JP2008213093A - チップソー、その製造方法及びチップソー用チップ - Google Patents

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Abstract

【課題】チップソーの使用に伴う各チップの刃部の負担増大を抑制する。
【解決手段】チップ14,15のすくい面14b,15bには、チップ先端縁部の一部を含むように凹部14a,15aが形成され、チップ先端縁部における凹部14a,15a以外の部位が刃部として形成され、前記刃部がチップ幅の略全体をカバーするように、凹部14a,15bの形成位置がチップ幅方向に異なる複数種類のチップ14,15が配設されている。凹部14a,15aは、チップ先端縁部からチップソー本体12の外周縁よりも半径方向内側にまで亘る範囲に形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、チップソー、その製造方法及びチップソー用チップに関するものである。
従来、チップソー本体の外周部に多数のチップが間隔をおいて配設され、ステンレス鋼等の難削材の切断が可能なチップソー(超硬丸のこ歯)が知られている。チップソーのチップは、チップメーカーから種々のチップソーメーカーに納められるように汎用性を持たせるべく、比較的単純な形状に形成されるのが慣行となっている。例えば下記特許文献1には、チップソーの周方向に見たときのチップ形状が逆台形状であるチップが示されている。
一方、特許文献2には、互いに異なる形状の刃部を有するチップが組み合わされてチップソー本体に取り付けられているチップソーが示されている。具体的には、このチップソーには、図9及び図10に示すように、チップ51の逃げ面両端部を面取りしたチップ51と平刃状のチップ52とが組み合わされたもの、刃部が左側に傾斜したチップ53と右側に傾斜したチップ54とが組み合わされたものが示されている。このような形状の異なる刃部を有するチップを組み合わせることで、各刃部にかかる負担を分散でき、切削抵抗を抑制できると記載されている。
特開平9−38826号公報 特開平8−25137号公報
前記特許文献に開示された従来のチップでは、逃げ面の左右両端を面取りすることによって刃幅を短くしたり(図9のチップ51)、逃げ面を左右何れかに傾斜させることによって刃幅を短くしたりすることで(図10のチップ53,54)、各チップの刃部にかかる負担を軽減できていると考えられる。しかしながら、刃部の磨耗に伴って刃幅が次第に長くなるために、チップソーの使用時間に応じて各チップ51,53,54にかかる負荷が次第に増大するという問題があった。
そこで、本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、チップソーの使用に伴う各チップの刃部の負担増大を抑制することにある。
前記の目的を達成するため、本発明は、チップソー本体に多数のチップが設けられた構成のチップソーであって、チップのすくい面には、チップ先端縁部の一部を含むように凹部が形成され、前記凹部が形成されたチップでは、前記チップ先端縁部における前記凹部以外の部位が刃部として形成されているチップソーである。
本発明では、チップにおいてすくい面のチップ先端縁部における刃幅(刃部の長さ)がチップ幅よりも短くなっているので、切断時にチップにかかる負荷が低減されることとなる。このため、チップの磨耗を抑制することができ、また切削くずを小さくすることもできる。そして、本発明では、すくい面に凹部が形成されることによって刃部の長さがチップ幅よりも小さくなる構成とされるので、チップの先端縁部が磨耗してもすくい面に凹部が残っている限り、刃幅の増大が抑制されることとなる。この結果、チップの磨耗に伴ってチップにかかる負荷が増大するという事態を抑制できるので、チップの寿命を延ばすことができる。なお、一部のチップに凹部が形成されていないものがあったとしても、凹部が形成されたチップでは負担が軽減されるため、チップソー全体としてチップの寿命を延ばすことが可能である。
ここで、前記刃部がチップ幅の略全体をカバーするように、前記凹部の形成位置がチップ幅方向に異なる複数種類のチップが配設されているのが好ましい。この態様では、複数のチップによって刃幅がチップ幅の略全体に亘るように複数タイプのチップが配設されているので、チップソー本体の厚みに相当する切削幅で切断を行うことができる。
また、前記凹部は、前記チップ先端縁部からチップソー本体の外周縁よりも半径方向内側にまで亘る範囲に形成されているのが好ましい。
この態様では、凹部が少なくともチップソー本体の外周縁の外側から内側にまで存在しているので、チップが磨耗したとしても、チップ先端縁部がチップソー本体の外周縁に相当する位置に達するまでは、凹部が存在し続ける。したがって、チップの寿命が続く限り、凹部の存在によって刃部の長さが増大するのを抑制することができる。
また、前記刃部として形成される前記チップ先端縁部における前記凹部以外の部位は、チップ幅方向に所定の長さを有するのが好ましい。
この態様では、チップ先端縁部における凹部以外の部位を刃部として有効に機能させることができる。
また、各チップの前記チップ先端縁部における前記凹部以外の部位が、前記チップ本体の何れも同じ半径位置でチップ幅方向に延びる直線上に位置しているのが好ましい。
この態様では、各チップの研磨工程を簡素化することができる。すなわち、各チップのチップ先端縁部が、同じ半径位置でチップ幅方向すなわち刃の長さ方向に延びる直線上に位置しているので、チップソーを研磨機に一度セットすれば、チップソー本体を回転させるだけで全てのチップのチップ先端縁部を研磨することができる。これにより、チップ研磨を簡素化することができる。これに対し、従来のようにチップ先端縁部を傾斜させたり、両端部を面取りすることによって刃部にかかる負担を軽減させる場合には、研磨工程が煩雑になってしまう。すなわち、複数種類のチップが組み合わされて配設されていると、各チップ先端縁部の形状に応じてチップソーを研磨機にセットし直しながら研磨を行わないといけなくなる。したがって、本発明の好ましい態様では、チップ先端縁部をチップ幅方向に傾斜させずにチップ幅方向に延びる直線上に配置させるとともに、凹部を設けることによって刃部の長さを短くする構成なので、複数種類のチップを組み合わせて配設する構成でありながら、研磨工程が煩雑化することなく、使用に伴って切削負荷が増大するのを抑制することができる。
また、前記逃げ面は、前記すくい面から遠ざかるにつれてチップソー本体の半径方向内側に向かうように前記すくい面に対して傾斜した部位を有する場合には、前記凹部は、前記逃げ面における前記傾斜した部位に跨っていてもよい。
この態様では、逃げ面における傾斜部位に凹部が跨っているので、磨耗によってチップ先端縁部が後退して逃げ面の一部が磨耗したとしても、刃部の長さがより長くなり難くすることができる。これにより、チップの使用に伴って負荷が増大するのを更に効果的に抑制することができる。
また、一部のチップでは前記凹部が幅方向中央に設けられ、一部のチップでは前記凹部が幅方向両側に設けられていてもよい。
この態様では、切断時にかかる負荷をバランスさせることができる。
また、本発明のチップソーは、金属難削材、その他難削材及びその他被削材のうち、少なくとも1つを切断するのに好適である。好適な金属難削材としては、例えば、超硬合金、高速度工具鋼、ダイス鋼、焼入れ鋼、チルド鋳鉄、超耐熱合金、チタン合金、ステンレス鋼、高マンガン鋼、高Siアルミニウム、ダクタイル鋳鉄、耐食耐熱超合金(インコネル等)等が挙げられる。また、好適なその他難削材としては、例えばセラミックス、FRP、セメント等が挙げられる。また、好適なその他被削材としては、例えば樹脂、石膏、木工等が挙げられる。
本発明は、チップソーの製造方法であって、すくい面におけるチップ先端縁部の一部を含むように凹部が形成された複数のチップをチップソー本体に固着し、研磨機に対してチップソーをセットし直すことなく、チップソー本体に固着された複数のチップの先端縁部を研磨するチップソーの製造方法である。
本発明は、チップソーのチップソー本体に取り付けられるチップであって、すくい面には、チップ先端縁部の一部を含むように凹部が形成され、前記チップ先端縁部における前記凹部以外の部位が刃部として形成されているチップソー用チップである。
以上説明したように、本発明によれば、チップソーの使用に伴う各チップの刃部の負担増大を抑制することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明にかかるチップソーの一実施形態を示している。本実施形態にかかるチップソー10は、超硬合金、高速度工具鋼、ダイス鋼、焼入れ鋼、チルド鋳鉄、超耐熱合金、チタン合金、ステンレス鋼、高マンガン鋼、高Siアルミニウム、ダクタイル鋳鉄、耐食耐熱超合金(インコネル等)等の難削材を切断するためのものである。同図に示すように、このチップソー10は、チップソー本体12と、このチップソー本体12に固着された多数のチップ14,15とを備えている。
チップソー本体12は、所定の厚みを有するとともに全体として円板状に形成され、中央部には切断機あるいは研磨機(図示省略)に取り付けるのに使用される貫通孔16が設けられている。チップソー本体12の外周部には、チップ14,15を支持するためのチップ支持部20が設けられている。チップ支持部20は、周方向に等間隔に配置されて多数設けられている。チップ支持部20は、図2に拡大して示すように、チップソー本体12の外周面に間隔をおいて溝22が形成されることによって径方向外側に突出するように形成された部位である。
前記溝22は、チップソー本体12の厚み方向の全体に亘って形成されており、この溝22の一方の側面はチップソー本体12の半径方向に平行に形成されている。この一方の側面は、全ての溝22で同じ側となっていて、チップ14,15を取り付けるための取付面22aとなっている。また、溝22の底面には、チップ14,15の底部に対応した形状の底部取付部22bが形成されている。
このチップソー10には、複数種類のチップ14,15が取り付けられている。本実施形態ではチップ14,15は2種類あり、これらの異種チップ14,15が交互に配設されている。これらのチップ14,15は、いずれもすくい面14b,15bに凹部14a,15aが形成されているが、その形成位置が異なっている。
第1のチップ14では、図3(a)〜(c)に示すように、すくい面14bにおける幅方向の中央部に凹部14aが形成されている。すくい面14bはチップソー本体12の取付面22aに接触する面とは反対側の面である。そして、凹部14aは、このすくい面14bにおけるチップ先端縁部の一部を含むように形成されている。すなわち、凹部14aは、チップ14の長さ方向、即ちすくい面14bの長さ方向に延びており、すくい面14bにおける先端縁部14c(図3(b)における上端部)から基端部(図3(b)の下端部)に亘っている。凹部14aは、その長さ方向に略一定の幅を有する形状に形成され、チップ先端縁部14cからチップソー本体12の外周縁よりも半径方向内側にまで亘っている。そして、すくい面14bは、凹部14aによって互いに離間した2つの部位に分割されていて、凹部14aを挟んで両側の所定幅を有する部位におけるチップ先端縁部14cが刃部となっている。第1チップ14では、刃部の長さは、例えばチップ幅の略3分の2となっている。
凹部14aは、チップ先端側から見た断面形状が半円状の場合を例示しているが(図3(a)参照)、例えば、半楕円状、三角形状、矩形状、多角形状等の形状でもよい。
チップ14の先端面(図3(c)における上端面)は、逃げ面14dとなる。すなわち、逃げ面14dは底部と反対側の面である。すくい面14bと逃げ面14dとの交差線すなわちチップ先端縁部14cは、チップソー本体12の半径方向と略直交する方向に延びている。
逃げ面14dには、すくい面14b側に位置する前側部14eと、この前側部14eから連続する後側部14fとが含まれている。前側部14eは、すくい面14bに略直交する部位であり、僅かな奥行きを有するのみである。そして、前側部14eはすくい面14bの凹部14aによって2つの部位に分割されている。凹部14aは前側部14eの奥行きとおよそ一致する深さに形成されている。
逃げ面14dの前側部14eは、チップ支持部20の外周面よりも径方向外側に位置する設定となっている。そして、後側部14fは、前側部14eから離れるにしたがって半径方向内側に位置するように傾斜している。この点は第2のチップ15でも同様である。
一方、第2のチップ15は、図4(a)〜(c)に示すように、すくい面15bの両端部に凹部15aが形成されている。そして、凹部15aは、すくい面15bにおけるチップ先端縁部15cの一部を含むように形成されている。すなわち、凹部15aは、チップ15の長さ方向、即ちすくい面15bの長さ方向に延びており、すくい面15bにおける先端縁部15c(図4(b)における上端部)から基端部(図4(b)の下端部)に亘っている。したがって、凹部15aは、チップ先端縁部15cからチップソー本体12の外周縁よりも半径方向内側にまで亘っている。そして、すくい面15bは、凹部15aに挟まれた中央部の所定幅を有する部位におけるチップ先端縁部15cが刃部となっている。刃部は、一定の幅を有する状態でチップ15長さ方向(チップソー本体12の半径方向)に延びている。第2チップ15では刃部の幅は、例えばチップ幅の略3分の1となっている。
第2チップ15の刃部は、第1チップ14の刃部とはチップ幅方向に異なるところに設けられている。そして、第1チップ14の刃部と、第2チップ15の刃部とによってチップ幅の略全体がカバーされるようになっている。
図4(a)に示すように、チップ先端側から見た凹部15aの断面形状は、湾曲面状となっているが、これに限られるものではなく、円弧状、平面状、角形状等の形状であってもよい。
第2チップ15の逃げ面15dには、第1チップ14同様に前側部15eと後側部15fとが含まれている。前側部15eは、すくい面15bの凹部15aの存在により、逃げ面15dにおける幅方向の中央部に制限されている。この前側部15eは、第1チップ14の逃げ面14dにおける前側部14eと同じ半径位置に位置している。そして、刃部におけるすくい面15bと逃げ面15dとの交差線は、刃幅方向に延びる直線状となっている。
各チップ14,15の前側部14e,15eは、チップソー10の外周面を形成する。すなわち、刃部における前記交差線は、チップソー本体12の半径方向と略直交している。そして、各チップ14,15の刃部における前記交差線は、何れもチップソー本体12の同じ半径位置で刃幅方向に延びる直線上に位置している。これは、チップソー10を研磨機にセットし、その状態で全てのチップ14,15を一括して研磨して逃げ面14d,15dの前側部14e,15eを形成することによる。
ここで、チップソー10の製造方法について簡単に説明する。チップソー10を製造するには、チップ14,15を用意するとともにチップソー本体12を用意し、チップソー本体12に多数のチップ14,15を固着させることによる。チップ14,15の材質としては、超硬合金、サーメット、Al2O3系セラミックス、Si3N4系セラミックス、CBN焼結体、ダイヤモンド焼結体等を挙げることができる。チップ14,15を型内で焼結させて成形する場合には、この成形時にチップ14,15に凹部14a,15aが一体的に形成される。このチップ14,15の逃げ面14d,15dには、後側部14f,15fを形成する傾斜面が形成されている一方、前側部14e,15eは形成されているとしても、ごく僅かである。これは、前側部14e,15eについては、後述するようにチップソー本体12に固定された状態でチップ14,15を研磨することによって前側部14e,15eを所定の位置に形成するからである。なお、凹部14a,15aは、チップ14,15の成形時に同時に形成されるものに限られるわけではなく、チップ14,15を成形した後、凹部14a,15aを加工によって形成するようにしてもよい。チップ成形と同時に凹部14a,15aを形成する方法では、凹部14a,15aの形成工程を簡略化できる一方、チップ成形後に凹部14a,15aを形成する方法では、汎用性のある一般的なチップ用の金型を用いてチップ14,15を成形することができる。
そして、凹部14a,15aが形成されたチップ14,15をチップソー本体12のチップ支持部20に固定する。このとき、第1チップ14と第2チップ15を交互に配設してもよく、あるいは所定個数ずつ交互に配設してもよい。また、交互ではなくランダムに配設してもよい。この場合には、第1チップ14と第2チップ15の数が異なっていてもよい。また、被削材の種類によっては一方のチップのみが配設される構成であってもよい。その後、チップソー10を図略の研磨機にセットしてチップ14,15の研磨を行う。このとき、研磨機に対してチップソー10をセットし直さなくても、各チップ14,15における逃げ面14d,15dの前側部14e,15eを研磨することができる。これにより、各チップ14,15の前側部14e,15eがチップソー本体12の同じ半径位置に揃えられて、チップソー10が完成する。
本実施形態にかかるチップソー10では、被削材を切断する際に、切削溝の両端部を第1チップ14が切削し、切削溝の中央部を第2チップ15が切削する。すなわち、第1チップ14と第2チップ15とでチップソー本体12の厚み方向に負荷を分担しながら切削溝が切削されていく。このため、切削くずは小さくなり、チップ14,15にかかる負荷も軽減される。そして、切削された切削くずは、凹部14a,15aあるいはチップソー本体12の溝22を通して排出される。
以上説明したように、本実施形態によれば、複数のチップ14,15によって刃幅がチップ幅の略全体に亘るように複数タイプのチップ14,15が配設されているので、負荷を分担しつつ、チップソー本体12の厚みに相当する切削幅で切断を行うことができる。一方、チップ14,15のすくい面14b,15bのチップ先端縁部14c,15cにおける刃幅(刃部の長さ)が短くなっているので、切断時にそのチップ14,15にかかる負荷が低減される。このため、チップ14,15の磨耗を抑制することができ、また切削くずを小さくすることもできる。そして、本チップソー10では、すくい面14b,15bに凹部14a,15aが形成されることによって刃部の長さがチップ幅よりも小さくなる構成とされているので、チップ14,15の先端縁部14c,15cが磨耗してもすくい面14b,15bに凹部14a,15aが残っている限り、刃幅の増大が抑制されることとなる。この結果、チップ14,15の磨耗に伴ってチップ14,15にかかる負荷が増大するという事態を抑制できるので、チップ14,15の寿命を延ばすことができる。
また本実施形態では、凹部14a,15aがチップソー本体12の外周面よりも内側にまで延びるように形成されているので、チップ14,15が磨耗したとしても、チップソー本体12の外周縁に相当する位置に達するまでは、凹部14a,15aが存在し続けることとなる。このため、チップ14,15の寿命が続く限り、凹部14a,15aの存在によって刃部の長さが増大するのを抑制することができる。
また本実施形態では、チップ幅方向の刃部の長さが所定の長さを有するので、チップ先端縁部14c,15cにおける凹部14a,15a以外の部位を刃部として有効に機能させることができる。
そして本実施形態では、各チップ14,15の刃部が何れも同じ半径位置に位置しているので、各チップ14,15の研磨工程を簡素化することができる。すなわち、各チップ14,15のチップ先端縁部14c,15cが、同じ半径位置でチップ幅方向すなわち刃の長さ方向に延びる直線上に位置しているので、チップソー10を研磨機に一度セットすれば、チップソー本体12を回転させるだけで全てのチップ14,15のチップ先端縁部14c,15cを研磨することができる。これにより、チップ14,15研磨を簡素化することができる。
また本実施形態では、第2のチップ15の凹部15aがすくい面15bの両側に設けられる一方、第1のチップ14では、凹部14aがすくい面14bの中央に設けられているので、切断時にかかる負荷をバランスさせることができる。
なお、本発明の適用は、前記実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更、改良等が可能である。例えば、図5(a)〜(c)及び図6(a)〜(c)に示すように、凹部14a,15aが逃げ面14d,15dにおける後側部14f,15fにまで跨る範囲に形成されていてもよい。すなわち、凹部14a,15aは、逃げ面14d,15dにおける前側部14e,15eを超えて後側部14f,15fにおける中間部にまで亘る範囲に形成されている。このため、図5に示す第1チップ14では前側部14eのみならず、後側部14fの所定範囲で逃げ面14dが凹部14aによって2つに分割されている。一方、図6に示す第2チップ15では、逃げ面15dが前側部15eから後側部15fの所定範囲まで同じ幅に形成されている。この態様では、磨耗によってチップ先端縁部14c,15cが後退しても、刃部の長さがより長くなり難くすることができる。このため、チップ14,15の使用に伴って負荷が増大するのを更に効果的に抑制することができる。
凹部14a,15aは、図7(a)〜(c)及び図8(a)〜(c)に示すように、第1のチップ14と第2のチップ15のそれぞれにおいてチップ幅方向の端部に設けられていてもよい。例えば、図7に示す第1のチップ14では、すくい面14bにおけるチップ幅方向の一方側(例えば左側)に凹部14aが形成され、図8に示す第2のチップ15では、すくい面15bにおけるチップ幅方向の他方側(例えば右側)に凹部15aが形成されている。そして、両チップ14,15において、凹部14a,15aはすくい面14b,15bの略半分程度の幅を有しており、2つの種類のチップ14,15を合わせてチップ幅の略全体がカバーされるようになっている。そして、この第1チップ14と第2チップ15を交互に配設したチップソー10としてもよい。なお、この図7に示すチップ14及び図8に示すチップ15は、凹部14a,15aが逃げ面14d,15dの後側部14f,15fにおける所定範囲に亘る深さとなっているが、凹部14a,15aを逃げ面14d,15dの前側部14e,15eに相当する深さとしてもよい。
また前記実施形態では全てのチップ14,15に凹部14a,15aが形成される例について説明したが、これに限られるものではない。即ち、凹部14a,15aを有しないチップ14,15が一部に配設されていてもよく、一部のチップ14,15では、刃部の長さがチップ幅の全体と一致していてもよい。このように一部のチップ14,15に凹部14a,15aが形成されていないものがあったとしても、少なくとも2つのチップ14,15では凹部14a,15aが形成されることで、この凹部14a,15aが形成されたチップ14,15において負担が軽減されるため、チップソー10全体としてチップ14,15の寿命を延ばすことが可能である。また、第1チップ14と第2チップ15の組み合わせ、配列については、用途に応じて適宜決定することができる。
また、前記実施形態のチップソーでは、金属難削材用としたが、例えば、セラミックス、FRP、セメント等のその他の難削材を切断するためのチップソーとしてもよく、あるいは、樹脂、石膏、木工等のその他の被削材を切断するためのチップソーとしてもよく、あるいは、難削材及びその他被削材の双方を切断できるチップソーとしてもよい。
本発明の実施形態にかかるチップソーの正面図である。 前記チップソーの一部分を拡大して示す部分正面図である。 前記チップソーに嵌められる第1チップを示しており、(a)は先端側から見た正面図、(b)はすくい面側から見た側面図、(c)は正面図である。 前記チップソーに嵌められる第2チップを示しており、(a)は先端側から見た正面図、(b)はすくい面側から見た側面図、(c)は正面図である。 その他の実施形態にかかる第1チップを示しており、(a)は先端側から見た正面図、(b)はすくい面側から見た側面図、(c)は正面図である。 その他の実施形態にかかる第2チップを示しており、(a)は先端側から見た正面図、(b)はすくい面側から見た側面図、(c)は正面図である。 その他の実施形態にかかる第1チップを示しており、(a)は先端側から見た正面図、(b)はすくい面側から見た側面図、(c)は正面図である。 その他の実施形態にかかる第2チップを示しており、(a)は先端側から見た正面図、(b)はすくい面側から見た側面図、(c)は正面図である。 従来のチップソーに取り付けられたチップを周方向に見た図である。 従来のチップソーに取り付けられたチップを周方向に見た図である。
符号の説明
10 チップソー
12 チップソー本体
14,15 チップ
14a,15a 凹部
14b,15b すくい面
14c,15c チップ先端縁部
14d,15d 逃げ面
14e,15e 前側部
14f,15f 後側部
16 貫通孔
20 チップ支持部
22 溝
22a 取付面
22b 底部取付部

Claims (10)

  1. チップソー本体に多数のチップが設けられた構成のチップソーであって、
    チップのすくい面には、チップ先端縁部の一部を含むように凹部が形成され、
    前記凹部が形成されたチップでは、前記チップ先端縁部における前記凹部以外の部位が刃部として形成されているチップソー。
  2. 前記刃部がチップ幅の略全体をカバーするように、前記凹部の形成位置がチップ幅方向に異なる複数種類のチップが配設されている請求項1に記載のチップソー。
  3. 前記凹部は、前記チップ先端縁部からチップソー本体の外周縁よりも半径方向内側にまで亘る範囲に形成されている請求項1又は2に記載のチップソー。
  4. 前記刃部として形成される前記チップ先端縁部における前記凹部以外の部位は、チップ幅方向に所定の長さを有する請求項1から3の何れか1項に記載のチップソー。
  5. 各チップの前記チップ先端縁部における前記凹部以外の部位が、前記チップ本体の何れも同じ半径位置でチップ幅方向に延びる直線上に位置している請求項1からの4の何れか1項に記載のチップソー。
  6. 前記逃げ面は、前記すくい面から遠ざかるにつれてチップソー本体の半径方向内側に向かうように前記すくい面に対して傾斜した部位を有し、
    前記凹部は、前記逃げ面における前記傾斜した部位に跨っている請求項1からの5の何れか1項に記載のチップソー。
  7. 一部のチップでは前記凹部が幅方向中央に設けられ、一部のチップでは前記凹部が幅方向両側に設けられている請求項2からの6の何れか1項に記載のチップソー。
  8. 金属難削材、その他難削材及びその他被削材のうち、少なくとも1つを切断するための請求項1から7の何れか1項に記載のチップソー。
  9. チップソーの製造方法であって、
    すくい面におけるチップ先端縁部の一部を含むように凹部が形成された複数のチップをチップソー本体に固着し、
    研磨機に対してチップソーをセットし直すことなく、チップソー本体に固着された複数のチップの先端縁部を研磨するチップソーの製造方法。
  10. チップソーのチップソー本体に取り付けられるチップであって、
    すくい面には、チップ先端縁部の一部を含むように凹部が形成され、
    前記チップ先端縁部における前記凹部以外の部位が刃部として形成されているチップソー用チップ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2013098963A1 (ja) * 2011-12-27 2013-07-04 株式会社谷テック 金属切断用チップソー
JPWO2013098963A1 (ja) * 2011-12-27 2015-04-30 株式会社谷テック 金属切断用チップソー

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