JP2008213350A - 複合体及び複合体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 界面の接着性に優れる金属とポリフェニレンスルフィドからなる複合体、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 表面にポリフェニレンスルフィド層を有する金属及びポリフェニレンスルフィドからなる複合体、及び射出成形機の金型内に、ポリフェニレンスルフィドオリゴマーの加熱硬化を行い表面にポリフェニレンスルフィド層を有する金属部品を装着した後、ポリフェニレンスルフィドを溶融状態で射出し、インサート成形を行う複合体の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、金属とポリフェニレンスルフィドからなる複合体に関するものであり、更に詳しくは、表面にポリフェニレンスルフィド層を有する金属及びポリフェニレンスルフィドからなる界面の接着性に優れる複合体及び複合体の製造方法に関するものである。
金属と樹脂を一体化し複合体として用いることは各種産業において行われており、該複合体化に適した接着剤の研究・開発が行われてきた。
その一方で、複合体とする際の工程・部品点数の簡略化を促進するために接着剤を用いずに金属と樹脂との一体成形を行う方法についても検討が行われてきている。
そして、そのような樹脂の中でもポリフェニレンスルフィド(以下、PPSと略記することもある。)は、優れた機械的性質、熱的性質、電気的性質を有し、コンデンサの誘電体、電気絶縁材料、電子部品、音響振動板などに幅広く使用されている。しかし、PPSには金属との接着性に劣り、金属との一体成形には適さない、という課題があった。
そこで、金属の表面を処理することにより樹脂との接着性を向上させる試みが提案されており、アルミニウム材の陽極酸化被膜に孔を形成し、樹脂と複合する方法が提案されている(例えば特許文献1参照。)。
WO2004−055248号公報
しかし、特許文献1の提案においては、アルミニウム材に陽極酸化被膜を形成する際に多大の工数を必要し、簡易的に複合体とするには課題がある。
そこで、本発明は、金属とPPSとの界面の接着性に優れる複合体を提供するものである。
本発明者らは、上記課題に関し鋭意検討した結果、特定の表面処理を行った金属がPPSと良好な接着性を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、表面にPPS層を有する金属及びPPSからなることを特徴とする複合体に関するものである。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の複合体は、表面にPPS層を有する金属及びPPSからなるものである。該複合体を構成する金属は、表面にPPS層を有することからPPSと良好な親和性を有し、接着性に優れるものとなる。
本発明の複合体を構成する表面にPPS層を有する金属としては、表面にPPS層を有する限りにおいて如何なる制限を受けるものでもなく、部品とした際のその形状についても制限を受けるものでもない。そして、金属表面にPPS層を形成する方法としては、PPS層を形成させることが可能であれば如何なる方法を用いてもよく、その中でもPPS層と金属の表面との接着性が優れるものとなることから、2〜30重量%のPPSオリゴマーを有機溶媒に溶解してなる溶液を金属に塗工し、該金属の表面にPPSオリゴマーを付着させた後、酸素含有雰囲気下150〜250℃の温度で処理する方法であることが好ましい。
ここでいうPPSオリゴマーとは、一般的にオリゴマーと称されるPPSの低分子量体であり有機溶媒に可溶性を示すものであり、特にゲル・パーミエイション・クロマトグラフィーを用い測定したポリスチレン換算の重量平均分子量が10000以下のPPSオリゴマーであることが好ましい。ここで、PPSオリゴマーは、溶剤、溶媒に溶解性を示すことからその取り扱い性に優れるとともに、その極性も大きく、PPS層とした際に金属との強固な接着性を示すものとなる。また、2〜30重量%の濃度とすることによりその取り扱い性も優れたものとなる。
該PPSオリゴマーの入手方法としては、PPSオリゴマーの入手が可能であれば如何なる方法を用いることも可能であり、例えばPPSの製造方法として知られている極性有機溶媒中でアルカリ金属硫化物とジハロ芳香族化合物を重合反応してなる方法を、超希薄濃度領域で行う方法を挙げることができる。さらに、上記した一般的な製造方法により得られたPPSから塩化メチレン、アセトン、NMP等を抽出溶媒として用い抽出を行うことにより回収することも可能である。
該有機溶媒としては、PPSオリゴマーを可溶することが可能な有機溶媒であればいかなるものを用いることも可能であり、例えばN−メチル−2−ピロリドン、1−シクロヘキシル−2−ピロリドン、塩化メチレン、アセトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、クロロホルム、四塩化炭素、メタノール、エタノール、ケロシン等を挙げることができ、その中でも優れた取り扱い性を示す溶液となることからN−メチル−2−ピロリドン、1−シクロヘキシル−2−ピロリドン、塩化メチレン、アセトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、クロロホルムからなる群より選ばれる1種以上であることが好ましい。
また、溶液を金属に塗工し、金属の表面にPPSオリゴマーを付着させた後、酸素含有雰囲気下150〜250℃の温度で処理することにより、金属のより効果的な表面処理を行うことが可能となり、界面の接着性に優れる複合体となる。その際の酸素含有雰囲気とは、PPSオリゴマーの硬化が可能な範囲の酸素を含有するものであれば如何なるものも用いることができ、例えば酸素、空気を挙げることができる。
該金属を構成する金属としては、金属の範疇に属するものであれば如何なるものを用いることもでき、その中でもアルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金、銅、銅合金、チタン合金であることが好ましい。
本発明の複合体を構成するPPSは、PPSと称される範疇の樹脂であれば如何なるものでもよく、その中でも特に複合体とする際の成形加工性に優れることから直径1mm、長さ2mmのダイスを装着した高化式フローテスターにて、測定温度315℃、荷重10kgの条件下、測定した溶融粘度が100〜30000ポイズであるPPSが好ましい。
また、本発明に用いられるPPSは、直鎖状のものであっても、重合時にトリハロゲン以上のポリハロゲン化合物を少量添加して若干の架橋又は分岐構造を導入したものであっても、窒素などの非酸化性の不活性ガス中で加熱処理を施したものであってもかまわないし、さらにこれらの構造の混合物であってもかまわない。また、該PPS樹脂は、加熱硬化前又は後に脱イオン処理(酸洗浄や熱水洗浄など)、あるいはアセトン、メチルアルコールなどの有機溶媒による洗浄処理を行うことによってイオン、オリゴマーなどの不純物を低減させたものであってもよい。さらに、重合反応終了後に酸化性ガス中で加熱処理を行い硬化を行ったものであってもよい。
本発明の複合体を構成するPPSは、PPS単独よりなるものであってもよく、その中でも、特に機械的強度に優れた複合体となることからPPS100重量部に対し、更に繊維状充填材及び/又は無機充填材を0.01〜200重量部、より好ましくは0.1〜100重量部を配合してなるPPS組成物よりなるものであることが好ましい。
この際の繊維状充填材としては、例えばガラス繊維、炭素繊維、グラファイト化繊維、ウイスカー、金属繊維、無機系繊維、有機系繊維、鉱物系繊維等が挙げられる。
そして、ガラス繊維の具体的例示としては、平均繊維径が6〜14μmのチョップドストランド、ミルドファイバー、ロービング等のガラス繊維;ニッケル、銅等を金属コートしたガラス繊維;シラン繊維;アルミノ珪酸塩ガラス繊維;中空ガラス繊維;ノンホーローガラス繊維等が挙げられる。
炭素繊維の具体的例示としては、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維等が挙げられる。
無機系繊維の具体的例示としては、ロックウール、ジルコニア、アルミナシリカ、チタン酸バリウム、炭化珪素、アルミナ、シリカ、高炉スラグ等の各種無機繊維が挙げられる。
鉱物系繊維の具体的例示としては、ワラステナイト、マグネシウムオキシサルフェート等が挙げられる。
有機系繊維の具体的例示としては、全芳香族ポリアミド繊維、フェノール樹脂繊維、全芳香族ポリエステル繊維等が挙げられる。
ウイスカーの具体的例示としては、窒化珪素ウイスカー、塩基性硫酸マグネシウムウイスカー、チタン酸バリウムウイスカー、チタン酸カリウムウイスカー、炭化珪素ウイスカー、ボロンウイスカー、酸化亜鉛ウイスカー等が挙げられる。
また、該無機充填材とは、板状、粉粒状の無機物であり、例えば炭酸カルシウム、炭酸リチウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、マイカ、シリカ、タルク、クレイ、硫酸カルシウム、カオリン、ワラステナイト、ゼオライト、ガラスパウダー、アルミナ、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化スズ、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、黒鉛、カーボンブラック、ガラスパウダー、ガラスバルーン、ガラスフレーク、ハイドロタルサイト等が挙げられる。これらの無機充填材は2種以上を併用することも可能であり、必要によりエポキシ系化合物、イソシアネート系化合物、シラン系化合物、チタネート系化合物等の官能性化合物又はポリマーで、予め表面処理したものを用いてもよい。
本発明の複合体を構成するPPS層に、場合によっては用いることのできる繊維状充填材及び/又は無機充填材は、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤で処理したものあることが好ましく、特にアミノアルコキシルシラン又はエポキシアルコキシルシランで表面処理されたものであることが好ましい。また、繊維状充填材は、場合によって前記表面処理を行った後、ハンドリング性を良くするためにガラス繊維の束をエポキシ樹脂及び/又はウレタン樹脂で収束処理を施したものであってもよい。
さらに、本発明の複合体を構成するPPS層は、本発明の効果を損なわない範囲で、従来公知のタルク、カオリン、シリカなどの結晶核剤;ポリアルキレンオキサイドオリゴマー系化合物、チオエーテル系化合物、エステル系化合物、有機リン化合物などの可塑剤;酸化防止剤;熱安定剤;滑剤;紫外線防止剤;着色剤;発泡剤などの通常の添加剤を1種以上添加するものからなるものであってもよい。
また、本発明の複合体を構成するPPS層は、本発明の目的を逸脱しない範囲で、各種熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、例えばシアン酸エステル樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド、シリコーン樹脂、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリフェニレンオキサイド、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミドイミド、ポリアミド系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアルキレンオキサイド等の1種以上を混合して使用してなるものであってもよい。
本発明の複合体を製造する方法としては、表面にPPS層を有する金属とPPSからなる複合体が得られる限り如何なる方法をも用いることができ、その中でも効率よく界面の接着性に優れる複合体が得られることから、射出成形金型内に表面にPPS層を有する金属部品を装着した後に、PPSを溶融状態で射出するインサート成形により製造することが好ましい。
本発明の複合体は、金属とPPSが良好な接着性を有することからその工業的価値は高く、その生産効率も優れたものとなる。
以下に本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によりなんら制限されるものではない。
なお、実施例に用いたPPS、PPS組成物、複合体は、以下の方法により評価・測定した。
〜金属とPPSとの界面の接着性評価〜
得られた複合体を−25℃に1時間放置した後、150℃まで昇温し150℃で放置した後、さらに−25℃まで降温する工程を1サイクルとする耐低高温試験を100サイクル行い界面での破壊の有無により接着性の評価を行った。
〜PPSの溶融粘度測定〜
直径1mm、長さ2mmのダイスを装着した高化式フローテスター(島津製作所製、商品名CFT−500)にて、測定温度315℃、荷重10kgの条件下で溶融粘度の測定を行った。
〜PPSオリゴマーの重量平均分子量測定〜
超高温ゲル・パーミエイション・クロマトグラフィーにより、ポリスチレン換算値として測定を行った。測定条件は以下の通りである。
溶媒:1−クロロナフタレン
試料濃度:0.2重量%
試料流量:1ml/分
カラム温度:210℃
カラム充填剤:ポリスチレンゲル
検出器:UV検出器(UV吸収波長:360nm)
合成例1
攪拌機を装備する50リットルオートクレーブに、NaS・2.9HO621g及びN−メチル−2−ピロリドン16.7リットルを仕込み、窒素気流下攪拌しながら徐々に205℃まで昇温して、135gの水を留去した。この系を140℃まで冷却した後、p−ジクロロベンゼン716gとN−メチル−2−ピロリドン5000gを添加し、窒素気流下に系を封入した。この系を2時間かけて225℃に昇温し、225℃にて2時間重合させた後、30分かけて250℃に昇温し、さらに250℃にて3時間重合を行った。重合終了後、室温まで冷却し遠心分離機により固液分離を行った。
該液分を蒸留水に投入し、希釈塩酸水溶液を加えることによりPPSオリゴマーを再沈させ、濾過によりPPSオリゴマーを回収し乾燥を行った。
一方、単離した該固形分を温水で繰り返し洗浄し100℃で一昼夜乾燥することにより、PPSオリゴマーを含有するPPSを得た。そして、80℃に加熱したN−メチル−2−ピロリドン15リットルを用意し、得られたPPSを投入撹拌を行った。その後80℃の温度条件のまま濾過を行いN−メチル−2−ピロリドン溶液を回収した。該N−メチル−2−ピロリドン溶液を蒸留水に投入し、希釈塩酸水溶液を加えることによりPPSオリゴマーを再沈させ、濾過によりPPSオリゴマーを回収し乾燥を行った。
得られたそれぞれのPPSオリゴマーを合わせた後、重量平均分子量を測定したところ7000であった。
合成例2
攪拌機を装備する50リットルオートクレーブに、NaS・2.9HO6214g及びN−メチル−2−ピロリドン16.7リットルを仕込み、窒素気流下攪拌しながら徐々に205℃まで昇温して、1355gの水を留去した。この系を140℃まで冷却した後、p−ジクロロベンゼン7160gとN−メチル−2−ピロリドン5000gを添加し、窒素気流下に系を封入した。この系を2時間かけて225℃に昇温し、225℃にて2時間重合させた後、30分かけて250℃に昇温し、さらに250℃にて3時間重合を行った。重合終了後、室温まで冷却し固形分を遠心分離機により単離した。該固形分を温水で繰り返し洗浄し100℃で一昼夜乾燥することによりPPS(以下、PPS(1)と記す。)を得た。得られたPPS(1)の溶融粘度は、280ポイズであった。
得られたPPS(1)を、さらに空気雰囲気下250℃で3時間硬化を行い熱硬化型PPS(以下、PPS(2)と記す。)を得た。得られたPPS(2)の溶融粘度は、1800ポイズであった。
得られたPPS(2)を310℃に加熱した二軸押出機(東芝機械製、(商品名)TEM−35−102B)に投入しスクリュー回転数200rpmにて溶融混練し、ダイより流出する溶融樹脂を冷却後裁断し、PPS(2)ペレットとした。
合成例3
攪拌機を装備する50リットルオートクレーブに、N−メチル−2−ピロリドン11リットルと5水塩硫化ナトリウム7930gを仕込み、窒素気流下約2時間かけて撹拌しながら徐々に205℃まで昇温して、水を3230g留出させた。140℃まで冷却した後、p−ジクロロベンゼン6620gとN−メチル−2−ピロリドン4リットルを加えて、250℃に昇温し、250℃で3時間重合させて、スラリーを得た。次に、オートクレーブにn−デカン7000gを注入し、250℃に昇温し、5時間重合させた。重合終了後、室温まで冷却し固形分を遠心分離機により単離した。該固形分を温水で繰り返し洗浄し100℃で一昼夜乾燥することによりPPS(以下、PPS(3)と記す。)を得た。得られたPPS(3)の溶融粘度は、1600ポイズであった。
得られたPPS(3)を310℃に加熱した二軸押出機(東芝機械製、(商品名)TEM−35−102B)に投入しスクリュー回転数200rpmにて溶融混練し、ダイより流出する溶融樹脂を冷却後裁断し、PPS(3)ペレットとした。
合成例4
合成例2により得られたPPS(2)100重量部に対し、ガラス繊維(エヌエスジー・ヴェトロテックス(株)製、(商品名)RES03−TP91)20重量部配合し、310℃に加熱した二軸押出機(東芝機械製、(商品名)TEM−35−102B)に投入しスクリュー回転数200rpmにて溶融混練し、ダイより流出する溶融樹脂を冷却後裁断し、PPS組成物(以下、PPS(4)と記す。)ペレットとした。
実施例1
合成例1により得られたPPSオリゴマーを5重量%の濃度で塩化メチレンに溶解しPPSオリゴマー−塩化メチレン溶液を得た。
該溶液にアルミニウム合金(A1100)製試験片(35mm(長辺)×13mm(短辺)×2mm(厚さ))を浸漬した後、風乾により試験片表面をPPSオリゴマーで覆った。その後、250℃に加熱した乾燥機(空気雰囲気下)中に2時間放置しPPSオリゴマーの硬化を行い、PPSで被覆されたアルミニウム合金製試験片を得た。
該試験片を射出成形金型内に装着し、合成例2により得られたPPS(2)ペレットを、310℃に加熱した射出成形機(住友重機械工業製、(商品名)SE75)のホッパーに投入しインサート成形を行い複合体を得た。
得られた複合体の界面接着性を評価したところ耐低高温試験100サイクルにて複合体の破壊は見られなかった。
実施例2
合成例1により得られたPPSオリゴマーを3重量%の濃度でアセトンに溶解しPPSオリゴマー−アセトン溶液を得た。
該溶液にアルミニウム製試験片(35mm(長辺)×13mm(短辺)×2mm(厚さ))を浸漬した後、風乾により試験片表面をPPSオリゴマーで覆った。その後、230℃に加熱した乾燥機(空気雰囲気下)中に3時間放置しPPSオリゴマーの硬化を行い、PPSで被覆されたアルミニウム製試験片を得た。
該試験片を射出成形金型内に装着し、合成例3により得られたPPS(3)ペレットを、310℃に加熱した射出成形機(住友重機械工業製、(商品名)SE75)のホッパーに投入しインサート成形を行い複合体を得た。
得られた複合体の界面接着性を評価したところ耐低高温試験100サイクルにて複合体の破壊は見られなかった。
実施例3
合成例1により得られたPPSオリゴマーを8重量%の濃度でN−メチル−2−ピロリドンに溶解しPPSオリゴマー−N−メチル−2−ピロリドン溶液を得た。
該溶液にマグネシウム製試験片(35mm(長辺)×13mm(短辺)×2mm(厚さ))を浸漬した後、240℃に加熱した乾燥機(空気雰囲気下)中に2時間放置しPPSオリゴマーの硬化を行い、PPSで被覆されたマグネシウム製試験片を得た。
該試験片を射出成形金型内に装着し、合成例3により得られたPPS(3)ペレットを、310℃に加熱した射出成形機(住友重機械工業製、(商品名)SE75)のホッパーに投入しインサート成形を行い複合体を得た。
得られた複合体の界面接着性を評価したところ耐低高温試験100サイクルにて複合体の破壊は見られなかった。
実施例4
PPS(2)ペレットの代わりに、合成例4により得られたPPS(4)ペレットを用いた以外は、実施例1と同様の方法により複合体を得、その評価を行った。
得られた複合体の界面接着性を評価したところ耐低高温試験100サイクルにて複合体の破壊は見られなかった。
比較例1
アルミニウム合金(A1100)製試験片(35mm(長辺)×13mm(短辺)×2mm(厚さ))を射出成形金型内に装着し、合成例2により得られたPPS(2)ペレットを、310℃に加熱した射出成形機(住友重機械工業製、(商品名)SE75)のホッパーに投入しインサート成形を行い複合体を得た。
得られた複合体の界面接着性を評価したところ耐低高温試験10サイクルにて複合体は破壊し、界面の接着性は低いものであった。
比較例2
アルミニウム製試験片(35mm(長辺)×13mm(短辺)×2mm(厚さ))を射出成形金型内に装着し、合成例3により得られたPPS(3)ペレットを、310℃に加熱した射出成形機(住友重機械工業製、(商品名)SE75)のホッパーに投入しインサート成形を行い複合体を得た。
得られた複合体の界面接着性を評価したところ耐低高温試験15サイクルにて複合体は破壊し、界面の接着性は低いものであった。
比較例3
マグネシウム製試験片(35mm(長辺)×13mm(短辺)×2mm(厚さ))を射出成形金型内に装着し、合成例3により得られたPPS(3)ペレットを、310℃に加熱した射出成形機(住友重機械工業製、(商品名)SE75)のホッパーに投入しインサート成形を行い複合体を得た。
得られた複合体の界面接着性を評価したところ耐低高温試験15サイクルにて複合体は破壊し、界面の接着性は低いものであった。
比較例4
アルミニウム合金(A1100)製試験片(35mm(長辺)×13mm(短辺)×2mm(厚さ))を射出成形金型内に装着し、合成例4により得られたPPS(4)ペレットを、310℃に加熱した射出成形機(住友重機械工業製、(商品名)SE75)のホッパーに投入しインサート成形を行い複合体の製造を試みたが、成形後金型から取り出す際に界面で破壊し、複合体を得ることは出来なかった。

Claims (6)

  1. 表面にポリフェニレンスルフィド層を有する金属及びポリフェニレンスルフィドからなることを特徴とする複合体。
  2. 金属がアルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金、銅、銅合金及びチタン合金からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の複合体。
  3. 射出成形機の金型内に、表面にポリフェニレンスルフィド層を有する金属部品を装着した後、ポリフェニレンスルフィドを溶融状態で射出し、インサート成形を行うことを特徴とする複合体の製造方法。
  4. 金属部品がアルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金、銅、銅合金及びチタン合金からなる群より選択される少なくとも1種からなる金属製であることを特徴とする請求項3に記載の複合体の製造方法。
  5. 請求項3又は4のいずれかに記載の複合体の製造方法において、
    前記金属部品が、ポリフェニレンスルフィドオリゴマー溶液を金属部品に塗工した後、加熱硬化を行い表面にポリフェニレンスルフィド層を有する金属部品としたことを特徴とする複合体の製造方法。
  6. ポリフェニレンスルフィドオリゴマー−塩化メチレン溶液、ポリフェニレンスルフィドオリゴマー−N−メチル−2−ピロリドン溶液、ポリフェニレンスルフィドオリゴマー−アセトン溶液、ポリフェニレンスルフィドオリゴマー−1−シクロヘキシル−2−ピロリドン溶液からなる群より選択される少なくとも1種以上のポリフェニレンスルフィドオリゴマー溶液であることを特徴とする請求項5に記載の複合体の製造方法。
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