本明細書中にあって持玉とは、遊技客が遊技において獲得した遊技媒体又は当該遊技媒体数を示すデータであって、その当日中(閉店より前の時間)のみ遊技に再度供することができるものを言う。貯玉とは、遊技客が遊技において獲得した遊技媒体又は当該遊技媒体数を示すデータであって、翌日以降(閉店より後の時間)も遊技に再度供することができるものを言う。持玉は、一般遊技客及び会員遊技客の双方が使用可能であり、遊技に用いる遊技機の変更(いわゆる台移動)を行った場合などに使用する。貯玉は通常、会員遊技客のみが使用可能であり、獲得した遊技媒体を翌日以降の遊技に用いる場合に使用する。貯玉の使用には所定の手数料を課すこととしてもよい。
まず、本実施例に係る遊技の休止について説明する。本実施例に係る台間カード処理機10は、遊技玉を用いた遊技を行う遊技機20に併設された各台装置である。台間カード処理機10は、遊技玉の貸出処理、持玉や貯玉の再プレイ処理等を行う。加えて、台間カード処理機10は、遊技を一時的に休止する機能を有する。
ここで、台間カード処理機10は、遊技の休止時に移行する動作モードとして、第1の休止モードと第2の休止モードとを有する。第1の休止モードは、食事休憩などのために比較的長時間遊技を休止する際に用いる休止モードであり、以降、休憩モードという。第2の休止モードは、トイレに行くために離席するなど比較的短時間遊技を休止する際に用いる休止モードであり、以降、離席モードという。
図1は、台間カード処理機10が用いる休止モードの説明図である。図1(a)に示すように、遊技客が休憩モードを利用する場合には、まず、台間カード処理機10に対して店員呼出操作を行う(a1)。この操作により呼び出された店員は、台間カード処理機10に対して休憩モード開始操作を行う(a2)。店員の操作は、例えば店員用端末に対して行い、店員用端末から台間カード処理機10に休憩モード開始指示を送信することとしてもよい。
台間カード処理機10は、店員による休憩モード開始操作が行われた場合に、休憩モードを開始する(a3)。ここで、休憩モードの開始には、プリペイド価値と持玉がゼロであることを条件とする。プリペイド価値は、入金により加算され、玉貸により減算される値である。プリペイド価値や持玉が残っている場合には、プリペイド価値及び持玉をカードに対応付けて排出することで、台間カード処理機10が管理するプリペイド価値及び持玉がゼロとなり、休憩モードを開始することができる。
休憩モード中の動作では、入金及びカードの挿入が禁止される。休憩モードの開始時にはプリペイド価値及び持玉がゼロであるので、入金及びカードの挿入を禁止することで、遊技玉を払い出すことができなくなり、遊技機20による遊技を休止することが可能である。
休憩モードの時間は、例えば60分に設定する。この時間内に遊技客が戻り、所定の操作を行えば、台間カード処理機10は休憩モードを終了し、遊技を再開可能な状態となる。所定の操作は、例えば休憩モードの開始時に設定した暗証番号の入力などを用いればよい。遊技客による休憩モードの終了が行われることなく設定された時間を超過した場合には、台間カード処理機10は、店員に報知を行う。時間超過後は、遊技客の操作による休憩モードの終了は行わず、店員による解除操作を条件に遊技可能な状態に戻ることが好適である。
図1(b)に示すように、遊技客が離席モードを利用する場合には、台間カード処理機10に対して離席モード開始操作を行う(b1)。離席モードの利用時には、店員の操作は不要である。
台間カード処理機10は、遊技客による離席モード開始操作が行われた場合に、離席モードを開始する(b2)。離席モードの開始には、プリペイド価値や持玉に係る条件を設けていない。離席から戻った後、速やかに遊技を再開できるようにするためである。
離席モード中の動作では、入金及びカードの挿入が禁止される。さらに、カードの排出と、遊技玉の払出処理(玉貸処理や再プレイ処理)を禁止する。これらを禁止することで、遊技玉を払い出すことができなくなり、遊技機20による遊技を休止することが可能である。また、台間カード処理機10が管理するプリペイド価値や持玉を不正にカードに関連付けて取得することも防止できる。
離席モードの時間は、例えば10分に設定する。この時間内に遊技客が戻り、所定の操作を行えば、台間カード処理機10は離席モードを終了し、遊技を再開可能な状態となる。所定の操作は、例えば離席モードの開始時に設定した暗証番号の入力などを用いればよい。遊技客による離席モードの終了が行われることなく設定された時間を超過した場合には、台間カード処理機10は、店員に報知を行う。時間超過後は、遊技客の操作による離席モードの終了は行わず、店員による解除操作を条件に遊技可能な状態に戻ることが好適である。
このように、台間カード処理機10は、店員の介在を条件として長時間遊技を休止する休憩モードと、店員の介在を不要として短時間遊技を休止する離席モードとを備えている。このため、遊技客は目的に応じて効率的に遊技の休止を利用し、使用していた遊技機を確保して他の遊技客による利用を防ぐことができる。
次に、遊技店のシステム構成について説明する。図2は、遊技店のシステム構成を示す図である。図2に示すように、遊技店には、複数の遊技機20と、各遊技機20にそれぞれ対応して設けられた台間カード処理機10が設置される。台間カード処理機10は、島コントローラ30を介して店内のネットワークである通信回線と接続する。通信回線には、島コントローラ30と、カード管理装置40と、会員管理装置50と、賞品管理装置60と、精算機80とが接続される。
遊技機20は、遊技玉を遊技盤面に打ち込んで遊技を行う装置である。この遊技機20の遊技盤面には、複数の入賞領域(入賞口)が設けられており、当該入賞領域を遊技玉が通過したことに基づいて所定個数の遊技玉を賞玉として付与するようになっている。また、遊技盤面には、所定個数の始動領域(始動口)が設けられており、当該始動領域を遊技玉が通過したことに基づいて所定の抽選を行うこととなっている。当該抽選が大当りとなれば、所定の可動部材等の作動により、前述の入賞領域あるいは他の始動領域への遊技玉の通過確率を向上する等、遊技上有利となる作動が行われる。なお、始動領域と入賞領域を兼ねた領域を設けることもできる。
上記入賞領域には、当該入賞領域への遊技玉の通過を検出するための入賞センサが設けられており、この入賞センサにより入賞領域へ打ち込まれた遊技玉の通過(入賞)を検知するようになっている。また、遊技機20の制御部は、入賞領域ごとに賞玉として付与する遊技玉の個数を記憶する賞玉メモリを有している。
したがって、打ち込んだ遊技玉の特定の入賞領域への通過が入賞センサにより検知されると、遊技機20は、賞玉メモリの記憶内容と、入賞領域を通過した遊技玉数とから、付与すべき賞玉数を決定し、決定した賞玉数の払出処理を行うことができる。
台間カード処理機10は、入金の受け付け、遊技玉の貸し出し、カード管理装置40との通信を行う。台間カード処理機10は、遊技客により投入された紙幣を受け付けたならば、この紙幣の金額を含む入金通知データをカード管理装置40に送信し、カード管理装置40が管理するプリペイド価値に金額に応じた数を加算させる。そして、所定の玉貸操作がなされたならば、玉貸要求データをカード管理装置40に送信し、カード管理装置40が管理するプリペイド価値を減算させて、減算されたプリペイド価値に対応する数の遊技玉の払出処理を行う。
また、台間カード処理機10は、カードの挿入を受け付けたならば、カード管理装置40にカード挿入通知データを送信する。また、台間カード処理機10は、カード管理装置40からプリペイド価値、持玉数、貯玉数を含むデータを受信したならば、受信したプリペイド価値、持玉数、貯玉数を記憶する。そして、持玉数を記憶したならば、台間カード処理機10は、カード管理装置40に対して持玉減算要求データを送信することで、カード管理装置40が管理する持玉数をゼロにクリアする。
また、台間カード処理機10は、持玉再プレイ操作を受け付けると、自装置に記憶した持玉数から所定数を減算し、減算した持玉数に対応する数の遊技玉の払出処理を行う。また、台間カード処理機10は、貯玉再プレイ操作を受け付けると、カード管理装置40に対して貯玉再プレイ要求データを送信することで、会員管理装置50が管理する貯玉数から所定数を減算させ、減算させた貯玉数に対応する数の遊技玉の払出処理を行う。
また、台間カード処理機10は、カード返却操作を受け付けたならば、自装置が管理する持玉数を含む持玉加算要求データをカード管理装置40に送信し、カード管理装置40に持玉数を加算させた後、カード排出通知データをカード管理装置40に送信し、カードを排出制御する。
島コントローラ30は、遊技島に設けられた一群の遊技機20及び台間カード処理機10を束ねる中継装置である。
カード管理装置40は、カードのプリペイド価値及び持玉数等をカードデータとして管理する装置である。カード管理装置40は、台間カード処理機10からカード挿入通知データを受信したならば、挿入されたカードのカードIDと台間カード処理機10の装置IDとを関連づけて管理し、該カードIDに関連づけられたプリペイド価値及び持玉数を台間カード処理機10に送信する。また、カード挿入通知データに示されたカードIDが会員カードのカードIDである場合には、カード管理装置40は、カード挿入通知データを会員管理装置50に送信し、会員管理装置50から受信した貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
また、カード管理装置40は、台間カード処理機10から持玉減算要求データを受信した場合には、持玉数をゼロにクリアする。また、カード管理装置40は、台間カード処理機10から持玉加算要求データを受信した場合には、持玉加算要求データに含まれる持玉数をカード管理装置40が管理する持玉数に加算する。
また、カード管理装置40は、台間カード処理機10から玉貸要求データを受信したならば、カードIDに関連付けられたプリペイド価値を所定値減算し、玉貸許可データを台間カード処理機10に送信する。そして、貯玉再プレイ要求データを受信したならば、該貯玉再プレイ要求データを会員管理装置50に送信し、会員管理装置50が貯玉再プレイデータを出力したならば、貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
また、カード管理装置40は、賞品管理装置60からカードIDを受信したならば、このカードIDに関連付けられた持玉数を賞品管理装置60に対して通知する。さらに、精算機80からカードIDを受信したならば、このカードIDに関連付けられたプリペイド価値を精算機80に対して通知する。
会員管理装置50は、遊技店に会員登録された会員の会員管理データを管理する管理装置である。具体的には、会員に対して発行した会員カードIDに関連付けて、貯玉数、ポイント数、暗証番号及び氏名等を管理する。
会員管理装置50は、台間カード処理機10からカード挿入通知データを受信したならば、カード挿入通知データに示されたカードIDに関連付けられた貯玉数及び暗証番号を含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。また、会員管理装置50は、台間カード処理機10から貯玉再プレイ要求データを受信したならば、貯玉再プレイ要求データに示されたカードIDに関連づけられた貯玉数から所定数を減算し、減算後の貯玉数を含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。なお、台間カード処理機10と会員管理装置50との通信は、カード管理装置40を介して行なわれる。
また、会員管理装置50は、賞品管理装置60から貯玉数の問い合わせを受けたならば、指定されたカードIDに対応する貯玉数を賞品管理装置60に通知する。
賞品管理装置60は、遊技店内の賞品交換カウンタに併設された賞品交換用の端末装置であり獲得玉、貯玉数及び持玉数を賞品に交換する賞品交換処理を行う。この賞品管理装置60には、カードからカードIDを読み取るカードリーダ及び賞品を払い出す賞品払出装置が接続されている。賞品管理装置60は、一般カード又会員カードからカードIDを読み出した場合(若しくは、携帯端末等からカードIDに対応する識別データを読み出した場合)には、カードIDをカード管理装置40に送信して、該カードIDの持玉数を要求する。また、貯玉数を賞品交換する場合は、会員管理装置50に対して貯玉数を要求する。
精算機80は、プリペイド価値が関連付けられたカードが挿入されると、このカードのカードIDをカード管理装置40に送信し、その応答データを受信することにより、カードに関連付けられたプリペイド価値を取得し、取得したプリペイド価値に応じて貨幣を払い出す。
次に、図2に示した遊技システムの玉貸処理について説明する。遊技客が台間カード処理機10に対して玉貸操作を行うと、台間カード処理機10は、カード管理装置40に玉貸要求データを送信する。この玉貸要求データは、台間カード処理機10に挿入されているカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別データを含む。
カード管理装置40は、玉貸要求データを受信すると、玉貸要求データのカードIDに関連付けられたプリペイド価値から所定値を減算する。そして、カード管理装置40は玉貸許可データを送信元の台間カード処理機10に送信する。玉貸許可データを受信した台間カード処理機10は、減算したプリペイド価値に対応する遊技玉数の払出処理を行う。
次に、図2に示した遊技システムで持玉の再プレイを行う場合の持玉再プレイ処理について説明する。台間カード処理機10は、一般カードあるいは会員カードの挿入を受け付けたならば、カード管理装置40にカード挿入通知データを送信する。このカード挿入通知データは、台間カード処理機10に挿入されているカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別データと、台間カード処理機10のレートを特定するためのデータとを含む。
カード管理装置40は、台間カード処理機10からカード挿入通知データを受信したならば、該カード挿入通知データ内のカードIDに関連付けられた各レートの持玉数を台間カード処理機10に通知する。
台間カード処理機10は、カード管理装置40から受信した持玉数を記憶する。そして、カードID、レートを特定するデータ及び持玉数をゼロにクリアする旨を示す持玉減算要求データをカード管理装置40に送信する。カード管理装置40は、持玉減算要求データを受信したならば、カードIDにより特定される各レートの持玉数をゼロにクリアする。台間カード処理機10は、カード管理装置40から受信した持玉数について、後述する表示操作部13に各レートを特定する情報とともにレートごとに表示する。また、台間カード処理機10は、自装置に対応付けられたレートの持玉を使用して自装置に対応付けられたレートの遊技玉数の払出処理を行う通常の持玉再プレイ処理と、自装置に対応付けられたレート以外の他のレートの持玉を使用して自装置に対応付けられたレートの遊技玉数の払出処理を行う、乗入による持玉再プレイ処理を行うことが可能である。通常の持玉再プレイ操作を受け付けて持玉再プレイを行う場合には、自装置に対応付けられたレートの持玉数として記憶した持玉数から所定数を減算し、対応する遊技玉数の払出処理を行う。また、乗入による持玉再プレイは、表示操作部13を用いて、自装置に対応付けられたレート以外の他のレートの持玉を選択した状態で持玉再プレイ操作をすることにより、遊技者が任意にレートを選択して乗入による持玉再プレイを行うことが可能である。この場合、他のレートの持玉について同一価値となるように自装置のレートの玉数に換算して払出処理が行われる。例えば、1円の持玉500玉を使用して4円の遊技玉の払出処理を行う場合には、500×(1円/4円)=125玉の払出処理を行うことができる。この場合、他のレートの持玉について自装置のレートに換算する処理は、台間カード処理機10が行うが、これに限らず、予めカード管理装置40にて換算を行い、台間カード処理機10に通知してもよい。さらに、カードに持メダル、つまりスロットマシンで獲得したメダルを計数した値が関連付けられている場合には、メダルについて同一価値となるように自装置のレートの玉数に換算して払出処理を行うこともできる。例えば、1枚20円の持ちメダル25枚を使用して4円の遊技玉の払出処理を行う場合には、25×(20円/4円)=125玉の払出処理を行うことができる。この異なる遊技媒体(玉−メダル間)の換算を行った上での使用を許可するか否かはカード管理装置40等の上位装置で有無を切り替えることができるようになっている。また、持玉の払出処理は、遊技機の払出機構から払出可能な払出可能単位(25玉)については遊技機に払出信号を送出することにより行い、払出可能単位未満(25玉)未満については、台間カード処理機10の払出機構から払出しが行われる。
台間カード処理機10は、カード返却操作を受け付けたならば、カード管理装置40に対して持玉加算要求データを送信する。この持玉加算要求データは、カード返却の対象となるカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別データと、各レートの持玉数とを含む。
カード管理装置40は、持玉加算要求データを受け付けたならば、カードIDに関連付けられた各レートの持玉数に持玉加算要求データに含まれる持玉数を加算する。その後、台間カード処理機10は、カード管理装置40にカード排出通知データを送信し、カードを排出制御する。
次に、図2に示した遊技システムでの貯玉再プレイ処理について説明する。台間カード処理機10は、会員カード又は会員カードとして使用可能な携帯端末からカードIDを読み取ったならば、カード管理装置40にカード挿入通知データを送信する。このカード挿入通知データは、台間カード処理機10に挿入されているカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別データと、台間カード処理機10のレートを特定するためのデータとを含む。
カード管理装置40は、台間カード処理機10から受信したカード挿入通知データを会員管理装置50に送信する。会員管理装置50は、カード挿入通知データを受信したならば、該カード挿入通知データ内のカードIDに関連付けられた暗証番号と、貯玉のうち、該カード挿入通知データにより特定されたレートの貯玉数と、貯玉再プレイの可能数を含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。貯玉再プレイの可能数は、貯玉再プレイを行うことのできる回数を示し、貯玉再プレイにおける遊技玉の払出単位数で貯玉数を除算した商にあたる。ただし、貯玉再プレイに上限が設定されている場合には、この上限により貯玉再プレイの可能数は制限される。
台間カード処理機10は、受信した貯玉再プレイデータを記憶し、貯玉再プレイデータに示された貯玉再プレイの可能数が1以上である場合には貯玉再プレイ操作を受け付け可能とする。
台間カード処理機10は、貯玉再プレイデータの記憶後、最初に貯玉再プレイ操作を受け付けた場合に、遊技客に対して暗証番号の入力を求め、入力された暗証番号が貯玉再プレイデータに示された暗証番号と一致するか否かを判定する。
台間カード処理機10は、暗証番号が一致した場合に、カード管理装置40に貯玉再プレイ要求データを送信する。この貯玉再プレイ要求データは、台間カード処理機10に挿入されているカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別データと、台間カード処理機10のレートを特定するためのデータとを含む。
カード管理装置40は、貯玉再プレイ要求データを会員管理装置50に送信する。会員管理装置50は、貯玉再プレイ要求データを受信したならば、該貯玉再プレイ要求データ内のカードIDに関連付けられた貯玉のうち、該電文により特定されたレートの貯玉の残高を所定値減算し、貯玉再プレイの可能数を再計算する。そして、減算後の残高と貯玉再プレイの可能数とを含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
台間カード処理機10は、記憶する貯玉数を更新し、貯玉再プレイの払出単位数分の遊技玉数の払出処理を行う。また、更新後の貯玉再プレイの可能数が1以上であるかを判定する。貯玉再プレイの可能数が0であれば、貯玉再プレイ操作を受付不可とする。更新後の貯玉再プレイの可能数が1以上であれば、再度貯玉再プレイ操作を受付可能とする。2回目以降の貯玉再プレイでは、暗証番号の確認は不要である。なお、暗証番号の確認を毎回行うようにしてもよい。また、ここでは会員管理装置50が貯玉の残高を減算した後、台間カード処理機10が遊技玉の払出処理を行う場合を例示したが、貯玉再プレイ要求に基づいて遊技玉の払出処理を行った後に、貯玉の残高を減算してもよい。貯玉再プレイ要求前の貯玉再プレイデータに、貯玉再プレイの可能数が示されており、貯玉再プレイ要求を受け付けた後に残高不足が判明する事態とはならないためである。
次に、閉店処理における持玉からの貯玉への移行について説明する。カード管理装置40は、閉店処理時にカード管理データの持玉数を確認し、ゼロより大きい持玉数が関連付けられたレコードが存在する場合には、該レコードの持玉数をカードID及びレートとともに会員管理装置50に通知する。会員管理装置50は、カードID及びレートにより特定される貯玉数にカード管理装置40から通知された持玉数を加算する。その後、カード管理装置40は、該持玉数をゼロクリアする。
次に、図2に示した台間カード処理機10の外観について説明する。図3は、台間カード処理機10の外観を示す図である。なお、図3には、遊技機20に接続された台間カード処理機10の外観を台間カード処理機10として示している。また、併設される遊技機20は、破線で図示している。また、図3では、紙幣のみを受け付ける台間カード処理機10を図示したが、硬貨受付用のユニットを設けることもできる。
図3に示すように台間カード処理機10は、状態表示部11、紙幣挿入口12a、表示操作部13、カード挿入口14a、かざし部14b、ノズルユニット18a及び計数ユニット18bを有する。
状態表示部11は、台間カード処理機10の装置の状態を所定色のランプの点灯あるいは点滅で表示する。紙幣挿入口12aは、遊技玉の貸出に必要な各種紙幣の挿入口である。表示操作部13は、タッチパネル式の液晶ディスプレイ等の操作ボタンの表示や操作ボタンによる入力操作を受け付けるデバイスである。
カード挿入口14aは、遊技客の所持するカードの挿入口である。かざし部14bは、会員登録に用いられた携帯端末をかざす部位であり、かざし部14bに携帯端末がかざされると、携帯端末から携帯端末の固有ID(例えばIDm)等のデータが読み取られる。ノズルユニット18aは、遊技玉を遊技機20に投出する機構である。計数ユニット18bは、遊技機20の下皿から落下させた遊技玉を計数する機構である。
次に、図2に示した台間カード処理機10の構成について説明する。図4は、図2に示した台間カード処理機10の構成を示す機能ブロック図である。図4に示すように、台間カード処理機10は、紙幣搬送部12と、表示操作部13と、リーダライタ14と、かざし部14bと、通信部15と、記憶部16と、制御部17と、ノズルユニット18aと、計数ユニット18bとを有する。
紙幣搬送部12は、紙幣挿入口12aから挿入された紙幣の金種及び真偽を判別しつつ図示しない紙幣収納部に搬送する搬送部である。表示操作部13は、玉貸に使用可能なプリペイド価値、持玉数、貯玉数等の各種情報の表示と、玉貸操作等の各種操作の受付を行なうタッチパネル式の液晶ディスプレイ等の入出力装置である。
リーダライタ14は、カード挿入口14aに挿入されたカードからカードIDを読み取る装置である。なお、カード挿入口14aに挿入されたカードは、このリーダライタ14を経て図示しないカード収納部に収納される。かざし部14bは、携帯端末等がかざされた場合に、近距離無線通信により携帯端末の固有ID(例えばIDm)等の各種情報を読み取るインタフェース部である。また、リーダライタ14は、遊技客の返却操作に応じて、カード収納部に収納されたカードにカードデータ16bに示される持玉やプリペイド価値等の有価価値を関連付けて新たなカードとして発行する機能も有している。ただし、カードデータ16bに示されるプリペイド価値が0であって、持玉数が一定数(最低保持個数)に満たない場合には、返却操作があってもカードを返却しないように制御する。これは、少量の持玉を関連付けたカードが破棄されることにより、遊技店に損失が生じるのを抑止するための制御である。一定数としては、例えば持玉数に玉1個あたりの貸出単価を乗算した値がカードの価額あるいは遊技店内の最低価格の賞品となるように設定することができるが、これに限らず、遊技店の方針によって自由に設定できる。また、返却操作があってもカードを返却しないように制御する場合に、記憶している持玉を自動的に払い出す設定と、持玉に関する処理は行わずにカードが返却できない旨と持玉の再プレイを促す表示を行う設定とを、切替えて設定することができるようになっている。
なお、乗入による持玉再プレイを許可している場合には、乗入元の遊技種の最低保持個数に基づいて、再プレイに係る制御を行うことができる。具体的には、乗入による持玉再プレイ時に、乗入元の遊技種の最低保持個数(B玉)と乗入元の持玉数とを比較する。例えば、2円レートの遊技種からの乗り入れ時、2円レートの遊技種の最低保持個数B玉とすると、再プレイ後の玉数Y玉がY≧Bであれば再プレイ操作に応じて再プレイによる払出を許可し、Y<Bであれば再プレイによる払出を不可とする。ただし、Y=0のときは払出を許可する。かかる制御は、上述した自レートの持玉数によるカードの返却制御と併用することができる。
また、乗入による持玉再プレイを許可している場合には、乗入元の遊技種の持玉数と乗入先の遊技種の最低保持個数に基づいて、再プレイに係る制御を行うことができる。具体的には、乗入先の遊技種の最低保持個数(A玉)と乗入元の持玉数とを比較する。例えば、乗入元が2円レート、乗入先が4円レートであり、再プレイ後の乗入元の玉数をY玉、4円レートの遊技種の最低保持個数A玉とすると、Y×(2/4)≧Aであれば再プレイ操作に応じて再プレイによる払出を許可し、Y×(2/4)<Aであれば再プレイによる払出を不可とする。ただし、Y=0のときは払出を許可する。かかる制御は、上述した自レートの持玉数によるカードの返却制御と併用することができる。
また、乗入による持玉再プレイを許可している場合には、乗入後の各遊技種の持玉数と、最低保持価値に基づいて、再プレイに係る制御を行うことができる。具体的には、乗入先の各遊技種の持玉数に対応するレートを乗算して合計し、合計値と最低保持価値(M円)とを比較する。例えば、再プレイ後に4円レートの持玉がX玉、2円レートの持玉がY玉、1円レートの持玉がZ玉になるとすると、4×X+2×Y+1×X≧Mであれば再プレイ操作に応じて再プレイによる払出を許可し、4×X+2×Y+1×X<Mであれば再プレイによる払出を不可とする。ただし、4×X+2×Y+1×X=0のときは払出を許可する。
これらの最低保持個数や最低保持価値に基づく制御は、いずれも所定価値以下の持玉が対応付けられた一般カードが発行されることによるカード破棄や紛失のリスクを低減する効果を有する。会員カードについては、破棄や紛失のリスクの対象外であるため、最低保持個数や最低保持価値に基づく制御を行わなくともよい。また、上述の判定は一例であり、適宜変更可能である。例えば、上述の判定では、最低保持個数や最低保持価値との比較時に、「以上・未満」の判定の組み合わせを用いているが、「より上・以下」の判定の組み合わせとすることもできる。
通信部15は、遊技機20及び島コントローラ30との間のデータ通信を行なうためのインタフェース部である。ノズルユニット18aは、玉貸又は再プレイにより遊技玉を払い出す際に、その一部又は全ての払い出しに使用される。計数ユニット18bは、遊技玉を計数するユニットである。
記憶部16は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスである。記憶部16は、自装置状態データ16a、カードデータ16b及び休止モード制御データ16cを記憶する。
自装置状態データ16aは、台間カード処理機10の状態を示すデータである。この自装置状態データ16aには、台間カード処理機の装置IDと、遊技設定とを含む。台間カード処理機の装置IDは、台間カード処理機10を遊技店内で一意に識別するための識別データである。遊技設定は、台間カード処理機10に設定された遊技種等を示すデータである。遊技店内で複数のレートの遊技玉を扱う場合には、4円レートの遊技玉に「玉1」、2円レートの遊技玉に「玉2」、1円レートの遊技玉に「玉3」というように、レート毎に遊技種名を設定して管理する。台間カード処理機10は、これらの遊技種から遊技に使用するレートを選択して、遊技設定として記憶する。
カードデータ16bは、遊技客が使用中のカードに係るデータである。カードデータ16bは、カードID、プリペイド価値、持玉、貯玉、貯玉再プレイの可能数等を含む。持玉、貯玉については、遊技種(レート)ごとにデータが存在する。カードIDは、リーダライタ14により読み取られたカードIDである。図示しないカード収納部からカード挿入口14aにカードが搬送され、該カードが排出される場合には、この搬送途中でリーダライタ14により読み取られたカードIDによってカードデータ16bが更新される。また、カード挿入口14aから図示しないカード収納部にカードが搬送される場合にも、この搬送途中でリーダライタ14により読み取られたカードIDによってカードデータ16bが更新される。
休止モード制御データ16cは、休止モードを制御するためのデータであり、休憩モードと離席モードの2つの休止モードについて、動作、時間、開始条件、開始操作、終了操作などの設定を示す。
制御部17は、台間カード処理機10の全体を制御する制御部であり、データ管理部17a、計数処理部17b、休憩処理部17c、離席処理部17d及び重複使用制限部17eを有する。
データ管理部17aは、カードが挿入された場合に、自装置状態データ16aの装置IDと、カードデータ16bのカードIDとを含むカード挿入通知データをカード管理装置40に送信する。また、データ管理部17aは、カード管理装置40から有価価値(プリペイド価値、持玉数及び貯玉数の少なくともいずれか)を含むデータを受信した場合に、受信した有価価値によりカードデータ16bを更新する。データ管理部17aは、カードデータ16bに示されたプリペイド価値、持玉数及び貯玉数を適宜表示操作部13に表示制御する。
また、データ管理部17aは、紙幣挿入口12aに紙幣が挿入されると、挿入された紙幣の金額、カードID及び台間カード処理機IDを含む入金通知データをカード管理装置40に送信する。
また、データ管理部17aは、遊技客により玉貸操作が行なわれた場合に、カードID及び装置IDを含む玉貸要求データをカード管理装置40に送信する。この玉貸要求データへの応答として玉貸許可データを受信したならば、データ管理部17aは、所定数の遊技玉の払出処理を行う。
また、データ管理部17aは、遊技客により持玉再プレイ操作が行なわれた場合に、カードデータ16bに示された持玉数から所定数を減算し、対応する数の遊技玉の払出処理を行う。
また、データ管理部17aは、カードデータ16bに示された貯玉再プレイの可能数が1以上である場合には、表示操作部13に貯玉再プレイボタンを表示し、貯玉再プレイ操作を受付可能とする。データ管理部17aは、遊技客により貯玉再プレイ操作が行なわれた場合に、カードID及び台間カード処理機IDを含む貯玉再プレイ要求データを会員管理装置50に送信する。この貯玉再プレイ要求データへの応答として貯玉再プレイデータを受信したならば、カードデータ16bの貯玉数を更新し、貯玉再プレイの払出単位数の遊技玉の払出処理を行う。なお、初回の貯玉再プレイ操作時には、暗証番号の入力を求め、カードデータ16bに示された暗証番号と一致することを条件に貯玉再プレイ要求データを送信する。
また、データ管理部17aは、遊技客によりカード返却操作が行なわれた場合に、カードID、装置ID並びに持玉数を含む持玉加算要求データをカード管理装置40に送信して、カードデータ16bの持玉数をゼロにクリアした後、カード排出通知データをカード管理装置40に送信し、カードを排出する。
計数処理部17bは、計数ユニット18bに遊技玉が投入された場合に、計数ユニット18bに遊技玉の計数を行わせ、計数結果をカードデータ16bの持玉数に加算する処理を行う。
休憩処理部17cは、休憩モードの制御を行う処理部である。休憩モードの詳細については後述するが、休憩処理部17cは、休憩モードの開始とともに計時を開始し、設定された時間内に所定の操作が行われたならば休憩モードを終了する。休憩モードを終了することなく設定された時間を超過した場合には、休憩処理部17cは、店員に報知を行う。そして、設定された時間を超過した場合には、遊技客の操作による休憩モードの終了は行わず、店員による解除操作により休憩モードを解除する。
離席処理部17dは、離席モードの制御を行う処理部である。離席モードの詳細については後述するが、離席処理部17d、離席モードの開始とともに計時を開始し、設定された時間内に所定の操作が行われたならば離席モードを終了する。離席モードを終了することなく設定された時間を超過した場合には、離席処理部17dは、店員に報知を行う。そして、設定された時間を超過した場合には、遊技客の操作による離席モードの終了は行わず、店員による解除操作により離席モードを解除する。
重複使用制限部17eは、遊技客が他の台間カード処理機10を休止モードにしたまま、自装置を利用する事態を防止する処理部である。休憩処理部17c及び離席処理部17dは、後述するように、会員カードや携帯端末を鍵として休止モードを利用することができ、この場合には休止モードを利用中であることが会員管理装置50に登録される。
重複使用制限部17eは、遊技を行うことのできる状態で会員カードのカードIDや携帯端末の携帯IDmを読み取った場合に、会員管理装置50に問い合せを行い、読み取ったカードIDや携帯IDmが他の台間カード処理機10での休止モードに利用されているか否かを判定する。
他の台間カード処理機10での休止モードに利用されているならば、重複使用制限部17eは、自装置の動作を制限し、他の台間カード処理機10で休止モードを利用中であるために自装置を利用できないことを遊技客に報知する。休止モードを利用中の台間カード処理機10について情報を提供し、休止モードの終了を行うよう促してもよい。さらに、他の台間カード処理機10の休止モードを終了する操作を受け付け、他の台間カード処理機10に休止モードの終了指示を送信するよう構成してもよい。このように他の台間カード処理機10の休止モードを遠隔操作により終了させた場合には、自装置の使用を許可することができる。
次に、台間カード処理機10の記憶部16に記憶されるデータの一例について説明する。図5は、台間カード処理機10の記憶部16に記憶されるデータの一例を説明するための説明図である。
図5(a)に示す自装置状態データ16aは、台間カード処理機10のIDが「3001」であり、台間カード処理機10の遊技種として「玉1」が設定された状態を示している。
図5(b)に示すカードデータ16bは、台間カード処理機10に挿入されたカードのIDが「2002」である状態を示している。なお、ここでは、カードIDの上1桁がカードの種別を示しており、上1桁が「1」のカードが一般カード、上1桁が「2」のカードが会員カードである。また、カードデータ16bは、プリペイド価値が「2000度数」である状態を示している。なお、ここではプリペイド価値の度数とは1度数が1円相当である。また、カードデータ16bは、玉1の持玉数が「375玉」、玉2の持玉数が「500玉」、玉3の持玉数が「2000玉」である状態を示している。
また、カードデータ16bは、貯玉再プレイ用の暗証番号が「7777」であり、貯玉再プレイの可能数が「2」であり、玉1の貯玉数が「250玉」であり、玉2の貯玉数が「1000玉」であり、玉3の貯玉数が「4000玉」である状態を示している。また、図示していないが、カード管理装置40では、カードIDに対応付けて、持玉、貯玉、プリペイド価値以外にカードの有効/無効を示す「ロック」フラグのON/OFFも記憶しており、カードの盗難が発覚した場合に従業員操作によってONにされる。この従業員操作は、後述する図14の(c3)に示す画面にあるように、台間カード処理機10に対して従業員操作を行なうことによって処理が可能である。台間カード処理機10において「カードロック」の操作を行うと、直前に排出したカードID及び数枚前(1〜5枚前)に処理したカードIDが表示され、これらからカードIDを選択操作して、現在の状態(挿入されている機器の種類、IDと有価価値・持玉の残高など)を台間カード処理機10の表示操作部13に表示することができる。そして、価値が所定値以上(例えば0以上)存在している場合に、従業員操作により「ロック」を確定することができる。上記の所定値は、設定によって変更することができ、例えば賞品への交換が可能な価値未満であれば「ロック」が抑制されるような構成であってもよい。これらのデータもカードデータ16bに含まれて記憶されている。さらに、この「ロック」フラグは機能(「貯玉使用」、「乗入」等)別にも設定できるようになっており、例えば遊技客の要望により「乗入」の機能だけを「ロック」の対象として、誤操作を防ぐことに用いることもできる。
次に、休止モードの詳細について説明する。図6は、休止モードの詳細についての説明図である。まず、休憩モード中の動作では、入金、カードの挿入、携帯端末の受付が禁止される。ただし、休憩モードの開始時に鍵として使用された会員カードについては、該カードを休憩モードの終了に用いるため、その挿入を受け付ける。同様に、休憩モードの開始時に鍵として使用された携帯端末については、該携帯端末を休憩モードの終了に用いるため受付可能とする。
また、休憩モードの時間は40〜60分程度に設定することが好適である。休憩モードの開始条件は、適宜設定可能であるが、例えばプリペイド価値と持玉の双方が0であることを条件とすることが好適である。設定した時間及び開始条件は、休止モード制御データ16cに含めて格納される。
休憩モードの開始には、店員のみにより開始されるケース、店員が介在して遊技客により開始されるケース、会員遊技客により店員による介在無く開始されるケースがある。店員のみにより開始されるケースでは、店員が例えば店員用端末に所定の操作を行い、店員用端末から台間カード処理機10に休憩モード開始指示を送信することで、休憩モードを開始する。
店員が介在して遊技客により開始されるケースでは、まず、遊技客が店員呼出操作などにより店員を呼ぶ。そして、店員が例えば店員用端末に所定の操作を行い、店員用端末から台間カード処理機10に休憩モード開始指示を送信するとともに、遊技客が台間カード処理機10に暗証番号を登録することで、休憩モードを開始する。休憩処理部17cは、登録された暗証番号を保持する。
会員遊技客により店員による介在無く開始されるケースでは、遊技客が会員用媒体を鍵として休憩モードの開始操作を行った場合に、休憩モードを開始する。会員用媒体は、会員カードや携帯端末などの会員を識別可能な情報を保持する媒体である。この場合には、休憩処理部17cは、会員を識別する情報と、自装置の装置IDとを含む休憩モード開始通知を会員管理装置50に送信する。また、会員カードについては遊技客に返却する。
休憩処理部17cは、休憩モードの開始とともに計時を開始し、設定された時間内に所定の終了操作が行われたならば休憩モードを終了する。終了操作は、開始操作に対応して定まる。
店員のみにより休憩モードが開始された場合には、店員が例えば店員用端末に所定の終了操作を行い、店員用端末から台間カード処理機10に休憩モード終了指示を送信することで、休憩モードを終了する。
店員が介在して遊技客により休憩モードが開始されたケースでは、遊技客による暗証番号の入力が終了操作となる。休憩処理部17cは、入力された暗証番号と休憩モード開始時に保持した暗証番号とを比較し、一致した場合に休憩モードを終了する。開始時に店員が介在した場合であっても、終了操作時には店員の介在は不要である。
会員遊技客により店員による介在無く休憩モードが開始されたケースでは、鍵として使用された会員用媒体の受付が終了操作となる。休憩処理部17cは、会員カードや携帯端末から取得した識別情報と開始時に登録した識別情報とを比較し、一致した場合に休憩モードを終了する。
会員用媒体を鍵として休憩モードを利用中には、該会員用媒体の他の装置での利用を制限することが好適である。他の装置とは、他の台間カード処理機10、賞品管理装置60、精算機80を含む。
具体的には、台間カード処理機10、賞品管理装置60、精算機80は、会員用媒体の識別情報を読み取った場合に会員管理装置50に問い合わせを行い、休憩モードの鍵として利用中であるならば、自装置の利用を禁止する。また、他の台間カード処理機10で休憩モードを利用中であるために自装置を利用できないことを遊技客に報知する。
さらに、休憩モードを利用中の台間カード処理機10について情報を提供し、休憩モードの終了を行うよう促してもよい。さらに、他の台間カード処理機10の休憩モードを終了する操作を受け付け、他の台間カード処理機10に休憩モードの終了指示を送信するよう構成してもよい。この場合には、台間カード処理機10は、遠隔操作で休憩モードを終了可能となる。
休憩処理部17cは、休憩モードの開始後、休憩モードを終了することなく設定された時間を超過した場合には、以降、終了操作による休憩モードの終了は行わない。解除操作は、設定された時間を超過したか否かに関わらず、休憩モードを解除する操作であり、店員による操作となる。
次に、離席モード中の動作では、入金、カードの挿入、携帯端末の受付、カード排出、遊技玉の払出処理が禁止される。ただし、離席モードの開始時に鍵として使用された会員カードについては、該カードを離席モードの終了に用いるため、その挿入を受け付ける。同様に、離席モードの開始時に鍵として使用された携帯端末については、該携帯端末を離席モードの終了に用いるため受付可能とする。遊技玉の払出処理禁止では、玉貸処理、持玉再プレイ処理、貯玉再プレイ処理が禁止される
また、離席モードの時間は5〜10分程度に設定することが好適である。離席モードの開始については、条件を設定しなくともよい。設定した時間等は、休止モード制御データ16cに含めて格納される。
離席モードの開始には、店員により開始されるケース、遊技客により暗証番号を登録して開始されるケース、会員遊技客により会員用媒体を鍵として開始されるケースがある。店員により開始されるケースでは、店員が例えば店員用端末に所定の操作を行い、店員用端末から台間カード処理機10に離席モード開始指示を送信することで、離席モードを開始する。
このように店員により開始されるケースは、例えば、遊技機20の近くに忘れ物があった場合に有効である。かかる忘れ物が他の遊技客により持ち去られることを防ぐため、店員が遊技機20を離席モードにして忘れ物を預り、店内にアナウンスを行うことで持ち主を捜すことができるからである。
遊技客により暗証番号を登録して開始されるケースでは、遊技客が台間カード処理機10に暗証番号を登録することで、離席モードを開始する。このように離席モードを開始するケースでは、店員の介在は不要である。離席処理部17dは、登録された暗証番号を保持する。
会員遊技客により会員用媒体を鍵として開始されるケースでは、遊技客が会員カードや携帯端末などの会員用媒体を鍵として離席モードの開始操作を行った場合に、離席モードを開始する。この場合には、離席処理部17dは、会員を識別する情報と、自装置の装置IDとを含む離席モード開始通知を会員管理装置50に送信する。また、会員カードについては遊技客に返却する。
離席処理部17dは、離席モードの開始とともに計時を開始し、設定された時間内に所定の終了操作が行われたならば離席モードを終了する。終了操作は、開始操作に対応して定まる。
店員により離席モードが開始された場合には、店員が例えば店員用端末に所定の終了操作を行い、店員用端末から台間カード処理機10に離席モード終了指示を送信することで、離席モードを終了する。
遊技客により暗証番号を登録して離席モードが開始されたケースでは、遊技客による暗証番号の入力が終了操作となる。離席処理部17dは、入力された暗証番号と離席モード開始時に保持した暗証番号とを比較し、一致した場合に離席モードを終了する。
会員遊技客により会員用媒体を鍵として離席モードが開始されたケースでは、鍵として使用された会員用媒体の受付が終了操作となる。離席処理部17dは、会員カードや携帯端末から取得した識別情報と開始時に登録した識別情報とを比較し、一致した場合に離席モードを終了する。
会員用媒体を鍵として離席モードを利用中には、該会員用媒体の他の装置での利用を制限することが好適である。他の装置とは、他の台間カード処理機10、賞品管理装置60、精算機80を含む。
具体的には、台間カード処理機10、賞品管理装置60、精算機80は、会員用媒体の識別情報を読み取った場合に会員管理装置50に問い合わせを行い、離席モードの鍵として利用中であるならば、自装置の利用を禁止する。また、他の台間カード処理機10で離席モードを利用中であるために自装置を利用できないことを遊技客に報知する。
さらに、離席モードを利用中の台間カード処理機10について情報を提供し、離席モードの終了を行うよう促してもよい。さらに、他の台間カード処理機10の離席モードを終了する操作を受け付け、他の台間カード処理機10に離席モードの終了指示を送信するよう構成してもよい。この場合には、台間カード処理機10は、遠隔操作で離席モードを終了可能となる。
離席処理部17dは、離席モードの開始後、離席モードを終了することなく設定された時間を超過した場合には、以降、終了操作による離席モードの終了は行わない。解除操作は、設定された時間を超過したか否かに関わらず、離席モードを解除する操作であり、店員による操作となる。
なお、店員による操作によって、休憩モードから離席モードへの移行や、離席モードから休憩モードへの移行を行うことも可能である。例えば、休憩モードの台間カード処理機10の近くに忘れ物があった場合には、忘れ物が他の遊技客により持ち去られることを防ぐため、店員が遊技機20を離席モードにして忘れ物を預り、店内にアナウンスを行うことで持ち主を捜す。このように、休憩モードから離席モードに移行させておけば、持ち主がアナウンスに気付かずに元の席に戻ったとしても、離席モードの表示を確認して店員に探されていることを認識できる。
また、台間カード処理機10は、上記の休憩モード及び離席モード以外に、一般カードの返却を遊技客の任意にロックする機能(以降、「カード返却ロック機能」と称することもある)についても備えている。一般カードに所定以上の残高がある場合、例えば各台計数機のない運用ではプリペイド価値に所定以上の残高がある場合、各台計数のある運用ではプリペイド価値あるいは持玉に所定以上の残高がある場合に、カードの返却操作時に必要なパスワード等の認証情報を設定して記憶することができるようになっている。そして、カードの返却処理以外の再プレイ等の処理は許容するが、カードに残高を関連付けて返却する処理時にはパスワードの入力を要求して、一致したことを条件にカードを返却することによって、本人による遊技処理を阻害せずに、セキュリティを高めることができる。この状態で何らの措置を講じずに短時間離席した場合であっても、台間カード処理機10に残った残高全部をカード返却という短時間の処理で持ち去られることが無いためである。なお、このパスワードは、一般遊技客が携帯端末を所持している場合には、かざし部14bで携帯端末から携帯端末の固有ID(例えばIDm)を読み取ることで、パスワードの入力に代えることができる。この場合、カード返却時には携帯端末を読み取らせることが要求され、読み取ったIDmが対応するものであったときに返却が行われる。なお、上記の処理において残高があると判定するための所定の値は、ゼロで固定であってもよいし、任意に設定できてもよい。また、プリペイド価値と持玉について双方を運用する場合には、プリペイド価値についての所定の値と持玉についての所定の値とを別個に設定できるようにしてもよい。例えば、プリペイド価値についてゼロに設定し、持玉について最小の賞品交換が可能な数(25個等)と設定することが考えられる。また、持玉についての所定の値は自装置レートにおける最低保持個数と一致させるようにしてもよい。さらに、カードの残高がパスワードを設定できる所定の値を下回った場合には、記憶された認証情報はクリアされるようになっている。なお、処理中のカードが会員カードである場合には、パスワードの入力を要さずに、会員からカードの返却をロックするための所定の操作を受け付けることで、会員登録時に設定した会員カードのパスワード(再プレイ時等に使用される)と同一のパスワードによって会員カードの返却をロックすることができるようになっている。
なお、上述したカード返却ロック機能を一般カードについて利用している場合には、設定した認証情報を離席モードの開始に利用できるようになっている。例えば、カード返却ロック機能を使用して遊技客がパスワードを設定している状態で、遊技客が離席モードを開始した場合には、新たにパスワードを入力することを要せず、離席モードを開始することができる。
次に、離席モード開始の処理手順について説明する。図7は、離席モード開始の処理手順を示すフローチャートである。離席処理部17dは、離席の開始を受け付けると(ステップS101)、まず、店員による離席の開始であるか否かを判定する(ステップS102)。店員による離席の開始であるならば(ステップS102;Yes)、そのまま離席モードを開始し(ステップS103)、処理を終了する。
店員による離席の開始でなければ(ステップS102;No)、離席処理部17dは、遊技客から暗証番号の入力を受け付けたか否かを判定する(ステップS104)。暗証番号の入力を受け付けたならば(ステップS104;Yes)、離席処理部17dは、受け付けた暗証番号を保持し(ステップS105)、離席モードを開始して(ステップS103)、処理を終了する。
暗証番号の入力を受け付けていなければ(ステップS104;No)、離席処理部17dは、会員用媒体を読み取り済であるか否かを判定する(ステップS106)。会員用媒体を読み取り済であるならば(ステップS106;Yes)、離席処理部17dは、離席モードの開始を会員管理装置50に通知し(ステップS107)、離席モードを開始して(ステップS103)、処理を終了する。なお、会員用媒体を読み取り済でなければ(ステップS106;No)、離席処理部17dは、表示操作部13にエラー表示を出力することで報知を行って(ステップS108)、処理を終了する。
次に、離席モード終了の処理手順について説明する。図8は、離席モード終了の処理手順を示すフローチャートである。離席処理部17dは、まず、離席モードの開始から規定の時間が超過したか否かを判定する(ステップS201)。
離席モードの開始から規定の時間が超過していなければ(ステップS201;No)、離席処理部17dは、離席モードの開始時の操作に対応する終了操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS202)。開始時の操作に対応する終了操作を受け付けていなければ(ステップS202;No)、ステップS201に移行し、規定の時間が超過したか否かを判定する。
開始時の操作に対応する終了操作を受け付けたならば(ステップS202;Yes)、離席処理部17dは、離席モードを終了して(ステップS203)、処理を終える。このとき、開始時に暗証番号を保持していれば、該暗証番号を破棄する。また、開始時に会員管理装置50に離席モード開始通知を送信していれば、会員管理装置50に離席モード終了通知を送信する。
離席モードの開始から規定の時間が超過したならば(ステップS201;Yes)、離席処理部17dは、店員に対して報知を行って(ステップS204)、店員による解除操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS205)。店員による解除操作を受け付けていなければ(ステップS205;No)、ステップS205に移行し、店員による解除操作を待機する。
店員による解除操作を受け付けたならば(ステップS205;Yes)、離席処理部17dは、離席モードを解除して(ステップS206)、処理を終える。
なお、図8に示したフローチャートでは、規定の時間の超過後に店員による解除操作を受け付ける場合を示したが、店員による解除操作は規定の時間の超過前であっても受付可能としてもよい。
次に、休憩モード開始の処理手順について説明する。図9は、休憩モード開始の処理手順を示すフローチャートである。休憩処理部17cは、まず、休憩の開始操作を受け付ける(ステップS301)。
ここで、休憩処理部17cは休憩の開始条件、すなわち、プリペイド価値がゼロであり、持玉の数が予め定められた閾値(例えば、景品交換可能な最小価値として数個(例えば5個))未満であることを休憩の開始操作の受付に対する条件とする。休憩の開始操作が行なわれた時に、休憩の開始条件を満たしていない場合、すなわち、プリペイド価値が0でないか、持玉の数が最低保持個数を上回っている場合には、休憩処理部17cは、カード返却操作を行うよう報知する。この場合において、カード返却操作に基づいてプリペイド価値及び持玉を関連付けたカードが排出されると、台間カード処理機10が管理するプリペイド価値及び持玉がゼロとなり、休憩の開始条件を満たすため、休憩の開始操作の受付が可能となる。また、休憩の開始条件をプリペイド価値と持玉の数がともに0であることとする設定を行うこともできる。この場合には、休憩の開始操作が行われた場合に、プリペイド価値がゼロであり、持玉の数がゼロでなく予め定められた閾値未満であれば、記憶している持玉の全数を払出して休憩開始条件を自動的に満たす処理が行われるようにしてもよい。また、上述の最低保持個数と休憩開始条件の個数を同一の値と設定することもできる。
休憩の開始操作を受け付けると(ステップS301)、休憩処理部17cは、店員のみによる休憩の開始操作であるか否かを判定する(ステップS302)。店員のみによる休憩の開始操作であるならば(ステップS302;Yes)、そのまま休憩モードを開始し(ステップS303)、処理を終了する。
店員による休憩の開始操作でなければ(ステップS302;No)、休憩処理部17cは、店員からの操作と遊技客からの暗証番号の入力とを受け付けたか否かを判定する(ステップS304)。店員からの操作と遊技客からの暗証番号の入力とを受け付けたならば(ステップS304;Yes)、休憩処理部17cは、受け付けた暗証番号を保持し(ステップS305)、休憩モードを開始して(ステップS303)、処理を終了する。
店員からの操作又は遊技客からの暗証番号の入力を受け付けていなければ(ステップS304;No)、休憩処理部17cは、会員用媒体を読み取り済であるか否かを判定する(ステップS306)。会員用媒体を読み取り済であるならば(ステップS306;Yes)、休憩処理部17cは、休憩モードの開始を会員管理装置50に通知し(ステップS307)、休憩モードを開始して(ステップS303)、処理を終了する。なお、会員用媒体を読み取り済でなければ(ステップS306;No)、休憩処理部17cは、表示操作部13にエラー表示を出力することで報知を行って(ステップS308)、処理を終了する。
休憩モード終了の処理手順については、図8に示した離席モード終了の処理手順と同様であるので、説明を省略する。
次に、図2に示した会員管理装置50の内部構成について説明する。図10は、図2に示した会員管理装置50の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、会員管理装置50は、表示部51及び入力部52と接続される。表示部51は、液晶パネルやディスプレイ装置等であり、入力部52は、キーボードやマウス等である。
また、会員管理装置50は、外部ネットワーク通信部53と、店舗ネットワーク通信部54と、記憶部55と、制御部56とを有する。外部ネットワーク通信部53は、遊技店外のネットワークを介してデータ通信するためのインタフェース部である。店舗ネットワーク通信部54は、遊技店内の通信回線を介して賞品管理装置60及びカード管理装置40等とデータ通信するためのインタフェース部である。
記憶部55は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、会員管理データ55a、遊技種設定データ55b、賞品マスタ55c及び休止状態データ55dを記憶する。会員管理データ55aは、会員に対して発行した会員カードのカードIDに対し、氏名、貯玉、携帯IDm、住所、電話番号等を関連付けたデータである。
遊技種設定データ55bは、遊技種に対してレート及び表示名を関連付けたデータである。賞品マスタ55cは、賞品マスタ55cは、遊技玉を賞品に交換する際に使用するデータである。
休止状態データ55dは、会員用媒体を鍵とした休止モードの利用状況を管理するデータであり、会員カードのカードIDに使用先の装置IDと休止モードの利用状況とを対応付けている。
制御部56は、会員管理装置50を全体制御する制御部であり、会員管理部56a、賞品マスタ管理部56b及び休止状態管理部56cを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、会員管理部56a、賞品マスタ管理部56b及び休止状態管理部56cにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
会員管理部56aは、会員管理データ55aの管理を行う処理部である。会員管理部56aは、カード管理装置40及び賞品管理装置60と通信して、カードIDに関連付けられた貯玉の残高を更新する。また、会員管理部56aは、会員登録要求を受け付けた場合には、会員管理データ55aに会員を追加する更新を行う。
ここで、会員管理部56aによる貯玉再プレイ処理について説明する。会員管理部56aは、台間カード処理機10から貯玉再プレイ要求データを受信したならば、該貯玉再プレイ要求データ内のカードIDに関連付けられた貯玉のうち、払出先のレートの貯玉の残高を払出単位数だけ引落し、貯玉再プレイの可能数を再計算する。そして、減算後の残高と貯玉再プレイの可能数とを含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
賞品マスタ管理部56bは、賞品マスタ55cを管理する処理部である。賞品マスタ管理部56bは、賞品マスタ55cの更新が行われたならば、遊技店内の賞品管理装置60に賞品マスタ55cを配布する。
休止状態管理部56cは、会員用媒体を鍵とした休止モードの利用状況を管理する処理部である。具体的には、休止状態管理部56cは、台間カード処理機10から離席モード開始通知を受信したならば、該通知に示された会員カードのカードIDに、使用先の装置IDと、離席モードの開始時刻と、離席モードを利用中であることを示す情報とを対応付けて、休止状態データ55dに登録する。なお、離席モード開始通知に携帯IDmが示されている場合には、会員管理データ55aを参照することで、携帯IDmに対応するカードIDを特定する。また、使用先の装置IDは、離席モード開始通知の送信元である台間カード処理機10の装置IDを用いる。離席モードの開始時刻は、離席モード開始通知に含めて受信することとしてもよいし、離席モード開始通知の受信時刻を用いてもよい。
同様に、休止状態管理部56cは、台間カード処理機10から休憩モード開始通知を受信したならば、該通知に示された会員カードのカードIDに、使用先の装置IDと、休憩モードの開始時刻と、休憩モードを利用中であることを示す情報とを対応付けて、休止状態データ55dに登録する。
また、休止状態管理部56cは、台間カード処理機10から離席モード終了通知又は休憩モード開始通知を受信した場合には、対応するカードIDの使用先の装置IDと休止モードの利用状況をクリアする。
また、休止状態管理部56cは、台間カード処理機10、賞品管理装置60又は精算機80からカードID又は携帯IDmを指定して問い合せを受けた場合には、対応するカードIDの休止モードの利用状況を休止状態データ55dから読み出し、問い合せ元に送信する。
次に、図10に示した記憶部55が記憶するデータの具体例について説明する。図11〜図12は、記憶部55に記憶されるデータの一例を説明するための説明図である。図11(a)に示す会員管理データ55aは、カードID「2002」に対して、氏名「B C」、各遊技種の貯玉の残高、携帯IDm「IDmX1」等が対応づけられた状態を示している。なお、図示は省略したが会員管理データ55aは、ポイント、来店回数、遊技履歴、暗証番号等をカードIDに対応付けることができる。また、携帯IDmは、携帯電話等の携帯端末を特定可能な識別データであり、携帯端末を会員カードとして使用する際に用いられる。
また、図11(a)では、貯玉は、「玉1」、「玉2」及び「玉3」の3つの遊技種について設けられている。例えば、カードID「2002」の「玉1」の貯玉の残高は「250」、「玉2」の貯玉の残高は「1000」、「玉3」の貯玉の残高は「4000」である。
図11(b)に示す遊技種設定データ55bは、遊技種名「玉1」に対し、レート「4円」及び表示名「4パチ」を関連付けている。また、遊技種設定データ55bは、遊技種名「玉2」に対し、レート「2円」及び表示名「2パチ」を関連付けている。また、遊技種設定データ55bは、遊技種名「玉3」に対し、レート「1円」及び表示名「1パチ」を関連付けている。
図11(c)に示す賞品マスタ55cは、賞品を一意に識別する賞品コードに対し、賞品名、群コード、賞品価値及び交換玉数を関連付けたデータである。ここで、群コードは賞品を分類して管理する為の識別情報である。群コード「01」は、一定の手続きを経て所定の価値で譲渡可能な特殊賞品を示す。群コード「02」以降は、特殊賞品以外の日用品などを含む一般賞品である。
賞品マスタ55cは、賞品コード「0001」に対し、賞品名「大賞品」、群コード「01」、賞品価値「1000」、玉1の交換玉数「250」、玉2の交換玉数「500」、玉3の交換玉数「1000」を関連付けている。
また、賞品マスタ55cは、賞品コード「0002」に対し、賞品名「小賞品」、群コード「01」、賞品価値「500」、玉1の交換玉数「125」、玉2の交換玉数「250」、玉3の交換玉数「500」を関連付けている。
また、賞品マスタ55cは、賞品コード「0100」に対し、賞品名「Mセブン」、群コード「02」、賞品価値「400」、玉1の交換玉数「100」、玉2の交換玉数「200」、玉3の交換玉数「400」を関連付けている。
また、賞品マスタ55cは、賞品コード「0101」に対し、賞品名「ラック」、群コード「02」、賞品価値「420」、玉1の交換玉数「105」、玉2の交換玉数「210」、玉3の交換玉数「420」を関連付けている。
また、賞品マスタ55cは、賞品コード「0600」に対し、賞品名「端玉 飴」、群コード「04」、賞品価値「12」、玉1の交換玉数「3」、玉2の交換玉数「6」、玉3の交換玉数「12」を関連付けている。
図12(d)に示す休止状態データ55dは、会員カードのカードIDに使用先の装置IDと休止モードの利用状況とを対応付けている。具体的には、カードID「2002」の会員カードが装置ID「3001」の台間カード処理機10で鍵として使用され、時刻「12:20」に「離席モード開始」となった状態を示している。
次に、重複利用の防止について説明する。台間カード処理機10を休止モード(休憩モード又は離席モード)にする際に、会員カードを鍵として用いた場合には、会員カードは返却される。これは、休止モードの終了操作に使用するためである。しかし、返却された会員カードを他の装置(他の台間カード処理機10、賞品管理装置60、精算機80)で使用可能とすると、遊技客が休止モードにした台間カード処理機10を確保したまま、他の装置を重複して利用できる事態となる。会員カードに限らず、携帯端末を鍵とした場合にも、同様に重複利用の問題が生ずる。
そこで、休止モードの鍵として利用中の会員用媒体を会員管理装置50で管理するとともに、台間カード処理機10に重複使用制限部17eを設け、重複利用を制限しているのである。また、賞品管理装置60や精算機80にも、重複使用制限部17eと同様の機能部を設けることで、重複利用を制限することができる。
図13は、重複利用の防止の一例を示す説明図である。図13では、会員カードを鍵として台間カード処理機10を離席モードに移行させ、その後、会員カードを賞品管理装置60で使用した場合の例を示している。
まず、台間カード処理機10は、会員カードを鍵として離席モードを開始する(S11)。台間カード処理機10は、離席モード開始通知を会員管理装置50に送信し、会員管理装置50は離席モードの開始を休止状態データ55dに登録する(ステップS21)。
その後、賞品管理装置60に会員カードのカードIDを読み取らせると、賞品管理装置60は会員管理装置50にカードIDを指定した問い合せを行う(S31)。会員管理装置50は、問い合せを受けて休止状態データ55dを参照し、離席モードに使用中であるとの状態を示す応答を賞品管理装置60に送信する(ステップS22)。
賞品管理装置60は、会員カードを用いて離席中であることを遊技客に報知する(ステップS32)。遊技客が離席モードの終了操作を行うと(ステップS33)、賞品管理装置60は、会員管理装置50に離席モード終了指示を送信する。
会員管理装置50は、離席モードの終了指示を、台間カード処理機10に送信し(ステップS23)、台間カード処理機10は離席モードを終了する(ステップS12)。その後、会員管理装置50は、休止状態データ55dを更新し、離席モードが終了したとの状態を示す応答を賞品管理装置60に送信する(ステップS24)。賞品管理装置60は、この応答を受けて、賞品交換を開始する(ステップS34)。
次に、台間カード処理機10の表示操作部13における表示の具体例について説明する。図14は、休憩モードへの移行に係る表示についての説明図である。図14(c1)は、遊技中の画面例であり、自装置での貯玉再プレイが遊技種「玉1」、すなわち「4パチ」を用いておこなわれることを示している。また、遊技種「玉1」の持玉数が「250玉」であり、「250玉」が持玉再プレイに使用可能であることを示している。また、この他に、持玉の再プレイを行うための「払出」ボタン、乗入を行うための「他レート利用」ボタン、他の情報を表示するための「表示切替」ボタン、離席の開始操作のための「離席」ボタンなどが表示される。
休憩をとるために遊技客が店員を呼び、図14(c1)の状態で店員用端末に所定の操作が行われると、図14(c2)に示すように、店員用の情報が表示される。図14(c2)では、台間カード処理機10の状態として「エラー:なし」、「状態:開店中」、「紙幣部:正常」が表示されている。さらに、店員用端末に所定の操作が行われると、図14(c3)に示すように、店員用のメニュー画面が表示される。
図14(c3)では、休憩モードに移行するための「休憩モード」ボタン、離席モードに移行するための「離席モード」ボタン、カードロックのための「カードロック」ボタンが表示されている。「休憩モード」ボタンの操作に際し、休憩モードの開始条件を満たしていない場合、具体的には、プリペイド価値又は持玉がゼロでない場合には、カードの返却を行うことでプリペイド価値及び持玉をゼロにした上で、「休憩モード」ボタンの操作を受け付ける。「休憩モード」ボタンが操作されると、図14(c4)に示すように、休憩モードの開始画面が表示される。
図14(c4)では、休憩時間は50分として表示されているが、この休憩時間を変更可能としてもよい。休憩時間が確定したならば、図14(c4)の次には、図14(c5)に示すように暗証番号の入力を促す表示が行われる。
そして、図14(c5)で暗証番号の入力開始を指示する操作が行われると、図14(c6)に示すように、暗証番号の入力を受け付ける表示画面に移行する。暗証番号が入力されると、図14(c7)に示すように暗証番号の確認入力を促す表示が行われる。そして、図14(c8)に示す暗証番号入力画面で暗証番号の確認入力が行われると、図14(c9)に示すように「遊技の再開には暗証番号を入力して下さい」とのメッセージを表示した後、図14(c10)に示す休憩中画面に移行する。休憩中画面では、残り時間のカウントダウン表示や遊技を再開するための操作ボタン等が表示される。
図15は、離席モードへの移行に係る表示についての説明図である。図15(d1)は、遊技中の画面例であり、自装置での貯玉再プレイが遊技種「玉1」、すなわち「4パチ」を用いておこなわれることを示している。また、遊技種「玉1」の持玉数が「250玉」であり、「250玉」が持玉再プレイに使用可能であることを示している。また、この他に、持玉の再プレイを行うための「払出」ボタン、乗入を行うための「他レート利用」ボタン、他の情報を表示するための「表示切替」ボタン、離席の開始操作のための「離席」ボタンなどが表示される。
遊技客が「離席」ボタンを操作すると、図15(d2)に示すように、離席モードの開始画面が表示される。図15(d2)では、離席時間は10分として表示されている。この離席時間は、遊技客による変更を受け付けず、固定とすることが好適である。図15(d2)の次には、図15(d3)に示すように暗証番号の入力を促す表示が行われる。
そして、図15(d3)で暗証番号の入力開始を指示する操作が行われると、図15(d4)に示すように、暗証番号の入力を受け付ける表示画面に移行する。暗証番号が入力されると、図15(d5)に示すように暗証番号の確認入力を促す表示が行われる。そして、図15(d6)に示す暗証番号入力画面で暗証番号の確認入力が行われると、図15(d7)に示すように「遊技の再開には暗証番号を入力して下さい」とのメッセージを表示した後、図15(d8)に示す利用停止中画面に移行する。利用停止中画面では、残り時間のカウントダウン表示、持玉数、遊技を再開するための操作ボタン等が表示される。
図16は、乗入にかかる表示の具体例である。図16(e1)では、自装置での貯玉再プレイが遊技種「玉1」、すなわち「4パチ」を用いておこなわれることを示している。また、遊技種「玉1」の持玉数が「250玉」であり、「250玉」が持玉再プレイに使用可能であることを示している。また、図16(e1)では、「払出」ボタン、「他レート利用」ボタン、「表示切替」ボタン、「離席」ボタンが表示されている。「払出」ボタンが操作されると、持玉の再プレイが行われる。そして、「他レート利用」ボタンが操作されると、他のレートからの乗入に関する情報を表示が行われる。
具体的には、図16(e1)で「他レート利用」ボタンが操作されると、図16(e2)に示すように、遊技種「玉2」、すなわち「2パチ」を用いる乗入についての情報が表示される。図16(e2)では、遊技種「玉2」の持玉数が「1000玉」であり、「500玉」が乗入による持玉再プレイで払出可能であることを示している。また、図16(e2)では、「払出」ボタン、「送る」ボタン、「戻る」ボタンが表示されている。「払出」ボタンが操作されると、遊技種「玉2」を乗入元として再プレイが行われる。「戻る」ボタンが操作されると、図16(e1)に戻る。そして、「送る」ボタンが操作されると、図16(e3)の表示が行われる。
図16(e3)では、遊技種「玉3」、すなわち「1パチ」を用いる乗入についての情報が表示される。ここでは、遊技種「玉1」の持玉数が「4000玉」であり、「10000玉」が乗入による持玉再プレイで払出可能であることを示している。また、図16(e3)では、「払出」ボタン及び「戻る」ボタンが表示されている。「払出」ボタンが操作されると、遊技種「玉3」を乗入元として再プレイが行われる。「戻る」ボタンが操作されると、図16(e2)に戻る。
上述してきたように、台間カード処理機10は、店員の介在を条件として長時間遊技を休止する休憩モードと、店員の介在を不要として短時間遊技を休止する離席モードとを備えている。このため、遊技客は目的に応じて効率的に遊技の休止を利用し、使用していた遊技機を確保して他の遊技客による利用を防ぐことができる。
また、プリペイド価値や持玉などを残したまま離席モードを開始可能とし、離席モード中はカードの排出や再プレイを禁止するよう構成したので、プリペイド価値や持玉の不正な取得を防ぎつつ、短時間の離席の後に速やかに遊技を再開することができる。
また、プリペイド価値や持玉がゼロ(あるいは実質的にゼロ)であることを条件に休憩モードを開始するよう構成したので、休憩中のプリペイド価値や持玉の不正な取得を確実に防止することができる。
また、会員用媒体を鍵として離席モードや休憩モードを開始する場合には、店員の介在を不要としたので、遊技客と店員の負担を軽減し、利便性を向上することができる。
また、会員用媒体を鍵として離席モードや休憩モードを開始した場合には、他の装置での重複利用を制限し、さらに、他の装置からの遠隔操作によって離席モードや休憩モードを終了することができる。
なお、上述の実施例において、離席モード、休憩モードを有する台間カード処理機10について記載しているが、台間カード処理機10においてこれらのモードが利用された履歴をカード管理装置にて検索条件として抽出することができてもよい。抽出の形態としては、同一のカードの識別情報別、台間カード処理機10のID別、モードの開始に介在した従業員の従業員ID別(操作したリモコンのID等から特定できる)等が可能である。さらに、会員によってモードが開始される場合には、会員ID別に抽出することが可能である。さらに、モード開始の前後において遊技機への不正行為や、遊技機や台間カード処理機のエラーが発生した場合には、これらを同一時系列上に履歴として表示することができてもよい。
なお、上述の実施例において、離席モードは遊技客あるいは従業員の操作によって開始されるものとされているが、これに限らず、離席モードが自動的に開始されるようにしてもよい。例えば、プリペイド価値等の残高が所定値以上ある状態で、遊技客が離席したと推測できる状況(例えば遊技機におけるアウト玉数(遊技機に付設されたアウトボックスで検出される、遊技者により発射された玉数)が一定時間無い場合、カードの残高の変動が一定時間無い場合、等やこれらの複合条件により推測される)が生じた場合に、自動的に離席モードが開始されて、台間カード処理機10の操作が制限されるようにしてもよい。この場合、会員管理装置50、カード管理装置40等の上位装置への通知によって従業員に通知がなされ、これに応じて従業員によるカード取り忘れの告知が行われる。そして、持ち主が見つかれば、従業員のリモコン操作を受け付けることにより、離席モードを解除することが可能である。
なお、上述の実施例では、遊技媒体数を関連づける媒体であるカードの形態についての詳細な説明を省略したが、かかるカードには、磁気カード、ICカード等が含まれる。また、ここでは説明の便宜上「カード」を例にとって説明したが、かかるカード以外に、チップ、スティック、携帯端末等を用いる場合に本発明を適用することもできる。
また、上述の実施例では、遊技玉を遊技媒体として使用する場合を例に説明を行なったが、スロットマシン用のメダルを用いる場合にも適用可能である。
また、本発明は、遊技機に封入された遊技玉を用いる封入式の遊技機に適用してもよい。封入式の遊技機では、遊技玉を遊技盤面に投出可能な数を遊技可能数として管理しており、玉貸や再プレイ時等の際には、遊技玉の現物を払出処理するのではなく、遊技可能数を加算することとなる。
また、図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部または一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。