JP2008215394A - 自動変速機 - Google Patents

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Takaaki Kato
孝昭 加藤
Takeshi Fukaya
剛 深谷
Takashi Ogawa
隆司 小川
Akihito Hongoya
彰人 本郷谷
Hiroyuki Tsukamoto
広幸 塚本
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Abstract

【課題】各変速段の間のステップ比が適切に配分されることにより、変速時には明確な変速感でもって十分な加速フィーリングを得ることができる自動変速機を提供する。
【解決手段】遊星歯車機構21,22の第1リングギヤR0と第2サンギヤS1を入力軸14に動力伝達可能に連結すると共に、第1サンギヤS0及び相互に連結された第1キャリヤC0と第2リングギヤR1を第3制御ブレーキB−3及び第1制御ブレーキB−1に夫々連結する。そして、遊星歯車機構23,24の第3サンギヤS2と第4サンギヤS3とを連結して入力軸14に第1制御クラッチC−1により係脱可能に連結すると共に、第3リングギヤR2及び第4リングギヤR3を第2制御ブレーキB−2及び第4制御ブレーキB−4に夫々連結し、第3キャリヤC2を入力軸14に第2制御クラッチC−2により係脱可能に連結すると共に、第4キャリヤC3を出力軸17に連結する。
【選択図】図1

Description

本発明は、入力軸の回転を遊星歯車装置により複数段に変速して出力軸に伝達する自動変速機に関する。
従来、この種の自動変速機として例えば特許文献1に記載の自動変速機(以下、「従来の自動変速機」という。)が知られている。この特許文献1には、入力軸に直結された共通サンギヤが、第1リングギヤとキャリヤに支承された段付ピニオンの小径ピニオンを介して噛合され、第2リングギヤと段付ピニオンの大径ピニオンを介して噛合された減速用複式プラネタリギヤと、第1シングルピニオンプラネタリギヤのサンギヤ及び第2シングルピニオンプラネタリギヤのサンギヤが直結され、第1シングルピニオンプラネタリギヤのキャリヤ及び第2シングルピニオンプラネタリギヤのリングギヤが直結された変速用複式プラネタリギヤと、入力軸と変速用複式プラネタリギヤの直結されたサンギヤとを選択的に連結する第1クラッチと、入力軸と変速用複式プラネタリギヤの直結されたキャリヤ及びリングギヤとを選択的に連結する第2クラッチと、減速用複式プラネタリギヤの第1リングギヤを選択的に固定する第1ブレーキと、減速用複式プラネタリギヤの第2リングギヤを選択的に固定する第2ブレーキと、直結された減速用複式プラネタリギヤのキャリヤ及び第1シングルピニオンプラネタリギヤのリングギヤを選択的に固定する第3ブレーキと、変速用複式プラネタリギヤの直結されたキャリヤ及びリングギヤを選択的に固定する第4ブレーキと、第2シングルピニオンプラネタリギヤのキャリヤに直結された出力軸を備え、入力軸の回転を前進8速段、後進段に変速して出力軸に伝達する自動変速機が開示されている。
特開2002−213545号公報
ところで、こうした自動変速機において、変速段が1段アップしたときのギヤ比(入力軸の回転数/出力軸の回転数)の増加割合はステップ比と呼ばれ、このステップ比は良好な変速感を得るという観点からは変速段毎において大きなばらつきのない状態で配分されていることが好ましい。また、各変速段におけるステップ比自体の大きさは、その値が小さすぎる(つまり、「1」に近い値である。)と、例えば加速を伴う変速時においてエンジンの有効な回転域内における回転数の落ち込みが僅かなものとなるため、運転者には変速感が希薄となって、変速時における十分な加速フィーリングを得られないことになる。
この点、従来の自動変速機の場合は、第4変速段と第5変速段との間のステップ比、及び第5変速段と第6変速段との間のステップ比が、それらの変速段と低速側及び高速側で各々隣接する各変速段との間のステップ比に比して大きくばらついたものとなっている。さらに、高速段である第6変速段と第7変速段との間のステップ比に関しては、変速感をもたらすことが殆ど期待できない1.1未満という小さなステップ比になっている。したがって、こうした従来の自動変速機との対比において、加速を伴う変速時には明確な変速感でもって十分な加速フィーリングを得ることができる、ステップ比が適切に配分された前進8段のギヤ比を有する自動変速機が希求されていた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、各変速段の間のステップ比が適切に配分されることにより、加速を伴う変速時には明確な変速感でもって十分な加速フィーリングを得ることができる自動変速機を提供することにある。
上記目的を達成するために、自動変速機に係る請求項1に記載の発明は、共にシングルピニオン型の第1遊星歯車機構と第2遊星歯車機構を有する減速用複式遊星歯車装置及び共にシングルピニオン型の第3遊星歯車機構と第4遊星歯車機構を有する変速用複式遊星歯車装置を備え、前記減速用複式遊星歯車装置では、前記第1遊星歯車機構を、第1サンギヤ、該第1サンギヤに噛合する第1ピニオンを支承する第1キャリヤ、前記第1ピニオンに噛合する第1リングギヤを備えて構成すると共に、前記第2遊星歯車機構を、前記第1リングギヤに連結された第2サンギヤ、該第2サンギヤに噛合する第2ピニオンを支承する第2キャリヤ、前記第2ピニオンに噛合して前記第1キャリヤに連結された第2リングギヤを備えて構成し、前記第2サンギヤを入力軸に動力伝達可能に連結すると共に、前記第1サンギヤを第3制御ブレーキに連結し、前記第2リングギヤと第1キャリヤとを連結して第1制御ブレーキに連結し、前記変速用複式遊星歯車装置では、前記第3遊星歯車機構を、第3サンギヤ、該第3ギヤに噛合する第3ピニオンを支承する第3キャリヤ、前記第3ピニオンに噛合して前記第2キャリヤに動力伝達可能に連結された第3リングギヤを備えて構成すると共に、前記第4遊星歯車機構を、第4サンギヤ、該第4サンギヤに噛合する第4ピニオンを支承する第4キャリヤ、前記第4ピニオンに噛合して前記3キャリヤに連結された第4リングギヤを備えて構成し、前記第3サンギヤと前記第4サンギヤとを連結して前記入力軸に第1制御クラッチにより係脱可能に連結すると共に、前記第3リングギヤ及び前記第4リングギヤを第2制御ブレーキ及び第4制御ブレーキに夫々連結し、前記第3キャリヤを前記入力軸に第2制御クラッチにより係脱可能に連結すると共に、前記第4キャリヤを出力軸に連結し、前記第2キャリヤの回転が前記第3リングギヤに伝達されることを特徴とする。
この請求項1に記載の発明によれば、変速段が1段アップしたときのギヤ比(入力軸の回転数/出力軸の回転数)の増加割合であるステップ比が、変速段毎において大きなばらつきのない状態で配分されるようになる。また、各変速段におけるステップ比の値は、それらの最小値でも「1」から離れた値、すなわち変速感をもたらすことが期待できる1.1よりも大きな値となる。したがって、各変速段の間のステップ比が適切に配分されることにより、加速を伴う変速時には明確な変速感でもって十分な加速フィーリングを得ることができる。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の自動変速機において、前記第1サンギヤの高速回転を防止するための第3制御クラッチを備えることを特徴とする。
この請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の作用効果を奏し得る他に、所定の変速時には、第3制御クラッチを切断しておくことにより、第1サンギヤが非常な高速で逆回転するような事態を回避できる。
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の自動変速機において、前記第3制御クラッチは、前記入力軸と前記第1リングギヤ及び第2サンギヤとを選択的に連結することを特徴とする。
この請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明と同様の作用効果を奏し得る。
また、請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の自動変速機において、前記第3制御クラッチは、前記第2キャリヤと前記第3リングギヤとを選択的に連結することを特徴とする。
この請求項4に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明と同様の作用効果を奏し得る。
(第1の実施形態)
以下、本発明に係る自動変速機の第1の実施形態について、図1〜図3を参照しながら説明する。
図1は本実施形態の自動変速機10をスケルトン図で示したものであり、この自動変速機10は例えば自動車のエンジンにより回転駆動される流体トルクコンバータ11の出力回転を変速して駆動輪に伝達するために使用される。図1に示すように、自動変速機10は、車体に取り付けられるトランスミッションケース12、該トランスミッションケース12内の略中心を通る共通軸線13上に前方から後方へ(図1では左方から右方へ)順次支承された入力軸14、減速用複式遊星歯車装置15、変速用複式遊星歯車装置16及び出力軸17を備えて構成されている。
図1に示すように、減速用複式遊星歯車装置15においては、シングルピニオン型の第1遊星歯車機構21が前段に配設されると共に、同じくシングルピニオン型の第2遊星歯車機構22が後段に配設されている。また、変速用複式遊星歯車装置16においては、シングルピニオン型の第3遊星歯車機構23が前段に配設されると共に、同じくシングルピニオン型の第4遊星歯車機構24が後段に配設されている。
まず、減速用複式遊星歯車装置15の具体的構成について説明する。
減速用複式遊星歯車装置15において、前段の第1遊星歯車機構21は、共通軸線13上に回転可能に支承された第1サンギヤS0、該第1サンギヤS0に噛合する第1ピニオン25を回転可能に支承して共通軸線13上に回転可能に支承された第1キャリヤC0、及び第1ピニオン25に噛合して共通軸線13上に回転可能に支承された第1リングギヤR0を備えている。
一方、後段の第2遊星歯車機構22は、前記第1リングギヤR0に連結されて共通軸線13上に回転可能に支承された第2サンギヤS1、該第2サンギヤS1に噛合する第2ピニオン27を回転可能に支承して共通軸線13上に回転可能に支承された第2キャリヤC1、及び第2ピニオン27に噛合すると共に前記第1キャリヤC0に連結されて共通軸線13上に回転可能に支承された第2リングギヤR1を備えている。
そして、減速用複式遊星歯車装置15では、第2サンギヤS1が第3制御クラッチC−3により入力軸14に係脱可能に連結されている。すなわち、第3制御クラッチC−3は、入力軸14から減速用複式遊星歯車装置15を経由して変速用複式遊星歯車装置16に動力を伝達可能な動力伝達経路上に設けられており、この第3制御クラッチC−3が接続された場合には、入力軸14に第2サンギヤS1が動力伝達可能に連結されることになる。また、第1サンギヤS0及び第2リングギヤR1は、トランスミッションケース12に設けられた第3制御ブレーキB−3及び第1制御ブレーキB−1に夫々連結され、それらの制御ブレーキB−3,B−1が作動した場合には、夫々の回転が規制されるようになっている。
次に、変速用複式遊星歯車装置16の具体的構成について説明する。
変速用複式遊星歯車装置16において、前段の第3遊星歯車機構23は、共通軸線13上に回転可能に支承された第3サンギヤS2、該第3サンギヤS2に噛合する第3ピニオン29を回転可能に支承して共通軸線13上に回転可能に支承された第3キャリヤC2を備えている。更に、第3遊星歯車機構23は、第3ピニオン29に噛合すると共に減速用複式遊星歯車装置15における第2遊星歯車機構22の第2キャリヤC1に連結されて共通軸線13上に回転可能に支承された第3リングギヤR2を備えている。
一方、後段の第4遊星歯車機構24は、共通軸線13上に回転可能に支承された第4サンギヤS3、該第4サンギヤS3に噛合する第4ピニオン30を支承して共通軸線13上に回転可能に支承された第4キャリヤC3を備えている。更に、第4遊星歯車機構24は、第4ピニオン30に噛合すると共に前段の第3遊星歯車機構23の第3キャリヤC2に連結されて共通軸線13上に回転可能に支承された第4リングギヤR3を備えている。
そして、変速用複式遊星歯車装置16では、第3サンギヤS2と第4サンギヤS3が、相互に連結された状態で第1制御クラッチC−1により入力軸14に係脱可能に連結されると共に、第3キャリヤC2と第4リングギヤR3が、相互に連結された状態で第2制御クラッチC−2により入力軸14に係脱可能に連結されている。また、第4リングギヤR3が、トランスミッションケース12に設けられたワンウェイクラッチF−3により前段の第3遊星歯車機構23の第3キャリヤC2と共に一方向への回転(逆転)が規制されると共に、第4キャリヤC3が、出力軸17に連結されている。また、第3リングギヤR2及び第4リングギヤR3は、トランスミッションケース12に設けられた第2制御ブレーキB−2及び第4制御ブレーキB−4に夫々連結され、それらの制御ブレーキB−2,B−4が作動した場合には、夫々の回転が規制されるようになっている。
また、図1に示す流体トルクコンバータ11は、ポンプインペラ31がエンジン(図示略)により回転駆動されてオイルを送り出し、そのオイルの反力をステータ32が受け止めることにより、タービン33にトルクが発生するようになっている。なお、ロックアップクラッチ34が作動した場合には、このロックアップクラッチ34を介してポンプインペラ31とタービン33とが直結するため、この場合にもタービン33にトルクが発生することになる。そして、タービン33に入力軸14が連結されていることにより、入力軸14側から動力が複数ある動力伝達経路のうち何れかの動力伝達経路を経て出力軸17に伝達されるようになっている。
さて、以上のように構成された自動変速機10では、第1〜第3の各制御クラッチC−1〜C−3及び第1〜第4の各制御ブレーキB−1〜B−4が選択的に係脱及び作動し、減速用複式遊星歯車装置15及び変速用複式遊星歯車装置16の各要素(サンギヤ、リングギヤ等)の回転を規制することにより、前進8段・後退2段のギヤ比を成立させる。そこで、この自動変速機10の変速時における各変速段(前進8段・後退2段)での第1〜第3の各制御クラッチC−1〜C−3及び第1〜第4の各制御ブレーキB−1〜B−4の作動状態について図2を参照しながら以下説明する。
この図2には、各変速段における制御クラッチ等の作動状態と共に、各変速段におけるギヤ比(入力軸14の回転数/出力軸17の回転数)及び変速段が1段アップしたときのギヤ比の増加割合(当変速段のギヤ比/前変速段のギヤ比)を示すステップ比が表の右側に示されている。なお、この図2の作動表において、各変速段に対応する各制御クラッチ、制御ブレーキの欄に白丸が付されている場合には、制御クラッチであれば接続状態、制御ブレーキであれば回転規制状態にあることを示している。但し、その作動表の下側に注記してあるように、括弧付きの白丸が付されている場合は、該当する制御クラッチ及び制御ブレーキはエンジンブレーキ時に接続・回転規制状態となることを示している。また、黒丸が付されている場合は、該当する制御クラッチ及び制御ブレーキは係合しているもののトルク伝達(動力伝達)には関与していないことを示している。
ここで、減速用複式遊星歯車装置15と変速用複式遊星歯車装置16におけるシングルピニオン型の各遊星歯車機構21〜24において、サンギヤの回転数Ns、キャリヤの回転数Nc、リングギヤの回転数Nrと各遊星歯車機構21〜24のギヤ歯数比(サンギヤの歯数/リングギヤの歯数)λとの関係は下記の式(1)で示される。そして、各変速段におけるギヤ比は、この式(1)に基づき算出される。
Nr=(1−λ)Nc+λNs・・・(1)
また、サンギヤS0,S1,S2,S3の歯数をZs0,Zs1,Zs2,Zs3、リングギヤR0,R1,R2,R3の歯数をZr0,Zr1,Zr2,Zr3とすると、減速用複式遊星歯車装置15と変速用複式遊星歯車装置16の各遊星歯車機構21〜24の各ギヤ歯数比は、λ0=Zs0/Zr0,λ1=Zs1/Zr1,λ2=Zs2/Zr2,λ3=Zs3/Zr3となる。図2の表の上側には、このようにして求められた各遊星歯車機構21〜24の各ギヤ歯数比λ0,λ1,λ2,λ3が示されている。
そして、このような自動変速機10において、各制御クラッチC−1〜C−3及び各制御ブレーキB−1〜B−4が図2の作動表に示すように選択的に係脱及び作動した場合、各遊星歯車装置15,16における各遊星歯車機構21〜24の各要素(サンギヤ、リングギヤ等)の速度比は、図3に示す速度線図のようになる。すなわち、この速度線図は、各遊星歯車装置15,16のサンギヤS0〜S3、キャリヤC0〜C3、リングギヤR0〜R3からなる各要素を横軸方向にギヤ歯数比λ0〜λ3に対応させた間隔で配置し、縦軸方向に各要素に対応してその速度比を取ったものである。そして、この図3の速度線図では、減速用複式遊星歯車装置15及び変速用複式遊星歯車装置16の各速度線図が左右に並べて記載されている。
まず、左側の減速用複式遊星歯車装置15の速度線図では、第2リングギヤR1と第1キャリヤC0、第2サンギヤS1と第1リングギヤR0が、各々互いに連結されて共通するので、R1,C0及びS1,R0が夫々付された各1本の縦線上に第2リングギヤR1と第1キャリヤC0、第2サンギヤS1と第1リングギヤR0の各速度比が表示されている。また、それぞれS0、C1が付された各1本の縦線上に第1サンギヤS0と第2キャリヤC1の各速度比が表示されている。そして、共にシングルピニオン型の第1遊星歯車機構21及び第2遊星歯車機構22においては、各キャリヤC0,C1の縦線と各サンギヤS0,S1の縦線との間隔を夫々「1」とみなし、各リングギヤR0,R1の縦線を各キャリヤC0,C1の縦線から各サンギヤS0,S1の縦線の反対側にギヤ歯数比λ0,λ1に相当する間隔だけ離して配置している。
一方、右側の変速用複式遊星歯車装置16の速度線図では、第4リングギヤR3と第3キャリヤC2、第4サンギヤS3と第3サンギヤS2が、各々互いに連結されて共通するので、R3,C2及びS3,S2が夫々付された各1本の縦線上に第4リングギヤR3と第3キャリヤC2、第4サンギヤS3と第3サンギヤS2の各速度比が表示されている。また、それぞれR2、C3が付された各1本の縦線上に第3リングギヤR2と第4キャリヤC3の各速度比が表示されている。そして、共にシングルピニオン型の第3遊星歯車機構23及び第4遊星歯車機構24においては、各キャリヤC2,C3の縦線と各サンギヤS2,S3の縦線との間隔を夫々「1」とみなし、各リングギヤR2,R3の縦線を各キャリヤC2,C3の縦線から各サンギヤS2,S3の縦線の反対側にギヤ歯数比λ2,λ3に相当する間隔だけ離して配置している。
また、図3の速度線図においては、第1〜第4の各制御ブレーキB−1〜B−4、第1〜第3の各制御クラッチC−1〜C−3が選択的に作動された点にB−1〜B−4、C−1〜C−3の符号が記入されている。また、左側の減速用複式遊星歯車装置15の速度線図と右側の変速用複式遊星歯車装置16の速度線図との間には、各変速段において動力が伝達される場合に互いに対応する要素間を破線で結線表示することにより、各変速段での動力伝達経路を示すようにしている。
また、右側の変速用複式遊星歯車装置16の速度線図においては、4本の各縦線に対応する要素を縦線の並び順に第1、第2、第3、第4要素としている。そして、第1要素としての第3リングギヤR2は減速用複式遊星歯車装置15の第2キャリヤC1に連結され、第2要素としての互いに連結された第4リングギヤR3と第3キャリヤC2はワンウェイクラッチF−3により一方向への回転(逆転)が規制された状態で第2制御クラッチC−2と第4制御ブレーキB−4とに並列に連結されている。また、第3要素としての第4キャリヤC3は出力軸17に連結され、第4要素としての第4サンギヤS3と第3サンギヤS2は相互に連結された状態で第1制御クラッチC−1により入力軸14に係脱可能に連結されている。
そこで次に、上記のように構成された自動変速機10における各変速段の作用について図2を参照しながら変速時における作動状態に着目して説明する。
まず、前進第1変速段の場合は、第1制御クラッチC−1の作動により第3サンギヤS2と第4サンギヤS3が入力軸14に接続され、第3サンギヤS2と第4サンギヤS3に入力軸14の回転が伝達される。そして、この場合は、ワンウェイクラッチF−3の作動により第4リングギヤR3が逆転駆動を規制されるので、第4サンギヤS3に噛合する第4ピニオン30が逆転駆動を規制された第4リングギヤR3に反力を支持されて公転し、第4ピニオン30を支承する第3要素としての第4キャリヤC3が回転する。その結果、この第4キャリヤC3に連結された出力軸17が図2に示す前進第1変速段のギヤ比3.5385で正転駆動される。なお、エンジンブレーキ時には、ワンウェイクラッチF−3が空転して第4リングギヤR3の逆転駆動を規制できないことになるため、この場合には第4制御ブレーキB−4が作動して第4リングギヤR3を回転規制することにより、第4ピニオン30の公転を許容して第4キャリヤC3及び出力軸17が回転するようにしている。
次に、前進第2変速段の場合は、第1制御クラッチC−1の作動により第3サンギヤS2と第4サンギヤS3が入力軸14に接続され、第3サンギヤS2と第4サンギヤS3に入力軸14の回転が伝達される。そして、この場合は、第2制御ブレーキB−2の作動により第3リングギヤR2が回転規制されているので、第3サンギヤS2に噛合する第3ピニオン29が第3リングギヤR2に反力を支持されて公転し、第3キャリヤC2及び第4リングギヤR3を回転させる。すると、第4リングギヤR3と第4サンギヤS3との回転差に応じて第4ピニオン30が公転し、第4ピニオン30を支承する第3要素としての第4キャリヤC3が回転する結果、この第4キャリヤC3に連結された出力軸17が図2に示す前進第2変速段のギヤ比2.0604で正転駆動される。
次に、前進第3変速段の場合は、第1制御クラッチC−1の作動により第3サンギヤS2と第4サンギヤS3が入力軸14に接続され、第3サンギヤS2と第4サンギヤS3に入力軸14の回転が伝達される。また、第3制御クラッチC−3の作動により第2サンギヤS1と第1リングギヤR0が入力軸14に接続され、第2サンギヤS1と第1リングギヤR0にも入力軸14の回転が伝達される。そして、この場合は、第1制御ブレーキB−1の作動により、互いに連結された第2リングギヤR1と第1キャリヤC0が回転規制されているので、第2サンギヤS1の回転に伴って第2ピニオン27が第2リングギヤR1に反力を支持されて公転し、この第2ピニオン27を回転可能に支承する第2キャリヤC1が相互に連結された第3リングギヤR2と共に回転する。
すると、この第3リングギヤR2と第3サンギヤS2との回転差に応じて第3ピニオン29が公転し、第3キャリヤC2及び第4リングギヤR3を回転させる。そして、第4リングギヤR3と第4サンギヤS3との回転差に応じて第4ピニオン30が公転し、第4ピニオン30を支承する第3要素としての第4キャリヤC3が回転する結果、この第4キャリヤC3に連結された出力軸17が図2に示す前進第3変速段のギヤ比1.5562で正転駆動される。
次に、前進第4変速段の場合は、第1制御クラッチC−1の作動により第3サンギヤS2と第4サンギヤS3が入力軸14に接続され、第3サンギヤS2と第4サンギヤS3に入力軸14の回転が伝達される。また、第3制御クラッチC−3の作動により第2サンギヤS1と第1リングギヤR0が入力軸14に接続され、第2サンギヤS1と第1リングギヤR0にも入力軸14の回転が伝達される。そして、この場合は、第3制御ブレーキB−3の作動により第1サンギヤS0が回転規制されているので、第1リングギヤR0の回転に伴い第1ピニオン25が第1サンギヤS0に反力を支持されて公転し、この第1ピニオン25を回転可能に支承する第1キャリヤC0が相互に連結された第2リングギヤR1と共に回転する。
すると、この第2リングギヤR1と第2サンギヤS1との回点差に応じて第2キャリヤC1が相互に連結された第3リングギヤR2と共に回転し、第3リングギヤR2と第3サンギヤS2との回転差に応じて第3ピニオン29が公転する。そして、この第3ピニオン29の公転に伴い、第3キャリヤC2及び第4リングギヤR3が回転すると、第4リングギヤR3と第4サンギヤS3との回転差に応じて第4ピニオン30が公転し、第4ピニオン30を支承する第3要素としての第4キャリヤC3が回転する。その結果、この第4キャリヤC3に連結された出力軸17が図2に示す前進第4変速段のギヤ比1.1226で正転駆動される。
次に、前進第5変速段の場合は、第1制御クラッチC−1の作動により第3サンギヤS2と第4サンギヤS3が入力軸14に接続され、第3サンギヤS2と第4サンギヤS3に入力軸14の回転が伝達される。また、第2制御クラッチC−2の作動により、互いに連結された第3キャリヤC2と第4リングギヤR3が入力軸14に接続され、第3キャリヤC2と第4リングギヤR3にも入力軸14の回転が伝達される。その結果、第4サンギヤS3と第4リングギヤR3に噛合する第4ピニオン30を支承する第3要素としての第4キャリヤC3も一体になって回転し、この第4キャリヤC3に連結された出力軸17が図2に示す前進第5変速段のギヤ比1.0000で正転駆動される。
次に、前進第6変速段の場合は、第2制御クラッチC−2の作動により、互いに連結された第3キャリヤC2と第4リングギヤR3が入力軸14に接続され、第3キャリヤC2と第4リングギヤR3に入力軸14の回転が伝達される。また、第3制御クラッチC−3の作動により第2サンギヤS1と第1リングギヤR0が入力軸14に接続され、第2サンギヤS1と第1リングギヤR0にも入力軸14の回転が伝達される。そして、この場合は、第3制御ブレーキB−3の作動により第1サンギヤS0が回転規制されているので、第1リングギヤR0の回転に伴い第1ピニオン25が第1サンギヤS0に反力を支持されて公転し、この第1ピニオン25を回転可能に支承する第1キャリヤC0が相互に連結された第2リングギヤR1と共に回転する。
すると、この第2リングギヤR1と第2サンギヤS1との回点差に応じて第2キャリヤC1が相互に連結された第3リングギヤR2と共に回転し、第3リングギヤR2と第3キャリヤC2との回転差に応じて第3サンギヤS2が相互に連結された第4サンギヤS3と共に回転する。そして、この第4サンギヤS3と第4リングギヤR3との回転差に応じて第4ピニオン30が公転し、第4ピニオン30を支承する第3要素としての第4キャリヤC3が回転する。その結果、この第4キャリヤC3に連結された出力軸17が図2に示す前進第6変速段のギヤ比0.8679で正転駆動される。
次に、前進第7変速段の場合は、第2制御クラッチC−2の作動により、互いに連結された第3キャリヤC2と第4リングギヤR3が入力軸14に接続され、第3キャリヤC2と第4リングギヤR3に入力軸14の回転が伝達される。また、第3制御クラッチC−3の作動により第2サンギヤS1と第1リングギヤR0が入力軸14に接続され、第2サンギヤS1と第1リングギヤR0にも入力軸14の回転が伝達される。そして、この場合は、第1制御ブレーキB−1の作動により、互いに連結された第2リングギヤR1と第1キャリヤC0が回転規制されているので、第2サンギヤS1の回転に伴って第2ピニオン27が第2リングギヤR1に反力を支持されて公転し、この第2ピニオン27を回転可能に支承する第2キャリヤC1が相互に連結された第3リングギヤR2と共に回転する。
すると、この第3リングギヤR2と第3キャリヤC2との回転差に応じて第3サンギヤS2が相互に連結された第4サンギヤS3と共に回転する。そして、この第4サンギヤS3と第4リングギヤR3との回転差に応じて第4ピニオン30が公転し、第4ピニオン30を支承する第3要素としての第4キャリヤC3が回転する。その結果、この第4キャリヤC3に連結された出力軸17が図2に示す前進第7変速段のギヤ比0.6675で正転駆動される。
次に、前進第8変速段の場合は、第2制御クラッチC−2の作動により、互いに連結された第3キャリヤC2と第4リングギヤR3が入力軸14に接続され、第3キャリヤC2と第4リングギヤR3に入力軸14の回転が伝達される。そして、この場合は、第2制御ブレーキB−2の作動により第3リングギヤR2が回転規制されているので、第3サンギヤS2が相互に連結された第4サンギヤS3と共に回転し、この第4サンギヤS3と第4リングギヤR3との回転差に応じて第4ピニオン30が公転し、第4ピニオン30を支承する第3要素としての第4キャリヤC3が回転する。その結果、この第4キャリヤC3に連結された出力軸17が図2に示す前進第8変速段のギヤ比0.5823で正転駆動される。
次に、後退第1変速段の場合は、第3制御クラッチC−3の作動により第2サンギヤS1と第1リングギヤR0が入力軸14に接続され、第2サンギヤS1と第1リングギヤR0に入力軸14の回転が伝達される。そして、この場合は、第1制御ブレーキB−1の作動により、互いに連結された第2リングギヤR1と第1キャリヤC0が回転規制されているので、第2サンギヤS1の回転に伴って第2ピニオン27が第2リングギヤR1に反力を支持されて公転し、この第2ピニオン27を回転可能に支承する第2キャリヤC1が相互に連結された第3リングギヤR2と共に回転する。そして、この場合には、第4制御ブレーキB−4の作動により、互いに連結された第4リングギヤR3と第3キャリヤC2が回転規制されているので、この第3キャリヤC2に支承された第3ピニオン29を介して第3サンギヤS2が相互に連結された第4サンギヤS3と共に逆転する。すると、第4サンギヤS3に噛合する第4ピニオン30が第4リングギヤR3に反力を支持されて公転し、第4ピニオン30を支承する第3要素としての第4キャリヤC3が回転する。その結果、この第4キャリヤC3に連結された出力軸17が後退第1変速段の所定ギヤ比で逆転駆動される。
次に、後退第2変速段の場合は、第3制御クラッチC−3の作動により第2サンギヤS1と第1リングギヤR0が入力軸14に接続され、第2サンギヤS1と第1リングギヤR0に入力軸14の回転が伝達される。そして、この場合は、第3制御ブレーキB−3の作動により第1サンギヤS0が回転規制されているので、第1リングギヤR0の回転に伴い第1ピニオン25が第1サンギヤS0に反力を支持されて公転し、この第1ピニオン25を回転可能に支承する第1キャリヤC0が相互に連結された第2リングギヤR1と共に回転し、この第2リングギヤR1と第2サンギヤS1との回点差に応じて第2キャリヤC1が相互に連結された第3リングギヤR2と共に回転する。
そして、この場合には、第4制御ブレーキB−4の作動により、互いに連結された第4リングギヤR3と第3キャリヤC2が回転規制されているので、この第3キャリヤC2に支承された第3ピニオン29を介して第3サンギヤS2が相互に連結された第4サンギヤS3と共に逆転する。すると、第4サンギヤS3に噛合する第4ピニオン30が第4リングギヤR3に反力を支持されて公転し、第4ピニオン30を支承する第3要素としての第4キャリヤC3が回転する。その結果、この第4キャリヤC3に連結された出力軸17が後退第2変速段の所定ギヤ比で逆転駆動される。
なお、上記した前進第1変速段では、第3サンギヤS2の回転に応じて第3リングギヤR2が逆回転するが、この第3リングギヤR2と相互に連結された第2キャリヤC1も逆回転する。そのため、第3制御クラッチC−3が設けられてない場合には、入力軸14の回転が第2キャリヤC1に支承された第2ピニオン27を介して第2リングギヤR1及びこの第2リングギヤR1に連結された第1キャリヤC0にも伝達され、第1キャリヤC0が回転することになる。すると、その第1キャリヤC0と第1リングギヤR0との間に大きな相対回転差が生じる結果、第1キャリヤC0に支承された第1ピニオン25に噛合する第1サンギヤS0が非常に高速で回転することになる。しかし、本実施形態の自動変速機10の場合は、第3制御クラッチC−3が設けられ、この第3制御クラッチC−3が前進第1変速段では切断されるようになっているため、上記したような第1サンギヤS0の非常な高速回転が回避される。
本実施形態の自動変速機10では各変速段が変速時に上記したような作動状態となり、入力軸14の回転数を1とした場合の各変速段における各サンギヤS0〜S3、各キャリヤC0〜C3、及び各リングギヤR0〜R3の回転比が図3の速度線図に示されるようになる。そのため、この図3の速度線図から明らかなように、各変速段における第3要素である第4キャリヤC3の回転比すなわちギヤ比が大きくばらつくことなく適当な間隔をもって配列され、適切に離間した前進8段、後退2段のギヤ比を実現できる。
さらに、変速段が1段アップしたときのギヤ比の増加割合であるステップ比は、図2に示すように、第1、第2変速段の間は1.717、第2、第3変速段の間は1.324、第3、第4変速段の間は1.386、第4、第5変速段の間は1.123、第5、第6変速段の間は1.152、第6、第7変速段の間は1.300、第7、第8変速段の間は1.146となる。すなわち、このステップ比についても、変速段毎に大きなばらつきのない状態で配分されるようになる。そして、各変速段におけるステップ比の値については、各ステップ比のうち最小値である第7、第8変速段の間のステップ比でも、その値は1.146となる。
したがって、本実施形態の自動変速機10によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)前進8段の各変速段におけるステップ比が、変速段毎において大きなばらつきのない状態で配分される。また、各変速段のステップ比の値は、それらの最小値である第7、第8変速段の間のステップ比でも1.146であり、「1」から離れた値、すなわち変速感をもたらすことが期待できる1.1よりも大きな値となる。したがって、各変速段の間のステップ比が適切に配分されることにより、加速を伴う変速時には明確な変速感でもって十分な加速フィーリングを得ることができる。
(2)また、前進第1変速段の変速時には、第3制御クラッチC−3が切断されるようになっており、第1キャリヤC0と第1リングギヤR0が大きな相対回転差を伴って回転することはないので、第1キャリヤC0に支承された第1ピニオン25に噛合する第1サンギヤS0が非常な高速で逆回転するような事態を回避することができる。
(3)また、第3制御クラッチC−3はトランスミッションケース12内において、各遊星歯車装置15,16が配置された箇所よりも前方寄りに配置することが可能となる。そのため、共通軸線13に沿う入力軸14内に油路を形成し、この油路を介して第3制御クラッチC−3に作動油を供給することも可能となり、第3制御クラッチC−3に対する作動油供給のための油路の確保が容易になる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の自動変速機に係る第2の実施形態について、図4及び図5を参照しながら説明する。なお、この第2の実施形態は、第3制御クラッチの配置箇所が第1の実施形態とは異なっており、その他は、第1の実施形態とは構成が共通している。したがって、以下においては第1の実施形態と相違する部分について主に説明することにし、共通する部材構成などについては同一符号を付すことにして重複した説明は省略する。
さて、本実施形態の自動変速機10においては、図4に示すように、減速用複式遊星歯車装置15において第1遊星歯車機構21の第1リングギヤR0及び第2遊星歯車機構22の第2サンギヤS1が共に入力軸14に接続され、それらの第1リングギヤR0及び第2サンギヤS1に入力軸14の回転が伝達されるようになっている。その一方、減速用複式遊星歯車装置15における第2遊星歯車機構22の第2キャリヤC1と変速用複式遊星歯車装置16における第3遊星歯車機構23の第3リングギヤR2とが第3制御クラッチC−3により係脱可能に連結されている。なお、その他の点では、図4に示すように、第1実施形態の場合と自動変速機10における各部材構成は同一である。
そして、この第2の実施形態においても、各変速段の変速時における作動状態は、第1の実施形態の場合と同様に、図2の作動表に示すとおりとなる。すなわち、前進第3変速段、前進第4変速段、前進第6変速段、前進第7変速段では、この第3制御クラッチC−3が作動し、その結果、相互に連結された第1リングギヤR0と第2キャリヤC1が第3リングギヤR2に接続されるようになる。なお、変速第5変速段でも第3制御クラッチC−3は係合するもののトルク(動力)伝達には関係しない。
また、入力軸14の回転数を1とした場合の各変速段における各サンギヤS0〜S3、各キャリヤC0〜C3、及び各リングギヤR0〜R3の回転比は、図5の速度線図に示すようになる。そのため、この第2の実施形態においても、各変速段における第3要素である第4キャリヤC3の回転比すなわちギヤ比が大きくばらつくことなく適当な間隔をもって配列され、適切に離間した前進8段、後退2段のギヤ比を実現できる。また、変速段が1段アップしたときのギヤ比の増加割合であるステップ比は、第1の実施形態の場合と同様に、図2に示すとおりの各ステップ比となる。
したがって、この第2実施形態の自動変速機10においても、第1の実施形態における前記(1)及び(2)と同様の作用効果を奏することができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の自動変速機に係る第3の実施形態について、図6〜図8を参照しながら説明する。なお、この第3の実施形態は、第3制御クラッチを有していない点で第1の実施形態とは異なっており、その他は、第1の実施形態とは構成が共通している。したがって、以下においては第1の実施形態と相違する部分について主に説明することにし、共通する部材構成などについては同一符号を付すことにして重複した説明は省略する。
さて、本実施形態の自動変速機10においては、図6に示すように、減速用複式遊星歯車装置15において第1遊星歯車機構21の第1リングギヤR0及び第2遊星歯車機構22の第2サンギヤS1が共に入力軸14に接続され、それらの第1リングギヤR0及び第2サンギヤS1に入力軸14の回転が伝達されるようになっている。なお、その他の点では、図6に示すように、第1実施形態の場合と自動変速機10における各部材構成は同一である。
そして、この第3の実施形態においては、各変速段の変速時における作動状態が、第1の実施形態と対比した場合、第3制御クラッチC−3を有していないことから、前進第1変速段、前進第2変速段、前進第8変速段、後退第1変速段、及び後退第2変速段において、第1の実施形態の場合とは異なり、第1サンギヤS0が回転することになる。
すなわち、これらの各変速段においては、第3サンギヤS2の回転に応じて第3リングギヤR2が逆回転するが、この第3リングギヤR2と相互に連結された第2キャリヤC1も逆回転する。そのため、第3制御クラッチC−3が設けられてない場合には、入力軸14の回転が第2キャリヤC1に支承された第2ピニオン27を介して第2リングギヤR1及びこの第2リングギヤR1に連結された第1キャリヤC0にも伝達され、第1キャリヤC0が回転することになる。その結果、第1キャリヤC0に支承された第1ピニオン25に噛合する第1サンギヤS0が回転することになる。そして、この場合の、第1サンギヤS0の回転速度は、第1キャリヤC0と第1リングギヤR0との相対回転差の大きさに対応したものとなる。したがって、前進第1変速段の場合に最も高速で回転することになる。
また、入力軸14の回転数を1とした場合の各変速段における各サンギヤS0〜S3、各キャリヤC0〜C3、及び各リングギヤR0〜R3の回転比は、図8の速度線図に示すようになる。そのため、この第3の実施形態においても、各変速段における第3要素である第4キャリヤC3の回転比すなわちギヤ比が大きくばらつくことなく適当な間隔をもって配列され、適切に離間した前進8段、後退2段のギヤ比を実現できる。また、変速段が1段アップしたときのギヤ比の増加割合であるステップ比は、第1の実施形態の場合と同様に、図7に示すとおりの各ステップ比となる。
したがって、この第3実施形態の自動変速機10においても、第1の実施形態における前記(1)と同様の作用効果を奏することができる。
なお、上記各実施形態は以下のような別の実施形態(別例)に変更しても良い。
・ 図9に示すように、上記第1の実施形態において、減速用複式遊星歯車装置15の第1遊星歯車機構21及び第2遊星歯車機構22における各サンギヤS0,S1、各キャリヤC0,C1、各リングギヤR0,R1から他の要素に連結又は連係するために延設されるハブの延設態様を変更してもよい。この図9に示す自動変速機10によれば、第3制御ブレーキB−3と第1制御ブレーキB−1との間隔が図1に示す第1の実施形態の自動変速機10の場合とは異なるような場合にも好適に対応することができる。
・ 図10に示すように、上記第2の実施形態において、減速用複式遊星歯車装置15の第1遊星歯車機構21及び第2遊星歯車機構22における各サンギヤS0,S1、各キャリヤC0,C1、各リングギヤR0,R1から他の要素に連結又は連係するために延設されるハブの延設態様を変更してもよい。この図10に示す自動変速機10によれば、第3制御ブレーキB−3と第1制御ブレーキB−1との間隔が図4に示す第2の実施形態の自動変速機10の場合とは異なるような場合にも好適に対応することができる。
・ 図11に示すように、上記第3の実施形態において、減速用複式遊星歯車装置15の第1遊星歯車機構21及び第2遊星歯車機構22における各サンギヤS0,S1、各キャリヤC0,C1、各リングギヤR0,R1から他の要素に連結又は連係するために延設されるハブの延設態様を変更してもよい。この図11に示す自動変速機10によれば、第3制御ブレーキB−3と第1制御ブレーキB−1との間隔が図6に示す第3の実施形態の自動変速機10の場合とは異なるような場合にも好適に対応することができる。
・ 上記各実施形態において、図2及び図7の各作動表に示す各ギヤ歯数比λ0,λ1,λ2,λ3を満足するならば、各遊星歯車機構21〜24において各サンギヤS0〜S3と各リングギヤR0〜R3の歯数は任意に設定可能である。
・ 図4に示した上記第2の実施形態及び図10に示した別の実施形態において、第3制御クラッチC−3は、第2リングギヤR1と第3リングギヤR2との間を係脱可能に連結し得るならば、その具体的な配置箇所は任意である。
・ 図1に示した上記第1の実施形態及び図4に示した第2の各実施形態並びに図9,図10に示した別の実施形態において、図2の作動表で第3制御クラッチC−3及び第1制御ブレーキB−1の黒丸で示す各変速段での係合関係は非作動状態であってもよい。
第1の実施形態の自動変速機のスケルトン図。 同じく各変速段における制御クラッチ及び制御ブレーキの作動表。 同じく各変速段における遊星歯車装置の各要素のギヤ比を示す速度線図。 第2の実施形態の自動変速機のスケルトン図。 同じく各変速段における遊星歯車装置の各要素のギヤ比を示す速度線図。 第3の実施形態の自動変速機のスケルトン図。 同じく各変速段における制御クラッチ及び制御ブレーキの作動表。 同じく各変速段における遊星歯車装置の各要素のギヤ比を示す速度線図。 別の実施形態の自動変速機のスケルトン図。 別の実施形態の自動変速機のスケルトン図。 別の実施形態の自動変速機のスケルトン図。
符号の説明
10…自動変速機、14…入力軸、15…減速用複式遊星歯車装置、16…変速用複式遊星歯車装置、17…出力軸、21〜24…遊星歯車機構、25,27,29,30…ピニオン、S0,S1,S2,S3…サンギヤ、C0,C1,C2,C3…キャリヤ、R0,R1.R2,R3…リングギヤ、C−1〜C−3…制御クラッチ、B−1〜B−4…制御ブレーキ、λ,λ0,λ1,λ2,λ3…ギヤ歯数比。

Claims (4)

  1. 共にシングルピニオン型の第1遊星歯車機構と第2遊星歯車機構を有する減速用複式遊星歯車装置及び共にシングルピニオン型の第3遊星歯車機構と第4遊星歯車機構を有する変速用複式遊星歯車装置を備え、
    前記減速用複式遊星歯車装置では、前記第1遊星歯車機構を、第1サンギヤ、該第1サンギヤに噛合する第1ピニオンを支承する第1キャリヤ、前記第1ピニオンに噛合する第1リングギヤを備えて構成すると共に、前記第2遊星歯車機構を、前記第1リングギヤに連結された第2サンギヤ、該第2サンギヤに噛合する第2ピニオンを支承する第2キャリヤ、前記第2ピニオンに噛合して前記第1キャリヤに連結された第2リングギヤを備えて構成し、前記第2サンギヤを入力軸に動力伝達可能に連結すると共に、前記第1サンギヤを第3制御ブレーキに連結し、前記第2リングギヤと第1キャリヤとを連結して第1制御ブレーキに連結し、
    前記変速用複式遊星歯車装置では、前記第3遊星歯車機構を、第3サンギヤ、該第3ギヤに噛合する第3ピニオンを支承する第3キャリヤ、前記第3ピニオンに噛合して前記第2キャリヤに動力伝達可能に連結された第3リングギヤを備えて構成すると共に、前記第4遊星歯車機構を、第4サンギヤ、該第4サンギヤに噛合する第4ピニオンを支承する第4キャリヤ、前記第4ピニオンに噛合して前記3キャリヤに連結された第4リングギヤを備えて構成し、前記第3サンギヤと前記第4サンギヤとを連結して前記入力軸に第1制御クラッチにより係脱可能に連結すると共に、前記第3リングギヤ及び前記第4リングギヤを第2制御ブレーキ及び第4制御ブレーキに夫々連結し、前記第3キャリヤを前記入力軸に第2制御クラッチにより係脱可能に連結すると共に、前記第4キャリヤを出力軸に連結し、前記第2キャリヤの回転が前記第3リングギヤに伝達されることを特徴とする自動変速機。
  2. 前記第1サンギヤの高速回転を防止するための第3制御クラッチを備えることを特徴とする請求項1に記載の自動変速機。
  3. 前記第3制御クラッチは、前記入力軸と前記第1リングギヤ及び第2サンギヤとを選択的に連結することを特徴とする請求項2に記載の自動変速機。
  4. 前記第3制御クラッチは、前記第2キャリヤと前記第3リングギヤとを選択的に連結することを特徴とする請求項2に記載の自動変速機。
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