JP2008216142A - 回転角検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、角度検出センサの数を増やしてもワイヤハーネスの増加を抑えることができる、回転角検出装置の提供を目的とする。
【解決手段】励磁信号によって励磁された励磁コイル(22)(32)の磁気力に伴って検知コイル(24,26)(32,36)に起電される検知信号であって回転体の回転角に応じて変化する検知信号を出力するレゾルバ(20)(30)を有し、前記励磁信号の周波数がレゾルバ(20)(30)毎に異なる、回転角検出装置であって、レゾルバ(20)(30)の各検知信号を多重した多重化信号が通るワイヤハーネス(42,43,44,45)と、ワイヤハーネス(42,43,44,45)を通る多重化信号を前記各検知信号に分離する検波回路70と、検波回路70によって分離された前記各検知信号に基づいて前記回転体の回転角情報を生成するR/Dコンバータ(81)(82)とを備える、回転角検出装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、回転体の回転角を検出する回転角検出装置に関する。
従来、モータや車両のステアリングシャフトなどの回転体の回転角を検出する角度検出センサとして、レゾルバが知られている。このレゾルバからの角度情報を取り出すために用いられるハーネスの配索スペースを最小限に抑える技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。この技術は、ハーネスの移動を考慮して余裕を持って配索スペースを確保する必要がないように、レゾルバのハーネスを固定するハーネスプロテクタにハーネスの移動を抑える突起を備えたものである。
特開2005−254855号公報
しかしながら、角度検出センサを複数設ける場合、角度検出センサの増加に伴ってワイヤハーネスが増加してしまうと、ハーネスの配索スペースを最小限に抑制する上述の従来技術では、ワイヤハーネスの増加数によってはワイヤハーネスの配索が困難になることが考えられ得る。
そこで、本発明は、角度検出センサの数を増やしてもワイヤハーネスの増加を抑えることができる、回転角検出装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、第1の発明に係る回転角検出装置は、
励磁信号によって励磁された励磁コイルの磁気力に伴って検知コイルに起電される検知信号であって回転体の回転角に応じて変化する検知信号を出力する角度検出センサを複数有し、前記励磁信号の周波数が前記角度検出センサ毎に異なり、
前記角度検出センサの各検知信号を多重した多重化信号が通るワイヤハーネスと、
前記ハーネスを通る多重化信号を前記各検知信号に分離するフィルタ手段と、
前記フィルタ手段によって分離された前記各検知信号に基づいて前記回転体の回転角情報を生成する生成手段とを備えていることを特徴としている。
また、第2の発明は、第1の発明に係る回転角検出装置であって、
前記角度検出センサ毎に設けられる前記検知コイル同士が直列接続されることを特徴としている。
また、第3の発明は、第1の発明に係る回転角検出装置であって、
前記角度検出センサ毎に設けられる前記検知コイルは、前記検知信号を互いに異なる位相で起電する2つの検知コイルから構成され、前記2つの検知コイルのうち、いずれか一方の検知コイル同士が直列接続されるとともに、もう一方の検知コイル同士が直列接続されることを特徴としている。
本発明によれば、角度検出センサの数を増やしてもワイヤハーネスの増加を抑えることができる。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。図1は、本発明の一実施形態である回転角検出装置100を示す構成図である。回転角検出装置100は、例えば、いわゆるハイブリッド車用のモータ/ジェネレータ(MG)をはじめとする車両に搭載されるモータやステアリングシャフトなどの回転体の回転角度を検出するために用いられるものである。回転角検出装置100は、回転角検出部10と、信号処理部50と、回転角検出部10と信号処理部50との間の信号線であるワイヤハーネス40(6本のワイヤハーネス41〜46から構成)を備える。
回転角検出部10は、2つの角度検出センサ(レゾルバ20,30)を備える。2つのレゾルバ20,30は、同一の回転軸又は互いに異なる回転軸に配置される。例えば、レゾルバ20,30は、モータ等の回転体の回転軸に対して同軸に配置される。また、例えば、レゾルバ20が上述のMGのモータの回転軸に配置され、レゾルバ30がMGのジェネレータの回転軸に配置される。同一の回転軸に2つ又はそれ以上のレゾルバを配置することによって、冗長性を確保し、フォールトトレランスを向上させることができる。
2つのレゾルバ20,30は、例えばVR型(可変リラクタンス)レゾルバであり、回転体と共に回転するロータ、ステータ及びコイルを備える。1相入力/2相出力の場合、コイルは、励磁コイルと、2つの検知コイル(sin相及びcos相の出力コイル)を備える。レゾルバ20は、励磁相を形成する励磁コイル22と、sin相を形成する検知コイル24と、cos相を形成する検知コイル26とを備える。同様に、レゾルバ30は、励磁相を形成する励磁コイル32と、sin相を形成する検知コイル34と、cos相を形成する検知コイル36とを備える。検知コイル24と検知コイル34が直列に接続され、検知コイル26と検知コイル36が直列に接続される。ロータの外形輪郭線は、一定の径ではなく、周期的に変化する径により画成される。即ち、ロータの径方向の幅は、ロータの回転角を変数とし軸倍角Nにより周期が定まる略正弦波関数に従って、変化するように決定される。径の変化周期を定める軸倍角Nは、必要な分解能に応じて適宜決定されてよい。本実施例では、2つのレゾルバ20,30の軸倍角は、互いに同一でも異なっていてもよい。また、レゾルバ20,30の極数も、互いに同一でも異なっていてもよい。
レゾルバ20,30は、例えば図2(A)及び図3に示すように、ロータに対して径方向に対向する凸状のステータコア(歯)に巻線(励磁コイル及び検知コイル)を巻き付け、径方向の磁気抵抗の変化を利用して角度検出を行うタイプであってよい。或いは、レゾルバ20,30は、図2(B)に示すように、ロータに対して軸方向に対向する凸状のステータコアに巻線(励磁コイル及び検知コイル)を巻き付け、軸方向の磁気抵抗の変化を利用して角度検出を行うタイプであってよい。また、図2(B)に示す構成の場合、励磁コイル及び検知コイルは、必ずしも巻き線を巻くタイプである必要はなく、フィルム上のコイル(基板上にプリントされたコイル)を用いて薄型化を図ることも可能である。なお、図3(A)は、レゾルバ20,30が互いに同軸に配置された構成を示し、図3(B)は、レゾルバ20,30が互いに異軸に配置された構成を示す。
レゾルバ20,30は、互いに同軸に配置される図3(A)の場合、軸方向の互いに近接した位置に配置される。例えば、レゾルバ20,30は、図3(A)に示すように、互いに隣接した状態で一体的に構成されてよい。これにより、2つのレゾルバ20,30を、効率的な搭載スペースで搭載でき、また、それぞれのレゾルバ20,30に対する配線や電気的接続(コネクタ接続)等も効率化することができる。
一方、信号処理部50は、励磁コイル22にワイヤハーネス41を介して接続される交流電源61と、励磁コイル32にワイヤハーネス46を介して接続される交流電源62と、レゾルバ20,30の検知信号(レゾルバ信号)をワイヤハーネス42〜45を介して検波する検波回路70と、検波回路70の出力信号が入力されるレゾルバデジタル変換器(R/Dコンバータ)81,82とを備える。
交流電源61,62は、所定の周波数の信号を生成する発振回路とその出力を増幅するアンプとを備える。動作時、交流電源は、例えば4Vの交流の入力電圧を、励磁信号として、励磁コイルの両端に印加する。交流電源61,62は、互いに異なる周波数の励磁信号を励磁コイル22,32に供給する。例えば、交流電源61は、レゾルバ20に係る励磁コイル22に第1の周波数(例えば、10kHz)の励磁信号を供給し、交流電源62は、レゾルバ30に係る励磁コイル32に第2の周波数(例えば、20kHz)の励磁信号を供給する。励磁コイルが励磁されてそれに磁気力が発生すると、それに伴い、検知コイルが起電する。
なお、第1の周波数と第2の周波数は、互いに整数倍となる関係にせず、さらに、それらの周波数の差がいずれの周波数よりも小さくなる関係に設定してもよい(例えば、第1の周波数を9kHzと設定し、第2の周波数を11kHzと設定する)。これによって、磁気的な干渉を抑えることができる。
上述の如く、ロータの外形輪郭線は、一定の径ではなく、周期的に変化する径により画成されている。従って、図2(A)に示す構成では、ロータが回転すると、ロータとステータコア(歯)の径方向の距離が周期的に変化するので、それに伴って、磁束抵抗が変化して、当該コアまわりの検知コイルに誘起される電流(検知信号)が変化する。図2(B)に示す構成では、ロータが回転すると、ロータの外周部とステータコアの上面との遮蔽幅が変化し、ステータコアを通る磁束が遮へいされる幅が周期的に変化するので、それに伴って、磁束抵抗が変化して、当該コアまわりの検知コイルに誘起される電流(検知信号)が変化する。このような現象を利用して、ロータの回転角すなわち回転体の回転角を磁気的に検出される。
レゾルバ20に設けられた検知コイル24とレゾルバ30に設けられた検知コイル34は直列に接続され、検知コイル24と検知コイル34の直列回路の両端のうちの一方にワイヤハーネス42が接続され、もう一方にワイヤハーネス43が接続される。このような接続構成にすることによって、検知コイル24に誘起された検知信号と検知コイル34に誘起された検知信号とを重畳することができ、その重畳された多重化信号がワイヤハーネス42,43を流れる。一方、レゾルバ20に設けられた検知コイル26とレゾルバ30に設けられた検知コイル36は直列に接続され、検知コイル26と検知コイル36の直列回路の両端のうちの一方にワイヤハーネス44が接続され、もう一方にワイヤハーネス45が接続される。このような接続構成にすることによって、検知コイル26に誘起された検知信号と検知コイル36に誘起された検知信号とを重畳することができ、その重畳された多重化信号がワイヤハーネス44,45を流れる。
上述のように、互いに異なる周波数の励磁信号を励磁コイル22,32に供給することによって、レゾルバ20に係る検知コイル24には、第1の周波数のsin相の電圧が起電し、レゾルバ20に係る検知コイル26には、第1の周波数のcos相の電圧が起電し、レゾルバ30に係る検知コイル34には、第2の周波数のsin相の電圧が起電し、レゾルバ30に係る検知コイル36には、第1の周波数のcos相の電圧が起電することになる。励磁コイル22と32で励磁信号の周波数を互いに異ならせることによって、検知コイルに誘起された検知信号を多重化しても、レゾルバ20に係るものなのかレゾルバ30に係るものなのかを区別することができる。
したがって、検知コイル24で起電した第1の周波数のsin相の出力信号と検知コイル34で起電した第2の周波数のsin層の出力信号とが多重化した第1の多重化信号が、ワイヤハーネス42,43を介して検波回路70に入力され、検知コイル26で起電した第1の周波数のcos相の出力信号と検知コイル36で起電した第2の周波数のcos層の出力信号とが多重化した第2の多重化信号が、ワイヤハーネス44,45を介して検波回路70に入力される。
検波回路70は、電気信号の特定の周波数成分を取り出すバンドパスフィルタを備える。検波回路70のバンドパスフィルタは、第1の多重化信号を、検知コイル24に係る第1の周波数のsin相の検知信号と検知コイル34に係る第2の周波数のsin相の検知信号とに分離する。同様に、検波回路70のバンドパスフィルタは、第2の多重化信号を、検知コイル26に係る第1の周波数のcos相の出力信号と検知コイル36に係る第2の周波数のcos相の出力信号とに分離する。なお、多重化された信号から異なる周波数の信号を分離する方法は、特に限定しない。
R/Dコンバータ81,82は、検波回路70によって分離された信号が入力される。R/Dコンバータ81は、検知コイル24に係る第1の周波数のsin相の出力信号と検知コイル26に係る第1の周波数のcos相の出力信号が入力される。R/Dコンバータ82は、検知コイル34に係る第2の周波数のsin相の出力信号と検知コイル36に係る第2の周波数のcos相の出力信号が入力される。R/Dコンバータ81,82は、sin相の出力信号とcos相の出力信号とに基づいて、レゾルバ20,30によって検知される回転体の回転角情報として、ロータの回転角θを表すデジタル信号φを出力する。ロータの回転角θは、例えば、次式の関係を用いて導出される。
θ=1/N・tan−1(ESIN−GND/ECOS−GND)
ここで、ECOS−GNDは、cos相の出力電圧を表し、ESIN−GNDは、sin相の出力電圧を表す。
したがって、R/Dコンバータ81は、検知コイル24に係る第1の周波数のsin相の出力信号と検知コイル26に係る第1の周波数のcos相の出力信号とに基づいて、上式に従って、レゾルバ20によって検出される回転角θ1を算出する。同様に、R/Dコンバータ82は、検知コイル34に係る第2の周波数のsin相の出力信号と検知コイル36に係る第2の周波数のcos相の出力信号とに基づいて、上式に従って、レゾルバ30によって検出される回転角θ2を算出する。
したがって、上述の実施例によれば、レゾルバ20に係る検知コイル24に誘起された検知信号とレゾルバ30に係る検知コイル34に誘起された検知信号を多重化して検波回路70に入力しているとともに、レゾルバ20に係る検知コイル26に誘起された検知信号とレゾルバ30に係る検知コイル36に誘起された検知信号を多重化して検波回路70に入力しているので、各検知コイルと検波回路70を結ぶワイヤハーネスの本数をレゾルバの数が増えても抑えることができる。
この点について、図4を参照しながら、補説する。図4は、2つのレゾルバの検知コイルに誘起された検知信号を多重化しない実施形態である回転角検出装置200を示す構成図である。各検知コイルに誘起された検知信号は多重化する必要性はないため、レゾルバ20に係る励磁コイル22に供給される励磁信号の周波数とレゾルバ30に係る励磁コイル32に供給される励磁信号の周波数は同じでよい。したがって、励磁信号が流れるワイヤハーネスは141の1本のみでよい。しかしながら、各検知コイルに接続されるワイヤハーネスの数は、図4に示されるように、1レゾルバにつき4本必要となる。すなわち、レゾルバの数が増えるにつれて、(4×レゾルバ数)本のワイヤハーネスが必要となる。
したがって、本発明に係る上述の実施例によれば、励磁信号の周波数をレゾルバ毎に異ならせる必要があるため励磁信号が通るワイヤハーネスの本数は増えるものの、検知信号の多重化によってワイヤハーネスの本数を削減することができるので、全体として、ワイヤハーネスの本数を削減することができる(多重化しない図4の場合、励磁側と検知側のワイヤハーネスを合わせて9本必要であるが、本実施例の図2の場合、励磁側と検知側のワイヤハーネスを合わせて6本で済む)。
また、レゾルバを3個以上有する回転角検出装置であっても、上述と同様の考えに従って、レゾルバ毎の励磁周波数を異なる値に設定し、各レゾルバに係る検知コイルを一つずつ直列接続することで、検知信号を多重化することができる。多重化された検知信号を分離すれば、3つの回転体の回転角を検出することが可能となる。
すなわち、レゾルバの数が増えても、検知側のワイヤハーネスは常に4本のままにすることができる。言い換えれば、レゾルバの数が増えても、検知側のワイヤハーネスはレゾルバが1つの場合と同じ本数にすることができる。したがって、レゾルバの数が増えるにつれて、ワイヤハーネスの本数の削減効果は大きくなる。
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、交流電源61,62を信号処理部50の構成要素に含めずに、それぞれ独立した構成にしてもよい。
例えば、上述の実施例では、1相入力/2相出力の構成であったが、2相入力/1相出力であってもよいし、相の態様は任意である。1相出力の場合、レゾルバ毎に設けられる一つの検知コイル同士を直列接続すればよい。
また、上述の実施例では、回転角を相対角で検出しているが、互いに同軸に配置され、且つ、軸倍角が同一である、レゾルバ20,30の場合、軸倍角の異なる第3のレゾルバを設定することによって、回転角を絶対角で検出することも可能である。
本発明の一実施形態である回転角検出装置100を示す構成図である。 レゾルバ20,30の種類の一例を示す概略図である。 レゾルバ20,30の配置状態の一例を示す図である。 2つのレゾルバの検知コイルに誘起された検知信号を多重化しない実施形態である回転角検出装置200を示す構成図である。
符号の説明
10 角度検出部
20,30 レゾルバ
22,32 励磁コイル
24,26,34,36 検知コイル
40〜46 ワイヤハーネス
50 信号処理部
61,62 交流電源
70 検波回路
81,82 R/Dコンバータ
100 回転角検出装置

Claims (3)

  1. 励磁信号によって励磁された励磁コイルの磁気力に伴って検知コイルに起電される検知信号であって回転体の回転角に応じて変化する検知信号を出力する角度検出センサを複数有し、前記励磁信号の周波数が前記角度検出センサ毎に異なる、回転角検出装置であって、
    前記角度検出センサの各検知信号を多重した多重化信号が通るワイヤハーネスと、
    前記ハーネスを通る多重化信号を前記各検知信号に分離するフィルタ手段と、
    前記フィルタ手段によって分離された前記各検知信号に基づいて前記回転体の回転角情報を生成する生成手段とを備える、回転角検出装置。
  2. 前記角度検出センサ毎に設けられる前記検知コイル同士が直列接続される、請求項1に記載の回転角検出装置。
  3. 前記角度検出センサ毎に設けられる前記検知コイルは、前記検知信号を互いに異なる位相で起電する2つの検知コイルから構成され、
    前記2つの検知コイルのうち、いずれか一方の検知コイル同士が直列接続されるとともに、もう一方の検知コイル同士が直列接続される、請求項1に記載の回転角検出装置。
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