まず、本実施例に係る貯玉管理システムのシステム構成について説明する。図1は、本実施例に係る貯玉管理システムのシステム構成を示す図である。この貯玉管理システムは、パチンコ店等の遊技店に登録された会員に対して貯玉・再プレイサービス(貯玉更新サービス)を提供するものである。
同図に示すように、遊技店内には、遊技店にて予め登録処理された遊技客の会員情報を管理する会員管理用ターミナルコントローラ(以下、「会員管理T/C」と言う)10と、島コントローラ20と、カード処理ユニット(以下、「CRユニット」と言う)30と、パチンコ機40と、計数機50と、景品管理装置60と、景品払出機65と、会員カード処理機70とが設けられている。
会員管理T/C10には、景品管理装置60、会員カード処理機70及び島コントローラ20が接続されており、島コントローラ20には、各島に設置された複数のパチンコ機40にそれぞれに併設されたCRユニット30が接続されており、会員カード処理機70には、パチンコ玉数を計数する計数機50が接続されている。
パチンコ機40は、パチンコ玉を遊技領域に発射して遊技者がパチンコ遊技を行う装置であり、本実施例では、プリペイドカード対応のいわゆるCRパチンコ機であるものとしている。
CRユニット30は、各プリペイドカードの残度数等を管理する図示しないプリペイドカード管理装置と各パチンコ機40との間に介在し、プリペイドカード管理装置に対してプリペイドカードの残度数の問い合わせや玉貸し要求を行うとともに、残度数がある場合にパチンコ機40に対して玉貸し指示を行う装置である。なお、本実施例では、プリペイドカードに係る処理にその特徴はないため、以下ではプリペイドカードに関する説明を省略する。
また、このCRユニット30は、会員カードや携帯電話(会員特定媒体)を受け付けて会員管理T/C10に預け入れられた貯玉を引き落とすいわゆる再プレイの機能を有する。具体的には、会員がCRユニット30に会員カードを挿入するか又は会員(もしくは仮会員)がCRユニット30に登録された携帯電話機80をかざして再プレイ操作を行うと、会員管理T/C10が管理する貯玉残高から再プレイ分の玉数を減算するとともに、パチンコ機40に対して玉投出指示を行う。このように、かかるCRユニット30は、携帯電話機80を用いた再プレイにも対応している。
計数機50は、遊技客が獲得したパチンコ玉を計数する計数機であり、その計数結果を会員カード処理機70に出力する。なお、本実施例では、計数機50はパチンコ玉の計数機能のみを有することとし、計数結果がバーコード印字された計数レシートを発行する印字機能、並びに、会員管理T/C10にて記憶管理される貯玉残高に計数結果の一部または全部を貯玉加算させる計数貯玉機能は、後述する会員カード処理機70が有することとする。
景品管理装置60は、遊技店内に設けられる景品交換カウンタに配設された販売時点情報管理端末(POS(Point of Sales)端末)と呼ばれる景品交換用の端末装置である。具体的には、景品交換カウンタ内の係員が、計数機50から排出された獲得玉数がバーコード印字された計数レシートを遊技客から受け取ると、この計数レシートから獲得玉数をバーコードリーダで読み取るとともに、この獲得玉数分の一般景品を係員による手作業で遊技客に受け渡す。また、遊技客が特殊景品への交換を希望する場合には、係員はこの景品管理装置60に設けられた特殊景品交換ボタンを押下し、景品払出機65に獲得玉数分の特殊景品の払い出しを指示する。
また、この景品管理装置60では、計数レシートから読み取った獲得玉数の一部又は全部を会員又は仮会員の貯玉残高に預け入れることもできる。例えば、係員が貯玉を希望する会員から計数レシート及び会員カードを受け取ったならば、この会員カード(または携帯電話)を景品管理装置60のカードリーダ又はリーダライタに挿入して会員IDを読み取った後に、貯玉操作を行って会員管理T/C10に貯玉依頼を行う。また、係員が貯玉を希望する会員又は仮会員から計数レシートを受け取ったならば、該会員又は仮会員に対して携帯電話機80をかざすよう指示して、該携帯電話機80から会員IDを読み取った後に、貯玉操作を行って会員管理T/C10に貯玉依頼を行う。さらに、この景品管理装置60は、会員管理T/C10にて記憶管理される貯玉残高を減算して景品に交換する機能も有する。例えば、会員カード(または携帯電話)を景品管理装置60のカードリーダ又はリーダライタに挿入して会員IDを読み取った後に、交換する景品の価値に相当する玉数を減算するように会員管理T/C10に依頼する。
会員カード処理機70は、携帯電話機80を用いた仮会員登録や登録済み会員及び仮会員による貯玉を行う際に利用される会員用端末装置であり、会員カードに記録した会員IDを読み取るカードリーダと携帯電話機80から会員ID(正確には後述するIDm)を読み取るリーダライタ75を備えている。本実施例では、携帯電話機80内のICチップ81に保持されているユニークな識別情報(例えば、ICカードの製造番号である「IDm」)を会員IDと一対一に対応付けている。なお、この会員カード処理機70は、計数機50より受信した計数結果及びその関連情報(例えば、計数日時や担当係員など)をバーコード印字した計数レシートを発行するレシート発行部を有している。
会員管理T/C10は、後述する会員管理テーブル14aを用いて遊技店に登録された会員及び仮会員の統括管理を行う管理装置である。この会員管理テーブル14aは、会員ID、IDm、貯玉残高、属性情報及びIDm使用フラグを対応付けて記憶している。そして、会員カード処理機70又は景品管理装置60から貯玉加算依頼を受け付けたならば該当する貯玉口座内の貯玉残高を加算処理し、CRユニット30又は景品管理装置60から貯玉減算依頼を受け付けたならば該当する貯玉口座内の貯玉残高を減算処理する。
ここで、本実施例に係る会員管理T/C10は、会員カード及び携帯電話機80に対応付けて会員の貯玉残高を管理するとともに、会員カード又は携帯電話機80のいずれかの会員特定媒体を通じて貯玉更新サービスを提供することを概要とし、遊技店内に配設された店内機器(CRユニット30又は会員カード処理機70)で携帯電話機80が一度使用されると、その時点から所定期間(例えば、使用日当日)が経過するまで、会員カードを通じた貯玉利用を禁止する点にその特徴がある。
すなわち、本実施例に係る会員管理T/C10では、CRユニット30又は会員カード処理機70で携帯電話機80が一度使用されると、その日に限ってこれ以降は貯玉更新サービスを利用する際に携帯電話機80が使用されるものと見做し、会員カードを通じた貯玉利用を禁止しており、これにより、会員により携帯電話機80が継続使用される蓋然性が高い状況下において会員カードの不使用状態を担保することができるようにしている。
このため、正当な会員以外の第三者が、貯玉更新サービスを利用する際に携帯電話機80しか使用しない遊技客の会員カードを入手したとしても、この会員カードを用いて貯玉を窃盗することはできず、また、会員本人が遊技店に不正目的のクレームを行おうとしても、その会員が携帯電話機80を使用していれば会員カードが使用されていないことは明白であるので、会員カードを通じて利用された貯玉についてその補償を遊技店に求めることはできない。
したがって、本実施例に係る会員管理T/C10によれば、悪意のある会員本人又は第三者により会員カードが不正使用されることを防止し、もって遊技店及び遊技客の両者が不利益を被ることを防止することが可能になる。
さらに、本実施例に係る会員管理T/C10によれば、所定の禁止解除条件として予め設定される所定期間が経過するまで、貯遊技媒体の利用を禁止することとしたので、所定期間(例えば、使用日の翌日等の一旦来店してから再度来店されたと推定可能な期間)経過後に会員によりいずれの会員特定媒体が使用されるか不明な状況下においてはすべての会員特定媒体を通じた貯遊技媒体の利用を許容することができ、遊技客の利便性が損なわれることを防止することが可能になる。
また、ここでは、CRユニット30又は会員カード処理機70で携帯電話機80が一度使用されると、所定期間に限って貯玉更新サービスを利用する際に会員カードが使用されるのを禁止することとしたが、会員カードが一度使用されると、所定期間に限って貯玉更新サービスを利用する際に携帯電話機80が使用されるのを禁止することで、会員により会員カードが継続使用される蓋然性が高い状況下において携帯電話機80の不使用状態を担保し、悪意のある会員本人又は第三者により会員カードが不正使用されることを防止することもできる。
なお、本実施例では、携帯電話機80に内蔵されるICチップ81に記憶されるIDmを用いて会員登録及び仮会員登録が行われる場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、簡単な属性情報を用いて簡易に仮会員登録する様々な場合にも同様に適用される。
次に、図1に示した会員管理T/C10の構成について説明する。図2は、図1に示した会員管理T/C10の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、この会員管理T/C10は、入力部11と、出力部12と、IF部13と、記憶部14と、制御部15とを有する。
入力部11は、キーボードやマウス等の入力デバイスであり、出力部12は、液晶パネルやディスプレイ等の表示デバイスやプリンタであり、また、IF部13は、島コントローラ20、CRユニット30、計数機50、景品管理装置60及び会員カード処理機70との間でデータ通信を行うためのインターフェースである。
記憶部14は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、会員申込用紙への記入を通じて一定の個人情報(詳細属性情報。具体的には、氏名、住所、電話番号等)が登録された会員及び仮会員登録を通じてIDm及び簡易属性情報のみが登録された仮会員を管理する会員管理テーブル14aを記憶する。なお、本実施例では、携帯電話機80の紛失時または機種変更時に仮会員の本人確認を行うための必要最小限の属性情報、すなわち電話番号、生年月日及びフリーワードなどの簡易な個人情報を「簡易属性情報」と呼称し、また、遊技店が会員登録を行う際に開示必須項目と規定する属性情報、すなわち氏名、住所、電話番号及びメールアドレスなどの詳細な個人情報ならびに上記した簡易属性情報含めて「詳細属性情報」と呼称する。
会員管理テーブル14aは、図3に示すように、会員IDごとにIDm、貯玉残高、属性情報及びIDm使用フラグなどの会員情報を記憶したテーブルであり、会員用の会員ID及びその会員情報を格納する会員エリア200及び仮会員用の会員ID及びその仮会員情報を格納する仮会員エリア300が別領域に設けられている。ここで、登録エリアを別領域として記憶した理由は、会員と仮会員を区別するためであり、IDm使用フラグを記憶した理由は、携帯電話機80の使用日において会員カードによる貯玉利用を禁止するためである。なお、このIDm使用フラグは、携帯電話機80に内蔵されるICチップ81が記憶するIDmが本日に使用されたか否かを表すフラグである。
例えば、図3に示した会員管理テーブル14aによれば、会員ID「00001」の会員はIDm使用フラグがONに設定されているので、会員カードを通じた貯玉利用が禁止され、会員ID「00002」の会員は、IDm使用フラグがOFFに設定されているので、現時点では携帯電話機80及び会員カードの両方を用いて貯玉利用を行うことができ、また、会員ID「00003」の会員は、会員カードしか所持しておらず、携帯電話機80が使用されることがないので(IDm使用フラグがONに設定されることがないので)、会員カードだけを継続使用することができる。
制御部15は、会員管理T/C10を全体制御する制御部であり、貯玉管理部15aと、仮会員登録処理部15bとを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPUにロードして実行し、貯玉管理部15a及び仮会員登録処理部15bにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
貯玉管理部15aは、会員管理テーブル14aを用いて会員及び仮会員の貯玉残高及びIDm使用フラグを管理する管理部であり、利用禁止処理部15cを内在する。
利用禁止処理部15cは、特定の条件を満たす場合に会員カードを通じた貯玉利用を禁止する処理部であり、具体的には、貯玉更新サービスを利用するための会員特定媒体として会員カード以外の他の携帯電話機80を併用することが可能な会員を対象として、CRユニット30又は会員カード処理機70で携帯電話機80が使用されてから該使用日当日が過ぎるまで、会員カードを通じた貯玉利用を禁止する。なお、本実施例では、会員カードを通じた貯玉利用を禁止する利用禁止期間を「使用日当日」とする例を説明するが、使用時点から起算される任意の時間(例えば、N時間、N週間又はNヶ月)を利用禁止期間とすることができる。
ここで、会員本人以外の第三者は、不正に入手した会員カードを用いて再プレイ又は景品交換を行うことによって貯玉を窃盗するので、その会員カードの本来の所有者である遊技客が実害を被るのは貯玉が残算利用されるケースとなる。このため、本実施例では、CRユニット30又は会員カード処理機70から携帯電話(IDm)に基づく貯玉減算依頼を受け付けた場合にだけ会員カードを通じた貯玉利用を禁止することとするが、貯玉加算要求を受け付けた場合にも同様に禁止するようにしてもかまわない。
具体的に説明すると、CRユニット30又は会員カード処理機70から貯玉減算依頼を受け付けた場合に、その貯玉減算依頼が会員IDを伴うもの(即ち、会員カードに基づく依頼)であれば、会員管理テーブル14a内のIDm使用フラグを確認してON(使用)である場合には貯玉減算依頼を棄却する。一方、会員管理テーブル14a内のIDm使用フラグがOFF(未使用)である場合には貯玉減算依頼が容認され、貯玉管理部15aによって会員管理テーブル14a内の貯玉残高が減算処理される。
また、当該貯玉減算依頼がIDmを伴うものであれば、会員管理テーブル14aを参照して当該IDmに対応する会員IDを検索してから該会員IDのIDm使用フラグをON(使用)に更新した後に、貯玉管理部15aによって会員管理テーブル14a内の貯玉残高が減算処理される。
このように、本実施例では、貯玉減算依頼に含まれる会員用識別子が「会員ID」又は「IDm」であるかによって、使用される会員特定媒体が会員カード或いは携帯電話機80であるのかを検知しており、携帯電話機80が一度使用されると、その日に限ってこれ以降は貯玉更新サービスを利用する際に携帯電話機80が使用されるものと見做し、会員カードを通じた貯玉利用を禁止している。
なお、遊技店の営業が終了した後には、会員管理テーブル14a内の全てのIDm使用フラグをOFF(未使用)に自動更新することで、会員カードを通じた貯玉減算利用の禁止状態を解除している。
仮会員登録処理部15bは、会員カード処理機70からの仮会員登録依頼に応答して仮会員登録を行う処理部である。具体的には、同一のIDmを持つ仮会員同士の重複登録ならびに同一のIDmを持つ仮会員と会員の重複登録を防止するとともに、既登録の会員又は仮会員の貯玉更新処理を円滑に行うために、会員カード処理機70からIDmを受け付けると、会員管理テーブル14a内の会員エリア200及び仮会員エリア300を検索して同一のIDmが登録されているか否かを確認する。そして、当該IDmが登録されていない場合には、会員管理テーブル14aの仮会員エリア300に登録されている会員ID(仮会員用の会員ID)であり、かつ空き番である会員IDを仮会員となる遊技客に割付け、該割付けた会員IDに対応付けてIDm及び簡易属性情報を会員管理テーブル14aに登録する。
次に、図1に示した会員管理T/C10及び会員カード処理機70による仮会員登録処理及び計数貯玉処理について説明する。図4は、図1に示した会員管理T/C10及び会員カード処理機70による仮会員登録処理及び計数貯玉処理を説明するための説明図である。
同図に示すように、会員カード処理機70は、遊技客により携帯電話機80が会員カード処理機70にかざし操作されると(ステップS101)、携帯電話機80に内蔵されるICチップ81からIDmをリーダライタ75を介して取得し(ステップS102)、取得したIDmを会員管理T/C10に送信して問合せを行う(ステップS103)。
このIDmの問合せを受け付けた会員管理T/C10は、仮会員登録処理部15bにより会員管理テーブル14aの会員エリア200及び仮会員エリア300を検索して、同一のIDmが登録されているか否かを確認し、その結果を仮会員登録依頼処理部77bに返信する(ステップS104)。
ここで、かかるIDmが未登録であると応答された場合には、会員カード処理機70は、タッチパネルを通じて遊技客の簡易属性情報(電話番号、生年月日及びフリーキーワード)と暗証番号の入力を受け付け(ステップS105)、当該IDm、簡易属性情報及び暗証番号を会員管理T/C10に送信して仮会員登録を依頼するとともに(ステップS106)、所定の印字フォーマット及び印字内容を参照して仮会員登録レシート(図5参照)を印刷発行する(ステップS107)。
この仮会員登録依頼を受け付けた仮会員登録処理部15bは、会員管理テーブル14aの仮会員エリア300に登録されている会員ID(仮会員用の会員ID)であり、かつ空き番である会員IDを仮会員となる遊技客に割付け、該割付けた会員IDに対応付けてIDm、簡易属性情報及び暗証番号を会員管理テーブル14aに登録する(ステップS108)。
この仮会員登録後(ステップS108終了後)に、会員カード処理機70では、計数機50において遊技客が獲得したパチンコ玉が投入され(ステップS401)、そのパチンコ玉が計数された(ステップS402)上で、その計数結果を計数機50から受信していると(ステップS403)、図示しないタッチパネルに貯玉ボタンを表示させて貯玉加算操作を受け付け(ステップS501)、仮会員登録されたIDm及び計数結果の玉数を含む貯玉加算依頼を会員管理T/C10に対して行う(ステップS502)。この貯玉加算依頼を受け付けた会員管理T/C10は、会員管理テーブル14a内の該当IDmの貯玉残高に計数結果の玉数を加算処理し(ステップS503)、処理を終了する。
一方、会員管理T/C10に問合せたIDmが登録済みであると応答された場合(即ち、携帯電話機80のかざし操作を行った遊技客が仮会員もしくは会員であった場合)には、会員カード処理機70は、計数機50において遊技客が獲得したパチンコ玉が投入され(ステップS401)、そのパチンコ玉が計数された(ステップS402)上で、その計数結果を計数機50から受信してから(ステップS403)、図示しないタッチパネルに貯玉ボタンを表示させて貯玉加算操作を受け付け(ステップS501)、当該IDm及び計数結果の玉数を含む貯玉加算依頼を会員管理T/C10に対して行う(ステップS502)。
その後、かかる貯玉加算依頼を受け付けた会員管理T/C10は、会員管理テーブル14a内の該当IDmの貯玉残高に計数結果の玉数を加算処理し(ステップS503)、処理を終了する。
このようにして、会員カード処理機70のリーダライタ75にて携帯電話機80に内蔵されるICチップ81からIDmを読み取らせ、会員管理T/C10にてIDmを会員管理テーブル14aに登録させることで、遊技客が所持する携帯電話機80をリーダライタ75にかざす操作を行わせるだけで仮会員登録を行うことを可能とし、引き続いて仮会員となった遊技客がそのまま計数貯玉ができるようにしている。また、携帯電話機80のIDmが登録済みである会員又は仮会員については携帯電話機80のかざし操作しから即座に計数貯玉ができるようにしている。
次に、図1に示したCRユニット30(又は会員カード処理機70)にて貯玉減算依頼が行われるまでの処理手順を説明する。図6は、CRユニット30が会員管理T/C10に再プレイ要求を行うために必要な処理手順を説明するための説明図である。
図6に示すように、CRユニット30においては、会員管理T/C10にて貯玉減算処理を行う対象となる会員を一意に特定するために、リーダライタ75に対する携帯電話機80のかざし操作を受け付けた後に(ステップS301A)携帯電話機80に内蔵されるICチップ81からIDmをリーダライタ75を介して取得するか(ステップS302A)、或いは、会員カードの挿入操作を受け付けた後に(ステップS301B)会員カードに記録される会員IDをカードリーダを介して取得するか(ステップS302B)によって、会員カードに記録された会員ID又は携帯電話機80に内蔵されるICチップ81が記憶するIDmを取得している。
その後、CRユニット30は、当該CRユニット30筐体前面に設けられたテンキーの押下操作を介して暗証番号の入力を受け付けるとともに(ステップS303)、再プレイボタンの押下操作を介して再プレイ操作を受け付け(ステップS304)、会員管理T/C10に対して、暗証番号と、会員ID又はIDmと、予め規定された一定の引落し玉数(例えば、125玉)とを含む再プレイ要求を行う(ステップS305)。この再プレイ要求(貯玉減算依頼)を受け付けた会員管理T/C10は、この度に入力を受け付けた暗証番号が会員管理テーブル14aに登録されている暗証番号と一致し(暗証番号の照合結果がOKであり)、かつ上述した利用禁止処理部15cにより貯玉減算依頼が棄却されない限りは、会員管理テーブル14a内の貯玉残高を減算処理する。
なお、図6の例では、CRユニット30が再プレイ要求を行うまでの処理手順を説明したが、景品管理装置60に接続される会員カード処理機70にて貯玉減算依頼を行う場合には、景品交換カウンタにて景品との交換が要求される玉数(交換要求玉数)を景品管理装置60から受信してその交換要求玉数を引落し玉数とした貯玉減算依頼を会員管理T/C10に行うことになる。
次に、図1に示した会員管理T/C10による貯玉減算処理について詳細に説明する。図7は、図2に示した貯玉管理部15a及び利用禁止処理部15cによる貯玉更新処理を示すフローチャートである。
同図に示すように、CRユニット30又は会員カード処理機70から貯玉減算依頼を受け付けると(ステップS201肯定)、貯玉管理部15aは、この貯玉減算依頼に含まれる入力暗証番号が会員管理テーブル14aに登録されている登録暗証番号(図示せず)と一致するか否かを照合する(ステップS202)。
このとき、入力暗証番号及び登録暗証番号の両者が一致しない場合(ステップS202否定)には、貯玉管理部15aは、CRユニット30又は会員カード処理機70に減算NG応答を返信する(ステップS209)。なお、この減算NG応答を受け付けたCRユニット30又は会員カード処理機70では、貯玉利用が不能である旨及びその理由(暗証番号不一致)を報知する。
また、入力暗証番号及び登録暗証番号の両者が一致する場合(ステップS202肯定)には、利用禁止処理部15cは、その貯玉減算依頼にIDmが含まれるか否かを判定する(ステップS202)。
ここで、当該貯玉減算依頼にIDmが含まれるならば(ステップS203肯定)、利用禁止処理部15cは、会員管理テーブル14aを参照して当該IDmに対応する会員IDを検索し(ステップS204)、該検索した会員IDに対応するIDm使用フラグをON(使用)に更新する(ステップS205)。その後に、貯玉管理部15aは、会員管理テーブル14a内の貯玉残高を減算処理し(ステップS206)、CRユニット30又は会員カード処理機70に減算完了応答を返信する(ステップS207)。なお、この減算完了応答を受け付けた店内機器がCRユニット30であれば、CRユニット30は、規定玉数(例えば、125個)分の玉貸し指示を行ってパチンコ機40にパチンコ玉を投出させ、また、この減算完了応答を受け付けた店内機器が会員カード処理機70あれば、会員カード処理機70は、減算完了応答を景品管理装置60に転送して景品管理装置60に景品交換処理を行わせる。
これに対して、当該貯玉減算依頼に会員IDが含まれる(即ち、会員カードに基づく減算依頼)ならば(ステップS203否定)、利用禁止処理部15cは、会員管理テーブル14a内のIDm使用フラグがON(使用)に設定されているか否かを判定する(ステップS208)。
このとき、IDm使用フラグがOFF(未使用)に設定されている場合には(ステップS208否定)、利用禁止処理部15cにより貯玉減算依頼が容認されるので、貯玉管理部15aは、会員管理テーブル14a内の貯玉残高を減算処理した後に(ステップS206)、CRユニット30又は会員カード処理機70に減算完了応答を返信する(ステップS207)。なお、この減算完了応答を受け付けた店内機器がCRユニット30であれば、CRユニット30は、規定玉数(例えば、125個)分の玉貸し指示を行ってパチンコ機40にパチンコ玉を投出させ、また、この減算完了応答を受け付けた店内機器が会員カード処理機70あれば、会員カード処理機70は、減算完了応答を景品管理装置60に転送して景品管理装置60に景品交換処理を行わせる。
一方、会員管理テーブル14a内のIDm使用フラグがON(使用)に設定されている場合(ステップS208肯定)には、利用禁止処理部15cにより貯玉減算依頼が棄却されるので、貯玉管理部15aは、CRユニット30又は会員カード処理機70に減算NG応答を返信する(ステップS209)。なお、この減算NG応答を受け付けたCRユニット30又は会員カード処理機70では、貯玉利用が不能である旨及びその理由(携帯電話機80が使用中であり、会員カードの使用が禁止である旨)を報知する。
上述してきたように、本実施例に係る会員管理T/C10によれば、CRユニット30又は会員カード処理機70で携帯電話機80が使用されたことを検知してから所定期間(例えば、使用日当日)が経過するまで、会員カードを通じた貯玉利用を禁止するように構成したので、会員により携帯電話機80が継続使用される蓋然性が高い状況下において会員カードの不使用状態を担保することができ、遊技店及び遊技客の両者が不利益を被ることを防止することが可能である。
なお、上述の実施例では、利用禁止状態を解除するタイミングとして、設定日数の経過が挙げているが、会員管理T/C10において、係員による解除操作が行われることにより解除するようにしてもよい。
例えば、基本的には設定日数の経過に基づいて解除するが(上記実施例では、使用日が経過すれば解除するが)、設定日数経過前(使用日当日)でも会員管理T/C10の入力部11を介して解除操作が行われれば利用禁止状態を解除する。すなわち、遊技客がいつも使用している会員特定媒体を使用できない時(例えば、会員カード又は携帯電話機80を所持し忘れた場合、会員カード又は携帯電話機80を読取不良な場合、携帯電話機80が故障又は電池切れである場合等)に、係員が会員の本人確認を行った上で利用禁止状態を解除して、通常使用していない会員特定媒体を利用可能とする。また、利用禁止状態になると、係員による解除操作が行われない限りは利用禁止状態が解除されないようにしてもよい。
また、上記した実施例では、携帯電話機80を通じて貯玉利用が行われたことを契機に会員カードを通じた貯玉利用を禁止することとしたが、係員操作により、会員カードもしくは携帯電話機80を「利用禁止状態」とする設定手段を設けるようにしてもよい。具体的には、「会員カードを無くした」や「携帯電話機80を無くした」等の遊技客の申し出に基づき、係員が会員管理T/C10を操作して、当該会員の会員カードもしくは携帯電話機80を「利用禁止状態」とすることで、紛失/盗難に遭った会員特定媒体を通じた貯玉利用を速やかに禁止することができる。
なお、上記した実施例では、携帯電話機80を通じて貯玉更新サービスが利用されている場合に会員カードを通じた貯玉利用を禁止することとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、会員カード並びに携帯電話機80の使用状況によっては携帯電話機80を通じた貯玉利用を禁止するようにしてもかまわない。
例えば、CRユニット30及び会員カード処理機70において会員カード又は携帯電話機80のうちいずれかの会員特定媒体のみが所定の使用経過期間について使用されたことを検知した場合に、それ以外の会員特定媒体を通じた貯玉利用を禁止するように会員管理T/C10を構成する。
より具体的には、会員管理テーブル14aにおいて、携帯電話機80に内蔵されるICチップ81に記憶されたIDmだけが継続して使用されている日数、或いは会員カードに記録される会員IDだけが継続して使用されている日数をそれぞれIDm使用経過日数及び会員ID使用経過日数として管理しておき(図8−1参照)、IDm使用経過日数が所定の使用経過期間を超える場合には、会員カードを通じた貯玉利用を禁止し、また、会員ID使用経過日数が所定の使用経過期間を超える場合には、携帯電話機80を通じた貯玉利用を禁止する。例えば、使用経過期間を10日としたとき、図8−1の例では、会員ID「00001」の会員は、IDm使用経過日数が10日に満たないのでIDm使用フラグにしたがって貯玉利用が許容/禁止され、会員ID「00002」の会員は、IDm使用経過日数が10日を超えるので会員カードを通じた貯玉利用が禁止され、また、会員ID「00003」の会員は、会員ID使用経過日数が10日を越えるので携帯電話機80を通じた貯玉利用が禁止されることになる。なお、本発明では、IDm使用フラグを用いずにIDm使用経過日数及び会員ID使用経過日数だけを用いて、会員特定媒体を通じた貯玉利用の許容/禁止を行うようにしてもよい。
また、CRユニット30及び会員カード処理機70において会員カード又は携帯電話機80のうちいずれかの会員特定媒体のみが所定の使用回数について使用されたことを検知した場合に、それ以外の会員特定媒体を通じた貯玉利用を禁止するように会員管理T/C10を構成するようにしてもよい。
より具体的には、会員管理テーブル14aにおいて、携帯電話機80に内蔵されるICチップ81に記憶されたIDmだけが継続して使用されている回数、或いは会員カードに記録される会員IDだけが継続して使用されている回数をそれぞれIDm使用回数及び会員ID使用回数として管理しておき(図8−2参照)、IDm使用回数が所定の使用回数を超える場合には、会員カードを通じた貯玉利用を禁止し、また、会員ID使用回数が所定の使用回数を超える場合には、携帯電話機80を通じた貯玉利用を禁止する。例えば、使用回数を10回としたとき、図8−2の例では、会員ID「00001」の会員は、IDm使用回数が10回に満たないのでIDm使用フラグにしたがって貯玉利用が許容/禁止され、会員ID「00002」の会員は、IDm使用回数が10回を超えるので会員カードを通じた貯玉利用が禁止され、また、会員ID「00003」の会員は、会員ID使用回数が10回を越えるので携帯電話機80を通じた貯玉利用が禁止されることになる。
このように、CRユニット30又は会員カード処理機70において、会員カード又は携帯電話機80のうちいずれかの会員特定媒体のみが所定の使用回数もしくは所定の使用経過期間について使用されたことを検知した場合に、それ以外の会員特定媒体を通じた貯玉利用を禁止することで、会員による使用頻度が高い会員特定媒体を通じた貯玉利用だけを許容することができ、会員本人以外による会員カードの不正使用を効果的に防止することが可能になる。
また、上述したように、いずれかの会員特定媒体のみが所定の使用回数もしくは所定の使用経過期間について使用されたことを検知した場合に、それ以外の会員特定媒体を通じた貯玉利用を禁止することとした場合には、利用禁止状態の解除は設定日数(上記実施例では、使用日)経過ではなく、係員による解除操作に基づいて実施されることが好ましい。
なお、上記した実施例では、携帯電話機80が使用されると会員カードを通じた貯玉利用を禁止することとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、CRユニット30又は会員カード処理機70の表示部にて、会員カードを通じて貯玉が利用された旨を携帯電話機80を所持する会員に報知するに留めてもよく、また、貯玉利用を禁止した上でかかる報知を行ってもよい。さらに、会員管理T/C10の出力部12や景品管理装置60の表示部に報知し、駆けつけた店員が当該会員カードを利用しようとしている遊技客を確認するようにしてもよい。
また、上記した実施例では、携帯電話機80が使用されると会員カードを通じた貯玉利用を禁止することとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、携帯電話機80が使用されてから会員カードを通じた貯玉更新要求を受け付けると、CRユニット30内のカード収納部に会員カードを取り込むことで、不正利用されている可能性が高い会員カードを遊技店にて回収することができるようにしてもよい。
さらに、上記した実施例では、貯玉更新サービスの利用を禁止する実施例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、会員カードを通じた貯玉更新サービスを含む会員サービス全般(例えば、遊技台情報の閲覧サービス)の利用を禁止することで、貯玉に関する会員カードの不正利用に加えて会員サービス全般に関する会員カードの不正使用を防止することができる。
また、上記した実施例では、携帯電話機80を会員カードの代わりに使用させるために携帯電話機80内のICチップ81に記憶されたIDmを用いることとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技客を一意に特定することができる識別情報(例えば、遊技店により発行される会員IDや電話番号等)であれば任意のものを用いることができる。
例えば、会員又は仮会員の登録時に携帯電話機80内のICチップ81に会員IDを記憶させておき、貯玉利用時には、会員カード処理機70では会員カードと携帯電話機80の会員IDを読み取り、該読み取った会員IDを会員管理T/C10に送信するが、このとき、会員カードから読み取った会員IDであるのか、また、携帯電話機80から読み取った会員IDであるのかを区別することができるように送信する。そして、会員管理T/C10は、上記した実施例と同様に、携帯電話機80が一度使用されると、その日に限ってこれ以降は貯玉更新サービスを利用する際に携帯電話機80が使用されるものと見做し、会員カードを通じた貯玉利用を禁止する。
なお、上記した実施例では、本発明をパチンコ遊技に適用する例を説明したが、パチスロ遊技を対象としてさらに含めた場合又はパチスロ遊技のみを対象とした場合にも本発明を同様に適用することができる。
また、上記した実施例では、CRユニット30及び会員カード処理機70にリーダライタ75を組み込む実施例を説明したが、CRユニット30又は会員カード処理機70とリーダライタ75は別体に構成してもよい。また、会員カード処理機70を計数機50または景品管理装置60と別体に構成することとしたが、計数機50や景品管理装置60と会員カード処理機70を一体として構成してもよい。
また、本発明では、会員特定媒体に有価価値(度数)をさらに関連付けて管理させる場合には、携帯電話機80が使用されたからといって必ずしも会員カードを通じた残度数利用を禁止する必要はなく、携帯電話機80及び会員カードの双方について残度数利用を許容することで、会員とその関係者が会員所有の度数を離れた場所で共有利用することができるようにしてもよい。
さらに、上述したように、携帯電話機80を通じた貯玉利用及び残度数利用を認めた場合には、会員カードのように使用時には継続的に挿入されることはないので、会員カードの挿入中の実時間やパチンコ機40を操作して打ち出された玉数(アウト玉数)から計算した遊技時間を遊技店が把握することが困難である。
そこで、本発明では、携帯電話機80がCRユニット30にかざされてから一定時間(例えば、5分)は携帯電話機80の所有者である会員が遊技しているものと見做し、それを集計した時間を遊技時間として収集するようにしてもよい。これにより、携帯電話機80しか使用しない会員についても遊技時間を把握することができる。
また、本発明では、携帯電話機80がCRユニット30にかざす操作が行われた場合に、次に受け付けた会員特定媒体もしくはプリペイドカードの種別によって遊技時間を計算するようにしてもよい。例えば、同一のIDmを持つ携帯電話機80がCRユニット30に継続してかざされている限りは同一の会員による遊技と見做して時間集計し、他のIDmがICチップ81に記憶される携帯電話機80やプリペイドカードが挿入された時点で遊技が終了したと判定して携帯電話機80を使用する会員の遊技時間を計算するようにしてもよい。