本発明に係る車両用自動変速機について図面を参照して説明する。なお、以下で参照する図面では、同一またはそれに相当する部材には、同じ番号が付されている。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態を図1〜図3に基づいて、以下に説明する。図1を参照すると、符号10は本発明に係る車両用自動変速装置を示す。車両用自動変速装置10は、エンジンの出力回転を変速して駆動輪に伝達するために使用される。
自動変速装置10は、車体に取り付けられたハウジング11内に、回転軸線18と同軸に回転可能に順次支承された入力軸12、第1プラネタリギヤ13、第2プラネタリギヤ14、第3プラネタリギヤ15、第4プラネタリギヤ16、及び出力軸17を備えて構成されている。
第1プラネタリギヤ13は、回転軸線18と同軸に回転可能に支承された第1サンギヤS1、第1リングギヤR1、第1サンギヤS1と第1リングギヤR1とに噛合する第1ピニオンP1、及び第1ピニオンP1を支承する第1キャリアC1を備えて構成される。第1プラネタリギヤ13はシングルピニオン式遊星歯車機構である。
第2プラネタリギヤ14は、回転軸線18と同軸に回転可能に支承された第2サンギヤS2、第2リングギヤR2、第2サンギヤS2と第2リングギヤR2とに噛合する第2ピニオンP2、及び第2ピニオンP2を支承する第2キャリアC2を備えて構成される。第2プラネタリギヤ14はシングルピニオン式遊星歯車機構である。
第3プラネタリギヤ15は、回転軸線18と同軸に回転可能に支承された第3サンギヤS3、第3リングギヤR3、第3サンギヤS3と第3リングギヤR3とに噛合する第3ピニオンP3、及び第3ピニオンP3を支承する第3キャリアC3を備えて構成される。第3プラネタリギヤ15は、シングルピニオン式遊星歯車機構である。
第4プラネタリギヤ16は、回転軸線18と同軸に回転可能に支承された第4サンギヤS4、第4リングギヤR4、第4サンギヤS4と第4リングギヤR4とに噛合する第4ピニオンP4、及び第4ピニオンP4を支承する第4キャリアC4を備えて構成される。第4プラネタリギヤ16は、シングルピニオン式遊星歯車機構である。
入力軸12及び出力軸17は、ハウジング11に、回転軸線18周りに回転可能に軸承されている。入力軸12は、クラッチ装置(不図示)などを介してエンジンの出力回転動力を車両用自動変速装置10に入力する軸部材である。出力軸17は、変速された出力回転動力を差動装置(不図示)などを介して駆動輪に出力する軸部材である。
第1プラネタリギヤ13の第1サンギヤS1は、入力連結部材12aにより入力軸12に連結されている。入力連結部材12aは、ハウジング11の径方向外側に配置されている。第1プラネタリギヤ13の第1キャリアC1は、第2プラネタリギヤ14の第2サンギヤS2と連結している。第1ブレーキB1は、第1プラネタリギヤ13の第1リングギヤR1を、ハウジング11の内周面に係脱可能に固定する。
第2プラネタリギヤ14の第2リングギヤR2と第3プラネタリギヤ15の第3キャリアC3とが連結され、第3プラネタリギヤ15の第3キャリアC3と第4プラネタリギヤ16の第4リングギヤR4とが連結され、第3プラネタリギヤ15の第3サンギヤS3と第4プラネタリギヤ16の第4サンギヤS4とが互いに連結されている。第4プラネタリギヤ16の第4キャリアC4は、出力連結部材17aにより出力軸17に連結されている。
第1クラッチCL1は、入力連結部材12aに配される。第1クラッチCL1は、第1クラッチ連結部材1cを介して、入力軸12と、互いに連結された第3サンギヤS3及び第4サンギヤS4とを係脱可能に連結する。第1クラッチ連結部材1cは、第1サンギヤS1及び第2サンギヤS2から見てハウジング11の半径方向内側に配される。
第2クラッチCL2は、入力連結部材12aに配される。第2クラッチCL2は、第2クラッチ連結部材2cを介して、入力軸12と第2プラネタリギヤ14の第2キャリアC2とを係脱可能に連結する。第2クラッチ連結部材2cは、第1クラッチ連結部材1cから見て、ハウジング11の径方向外側に配される。
第3クラッチCL3は、第3クラッチ連結部材3cを介して、第2キャリアC2と第3プラネタリギヤ15の第3リングギヤR3とを係脱可能に連結する。第3クラッチ連結部材3cは、第2リングギヤR2から見て、ハウジング11の径方向外側に配される。
第2ブレーキB2は、第2ブレーキ連結部材2bを介して、ハウジング11の内周面に第2サンギヤS2を係脱可能に固定する。第3ブレーキB3は、ハウジング11の内周面に第2キャリアC2を係脱可能に固定する。
第1クラッチCL1、第2クラッチCL2、及び第3クラッチCL3と、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2、及び第3ブレーキB3との作動は、トランスミッションECU(以下単にTM−ECUと称す。)19により制御される。
第1プラネタリギヤ13は、第1サンギヤS1は入力軸12と連結し、第1リングギヤR1がハウジング11に固定可能であり、第1キャリアC1は、第2プラネタリギヤ14の第2サンギヤS2と連結する構成である。従って、第1ブレーキB1が作動することにより、第1リングギヤR1がハウジングに固定された場合に、第1キャリアC1は、入力軸12の回転数より小さな減速回転を出力する。このため、本実施形態の第2要素は第1キャリアC1に該当し、第1要素は第1サンギヤS1に該当し、第3要素は第1リングギヤR1に該当する。第2プラネタリギヤ14の第2サンギヤS2は、第1キャリアC1と連結されており、第1キャリアC1は、入力軸12の回転数より小さな減速回転を出力する第2要素である。このため、第1キャリアC1が入力軸12の回転よりも減速された回転となり、第2プラネタリギヤ14の第2ピニオンP2の高回転化を抑制できる。また、第2ブレーキB2の作動により第2サンギヤS2がハウジング11に固定された場合、第2サンギヤS2が回転規制される。このため、第2プラネタリギヤ14の第2ピニオンP2の高回転化を抑制できる。
以上のように構成された車両用自動変速装置10は、第3プラネタリギヤ15の第3キャリアC3と第4プラネタリギヤ16の第4リングギヤR4とが連結され、第3プラネタリギヤ15の第3サンギヤS3と第4プラネタリギヤ16の第4サンギヤS4とが連結される。この構成により、第3プラネタリギヤ15及び第4プラネタリギヤ16は、一つの複式遊星歯車装置を形成する。車両用自動変速装置10は、図2に示す様に、第1クラッチCL1、第2クラッチCL2、及び第3クラッチCL3を選択的に係脱し、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2、及び第3ブレーキB3を選択的に作動することにより、第1プラネタリギヤ13、第2プラネタリギヤ14、第3プラネタリギヤ15、及び第4プラネタリギヤ16の要素の回転を規制する。これにより、前進10段、後進1段の変速段を成立することができる。図2において、各変速段に対応する各クラッチ及びブレーキの欄に白丸が付されている場合、クラッチであれば接続状態、ブレーキであれば回転規制状態にあることを示す。
第1プラネタリギヤ13、第2プラネタリギヤ14、第3プラネタリギヤ15、及び第4プラネタリギヤ16の如く、シングルピニオン式遊星歯車機構においては、サンギヤの回転数Ns、キャリアの回転数Nc、リングギヤの回転数Nrと遊星歯車機構のギヤ比λとの関係は、式(1)で示され、各変速段におけるギヤ比は、式(1)に基づいて算出される。サンギヤS1,S2,S3,S4の歯数をZs1,Zs2,Zs3,Zs4、リングギヤR1,R2,R3,R4の歯数をZr1,Zr2,Zr3,Zr4とすると、第1ピニオンP1、第2ピニオンP2、第3ピニオンP3、及び第4ピニオンP4のギヤ比はそれぞれ、λ1=Zs1/Zr1,λ2=Zs2/Zr2,λ3=Zs3/Zr3,λ4=Zs4/Zr4である。
Nr=(1+λ)Nc−λNs・・・(1)
第1ブレーキB1、第2ブレーキB2、及び第3ブレーキB3を選択的に作動し、第1クラッチCL1、第2クラッチCL2、及び第3クラッチCL3を選択的に接続した場合、第1プラネタリギヤ13、第2プラネタリギヤ14、第3プラネタリギヤ15、及び第4プラネタリギヤ16の各要素の速度比は、図3に示す速度線図のようになる。
即ち、図3に示す速度線図は、第4サンギヤS4及び第3サンギヤS3が連結され、出力軸17に第4キャリアC4が連結され、第4リングギヤR4、第3キャリアC3、及び第2リングギヤR2が連結され、第3クラッチCL3により第3キャリアC3及び第2リングギヤR2が連結されるので、S4及びS3と、C4と、R4、C3、及びR2と、R3及びC2が付された各1本の縦線をギヤ比に対応させた間隔で横軸方向にそれぞれ配置し、各要素に対応してその速度比を縦軸方向に示したものである。
第4プラネタリギヤ16はシングルピニオン式遊星歯車機構であるので、第4リングギヤR4の縦線と第4サンギヤS4の縦線との間隔を1+λ4とみなし、第4サンギヤS4の縦線から見て第4リングギヤR4の縦線と同じ側において、第4サンギヤS4の縦線から間隔1だけ離して第4キャリアC4の縦線を配置する。
第3プラネタリギヤ15もシングルピニオン式遊星歯車機構であるので、第3リングギヤR3の縦線と第3サンギヤS3の縦線との間隔を1+λ3とみなし、第3サンギヤS3の縦線から見て第3リングギヤR3の縦線と同じ側において、第3サンギヤS3の縦線から間隔1だけ離して第3キャリアC3の縦線を配置する。
また、第2プラネタリギヤ14もシングルピニオン式遊星歯車機構であるので、第2リングギヤR2と第2キャリアC2の縦線との間隔をλ2とみなし、第2キャリアC2の縦線から見て第2リングギヤR2の縦線の反対側において、第2キャリアC2の縦線から間隔1だけ離して第2サンギヤS2の縦線を配置する。
速度線図には、第2ブレーキB2及び第3ブレーキB3と、第1クラッチCL1、第2クラッチCL2、及び第3クラッチCL3とが選択的に作動された点に、B2〜B3、CL1〜CL3が記入されている。
このように作成された車両用自動変速装置10の速度線図において、4本の各縦線に対応する要素を、縦線の並び順に第1、第2、第3、第4構成要素とする。第1実施形態の場合、第1構成要素としての第4サンギヤS4及び第3サンギヤS3は、第1クラッチCL1により入力軸12に連結され、第2構成要素としての第4キャリアC4は、出力軸17に連結され、第3構成要素としての第4リングギヤR4、第3キャリアC3、及び第2リングギヤR2は、相互に連結され、第4構成要素としての第3リングギヤR3及び第2キャリアC2は、第3クラッチCL3により相互に係脱可能に連結され、第2キャリアC2は、第2クラッチCL2により入力軸12に連結されている。
以下、各変速段の作動について説明する。前進第1変速段の場合、第1ブレーキB1が作動することにより、第1リングギヤR1が回転規制される。これにより、入力軸12の回転より回転数の小さな減速回転が第1キャリアC1に生じ、第2サンギヤS2に伝達される。第3ブレーキB3が作動することにより、第4構成要素の第2キャリアC2が回転規制される。これにより、第3構成要素の第2リングギヤR2、第3キャリアC3、及び第4リングギヤR4の回転が決まる。第1クラッチCL1が接続されることにより、第1構成要素の第3サンギヤS3及び第4サンギヤS4が入力軸12により回転駆動される。これにより、第2構成要素の第4キャリアC4と、第4キャリアC4に連結する出力軸17とは、第1変速段のギヤ比で正転駆動される。
前進第2変速段の場合、第2ブレーキB2が作動することにより、第2プラネタリギヤ14の第2サンギヤS2が回転規制される。第3ブレーキB3が作動することにより、第4構成要素の第2キャリアC2が回転規制される。これにより、第3構成要素の第2リングギヤR2、第3キャリアC3、及び第4リングギヤR4が回転規制される。第1クラッチCL1が接続されることにより、第1構成要素の第3サンギヤS3及び第4サンギヤS4が入力軸12により回転駆動される。これにより、第2構成要素の第4キャリアC4と、第4キャリアC4に連結する出力軸17とが、第2変速段のギヤ比で正転駆動される。
前進第3変速段の場合、第3クラッチCL3が接続されることにより、第4構成要素の第2キャリアC2及び第3リングギヤR3の連結が加わり、第3構成要素の第2リングギヤR2及び第3キャリアC3が連結される。この構成により、第2プラネタリギヤ14、第3プラネタリギヤ15、及び第4プラネタリギヤ16は、一つの複式遊星歯車装置を形成する。第3ブレーキB3が作動することにより、第4構成要素の第2キャリアC2が回転規制される。第1クラッチCL1が接続されることにより、第1構成要素の第3サンギヤS3及び第4サンギヤS4が入力軸12により回転駆動される。これにより、第2構成要素の第4キャリアC4と、第4キャリアC4に連結する出力軸17とが、第3変速段のギヤ比で正転駆動される。
前進第4変速段の場合、第3クラッチCL3が接続されることにより、第4構成要素の第2キャリアC2及び第3リングギヤR3の連結が加わり、第3構成要素の第2リングギヤR2及び第3キャリアC3が連結される。この構成により、第2プラネタリギヤ14、第3プラネタリギヤ15、及び第4プラネタリギヤ16は、一つの複式遊星歯車装置を形成する。第2ブレーキB2が作動することにより、第2サンギヤS2が回転規制される。第1クラッチCL1が接続されることにより、第1構成要素の第4サンギヤS4及び第3サンギヤS3が入力軸12により回転駆動される。これにより、第2構成要素の第4キャリアC4と、第4キャリアC4に連結する出力軸17とが、第4変速段のギヤ比で正転駆動される。
前進第5変速段の場合、第3クラッチCL3が接続されることにより、第4構成要素の第2キャリアC2及び第3リングギヤR3の連結が加わり、第3構成要素の第2リングギヤR2及び第3キャリアC3が連結される。この構成により、第2プラネタリギヤ14、第3プラネタリギヤ15、及び第4プラネタリギヤ16は、一つの複式遊星歯車装置を形成する。第1ブレーキB1が作動することにより、第1リングギヤR1は、回転規制される。これにより、入力軸12の回転より回転数の小さな減速回転が第1キャリアC1に生じ、第2サンギヤS2に伝達される。第1クラッチCL1が接続されることにより、第1構成要素の第4サンギヤS4、第3サンギヤS3は入力軸12により回転駆動されることにより、第2構成要素の第4キャリアC4と、第4キャリアC4に連結する出力軸17とは、第5変速段のギヤ比で正転駆動される。
前進第6変速段の場合、第3クラッチCL3が接続されることにより、第4構成要素の第2キャリアC2及び第3リングギヤR3の連結が加わり、第3構成要素の第2リングギヤR2及び第3キャリアC3が連結される。この構成により、第2プラネタリギヤ14、第3プラネタリギヤ15、及び第4プラネタリギヤ16は、一つの複式遊星歯車装置を形成する。第2クラッチCL2が接続されることにより、第4構成要素の第2キャリアC2が入力軸12により回転駆動される。第1クラッチCL1が接続されることにより、第1構成要素の第3サンギヤS3及び第4サンギヤS4が入力軸12により回転駆動される。これにより、第2構成要素の第4キャリアC4と、第4キャリアC4に連結する出力軸17とが、第6変速段のギヤ比1.000で正転駆動される。
前進第7変速段の場合、第1ブレーキB1が作動することにより、第1リングギヤR1が回転規制される。これにより、入力軸12の回転より回転数の小さな減速回転が第1キャリアC1に生じ、第2サンギヤS2に伝達される。第2クラッチCL2が接続されることにより、第4構成要素の第2キャリアC2が入力軸12により回転駆動される。これにより、第3構成要素の第2リングギヤR2、第3キャリアC3、及び第4リングギヤR4の回転が決まる。第1クラッチCL1が接続されることにより、第1構成要素の第3サンギヤS3及び第4サンギヤS4が入力軸12により回転駆動される。これにより、第2構成要素の第4キャリアC4と、第4キャリアC4に連結する出力軸17とが、第7変速段のギヤ比で正転駆動される。
前進第8変速段の場合、第2ブレーキB2が作動することにより、第2プラネタリギヤ14の第2サンギヤS2が回転規制される。第2クラッチCL2が接続されることにより、第4構成要素の第2キャリアC2が入力軸12により回転駆動される。これにより、第3構成要素の第2リングギヤR2、第3キャリアC3、及び第4リングギヤR4の回転が決まる。第1クラッチCL1が接続されることにより、第1構成要素の第3サンギヤS3及び第4サンギヤS4が入力軸12により回転駆動される。これにより、第2構成要素の第4キャリアC4と、第4キャリアC4に連結する出力軸17とが、第8変速段のギヤ比で正転駆動される。
前進第9変速段の場合、第3クラッチCL3が接続されることにより、第4構成要素の第2キャリアC2及び第3リングギヤR3の連結が加わり、第3構成要素の第2リングギヤR2及び第3キャリアC3が連結される。この構成により、第2プラネタリギヤ14、第3プラネタリギヤ15、及び第4プラネタリギヤ16は、一つの複式遊星歯車装置を形成する。第1ブレーキB1が作動することにより、第1リングギヤR1が回転規制される。これにより、入力軸12の回転より回転数の小さな減速回転が第1キャリアC1に生じ、第2サンギヤS2に伝達される。第2クラッチCL2が接続されることにより、第4構成要素の第2キャリアC2が入力軸12により回転駆動される。これにより、第2構成要素の第4キャリアC4と、第4キャリアC4に連結する出力軸17とが、第9変速段のギヤ比で正転駆動される。
前進第10変速段の場合、第3クラッチCL3が接続されることにより、第4構成要素の第2キャリアC2及び第3リングギヤR3の連結が加わり、第3構成要素の第2リングギヤR2及び第3キャリアC3が連結される。この構成により、第2プラネタリギヤ14、第3プラネタリギヤ15、及び第4プラネタリギヤ16は、一つの複式遊星歯車装置を形成する。第2ブレーキB2が作動することにより、第2サンギヤS2が回転規制される。第2クラッチCL2が接続されることにより、第4構成要素の第2キャリアC2が入力軸12により回転駆動される。これにより、第2構成要素の第4キャリアC4と、第4キャリアC4に連結する出力軸17とが、第9変速段のギヤ比で正転駆動される。
後退第1変速段の場合、第3クラッチCL3が接続されることにより、第4構成要素の第2キャリアC2及び第3リングギヤR3の連結が加わり、第3構成要素の第2リングギヤR2及び第3キャリアC3が連結される。この構成により、第2プラネタリギヤ14、第3プラネタリギヤ15、及び第4プラネタリギヤ16は、一つの複式遊星歯車装置を形成する。第1ブレーキB1が作動することにより、第1リングギヤR1が回転規制される。これにより、入力軸12の回転より回転数の小さな減速回転が第1キャリアC1に生じ、第2サンギヤS2に伝達される。第3ブレーキB3が作動することにより、第4構成要素の第2キャリアC2が回転規制される。これにより、第2構成要素の第4キャリアC4と、第4キャリアC4に連結する出力軸17とが、後退第1変速段のギヤ比で逆転駆動される。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態を図4及び図5に基づいて、以下に説明する。図4を参照すると、符号20は本発明に係る車両用自動変速装置を示す。車両用自動変速装置20は、前述の第1実施形態の車両用自動変速装置10と同様に、車体に取り付けられたハウジング11内に、回転軸線18と同軸に回転可能に順次支承された入力軸12、第1プラネタリギヤ13、第2プラネタリギヤ14、第3プラネタリギヤ15、第4プラネタリギヤ16、及び出力軸17を備えて構成されている。
第1プラネタリギヤ13は、第1実施形態におけるシングルピニオン式遊星歯車機構に代えて、回転軸線18と同軸に回転可能に支承された第1サンギヤS1、第1リングギヤR1、第1サンギヤS1と第1リングギヤR1とに噛合する第1ピニオンP1a、P1b、及び第1ピニオンP1a、P1bを支承する第1キャリアC1を備えて構成される。第1プラネタリギヤ13はダブルピニオン式遊星歯車機構である。第2プラネタリギヤ14、第3プラネタリギヤ15、及び第4プラネタリギヤ16は、第1実施形態と同様にシングルピニオン式遊星歯車機構である。
第1プラネタリギヤ13の第1サンギヤS1は、第1実施形態と同様に、入力連結部材12aにより入力軸12に連結されている。第1プラネタリギヤ13の第1リングギヤR1は、第1実施形態とは相違して、第2ブレーキ連結部材2bを介して第2プラネタリギヤ14の第2サンギヤS2と連結されている。第1ブレーキB1は、第1実施形態とは相違して、第1キャリアC1をハウジング11の内周面に係脱可能に固定する。第2ブレーキB2は、第1実施形態と同様に、第2サンギヤS2をハウジング11の内周面に係脱可能に固定する。車両用自動変速装置10の第2実施形態のその余の構成は、第1実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
なお、プラネタリギヤがダブルピニオン式遊星歯車機構においては、サンギヤの回転数Ns、キャリアの回転数Nc、リングギヤの回転数Nrと遊星歯車機構のギヤ比λとの関係は、式(2)で示され、各変速段におけるギヤ比は、式(2)に基づいて算出される。サンギヤS1,S2,S3,S4の歯数をZs1,Zs2,Zs3,Zs4、リングギヤR1,R2,R3,R4の歯数をZr1,Zr2,Zr3,Zr4とすると、第1ピニオンP1、第2ピニオンP2、第3ピニオンP3、及び第4ピニオンP4のギヤ比はそれぞれ、λ1=Zs1/Zr1,λ2=Zs2/Zr2,λ3=Zs3/Zr3,λ4=Zs4/Zr4である。
Nr=(1−λ)Nc+λNs・・・(2)
第1プラネタリギヤ13は、第1サンギヤS1が入力軸12と連結され、第1キャリアC1が第1ブレーキB1によりハウジング11に固定可能であり、第1リングギヤR1が、第2プラネタリギヤ14の第2サンギヤS2と連結された構成である。そして、第2プラネタリギヤ14の第2サンギヤS2は、第1実施形態と同様に第2ブレーキ連結部材2bを介して第2ブレーキB2によりハウジング11に係脱可能に固定される。従って、第1リングギヤR1は、入力軸12の回転数より小さな減速回転を出力する。このため、本実施形態の第2要素は第1リングギヤR1に該当し、第1要素は第1サンギヤS1に該当し、第3要素は第1キャリアC1に該当する。第2プラネタリギヤ14の第2サンギヤS2は、第1リングギヤR1と連結されており、入力軸12の回転よりも減速された回転となる第2要素である。このため、第2プラネタリギヤ14の第2ピニオンP2の高回転化を抑制できる。また、第2サンギヤS2は、第2ブレーキB2によりハウジング11に固定されるため、第2プラネタリギヤ14の第2ピニオンP2の高回転化を抑制できる。
以上のように構成された車両用自動変速装置20は、第2プラネタリギヤ14、第3プラネタリギヤ15、及び第4プラネタリギヤ16の各要素の連結は、第2サンギヤS2が第1リングギヤR1に連結されたことを除いて、第1実施形態の車両用自動変速装置10と同じである。図2と同様に、車両用自動変速装置20は、TM−ECU19による制御により、第1クラッチCL1、第2クラッチCL2、及び第3クラッチCL3を選択的に係脱し、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2、及び第3ブレーキB3を選択的にする。これにより、第1プラネタリギヤ13、第2プラネタリギヤ14、第3プラネタリギヤ15、及び第4プラネタリギヤ16の要素の回転を規制する。これにより、前進10段、後進1段の変速段を成立することができ、その速度線図は、図5に示す如くとなる。なお、車両用自動変速装置20における各変速段の作動については、第1実施形態の車両用自動変速装置10における第1クラッチCL1、第2クラッチCL2、及び第3クラッチCL3と、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2、及び第3ブレーキB3との作動と同じであるので、詳細な説明は省略する。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態を図6〜図8に基づいて、以下に説明する。図6を参照すると、符号30は本発明に係る車両用自動変速装置を示す。車両用自動変速装置30は、前述の第1実施形態と同様に、車体に取り付けられたハウジング11内に、回転軸線18と同軸に回転可能に順次支承された入力軸12、第1プラネタリギヤ13、第2プラネタリギヤ14、第3プラネタリギヤ15、第4プラネタリギヤ16、及び出力軸17を備えて構成されている。
第1プラネタリギヤ13、第2プラネタリギヤ14、第3プラネタリギヤ15、及び第4プラネタリギヤ16は、第1実施形態と同様にシングルピニオン式遊星歯車機構である。
第1プラネタリギヤ13の第1リングギヤR1は、入力連結部材12aに配した第3クラッチにより入力軸12と係脱可能に連結される。第1プラネタリギヤ13の第1キャリアC1は、第1ブレーキ連結部材1bを介して第2プラネタリギヤ14の第2サンギヤS2と連結されている。第1プラネタリギヤ13の第1サンギヤS1は、ハウジング11の内周面に固定されている。第1ブレーキB1は、第2サンギヤS2をハウジング11の内周面に係脱可能に固定する。第2ブレーキB2は、第2プラネタリギヤ14の第2キャリアC2をハウジング11の内周面に係脱可能に固定する。第4クラッチCL4は、第2プラネタリギヤ14の第2キャリアC2と第3プラネタリギヤ15の第3リングギヤR3とを係脱可能に連結する。第3実施形態の車両用自動変速装置30のその余の構成は、第1実施形態の車両用自動変速装置10と同様であるため、詳細な説明は省略する。
第1プラネタリギヤ13は、第1リングギヤR1が入力軸12と連結可能であり、第1サンギヤS1がハウジング11に固定されており、第1キャリアC1が、第2プラネタリギヤ14の第2サンギヤS2と連結された構成である。そして、第2プラネタリギヤ14の第2サンギヤS2は、第1ブレーキ連結部材1bを介して第1ブレーキB1によりハウジング11に係脱可能に固定される。従って、第1キャリアC1は、入力軸12の回転数より小さな減速回転を出力する。このため、本実施形態の第2要素は第1キャリアC1に該当し、第1要素は第1リングギヤR1に該当し、第3要素は第1サンギヤS1に該当する。第2プラネタリギヤ14の第2サンギヤS2は、第1キャリアC1と連結されており、第1キャリアC1は、入力軸12の回転数より小さな減速回転を出力する第2要素である。このため、入力軸12の回転よりも減速された回転となり、第2プラネタリギヤ14の第2ピニオンP2の高回転化を抑制できる。また、第2サンギヤS2は、第1ブレーキB1によりハウジング11に固定されるため、第2プラネタリギヤ14の第2ピニオンP2の高回転化を抑制できる。
以上のように構成された車両用自動変速装置30は、第2プラネタリギヤ14、第3プラネタリギヤ15、及び第4プラネタリギヤ16の各要素の連結は、第1実施形態の車両用自動変速装置10と同じである。図7に示す様に、車両用自動変速装置30は、TM−ECU19による制御により、第1クラッチCL1、第2クラッチCL2、第3クラッチCL3、及び第4クラッチCL4を選択的に係脱し、第1及び第2ブレーキB1、B2を選択的にする。これにより、第1プラネタリギヤ13、第2プラネタリギヤ14、第3プラネタリギヤ15、及び第4プラネタリギヤ16の要素の回転を規制する。これにより、前進10段、後進1段の変速段を成立することができ、その速度線図は、図8に示す如くとなる。なお、車両用自動変速装置30における各変速段の作動については、第1クラッチCL1、第2クラッチCL2、第3クラッチCL3、及び第4クラッチCL4と第1及び第2ブレーキB1、B2が、第1実施形態の車両用自動変速装置10における第1クラッチCL1、第2クラッチCL2、及び第3クラッチCL3と、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2、及び第3ブレーキB3とに代えての呼称の相違があるが、同じ機能を発揮するので、詳細な説明は省略する。
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態を図9、図10に基づいて、以下に説明する。図9を参照すると、符号40は本発明に係る車両用自動変速装置を示す。車両用自動変速装置40は、前述の第3実施形態の車両用自動変速装置30と同様に、車体に取り付けられたハウジング11内に、回転軸線18と同軸に回転可能に順次支承された入力軸12、第1プラネタリギヤ13、第2プラネタリギヤ14、第3プラネタリギヤ15、第4プラネタリギヤ16、及び出力軸17を備えて構成されている。
第1プラネタリギヤ13は、第3実施形態におけるシングルピニオン式遊星歯車機構に代えて、ダブルピニオン式遊星歯車機構である。第1プラネタリギヤ13は、回転軸線18と同軸に回転可能に支承された第1サンギヤS1、第1リングギヤR1、第1サンギヤS1と第1リングギヤR1とに噛合する第1ピニオンP1a、P1b、及び第1ピニオンP1a、P1bを支承する第1キャリアC1を備えて構成される。第2プラネタリギヤ14、第3プラネタリギヤ15、及び第4プラネタリギヤ16は、第3実施形態と同様にシングルピニオン式遊星歯車機構である。
第1プラネタリギヤ13の第1キャリアC1は、入力連結部材12aに配した第3クラッチCL3により入力軸12と係脱可能に連結される。第1プラネタリギヤ13の第1リングギヤR1は、第1ブレーキ連結部材1bを介して第2プラネタリギヤ14の第2サンギヤS2と連結されている。第1プラネタリギヤ13の第1サンギヤS1は、ハウジング11の内周面に固定されている。第4実施形態の車両用自動変速装置40のその余の構成は、第3実施形態の車両用自動変速装置30と同様であるため、詳細な説明は省略する。
第1プラネタリギヤ13は、第1キャリアC1が入力軸12と連結可能であり、第1サンギヤS1がハウジング11に固定されており、第1リングギヤR1が、第2プラネタリギヤ14の第2サンギヤS2と連結された構成である。そして、第2プラネタリギヤ14の第2サンギヤS2は、第1ブレーキ連結部材1bを介して第1ブレーキB1によりハウジング11に係脱可能に固定される。従って、第1リングギヤR1は、入力軸12の回転数より小さな減速回転を出力する。このため、本実施形態の第2要素は第1リングギヤR1に該当し、第1要素は第1キャリアC1に該当し、第3要素は第1サンギヤS1に該当する。第2プラネタリギヤ14の第2サンギヤS2は、第1リングギヤR1と連結されており、第1リングギヤR1は、入力軸12の回転数より小さな減速回転を出力する第2要素である。このため、入力軸12の回転よりも減速された回転となり、第2プラネタリギヤ14の第2ピニオンP2の高回転化を抑制できる。また、第2サンギヤS2は、第1ブレーキB1によりハウジング11に固定されるため、第2プラネタリギヤ14の第2ピニオンP2の高回転化を抑制できる。
以上のように構成された車両用自動変速装置40は、第2プラネタリギヤ14、第3プラネタリギヤ15、及び第4プラネタリギヤ16の各要素の連結は、第2サンギヤS2が第1リングギヤR1に連結されたことを除いて、第3実施形態の車両用自動変速装置30と同じである。図7に示す様に、車両用自動変速装置40は、TM−ECU19による制御により、第1クラッチCL1、第2クラッチCL2、第3クラッチCL3、及び第4クラッチCL4を選択的に係脱し、第1及び第2ブレーキB1、B2を選択的にする。これにより、第1プラネタリギヤ13、第2プラネタリギヤ14、第3プラネタリギヤ15、及び第4プラネタリギヤ16の要素の回転を規制する。これにより、前進10段、後進1段の変速段を成立することができ、その速度線図は、図10に示す如くとなる。なお、車両用自動変速装置40における各変速段の作動については、第1クラッチCL1、第2クラッチCL2、第3クラッチCL3、及び第4クラッチCL4と第1及び第2ブレーキB1、B2が、第3実施形態の車両用自動変速装置30と同様であるので、詳細な説明は省略する。
<第5実施形態>
次に、本発明の第5実施形態を図11に基づいて、以下に説明する。図11を参照すると、符号50は本発明に係る車両用自動変速装置を示す。車両用自動変速装置50は、前述の第1実施形態と同様に、車体に取り付けられたハウジング11内に、回転軸線18と同軸に回転可能に順次支承された入力軸12、第1プラネタリギヤ13、第2プラネタリギヤ14、第3プラネタリギヤ15、第4プラネタリギヤ16、及び出力軸17を備えて構成されている。
第1プラネタリギヤ13、第2プラネタリギヤ14、第3プラネタリギヤ15、及び第4プラネタリギヤ16は、第1実施形態と同様にシングルピニオン式遊星歯車機構である。
第1プラネタリギヤ13の第1リングギヤR1は、入力連結部材12aにより入力軸12に連結される。第1プラネタリギヤ13の第1キャリアC1は、第2ブレーキ連結部材2bを介して第2プラネタリギヤ14の第2サンギヤS2と連結されている。第1プラネタリギヤ13の第1サンギヤS1は、第1ブレーキB1によりハウジング11の内周面に係脱可能に固定される。第5実施形態の車両用自動変速装置50のその余の構成は、第1実施形態の車両用自動変速装置10と同様であるため、詳細な説明は省略する。
第1プラネタリギヤ13は、第1リングギヤR1が入力軸12と連結され、第1サンギヤS1がハウジング11に係脱可能に固定されており、第1キャリアC1が、第2プラネタリギヤ14の第2サンギヤS2と連結された構成である。そして、第2プラネタリギヤ14の第2サンギヤS2は、第2ブレーキ連結部材2bを介して第2ブレーキB2によりハウジング11に係脱可能に固定される。従って、第1キャリアC1は、入力軸12の回転数より小さな減速回転を出力する。このため、本実施形態の第2要素は第1キャリアC1に該当し、第1要素は第1リングギヤR1に該当し、第3要素は第1サンギヤS1に該当する。第2プラネタリギヤ14の第2サンギヤS2は、第1キャリアC1と連結されており、第1キャリアC1は、入力軸12の回転数より小さな減速回転を出力する第2要素である。このため、入力軸12の回転よりも減速された回転となり、第2プラネタリギヤ14の第2ピニオンP2の高回転化を抑制できる。また、第2サンギヤS2は、第2ブレーキB2によりハウジング11に固定されるため、第2プラネタリギヤ14の第2ピニオンP2の高回転化を抑制できる。
以上のように構成された車両用自動変速装置50は、第2プラネタリギヤ14、第3プラネタリギヤ15、及び第4プラネタリギヤ16の各要素の連結は、第1実施形態の車両用自動変速装置10と同じである。図2に示す様に、車両用自動変速装置50は、TM−ECU19による制御により、第1クラッチCL1、第2クラッチCL2、及び第3クラッチCL3を選択的に係脱し、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2、及び第3ブレーキB3を選択的にする。これにより、第1プラネタリギヤ13、第2プラネタリギヤ14、第3プラネタリギヤ15、及び第4プラネタリギヤ16の要素の回転を規制する。これにより、前進10段、後進1段の変速段を成立することができ、その速度線図は、図3に示す如くとなる。なお、車両用自動変速装置50における各変速段の作動については、第1実施形態の車両用自動変速装置10と同様であるので、詳細な説明は省略する。
<第6実施形態>
次に、本発明の第6実施形態を図12に基づいて、以下に説明する。図12を参照すると、符号60は本発明に係る車両用自動変速装置を示す。車両用自動変速装置60は、前述の第2実施形態と同様に、車体に取り付けられたハウジング11内に、回転軸線18と同軸に回転可能に順次支承された入力軸12、第1プラネタリギヤ13、第2プラネタリギヤ14、第3プラネタリギヤ15、第4プラネタリギヤ16、及び出力軸17を備えて構成されている。
第2実施形態と同様に、第1プラネタリギヤ13は、ダブルピニオン式遊星歯車機構であり、第2プラネタリギヤ14、第3プラネタリギヤ15、及び第4プラネタリギヤ16は、シングルピニオン式遊星歯車機構である。
第1プラネタリギヤ13の第1キャリアC1は、入力連結部材12aにより入力軸12と連結されている。第1プラネタリギヤ13の第1リングギヤR1は、第2ブレーキ連結部材2bを介して第2プラネタリギヤ14の第2サンギヤS2と連結されている。第1プラネタリギヤ13の第1サンギヤS1は、第1ブレーキB1を介してハウジング11の内周面に係脱可能に固定されている。第6実施形態の車両用自動変速装置50のその余の構成は、第2実施形態の車両用自動変速装置20と同様であるため、詳細な説明は省略する。
第1プラネタリギヤ13は、第1キャリアC1が入力軸12に連結され、第1サンギヤS1がハウジング11に係脱可能に固定されており、第1リングギヤR1が、第2プラネタリギヤ14の第2サンギヤS2と連結された構成である。そして、第2プラネタリギヤ14の第2サンギヤS2は、第2ブレーキ連結部材2bを介して第2ブレーキB2によりハウジング11に係脱可能に固定される。従って、第1リングギヤR1は、入力軸12の回転数より小さな減速回転を出力する。このため、本実施形態の第2要素は第1リングギヤR1に該当し、第1要素は第1キャリアC1に該当し、第3要素は第1サンギヤS1に該当する。第2プラネタリギヤ14の第2サンギヤS2は、第1リングギヤR1と連結されており、第1リングギヤR1は、入力軸12の回転数より小さな減速回転を出力する第2要素である。このため、入力軸12の回転よりも減速された回転となり、第2プラネタリギヤ14の第2ピニオンP2の高回転化を抑制できる。また、第2サンギヤS2は、第2ブレーキB2によりハウジング11に固定されるため、第2プラネタリギヤ14の第2ピニオンP2の高回転化を抑制できる。
以上のように構成された車両用自動変速装置60は、第2プラネタリギヤ14、第3プラネタリギヤ15、及び第4プラネタリギヤ16の各要素の連結は、第2実施形態の車両用自動変速装置20と同じである。図2に示す様に、車両用自動変速装置60は、TM−ECU19による制御により、第1クラッチCL1、第2クラッチCL2、及び第3クラッチCL3を選択的に係脱し、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2、及び第3ブレーキB3を選択的にする。これにより、第1プラネタリギヤ13、第2プラネタリギヤ14、第3プラネタリギヤ15、及び第4プラネタリギヤ16の要素の回転を規制する。これにより、前進10段、後進1段の変速段を成立することができ、その速度線図は、図5に示す如くとなる。なお、車両用自動変速装置60における各変速段の作動については、第2実施形態の車両用自動変速装置20と同様であるので、詳細な説明は省略する。
<第7実施形態>
次に、本発明の第7実施形態を図13に基づいて、以下に説明する。図13を参照すると、符号70は本発明に係る車両用自動変速装置を示す。車両用自動変速装置70は、前述の第3実施形態と同様に、車体に取り付けられたハウジング11内に、回転軸線18と同軸に回転可能に順次支承された入力軸12、第1プラネタリギヤ13、第2プラネタリギヤ14、第3プラネタリギヤ15、第4プラネタリギヤ16、及び出力軸17を備えて構成されている。
第1プラネタリギヤ13、第2プラネタリギヤ14、第3プラネタリギヤ15、及び第4プラネタリギヤ16は、第3実施形態と同様にシングルピニオン式遊星歯車機構である。
第1プラネタリギヤ13の第1サンギヤS1は、入力連結部材12aに配された第3クラッチCL3により入力軸12に係脱可能に連結される。第1プラネタリギヤ13の第1キャリアC1は、第1ブレーキ連結部材1bを介して第2プラネタリギヤ14の第2サンギヤS2と連結されている。第1プラネタリギヤ13の第1リングギヤR1は、ハウジング11の内周面に固定されている。第7実施形態の車両用自動変速装置70のその余の構成は、第3実施形態の車両用自動変速装置30と同様であるため、詳細な説明は省略する。
第1プラネタリギヤ13は、第1サンギヤS1が入力軸12と連結可能であり、第1リングギヤR1がハウジング11に固定されており、第1キャリアC1が、第2プラネタリギヤ14の第2サンギヤS2と連結された構成である。そして、第2プラネタリギヤ14の第2サンギヤS2は、第1ブレーキ連結部材1bを介して第1ブレーキB1によりハウジング11に係脱可能に固定される。従って、第1キャリアC1は、入力軸12の回転数より小さな減速回転を出力する。このため、本実施形態の第2要素は第1キャリアC1に該当し、第1要素は第1サンギヤS1に該当し、第3要素は第1リングギヤR1に該当する。第2プラネタリギヤ14の第2サンギヤS2は、第1キャリアC1と連結されており、第1キャリアC1は、入力軸12の回転数より小さな減速回転を出力する第2要素である。このため、入力軸12の回転よりも減速された回転となり、第2プラネタリギヤ14の第2ピニオンP2の高回転化を抑制できる。また、第2サンギヤS2は、第1ブレーキB1によりハウジング11に固定されるため、第2プラネタリギヤ14の第2ピニオンP2の高回転化を抑制できる。
以上のように構成された車両用自動変速装置70は、第2プラネタリギヤ14、第3プラネタリギヤ15、及び第4プラネタリギヤ16の各要素の連結は、第3実施形態の車両用自動変速装置30と同じである。図7に示す様に、車両用自動変速装置70は、TM−ECU19による制御により、第1クラッチCL1、第2クラッチCL2、第3クラッチCL3、及び第4クラッチCL4を選択的に係脱し、第1及び第2ブレーキB1、B2を選択的にする。これにより、第1プラネタリギヤ13、第2プラネタリギヤ14、第3プラネタリギヤ15、及び第4プラネタリギヤ16の要素の回転を規制する。これにより、前進10段、後進1段の変速段を成立することができ、その速度線図は、図8に示す如くとなる。なお、車両用自動変速装置70における各変速段の作動については、第3実施形態の車両用自動変速装置30と同様であるので、詳細な説明は省略する。
<第8実施形態>
次に、本発明の第8実施形態を図14に基づいて、以下に説明する。図14を参照すると、符号80は本発明に係る車両用自動変速装置を示す。車両用自動変速装置80は、前述の第4実施形態と同様に、車体に取り付けられたハウジング11内に、回転軸線18と同軸に回転可能に順次支承された入力軸12、第1プラネタリギヤ13、第2プラネタリギヤ14、第3プラネタリギヤ15、第4プラネタリギヤ16、及び出力軸17を備えて構成されている。
第4実施形態と同様に、第1プラネタリギヤ13は、ダブルピニオン式遊星歯車機構であり、第2プラネタリギヤ14、第3プラネタリギヤ15、及び第4プラネタリギヤ16は、シングルピニオン式遊星歯車機構である。
第1プラネタリギヤ13の第1サンギヤS1は、入力連結部材12aに配された第3クラッチCL3により入力軸12と係脱可能に連結されている。第1プラネタリギヤ13の第1リングギヤR1は、第1ブレーキ連結部材1bにより第2プラネタリギヤ14の第2サンギヤS2と連結されている。第1プラネタリギヤ13の第1キャリアC1は、ハウジング11の内周面に固定されている。第8実施形態の車両用自動変速装置80のその余の構成は、第4実施形態の車両用自動変速装置40と同様であるため、詳細な説明は省略する。
第1プラネタリギヤ13は、第1サンギヤS1が入力軸12に係脱可能に連結され、第1キャリアC1がハウジング11に固定されており、第1リングギヤR1が、第2プラネタリギヤ14の第2サンギヤS2と連結された構成である。そして、第2プラネタリギヤ14の第2サンギヤS2は、第1ブレーキ連結部材1bを介して第1ブレーキB1によりハウジング11に係脱可能に固定される。従って、第1リングギヤR1は、入力軸12の回転数より小さな減速回転を出力する。このため、本実施形態の第2要素は第1リングギヤR1に該当し、第1要素は第1サンギヤS1に該当し、第3要素は第1キャリアC1に該当する。第2プラネタリギヤ14の第2サンギヤS2は、第1リングギヤR1と連結されており、第1リングギヤR1は、入力軸12の回転数より小さな減速回転を出力する第2要素である。このため、入力軸12の回転よりも減速された回転となり、第2プラネタリギヤ14の第2ピニオンP2の高回転化を抑制できる。また、第2サンギヤS2は、第1ブレーキB1によりハウジング11に固定されるため、第2プラネタリギヤ14の第2ピニオンP2の高回転化を抑制できる。
以上のように構成された車両用自動変速装置80は、第2プラネタリギヤ14、第3プラネタリギヤ15、及び第4プラネタリギヤ16の各要素の連結は、第4実施形態の車両用自動変速装置40と同じである。図7に示す様に、車両用自動変速装置80は、TM−ECU19による制御により、第1クラッチCL1、第2クラッチCL2、第3クラッチCL3、及び第4クラッチCL4を選択的に係脱し、第1及び第2ブレーキB1、B2を選択的にする。これにより、第1プラネタリギヤ13、第2プラネタリギヤ14、第3プラネタリギヤ15、及び第4プラネタリギヤ16の要素の回転を規制する。これにより、前進10段、後進1段の変速段を成立することができ、その速度線図は、図10に示す如くとなる。なお、車両用自動変速装置80における各変速段の作動については、第4実施形態の車両用自動変速装置40と同様であるので、詳細な説明は省略する。
<第9実施形態>
次に、本発明の第9実施形態を図15に基づいて、以下に説明する。図15を参照すると、符号90は本発明に係る車両用自動変速装置を示す。車両用自動変速装置90は、前述の第3実施形態と同様に、車体に取り付けられたハウジング11内に、回転軸線18と同軸に回転可能に順次支承された入力軸12、第1プラネタリギヤ13、第2プラネタリギヤ14、第3プラネタリギヤ15、第4プラネタリギヤ16、及び出力軸17を備えて構成されている。
第1プラネタリギヤ13、第2プラネタリギヤ14、第3プラネタリギヤ15、及び第4プラネタリギヤ16は、第3実施形態と同様にシングルピニオン式遊星歯車機構である。
第1プラネタリギヤ13の第1サンギヤS1は、入力連結部材12aにより入力軸12に連結されている。第1プラネタリギヤ13の第1キャリアC1は、第1ブレーキ連結部材1bに配した第3クラッチCL3を介して第2プラネタリギヤ14の第2サンギヤS2と係脱可能に連結されている。第1プラネタリギヤ13の第1リングギヤR1は、ハウジング11の内周面に固定されている。第9実施形態の車両用自動変速装置90のその余の構成は、第3実施形態の車両用自動変速装置30と同様であるため、詳細な説明は省略する。
第1プラネタリギヤ13は、第1サンギヤS1が入力軸12と連結され、第1リングギヤR1がハウジング11に固定されており、第1キャリアC1が、第2プラネタリギヤ14の第2サンギヤS2と係脱可能に連結された構成である。そして、第2プラネタリギヤ14の第2サンギヤS2は、第1ブレーキ連結部材1bを介して第1ブレーキB1によりハウジング11に係脱可能に固定される。従って、第1キャリアC1は、入力軸12の回転数より小さな減速回転を出力する。このため、本実施形態の第2要素は第1キャリアC1に該当し、第1要素は第1サンギヤS1に該当し、第3要素は第1リングギヤR1に該当する。第2プラネタリギヤ14の第2サンギヤS2は、第1キャリアC1と連結されており、第1キャリアC1は、入力軸12の回転数より小さな減速回転を出力する第2要素である。このため、入力軸12の回転よりも減速された回転となり、第2プラネタリギヤ14の第2ピニオンP2の高回転化を抑制できる。また、第2サンギヤS2は、第1ブレーキB1によりハウジング11に固定されるため、第2プラネタリギヤ14の第2ピニオンP2の高回転化を抑制できる。
以上のように構成された車両用自動変速装置90は、第2プラネタリギヤ14、第3プラネタリギヤ15、及び第4プラネタリギヤ16の各要素の連結は、第2サンギヤS2が第1キャリアC1と第3クラッチCL3を介して連結されたことを除いて、第3実施形態の車両用自動変速装置30と同じである。図7に示す様に、車両用自動変速装置90は、TM−ECU19による制御により、第1クラッチCL1、第2クラッチCL2、第3クラッチCL3、及び第4クラッチCL4を選択的に係脱し、第1及び第2ブレーキB1、B2を選択的にする。これにより、第1プラネタリギヤ13、第2プラネタリギヤ14、第3プラネタリギヤ15、及び第4プラネタリギヤ16の要素の回転を規制する。これにより、前進10段、後進1段の変速段を成立することができ、その速度線図は、図8に示す如くとなる。なお、車両用自動変速装置90における各変速段の作動については、第3実施形態の車両用自動変速装置30と同様であるので、詳細な説明は省略する。
<第10実施形態>
次に、本発明の第10実施形態を図16に基づいて、以下に説明する。図16を参照すると、符号100は本発明に係る車両用自動変速装置を示す。車両用自動変速装置100は、前述の第3実施形態と同様に、車体に取り付けられたハウジング11内に、回転軸線18と同軸に回転可能に順次支承された入力軸12、第1プラネタリギヤ13、第2プラネタリギヤ14、第3プラネタリギヤ15、第4プラネタリギヤ16、及び出力軸17を備えて構成されている。
第1プラネタリギヤ13、第2プラネタリギヤ14、第3プラネタリギヤ15、及び第4プラネタリギヤ16は、第3実施形態と同様にシングルピニオン式遊星歯車機構である。
第1プラネタリギヤ13の第1リングギヤR1は、入力連結部材12aにより入力軸12と連結されている。第1プラネタリギヤ13の第1キャリアC1は、第1ブレーキ連結部材1bに配された第3クラッチCL3により第2プラネタリギヤ14の第2サンギヤS2と係脱可能に連結されている。第1プラネタリギヤ13の第1サンギヤS1は、ハウジング11の内周面に固定されている。第10実施形態の車両用自動変速装置100のその余の構成は、第3実施形態の車両用自動変速装置30と同様であるため、詳細な説明は省略する。
第1プラネタリギヤ13は、第1リングギヤR1が入力軸12に連結され、第1サンギヤS1がハウジング11に固定されており、第1キャリアC1が、第2プラネタリギヤ14の第2サンギヤS2と係脱可能に連結された構成である。そして、第2プラネタリギヤ14の第2サンギヤS2は、第1ブレーキ連結部材1bを介して第1ブレーキB1によりハウジング11に係脱可能に固定される。従って、第1キャリアC1は、入力軸12の回転数より小さな減速回転を出力する。このため、本実施形態の第2要素は第1キャリアC1に該当し、第1要素は第1リングギヤR1に該当し、第3要素は第1サンギヤS1に該当する。第2プラネタリギヤ14の第2サンギヤS2は、第1キャリアC1と連結されており、第1キャリアC1は、入力軸12の回転数より小さな減速回転を出力する第2要素である。このため、入力軸12の回転よりも減速された回転となり、第2プラネタリギヤ14の第2ピニオンP2の高回転化を抑制できる。また、第2サンギヤS2は、第1ブレーキB1によりハウジング11に固定されるため、第2プラネタリギヤ14の第2ピニオンP2の高回転化を抑制できる。
以上のように構成された車両用自動変速装置100は、第2プラネタリギヤ14、第3プラネタリギヤ15、及び第4プラネタリギヤ16の各要素の連結は、第2サンギヤS2が第1キャリアC1と第3クラッチCL3を介して連結されたことを除いて、第3実施形態の車両用自動変速装置30と同じである。図7に示す様に、車両用自動変速装置100は、TM−ECU19による制御により、第1クラッチCL1、第2クラッチCL2、第3クラッチCL3、及び第4クラッチCL4を選択的に係脱し、第1及び第2ブレーキB1、B2を選択的にする。これにより、第1プラネタリギヤ13、第2プラネタリギヤ14、第3プラネタリギヤ15、及び第4プラネタリギヤ16の要素の回転を規制する。これにより、前進10段、後進1段の変速段を成立することができ、その速度線図は、図8に示す如くとなる。なお、第10実施形態の車両用自動変速装置100における各変速段の作動については、第3実施形態の車両用自動変速装置30と同様であるので、詳細な説明は省略する。
<第11実施形態>
次に、本発明の第11実施形態を図17に基づいて、以下に説明する。図17を参照すると、符号110は本発明に係る車両用自動変速装置を示す。車両用自動変速装置110は、前述の第4実施形態と同様に、車体に取り付けられたハウジング11内に、回転軸線18と同軸に回転可能に順次支承された入力軸12、第1プラネタリギヤ13、第2プラネタリギヤ14、第3プラネタリギヤ15、第4プラネタリギヤ16、及び出力軸17を備えて構成されている。
第4実施形態と同様に、第1プラネタリギヤ13は、ダブルピニオン式遊星歯車機構であり、第2プラネタリギヤ14、第3プラネタリギヤ15、及び第4プラネタリギヤ16は、シングルピニオン式遊星歯車機構である。
第1プラネタリギヤ13の第1サンギヤS1は、入力連結部材12aにより入力軸12に連結されている。第1プラネタリギヤ13の第1リングギヤR1は、第1ブレーキ連結部材1bに配した第3クラッチCL3を介して第2プラネタリギヤ14の第2サンギヤS2と係脱可能に連結されている。第1プラネタリギヤ13の第1キャリアC1は、ハウジング11の内周面に固定されている。第11実施形態の車両用自動変速装置110のその余の構成は、第4実施形態の車両用自動変速装置40と同様であるため、詳細な説明は省略する。
第1プラネタリギヤ13は、第1サンギヤS1が入力軸12と連結され、第1キャリアC1がハウジング11に固定されており、第1リングギヤR1が、第2プラネタリギヤ14の第2サンギヤS2と係脱可能に連結された構成である。そして、第2プラネタリギヤ14の第2サンギヤS2は、第1ブレーキ連結部材1bを介して第1ブレーキB1によりハウジング11に係脱可能に固定される。従って、第1リングギヤR1は、入力軸12の回転数より小さな減速回転を出力する。このため、本実施形態の第2要素は第1リングギヤR1に該当し、第1要素は第1サンギヤS1に該当し、第3要素は第1キャリアC1に該当する。第2プラネタリギヤ14の第2サンギヤS2は、第1リングギヤR1と連結されており、第1リングギヤR1は、入力軸12の回転数より小さな減速回転を出力する第2要素である。このため、入力軸12の回転よりも減速された回転となり、第2プラネタリギヤ14の第2ピニオンP2の高回転化を抑制できる。また、第2サンギヤS2は、第1ブレーキB1によりハウジング11に固定されるため、第2プラネタリギヤ14の第2ピニオンP2の高回転化を抑制できる。
以上のように構成された車両用自動変速装置110は、第2プラネタリギヤ14、第3プラネタリギヤ15、及び第4プラネタリギヤ16の各要素の連結は、第2サンギヤS2が第1リングギヤR1と第3クラッチCL3を介して連結されたことを除いて、第4実施形態の車両用自動変速装置40と同じである。図7に示す様に、車両用自動変速装置110は、TM−ECU19による制御により、第1クラッチCL1、第2クラッチCL2、第3クラッチCL3、及び第4クラッチCL4を選択的に係脱し、第1及び第2ブレーキB1、B2を選択的にする。これにより、第1プラネタリギヤ13、第2プラネタリギヤ14、第3プラネタリギヤ15、及び第4プラネタリギヤ16の要素の回転を規制する。これにより、前進10段、後進1段の変速段を成立することができ、その速度線図は、図10に示す如くとなる。なお、第11実施形態の車両用自動変速装置110における各変速段の作動については、第4実施形態の車両用自動変速装置40と同様であるので、詳細な説明は省略する。
<第12実施形態>
次に、本発明の第12実施形態を図18に基づいて、以下に説明する。図18を参照すると、符号120は本発明に係る車両用自動変速装置を示す。車両用自動変速装置120は、前述の第4実施形態と同様に、車体に取り付けられたハウジング11内に、回転軸線18と同軸に回転可能に順次支承された入力軸12、第1プラネタリギヤ13、第2プラネタリギヤ14、第3プラネタリギヤ15、第4プラネタリギヤ16、及び出力軸17を備えて構成されている。
第4実施形態と同様に、第1プラネタリギヤ13は、ダブルピニオン式遊星歯車機構であり、第2プラネタリギヤ14、第3プラネタリギヤ15、及び第4プラネタリギヤ16は、シングルピニオン式遊星歯車機構である。
第1プラネタリギヤ13の第1キャリアC1は、入力連結部材12aにより入力軸12と連結されている。第1プラネタリギヤ13の第1リングギヤR1は、第1ブレーキ連結部材1bに配された第3クラッチCL3により第2プラネタリギヤ14の第2サンギヤS2と係脱可能に連結されている。第1プラネタリギヤ13の第1サンギヤS1は、ハウジング11の内周面に固定されている。第12実施形態の車両用自動変速装置120のその余の構成は、第4実施形態の車両用自動変速装置40と同様であるため、詳細な説明は省略する。
第1プラネタリギヤ13は、第1キャリアC1が入力軸12に連結され、第1サンギヤS1がハウジング11に固定されており、第1リングギヤR1が、第2プラネタリギヤ14の第2サンギヤS2と係脱可能に連結された構成である。そして、第2プラネタリギヤ14の第2サンギヤS2は、第1ブレーキ連結部材1bを介して第1ブレーキB1によりハウジング11に係脱可能に固定される。従って、第1リングギヤR1は、入力軸12の回転数より小さな減速回転を出力する。このため、本実施形態の第2要素は第1リングギヤR1に該当し、第1要素は第1キャリアC1に該当し、第3要素は第1サンギヤS1に該当する。第2プラネタリギヤ14の第2サンギヤS2は、第1リングギヤR1と連結されており、第1リングギヤR1は、入力軸12の回転数より小さな減速回転を出力する第2要素である。このため、入力軸12の回転よりも減速された回転となり、第2プラネタリギヤ14の第2ピニオンP2の高回転化を抑制できる。また、第2サンギヤS2は、第1ブレーキB1によりハウジング11に固定されるため、第2プラネタリギヤ14の第2ピニオンP2の高回転化を抑制できる。
以上のように構成された車両用自動変速装置120は、第2プラネタリギヤ14、第3プラネタリギヤ15、及び第4プラネタリギヤ16の各要素の連結は、第2サンギヤS2が第1リングギヤR1と第3クラッチCL3を介して連結されたことを除いて、第4実施形態の車両用自動変速装置40と同じである。図7に示す様に、車両用自動変速装置120は、TM−ECU19による制御により、第1クラッチCL1、第2クラッチCL2、第3クラッチCL3、及び第4クラッチCL4を選択的に係脱し、第1及び第2ブレーキB1、B2を選択的にする。これにより、第1プラネタリギヤ13、第2プラネタリギヤ14、第3プラネタリギヤ15、及び第4プラネタリギヤ16の要素の回転を規制する。これにより、前進10段、後進1段の変速段を成立することができ、その速度線図は、図10に示す如くとなる。なお、第12実施形態の車両用自動変速装置120における各変速段の作動については、第4実施形態の車両用自動変速装置40と同様であるので、詳細な説明は省略する。
本発明の第1実施形態の車両用自動変速装置10、第2実施形態の車両用自動変速装置20、第5実施形態の車両用自動変速装置50、及び第6実施形態の車両用自動変速装置60によれば、図2、図5及び図3に示したように、オーバードライブ(ギヤ比1.0以下)の変速段(第6速以上)に該当する第7速、第8速、第9速及び第10速の変速段において、第1ブレーキB1または第2ブレーキB2が作動する。即ち、第7速及び第9速では、第1ブレーキB1の作動により、入力軸12の回転数より小さな減速回転を出力する第1キャリアC1が第2サンギヤS2と連結されている。このため、第2サンギヤS2は入力軸12の回転よりも減速された回転となり、第2プラネタリギヤ14の第2ピニオンP2の高回転化を抑制できる。また、第8速及び第10速では、第2ブレーキB2の作動により、第2サンギヤS2がハウジング11に固定される。これにより、第2サンギヤS2の回転は入力軸12の回転よりも減速され停止することとなるため、第2プラネタリギヤ14の第2ピニオンP2の高回転化を抑制できる。
本発明の第3実施形態の車両用自動変速装置30、第4実施形態の車両用自動変速装置40、第7実施形態の車両用自動変速装置70、第8実施形態の車両用自動変速装置80、第9実施形態の車両用自動変速装置90、第10実施形態の車両用自動変速装置100、第11実施形態の車両用自動変速装置110、及び第12実施形態の車両用自動変速装置120によれば、図7、図8及び図10に示したように、オーバードライブ(ギヤ比1.0以下)の変速段(第6速以上)に該当する第7速、第8速、第9速及び第10速の変速段において、第3クラッチCL3または第1ブレーキB1が作動する。即ち、第7速及び第9速では、第3クラッチCL3の接続により、入力軸12の回転数より小さな減速回転を出力する第1キャリアC1が第2サンギヤS2と連結される。このため、第2サンギヤS2は入力軸12の回転よりも減速された回転となり、第2プラネタリギヤ14の第2ピニオンP2の高回転化を抑制できる。また、第8速及び第10速では、第1ブレーキB1の作動により第2サンギヤS2がハウジング11に固定される。これにより、第2サンギヤS2の回転は入力軸12の回転よりも減速され停止することとなるため、第2プラネタリギヤ14の第2ピニオンP2の高回転化を抑制できる。
本発明の第1実施形態の車両用自動変速装置10、第2実施形態の車両用自動変速装置20、第5実施形態の車両用自動変速装置50、及び第6実施形態の車両用自動変速装置60によれば、前進第1速変速段と後退第1変速段との切替を行う場合、第1ブレーキB1及び第3ブレーキB3の係合を保持したまま、第1クラッチCL1と第3クラッチCL3の係合を切り替える。これにより、第4プラネタリギヤ16の第4キャリアC4の回転を反転させることができる。その結果、車庫内での変速なるガレージシフトである前進第1速変速段と後退第1変速段とのシフト切替には、第1クラッチCL1か第3クラッチCL3かの一つの締結要素を掛け替えるのみで、切替可能となる。このため、ガレージシフトを行うために必要な応答時間を短くすることができる。
本発明の第3実施形態の車両用自動変速装置30、第4実施形態の車両用自動変速装置40、第7実施形態の車両用自動変速装置70、第8実施形態の車両用自動変速装置80、第9実施形態の車両用自動変速装置90、第10実施形態の車両用自動変速装置100、第11実施形態の車両用自動変速装置110、及び第12実施形態の車両用自動変速装置120によれば、前進第1速変速段と後退第1変速段との切替を行う場合、第3クラッチCL3及び第2ブレーキB2の係合を保持したまま、第1クラッチCL1か第4クラッチCL4かの係合を切り替える。これにより、第4プラネタリギヤ16の第4キャリアC4の回転を反転させることができる。その結果、車庫内での変速なるガレージシフトである前進第1速変速段と後退第1変速段とのシフト切替には、第1クラッチCL1か第4クラッチCL4かの一つの締結要素を掛け替えるのみで、切替可能となる。このため、ガレージシフトを行うために必要な応答時間を短くすることができる。
なお、複数の実施の形態が存在する場合、特に記載がある場合を除き、各々の実施の形態の特徴部分を適宜組合せることが可能であることは、明らかである。