JP2008214811A - 補強に用いる繊維基材 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明はFRP、FRTPといわれる繊維強化複合体、例えば、ガラス繊維や炭素繊維、アラミド繊維等の補強用繊維に、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂(FRP)や、ナイロン等の熱可塑性樹脂(FRTP)をマトリックスとした繊維強化複合体に用いられる補強用の繊維基材に関し、特に複雑な形状の成形に適する補強に用いる繊維基材に関する。
特許文献1には、補強用の繊維基材として、比較的変形の自由度が高い朱子織物、例えばトルコ朱子組織織物は、深絞り成形性を有することが記載されているが、さらに複雑な形状の成形に適するものが要求されている。
本発明は、かかる要求に応えた補強に用いる繊維基材を提供するものである。
本発明は、複雑な形状の成形に適する補強用の繊維基材を提供するものである。
本発明について以下に具体的に説明する。
本発明のポリケトン繊維を構成するポリケトンは、繰り返し単位の95モル%以上、好ましくは98モル%以上、特に99.6モル%以上が、上記式(1)で示されるものであり、5モル%未満の範囲で、上記式(1)以外の繰り返し単位、例えば、下記式(2)に示すもの等を含有していても良い。
但し式中、Rは、エチレン以外の炭素数1〜30の有機基であり、例えば、プロピレン、ブチレン、1−フェニルエチレン等の基であり、Rの水素原子の一部または全部が、ハロゲン基、エステル基、アミド基、水酸基、エーテル基で置換されていてもよい。もちろん、Rは二種以上であってもよく、例えば、プロピレン基と1−フェニルエチレン基が混在していてもよい。
本発明のポリケトン繊維を構成するポリケトンは、繰り返し単位の95モル%以上、好ましくは98モル%以上、特に99.6モル%以上が、上記式(1)で示されるものであり、5モル%未満の範囲で、上記式(1)以外の繰り返し単位、例えば、下記式(2)に示すもの等を含有していても良い。
ポリケトンの固有粘度[η]は、好ましくは1dl/g以上、より好ましくは2dl/g以上、特に好ましくは4dl/g以上であり、好ましくは20dl/g以下、より好ましくは15dl/g以下、特に好ましくは10dl/g以下である。
尚、固有粘度[η]は、次の定義式に基づいて求められる値である。
式中のt及びTは、それぞれヘキサフルオロイソプロパノール(セントラル硝子(株)社製)及び該ヘキサフルオロイソプロパノールに溶解したポリケトンの希釈溶液の25℃での粘度管の流過時間である。Cは、上記希釈溶液の濃度であり、ヘキサフルオロイソプロパノール100ml中のポリケトンの質量(g)である。
ポリケトンには必要に応じて、酸化防止剤、ラジカル抑制剤、他のポリマー、艶消し剤、紫外線吸収剤、難燃剤、金属石鹸等の添加剤を含んでいてもよい。
尚、固有粘度[η]は、次の定義式に基づいて求められる値である。
ポリケトンには必要に応じて、酸化防止剤、ラジカル抑制剤、他のポリマー、艶消し剤、紫外線吸収剤、難燃剤、金属石鹸等の添加剤を含んでいてもよい。
次に、ポリケトン繊維の好ましい特性としては、引張強度は5cN/dtex以上、より好ましくは10cN/dtex以上、特に好ましくは15cN/dtex以上であり、30cN/dtex以下であり、引張伸度は3%以上、より好ましくは3.5%以上、特に好ましくは4%以上であり、8%以下、より好ましくは7%以下、特に好ましくは6%以下であり、引張弾性率は100cN/dtex以上、より好ましくは200cN/dtex以上、特に好ましくは300cN/dtex以上であり、1000cN/dtex以下である。
ポリケトン繊維の形態は、フィラメント糸であり、長さ方向に均一なものや太細のあるものでもよく、繊維の断面形状は、丸型、三角、L型、T型、Y型、W型、八葉型、扁平(扁平度1.3〜4程度のもので、W型、I型、ブーメラン型、波型、串団子型、まゆ型、直方体型等がある)、ドッグボーン型等の多角形型、多葉型、中空型や不定形なものでもよい。
ポリケトン繊維の形態は、フィラメント糸であり、長さ方向に均一なものや太細のあるものでもよく、繊維の断面形状は、丸型、三角、L型、T型、Y型、W型、八葉型、扁平(扁平度1.3〜4程度のもので、W型、I型、ブーメラン型、波型、串団子型、まゆ型、直方体型等がある)、ドッグボーン型等の多角形型、多葉型、中空型や不定形なものでもよい。
ポリケトン繊維の糸条形態としては、マルチフィラメント糸、モノフィラメント糸であり、本発明の目的達成上、マルチフィラメント糸が好ましい。
好ましい単糸繊度は、マルチフィラメント糸の場合は0.01〜10dtex、より好ましくは0.1〜10dtex、特に好ましくは0.5〜5dtexの範囲であり、モノフィラメント糸の場合は、10〜100000dtexの範囲である。又、好ましい総繊度は10〜100000dtex、より好ましくは30〜50000dtexの範囲である。
本発明において8枚朱子組織織物とは、図1に示すような組織を繰り返し単位とする織物であり、1は経糸、2は浮部、3は緯糸である。
好ましい単糸繊度は、マルチフィラメント糸の場合は0.01〜10dtex、より好ましくは0.1〜10dtex、特に好ましくは0.5〜5dtexの範囲であり、モノフィラメント糸の場合は、10〜100000dtexの範囲である。又、好ましい総繊度は10〜100000dtex、より好ましくは30〜50000dtexの範囲である。
本発明において8枚朱子組織織物とは、図1に示すような組織を繰り返し単位とする織物であり、1は経糸、2は浮部、3は緯糸である。
本発明では、かかるポリケトン繊維フィラメント糸を、経糸及び又は緯糸に用いて8枚朱子組織の織物を構成することに特徴があり、必要に応じて、ポリケトン繊維フィラメント糸以外の他の繊維を混用してもよく、その混用方法としては、合撚、混繊、コアヤーン、カバリング、サイロフィル等の公知の手段により糸条段階で混用してもよく、又、経糸又は緯糸の一方に用いたり、経糸及び/又は緯糸において、1乃至数本交互に混用して交織しても良く、さらには、糸条段階の混用と交織を組み合わせても良い。
混用する他の繊維としては、例えば、ポリエステル繊維やポリアミド繊維、アラミド繊維(パラ系、メタ系)、ポリビニルアルコール繊維、ポリ(p−フェニレンベンゾビスオキサゾール)繊維、超高分子量ポリオレフィン繊維、炭素繊維、セラミック繊維、ガラス繊維、金属繊維等公知の繊維があり、混用に際しては、成形品の要求特性に応じて混用する繊維の単糸繊度や総繊度を適宜選定してもよい。
混用する他の繊維としては、例えば、ポリエステル繊維やポリアミド繊維、アラミド繊維(パラ系、メタ系)、ポリビニルアルコール繊維、ポリ(p−フェニレンベンゾビスオキサゾール)繊維、超高分子量ポリオレフィン繊維、炭素繊維、セラミック繊維、ガラス繊維、金属繊維等公知の繊維があり、混用に際しては、成形品の要求特性に応じて混用する繊維の単糸繊度や総繊度を適宜選定してもよい。
本発明の8枚朱子組織織物の好ましい経糸カバーファクター並びに緯糸カバーファクターは、700〜3000、より好ましくは800〜2800、特に好ましくは900〜2500であり、経糸カバーファクター/緯糸カバーファクターの比は、0.7以上、特に0.8以上であり、1.5以下、特に1.2以下であることが好ましい。
尚、経糸カバーファクター並びに緯糸カバーファクターは下記により算出されたものである。
経糸カバーファクター=経糸密度(本/2.54cm)×経糸繊度(dtex)1/2
緯糸カバーファクター=緯糸密度(本/2.54cm)×緯糸繊度(dtex)1/2
尚、経糸カバーファクター並びに緯糸カバーファクターは下記により算出されたものである。
経糸カバーファクター=経糸密度(本/2.54cm)×経糸繊度(dtex)1/2
緯糸カバーファクター=緯糸密度(本/2.54cm)×緯糸繊度(dtex)1/2
尚、例えば屋外で強い紫外線を受けることによってポリケトン繊維の引張強度等の低下が懸念される場合は、繊維又は織物の形態で紫外線吸収剤(例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ヒンダードアミン系の一種又は二種以上の組み合わせがある。)及び/又は紫外線遮蔽剤(例えば、酸化チタン、酸化鉄、酸化セリウム等の微粒子があり、平均粒径は0.01〜0.6μmが好ましい。)を含有させてもよい。含有させる方法としては、例えば、繊維又は織物に紫外線吸収剤及び/又は紫外線遮蔽剤を含有した樹脂やフィルムを付与又は被覆する方法があり、紫外線吸収剤及び/又は紫外線遮蔽剤の含有量は、樹脂やフィルムの質量に対して0.001〜10質量%が好ましい。
以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれら実施例などにより何ら限定されるものではない。
本発明における測定方法及び評価方法は以下の通りである。
(1)引張強度、引張伸度、引張弾性率
JIS−L−1013に準じて測定する。
サンプル長:20cm、引張速度:20cm/分で測定し、20回測定した時の平均値を求める。
(2)積層板の成形性
実施例、比較例で得られた積層板を予熱して半球状の型に入れ、熱プレスして直径10cmの半球状の成形品を作製し、成形品の外観を観察し下記基準にて評価した。
◎;シワが無く、表面の凹凸も無い極めて良好なもの
○;軽微なシワはあるが、表面の凹凸も殆ど無い良好なもの。
△;シワがあり、表面の凹凸が見られるもの。
×;シワが大きく入り、表面の凹凸も大きなもの。
本発明における測定方法及び評価方法は以下の通りである。
(1)引張強度、引張伸度、引張弾性率
JIS−L−1013に準じて測定する。
サンプル長:20cm、引張速度:20cm/分で測定し、20回測定した時の平均値を求める。
(2)積層板の成形性
実施例、比較例で得られた積層板を予熱して半球状の型に入れ、熱プレスして直径10cmの半球状の成形品を作製し、成形品の外観を観察し下記基準にて評価した。
◎;シワが無く、表面の凹凸も無い極めて良好なもの
○;軽微なシワはあるが、表面の凹凸も殆ど無い良好なもの。
△;シワがあり、表面の凹凸が見られるもの。
×;シワが大きく入り、表面の凹凸も大きなもの。
[実施例1]
1670dtex/1250fのポリケトン繊維マルチフィラメント糸(旭化成せんい(株)社製;商標サイバロン;引張強度18cN/dtex、引張伸度5%、引張弾性率350cN/dtex)を経糸及び緯糸に用いて、8枚朱子組織の織物を製織した(経糸密度36本/2.54cm、緯糸密度34本/2.54cm)。
次いで、得られた織物を4枚積層し、織物の両面および織物の間にナイロン6フィルム(厚さ60μm)を重ねて熱プレスして積層板(厚さは2mm)を得た。
得られた積層板の成形性は、◎〜○とすぐれたものであった。
1670dtex/1250fのポリケトン繊維マルチフィラメント糸(旭化成せんい(株)社製;商標サイバロン;引張強度18cN/dtex、引張伸度5%、引張弾性率350cN/dtex)を経糸及び緯糸に用いて、8枚朱子組織の織物を製織した(経糸密度36本/2.54cm、緯糸密度34本/2.54cm)。
次いで、得られた織物を4枚積層し、織物の両面および織物の間にナイロン6フィルム(厚さ60μm)を重ねて熱プレスして積層板(厚さは2mm)を得た。
得られた積層板の成形性は、◎〜○とすぐれたものであった。
[比較例1]
実施例1において、ポリケトン繊維に代えて1670dtex/964fのパラ系アラミド繊維マルチフィラメント糸(引張強度20cN/dtex、引張伸度4.5%、引張弾性率500cN/dtex)を用いた以外は、実施例1同様に織物の積層板を得た。
得られた積層板の成形性は、△と実施例1に対比して劣ったものであった。
実施例1において、ポリケトン繊維に代えて1670dtex/964fのパラ系アラミド繊維マルチフィラメント糸(引張強度20cN/dtex、引張伸度4.5%、引張弾性率500cN/dtex)を用いた以外は、実施例1同様に織物の積層板を得た。
得られた積層板の成形性は、△と実施例1に対比して劣ったものであった。
本発明は、複雑な形状の成形に適する補強用の繊維基材を提供するものである。特に、航空機用の補強用の繊維基材に有用である。
1:経糸
2:浮部
3:緯糸
2:浮部
3:緯糸
Claims (1)
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---|---|---|---|
JP2007055279A JP2008214811A (ja) | 2007-03-06 | 2007-03-06 | 補強に用いる繊維基材 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007055279A JP2008214811A (ja) | 2007-03-06 | 2007-03-06 | 補強に用いる繊維基材 |
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JP2008214811A true JP2008214811A (ja) | 2008-09-18 |
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JP2007055279A Pending JP2008214811A (ja) | 2007-03-06 | 2007-03-06 | 補強に用いる繊維基材 |
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2007
- 2007-03-06 JP JP2007055279A patent/JP2008214811A/ja active Pending
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