JP2008213180A - 搬送装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】キャプスタンローラによる記録媒体の搬送力を確保しつつ、キャプスタンローラによって記録媒体に現れるキャプスタン痕を抑制する。
【解決手段】キャプスタンローラ21とピンチローラ22との間に印画紙20を挟持し、印画紙20に圧接させたキャプスタンローラ21の回転によって印画紙20を搬送しながらサーマルヘッド11の各発熱抵抗体11aを発熱させ、印画を行うサーマルプリンタ10であって、キャプスタンローラ21は、印画紙20に対する圧接面に複数の突起21aが形成されており、キャプスタンローラ21と印画紙20との圧接力を調整可能なピンチ圧可変装置40を備え、ピンチ圧可変装置40は、サーマルヘッド11による印画紙20の印画時よりも非印画時の圧接力が小さくなるように圧接力を調整する。
【選択図】図2

Description

本発明は、キャプスタンローラとピンチローラとの間に記録媒体を挟持し、記録媒体に圧接させたキャプスタンローラの回転によって記録媒体を搬送する搬送装置及び画像形成装置に係るものである。そして、詳しくは、キャプスタンローラを記録媒体に圧接しながら搬送することによって生ずる記録媒体のキャプスタン痕を抑制できるようにした技術に関するものである。
従来より、画像形成装置として、例えば、プラテンローラと対向するサーマルヘッドを備えたサーマルプリンタが知られている。このサーマルプリンタは、サーマルヘッドに配列されたライン状の発熱抵抗体(発熱素子)に対し、階調レベルに応じた選択的な通電を行い、その際に発生する熱エネルギを利用することにより、印画紙(記録媒体)に印画を行うようになっている。
ここで、印画紙は、基材部の表面にインクの受容層を形成したものである。そして、印画を行う場合には、受容層を上にして、プラテンローラ上に印画紙を給紙する。次に、プラテンローラから離れるように上昇していたサーマルヘッドを下降させ、インクリボン及び印画紙を介して、サーマルヘッドをプラテンローラに押圧する。この状態で、サーマルヘッドの駆動回路から出力される信号に基づいて、サーマルヘッドに配列された各発熱抵抗体を発熱させるとともに、印画紙を搬送する。すると、インクリボンに塗布されたインクが印画紙の受容層に転写され、印画が行われることとなる。
また、カラーの印画を行う場合には、1色目の印画の終了後にサーマルヘッドを上昇させ、プラテンローラに対する押圧を解除する。その後、印画紙を逆方向に搬送し、印画の開始点まで逆送りした後、1色目の印画と同様にして、1色目の上に2色目を重ねることによって印画を行っている。
このように、印画の際には、印画紙を搬送する必要があるが、印画紙の搬送は、キャプスタンローラを回転させることによって行う。すなわち、キャプスタンローラを印画紙の基材部側に配置するとともに、ピンチローラを印画紙の受容層側に配置し、キャプスタンローラとピンチローラとの間に印画紙を挟持してキャプスタンローラを回転(カラー印画の場合には、逆回転も)させ、印画紙を搬送する。そのため、キャプスタンローラには、印画紙を一定の速度で、位置ずれなく搬送することが求められる。また、カラー対応のプリンタの場合には、2色目以降を重ねた際の色ずれを防止するため、特に高い搬送精度が必要となる。
そこで、キャプスタンローラ及びピンチローラを複数対設け、多列化することによって搬送精度を高める技術が知られている。すなわち、印画紙を挟持して搬送する複数のキャプスタンローラ及びピンチローラにより、印画紙の搬送時の位置ずれを防止しながら印画を行うようにしたサーマルプリンタである(例えば、特許文献1参照)。
特開平7−223343号公報
しかし、キャプスタンローラ及びピンチローラを複数対設け、多列化しただけでは、高い搬送精度を長期にわたって維持することは困難である。すなわち、表面がフラットな円柱状のキャプスタンローラの場合、搬送力は、キャプスタンローラと印画紙との摩擦力に左右される。そして、使用によってキャプスタンローラに紙粉等が付着すると、摩擦力が低下してしまう。すると、キャプスタンローラが複数あっても十分な搬送力が得られなくなり、印画紙が位置ずれを起こして色ずれの問題が発生することとなる。
そこで、常に十分な搬送力が得られるように、キャプスタンローラの表面に突起を形成する技術が知られている。すなわち、表面に突起を形成したキャプスタンローラを印画紙に圧接させ、搬送の際に、キャプスタンローラの圧接力によって突起が印画紙の基材部に食い込むようにすることで、十分な搬送力を確保し、色ずれが生じないようにしたものである。
ところが、キャプスタンローラの突起を印画紙の基材部に食い込ませると、食い込んだ突起の影響により、印画が行われた印画紙の受容層側にキャプスタン痕が現れるという問題を生ずる。これは、印画紙に圧接された突起によって印画紙の基材部側に凹みが生じ、その凹みが受容層側に現れることによるものである。
図11は、キャプスタンローラ21の突起21aによって生じる印画紙20のキャプスタン痕を示す説明図である。
図11に示すように、印画紙20は、キャプスタンローラ21とピンチローラ22との間に挟持されている。そして、キャプスタンローラ21には、幅方向の両端側にそれぞれ突起21aが形成されている。
ここで、キャプスタンローラ21を回転させると、キャプスタンローラ21が印画紙20に圧接しているので、突起21aが印画紙20に食い込み、図11(a)に示すように、印画紙20の基材部側に、突起21aに対応した2列の凹みが生じることとなる。そのため、印画紙20の受容層側には、基材部側の凹みに対応した2列のキャプスタン痕(凹みが受容層側に現れたもの)ができる。このキャプスタン痕は、回転するキャプスタンローラ21の突起21aが排紙方向に連続的に印画紙20を凹ませて生ずるものであり、突起21aのスパイク痕(図11(a)参照)である。
また、キャプスタンローラ21の回転が停止していても、印画紙20がキャプスタンローラ21とピンチローラ22との間に挟持され、圧接されている以上、キャプスタンローラ21の突起21aが印画紙20に食い込む。そして、この食い込みは、キャプスタンローラ21の停止時間が長いほど深くなる。そのため、しばらく停止したキャプスタンローラ21上の印画紙20に突起21aによる凹みが生じ、キャプスタン痕が現れる。このキャプスタン痕は、停止したキャプスタンローラ21の突起21aが部分的に印画紙20を凹ませて生ずるものであり、突起21aの停止痕(図11(b)参照)である。
このように、印画紙に圧接したキャプスタンローラ21の突起21aにより、印画紙20にキャプスタン痕(スパイク痕、停止痕)が生ずるが、突起21aは、印画紙20の搬送力を確保し、色ずれを防止するために必要なものである。そのため、搬送力とキャプスタン痕とが背反関係になっており、色ずれしないように搬送力を大きくすると、キャプスタン痕が鮮明に現れてしまい、逆に、キャプスタン痕を低減するために圧接力を小さくすると、今度は搬送力が小さくなって色ずれを起こしてしまう。
そこで、従来は、色ずれとキャプスタン痕との順位付けで、色ずれの防止を優先していた。そのため、印画紙20のキャプスタン痕は、黙認されているのが実情であった。
しかしながら、キャプスタン痕は、印画品質に悪影響を及ぼすことから、さらなる高画質化のためには、その対策が必要となる。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、キャプスタンローラによる記録媒体の搬送力を確保しつつ、キャプスタンローラによって記録媒体に現れるキャプスタン痕を抑制することである。
本発明は、以下の解決手段によって、上述の課題を解決する。
請求項1に記載の発明は、記録媒体を搬送するためのキャプスタンローラと、前記キャプスタンローラに対向するピンチローラとを備え、前記キャプスタンローラと前記ピンチローラとの間に記録媒体を挟持し、記録媒体に圧接させた前記キャプスタンローラの回転によって記録媒体を搬送する搬送装置であって、前記キャプスタンローラは、記録媒体に対する圧接面に複数の突起が形成されており、前記キャプスタンローラと記録媒体との圧接力を調整可能な圧接力調整手段を備え、前記圧接力調整手段は、前記キャプスタンローラの回転時よりも停止時の圧接力が小さくなるように圧接力を調整することを特徴とする。
(作用)
請求項1に記載の発明においては、キャプスタンローラは、記録媒体に対する圧接面に複数の突起が形成されており、キャプスタンローラと記録媒体との圧接力を調整可能な圧接力調整手段を備え、圧接力調整手段は、キャプスタンローラの回転時よりも停止時の圧接力が小さくなるように圧接力を調整する。そのため、記録媒体を搬送するキャプスタンローラの回転時は、記録媒体に対してキャプスタンローラの突起が食い込んで必要な搬送力が確保され、記録媒体を搬送しないキャプスタンローラの停止時は、記録媒体に対するキャプスタンローラの突起の食い込みが弱まってキャプスタン痕が抑制される。
請求項4に記載の発明は、記録媒体を搬送するためのキャプスタンローラと、前記キャプスタンローラに対向するピンチローラとを備え、前記キャプスタンローラと前記ピンチローラとの間に記録媒体を挟持し、記録媒体に圧接させた前記キャプスタンローラの回転によって記録媒体を搬送する搬送装置であって、前記キャプスタンローラは、記録媒体に対する圧接面に複数の突起が形成されており、前記キャプスタンローラと記録媒体との圧接力を調整可能な圧接力調整手段を備え、前記圧接力調整手段は、各前記突起による記録媒体の凹みが記録媒体の弾性限度内となるように圧接力を調整することを特徴とする。
(作用)
請求項4に記載の発明においては、キャプスタンローラは、記録媒体に対する圧接面に複数の突起が形成されており、キャプスタンローラと記録媒体との圧接力を調整可能な圧接力調整手段を備え、圧接力調整手段は、各突起による記録媒体の凹みが記録媒体の弾性限度内となるように圧接力を調整する。そのため、記録媒体に対してキャプスタンローラの突起が食い込み、記録媒体に凹みが発生しても、その凹みが回復するので、キャプスタン痕が抑制される。
請求項5に記載の発明は、記録媒体を搬送するためのキャプスタンローラと、前記キャプスタンローラに対向するピンチローラとを備え、前記キャプスタンローラと前記ピンチローラとの間に記録媒体を挟持し、記録媒体に圧接させた前記キャプスタンローラの回転によって記録媒体を搬送する搬送装置であって、前記キャプスタンローラは、記録媒体に対する圧接面に複数の突起が形成されており、各前記突起は全て、記録媒体の搬送方向の上流側よりも下流側の方が鋭利な形状であることを特徴とする。
(作用)
請求項5に記載の発明においては、キャプスタンローラは、記録媒体に対する圧接面に複数の突起が形成されており、各突起は全て、記録媒体の搬送方向の上流側よりも下流側の方が鋭利な形状である。そのため、記録媒体の逆送り時は、搬送力が小さくなってしまうが、順送り時の搬送力が大きくなるので、その分だけ順送り時のキャプスタンローラの圧接力を弱くすることができ、キャプスタン痕を抑制できる。
請求項6に記載の発明は、複数の発熱素子を配列したサーマルヘッドと、記録媒体を搬送するためのキャプスタンローラと、前記キャプスタンローラに対向するピンチローラとを備え、前記キャプスタンローラと前記ピンチローラとの間に記録媒体を挟持し、記録媒体に圧接させた前記キャプスタンローラの回転によって記録媒体を搬送しながら前記サーマルヘッドの各前記発熱素子を発熱させ、印画を行う画像形成装置であって、前記キャプスタンローラは、記録媒体に対する圧接面に複数の突起が形成されており、前記キャプスタンローラと記録媒体との圧接力を調整可能な圧接力調整手段を備え、前記圧接力調整手段は、前記サーマルヘッドによる記録媒体の印画時よりも非印画時の圧接力が小さくなるように圧接力を調整することを特徴とする。
(作用)
請求項6に記載の発明においては、キャプスタンローラは、記録媒体に対する圧接面に複数の突起が形成されており、キャプスタンローラと記録媒体との圧接力を調整可能な圧接力調整手段を備え、圧接力調整手段は、サーマルヘッドによる記録媒体の印画時よりも非印画時の圧接力が小さくなるように圧接力を調整する。そのため、記録媒体の搬送負荷が大きくなる印画時は、記録媒体に対してキャプスタンローラの突起が食い込んで必要な搬送力が確保され、記録媒体の搬送負荷が小さい非印画時は、記録媒体に対するキャプスタンローラの突起の食い込みが弱まってキャプスタン痕が抑制される。
本発明によれば、キャプスタンローラの圧接面に形成された複数の突起により、記録媒体の搬送力が十分に確保されるので、色ずれを防止できる。また、必要に応じてキャプスタンローラの圧接力を調整したり、記録媒体の搬送方向の上流側と下流側とで突起形状を変えることにより、キャプスタン痕を抑制できる。そのため、優れた印画品質を得ることができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
なお、以下の実施形態では、本発明の画像形成装置として、昇華式のサーマルヘッド11によって印画紙20(記録媒体)にカラー印画を行うサーマルプリンタ10を例に挙げて説明する。すなわち、本実施形態のサーマルプリンタ10は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の3色のカラーインクと、透明なラミネートインク(L)とが塗布されたインクリボン30を使用し、サーマルヘッド11に配列された複数の発熱抵抗体11a(本発明における発熱素子に相当するもの)に通電した際の発熱エネルギを利用して各インクを転写することで、印画紙20にカラー印画を行うものである。
また、以下の実施形態では、本発明の搬送装置は、サーマルプリンタ10内に設置されており、キャプスタンローラ21とピンチローラ22との間に印画紙20を挟持し、印画紙20に圧接させたキャプスタンローラ21の回転によって印画紙20を搬送するものである。
図1は、カラー印画が可能な本実施形態のサーマルプリンタ10の概要を示す側面図である。
図1に示すように、本実施形態のサーマルプリンタ10は、サーマルヘッド11とプラテンローラ12とを備えている。ここで、サーマルヘッド11は、プラテンローラ12と対向するように設けられ、プラテンローラ12に対して、接離方向に変位可能となっている。そして、印画が実行される際には、サーマルヘッド11が矢印のように下降して、プラテンローラ12を押圧するように変位する。
このようなサーマルプリンタ10において、各色ごとに色分けされたインクリボン30は、リボンカセット(図示せず)内に収納されており、色変換処理された階調データに応じて、図1に示す矢印のように供給リール31から引き出され、その後、ガイドローラ(図示せず)に導かれながら、サーマルヘッド11とプラテンローラ12との間を通り、巻取りリール32に向けて図1の右方向に搬送される。
一方、印画紙20は、基材部とインクの受容層とを有しており、サーマルプリンタ10内の所定の場所にセットされている。そして、必要に応じてそこから引き出され、搬送される。すなわち、引き出された印画紙20は、用紙搬送路(図示せず)によって導かれ、サーマルヘッド11及びインクリボン30側が受容層で、プラテンローラ12側が基材部となるように給紙される。
この際、印画紙20は、突起21aが形成されたキャプスタンローラ21と、ピンチローラ22との間に挟持されて排紙方向(図1の左方向)に搬送され、サーマルヘッド11とプラテンローラ12との間を通り過ぎる。すなわち、印画は、印画紙20に圧接したキャプスタンローラ21の時計回りの回転駆動により、印画方向(図1の右方向)に印画紙20を搬送しながら行うので、印画の開始時は、印画紙20の先端がサーマルヘッド11を通り過ぎ、印画の開始地点がサーマルヘッド11の発熱抵抗体11aと対向する位置になるまで排紙方向(図1の左方向)に搬送される。
ここで、サーマルプリンタ10に印画指令が入力されると、それまで上昇していたサーマルヘッド11(図1に示す状態)が矢印のように下降し、発熱抵抗体11aによってプラテンローラ12を押圧する。そして、サーマルヘッド11とプラテンローラ12との間にインクリボン30及び印画紙20を挟持する。すなわち、サーマルヘッド11がプラテンローラ12に向かって矢印のように変位すると、インクリボン30及び印画紙20を介して、サーマルヘッド11とプラテンローラ12との間に押圧力が作用する。その結果、インクリボン30と印画紙20の受容層とが押圧されるようになる。
この状態において階調データが入力されると、時計回りに回転駆動されたキャプスタンローラ21と従動するピンチローラ22とにより、印画紙20が印画方向(図1の右方向)に搬送される。それと同時に、インクリボン30が供給リール31から矢印のように引き出され、巻取りリール32に向けて搬送される。そして、サーマルヘッド11の各発熱抵抗体11aが選択的に通電駆動され、発熱抵抗体11aから発生した熱がインクリボン30に伝達される。すると、インクリボン30上のイエロー(Y)のカラーインクが昇華され、印画紙20の受容層上に転写されて印画が行われる。
また、カラー印画は、各色ごとに実行されるため、インクリボン30が搬送されて転写する色が変更されるごとに、サーマルヘッド11が上昇するとともに、キャプスタンローラ21が逆回転(今度は反時計回りに回転)し、印画紙20が排紙方向(図1の左方向)に搬送されて印画の開始地点まで戻される。そして、イエロー(Y)の場合と同様にしてマゼンタ(M)及びシアン(C)のカラーインクがそれぞれ重ねて転写され、カラー画像が形成される。
さらにまた、印画紙20の印画済み領域の全体(カラー画像の上)に透明なラミネートインク(L)が転写され、印画の終了となる。そして、このような印画動作の終了後は、排紙動作となり、印画紙20がそのまま排紙方向(図1の左方向)に搬送され、カッター23によって所定の長さに切断された後、排紙口(図示せず)から排紙される。
このように、図1に示す本実施形態のサーマルプリンタ10は、キャプスタンローラ21とピンチローラ22との間に印画紙20を挟持し、印画紙20に圧接させたキャプスタンローラ21の回転によって印画紙20を搬送しながらサーマルヘッド11の各発熱抵抗体11aを発熱させ、インクリボン30上のイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の3色のカラーインクと、透明なラミネートインク(L)とを印画紙20に転写させて印画を行い、印画された印画紙20を排紙するものである。
また、本実施形態のサーマルプリンタ10は、2色目以降を重ねた際の色ずれを防止するため、図1に示すように、印画紙20に対する圧接面に複数の突起21aが形成されたキャプスタンローラ21を使用している。すなわち、突起21aを形成したキャプスタンローラ21を印画紙20に圧接させ、搬送の際に、キャプスタンローラ21の圧接力によって突起21aが印画紙20の基材部に食い込むようにすることで、十分な搬送力を確保し、色ずれが生じないようにしている。
ところが、上述したように、キャプスタンローラ21の突起21aを印画紙20の基材部に食い込ませると、食い込んだ突起21aの影響により、印画が行われた印画紙20の受容層側にキャプスタン痕(図11参照)が現れるという問題を生ずる。特に、印画サイズが大きくなるとサーマルヘッド11の幅が広くなり、色ずれのない高品質な画像を得るためには、プラテンローラ12に加える押圧力を大きくする必要がある。すると、搬送負荷(サーマルヘッド11と印画紙20との摩擦力等)が増えるので、それに打ち勝つ搬送力を確保しなければならなくなる。そのため、搬送力を確保できる圧接力としつつ、キャプスタン痕を抑制することが求められている。
そこで、本実施形態のサーマルプリンタ10は、キャプスタンローラ21と印画紙20との圧接力を調整可能な圧接力調整手段を備えている。そして、この圧接力調整手段は、サーマルヘッド11による印画紙20の印画時よりも非印画時の圧接力が小さくなるように圧接力を調整する。そのため、印画時は、印画紙20に対してキャプスタンローラ21の突起21aが食い込んで必要な搬送力が確保され、非印画時は、印画紙20に対するキャプスタンローラ21の突起21aの食い込みが弱まってキャプスタン痕が抑制される。
図2は、本実施形態のサーマルプリンタ10における印画時(転写時)及び非印画時(排紙時)の動作を示す側面図である。
図2に示す本実施形態のサーマルプリンタ10は、キャプスタンローラ21に対向するピンチローラ22に、ピンチ圧可変装置40(本発明における圧接力調整手段に相当するもの)が取り付けられている。このピンチ圧可変装置40は、キャプスタンローラ21の突起21aと印画紙20との間の圧接力を調整するためのものであり、ピンチローラ22を上下動させることができる。例えば、ピンチ圧可変装置40によってピンチローラ22を下降させれば、ピンチ圧(印画紙20に対するピンチローラ22の押圧力)が大きくなるので、その反作用として、印画紙20に対するキャプスタンローラ21の圧接力が大きくなる。
このような本実施形態のサーマルプリンタ10によって印画を行うには、ピンチ圧可変装置40によってピンチローラ22のピンチ圧を調整し、印画に必要な印画紙20の搬送力が確保されるようにキャプスタンローラ21の圧接力を設定した上で、上述した通常の印画動作を行えば良い。すなわち、図2(a)に示すように、印画時(転写時)は、サーマルヘッド11を下降させ、発熱抵抗体11aによってプラテンローラ12を押圧し、サーマルヘッド11とプラテンローラ12との間にインクリボン30及び印画紙20を挟持する。また、比較的大きな圧接力でキャプスタンローラ21を時計回りに回転駆動し、キャプスタンローラ21とピンチローラ22との間に挟持された印画紙20を印画方向(図2の右方向)に搬送する。そして、サーマルヘッド11の各発熱抵抗体11aを選択的に通電駆動し、インクリボン30上の各インクを印画紙20に転写して印画を行う。
一方、非印画時(排紙時)は、図2(b)に示すように、サーマルヘッド11を上昇させ、キャプスタンローラ21を反時計回りに回転駆動し、印画紙20を排紙方向(図2の左方向)に搬送する。そして、カッター23によって所定の長さに切断する。
しかしながら、非印画時(排紙時)も印画時(転写時)のような大きな圧接力で印画紙20を排紙(搬送)したのでは、キャプスタンローラ21の圧接によるキャプスタン痕が現れてしまう。
そこで、本実施形態のサーマルプリンタ10では、非印画時(排紙時)に、ピンチ圧可変装置40によってピンチ圧を下げ、キャプスタンローラ21の圧接力を小さくしている。すなわち、印画紙20の非印画時(排紙時)は、サーマルヘッド11が上昇しているので、プラテンローラ12との間で印画紙20が挟持されていない。そのため、搬送負荷(サーマルヘッド11と印画紙20との摩擦力等)が小さくなり、印画時(転写時)よりも小さい搬送力で良い。したがって、ピンチ圧を下げてキャプスタンローラ21の圧接力を小さくしても、円滑に印画紙20を排紙できる。その結果、キャプスタン痕を抑制できるようになる。なお、搬送負荷が小さくなるように、インクリボン30は、摩擦係数の小さいものを使用することが好ましい。
このように、本実施形態のサーマルプリンタ10は、印画時(転写時)と非印画時(排紙時)とで必要な印画紙20の搬送力が異なることに着目し、大きな搬送力が必要な印画時(転写時)は、キャプスタンローラ21の圧接力が大きくなるように、ピンチ圧可変装置40によってピンチローラ22を下降させるようにし(図2(a)の矢印参照)、ピンチ圧を上げる。一方、搬送力が小さくても良い非印画時(排紙時)は、ピンチ圧可変装置40によってピンチローラ22を上昇させるようにし(図2(b)の矢印参照)、ピンチ圧を下げてキャプスタンローラ21の圧接力を小さくし、キャプスタン痕を抑制する。
また、本実施形態のサーマルプリンタ10は、カラー対応のものであり、インクリボン30から転写する色が変更されるごとに、サーマルヘッド11が上昇するとともに、キャプスタンローラ21が逆回転し、印画紙20が排紙方向(図2の左方向)に搬送されて印画の開始地点まで戻される。そのため、印画動作中であっても、印画時と非印画時とがあり、ピンチ圧可変装置40によってピンチ圧(キャプスタンローラ21と印画紙20との圧接力)が調整される。
図3は、本実施形態のサーマルプリンタ10におけるピンチ圧の調整タイミングを示すフローチャートである。
図3に示すステップS1は、印画紙20の給紙動作であり、非印画時の状態である。すなわち、キャプスタンローラ21は、上昇したサーマルヘッド11に対して印画紙20を給紙(搬送)する。そのため、搬送負荷(主にサーマルヘッド11と印画紙20との摩擦力)が小さいので、ピンチ圧を小さくしてキャプスタンローラ21の圧接力を弱くした状態で、キャプスタンローラ21を回転駆動する。
次のステップS2は、印画紙20の印画動作であるが、印画動作中であっても、印画時と非印画時とがある。すなわち、印画時(転写時)は、インクの転写のためにサーマルヘッド11を下降させ、サーマルヘッド11を印画紙20に押圧させながら印画紙20を搬送する。そのため、搬送負荷が大きく、必要な搬送力を確保するために、ピンチ圧を大きくしてキャプスタンローラ21の圧接力を強くした状態で、キャプスタンローラ21を回転駆動する。
ここで、1色目の転写が終わると、色を変更して2色目を転写するためにサーマルヘッド11を上昇させ、キャプスタンローラ21を逆回転させて印画紙20を印画の開始地点まで戻す動作となる。そのため、キャプスタンローラ21が一旦停止する非印画時(停止時)となるが、停止時にキャプスタンローラ21の圧接力が印画紙20に作用していると、キャプスタン痕(図11(b)に示す停止痕)が現れる。そのため、キャプスタンローラ21の停止時は、ピンチ圧をゼロにしてキャプスタンローラ21の圧接力をなくす。なお、停止と同時にピンチ圧をゼロにすることは困難なので、停止時間を短くする(1msec以下)ことが好ましい。
また、キャプスタンローラ21を逆回転させて印画紙20を戻す(搬送する)動作も非印画時(逆回転時)となり、逆回転時は、サーマルヘッド11が上昇していて搬送負荷が小さい。そのため、ピンチ圧を小さくしてキャプスタンローラ21の圧接力を弱くした状態で、キャプスタンローラ21を逆回転駆動する。そして、1色目の印画時(転写時)と同様に、2色目以降の転写を行う。
このように、ステップS2では、印画動作中における印画時(転写時)、非印画時(停止時)、非印画時(逆回転時)によってピンチ圧(キャプスタンローラ21の圧接力)を適宜調整している。すなわち、キャプスタンローラ21の回転時で、サーマルヘッド11による印画紙20の印画時(転写時)は、ピンチ圧(圧接力)を大きくし、キャプスタンローラ21が逆回転するサーマルヘッド11の非印画時(逆回転時)は、ピンチ圧(圧接力)を小さくしている。また、キャプスタンローラ21が停止する非印画時(停止時)は、ピンチ圧(圧接力)をゼロにしている。そして、このようなピンチ圧(圧接力)の調整は、各インクの転写ごとに繰り返される。
次のステップS3は、印画紙20の排紙動作であり、非印画時の状態である。すなわち、ステップS3では、サーマルヘッド11を上昇させたまま印画紙20を排紙(搬送)する。そのため、搬送負荷が小さいので、ピンチ圧を小さくしてキャプスタンローラ21の圧接力を弱くした状態で、キャプスタンローラ21を回転駆動する。
最後のステップS4は、印画紙20の切断動作であり、非印画時の状態である。すなわち、ステップS4では、サーマルヘッド11を上昇させたまま印画紙20を搬送し、カッター23(図2参照)で切断する。そのため、搬送負荷が小さいので、ピンチ圧を小さくしてキャプスタンローラ21の圧接力を弱くした状態で、キャプスタンローラ21を回転駆動する。そして、本実施形態のサーマルプリンタ10では、印画を行うごとに、ステップS1〜ステップS4の各動作が繰り返され、ピンチ圧可変装置40によってピンチ圧が調整される。
図4から図6は、本実施形態のサーマルプリンタ10におけるピンチ圧可変装置40を示す側面図である。
なお、図4は、ピンチ圧を小さくした状態を示すものであり、図5は、ピンチ圧を大きくした状態を示すものであり、図6は、ピンチ圧をゼロにした状態を示すものである。
図4に示すように、ピンチローラ22は、キャプスタンローラ21と対向するように設けられており、キャプスタンローラ21との間で印画紙20を挟持する。そして、本実施形態のサーマルプリンタ10では、ピンチローラ22が、キャプスタンローラ21と印画紙20との圧接力を調整可能な圧接力調整手段(ピンチ圧可変装置40)を備えている。
このピンチ圧可変装置40は、中心からずれた位置にある回転軸41によって回転する偏心カム42と、偏心カム42の回転によって縮み量が変化するコイルバネ43(本発明におけるバネに相当するもの)とを備えている。そして、このコイルバネ43の一端部がピンチローラ22を支持するアーム44に取り付けられている。そのため、モータ(図示せず)の回転駆動によって回転軸41を回転させると、偏心カム42が回転し、コイルバネ43の縮み量が変化してアーム44が作動する。すると、ピンチローラ22が上下動してピンチ圧(印画紙20に対するキャプスタンローラ21の圧接力)が変化する。
ここで、図4は、キャプスタンローラ21の回転時で、サーマルヘッド11(図2参照)の非印画時(図3に示す給紙動作時、印画動作中の逆回転時、排紙動作時、及び切断動作時)の状態を示しており、偏心カム42の回転位置の関係で、コイルバネ43がほとんど縮んでいる。そのため、印画紙20に対して小さいピンチ圧が作用し、その反作用としてのキャプスタンローラ21の圧接力も小さくなっている。すなわち、サーマルヘッド11が上昇中の非印画時で搬送負荷が小さい場合には、キャプスタンローラ21の圧接力を小さくして印画紙20を搬送できるので、キャプスタン痕(図11(a)に示すスパイク痕)を抑制できる。
また、図5は、キャプスタンローラ21の回転時で、サーマルヘッド11(図2参照)の印画時(図3に示す印画動作中の転写時)の状態を示しており、偏心カム42の回転位置の関係で、コイルバネ43がほとんど伸びている。そのため、印画紙20に対して大きいピンチ圧が作用し、その反作用としてのキャプスタンローラ21の圧接力も大きくなっている。すなわち、サーマルヘッド11が下降中の印画時で搬送負荷が大きい場合であっても、キャプスタンローラ21を回転駆動して印画紙20を正確に搬送できるので、色ずれを防止できる。
さらにまた、図6は、キャプスタンローラ21の停止時で、サーマルヘッド11(図2参照)の非印画時(図3に示す印画動作中の停止時)の状態を示しており、偏心カム42の回転位置の関係で、コイルバネ43が縮んでアーム44を持ち上げている。そのため、印画紙20に対するピンチ圧がゼロとなり、キャプスタンローラ21の圧接力もゼロになる。すなわち、キャプスタンローラ21の圧接力をゼロにできるので、印画紙20の停止中に圧接力が作用することによって現れるキャプスタン痕(図11(b)に示す停止痕)を抑制できる。
このように、本実施形態のサーマルプリンタ10は、ピンチ圧可変装置40によってピンチローラ22のピンチ圧(キャプスタンローラ21の圧接力)を調整できる。すなわち、偏心カム42を回転させることによってコイルバネ43が伸びるようにすれば、ピンチローラ22が下降するようになってピンチ圧が大きくなり、印画紙20に対するキャプスタンローラ21の圧接力も大きくなる。逆に、コイルバネ43が縮むようにすれば、ピンチローラ22が上昇するようになってピンチ圧が小さくなり、印画紙20に対するキャプスタンローラ21の圧接力も小さくなる。そして、ピンチ圧可変装置40は、偏心カム42の回転位置により、圧接力を連続的に調整可能となっている。
このような本実施形態のサーマルプリンタ10において、ピンチ圧可変装置40は、キャプスタンローラ21の回転時と停止時、サーマルヘッド11(図2参照)の印画時と非印画時とでピンチ圧(圧接力)を変化させる。すなわち、印画紙20を搬送するために必要な搬送力に応じてキャプスタンローラ21の圧接力を適宜調整し、必要最小限の圧接力とする。また、印画紙20を搬送しないときは、圧接力をゼロにする。その結果、本実施形態のサーマルプリンタ10では、キャプスタン痕が大幅に抑制される。
図7は、本実施形態のサーマルプリンタ10における印画紙20の搬送力とキャプスタンローラ21の圧接力との関係を示すグラフである。
図7に示すように、キャプスタンローラ21の圧接力を大きくすれば、それに応じて印画紙20の搬送力が大きくなる。また、印画紙20の厚さ、重さ、紙質等により、印画紙20を正確に搬送し、色ずれを防止するために最低限必要な搬送力(必要最小搬送力)がある。
したがって、キャプスタンローラ21の圧接力に対応する印画紙20の搬送力が必要最小搬送力以上であれば、色ずれなく印画紙20を搬送することができる。すなわち、図7に示す圧接力Pを通る直線から右側の領域(図7の斜線の範囲)であれば良く、キャプスタンローラ21の圧接力を圧接力P(必要最小圧接力)以上に設定すれば良い。
ところが、圧接力を大きくすると、それに応じてキャプスタン痕が現れる。そのため、色ずれなく印画紙20を搬送するための圧接力と、印画紙20にキャプスタン痕を発生させないようにするための圧接力とが背反関係にあり、搬送力を上げるために圧接力を大きくするとキャプスタン痕が現れ、キャプスタン痕が現れないように圧接力を小さくすると色ずれを起こす。
ここで、必要最小搬送力は、印画紙20の厚さ、重さ、紙質等によって異なるだけでなく、上述したように、搬送負荷(主にサーマルヘッド11と印画紙20との摩擦力)によっても変わる。そのため、必要最小搬送力が上下することとなり、その結果、圧接力Pも大きくなったり小さくなったりする。
そこで、本実施形態のサーマルプリンタ10は、必要最小搬送力が得られる圧接力Pになるように、図4から図6に示すピンチ圧可変装置40によってピンチ圧を調整する。そのため、色ずれがなく、キャプスタン痕が抑制されたものとなる。なお、ピンチ圧可変装置40は、連続的にピンチ圧(圧接力)を調整可能なので、印画紙20の搬送負荷を検知する搬送負荷検知手段(例えば、トルクセンサ等)を備えるようにすれば、圧接力Pをきめ細かく調整できるようになり、キャプスタン痕がより一層抑制される。
また、本実施形態のサーマルプリンタ10は、キャプスタンローラ21の突起21a(図2参照)の形状によってもキャプスタン痕を抑制する。すなわち、図3に示すように、印画動作中におけるキャプスタンローラ21の逆回転時は、サーマルヘッド11が上昇しているので、搬送負荷が小さい。そのため、キャプスタンローラ21の逆回転時(印画紙20を戻す逆送り時)は、突起21aの形状によって搬送力が小さくなるようにし、キャプスタンローラ21の通常回転時(印画紙20を印画方向に送る順送り時)は、突起21aの形状によって搬送力が大きくなるようにして、通常回転時の圧接力をその分だけ小さくすることで、キャプスタン痕を抑制している。
図8は、本実施形態のサーマルプリンタ10におけるキャプスタンローラ21の突起21aを示す側面図及び平面図である。
図8に示すように、キャプスタンローラ21には、圧接面に複数の突起21aが形成されており、各突起21aは全て、印画方向の上流側よりも下流側の方が鋭利な形状となっている。
このような突起21aの場合、印画紙20を戻す逆送り時は、搬送力が小さくなってしまうが、印画紙20を印画方向に送る順送り時(搬送負荷が大きい方向)の搬送力が大きくなるので、その分だけ順送り時のキャプスタンローラ21の圧接力を弱くすることができる。そのため、図8に示す形状の突起21aにより、キャプスタン痕を抑制できる。なお、印画紙20が一方向にのみ搬送される場合には、その搬送方向の上流側よりも下流側を鋭利な形状とする。
図9は、本実施形態のサーマルプリンタ10におけるキャプスタンローラ21の他の突起21bを示す側面図である。
図9に示すように、キャプスタンローラ21には、圧接面に複数の突起21bが形成されており、各突起21bは全て、台形状となっている。すなわち、突起21bは、先端角80°、先端幅50μm、高さ80μmの台形状のものである。
このような突起21bの場合、一般的なものより比較的先端角が大きい(80°以上の鈍角)ので搬送力が増し、その分だけキャプスタンローラ21の圧接力を弱くすることができる。また、印画紙20に対する突起21bの食い込み量が浅くなる。さらにまた、比較的先端幅が広い(50μm)ので印画紙20との接触面積が増え、印画紙20に作用する圧接力が小さくなる。そのため、図9に示す形状の突起21bにより、キャプスタン痕を抑制できる。なお、突起21bの先端幅を広くするのと同じ理由で、キャプスタンローラ21やピンチローラ22(図2参照)の直径を大きくしたり、複数にすることも有効である。
また、本実施形態のサーマルプリンタ10は、図4から図6に示すピンチ圧可変装置40により、キャプスタンローラ21の各突起21a(21b)による印画紙20の凹みが印画紙20の弾性限度内となるようにピンチ圧(圧接力)を調整する。すなわち、印画紙20に対してキャプスタンローラ21の突起21a(21b)が食い込み、印画紙20に凹みが発生しても、その凹みが回復するようにして、キャプスタン痕を消滅させている。
図10は、本実施形態のサーマルプリンタ10におけるキャプスタン痕の消滅の様子を示す説明図である。
図10(a)に示すように、キャプスタンローラ21には、印画紙20に対する圧接面に複数の突起21aが形成されている。そして、印画紙20は、キャプスタンローラ21とピンチローラ22との間に挟持され、印画紙20に圧接したキャプスタンローラ21の回転駆動によって搬送される。
この際、キャプスタンローラ21の突起21aが印画紙20に食い込むので、サーマルヘッド11を上昇させ、印画紙20を排紙方向(図10の左方向)に搬送すると、図10(b)に示すように、印画紙20の印画済み領域には、キャプスタンローラ21の突起21aに対応してキャプスタン痕が現れる。
このように、キャプスタンローラ21の突起21aの食い込みによってキャプスタン痕が発生してしまうが、図10(a)に示すように、ピンチローラ22のピンチ圧は、ピンチ圧可変装置40によって調整される。そして、ピンチ圧可変装置40は、キャプスタンローラ21の突起21aによる印画紙20の凹みが印画紙20の弾性限度内となるようにピンチ圧(キャプスタンローラ21の圧接力)を調整する。
この場合、キャプスタンローラ21の突起21aは、印画紙20の弾性限度内で印画紙20に圧接し、弾性限度内の凹みを生じさせるが、塑性域に入った凹みが生じることはない。そのため、発生した凹みは、時間の経過とともに自然に回復する。そして、キャプスタン痕は、この凹みが印画済み領域に現れたものである。
したがって、印画紙20の凹みが自然に回復することから、キャプスタン痕も時間の経過とともに自然に消滅する。すなわち、図10(b)に示すように、印画紙20は、次第にキャプスタン痕がない状態となり、その後で排紙されることとなる。その結果、本実施形態のサーマルプリンタ10によれば、優れた印画品質が得られるようになる。
このように、本実施形態のサーマルプリンタ10は、ピンチローラ22のピンチ圧(キャプスタンローラ21の圧接力)を調整するピンチ圧可変装置40を備えているので、印画紙20に対する圧接力を必要最小限のものとすることができる。また、キャプスタンローラ21の各突起21a(21b)は、圧接力を小さくできる形状となっている。さらにまた、キャプスタンローラ21によって発生した印画紙20の凹みは、時間の経過とともに自然に回復する。そのため、キャプスタン痕が大幅に抑制され、印画品位が向上する。そして、このようなピンチ圧可変装置40等は、印画紙20の搬送力を大きくする必要がある(キャプスタン痕が目立つようになる)大きな印画サイズのサーマルプリンタ10に、特に好適なものとなる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、例えば、以下のような種々の変形が可能である。
(1)本実施形態では、記録媒体として印画紙20(紙メディア)を使用しているが、これに限ることなく、プラメディアであっても良い。
(2)本実施形態では、ピンチローラ22を上下動させる圧接力調整手段(ピンチ圧可変装置40)によってピンチローラ22のピンチ圧を変化させ、キャプスタンローラ21の圧接力を調整しているが、圧接力調整手段は、これに限らず、キャプスタンローラ21を上下動等させることにより、圧接力を調整可能としても良い。
カラー印画が可能な本実施形態のサーマルプリンタの概要を示す側面図である。 本実施形態のサーマルプリンタにおける印画時(転写時)及び非印画時(排紙時)の動作を示す側面図である。 本実施形態のサーマルプリンタにおけるピンチ圧の調整タイミングを示すフローチャートである。 本実施形態のサーマルプリンタにおけるピンチ圧可変装置を示す側面図であり、ピンチ圧を小さくした状態を示すものである。 本実施形態のサーマルプリンタにおけるピンチ圧可変装置を示す側面図であり、ピンチ圧を大きくした状態を示すものである。 本実施形態のサーマルプリンタにおけるピンチ圧可変装置を示す側面図であり、ピンチ圧をゼロにした状態を示すものである。 本実施形態のサーマルプリンタにおける印画紙の搬送力とキャプスタンローラの圧接力との関係を示すグラフである。 本実施形態のサーマルプリンタにおけるキャプスタンローラの突起を示す側面図及び平面図である。 本実施形態のサーマルプリンタにおけるキャプスタンローラの他の突起を示す側面図である。 本実施形態のサーマルプリンタにおけるキャプスタン痕の消滅の様子を示す説明図である。 キャプスタンローラの突起によって生じる印画紙のキャプスタン痕を示す説明図である。
符号の説明
10 サーマルプリンタ(画像形成装置)
11 サーマルヘッド
11a 発熱抵抗体(発熱素子)
21 キャプスタンローラ(搬送装置)
21a 突起
21b 突起
22 ピンチローラ(搬送装置)
40 ピンチ圧可変装置40(圧接力調整手段)
41 回転軸
42 偏心カム
43 コイルバネ(バネ)

Claims (7)

  1. 記録媒体を搬送するためのキャプスタンローラと、
    前記キャプスタンローラに対向するピンチローラと
    を備え、
    前記キャプスタンローラと前記ピンチローラとの間に記録媒体を挟持し、記録媒体に圧接させた前記キャプスタンローラの回転によって記録媒体を搬送する搬送装置であって、
    前記キャプスタンローラは、記録媒体に対する圧接面に複数の突起が形成されており、
    前記キャプスタンローラと記録媒体との圧接力を調整可能な圧接力調整手段を備え、
    前記圧接力調整手段は、前記キャプスタンローラの回転時よりも停止時の圧接力が小さくなるように圧接力を調整する
    ことを特徴とする搬送装置。
  2. 請求項1に記載の搬送装置において、
    前記圧接力調整手段は、連続的又は段階的に圧接力を調整可能である
    ことを特徴とする搬送装置。
  3. 請求項1に記載の搬送装置において、
    前記圧接力調整手段は、
    中心からずれた位置にある回転軸によって回転する偏心カムと、
    前記偏心カムの回転によって縮み量が変化するバネと
    を備えることを特徴とする搬送装置。
  4. 記録媒体を搬送するためのキャプスタンローラと、
    前記キャプスタンローラに対向するピンチローラと
    を備え、
    前記キャプスタンローラと前記ピンチローラとの間に記録媒体を挟持し、記録媒体に圧接させた前記キャプスタンローラの回転によって記録媒体を搬送する搬送装置であって、
    前記キャプスタンローラは、記録媒体に対する圧接面に複数の突起が形成されており、
    前記キャプスタンローラと記録媒体との圧接力を調整可能な圧接力調整手段を備え、
    前記圧接力調整手段は、各前記突起による記録媒体の凹みが記録媒体の弾性限度内となるように圧接力を調整する
    ことを特徴とする搬送装置。
  5. 記録媒体を搬送するためのキャプスタンローラと、
    前記キャプスタンローラに対向するピンチローラと
    を備え、
    前記キャプスタンローラと前記ピンチローラとの間に記録媒体を挟持し、記録媒体に圧接させた前記キャプスタンローラの回転によって記録媒体を搬送する搬送装置であって、
    前記キャプスタンローラは、記録媒体に対する圧接面に複数の突起が形成されており、
    各前記突起は全て、記録媒体の搬送方向の上流側よりも下流側の方が鋭利な形状である
    ことを特徴とする搬送装置。
  6. 複数の発熱素子を配列したサーマルヘッドと、
    記録媒体を搬送するためのキャプスタンローラと、
    前記キャプスタンローラに対向するピンチローラと
    を備え、
    前記キャプスタンローラと前記ピンチローラとの間に記録媒体を挟持し、記録媒体に圧接させた前記キャプスタンローラの回転によって記録媒体を搬送しながら前記サーマルヘッドの各前記発熱素子を発熱させ、印画を行う画像形成装置であって、
    前記キャプスタンローラは、記録媒体に対する圧接面に複数の突起が形成されており、
    前記キャプスタンローラと記録媒体との圧接力を調整可能な圧接力調整手段を備え、
    前記圧接力調整手段は、前記サーマルヘッドによる記録媒体の印画時よりも非印画時の圧接力が小さくなるように圧接力を調整する
    ことを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項6に記載の画像形成装置において、
    前記圧接力調整手段は、
    前記キャプスタンローラの回転時で前記サーマルヘッドによる記録媒体の印画時は、圧接力を大きくし、
    前記キャプスタンローラの回転時で前記サーマルヘッドによる記録媒体の非印画時は、圧接力を小さくし、
    前記キャプスタンローラの停止時は、圧接力をゼロにする
    ことを特徴とする画像形成装置。
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