JP2008216897A - 電気光学装置及びその製造方法並びに電子機器 - Google Patents

電気光学装置及びその製造方法並びに電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】液晶装置等の電気光学装置において、配線の断線や容量耐圧の低下などの不具合を低減する。
【解決手段】電気光学装置は、基板(10)上に、複数の画素電極(9a)と、複数の画素電極に電気的に接続された第1導電膜(1a)と、第1導電膜の上層側に配置された第1絶縁膜(41)と、第1絶縁膜の上側表面に形成された本体部(71a)及びこの本体部から第1絶縁膜に開孔されたコンタクトホール(83)の内表面に延設された延設部(71b)を有し、第1導電膜にコンタクトホールを介して電気的に接続された第2導電膜(71)とを備える。更に、延設部上に且つコンタクトホールの内部を埋めるように形成されると共に、基板上で平面的に見て、本体部に少なくとも部分的に重ならないように形成された第2絶縁膜(610)を備える。
【選択図】図7

Description

本発明は、例えば液晶装置等の電気光学装置及びその製造方法、並びに該電気光学装置を備えた、例えば液晶プロジェクタ等の電子機器の技術分野に関する。
この種の電気光学装置は、基板上に、画素電極と、該画素電極の選択的な駆動を行うための走査線、データ線、及び画素スイッチング用素子としてのTFT(Thin Film Transistor)とを備え、アクティブマトリクス駆動可能に構成される。また、高コントラスト化等を目的として、TFTと画素電極との間に蓄積容量が設けられることがある。更に、例えば、TFTの半導体層に光が入射すると、光リーク電流が発生し、表示品質が低下してしまうことから、該半導体層の周囲に遮光膜が設けられることがある。以上の構成要素は、基板上に積層構造をなして形成される。各構成要素間には、これらの間で電気的な短絡等が生じないようにするため、例えばシリコン酸化膜等からなる層間絶縁膜が形成される。この際、各構成要素間のうち特定の構成要素間では電気的な接続を図るためのコンタクトホールが層間絶縁膜に設けられる。このようなコンタクトホールに起因して次のような技術的問題点がある。コンタクトホールが設けられた層間絶縁膜上に配置された蓄積容量がコンタクトホール内にも形成される場合には、蓄積容量のうち該コンタクトホール内に形成された部分の耐圧が低下してしまうおそれがある。また、コンタクトホールが設けられた層間絶縁膜上に配置された配線がコンタクトホール内にも形成されると、コンタクトホールの段差によって、配線の断線が生じ易くなるおそれがある。
例えば特許文献1では、SOG(Spin On Glass)膜を用いて層間絶縁膜上の凹凸を緩和及び平坦化することにより、配線の断線などを防止する技術が開示されている。
特開平11−135497号公報
しかしながら、上述のようにSOG膜を用いて層間絶縁膜上の凹凸を緩和及び平坦化する場合には、基板上の全面にSOG膜を形成しなければならず、例えば、特定のコンタクトホールに起因する凹凸(或いは段差)のみを緩和或いは平坦化することができないという技術的問題点がある。
本発明は、例えば上述した問題点に鑑みなされたものであり、配線の断線や容量耐圧の低下などの不具合を低減でき、信頼性の高い電気光学装置及びその製造方法、並びにそのような電気光学装置を具備してなる各種電子機器を提供することを課題とする。
本発明の電気光学装置は上記課題を解決するために、基板上に、複数の画素電極と、該複数の画素電極に電気的に接続された第1導電膜と、該第1導電膜の上層側に配置された第1絶縁膜と、該第1絶縁膜の上側表面に形成された本体部及び該本体部から前記第1絶縁膜に開孔されたコンタクトホールの内表面に延設された延設部を有し、前記第1導電膜に前記コンタクトホールを介して電気的に接続された第2導電膜と、前記延設部上に且つ前記コンタクトホールの内部を埋めるように形成されると共に、前記基板上で平面的に見て、前記本体部に少なくとも部分的に重ならないように形成された第2絶縁膜とを備える。
本発明の電気光学装置によれば、その動作時には、例えば、画素電極に画像信号が供給されることにより、例えば表示素子である液晶素子は供給された画像信号に基づいて表示領域(即ち、複数の画素電極が配列された画素領域)において画像表示を行うことが可能である。
第1導電膜は、複数の画素電極に電気的に接続されており、複数の画素電極を駆動するための一の配線、電極又は半導体素子を構成する半導体層の一部或いは全部として設けられている。即ち、第1導電膜は、例えば、複数の画素電極をスイッチング制御するためのTFTを構成する半導体層若しくはゲート電極、或いは、画素電極に該TFTを介して電気的に接続されたデータ線若しくは走査線、或いは、画素電極に電気的に接続された蓄積容量を構成する容量電極として形成される。
第2導電膜は、第1導電膜よりも第1絶縁膜を介して上層側に配置されており、第1絶縁膜に開孔されたコンタクトホールを介して、第1導電膜に電気的に接続されている。第2導電膜は、第1導電膜と同様に、複数の画素電極に電気的に接続されており、複数の画素電極を駆動するための他の配線、電極又は半導体素子を構成する半導体層の一部として設けられている。第2導電膜は、第1絶縁膜の上側表面に形成された本体部と該本体部から第1絶縁膜に開孔されたコンタクトホールの内表面に延設された延設部とを有し、該延設部において第1導電膜と互いに電気的に接続される。
本発明では特に、第2導電膜の延設部上に且つコンタクトホールの内部を埋めるように形成されると共に、基板上で平面的に見て、第2導電膜の本体部に少なくとも部分的に重ならないように形成された第2絶縁膜を備える。例えば、第2絶縁膜は、基板上で平面的に見て、コンタクトホールと重なる領域を含む島状の形状を有するように形成されており、第2導電膜の延設部と本体部の一部とを覆うと共に本体部の一部を除く他部を覆わないように形成されている。よって、第1絶縁膜に開孔されたコンタクトホールの内表面に第2導電膜が形成されることにより第2導電膜の上側表面に生じる段差を、第2絶縁膜によって、緩和或いは平坦化することができる。従って、例えば、コンタクトホールに起因して第2導電膜の上側表面に生じる段差によって、第2導電膜よりも上層側に配置される配線が断線してしまうことを低減或いは防止できる。
更に、仮に、コンタクトホールの内表面に第2導電膜が形成されることにより第2導電膜の上側表面に生じる段差を、例えば基板上の全面にSOG膜を形成することで、緩和或いは平坦化した場合には、第2導電膜を、蓄積容量を構成する容量電極として形成することが困難となる。しかるに本発明では特に、第2絶縁膜は、第2導電膜の本体部に少なくとも部分的に重ならないように形成されるので、例えば、第2導電膜を、画素電極に電気的に接続された蓄積容量を構成する下側容量電極として形成し、該下側容量電極の本体部上に誘電体膜及び上側容量電極を形成することで蓄積容量を形成することができる。つまり、本発明によれば、コンタクトホールに起因して第2導電膜の上側表面に生じる段差を緩和或いは平坦化しつつ、第2導電膜を、蓄積容量を構成する容量電極として形成することができる。
加えて、仮に、下側容量電極、誘電体膜及び上側容量電極が積層してなる蓄積容量を、コンタクトホールの内表面に沿って形成した場合には、例えば、コンタクトホール内において誘電体膜の膜厚が薄くなりすぎてしまい、蓄積容量の耐圧が低下してしまうおそれがある。しかるに本発明では、上述したように、例えば、第2導電膜を、蓄積容量を構成する下側容量電極として形成し、該下側容量電極の本体部上に誘電体膜及び上側容量電極を形成することで蓄積容量を形成することができる。即ち、蓄積容量を、第1絶縁膜の比較的平坦な上側表面に形成することができると共に、コンタクトホール内に形成することを回避できる。よって、蓄積容量の耐圧の低下を殆ど或いは完全に回避できる。
以上説明したように、本発明の電気光学装置によれば、例えば、配線の断線や蓄積容量の耐圧の低下などの不具合を低減できる。この結果、信頼性の高い電気光学装置を提供できる。
本発明の電気光学装置の一態様では、下側容量電極、誘電体膜及び上側容量電極が順に積層されてなり、前記下側容量電極が前記第2導電膜として形成された蓄積容量を備える。
この態様によれば、画素電極と電気的に接続された蓄積容量によって、画素電極における電位保持特性が向上し、表示の高コントラスト化が可能となる。更に、下側容量電極が第2導電膜として形成されるので、蓄積容量の耐圧の低下を殆ど或いは完全に回避できる。
上述した蓄積容量を備える態様では、前記誘電体膜及び前記上側容量電極は、前記下側容量電極における前記本体部に重なるようにしてもよい。
この場合には、誘電体膜及び上側容量電極は、下側容量電極における延設部に重ならない。よって、下側容量電極の本体部、誘電体膜及び上側容量電極は、第1絶縁膜の比較的平坦な上側表面上に形成される。従って、蓄積容量の耐圧の低下を、より確実に回避できる。
但し、誘電体膜及び上側容量電極は、基板上で平面的に見て、第2絶縁膜に重なる部分或いはコンタクトホールに重なる部分を有していてもよい。この場合、上側容量電極と下側容量電極の延設部との層間距離は、第2絶縁膜によって大きくなっているため、蓄積容量の耐圧の低下を殆ど或いは完全に回避できる。
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記第2導電膜として形成された第1配線と、前記第1配線における前記本体部上及び前記第2絶縁膜上に形成された第2配線とを備える。
この態様によれば、第2配線は、例えば、第1配線のうち第1絶縁膜の上側表面に形成された本体部上から第2絶縁膜上へ延びるように形成される。ここで特に、第2絶縁膜は、第1絶縁膜に開孔されたコンタクトホール内部を埋めるように形成されているので、第1配線の上側表面に生じる段差を緩和或いは平坦化することができる。よって、第2配線が断線してしまうことを低減或いは防止できる。
本発明の電子機器は上記課題を解決するために、上述した本発明の電気光学装置(但し、その各種態様も含む)を具備する。
本発明の電子機器によれば、上述した本発明の電気光学装置を具備してなるので、信頼性の高い、投射型表示装置、テレビ、携帯電話、電子手帳、ワードプロセッサ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルなどの各種電子機器を実現できる。また、本発明の電子機器として、例えば電子ペーパなどの電気泳動装置、電子放出装置(Field Emission Display及びConduction Electron-Emitter Display)、これら電気泳動装置、電子放出装置を用いた表示装置を実現することも可能である。
本発明に係る電気光学装置の製造方法は上記課題を解決するために、基板上に第1導電膜を形成する工程と、該第1導電膜の上層側に第1絶縁膜を形成する工程と、該第1絶縁膜に前記第1導電膜に至るコンタクトホールを開孔する工程と、前記第1絶縁膜の上側表面に形成された本体部及び該本体部から前記コンタクトホールの内表面に延設された延設部を有するように、且つ、前記第1導電膜に前記コンタクトホールを介して電気的に接続されるように、第2導電膜を形成する工程と、前記延設部上に且つ前記コンタクトホールの内部を埋めるように、且つ、前記基板上で平面的に見て、前記本体部に少なくとも部分的に重ならないように、第2絶縁膜を形成する工程と、前記第1導電膜に電気的に接続されるように、複数の画素電極を形成する工程とを含む。
本発明に係る電気光学装置の製造方法によれば、上述した本発明の電気光学装置を製造することができる。ここで特に、第1絶縁膜に開孔されたコンタクトホールの内部を埋めるように第2絶縁膜を形成するので、コンタクトホールに起因して第2導電膜の上側表面に生じる段差を、第2絶縁膜によって、緩和或いは平坦化することができる。
本発明に係る電気光学装置の製造方法の一態様では、前記第2絶縁膜を形成する工程は、前記第2絶縁膜の前駆膜を前記第2導電膜上に形成した後に、前記前駆膜のうち前記本体部に重なる部分の少なくとも一部に対してエッチング処理を施すことにより、前記第2絶縁膜を形成する。
この態様によれば、第2絶縁膜となる、シリコン窒化膜等の前駆膜を、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)、プラズマCVD等により形成する。その後に、この前駆膜のうち第2導電膜の本体部に重なる部分の少なくとも一部を、フォトリソグラフィ法及びエッチング法を用いたエッチング処理により除去することで第2絶縁膜を形成する。よって、上述した本発明の電気光学装置を比較的簡単に製造できる。
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施するための最良の形態から明らかにされる。
以下図面を参照しながら、本発明に係る電気光学装置及びその製造方法並びに電子機器の実施形態を説明する。尚、本実施形態では、電気光学装置の一例として、駆動回路内蔵型のTFTアクティブマトリクス駆動方式の液晶装置を例に挙げる。
<第1実施形態>
先ず、本実施形態に係る液晶装置の全体構成について、図1及び図2を参照して説明する。ここに図1は、TFTアレイ基板をその上に形成された各構成要素と共に対向基板の側から見た液晶装置の平面図であり、図2は、図1のH−H’線断面図である。
図1及び図2において、本実施形態に係る液晶装置では、TFTアレイ基板10と対向基板20とが対向配置されている。TFTアレイ基板10は、例えば石英基板、ガラス基板、シリコン基板等の透明基板である。対向基板20も、TFTアレイ基板10と同様に、透明基板である。TFTアレイ基板10と対向基板20との間に液晶層50が封入されている。TFTアレイ基板10と対向基板20とは、複数の画素電極が設けられた画像表示領域10aの周囲に位置するシール領域に設けられたシール材52により相互に接着されている。
シール材52は、両基板を貼り合わせるための、例えば紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂等からなり、製造プロセスにおいてTFTアレイ基板10上に塗布された後、紫外線照射、加熱等により硬化させられたものである。シール材52中には、TFTアレイ基板10と対向基板20との間隔(即ち、基板間ギャップ)を所定値とするためのグラスファイバ或いはガラスビーズ等のギャップ材が散布されている。本実施形態に係る液晶装置は、プロジェクタのライトバルブ用として小型で拡大表示を行うのに適している。
シール材52が配置されたシール領域の内側に並行して、画像表示領域10aの額縁領域を規定する遮光性の額縁遮光膜53が、対向基板20側に設けられている。但し、このような額縁遮光膜53の一部又は全部は、TFTアレイ基板10側に内蔵遮光膜として設けられてもよい。
周辺領域のうち、シール材52が配置されたシール領域の外側に位置する領域には、データ線駆動回路101及び外部回路接続端子102がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられている。走査線駆動回路104は、この一辺に隣接する2辺に沿い、且つ、額縁遮光膜53に覆われるようにして設けられている。更に、このように画像表示領域10aの両側に設けられた二つの走査線駆動回路104間をつなぐため、TFTアレイ基板10の残る一辺に沿い、且つ、額縁遮光膜53に覆われるようにして複数の配線105が設けられている。
TFTアレイ基板10上には、対向基板20の4つのコーナー部に対向する領域に、両基板間を上下導通材107で接続するための上下導通端子106が配置されている。これらにより、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で電気的な導通をとることができる。
図2において、TFTアレイ基板10上には、画素スイッチング用のTFTや走査線、データ線等の配線が形成された後の画素電極9a上に、配向膜が形成されている。画素電極9aは、ITO(Indium Tin Oxide)膜などの透明導電膜からなり、配向膜は、ポリイミド膜などの有機膜からなる。他方、対向基板20上には、格子状又はストライプ状の遮光膜23が形成された後に、その全面に亘って対向電極21が設けられており、更には最上層部分に配向膜が形成されている。対向電極21は、ITO膜などの透明導電膜からなり、配向膜は、ポリイミド膜などの有機膜からなる。このように構成され、画素電極9aと対向電極21とが対面するように配置されたTFTアレイ基板10と対向基板20との間には、液晶層50が形成されている。液晶層50は、例えば一種又は数種類のネマティック液晶を混合した液晶からなり、これら一対の配向膜間で所定の配向状態をとる。
尚、図1及び図2に示したTFTアレイ基板10上には、これらのデータ線駆動回路101、走査線駆動回路104等の駆動回路に加えて、画像信号線上の画像信号をサンプリングしてデータ線に供給するサンプリング回路、複数のデータ線に所定電圧レベルのプリチャージ信号を画像信号に先行して各々供給するプリチャージ回路、製造途中や出荷時の当該電気光学装置の品質、欠陥等を検査するための検査回路等を形成してもよい。
次に、本実施形態に係る液晶装置の画素部の電気的な構成について、図3を参照して説明する。ここに図3は、本実施形態に係る液晶装置の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数の画素における各種素子、配線等の等価回路図である。
図3において、画像表示領域10aを構成するマトリクス状に形成された複数の画素の各々には、画素電極9a及びTFT30が形成されている。TFT30は、画素電極9aに電気的に接続されており、本実施形態に係る液晶装置の動作時に画素電極9aをスイッチング制御する。画像信号が供給されるデータ線6aは、TFT30のソースに電気的に接続されている。データ線6aに書き込む画像信号S1、S2、・・・、Snは、この順に線順次に供給しても構わないし、相隣接する複数のデータ線6a同士に対して、グループ毎に供給するようにしてもよい。
TFT30のゲートに走査線3aが電気的に接続されており、本実施形態に係る液晶装置は、所定のタイミングで、走査線3aにパルス的に走査信号G1、G2、・・・、Gmを、この順に線順次で印加するように構成されている。画素電極9aは、TFT30のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFT30を一定期間だけそのスイッチを閉じることにより、データ線6aから供給される画像信号S1、S2、・・・、Snが所定のタイミングで書き込まれる。画素電極9aを介して電気光学物質の一例としての液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、・・・、Snは、対向基板に形成された対向電極との間で一定期間保持される。
液晶層50(図2参照)を構成する液晶は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能とする。ノーマリーホワイトモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が減少し、ノーマリーブラックモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が増加され、全体として液晶装置からは画像信号に応じたコントラストをもつ光が出射される。
ここで保持された画像信号がリークすることを防ぐために、画素電極9aと対向電極21(図2参照)との間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量70が付加されている。蓄積容量70は、画像信号の供給に応じて各画素電極9aの電位を一時的に保持する保持容量として機能する容量素子である。蓄積容量70の一方の電極は、画素電極9aと並列してTFT30のドレインに接続され、他方の電極は、定電位となるように、電位固定の容量線300に接続されている。蓄積容量70によれば、画素電極9aにおける電位保持特性が向上し、コントラスト向上やフリッカの低減といった表示特性の向上が可能となる。
次に、上述の動作を実現する画素部の具体的な構成について、図4及び図5を参照して説明する。ここに図4は、相隣接する複数の画素部の平面図である。図5は、図4のA−A’線断面図である。尚、図4及び図5では、各層・各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、該各層・各部材ごとに縮尺を異ならしめてある。図4及び図5では、説明の便宜上、画素電極9aより上側に位置する部分の図示を省略している。
図4において、画素電極9aは、TFTアレイ基板10上に、マトリクス状に複数設けられている。画素電極9aの縦横の境界にそれぞれ沿ってデータ線6a及び走査線3aが設けられている。即ち、走査線3aは、X方向に沿って延びており、データ線6aは、走査線3aと交差するように、Y方向に沿って延びている。走査線3a及びデータ線6aが互いに交差する個所の各々には画素スイッチング用のTFT30が設けられている。
走査線3a、データ線6a、蓄積容量70、下側遮光膜11a、中継層93及びTFT30は、TFTアレイ基板10上で平面的に見て、画素電極9aに対応する各画素の開口領域(即ち、各画素において、表示に実際に寄与する光が透過又は反射される領域)を囲む非開口領域内に配置されている。即ち、これらの走査線3a、データ線6a、蓄積容量70、中継層93、下側遮光膜11a及びTFT30は、表示の妨げとならないように、各画素の開口領域ではなく、非開口領域内に配置されている。
図4及び図5において、TFT30は、本発明に係る「第1導電膜」の一例としての半導体層1aと、走査線3aの一部として形成されたゲート電極3bとを含んで構成されている。
半導体層1aは、例えばポリシリコンからなり、Y方向に沿ったチャネル長を有するチャネル領域1a’、データ線側LDD領域1b及び画素電極側LDD領域1c並びにデータ線側ソースドレイン領域1d及び画素電極側ソースドレイン領域1eからなる。即ち、TFT30はLDD構造を有している。
データ線側ソースドレイン領域1d及び画素電極側ソースドレイン領域1eは、チャネル領域1a’を基準として、Y方向に沿ってほぼミラー対称に形成されている。データ線側LDD領域1bは、チャネル領域1a’及びデータ線側ソースドレイン領域1d間に形成されている。画素電極側LDD領域1cは、チャネル領域1a’及び画素電極側ソースドレイン領域1e間に形成されている。データ線側LDD領域1b、画素電極側LDD領域1c、データ線側ソースドレイン領域1d及び画素電極側ソースドレイン領域1eは、例えばイオンインプランテーション法等の不純物打ち込みによって半導体層1aに不純物を打ち込んでなる不純物領域である。データ線側LDD領域1b及び画素電極側LDD領域1cはそれぞれ、データ線側ソースドレイン領域1d及び画素電極側ソースドレイン領域1eよりも不純物の少ない低濃度な不純物領域として形成されている。このような不純物領域によれば、TFT30の非動作時において、ソース領域及びドレイン領域間に流れるオフ電流を低減し、且つTFT30の動作時に流れるオン電流の低下を抑制できる。尚、TFT30は、LDD構造を有することが好ましいが、データ線側LDD領域1b、画素電極側LDD領域1cに不純物打ち込みを行わないオフセット構造であってもよいし、ゲート電極をマスクとして不純物を高濃度に打ち込んでデータ線側ソースドレイン領域及び画素電極側ソースドレイン領域を形成する自己整合型であってもよい。
図4及び図5において、ゲート電極3bは、走査線3aの一部として形成されており、例えば導電性ポリシリコンから形成されている。走査線3aは、X方向に沿って延びるように形成されている。走査線3aのうちチャネル領域1a’と重なる部分がゲート電極3bとして機能する。ゲート電極3b及び半導体層1a間は、ゲート絶縁膜2(具体的には絶縁膜2a及び2b)によって絶縁されている。
図4及び図5において、TFTアレイ基板10上のTFT30よりも下地絶縁膜12を介して下層側には、下側遮光膜11aが格子状に設けられている。下側遮光膜11aは、例えば、Ti(チタン)、Cr(クロム)、W(タングステン)、Ta(タンタル)、Mo(モリブデン)、Pd(パラジウム)等の高融点金属のうちの少なくとも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド、ポリシリサイド、これらを積層したもの等の遮光性材料からなる。下側遮光膜11aは、TFTアレイ基板10における裏面反射や、複板式のプロジェクタ等で他の液晶装置から発せられ合成光学系を突き抜けてくる光などである、TFTアレイ基板10側から装置内に入射する戻り光からTFT30のチャネル領域1a’及びその周辺を遮光する。
図5において、下地絶縁膜12は、下側遮光膜11aからTFT30を層間絶縁する機能の他、TFTアレイ基板10の全面に形成されることにより、TFTアレイ基板10の表面の研磨時における荒れや、洗浄後に残る汚れ等で画素スイッチング用TFT30の特性の劣化を防止する機能を有する。
図5において、TFTアレイ基板10上のTFT30よりも第1層間絶縁膜41を介して上層側には、蓄積容量70が設けられている。尚、第1層間絶縁膜41は、本発明に係る「第1絶縁膜」の一例である。
蓄積容量70は、下部容量電極71と上部容量電極300aが誘電体膜75を介して対向配置されることにより形成されている。
上部容量電極300aは、容量線300の一部として形成されている。容量線300は、画素電極9aが配置された画像表示領域10aからその周囲に延設されている。上部容量電極300aは、容量線300を介して定電位源と電気的に接続され、固定電位に維持された固定電位側容量電極である。上部容量電極300aは、例えばAl(アルミニウム)、Ag(銀)等の金属又は合金を含んだ非透明な金属膜から形成されており、TFT30を遮光する上側遮光膜(内蔵遮光膜)としても機能する。例えば、Ti、Cr、W、Ta、Mo、Pd等の高融点金属のうちの少なくとも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド、ポリシリサイド、これらを積層したもの等から構成されていてもよい。この場合には、上部容量電極300aの内臓遮光膜としての機能を高めることができる。
下部容量電極71は、本発明に係る「第2導電膜」の一例であり、TFT30の画素電極側ソースドレイン領域1e及び画素電極9aに電気的に接続された画素電位側容量電極である。より具体的には、下部容量電極71は、コンタクトホール83を介して画素電極側ソースドレイン領域1eと電気的に接続されると共に、コンタクトホール84を介して中継層93に電気的に接続されている。更に、中継層93は、コンタクトホール85を介して画素電極9aに電気的に接続されている。即ち、下部容量電極71は、中継層93と共に画素電極側ソースドレイン領域1e及び画素電極9a間の電気的な接続を中継する。下部容量電極71は、導電性のポリシリコンから形成されている。よって、蓄積容量70は、所謂MIS構造を有している。尚、下部容量電極71は、画素電位側容量電極としての機能の他、上側遮光膜としての上部容量電極300aとTFT30との間に配置される、光吸収層或いは遮光膜としての機能も有する。
尚、蓄積容量70は、所謂MIS構造を有しているものに限定されない。例えば、上部容量電極300aを導電性のポリシリコンから形成してもよい。
誘電体膜75は、例えばHTO(High Temperature Oxide)膜、LTO(Low Temperature Oxide)膜等の酸化シリコン(SiO2)膜、或いは窒化シリコン(SiN)膜等から構成された単層構造、或いは多層構造を有している。
尚、図6及び図7を参照して後に詳細に説明するが、コンタクトホール83の内部には、本発明に係る「第2絶縁膜」の一例としての絶縁膜610が、下部容量電極71と共に形成されている。
尚、下部容量電極71を、上部容量電極300aと同様に金属膜から形成してもよい。即ち、蓄積容量70を、金属膜−誘電体膜(絶縁膜)−金属膜の3層構造を有する、所謂MIM構造を有するように形成してもよい。この場合には、導電性のポリシリコン等を用いて下部容量電極71を構成する場合に比べて、液晶装置の駆動時に、当該液晶装置全体で消費される消費電力を低減でき、且つ各画素部における素子の高速動作が可能になる。
図5において、TFTアレイ基板10上の蓄積容量70よりも第2層間絶縁膜42を介して上層側には、データ線6a及び中継層93が設けられている。第1層間絶縁膜41及び42間には、部分的に絶縁膜49が介在している。
データ線6aは、半導体層1aのデータ線側ソースドレイン領域1dに、第1層間絶縁膜41、絶縁膜49及び第2層間絶縁膜42を貫通するコンタクトホール81を介して電気的に接続されている。データ線6a及びコンタクトホール81内部は、例えば、Al−Si−Cu、Al−Cu等のAl(アルミニウム)含有材料、又はAl単体、若しくはAl層とTiN層等との多層膜からなる。データ線6aは、TFT30を遮光する機能も有している。
中継層93は、第2層間絶縁膜42上においてデータ線6aと同層に形成されている。データ線6a及び中継層93は、例えば金属膜等の導電材料で構成される薄膜を第2層間絶縁膜42上に薄膜形成法を用いて形成しておき、当該薄膜を部分的に除去、即ちパターニングすることによって相互に離間させた状態で形成される。従って、データ線6a及び中継層93を同一工程で形成できるため、装置の製造プロセスを簡便にできる。
図5において、画素電極9aは、データ線6aよりも第3層間絶縁膜43を介して上層側に形成されている。画素電極9aは、下部容量電極71、コンタクトホール83、84及び85並びに中継層93を介して半導体層1aの画素電極側ソースドレイン領域1eに電気的に接続されている。コンタクトホール85は、層間絶縁層43を貫通するように形成された孔部の内壁にITO等の画素電極9aを構成する導電材料が成膜されることによって形成されている。画素電極9aの上側表面には、ラビング処理等の所定の配向処理が施された配向膜が設けられている。
以上に説明した画素部の構成は、図4に示すように、各画素部に共通である。画像表示領域10a(図1参照)には、かかる画素部が周期的に形成されている。
次に、上述した画素部のうち、蓄積容量の下部容量電極と半導体層の画素電極側ソースドレイン領域とを電気的に接続するコンタクトホールに関する構成について、図6及び図7を参照して詳細に説明する。ここに図6は、図4に示した蓄積容量及び画素スイッチング用TFTの半導体層を拡大して示す拡大図であり、図7は、図6のB−B’線断面図である。尚、図6では、図5に示した各構成要素のうち、蓄積容量70と半導体層1aとの接続に関係する構成要素以外の構成要素については、適宜図示を省略している。図7では、第2層間絶縁膜42より上層側の構成要素については図示を省略している。
図6及び図7において、蓄積容量70は、第1層間絶縁膜41上に、下部容量電極71、誘電体膜75及び上部容量電極300aが順に積層されることにより形成されている。
下部容量電極71は、コンタクトホール83を介して半導体層1aの画素電極側ソースドレイン領域1eと電気的に接続されており、第1層間絶縁膜41の上側表面41sに形成された本体部71aと、この本体部71aからコンタクトホール83の内表面に延設された延設部71bとを有している。
図6及び図7において、本実施形態では特に、下部容量電極71の延設部71b上に且つコンタクトホール83の内部を埋めるように形成されると共に、TFTアレイ基板10上で平面的に見て、下部容量電極71の本体部71aに少なくとも部分的に重ならないように形成された絶縁膜610を備えている。即ち、絶縁膜610は、TFTアレイ基板10上で平面的に見て、コンタクトホール83と重なる領域を含む島状の形状を有するように形成されており、下部容量電極71の延設部71bと本体部71aの一部とを覆うと共に本体部の一部を除く他部を覆わないように形成されている。
よって、コンタクトホール83の内表面に下部容量電極71が形成されることにより下部容量電極71の上側表面に生じる段差を、絶縁膜610によって、緩和することができる。従って、コンタクトホール83に起因して下部容量電極71の上側表面に生じる段差によって、下部容量電極71よりも上層側に配置される配線が断線してしまうことを低減できる。更に、蓄積容量70を、第1層間絶縁膜41の比較的平坦な上側表面41sに形成することができると共に、コンタクトホール83内に形成することを回避できる。ここで、仮に、何らの対策も施さず、コンタクトホール83の内表面にも、下部容量電極71、誘電体膜75及び上部容量電極300aを積層して蓄積容量70を形成した場合には、例えば、コンタクトホール83内において誘電体膜75の膜厚が薄くなりすぎてしまい、蓄積容量70の耐圧が低下してしまうおそれがある。しかるに、本実施形態によれば、絶縁膜610によって、コンタクトホール83内に蓄積容量70を形成することを回避できるので、蓄積容量70の耐圧の低下を回避できる。
更に、仮に、コンタクトホール83の内表面に下部容量電極71が形成されることにより下部容量電極71の上側表面に生じる段差を、TFTアレイ基板10上の全面にSOG膜を形成することで、緩和した場合には、下部容量電極71上にSOG膜が形成されてしまうため、下部容量電極71を、蓄積容量70の容量電極として機能させることが困難となる。しかるに、本実施形態では特に、絶縁膜610は、下部容量電極71の本体部71aに部分的に重ならないように形成されているので、下側容量電極71の本体部71a上に誘電体膜75及び上部容量電極300aが形成されることで、下側容量電極71は、蓄積容量70の容量電極として機能することができる。
以上説明したように、本実施形態に係る液晶装置によれば、絶縁膜610によって、コンタクトホール83内に蓄積容量70を形成することを回避できるので、蓄積容量70の耐圧の低下を回避できる。更に、絶縁膜610によって、例えば、コンタクトホール83に起因して下部容量電極71の上側表面に生じる段差を緩和でき、下部容量電極71よりも上層側に配置される配線が断線してしまうことを低減できる。これらの結果、信頼性の高い液晶装置を提供できる。
図8は、第1変形例における図7と同趣旨の断面図である。図8において、図1から図7に示した第1実施形態に係る構成要素と同様の構成要素に同一の参照符合を付し、それらの説明は適宜省略する。
図8に第1変形例として示すように、上部容量電極300a及び誘電体膜75は、TFTアレイ基板10上で平面的に見て、コンタクトホール83に重なるように形成された開口部810を有していてもよい。即ち、上部容量電極300a及び誘電体膜75を、コンタクトホール83を回避して形成してもよい。よって、蓄積容量70は、第1層間絶縁膜41の比較的平坦な上側表面41s上に形成されるので、蓄積容量70の耐圧の低下を、より確実に回避できる。
更に、この変形例では、開口部810は、絶縁膜610が形成された領域内に形成されている。即ち、上部容量電極300a及び誘電体膜75は、絶縁膜610における周縁に乗り上げるように形成されている。よって、例えば、開口部810を、上部容量電極300a及び誘電体膜75に対してエッチング処理を施すことにより開口する際、下部容量電極71にもエッチング処理が施されてしまうことを、絶縁膜610によって防止できる。これにより、下部容量電極71の一部がエッチング処理により破壊されてしまい、例えば、下部容量電極71と画素電極側ソースドレイン領域1eとが電気的に接続されにくくなってしまうことを防止できる。
図9は、第2変形例における、層間絶縁膜を介して互いに異なる層に配置された配線間の接続構造を示す断面図である。
図9に第2変形例として示すように、本発明に係る「第2絶縁膜」の一例としての絶縁膜620を、第1層間絶縁膜41を介して互いに異なる層に配置された配線200と配線210とを電気的に接続するためのコンタクトホール89の内部を埋めるように形成してもよい。この場合には、配線210のうち第1層間絶縁膜41の上側表面41sに形成された本体部210a上から絶縁膜620上へ延びるように形成された配線220が断線してしまうことを低減できる。即ち、絶縁膜620は、層間絶縁膜41に開孔されたコンタクトホール89内部を埋めるように形成されているので、配線210の上側表面41sに生じる段差を緩和することができる。よって、配線220が、コンタクトホール89に起因する段差によって断線してしまうことを低減できる。
尚、配線200は、本発明に係る「第1導電膜」の一例であり、第1層間絶縁膜41の下層側に形成されている。配線210は、本発明に係る「第2導電膜」及び「第1配線」の一例であり、コンタクトホール89を介して配線200と電気的に接続されており、第1層間絶縁膜41の上側表面41sに形成された本体部210aと、この本体部210aからコンタクトホール83の内表面に延設された延設部210bとを有している。配線220は、本発明に係る「第2配線」の一例である。
次に、上述した本実施形態に係る液晶装置の製造方法について、図10から図12を参照して説明する。ここに図10から図12は、本実施形態に係る液晶装置の製造プロセスの各工程を示す工程図であり、図10及び図12は、図5に示した断面図に対応して示してあり、図11は、図7に示した断面図に対応して示してある。尚、以下では、本実施形態に係る液晶装置の蓄積容量70及び絶縁膜610を形成する工程について主に説明することとする。
先ず、図10に示す工程において、TFTアレイ基板10上の画像表示領域10aに、例えば、Ti、Cr、W、Ta、Mo等の高融点金属のうちの少なくとも一つを含む金属単体、合金、金属シリサイド、ポリシリサイド又はこれらの積層体等を積層して、所定パターンの下側遮光膜11aを形成する。この際、下側遮光膜11aは、所定パターンとして、後に形成するTFT30と重なる部分を有するように、概ね格子状に形成される。
続いて、TFTアレイ基板10の全面に下地絶縁膜12を形成する。下地絶縁膜12は、例えば、常圧又は減圧CVD(Chemical Vapor Deposition)法等によりTEOS(テトラ・エチル・オルソ・シリケート)ガス、TEB(テトラ・エチル・ボートレート)ガス、TMOP(テトラ・メチル・オキシ・フォスレート)ガス等を用いて、NSG、PSG、BSG等のシリケートガラス膜、窒化膜や酸化シリコン膜等から形成される。尚、下地絶縁膜12の形成後、その表面を、CMP(Chemical Mechanical Polishing)処理等の平坦化処理を施すことにより平坦化してもよい。続いて、TFT30を、データ線6aとゲート電極としての走査線3aとの交差に対応する領域に形成する。尚、TFT30を形成する工程には、通常の半導体集積化技術を用いることができる。また、TFT30を形成する工程において、アニール処理或いはアニーリング処理等の熱処理が施され、TFT30の特性が高められる。
続いて、TFTアレイ基板10の全面に第1層間絶縁膜41を形成する。第1層間絶縁膜41は、例えば、常圧又は減圧CVD法等によりTEOSガス、TEBガス、TMOPガス等を用いて、NSG、PSG、BSG等のシリケートガラス膜、窒化膜や酸化シリコン膜等から形成される。続いて、第1層間絶縁膜41の表面の所定位置にエッチングを施し、画素電極側ソースドレイン領域1eに達する深さのコンタクトホール83を開孔する。
続いて、所定のパターンで導電性のポリシリコン膜を積層し、下部容量電極71を形成する。下部容量電極71は、第1層間絶縁膜41の上側表面41sに形成された本体部71aと、この本体部71aからコンタクトホール83の内表面に延設された延設部71bとを有しており、コンタクトホール83によって画素電極側ソースドレイン領域1eとひとつながりに接続する。
次に、図11(a)に示す工程において、TFTアレイ基板10の全面に、絶縁膜610(図5参照)の前駆膜である絶縁膜610aを形成する。絶縁膜610aは、例えば、常圧又は減圧CVD法等によりTEOSガス、TEBガス、TMOPガス等を用いて、NSG、PSG、BSG等のシリケートガラス膜、窒化膜や酸化シリコン膜等から形成される。
次に、図11(b)に示す工程において、絶縁膜610a上に所定パターンのレジスト膜510を形成した後、絶縁膜610aに対してレジスト膜510を介してエッチング処理(図中、下向き矢印で示している)を施す。これにより、絶縁膜610をコンタクトホール83毎に形成する。この際、絶縁膜610は、下部容量電極71の延設部71b上に且つコンタクトホール83の内部を埋めるように、且つ、TFTアレイ基板10上で平面的に見て、下部容量電極71の本体部71aに少なくとも部分的に重ならないように、形成される。
このようなエッチング処理を行った後、レジスト膜510を除去する。
次に、図12に示す工程において、絶縁膜49を第1層間絶縁膜41及び下部容量電極71上に積層する。続いて、絶縁膜49上に、所定パターンのレジストを積層し、エッチング処理を施すことにより、下部容量電極71が露出するように開口を形成する。このとき、絶縁膜49が、下部容量電極71の上に乗り上げた部分を残すように形成する。このような絶縁膜49を形成することにより、絶縁膜49を形成しない場合と比較して、下部容量電極71の端面と後に形成する上部容量電極300aの端面との層間距離を増大させることができるので、下部容量電極71の端面と上部容量電極300aの端面間の意図しない電流リークの発生を防止できる。尚、絶縁膜49は、上述した絶縁膜610と同一膜から形成してもよい。即ち、図11(b)を参照して上述した絶縁膜610aに対してエッチング処理を施すことにより、絶縁膜610と絶縁膜49とを形成してもよい。言い換えれば、上述した絶縁膜610aを、絶縁膜610及び49の前駆膜としてもよい。この場合には、絶縁膜610及び49を同一工程で形成できるので、装置の製造プロセスを簡便にできる。
続いて、所定パターンの誘電体膜75を、例えば窒化シリコン膜から形成する。続いて、誘電体膜75上にAl膜を積層して、所定のパターンの上部容量電極300a(言い換えれば、容量線300(図4参照))を形成することで、蓄積容量70を形成する。
続いて、TFTアレイ基板10の全面に第2層間絶縁膜42を積層する。続いて、その表面の所定位置にエッチングを施し、コンタクトホール81及び84を開孔する。
その後、図5において、第2層間絶縁膜42上に、データ線6a及び中継層93を形成する。データ線6aは、絶縁膜49、層間絶縁膜41及び42を貫通するコンタクトホール81によって、データ線側ソースドレイン領域1dとひとつながりに接続する。中継層93は、コンタクトホール84によって、下部容量電極71とひとつながりに接続する。続いて、TFTアレイ基板10の全面に第3層間絶縁膜43を積層する。続いて、その表面の所定位置にエッチングを施し、コンタクトホール85を開孔する。続いて、第3層間絶縁膜43の表面の所定位置に画素電極9aを形成する。画素電極9aは、コンタクトホール85によって、中継層93とひとつながりに接続する。
以上説明した液晶装置の製造方法によれば、上述した本実施形態に係る液晶装置を製造することができる。ここで特に、第1層間絶縁膜41に開孔されたコンタクトホール83の内部を埋めるように絶縁膜610を形成するので、コンタクトホール83に起因して下部容量電極71の上側表面に生じる段差を、絶縁膜610によって、緩和或いは平坦化することができる。
<電子機器>
次に、上述した電気光学装置である液晶装置を各種の電子機器に適用する場合について説明する。以下では、この液晶装置をライトバルブとして用いたプロジェクタについて説明する。ここに図13は、プロジェクタの構成例を示す平面図である。
図13に示されるように、プロジェクタ1100内部には、ハロゲンランプ等の白色光源からなるランプユニット1102が設けられている。このランプユニット1102から射出された投射光は、ライトガイド1104内に配置された4枚のミラー1106及び2枚のダイクロイックミラー1108によってRGBの3原色に分離され、各原色に対応するライトバルブとしての液晶パネル1110R、1110B及び1110Gに入射される。
液晶パネル1110R、1110B及び1110Gの構成は、上述した液晶装置と同等であり、画像信号処理回路から供給されるR、G、Bの原色信号でそれぞれ駆動されるものである。そして、これらの液晶パネルによって変調された光は、ダイクロイックプリズム1112に3方向から入射される。このダイクロイックプリズム1112においては、R及びBの光が90度に屈折する一方、Gの光が直進する。従って、各色の画像が合成される結果、投射レンズ1114を介して、スクリーン等にカラー画像が投写されることとなる。
ここで、各液晶パネル1110R、1110B及び1110Gによる表示像について着目すると、液晶パネル1110Gによる表示像は、液晶パネル1110R、1110Bによる表示像に対して左右反転することが必要となる。
尚、液晶パネル1110R、1110B及び1110Gには、ダイクロイックミラー1108によって、R、G、Bの各原色に対応する光が入射するので、カラーフィルタを設ける必要はない。
尚、図13を参照して説明した電子機器の他にも、モバイル型のパーソナルコンピュータや、携帯電話、液晶テレビ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた装置等が挙げられる。そして、これらの各種電子機器に適用可能なのは言うまでもない。
また本発明は、上述の実施形態で説明した液晶装置以外にも、シリコン基板上に素子を形成する反射型液晶装置(LCOS)、プラズマディスプレイ(PDP)、電界放出型ディスプレイ(FED、SED)、有機ELディスプレイ、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、電気泳動装置等にも適用可能である。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う電気光学装置、電気光学装置の駆動方法及び該電気光学装置を備えてなる電子機器もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
第1実施形態に係る液晶装置の全体構成を示す平面図である。 図1のH−H’線断面図である。 第1実施形態に係る液晶装置の複数の画素部の等価回路図である。 第1実施形態に係る液晶装置の複数の画素部の平面図である。 図4のA−A’線断面図である。 図4に示した蓄積容量及び半導体層の拡大図である。 図6のB−B’線断面図である。 第1変形例における図7と同趣旨の断面図である。 第2変形例における、層間絶縁膜を介して互いに異なる層に配置された配線間の接続構造を示す断面図である。 第1実施形態に係る液晶装置の製造プロセスの各工程を示す工程図(その1)である。 第1実施形態に係る液晶装置の製造プロセスの各工程を示す工程図(その2)である。 第1実施形態に係る液晶装置の製造プロセスの各工程を示す工程図(その3)である。 電気光学装置を適用した電子機器の一例たるプロジェクタの構成を示す平面図である。
符号の説明
1a…半導体層、3a…走査線、6a…データ線、9a…画素電極、10…TFTアレイ基板、10a…画像表示領域、11a…下側遮光膜、20…対向基板、21…対向電極、23…遮光膜、30…TFT、41、42、43…層間絶縁膜、50…液晶層、52…シール材、53…額縁遮光膜、71…下部容量電極、71a…本体部、71b…延設部、81、83、84、85…コンタクトホール、101…データ線駆動回路、102…外部回路接続端子、104…走査線駆動回路、610…絶縁膜、810…開口部

Claims (7)

  1. 基板上に、
    複数の画素電極と、
    該複数の画素電極に電気的に接続された第1導電膜と、
    該第1導電膜の上層側に配置された第1絶縁膜と、
    該第1絶縁膜の上側表面に形成された本体部及び該本体部から前記第1絶縁膜に開孔されたコンタクトホールの内表面に延設された延設部を有し、前記第1導電膜に前記コンタクトホールを介して電気的に接続された第2導電膜と、
    前記延設部上に且つ前記コンタクトホールの内部を埋めるように形成されると共に、前記基板上で平面的に見て、前記本体部に少なくとも部分的に重ならないように形成された第2絶縁膜と
    を備えたことを特徴とする電気光学装置。
  2. 下側容量電極、誘電体膜及び上側容量電極が順に積層されてなり、前記下側容量電極が前記第2導電膜として形成された蓄積容量を備えることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
  3. 前記誘電体膜及び前記上側容量電極は、前記下側容量電極における前記本体部に重なることを特徴とする請求項2に記載の電気光学装置。
  4. 前記第2導電膜として形成された第1配線と、
    前記第1配線における前記本体部上及び前記第2絶縁膜上に形成された第2配線と
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の電気光学装置を具備してなることを特徴とする電子機器。
  6. 基板上に第1導電膜を形成する工程と、
    該第1導電膜の上層側に第1絶縁膜を形成する工程と、
    該第1絶縁膜に前記第1導電膜に至るコンタクトホールを開孔する工程と、
    前記第1絶縁膜の上側表面に形成された本体部及び該本体部から前記コンタクトホールの内表面に延設された延設部を有するように、且つ、前記第1導電膜に前記コンタクトホールを介して電気的に接続されるように、第2導電膜を形成する工程と、
    前記延設部上に且つ前記コンタクトホールの内部を埋めるように、且つ、前記基板上で平面的に見て、前記本体部に少なくとも部分的に重ならないように、第2絶縁膜を形成する工程と、
    前記第1導電膜に電気的に接続されるように、複数の画素電極を形成する工程と
    を含むことを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  7. 前記第2絶縁膜を形成する工程は、前記第2絶縁膜の前駆膜を前記第2導電膜上に形成した後に、前記前駆膜のうち前記本体部に重なる部分の少なくとも一部に対してエッチング処理を施すことにより、前記第2絶縁膜を形成することを特徴とする請求項6に記載の電気光学装置の製造方法。
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