JP2008214258A - α,β−不飽和カルボン酸の製造方法 - Google Patents

α,β−不飽和カルボン酸の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】パラジウム及びテルルを含有する触媒を用い、オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドからα,β−不飽和カルボン酸を長期にわたり高選択率及び高生産性で得られる方法を提供する。
【解決手段】触媒としてパラジウムとテルルとを含む金属微粒子が担体に担持されているα,β−不飽和カルボン酸合成用触媒を用い、その触媒のバルク組成におけるTe/Pd原子比をA、表層組成におけるTe/Pd原子比をBとしたときに、B/Aが1より大きく5.0以下となるように制御する。
【選択図】なし

Description

本発明は、オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドからα,β−不飽和カルボン酸を高選択率及び高生産性で製造する方法に関する。
オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドを分子状酸素により液相酸化してα,β−不飽和カルボン酸を製造するための貴金属含有担持触媒として、例えば、特許文献1ではパラジウム及びテルルを所定のモル比で含有した触媒が提案されている。
国際公開第2005/118134号パンフレット
しかし、パラジウム及びテルルを含有した触媒を用いた場合、経時的に選択率や生産性が低下し、工業的生産には問題があった。
本発明は、パラジウム及びテルルを含有する触媒を用い、オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドからα,β−不飽和カルボン酸を長期にわたり高選択率及び高生産性で得られる方法を提供することを目的とする。
本発明は、パラジウムとテルルを含む金属微粒子が担体中に含有されているα,β−不飽和カルボン酸合成用触媒の存在下、オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドを液相中で酸化するα,β−不飽和カルボン酸の製造方法であって、前記α,β−不飽和カルボン酸合成用触媒のバルク組成におけるTe/Pd原子数比をA、前記金属微粒子の表層組成におけるTe/Pd原子数比をBとしたときに、B/Aが1より大きく5.0以下、好ましくは1.2〜4.5となるように制御することを特徴とするα,β−不飽和カルボン酸の製造方法である。
また本発明において、前記金属微粒子のうち直径1〜8nmの金属微粒子が70個数%以上であることが好ましい。また本発明において、前記担体は、全細孔容積に対する細孔径2〜10nmの容積割合が70容量%以上であることが好ましい。
また本発明において、前記α,β−不飽和カルボン酸合成用触媒のバルク組成が、下記一般式(1)で表されることが好ましい。
PdaTebcd(EOxe ・・・(1)
(式中、Pd、TeおよびOはそれぞれパラジウム、テルルおよび酸素を表し、Cは白金、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、金、鉛および銀からなる群より選ばれた少なくとも1種の元素、Dは鉛、ビスマス、アンチモン、タリウムおよび水銀からなる群より選ばれた少なくとも1種の元素、Eは珪素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、マグネシウム、炭素およびカルシウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素である。EOxは元素Eの群の酸化物であり担体としての働きを期待するものであり、xは元素Eの原子価を満足するのに必要な酸素の原子比である。また、a,b,c,dおよびeは各元素または担体の質量比を表し、e=100のとき、0.1≦a≦40、0≦c≦12、0≦d≦12であり、パラジウムに対するテルルの原子数比が0.005≦テルル/パラジウム≦0.3を満たすbである。)
また本発明において、前記担体にパラジウム塩を担持させた触媒前駆体を得る工程と、水蒸気の濃度を20〜90容量%に制御された流通ガスを導入しつつ、前記触媒前駆体をその熱分解温度以上で熱処理する工程と、前記熱処理された触媒前駆体を還元する工程ととを有する方法により、前記α,β−不飽和カルボン酸合成用触媒を準備することが好ましい。
また本発明において、反応の途中で、前記α,β−不飽和カルボン酸合成用触媒の少なくとも一部を、別のα,β−不飽和カルボン酸合成用触媒と交換することができる。また本発明において、連続して25時間以上反応を行うことができる。
さらに、本発明は、パラジウムとテルルとを含む金属微粒子が担体に担持されているα,β−不飽和カルボン酸合成用触媒の製造方法であって、前記担体にパラジウム塩を担持させた触媒前駆体を得る工程と、水蒸気の濃度を20〜90容量%に制御された流通ガスを導入しつつ、前記触媒前駆体をその熱分解温度以上で熱処理する工程と、前記熱処理された触媒前駆体を還元する工程とを有することを特徴とするα,β−不飽和カルボン酸合成用触媒の製造方法である。
ここで、上記A、B、直径1〜8nmの金属微粒子の個数割合、および全細孔容積に対する細孔径2〜10nmの容積割合は、下記に定める方法で測定した値とする。
(A:バルク組成比(Te/Pd))
触媒0.5gに36質量%塩酸5ml、57質量%ヨウ化水素酸10mlおよび47質量%フッ化水素酸2.5mlを順次加え、密封した状態で加熱して完全に溶解させる。その後、ポリプロピレン製メスフラスコに移液し、標線まで純水で希釈してサンプル液とする。ついで、このサンプル液を適宜希釈した上で、ICP発行分光分析装置(サーモエレメンタル社製,IRIS−advantage(商品名))を用いてTeおよびPdを定量し、その原子比Aをバルク組成比(Te/Pd)として算出する。
(B:表層組成比(Te/Pd))
触媒をメノウ乳鉢で粉砕する。これを導電性カーボンテープに塗布し、X線光電子分光装置(VG製,ESCA LAB220iXL(商品名))のX線が照射される場所に設置する。この試料にAlKα線をモノクロ線源で10kV出力で250μm×1000μmのエリアに照射し、試料から放出される光電子を集光してXPSスペクトルを得る。解析ソフト(Eclips(商品名))を用いて、各元素に対するXPSピークエリア比からTeおよびPdの原子数%を見積もり、その原子数比Bを表層組成比(Te/Pd)として算出する。
(金属粒子径の測定)
触媒をSuppr Resin法にてポリプロピレン製カプセルに包埋し、ミクロトーム(Leica製、ULTRACUT−S(商品名))にて超薄切片を作製する。これを透過型電子顕微鏡(HITACHI製、H−7600(商品名))で検鏡し、画像を撮影する。撮影した画像は、画像解析ソフトImage Pro Plus(商品名)を用い、各試料について10視野以上から200個以上の粒子径(直径)について、各々金属粒子径を測定する。得られた金属粒子径の個数分布から、直径1〜8nmの金属微粒子の個数割合を求める。
(触媒担体の細孔径分布と細孔容積)
担体0.1gを採取し、比表面積・細孔径分布測定装置(Micromeritics社製、TriStar3000(商品名))にて測定する。試料の脱ガス条件は200℃3時間とする。液体窒素温度下の窒素ガス脱着等温線からBJH法細孔径分布を解析して、細孔径(直径)2〜10nmの細孔の容積割合を求める。
本発明のα,β−不飽和カルボン酸の製造方法によれば、オレフィンを分子状酸素により液相酸化してα,β−不飽和カルボン酸を安定して高選択率及び高生産性で製造することができる。
従来のパラジウムとテルルを含む金属微粒子が担体中に含有されているα,β−不飽和カルボン酸合成用触媒を用いたα,β−不飽和カルボン酸の製造方法では、経時的に選択率や生産性が減少し、工業的生産には問題があった。
この問題を解決すべく鋭意検討した結果、触媒のバルク組成におけるTe/Pd原子比をA、金属微粒子の表層組成におけるTe/Pd原子比をBとしたときのB/Aが、反応中に経時的に増加することが分かった。
さらに、B/Aと反応性能との比較を行った結果、次のことが分かった。すなわち、従来の触媒のようにB/Aが1以下の場合、オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドの反応性は高いが不安定であり、完全酸化多く、目的生成物であるα,β−不飽和カルボン酸の選択率及び生産性は低い。また、経時的にB/Aが高くなると、完全酸化は低くなるが、オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドの反応性が低いために目的生成物であるα,β−不飽和カルボン酸の選択率及び生産性は低くなる。
そして、B/Aをある範囲に制御すると、α,β−不飽和カルボン酸を高選択率かつ高生産性で得られ続けることが分かった。具体的には、B/Aは1より大きく5.0以下に制御すればよい。B/Aの下限は1.2以上が好ましく、1,4以上がより好ましい。B/Aの上限は4.5以下が好ましく、4.0以下がより好ましい。
従来はバルク組成比Aの値に着目してきたが、それだけでは触媒性能を希望するレベルに制御できないことがあった。しかし、B/Aを所定範囲に制御することで、触媒性能を希望するレベルに安定制御できることが分かった。
このような条件を満たすように制御する方法としては、後述する液相酸化反応条件や触媒の組成又は製造条件の設定で行うこともでき、特開2006−289264号公報に記載されたような方法で反応の途中で触媒の全部または一部を抜き出すとともに別の触媒を追加して触媒を交換する方法で行うこともできる。単に、別の触媒を追加する方法でもよい。交換や追加をする触媒は、必ずしも新品触媒や再生処理触媒である必要はなく、組成、製造方法、使用履歴の異なる触媒の単独または複数種の混合品を適用しても良い。触媒全体として本発明の条件を満たす範囲に制御するために、単独では本発明の条件を満たさない触媒を適用してもよい。このような制御を行うことにより、無制御で行う場合よりも安定してα,β−不飽和カルボン酸を高選択率及び高生産性で製造することができる。
以下、パラジウムとテルルとを含む金属微粒子が担体中に担持されている触媒を用いて、オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドを分子状酸素により液相酸化してα,β−不飽和カルボン酸を製造する方法について説明する。
原料のオレフィンとしては、例えば、プロピレン、イソブチレン、2−ブテン等が挙げられるが、中でもプロピレンおよびイソブチレンが好適である。原料のオレフィンは、不純物として飽和炭化水素および/または低級飽和アルデヒド等を少量含んでいてもよい。製造されるα,β−不飽和カルボン酸は、オレフィンと同一炭素骨格を有するα,β−不飽和カルボン酸である。具体的には、原料がプロピレンの場合アクリル酸が得られ、原料がイソブチレンの場合メタクリル酸が得られる。
原料のα,β−不飽和アルデヒドとしては、例えば、アクロレイン、メタクロレイン、クロトンアルデヒド(β−メチルアクロレイン)、シンナムアルデヒド(β−フェニルアクロレイン)等が挙げられる。中でもアクロレインおよびメタクロレインが好適である。原料のα,β−不飽和アルデヒドは、不純物として飽和炭化水素および/または低級飽和アルデヒド等を少量含んでいてもよい。製造されるα,β−不飽和カルボン酸は、α,β−不飽和アルデヒドのアルデヒド基がカルボキシル基に変化したα,β−不飽和カルボン酸である。具体的には、原料がアクロレインの場合アクリル酸が得られ、原料がメタクロレインの場合メタクリル酸が得られる。
液相酸化反応は連続式、バッチ式の何れの形式で行ってもよいが、生産性を考慮すると工業的には連続式が好ましい。また液相酸化反応は固定床ではなく流動床で行う方が好ましい。
液相酸化反応に用いる分子状酸素の源は、空気が経済的であり好ましいが、純酸素または純酸素と空気の混合ガスを用いることもでき、必要であれば、空気または純酸素を窒素、二酸化炭素、水蒸気等で希釈した混合ガスを用いることもできる。この空気等のガスは、通常オートクレーブ等の反応容器内に加圧状態で供給される。
液相酸化反応に用いる溶媒としては、例えば、t−ブタノール、シクロヘキサノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸、プロピオン酸、n−酪酸、iso−酪酸、n−吉草酸、iso−吉草酸、酢酸エチルおよびプロピオン酸メチルからなる群から選ばれる少なくとも1つの有機溶媒を用いることが好ましい。中でも、t−ブタノール、メチルイソブチルケトン、酢酸、プロピオン酸、n−酪酸、iso−酪酸、n−吉草酸およびiso−吉草酸からなる群から選ばれる少なくとも1つの有機溶媒がより好ましい。また、α,β−不飽和カルボン酸をより選択率よく製造するために、これら有機溶媒に水を共存させることが好ましい。共存させる水の量は特に限定されないが、有機溶媒と水の合計質量に対して2質量%以上が好ましく、より好ましくは5質量%以上であり、70質量%以下が好ましく、より好ましくは50質量%以下である。有機溶媒と水の混合物は均一な状態であることが好ましいが、不均一な状態であっても差し支えない。
液相酸化反応の原料であるオレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドの濃度は、反応器内に存在する溶媒に対して0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上であり、30質量%以下、より好ましくは20質量%以下である。
分子状酸素の使用量は、原料であるオレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒド1モルに対して0.1モル以上が好ましく、より好ましくは0.2モル以上、さらに好ましくは0.3モル以上であり、20モル以下が好ましく、より好ましくは15モル以下、さらに好ましくは10モル以下である。
触媒は液相酸化を行う反応液に懸濁させた状態で使用される。触媒の使用量は、反応器内に存在する溶液に対して0.1質量%以上が好ましく、より好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上であり、30質量%以下が好ましく、より好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは15質量%以下である。
反応温度および反応圧力は、用いる溶媒および原料によって適宜選択される。反応温度は30℃以上が好ましく、より好ましくは50℃以上である。また、反応温度は200℃以下が好ましく、より好ましくは150℃以下である。また、反応圧力は0MPa(ゲージ圧;以下、圧力の表記は特記しない限りゲージ圧表記とする)以上が好ましく、より好ましくは0.5MPa以上である。また、反応圧力は10MPa以下が好ましく、より好ましくは5MPa以下である。
本発明の方法によれば、連続して25時間以上反応を行うことが可能である。
液相酸化反応に用いる触媒は、パラジウムとテルルとを含む金属微粒子が担体中に担持されている触媒である。パラジウムとテルル以外に、白金、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、金、鉛、ビスマス、タリウム、水銀、炭素等の他の原子を1種または2種以上含有することもできる。高い触媒活性を発現させる観点から、触媒に含まれる担体以外の成分のうち、50質量%以上がパラジウムであることが好ましい。
特に、液相酸化反応に用いる触媒のバルク組成は、下記一般式(1)で表されることが好ましい。
PdaTebcd(EOxe ・・・(1)
(式中、Pd、TeおよびOはそれぞれパラジウム、テルルおよび酸素を表し、Cは白金、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、金、鉛および銀からなる群より選ばれた少なくとも1種の元素、Dは鉛、ビスマス、アンチモン、タリウムおよび水銀からなる群より選ばれた少なくとも1種の元素、Eは珪素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、マグネシウム、炭素およびカルシウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素である。EOxは元素Eの群の酸化物であり担体としての働きを期待するものであり、xは元素Eの原子価を満足するのに必要な酸素の原子比である。また、a,b,c,dおよびeは各元素または担体の質量比を表し、e=100のとき、0.1≦a≦40、0≦c≦12、0≦d≦12であり、パラジウムに対するテルルの原子数比が0.005≦テルル/パラジウム≦0.3を満たすbである。)
なお、触媒に含まれるパラジウムは、高い触媒活性を発現させる観点から、全部又は一部が金属状態であることが好ましい。触媒に含まれるテルルは、酸化状態でも還元状態でも金属状態でもよい。
担体の種類には特に制限がなく、活性炭、カーボンブラック、シリカ、アルミナ、マグネシア、カルシア、ジルコニア、チタニア等の代表的な担体を使用できるが、中でも活性炭、シリカ、ジルコニアが好ましい。また、担体の形状には特に制限はなく、例えば活性炭の場合、粉末状、球状、ペレット状および繊維状など種々のものが使用できる。担体の大きさは、直径または長さ1μm〜10mmのものが使用できる。
好ましい担体の比表面積は、担体の種類等により異なるので一概に言えないが、活性炭の場合、比表面積は100〜5000m2/gが好ましく、より好ましくは300〜4000m2/gである。シリカの場合、比表面積は50〜1500m2/gが好ましく、より好ましくは100〜1000m2/gである。担体の比表面積は、小さいほど有用成分(パラジウム原子・テルル原子)がより表面に担持された触媒の製造が可能となり、大きいほど有用成分が多く担持された触媒の製造が可能となる。
窒素ガス吸着法により測定した担体の全細孔容積は、0.40〜1.50cc/gであることが好ましい。担体の平均細孔径(直径)は、2〜10nmであることが好ましい。
触媒におけるパラジウムの担持率は、担持前の担体に対して0.1〜40質量%が好ましく、0.5〜30質量%がより好ましく、1〜20質量%がさらに好ましい。触媒におけるテルルの担持率は、パラジウム担持量に対して0.005〜0.3(原子比)倍が好ましく、0.01〜0.25倍がより好ましく、0.03〜0.20倍がさらに好ましい。
ここで、担体に担持されている金属微粒子の直径は経時的に大きくなる(シンタリングする)ことが知られている。金属微粒子の直径が変化すると触媒活性や生成物分布が変化することが分かった。検討の結果、担体に担持されている金属微粒子のうち、直径1〜8nmの金属微粒子が70個数%以上に維持することが好ましいことが分かった。この個数割合は、80個数%以上がより好ましく、90個数%以上がさらに好ましい。従来は、金属微粒子の平均粒子径(直径)のみに着目して分布はチェックされなかったが、直径1〜8nmの金属微粒子の個数割合の制御を併用することで、さらに高いレベルでα,β−不飽和カルボン酸を高選択率かつ高生産性で得られ続けることが分かった。
この観点から、担体の全細孔容積に対する細孔径2〜10nmの容積割合が、70容量%以上であることが好ましく、80容量%以上がより好ましい。すなわち、金属微粒子は、シンタリングしても担体の細孔径の大きさ以上には成長せず、好ましい大きさを維持することができる。さらに、細孔が全方位に複数の経路で連絡している担体であれば、金属微粒子による細孔閉塞の障害が発生しにくく、より好ましい。従来は、担体の平均細孔径のみに着目して、分布のチェックをされなかったが、担体の全細孔容積に対する細孔径2〜10nmの容積割合を上記範囲に制御することで、結果として高いレベルでα,β−不飽和カルボン酸を高選択率かつ高生産性で得られ続けることが分かった。
以下、液相酸化反応に使用する触媒の好ましい製造方法を説明する。
まず、パラジウムとテルルとを含む金属微粒子が担体中に担持されている触媒を製造する方法について説明する。
触媒製造に用いるパラジウム原料としては、例えば、パラジウム塩、酸化パラジウム、酸化パラジウム合金、パラジウムブラック等を挙げることができるが、中でもパラジウム塩が好ましい。パラジウム塩としては、例えば、塩化パラジウム(熱分解温度:650℃)、酢酸パラジウム(熱分解温度:230℃)、硝酸パラジウム(熱分解温度:120℃)、テトラアンミンパラジウム塩化物(熱分解温度:300℃)、テトラアンミンパラジウム硝酸塩(熱分解温度:220℃)、ビス(アセチルアセトナト)パラジウム(熱分解温度:210℃)等を挙げることができるが、中でも塩化パラジウム、酢酸パラジウム、硝酸パラジウム、テトラアンミンパラジウム塩化物が好ましい。
なお、パラジウム塩の熱分解温度は熱重量測定により測定できる。本発明では、熱重量測定装置(島津製作所社製、商品名:TGA−50)を用いてパラジウム塩を空気気流中で室温から5.0℃/分で昇温したとき10%重量が減少した温度をパラジウム塩の熱分解温度とした。
触媒製造に用いるテルル原料としては、例えば、テルル塩、テルル酸およびその塩、亜テルル酸およびその塩、酸化テルル、酸化テルル合金等を挙げることができるが、中でもテルル塩、テルル酸およびその塩、亜テルル酸およびその塩、酸化テルルが好ましい。テルル塩としては、例えば、テルル化水素、四塩化テルル、二塩化テルル、六フッ化テルル、四ヨウ化テルル、四臭化テルル、二臭化テルル等を挙げることができる。テルル酸塩としては、例えば、テルル酸ナトリウム、テルル酸カリウム等を挙げることができる。亜テルル酸塩としては、例えば、亜テルル酸ナトリウム、亜テルル酸カリウム等を挙げることができる。
まず、パラジウム原料及びテルル原料を担体上に担持する。パラジウム原料及びテルル原料を担体に担持させる方法としては、パラジウム原料及びテルル原料の溶解液または分散液に担体を浸漬した後に溶媒を蒸発させる方法でもよいが、担体の細孔容積分のパラジウム原料及びテルル原料の溶解液または分散液を担体に吸収させた後に溶媒を蒸発させる、いわゆるポアフィリング法による方法が好ましい。パラジウム原料及びテルル原料を担体に担持させる際に使用される溶媒としては、特に限定はされないが、担体上のパラジウム及びテルルの分散性の面から、パラジウム原料及びテルル原料を溶解するものが好ましい。パラジウム原料及びテルル原料は同時に担持させてもよいし、順次担持してもよい。順次担持する場合、間に乾燥・焼成・還元操作が入ってもよい。
パラジウム原料としてパラジウム塩を用いる場合は、担体に少なくともパラジウム原料を担持した触媒前駆体を、そのパラジウム塩の熱分解温度以上の温度で熱処理を行うことが好ましい。熱処理を行うことにより、担体上のパラジウム塩の少なくとも一部が分解して酸化パラジウムになる。担体にテルル原料も担持した状態でもよく、テルル原料を担持する前の状態でもよい。熱処理方法については、例えば、触媒前駆体を焼成バット上に置いて静置焼成を行う熱処理方法、コンベヤ式連続焼成炉等を用いた熱処理方法を行うことができる。
さらに、金属微粒子の表層組成比比(Te/Pd)や金属微粒子の粒径分布の制御を容易にするために、空気や窒素などに水蒸気を含有させたガスを焼成炉内に流通させながら熱処理を行うことが好ましい。ガスの総流量は、触媒前駆体容量/分以上が好ましいが、水蒸気流通開始直後は、炉内に水蒸気がいきわたるように流量を調節するとよい。そして、水蒸気の濃度を20〜90容量%に制御された流通ガスを導入することが好ましい。この水蒸気の濃度は40〜60容量%に制御することが好ましい。このように、水蒸気の濃度を制御された流通ガスを導入しつつ、パラジウム塩の熱分解温度以上の温度で熱処理することで、得られる触媒のB/A及び金属微粒子の粒子径が反応中に変化しにくいものとなる。この理由は、水蒸気を充分に流通させることにより分解や酸化が促進されて金属微粒子前駆体の表面/バルク組成が制御しやすくなり、また金属微粒子前駆体の分散性が均一かつ高くなるのではないかと考えている。
熱処理温度は、パラジウム原料の熱分解温度以上が好ましいが、水蒸気存在下で熱処理温度を高くし過ぎると、担体が焼結・分解したり、金属微粒子前駆体の分散性が悪くなったりするため、熱処理温度は、熱分解温度より若干高い程度が好ましい。具体的には、熱分解温度700℃以下が好ましく、更に好ましくは、500℃以下がより好ましい。所定の熱処理温度までの昇温方法は特に限定されないが、パラジウムとテルルを含有する触媒における金属微粒子前駆体の良好な分散状態を得るため、昇温速度は1〜10℃/分が好ましい。所定の熱処理温度に達した後の保持時間はパラジウム塩が分解される時間であれば特に限定されないが、1〜12時間が好ましい。
水蒸気の濃度の制御は、少なくとも熱処理時に行えばよいが、所定の熱処理温度までの昇温の際にパラジウム塩の熱分解温度に達した時点から熱処理完了まで行うことが効果的である。
次に、上記の熱処理した触媒前駆体を還元剤により還元する。パラジウム塩以外のパラジウム原料を用いる場合は、熱処理をせずに還元してもよい。その還元方法については、特に限定はされず、気相で行ってもよいが、液相中で行うことが好ましい。以下、液相中で触媒前駆体を還元する方法、液相還元法について説明する。
液相還元法では、まず、触媒前駆体を溶媒に分散させ、次いで、その分散液に還元剤を添加して触媒前駆体を還元する。
液相還元法に使用する溶媒としては、水が一般的であるが、還元剤の溶解性、触媒前駆体の分散性によっては、1−プロパノール、n−ブタノール、t−ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸、n−吉草酸、iso−吉草酸等の有機酸類;ヘプタン、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素類等の有機溶媒、あるいはこの有機溶媒と水との混合溶媒も用いることができる。
液相還元法に使用する還元剤としては、少なくとも酸化パラジウムを還元する能力を有するものであれば何れも使用できる。例えば、エタノール、2−プロパノール、ホルムアルデヒド、ヒドラジン、ギ酸、シュウ酸、水素化ホウ素ナトリウム、水素化リチウムアルミニウム、水素化カルシウム、水素、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、イソブチレン等が挙げられる。中でも、エタノール、2−プロパノール、ホルムアルデヒド、ヒドラジン、水素化ホウ素ナトリウム、水素、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテンおよびイソブチレンからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物が好ましい。2種類以上の還元剤を併用してもよい。
還元剤の添加方法は特に限定されないが、例えば、還元剤を滴下しながら還元を行う方法、還元剤を全量加えた後に還元を行う方法等が挙げられる。還元時の系の温度および還元時間は、還元方法、用いる溶媒および還元剤等により異なるので一概に言えないが、還元温度は0〜100℃、還元時間は0.5〜24時間とすることが好ましい。
以上のようにして、触媒前駆体を還元剤を用いて還元することができる。この還元により触媒前駆体に含まれるパラジウム原子の大部分が、酸化状態から金属状態に変化する。テルル原料については、上記熱処理及び還元処理を行ってもよく、行わなくてもよい。
パラジウムおよびテルル以外の他の原子を含む触媒は、対応する金属の塩や酸化物等の他の原子の原料を担体に担持し、必要に応じて前記の熱処理、還元等を行うことで得ることができる。その際の他の原子の原料の担持方法としては特に限定されないが、パラジウム原料及びテルル原料を担持する方法と同様に行うことができる。また、他の原子の原料は、パラジウム原料及びテルル原料を担持する前に担持することもでき、パラジウム原料及びテルル原料を担持した後に担持することもでき、パラジウム原料またはテルル原料と同時に担持することもできる。
得られた触媒は、水、溶媒等で洗浄することが好ましい。水、溶媒等での洗浄により、例えば、塩化物、酢酸根、硝酸根、硫酸根等のパラジウム原料由来の不純物および未反応の還元剤等が除去される。洗浄の方法および回数は特に限定されないが、不純物および未反応の還元剤によっては、オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドの液相酸化反応を阻害する恐れがあるため十分除去できる程度に洗浄することが好ましい。洗浄された触媒は、ろ別または遠心分離などにより回収した後に、そのまま反応に用いてもよい。
以下、本発明について実施例、比較例を挙げて更に具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。下記の実施例および比較例中の「部」は質量部である。
(A:バルク組成比(Te/Pd))
触媒0.5gに36質量%塩酸5ml、57質量%ヨウ化水素酸10mlおよび47質量%フッ化水素酸2.5mlを順次加え、密封した状態で加熱して完全に溶解させた。その後、ポリプロピレン製メスフラスコに移液し、標線まで純水で希釈してサンプル液とした。ついで、このサンプル液を適宜希釈した上で、ICP発光分光分析装置(サーモエレメンタル社製,IRIS−advantage(商品名))を用いてTeおよびPdを定量し、その原子数比Aをバルク組成比(Te/Pd)として算出した。
(B:表層組成比(Te/Pd))
本発明における金属微粒子の表層組成比は、X線光電子分光法(XPS:X−ray Photoelectron Spectroscopy)で測定を行い、得られたスペクトルの面積からTeおよびPdの原子数%を見積もり、その原子数比Bを表層組成比(Te/Pd)として算出した。
さらに具体的な測定方法の例を以下に示す。まず、触媒をメノウ乳鉢で粉砕した。これを導電性カーボンテープに塗布し、X線光電子分光装置(VG製,ESCA LAB220iXL(商品名))のX線が照射される場所に設置した。そして、この試料にAlKα線をモノクロ線源で10kV出力で250μm×1000μmのエリアに照射し、試料から放出される光電子を集光してXPSスペクトルを得た。
XPSスペクトルのピークエリア比から、触媒の表層に存在するテルルとパラジウム金属比を見積もった。具体的には、解析ソフト(Eclips(商品名))を用いて、各元素に対するピークエリア比から、原子数%を算出した。このとき、触媒中に含まれる元素の原子数%の合計は100とした。算出した原子数%から、テルルとパラジウムの原子数%の比をとり、原子数比Bを求めた。
なお、XPSは一般に表面分析といわれるが、実際には数nm程度までの深さの情報を検知する。これは金属微粒子サイズと同程度である。しかし、金属微粒子内部より表面の情報の方が強く検知されるので、表面組成の相対的な目安として利用することができる。
(金属粒子径の測定)
本発明における金属粒子径の測定には、透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electro Microscope)で行い、得られた画像から金属粒子径を見積もり、それらの平均粒子径を算出した。
さらに具体的な測定方法の例を以下に示す。まず、触媒はSuppr Resin法にてポリプロピレン製カプセルに包埋し、ミクロトーム(Leica製、ULTRACUT−S(商品名))にて超薄切片を作製した。これを透過型電子顕微鏡(HITACHI製、H−7600(商品名))で検鏡し、画像を撮影した。撮影した画像は、画像解析ソフトImage Pro Plus(商品名)を用い、各試料について10視野以上から200個以上の粒子径について、各々金属粒子径を測定した。そして、得られた金属粒子径の平均値を試料を代表する平均粒子径とし、得られた金属粒子径の個数分布から、直径1〜8nmの金属微粒子の個数割合を求めた。
(触媒担体の細孔径分布と細孔容積)
担体0.1gを採取し、比表面積・細孔径分布測定装置(Micromeritics社製、TriStar3000(商品名))にて測定した。試料の脱ガス条件は200℃3時間とした。液体窒素温度下の窒素ガス吸着等温線からBET比表面積を、脱着等温線からBJH法細孔径分布を解析して、細孔容積、直径2〜10nmの細孔の容積割合および平均細孔径を求めた。
(イソブチレンの液相酸化反応)
液相酸化反応を行う反応容器としては、内径126mm、容量4リットルのジャケット付きステンレス製撹拌槽式反応器を用いた。原料は溶媒と共に反応容器上部から供給し、反応液は液相部の液面を一定に保ちつつ、連続的に系外へ抜き出す構造となっている。排ガス中の酸素濃度は磁気式酸素計(横河電気社製)で常時モニターした。
反応容器に予めパラジウム質量50g相当の触媒と、溶媒として75質量%ターシャリーブタノール水溶液を制御液面に達するように投入した(液面は液容積が3リットルになるように調整した)。窒素ガスを反応容器の液相部に、焼結金属からなるスパージャーを通して約2000g/hrで供給して圧力を4.9MPa(絶対圧)まで加圧し、以後圧力制御装置によりこの圧力を保持した。液相温度を110℃まで昇温し、約10分間安定させた後、液化イソブチレンを461g/hr、および溶媒(75質量%ターシャリーブタノール水溶液に、重合防止剤としてp−メトキシフェノール200ppmを含有させて調製したもの)を1844g/hrで反応容器へ連続的に供給した。このときの平均滞留時間は1.0時間であった。次に、気相部圧力を保ったまま、徐々に窒素ガス供給量を空気(市販の圧縮空気ボンベ;酸素濃度21体積%)に置き換えていき、最終的に2000g/hrで連続的に供給し反応を開始した。なお、気相において酸素濃度が5体積%を超える場合は、5体積%以下に保持するよう空気の供給量を制御することを優先した。
(反応物の分析)
反応液と排ガスをサンプリングし、それぞれ分析を行った。原料および生成物の分析は、FIDまたはTCD検出器を備えたガスクロマトグラフィー(島津製作所社製)を用いて行った。なお、生成するメタクリル酸の選択率、生成するメタクリル酸の生産性は以下のように定義される。
メタクリル酸の選択率(%) =(B/A)×100
メタクリル酸の生産性(g−MAA/(g−Pd・hr))=(B×MwM)/PD
ここで、Aは消失したイソブチレンのモル流量(mol/h)、Bは生成したメタクリル酸のモル流量(mol/h)、MwMはメタクリル酸の分子量、PDは反応に使用したパラジウムの質量(g)である。
[実施例1]
(触媒調製)
硝酸パラジウム溶液(Pd含有率25.60質量%)195.3部(Pd50部)に少量の純水で溶解させたテルル酸10.8部(Te/Pd仕込み原子比は、0.10)および純水500部を加えた混合溶液を調製した。ジルコニア担体(比表面積80m2/g、細孔容積0.25cc/g、平均細孔径7.6nm、細孔径2〜10nmの細孔が細孔容積の75容積%)250部に上記混合溶液を浸漬させた後にエバポレーターを用い、減圧下で70℃、2時間かけて溶媒を蒸発させた。その後、空気中200℃で3時間熱処理を行った。途中、120℃から200℃までの昇温中及び200℃での熱処理は、水蒸気の濃度が40容量%に制御されたガスを流通させた。得られた触媒前駆体に37質量%ホルムアルデヒド水溶液500部を加えた。70℃に加熱し、2時間攪拌保持し、吸引ろ過後純水で洗浄して、パラジウム含有担持触媒を得た。
(反応評価)
製造したパラジウム含有担持触媒を用いてイソブチレンの液相酸化反応を行った。反応生成物の分析値を、反応開始5時間後、25時間後、43時間後について表1に示した。
(触媒評価)
パラジウム含有担持触媒のバルク組成比A、表層組成比Bおよび金属粒子径分布を測定した。触媒試料は、反応前品と、各生成物分析時の採取品である。それぞれの触媒試料におけるB/A、金属微粒子の平均粒子径および直径1〜8nmの範囲内にある金属微粒子の割合を表1に示した。
[実施例2]
(触媒調製)
硝酸パラジウム溶液(Pd含有率25.60質量%)195.3部(Pd50部)に少量の純水で溶解させたテルル酸5.4部(Te/Pd仕込み原子比は、0.05)および純水1000部を加えた混合溶液を調製した。シリカ担体(比表面積520m2/g、細孔容積0.73cc/g、平均細孔径4.7nm、細孔径2〜10nmの細孔が細孔容積の90容積%)1000部に上記混合溶液を浸漬させた後にエバポレーターを用い、減圧下で70℃、2時間かけて溶媒を蒸発させた。その後、空気中200℃で3時間熱処理を行った。途中、120℃から200℃までの昇温中及び200℃での熱処理中は、水蒸気の濃度が50容量%に制御されたガスを流通させた。得られた触媒前駆体に37質量%ホルムアルデヒド水溶液500部を加えた。70℃に加熱し、2時間攪拌保持し、吸引ろ過後純水で洗浄して、パラジウム含有担持触媒を得た。
(反応評価)
製造したパラジウム含有担持触媒を用いてイソブチレンの液相酸化反応を行った。反応生成物の分析値を、反応開始5時間後、25時間後、43時間後について表2に示した。
(触媒評価)
パラジウム含有担持触媒(反応前品と、各生成物分析時の採取品)の評価を実施例1と同様の方法で実施した。それぞれの触媒試料におけるB/A、金属微粒子の平均粒子径および直径1〜8nmの範囲内にある金属微粒子の割合を表2に示した。
[比較例1]
(触媒調製)
硝酸パラジウム溶液(Pd含有率25.60質量%)195.3部(Pd50部)に少量の純水で溶解させたテルル酸5.4部(Te/Pd仕込み原子比は、0.05)および純水1000部を加えた混合溶液を調製した。シリカ担体(比表面積430m2/g、細孔容積0.71cc/g、平均細孔径5.3nm、細孔径2〜10nmの細孔が細孔容積の90容積%)500部に上記混合溶液を浸漬させた後にエバポレーターを用い、減圧下で70℃、2時間かけて溶媒を蒸発させた。その後、空気中300℃で3時間熱処理を行った。なお、300℃までの昇温中及び300℃での熱処理は、水蒸気の濃度は実質的に0容量%のガスを導入した。得られた触媒前駆体に37質量%ホルムアルデヒド水溶液500部を加えた。70℃に加熱し、2時間攪拌保持し、吸引ろ過後純水で洗浄して、パラジウム含有担持触媒を得た。
(反応評価)
製造したパラジウム含有担持触媒を用いてイソブチレンの液相酸化反応を行った。反応生成物の分析値を、反応開始5時間後、25時間後、43時間後について表3に示した。
(触媒評価)
パラジウム含有担持触媒(反応前品と、各生成物分析時の採取品)の評価を実施例1と同様の方法で実施した。それぞれの触媒試料におけるB/A、金属微粒子の平均粒子径および直径1〜8nmの範囲内にある金属微粒子の割合を表3に示した。
[実施例3]
(触媒調製)
硝酸パラジウム溶液(Pd含有率25.60質量%)195.3部(Pd50部)に少量の純水で溶解させたテルル酸10.8部(Te/Pd仕込み原子比は、0.10)および純水1000部を加えた混合溶液を調製した。シリカ担体(比表面積140m2/g、細孔容積0.25cc/g、平均細孔径11nm、細孔径2〜10nmの細孔が細孔容積の50容積%)500部に上記混合溶液を浸漬させた後にエバポレーターを用い、減圧下で70℃、2時間かけて溶媒を蒸発させた。その後、空気中200℃で3時間熱処理を行った。途中、120℃から200℃までの昇温中及び200℃での熱処理中は、水蒸気の濃度が50容量%に制御されたガスを流通させた。得られた触媒前駆体に37質量%ホルムアルデヒド水溶液500部を加えた。70℃に加熱し、2時間攪拌保持し、吸引ろ過後純水で洗浄して、パラジウム含有担持触媒を得た。
(反応評価)
製造したパラジウム含有担持触媒を用いてイソブチレンの液相酸化反応を行った。反応生成物の分析値を、反応開始5時間後、25時間後、43時間後について表4に示した。
(触媒評価)
パラジウム含有担持触媒(反応前品と、各生成物分析時の採取品)の評価を実施例1と同様の方法で実施した。それぞれの触媒試料におけるB/A、金属微粒子の平均粒子径および直径1〜8nmの範囲内にある金属微粒子の割合を表4に示した。
[実施例4]
(反応評価)
実施例1での反応評価を46時間行った後に、反応器内部の触媒の10質量%を、実施例1で製造した新品触媒と交換して、イソブチレンの液相酸化反応を継続した。反応生成物の分析値を、実施例1の反応開始から通算して72時間後、99時間後について表5に示した。
(触媒評価)
パラジウム含有担持触媒(各生成物分析時の採取品)の評価を実施例1と同様の方法で実施した。それぞれの触媒試料におけるB/A、金属微粒子の平均粒子径および直径1〜8nmの範囲内にある金属微粒子の割合を表5に示した。
[比較例2]
(反応評価)
実施例1での反応評価を46時間行った後に、反応器内部の触媒の20質量%を、比較例1で製造した新品触媒と交換して、イソブチレンの液相酸化反応を継続した。反応生成物の分析値を、比較例1の反応開始から通算して72時間後、99時間後について表6に示した。
(触媒評価)
パラジウム含有担持触媒(各生成物分析時の採取品)の評価を実施例1と同様の方法で実施した。それぞれの触媒試料におけるB/A、金属微粒子の平均粒子径および直径1〜8nmの範囲内にある金属微粒子の割合を表6に示した。
[実施例5]
(反応評価)
比較例1での反応評価を46時間行った後に、反応器内部の触媒の20質量%を、実施例2で製造した新品触媒と交換して、イソブチレンの液相酸化反応を継続した。反応生成物の分析値を、比較例1の反応開始から通算して72時間後、99時間後について表7に示した。
(触媒評価)
パラジウム含有担持触媒(各生成物分析時の採取品)の評価を実施例1と同様の方法で実施した。それぞれの触媒試料におけるB/A、金属微粒子の平均粒子径および直径1〜8nmの範囲内にある金属微粒子の割合を表7に示した。
Figure 2008214258
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実施例1〜3のようにB/A値を適正な範囲に制御することで、メタクリル酸の選択率と生産性を高く維持できる。特に、直径1〜8nmの金属粒子の割合も適正な範囲にした実施例1および2では、より高いレベルでメタクリル酸の選択率と生産性を維持できる。それに対し、比較例1のようにB/A値を適正な範囲に制御できていない場合は、その範囲から外れた辺りからメタクリル酸の選択率と生産性の減少幅が大きくなる傾向がみられる。
実施例4および5のように、反応中に触媒を一部交換してB/A値を適正な範囲に制御することでも、メタクリル酸の選択率と生産性を高く維持できる。ただし、比較例2のように、反応中に触媒を一部交換してもB/A値を適正な範囲に制御できていない場合は、メタクリル酸の選択率と生産性が下げ止まらず、交換の効率が悪い。

Claims (9)

  1. パラジウムとテルルとを含む金属微粒子が担体に担持されているα,β−不飽和カルボン酸合成用触媒の存在下、オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドを液相中で酸化するα,β−不飽和カルボン酸の製造方法であって、
    前記α,β−不飽和カルボン酸合成用触媒のバルク組成におけるTe/Pd原子数比をA、前記金属微粒子の表層組成におけるTe/Pd原子数比をBとしたときに、B/Aが1より大きく5.0以下となるように制御することを特徴とするα,β−不飽和カルボン酸の製造方法。
  2. 前記金属微粒子のうち直径1〜8nmの金属微粒子が70個数%以上である請求項1に記載のα,β−不飽和カルボン酸の製造方法。
  3. 前記担体は、全細孔容積に対する細孔径2〜10nmの容積割合が70容量%以上である請求項1または2に記載のα,β−不飽和カルボン酸の製造方法。
  4. 前記α,β−不飽和カルボン酸合成用触媒のバルク組成が、下記一般式(1)で表されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のα,β−不飽和カルボン酸の製造方法。
    PdaTebcd(EOxe ・・・(1)
    (式中、Pd、TeおよびOはそれぞれパラジウム、テルルおよび酸素を表し、Cは白金、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、金、鉛および銀からなる群より選ばれた少なくとも1種の元素、Dは鉛、ビスマス、アンチモン、タリウムおよび水銀からなる群より選ばれた少なくとも1種の元素、Eは珪素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、マグネシウム、炭素およびカルシウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素である。EOxは元素Eの群の酸化物であり担体としての働きを期待するものであり、xは元素Eの原子価を満足するのに必要な酸素の原子比である。また、a,b,c,dおよびeは各元素または担体の質量比を表し、e=100のとき、0.1≦a≦40、0≦c≦12、0≦d≦12であり、パラジウムに対するテルルの原子数比が0.005≦テルル/パラジウム≦0.3を満たすbである。)
  5. 前記担体にパラジウム塩を担持させた触媒前駆体を得る工程と、
    水蒸気の濃度を20〜90容量%に制御された流通ガスを導入しつつ、前記触媒前駆体をその熱分解温度以上で熱処理する工程と、
    前記熱処理された触媒前駆体を還元する工程と
    を有する方法により、前記α,β−不飽和カルボン酸合成用触媒を準備することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のα,β−不飽和カルボン酸合成用触媒の製造方法。
  6. 反応の途中で、前記α,β−不飽和カルボン酸合成用触媒の少なくとも一部を、別のα,β−不飽和カルボン酸合成用触媒と交換することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のα,β−不飽和カルボン酸の製造方法。
  7. 連続して25時間以上反応を行うことを特徴とする請求項1〜6に記載のα,β−不飽和カルボン酸の製造方法。
  8. パラジウムとテルルとを含む金属微粒子が担体に担持されているα,β−不飽和カルボン酸合成用触媒の製造方法であって、
    前記担体にパラジウム塩を担持させた触媒前駆体を得る工程と、
    水蒸気の濃度を20〜90容量%に制御された流通ガスを導入しつつ、前記触媒前駆体をその熱分解温度以上で熱処理する工程と、
    前記熱処理された触媒前駆体を還元する工程と
    を有することを特徴とするα,β−不飽和カルボン酸合成用触媒の製造方法。
  9. 前記担体として、全細孔容積に対する細孔径2〜10nmの容積割合が70容量%以上を用いる請求項8に記載のα,β−不飽和カルボン酸合成用触媒の製造方法。
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