無機配向膜26が、対向電極21に垂直な面に対し所定の角度θ傾くよう、上述した斜方蒸着法により形成されている。その結果、負の誘電異方性を有する液晶50は、斜方蒸着された無機配向膜26により垂直配向されている。
また、TFT基板10の表示領域10hにおいては、複数本の図示しない走査線と複数本の図示しないデータ線とが交差するように配線され、走査線とデータ線とで区画された領域に画素電極9がマトリクス状に配置される。そして、走査線とデータ線との各交差部分に対応して図示しない薄膜トランジスタ(TFT)が設けられ、このTFT毎に画素電極9が電気的に接続されている。
TFTは走査線のON信号によってオンとなり、これにより、データ線に供給された画像信号が画素電極9に供給される。この画素電極9と対向基板20に設けられた対向電極21との間の電圧が液晶50に印加される。
対向基板20に、液晶装置1の表示領域40を規定する額縁としての遮光膜53が設けられている。
液晶50がTFT基板10と対向基板20との間に、既知の液晶注入方式で注入される場合、シール材52は、シール材52の1辺の一部において欠落して塗布されている。
シール材52の欠落した箇所は、該欠落した箇所から貼り合わされたTFT基板10及び対向基板20との間において、シール材52により囲まれた領域に液晶50を注入するための切り欠きである液晶注入口108を構成している。液晶注入口108は、液晶注入後、封止剤109によって封止される。
シール材52の外側の領域に、TFT基板10の図示しないデータ線に画像信号を所定のタイミングで供給して該データ線を駆動するドライバであるデータ線駆動回路101と外部回路との接続のための外部接続端子102とが、TFT基板10の液晶注入口108が位置する1辺に沿って設けられている。尚、外部接続端子102は、対向基板20に設けられていても構わない。
外部接続端子102に、液晶装置1を、プロジェクタ等の電子機器と電気的に接続する、図示しない特定の長さを有する柔軟なフレキシブル配線基板(Flexible Printed Circuits、以下FPCと称す)の一端が接続される。FPCの他端がプロジェクタ等の電子機器に接続されることにより、液晶装置1と電子機器とは電気的に接続される。
外部接続端子102が設けられたTFT基板10の1辺に隣接する2辺に沿って、TFT基板10の図示しない走査線及びゲート電極に、走査信号を所定のタイミングで供給することにより、ゲート電極を駆動するドライバである走査線駆動回路103、104が設けられている。走査線駆動回路103、104は、シール材52の内側の遮光膜53に対向する位置において、TFT基板10上に形成されている。
また、TFT基板10上に、データ線駆動回路101、走査線駆動回路103、104、外部接続端子102及び上下導通端子107を接続する配線105が、遮光膜53の3辺に対向して設けられている。
上下導通端子107は、シール材52のコーナー部の4箇所のTFT基板10上に形成されている。そして、TFT基板10と対向基板20相互間に、下端が上下導通端子107に接触し上端が対向電極21に接触する上下導通材106が設けられており、該上下導通材106によって、TFT基板10と対向基板20との間で電気的な導通がとられている。
次に、本実施の形態の液晶装置の製造方法に用いる製造装置、具体的には、洗浄装置の構成を、図3を用いて説明する。図3は、本実施の形態の液晶装置の製造方法に用いる洗浄装置の構成を、処理される基板とともに概略的に示す図である。
図3に示すように、洗浄装置30は、真空チャンバ31とステージ32とタンク33とノズル34と配管35とバルブ36とにより主要部が構成されている。
ステージ32は、真空チャンバ31内に配設されており、配向膜洗浄の際、処理される基板である、例えばTFT基板10が載置されるものである。また、ステージ32は、配向膜洗浄の際、載置されたTFT基板10に形成された配向膜16全体に対し、ノズル34から液体窒素の固体粒子60が供給されるよう、ノズル34に対して、真空チャンバ31の底面と平行なP方向に移動自在となっている。
タンク33内に、液体窒素が貯留されており、ノズル34は、配管35を介してタンク33と接続され、バルブ36が開成された際、タンク33内の液体窒素を、減圧下において固体粒子60の状態を以て、ステージ32に載置されたTFT基板10の配向膜16に供給するものである。
尚、図3においては、ステージ32が移動自在であって、ノズル34の位置が固定された構成となっているが、ステージ32の位置が固定され、ノズル34が、P方向に移動自在な構成であっても構わない。
また、洗浄装置30は、TFT基板10に対する無機配向膜16の形成装置と同一であっても構わない。即ち、無機配向膜形成装置内に、ステージ32とノズル34とが設けられ、ノズル34が、配管35を介してタンク33と接続された構成を有していても構わない。
さらに、ステージ32に載置される処理対処基板としては、TFT基板10を例に挙げて示したが、対向基板20が載置される場合であっても図3に示した構成は同様である。
次に、図3のように構成された洗浄装置を用いた図1、図2のように構成された液晶装置の製造方法、具体的には、液晶装置1における配向膜16、26の洗浄方法を主に、図4を用いて説明する。図4は、本実施の形態の液晶装置の製造方法を示すフローチャートである。尚、配向膜16、26の洗浄方法以外の液晶装置の製造方法については、周知であるため、その説明は省略するか、簡単に説明する。
先ず、TFT基板10側の洗浄工程を示す。図4に示すように、ステップS1において、図示しない無機配向膜形成装置を用いて、TFT基板10の画素電極9上に、上述した斜方蒸着法により無機配向膜16を形成する無機配向膜形成工程を行う。
次いで、ステップS1における無機配向膜形成工程直後に、ステップS2において、形成された無機配向膜16の洗浄を行う無機配向膜洗浄工程を行う。
具体的には、先ず、無機配向膜16が形成されたTFT基板10を、インラインで洗浄装置30の真空チャンバ31内に導入し、ステージ32上に載置する。尚、この際、真空チャンバ31内は減圧されている。
次いで、バルブ36を開成することにより、タンク33内に貯留された液体窒素が配管35を介してノズル34まで供給され、該供給された液体窒素がノズル34から窒素が噴射される。その結果、真空チャンバ31内で液体窒素は凝固して固体粒子60の状態となり、TFT基板10上の無機配向膜16に供給される。
その後、無機配向膜16に対して供給された液体窒素の固体粒子60は、昇華することにより、無機配向膜16上の異物は、昇華の際の固体粒子60の剥離エネルギにより除去される。即ち、無機配向膜16は洗浄される。
尚、この際、ステージ32は、固体粒子60により、無機配向膜16全体が洗浄されるよう、ノズル34に対して、P方向に移動する。
次に、対向基板20側の洗浄工程を示す。図4に示すように、ステップS3において、図示しない無機配向膜形成装置を用いて、対向基板20の対向電極21上に、上述した斜方蒸着法により無機配向膜26を形成する無機配向膜形成工程を行う。
次いで、ステップS3における無機配向膜形成工程直後に、ステップS4において、形成された無機配向膜26の洗浄を行う無機配向膜洗浄工程を行う。
具体的には、先ず、無機配向膜26が形成された対向基板20を、インラインで洗浄装置30の真空チャンバ31内に導入し、ステージ32上に載置する。尚、この際、真空チャンバ31内は、減圧されている。
次いで、バルブ36を開成することにより、タンク33内に貯留された液体窒素が配管35を介してノズル34に供給され、該供給された液体窒素が、ノズル34から噴射される。その結果、真空チャンバ31内で液体窒素は凝固して固体粒子60の状態となり、対向基板20上の無機配向膜26に供給される。
その後、無機配向膜26に対して供給された液体窒素の固体粒子60は、昇華することにより、無機配向膜26上の異物は、固体粒子60の昇華の際の剥離エネルギにより除去される。即ち、無機配向膜26は洗浄される。
尚、この際、ステージ32は、固体粒子60により、無機配向膜26全体が洗浄されるよう、ノズル34に対して、P方向に移動する。
無機配向膜16、26の洗浄後、各基板10、20は、加熱されることにより乾燥され、最後に、ステップS5において、TFT基板10に対して対向基板20を貼り合わせ、該貼り合わせの前後いずれかに、TFT基板10と対向基板20との間に負の誘電異方性を有する液晶50を介在させる貼着工程を行う。
このように、本実施の形態においては、無機配向膜16、26形成後の洗浄を、無機配向膜16、26に対して液体窒素の固体粒子60を供給することにより行うと示した。
このことによれば、減圧下における液体窒素の固体粒子60の供給後、固体粒子60の昇華に伴う異物の剥離により、水または水溶液を用いずに無機配向膜16、26の洗浄を行うことができるため、洗浄後、無機配向膜16、26に水分が含まれて、液晶50の配向規制力が低下し、液晶装置1の信頼性が低下してしまうことを防止することができる。
また、液体窒素の固体粒子60の供給のみで、固体粒子60の昇華に伴う異物の剥離により、無機配向膜16、26の洗浄を行うことができるため、低コストかつ簡単な手法により帯電対策を施しながら無機配向膜16、26の洗浄を確実に行うことができる。以上から液晶装置1の信頼性を向上させることができる。
さらに、無機配向膜16、26の形成後、TFT基板10、20を、既知のバッチ方式を用いて洗浄する場合のように、ハンドリングして、各基板10、20を洗浄液に対して垂直にセットする必要がなく、無機配向膜形成の際における真空チャンバ31の底面に対して平行な状態を保って洗浄を行うことができることから、ハンドリングによって外部から異物が付着してしまうことなく、また、例えば複数の対向基板20を図示しないパレットに保持させて洗浄を行う場合には、各配向膜26のみならず、パレットをも洗浄を行うことができる。
また、本実施の形態においては、無機配向膜16、26の洗浄は、無機配向膜16、26の形成直後に行うと示した。
このことによれば、形成後の無機配向膜16、26に対し、洗浄前にさらなる異物が付着してしまうことを、確実に防止することができる。よって、液晶装置1の信頼性を向上させることができる。
また、本実施の形態においては、無機配向膜16、26の洗浄後、TFT基板10と対向基板20とを、液晶50を両基板間に介在させて貼り合わせると示した。
このことによれば、製造後、製造中の要因により、各無機配向膜16、26に水分が含まれてしまうことを確実に防止できる液晶装置1を製造することができる。よって、液晶装置1の信頼性を向上させることができる。
以下、変形例を示す。本実施の形態においては、無機配向膜16、26の洗浄工程は、無機配向膜16、26の形成後に行うと示したが、これに限らず、無機配向膜16、26の形成前に、液体窒素を用いて画素電極9、対向電極21に対する洗浄を行っても構わない。
このことによれば、各電極9、21の異物を、水または水溶液を用いずに、簡単に除去できるため、各電極9、21上に形成された無機配向膜16、26に各電極9、21から異物や水分が付着してしまうことを確実に防止することができる。
また、液晶装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、上述した液晶装置は、TFT(薄膜トランジスタ)等のアクティブ素子(能動素子)を用いたアクティブマトリクス方式の液晶表示モジュールを例に挙げて説明したが、これに限らず、TFD(薄膜ダイオード)等のアクティブ素子(能動素子)を用いたアクティブマトリクス方式の液晶表示モジュールであっても構わない。
また、液晶装置は、半導体基板に素子を形成する表示用デバイス、例えばLCOS(Liquid Crystal On Silicon)等であっても構わない。LCOSでは、素子基板として単結晶シリコン基板を用い、画素や周辺回路に用いるスイッチング素子としてトランジスタを単結晶シリコン基板に形成する。また、画素には、反射型の画素電極を用い、画素電極の下層に画素の各素子を形成する。
1…液晶装置、9…画素電極、10…TFT基板、16…配向膜、20…対向基板、21…対向電極、26…配向膜、50…液晶、60…液体窒素の固体粒子。
Claims (4)
- 第1の基板と該第1の基板に対向する第2の基板との間に液晶が介在された液晶装置の製造方法であって、
前記第1の基板及び前記第2の基板の各電極上に無機配向膜を形成する無機配向膜形成工程と、
前記無機配向膜に対し液体窒素を供給して、前記無機配向膜の洗浄を行う無機配向膜洗浄工程と、
を具備することを特徴とする液晶装置の製造方法。 - 前記無機配向膜洗浄工程は、減圧下において前記無機配向膜に対し前記液体窒素の固体粒子を供給し、前記固体粒子の昇華に伴い前記無機配向膜に付着した異物を除去することにより行うことを特徴とする請求項1に記載の液晶装置の製造方法。
- 前記無機配向膜洗浄工程は、前記無機配向膜形成工程の直後であって、前記第1の基板及び前記第2の基板の乾燥前に行うことを特徴とする請求項1または2に記載の液晶装置の製造方法。
- 前記無機配向膜洗浄工程後、前記第1の基板に対し前記第2の基板を貼り合わせ、前記第1の基板と前記第2の基板との間に負の誘電異方性を有する前記液晶を介在させる貼着工程を具備していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の液晶装置の製造方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011175090A (ja) * | 2010-02-24 | 2011-09-08 | Citizen Finetech Miyota Co Ltd | 液晶表示素子の製造方法 |
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2007
- 2007-03-08 JP JP2007058189A patent/JP2008216942A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
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JP2011175090A (ja) * | 2010-02-24 | 2011-09-08 | Citizen Finetech Miyota Co Ltd | 液晶表示素子の製造方法 |
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