JP2008215244A - 内燃機関の燃焼室 - Google Patents

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Abstract

【課題】直噴式の燃料噴射弁から噴射された燃料の霧化を促進して燃費を向上させるとともに、より確実に煤などのエミッションを低減できる技術を提供する。
【解決手段】直噴式の燃料噴射弁10を備える内燃機関の燃焼室2の壁面にセラミックなどによる断熱層15を形成して燃料の霧化を促進する際に、燃料噴射弁10から噴射された燃料が直接衝突する領域3aには、断熱層15を形成しないようにした。そして、燃料噴射弁10から噴射された燃料が領域3aに衝突した後に拡散する領域3bに断熱層15を形成した。
【選択図】図3

Description

本発明は、燃料噴射弁から燃料を直接燃焼室に噴射する、直接燃料噴射方式(以下、「直噴式」ともいう。)を採用した内燃機関の燃焼室の構造に関する。
内燃機関においては直噴式の燃料噴射弁が採用される場合がある。これは、ディーゼル機関においては通常採用され、また、ガソリン機関においても、燃料噴射弁から噴射された燃料が吸気ポート壁面に付着する非効率を抑制する省エネルギーの観点などから採用されるものである。しかし、この直噴式の燃料噴射弁を用いて燃焼室内に燃料噴射した場合には、噴射燃料が燃焼室の壁面によって冷却されて蒸発しづらくなり、短時間での完全燃焼が困難となることがあった。そうすると、燃費が悪化するとともに、煤の発生などを招来しエミッションが悪化する場合があった。
これに対して、燃焼室の壁面にセラミックなどからなる断熱層を形成する技術が提案されている。この技術に関しては、例えば、燃料噴射弁から噴射された燃料が当たる複数の位置の各々にセラミック膜を形成する技術(例えば、特許文献1、2を参照)や、燃焼室の壁面の一部であるピストンの頂部表面部に所定の間隙を隔てて、通気性多孔耐熱壁を被覆するとともに、頂部表面部と通気性多孔耐熱壁の間隙にセラミックなどの耐熱性粒状物を充填する技術(特許文献3を参照)や、セラミック製部分断熱壁にステンレス製熱緩衝網を係合して、キャビティ側壁部に鋳込む技術(特許文献4を参照)などが公知である。
しかしながら、直噴式の燃料噴射弁から噴射された燃料が断熱層に直接当たるようにした場合には、燃料の濃度が高い混合気が直接高温の雰囲気に曝されて燃焼し、煤の発生量が増えたり、過早着火が生じてしまうことが考えられた。
特開2000−8857号公報 特開2000−8858号公報 実公昭63−32925号公報 実公平1−15861号公報
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、直噴式の燃料噴射弁から噴射された燃料の霧化を促進して燃費を向上させるとともに、より確実に煤などのエミッションを低減できる技術を提供することである。
上記目的を達成するための本発明においては、直噴式の燃料噴射弁を備える内燃機関の燃焼室の壁面に断熱層を形成して燃料の霧化を促進する際に、燃料噴射弁から噴射された燃料が直接衝突する領域には、断熱層を形成しないようにした。
より詳しくは、燃焼室内に直接燃料を噴射する直噴燃料噴射弁が備えられるとともに、前記燃焼室の壁面に該燃焼室内の熱が外部へ放散することを抑制する断熱層が形成される内燃機関の燃焼室であって、
前記壁面のうち、前記直噴燃料噴射弁から噴射された燃料が直接衝突する所定の燃料衝突領域への前記断熱層の形成が禁止されることを特徴とする。
これによれば、直噴燃料噴射弁から噴射された燃料が直接高温の断熱層に衝突して、拡
散する前に燃焼することを抑制できる。そうすると、燃料の濃度が過剰に高い状態で燃焼が生じることによる煤の発生を抑制できる。また、過早着火が生じることを抑制できる。さらに、燃焼室に衝突した後の燃料が燃焼室内に拡散する過程において微粒化が進んだ状態で燃料を燃焼させることができ、燃焼効率をより向上させ、エミッションを向上させることができる。
また、本発明においては、前記燃料衝突領域は、前記直噴燃料噴射弁の噴孔位置、燃料の噴射方向及び噴射角で定まる円錐状空間と前記燃焼室との交面に基づいて定められる領域としてもよい。
そうすれば、燃料衝突領域をより簡単に、統一的な手法で特定することができる。よって、より簡単且つ確実に、直噴燃料噴射弁から噴射された燃料が直接高温の断熱層に衝突することを抑制でき、燃料の濃度が過剰に高い状態で燃焼が生じることを抑制できる。
また、本発明において前記燃料衝突領域は、ピストンの位置が異なる場合における、前記直噴燃料噴射弁の噴孔位置、燃料の噴射方向及び噴霧角で定まる円錐状空間とピストン頂面との交面に基づいて定められる領域をつなげて形成される領域としてもよい。
ここで、直噴燃料噴射弁から噴射された燃料が実際にピストン頂面に衝突する領域は、燃料噴射タイミングによって異なる。具体的には、直噴燃料噴射弁の噴孔位置、燃料の噴射方向及び噴射角が定まっている場合、燃料噴射した時期のピストンの位置に応じて、噴射燃料がピストン頂面に衝突する位置は、ピストン頂面上を直線状に変化する。
これに対し本発明においては、燃料衝突領域は、ピストンの位置が異なる場合における、前記直噴燃料噴射弁の噴孔位置、燃料の噴射方向及び噴霧角で定まる円錐状空間とピストン頂面との交面に基づいて定められる領域をつなげて形成される領域としてもよい。そうすれば、燃料衝突領域を、燃料噴射タイミングに拘らず、直噴燃料噴射弁から噴射された燃料が実際にピストン頂面に衝突する領域として決定できる。その結果、燃料噴射タイミングに依らず、直噴燃料噴射弁から噴射された燃料が直接高温の断熱層に衝突して、拡散する前に燃焼することを抑制できる。
また、本発明においては、前記燃焼室に導入された吸気に所定の筒内流動を生じさせる筒内流動発生手段をさらに備え、前記断熱層は、前記燃料衝突領域に対して、前記筒内流動の下流側に形成されるようにしてもよい。
ここで内燃機関においては、燃焼室における燃焼状態を改善するために、燃焼室に導入された吸気に積極的に筒内流動を起こさせる場合がある。この場合、直噴燃料噴射弁から噴射された燃料は、前記燃料衝突領域に衝突した後に、前記筒内流動に従って移動する。
このような現象に対し、本発明においては、断熱層を、燃焼衝突領域に対して前記筒内流動の下流側に優先的に形成することとした。
そうすれば、燃料噴射弁から噴射された燃料が一旦燃料衝突領域に衝突した後に、前記筒内流動に従って流動した時点で、噴射燃料を断熱層の近傍に位置させることができる。これにより、燃焼室に筒内流動が存在する場合に、燃料衝突領域に衝突した後に拡散した燃料を、より確実に高温の雰囲気に曝すことができ、微粒化が進んだ状態でより確実に燃料を燃焼させることができる。その結果、より確実に燃費の向上及びエミッションの低減を実現することができる。
なお、上記した本発明の課題を解決する手段については、可能な限り組み合わせて用い
ることができる。
本発明にあっては、直噴式の燃料噴射弁から噴射された燃料の霧化を促進して燃費を向上させることができるとともに、より確実に煤などのエミッションを低減させることができる。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を例示的に詳しく説明する。
以下、本発明を、ディーゼル機関に適用した実施の形態について説明する。図1は、本実施例における内燃機関1とその吸排気系及び制御系の概略構成を示す図である。
図1に示すように、内燃機関1は、吸入行程、圧縮行程、爆発行程(膨張行程)及び排気行程の4サイクルを繰り返して出力を得る。内燃機関1は、その内部に燃焼室2を形成する。燃焼室2で発生する燃料の爆発力は、ピストン3及びコンロッド4を介してクランクシャフト(図示略)の回転力に変換される。また、燃焼室2には、吸気通路5の最下流部をなす吸気ポート11と、排気通路6の最上流部をなす排気ポート8とが接続されている。吸気ポート11と燃焼室2との境界は吸気弁12によって開閉される。また、排気ポート8と燃焼室2との境界は排気弁9によって開閉される。
また、内燃機関1は、直噴式の燃料噴射弁10を備えている。燃料噴射弁10は、高圧ポンプ(図示略)等によって加圧された燃料を、燃焼室2内に適宜の量、適宜のタイミングで直接に噴射供給する電磁駆動式開閉弁である。
また、排気通路6には、排気中に含まれるNOx(窒素酸化物)、HC(炭化水素)、CO(一酸化炭素)、微粒子(PM:Particulate Matter)等を浄化
する排気浄化装置7が設けられている。一方、吸気通路5には、吸気の量を制御可能なスロットル弁14が設けられている。また、吸気通路5には、導入される吸気の量を検出するエアフローメータ13が設けられている。
内燃機関1においては、前述のエアフローメータ13の他にもクランクポジションセンサやアクセルポジションセンサ(不図示)などの各種センサを備えるが、これら各種センサの信号は、電子制御ユニット(Electronic Control Unit:ECU)20に入力される。
ECU20は、中央処理装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)及びバックアップRAM等からなる論理演算回路を備え、各種センサの信号に基づいて内燃機関1のスロットル弁14や燃料噴射弁10などの各種構成要素を統括制御する。
ここで、燃料噴射弁10から燃料が燃焼室2内に噴射された場合の作用について説明する。図2には、圧縮上死点付近において、燃料噴射弁10の先端に設けられた単一の噴孔から燃料が燃焼室2内に噴射される場合の図を示す。
図2(a)に示すように、この場合、燃料噴射弁10からは、図中垂直下方向に噴霧角θで燃料が噴射される。そうすると、噴射燃料がピストン3の頂面に衝突して冷却されるので、この場合噴射燃料の粒径が大きくなり燃料の蒸発が遅くなる。これにより燃焼効率
が低下して燃費が悪化するとともに、燃料を完全に燃焼させることができず、HCなどの未燃成分が排出される場合があった。
それに対し、図2(b)に示すように、ピストン3の頂面にセラミックなどによる断熱層15を形成する対策が考えられるが、この場合には、噴射された燃料が高温の断熱層15に直接衝突するため、燃料がピストン3に衝突する部分においては、燃料濃度が過剰に高い状態において燃料が一気に燃焼して煤の発生量が増加する場合があった。また、燃料が衝突する部分において燃料の霧化が過度に促進され、過早着火が生じる場合があった。
そこで、本実施例においては、図3に示すように、燃料噴射弁10から噴射された燃料が衝突する領域3aについては断熱層15を設けず、その周辺部の領域3bに断熱層15を設けることとした。
そうすれば、燃料の濃度が過剰に高い状態における燃料の着火を抑制できる。また、噴射燃料がピストン3の頂面に衝突してから図3(a)の矢印の方向に拡散して燃料の濃度が薄くなった状態で、燃料を高温の雰囲気に曝してその蒸発を促進することができる。従って本実施例の構成によれば、燃焼効率を向上させて燃費を向上させ、HCなどの未燃燃料の排出を抑制できるとともに、煤の発生を抑制することができる。なお、図3(b)は、この場合のピストン3の頂面を燃料噴射方向から見た図である。
次に、図4を用いて、ピストン3の頂面にキャビティ30が設けられた場合の断熱層15の形成場所について説明する。ピストン3の頂面にキャビティ30が設けられた場合には、燃料噴射弁10から噴射された燃料はキャビティ30内に導入され、キャビティ底面の中央部3cに衝突する。その後、噴射燃料はキャビティ30内を周辺部に向けて拡散し、キャビティ30の外周部3dに到達する。
本実施例では、このような場合には、キャビティ30の外周部3dに断熱層15を設けるようにした。これによっても、燃料の濃度が過剰に高い状態における燃料の着火を抑制できる。また、噴射燃料がピストン3の頂面に衝突した後に拡散し、燃料の濃度が薄くなった状態で、燃料を高温の雰囲気に曝してその蒸発を促進することができる。その結果、燃焼効率を向上させて燃費を向上させ、HCなどの未燃燃料の排出を抑制できるとともに、煤の発生を抑制することができる。
なお、上記の図3における領域3a及び、図4におけるキャビティ底面の中央部3cは、本実施例における燃料衝突領域に相当する。また、図中噴射角θで示された噴射燃料と、領域3a若しくはキャビティ底面の中央部3cとの交面が、本実施例において、直噴燃料噴射弁の噴孔位置、燃料の噴射方向及び噴射角で定まる円錐状空間と前記燃焼室との交面に相当する。本実施例においては、例えば領域3aは、噴射角θで示された噴射燃料とピストン頂面との交面より若干大きく設定されているが、領域3aは、噴射角θで示された噴射燃料とピストン頂面との交面と同等あるいはより小さく設定してもよい。これについては、以下の実施例についても同様である。
次に、本発明における実施例2について説明する。実施例2においては、燃料噴射弁10には複数の噴孔が設けられ、複数の噴孔から燃料が軸方向から見て放射状に噴射される場合の例について説明する。
図5には、圧縮上死点付近において、燃料噴射弁10の先端に設けられた8個の噴孔から燃料が燃焼室2内に噴射された場合の図を示す。このような場合は、図5(a)に示すように、燃料噴射弁10から複数の方向に噴射角θで燃料が噴射される。そして、これら
の噴射燃料は、それぞれピストン3の頂面の異なる場所3eに衝突し、その場所から周辺部へと拡散する。
そこで、本実施例においては、ピストン3の頂面中、燃料の噴霧が直接衝突する3eの領域には断熱層15を形成させず、ピストン3の頂面におけるそれ以外の場所3fには断熱層15を形成させることとした。図5(b)にはこの場合のピストン3の頂面の平面図を示す。
これによっても、燃料の濃度が過剰に高い状態における燃料の着火を抑制できるとともに、噴射燃料がピストン3の頂面に衝突してから噴射燃料が拡散して燃料の濃度が薄くなった状態で、燃料を高温の雰囲気に曝してその蒸発を促進することができる。従って、燃焼効率を向上させて燃費を向上させ、HCなどの未燃燃料の排出を抑制できるとともに、煤の発生を抑制することができる。
次に、燃料噴射弁10が、複数の噴孔を有するタイプのものであり且つ、ピストン3の頂面にキャビティ30が設けられた場合の例について図6を用いて説明する。図6(a)においては一方向に噴射される燃料のみが示されているが、実際には図5(a)と同様、燃料噴射弁10の複数の噴孔から燃料が複数の方向に噴射されている。その噴射燃料は、キャビティ30底面の中央部3gに衝突するのではなく、燃料噴射弁10の構造にもよるがキャビティ30の外周部3hに直接衝突する。そして、キャビティ30の外周部でも、噴孔が設けられていない方向に相当する外周部3iには噴射燃料は直接衝突しない。
そして、外周部3hに直接衝突した燃料の噴霧はその後、近傍の外周部3iに拡散する。本実施例においては、このような場合には、キャビティ30の外周部のうち、噴射燃料が直接衝突しない部分3iにのみ、断熱層15を形成させることとした。図6(b)には、このキャビティ30の外周部のうち、断熱層15を形成しない領域3hと、断熱層15を形成する領域3iとの位置関係について説明するための平面図を示す。
この例によっても、燃料の濃度が過剰に高い状態における燃料の着火を抑制できるとともに、噴射燃料がキャビティ30の外周部3hに衝突してから拡散して燃料の濃度が薄くなった状態で、噴射燃料を外周部3iにおいて高温の雰囲気に曝してその蒸発を促進することができる。従って、燃焼効率を向上させて燃費を向上させ、HCなどの未燃燃料の排出を抑制できるとともに、煤の発生を抑制することができる。
なお、本実施例においては、領域3e及び外周部3hが燃料衝突領域に相当する。
次に、本発明の実施例3について説明する。今までの実施例においては、燃焼室2において燃料噴射弁10から噴射された燃料がピストン3頂面に衝突する領域とは、ピストン3が略圧縮上死点付近にある状態を想定して決定していた(燃料噴射は、一般に圧縮上死点付近において行なわれるため)。しかし、実際には、燃料噴射弁10から噴射された燃料がピストン3と衝突する領域は、燃料噴射弁10からの燃料噴射タイミングによって変化する。この変化の様子を図7(a)に示す。実線で示すのはピストン3が圧縮上死点となるタイミングで燃料噴射弁10から燃料噴射が行なわれた場合の、噴射燃料が衝突する領域3j及び、噴射燃料が衝突せず断熱層15が形成される領域3kを示したものである。
図7(a)において破線で示すのは、例えばピストン3が圧縮上死点より遅れた(または進んだ)タイミングで燃料噴射弁10から燃料噴射された場合の、燃料の噴霧が衝突する領域3j´及び、噴射燃料が衝突せず断熱層15が形成される領域3k´を示したもの
である。このように、燃料噴射タイミングによって、燃料噴射弁10から噴射された燃料がピストン3に衝突する領域3jの位置は、異なる。
そこで、本実施例においては、図7(b)に示すように、ピストン3の頂面の中央部を中心として、燃料噴射弁10から燃料が噴射される方向に延ばした放射状の領域を、燃料が衝突する領域3jとし、この領域については断熱層15を形成しないこととした。また、燃料が衝突する領域3jの間の領域3kについて断熱層15を形成することとした。そうすれば、燃料噴射のタイミングに拘らず、燃料の濃度が過剰に高い状態における燃料の着火を抑制できるとともに、噴射燃料が放射状の領域3jに衝突してから拡散して燃料の濃度が薄くなった状態で、断熱層15が形成された領域3kにおいて高温の雰囲気に曝してその蒸発を促進することができる。従って、燃焼効率を向上させて燃費を向上させ、HCなどの未燃燃料の排出を抑制できるとともに、煤の発生を抑制することができる。
本実施例においては、領域3jが燃料衝突領域である。また領域3jは、ピストンの位置が異なる場合における、直噴燃料噴射弁の噴孔位置、燃料の噴射方向及び噴霧角で定まる円錐状空間とピストン頂面との交面に基づいて定められる領域をつなげて形成される領域に相当する。
次に、本発明の実施例4について説明する。図8には、本実施例における燃焼室2の平面図を示す。本実施例においては、吸気通路5は、燃焼室2に接続される際に、二つの吸気ポート11a、11bに分けられており、各吸気ポート11a、11bはそれぞれ燃焼室2に対して開口している。
このうち一方の吸気ポート11bには、この吸気ポート114b内を流れる空気の流量を連続的に制御可能なスワールコントロールバルブ(以下、「SCV」と称す)35が設けられる。SCV35を閉弁すると空気は吸気ポート11aのみを通って燃焼室2内に吸入され、よって燃焼室2内には大きなスワールが生成される。一方、SCV35を開弁すると空気は両吸気ポート11a、11bを通って燃焼室2内に吸入され、小さなスワールが生成されるか、またはほとんどスワールが生成されない。SCV35は連続的に調整可能であるため、燃焼室2内に生成されるスワールも連続的に変更することができる。
このような場合においては、燃料噴射弁10から噴射された燃料が、ピストン3の頂面に衝突した後、燃料は燃焼室2内に発生したスワール流に乗って燃焼室2中を移動しつつ拡散するため、燃焼室2内における噴射燃料の拡散方向がある程度定まる。従って、本実施例においては、燃料噴射弁10から噴射された燃料が衝突した領域に対してスワール流の下流側に集中的に断熱層15を形成することとした。
その場合のピストン3の頂面の平面図を図9に示す。本実施例においては、燃料噴射弁10には4つの噴孔が設けられ、略90度間隔で4方向に燃料が噴射されるとする。また、燃焼室2におけるスワール流の流動方向が図9中黒矢印で示す方向だとすると、燃料噴射弁10から噴射された燃料は、領域3mに衝突した後、スワール流に乗って流動方向の下流側に移動することが予想される。
従って、本実施例では、衝突後の燃料の移動先を予想してその領域3nに断熱層15を形成させることとした。そうすれば、無駄に広い領域に断熱層15が設けられることを抑制でき、無駄なコストが発生することを抑制できる。
なお、本実施例において領域3mは、燃料衝突領域である。また、スワール流が筒内流動に相当し、SCV35は、筒内流動発生手段を構成する。なお、本実施例において筒内
流動とはスワール流に限られず、タンブル流など燃焼室2内に積極的に発生させる気流の全てを含んでよい。
また、上記の実施例においては、燃料衝突領域及び断熱層15がピストン3の頂面に設けられる例について説明したが、燃料衝突領域及び断熱層15は、燃焼室2における側面など、ピストン3の頂面以外の壁面に設けられてもよい。
また、上記の実施例において断熱層15は、断熱性を確保できるものであれば、材料や形成方向は特に限定されない。例えばジルコニア(ZrO2 )の溶射膜などによって形成してもよい。また、ピストン3の金属母材(例えばアルミ合金)に中間層(図示せず)を介して形成してもよい。また、溶射法(例えばプラズマ溶射法)により形成してもよい。さらに、セラミック膜に気泡状のガラスビーズ等を混入させて断熱性を向上させたものであってもよい。
また、断熱層15の表面は、鏡面加工することにより熱の反射性を向上させて、断熱性を高めるようにしてもよい。さらに、本発明において断熱層15を形成するとは、燃焼室2の壁面表面を鏡面加工するなどして、燃焼室2の壁面自体の断熱性を高めることを含んだ意味である。
また、上記の実施例においては、本発明がディーゼル機関に適用された例について説明したが、本発明はガソリン機関に適用されても良いことはもちろんである。
本発明が適用される内燃機関及び吸排気系、制御系の概略構成を示す図である。 従来の内燃機関における燃料噴射時の状態及び、断熱層の形成場所について説明するための図である。 本発明の実施例1における断熱層の形成場所について説明するための図である。 本発明の実施例1における断熱層の形成場所の別の例について説明するための図である。 本発明の実施例2における断熱層の形成場所について説明するための図である。 本発明の実施例2における断熱層の形成場所の別の例について説明するための図である。 本発明の実施例3における断熱層の形成場所について説明するための図である。 本発明の実施例4における吸気系及び燃焼室の概略構成について説明するための図である。 本発明の実施例4における断熱層の形成場所について説明するための図である。
符号の説明
1・・・内燃機関
2・・・気筒
3・・・ピストン
3a、3c、3e、3h、3j、3m・・・噴射燃料が衝突する領域
3b、3d、3f、3i、3k、3n・・・噴射燃料が衝突しない領域
4・・・コンロッド
5・・・吸気通路
6・・・排気通路
7・・・排気浄化装置
8・・・排気ポート
9・・・排気弁
10・・・燃料噴射弁
11、11a、11b・・・吸気ポート
12・・・吸気弁
13・・・エアフローメータ
14・・・スロットル弁
15・・・断熱層
20・・・ECU
30・・・キャビティ
35・・・スワールコントロールバルブ

Claims (4)

  1. 燃焼室内に直接燃料を噴射する直噴燃料噴射弁が備えられるとともに、前記燃焼室の壁面に該燃焼室内の熱が外部へ放散することを抑制する断熱層が形成される内燃機関の燃焼室であって、
    前記壁面のうち、前記直噴燃料噴射弁から噴射された燃料が直接衝突する所定の燃料衝突領域への前記断熱層の形成が禁止されることを特徴とする内燃機関の燃焼室。
  2. 前記燃料衝突領域は、前記直噴燃料噴射弁の噴孔位置、燃料の噴射方向及び噴射角で定まる円錐状空間と前記燃焼室との交面に基づいて定められる領域であることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃焼室。
  3. 前記燃料衝突領域は、ピストンの位置が異なる場合における、前記直噴燃料噴射弁の噴孔位置、燃料の噴射方向及び噴霧角で定まる円錐状空間とピストン頂面との交面に基づいて定められる領域をつなげて形成される領域であることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃焼室。
  4. 前記燃焼室に導入された吸気に所定の筒内流動を生じさせる筒内流動発生手段をさらに備え、
    前記断熱層は、前記燃料衝突領域に対して、前記筒内流動の下流側に形成されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の内燃機関の燃焼室。
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