JP2008211021A - 熱伝導性シート - Google Patents

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Abstract

【課題】樹脂が有する本来の成形加工性、軽量性、機械的強度等の実用特性が損なわれず、優れた熱伝導性を有し、熱伝導の方向性や移動量の制御が可能な異方的な熱伝導性を有する熱伝導性シートを提供すること。
【解決手段】マトリックス樹脂(A)と、これに非相溶な有機化合物(B)と、炭素繊維(C)とを含む熱伝導性シートであって、炭素繊維(C)が、面方向に配向し、面内においてランダムな方向に分散したネットワーク構造を形成している。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱伝導性、機械的強度、成形加工性、帯電防止性、電磁波遮蔽性に優れた熱導電性シートに関する。
近年の電子機器の高集積化に伴い、ICチップや電源部における発熱量の増加が問題となっている。このようなデバイスの過剰な発熱により生じる電子機器の誤動作や回路の損傷を抑制するため、多くの電子機器では、発熱源であるデバイスと実装基板、あるいはこれらとヒートシンク等の放熱部品との間に熱伝導性シートを挟み、熱を効率的に逃がす方法が適用されている。
具体的には、黒鉛質炭素繊維をシリコーン樹脂に配合させた熱伝導性シートにおいて、炭素繊維は繊維軸方向に異方的な熱伝導性を有するものの、アスペクト比が3未満の短いものを用いることにより、これが分散したシートは等方的な熱伝導性を示し、2次元方向に偏りなく熱を移動させることができることが報告されている(特許文献1)。
また、シートの膜厚よりも長い繊維長を有する熱伝導性繊維を配合した光硬化性樹脂シートにおいて、熱伝導性繊維がシートの上下面を貫く長さを持つため、上下面方向に伸びた繊維によって厚さ方向の熱伝導路が形成でき、厚さ方向の熱伝導率を向上できることが報告されている(特許文献2)。
更に、特定方向の熱伝導性を向上させた熱伝導性シートとして、1mm以下の短繊維の炭素繊維をシリコーン樹脂に配合し、流動方向に炭素繊維を配向させた熱伝導性シート(特許文献3)や、液状シリコーン樹脂に炭素繊維を添加し、この状態で強磁場を印加することにより磁場配向させた熱伝導性シート(特許文献4)が報告されている。これらの特許文献には、熱伝導性シートにおいて、炭素繊維の配向に起因した異方的な熱伝導性が得られることが記載されている。
また、熱伝導性シートを凹凸面や曲面で使用する際に、接触不足による熱伝導の低下を防止する方法として、シリコーン樹脂に低融点ワックスを配合し、低融点ワックスを添加して、シートの柔軟性を増加させ、塑性変形を容易として、凹凸追従性や密着性を改善し、放熱特性を向上させる方法(特許文献5)が報告されている。
しかしながら、上記方法には、いくつかの問題点がある。特許文献1に記載される熱伝導性シートの問題点は、炭素繊維を高濃度で添加しないと高い熱伝導性が得られないことである。すなわち、10W/m・Kの熱伝導率を得るために40容量%の添加量(質量%に換算すると、シリコーン樹脂の比重を1.0、炭素繊維を1.8と仮定して70質量%以上である。)が必要になり、このような炭素繊維を高配合した樹脂は、流動性が低く成形が困難であり、強度的にも脆い上、通常の使用環境において繊維の崩落が生じ易く、デバイスに対する汚染の問題等がある。
一方、特許文献2に記載される熱伝導シートにおいては、シートの厚み方向に貫通した繊維の比率が、成形方法や繊維の分散状態、さらに幾何学的な確率等に依存し、実際には厚み方向の熱伝導性の制御が難しいことが挙げられる。すなわち、バルク状態の樹脂に繊維を理想的に分散させた場合であっても、これをスライスして得られるシートでは、その繊維の大半がシートに貫通していない状態になると予想され、しかも実際には、長繊維特有の凝集や絡み合いが生じて不均一になり易く、上記同様、高配合が必要となる。また、塗工のような流動の生じる成形方法では、その流動方向に沿ってほとんどの繊維はシート面に沿った状態となるため、厚み方向の熱伝導率の向上はあまり期待できないことになる。
また、特許文献3や特許文献4に記載される方法は、何れも炭素繊維を一方向に配向させて特定方向の熱伝導性を強化する方法であって、これらの問題点は、シートに垂直な応力に対する強度が著しく低下することである。すなわち、複合材料では、一般に界面部分を起点に亀裂が生じるが、上記方法では、シート面内の一方向に界面が配向した状態となることから、垂直方向の曲げに対して脆い構造になる。特に、特許文献4での強磁場を印加する方法では、炭素繊維だけでなく、樹脂の分子構造も配向すると考えられ、強度はより一層低下することになる。
さらに、昨今のユビキタス端末機器の急速な需要の増加と共に、様々な屋外環境で利用可能な電子機器の要請が高く、持ち運び可能な端末機器として小型化や軽量化が重視され、従来の放熱部品や放熱構造が制限されるようになっている。その結果、デバイスの異常加熱による発火や筐体の高温化による低温やけど等の新しい問題が発生している。このような小型化や薄型化が要求される電子機器においては、単に搭載する放熱部品により放熱を行うのみではなく、使用時における熱の発生状況に合わせて、熱の移動方向や移動量を制御し、同時に筐体へ直接熱が伝導するのを抑制できる技術が求められている。特に、小型化が必要な携帯電話、モバイル端末、ゲーム機器、ウェアラブル機器等においてこの種の技術の要請が高く、とりわけ、発熱源に最も近い場所において、高い熱伝導率、熱の移動方向や移動量の制御、さらに強度や成形加工性等の実用特性を備えた熱伝導性シートが求められている。
特開平9−283955号公報 特開2000−174184号公報 特開2001−160607号公報 特開2003−200437号公報 特開2001−291807号公報
本発明の課題は、樹脂が有する本来の成形加工性、軽量性、機械的強度等の実用特性が損なわれず、優れた熱伝導性を有し、熱伝導の方向性や移動量の制御が可能な異方的な熱伝導性を有する熱伝導性シートを提供することにある。
本発明者らは、熱伝導性繊維を含む熱伝導性シートにおいて、その成分により形成されるモルホロジーが熱伝導性や強度、流動性、成形性に強く影響することに着目した。各成分の種類やサイズ、配合量に加え、分散状態と各成分間の相互作用などについて詳細に調べ、これらの相関性について一つ一つ検証を行った。その結果、マトリックス樹脂に対して、これに非相溶の粒子状の有機化合物と炭素繊維とを配合して、炭素繊維を面方向に配向させ、且つ面方向においてランダムな方向に配向したネットワーク構造を成形させることにより、優れた熱伝導性に加え、異方的な熱伝導性と高い強度が特異的に得られることの知見を得た。
特に、特定のサイズを有する炭素繊維と、マトリックス樹脂に非相溶な特定の有機化合物を配合して成形したシートにおいて、モルホロジーが大きく変化し、優れた熱伝導性が得られることを見出した。すなわち、特定の有機化合物の配合によって、マトリックス樹脂中での特定の炭素繊維の分散が著しく促進され、同時に各成分間の化学的相互作用が強化され、熱伝導が促進される最適なモルホロジーが形成されることを見い出した。
本発明の熱伝導性シートにおける熱伝導が促進されるメカニズムは必ずしも明確ではないが、マトリックス樹脂に対して、非相溶性の有機化合物を添加することにより、炭素繊維の分散性が向上し、かつ、これらの炭素繊維同士が部分的に接合することによって、樹脂中で炭素繊維のネットワーク構造が形成され、高い熱伝導性が実現したものと考えられる。従来の粒状あるいは繊維状のフィラーを高配合したシートでは、フィラーの凝集、界面や欠陥部の増加、更に、マトリックス樹脂に対する濡れ性の不足等の問題があり、一般的に強度が低下していた。また、フィラーが特定方向に配向した場合、強度はより一層低下していた。しかしながら、マトリックス樹脂を溶融してこれに低粘度の非相溶性の有機化合物を混合する際、この有機化合物が微分散し樹脂の溶融粘度を低下させ、本来凝集しやすい炭素繊維の分散性を効果的に高めると同時に、この有機化合物が炭素繊維表面に対して強い相互作用を持つことで、炭素繊維同士のバインダー(複数の炭素繊維を部分的に集結させるように作用する。)となり、炭素繊維のネットワーク構造を形成すると推測することができる。このようなネットワーク構造は、特に、特定の有機化合物と、特定のサイズを有する少量の炭素繊維とによって、特異的に、炭素繊維同士が接触又は極めて接近して配位した状態となるため、熱伝導性シートにおいて熱伝搬のロスが低減され、充分に高い熱伝導性を得ることができることに加え、優れた機械的強度を有すると考えられる。これらの知見に基づき本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、母材の熱可塑性樹脂(A)と、これに非相溶な有機化合物(B)と、繊維状フィラー(C)とを含む熱伝導性シートであって、炭素繊維(C)が、面方向に配向し、面内においてランダムな方向に配向してネットワーク構造を形成していることを特徴とする熱伝導性シートに関する。
本発明の熱伝導性シートは、マトリックス樹脂が有する本来の成形加工性、軽量性、機械的強度が損なわれず、優れた熱伝導性を有し、かつ熱伝導の方向性や移動量の制御が可能な異方的な熱伝導性を有する。
本発明の熱伝導性シートは、マトリックス樹脂(A)と、これに非相溶な有機化合物(B)と、炭素繊維(C)とを含む熱伝導性シートであって、炭素繊維(C)が、面方向に配向し、面内においてランダムな方向に配向したネットワーク構造を形成していることを特徴とする。
本発明の熱伝導性シートに用いられるマトリックス樹脂(A)は熱伝導性シートの母材となるものであり、成形分野で使用される樹脂を、その特性に応じて選択して適用することができる。かかるマトリックス樹脂(A)としては、例えば、シリコーン系樹脂、ナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)やポリ乳酸(PLA)等のポリエステル系樹脂、ABS等のポリスチレン系樹脂や、ポリプロピレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等を挙げることができ、これらは1種又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。シリコーン系樹脂は、柔軟性に富み、熱源のデバイスに対する凹凸追従性や密着性に優れるため、好ましい。また、ポリアミド系樹脂やポリカーボネート系樹脂は、耐熱性や耐久性に優れており、高温や摩擦が生じるような場合に好適である。また、ポリスチレン系樹脂は、耐熱性、耐摩耗性、耐薬品性、加工性等の実用特性に優れているばかりでなく、種々のフィラーや他の樹脂との配合や成形加工が容易に行えること等からマトリックス樹脂として好適である。
また、上記ポリエステル系樹脂としては、合成ポリエステルであってもよいが、生分解性のポリエステル系樹脂が環境破壊を抑制することができる点から好ましい。生分解性のポリエステル系樹脂としては、バイオマス由来系樹脂やその誘導体を挙げることができる。バイオマス由来系樹脂とは、バイオマスを原料として作られる樹脂を主成分に含む樹脂をいい、その誘導体とは、分子構造の一部が、他の化合物や官能基により置換され、又は変性されたものをいう。バイオマス由来系樹脂は、石油系樹脂に比べて生体親和性に優れており、人体や生物に直接接触するような機器あるいは部品材料等において特に好ましく、省資源対策、CO2排出低減等、材料自体に内在する環境負荷を大幅に削減できる効果を有する。このようなバイオマス由来系樹脂としては、具体的には、ポリ乳酸(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリヒドロキシ酪酸(PHB)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、酢酸セルロース、澱粉樹脂等を挙げることができ、その誘導体としては、芳香族カルボン酸、脂環式カルボン酸、飽和脂肪族カルボン酸、不飽和脂肪族カルボン酸、脂肪族ジオール、脂環式ジオール、芳香族ジオール等との共重合体を挙げることができる。
これらのバイオマス由来系樹脂のうち、特に、ポリ乳酸(PLA)やその誘導体を、強度や量産性の点から、好ましいものとして挙げることができ、ポリ乳酸誘導体としては、ポリエチレングリコール変性PLA、アクリル酸エステル変性PLA等を挙げることができる。また、ポリ乳酸アロイとしてはPCL、PBS、ポリカーボネートやポリメタクリル酸メチル等とのアロイを挙げることができる。上記ポリエステル系樹脂はこれらを1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ、更に、他の熱可塑性樹脂と任意に組み合わせて用いることができる。
本発明の熱伝導性シートに用いる有機化合物(B)は、上記マトリックス樹脂(A)に対して非相溶であり、マトリックス樹脂(A)中において粒子状の分散相を形成するものである。ここで非相溶とは、マトリックス樹脂(A)に対して0.5μm以上のサイズで分散相を形成し、可視光域において光学的な非相溶性を呈するものをいう。なお、異種の樹脂同士又は樹脂と、有機化合物との混合においては、熱力学的に完全相溶すること(分子レベルで一相になること)は極めてまれであり、部分相溶して均一に見える場合であっても、サブミクロン以下のミクロ的視野においては分散状態で存在している場合が多い。したがって、「非相溶性」あるいは「完全相溶でない」ということは、異種樹脂又は樹脂と有機化合物の混合系が含まれることになる。本発明に用いる有機化合物(B)における非相溶は、部分相溶の状態も含め、上記のように可視光域の光線により非相溶性を呈するようなマクロ的視野における非相溶状態をいう。
上記有機化合物(B)の非相溶性の尺度としては、溶解度パラメーター(以下、SP値と表記する)を参考にすることができる。具体的には、有機化合物(B)のSP値がマトリックス樹脂(A)と同等、又はそれ以下であり、その差がマトリックス樹脂(A)のSP値に対して30%以内の範囲にあることが好ましい。SP値が同値を有する有機化合物同士は、一般的には相溶となるが、分子量や立体構造等の影響により非相溶となる場合がある。ここで、有機化合物(B)とマトリックス樹脂(A)のSP値が同等の場合は、その分子量や立体構造等のこれらの相溶性を阻害する因子を有し、マトリックス樹脂(A)との非相溶性を有することが必要である。上記SP値の差がマトリックス樹脂(A)の値に対し30%以下であれば、有機化合物(B)の分子構造の一部に反応活性を有する官能基が含まれる場合であっても、マトリックス樹脂(A)中でのマクロ相分離を抑制することができ、熱伝導性の低下を抑制することができる。
また、上記有機化合物(B)が、マトリックス樹脂(A)より低い極性あるいはSP値を有することにより、化学的に不活性な疎水構造の表面を有する炭素繊維(C)が、マトリックス樹脂(A)より極性やSP値が低い有機化合物(B)との強い疎水相互作用により、凝集することを抑制することができる。さらに、上記範囲のSP値を有する有機化合物(B)は、マトリックス樹脂(A)中で炭素繊維(C)を伴って微分散するため、炭素繊維(C)の分散性をより向上させることができる。
ここで、SP値としては、定性的な見地から、汎用的に用いられる原子団寄与法(the group contribution method)を用いて理論的に算出した値を適用することができる。具体的には、式(1)を用いて算出することができる。算出に必要となる各物性値については、文献値(例えば、D.W.Van Krevelen and P.J.Hoftyzer,PROPERTY OF POLYMERS:THEIR ESTIMATION AND CORRELATION WITH CHEMICAL STRUCTURE,Elsevier,New York,1976に記載)、あるいは実験値の何れを用いてもよい。
δ = (ΣEcohi/ΣVmi)1/2 (1)
δ:溶解度パラメーター(SP値)
Ecohi:各原子団のモル凝集エネルギー
Vmi:各原子団のモル体積
上記有機化合物(B)が、マトリックス樹脂(A)中において、平均粒子径として、0.5〜200μmの範囲で分散していることが好ましい。有機化合物(B)の平均粒子径が0.5μm以上であれば、可視光域での光学的な非相溶性が認められ、非相溶性に基づき、後述する炭素繊維(C)とのネットワーク構造を形成し、熱伝導性の向上を図ることができる。一方、平均粒子径が200μm以下であれば、マトリックス樹脂(A)中での凝集を抑制することができ、マクロ相分離による界面破壊等を抑制することができる。ここで平均粒子径は顕微鏡法による測定値とすることができる。
また、このような平均粒子径を有する上記有機化合物(B)は、炭素繊維(C)との相互作用により、2つ以上の炭素繊維(C)がその表面又は内部に配位した接合体を形成する。この接合体の形態としては、炭素繊維(C)が有機化合物(B)粒子中若しくは粒子を貫通した状態、又は表面に接触した状態のいずれであってもよい。この接合体がマトリックス樹脂中に分散することにより、図1の模式図に示すように、有機化合物(B)2の粒子が複数の炭素繊維(C)1を集結させるバインダーとなって、マトリックス樹脂(A)3中にネットワーク構造を形成することができる。有機化合物(B)の平均粒子径が、炭素繊維の平均繊維長の1/2以下であると、粒子状有機化合物(B)への炭素繊維(C)の凝集を抑制し、炭素繊維(C)の粒子状有機化合物(B)への2次元的な配位を促進させることができる。このため、マトリックス樹脂(A)中に分散した炭素繊維(C)と有機化合物(B)によるネットワーク構造が容易に形成され、炭素繊維(C)の配合量が少量であっても、充分に高い熱伝導性が得られる。有機化合物(B)への炭素繊維(C)の配位を形成する接合形態としては、水素結合や配位結合等の化学結合に加え、物理吸着、静電吸着、疎水性相互作用、磁性吸着、幾何学的要因による接合等のいずれであってもよい。
上記有機化合物(B)は、溶融粘度がマトリックス樹脂(A)よりも低く、かつ融点がマトリックス樹脂(A)よりも低いことが好ましい。このような有機化合物(B)を用いることにより、マトリックス樹脂(A)との溶融混合において、混合物の溶融粘度が低下し、流動性が向上し、固体の炭素繊維をマトリックス樹脂(A)中に容易に均一に分散させることができる。有機化合物(B)の融点としては、具体的には、80〜200℃であることが好ましい。有機化合物(B)の融点が80℃以上であれば、電子機器などの発熱を伴う製品の部品や筐体に用いた場合においても、熱による軟化や、溶出を抑制することができる。一方、融点が200℃以下であれば、成形加工が高温になることにより熱分解し易いポリ乳酸などの生分解性ポリエステル樹脂をマトリックス樹脂(A)に使用した場合においても分解、ガスの発生、変色などを抑制することができる。ここでいう溶融温度は、一般的な融点をさす。ただし、物質によっては融点が不明確な場合があるが、その際は軟化温度(軟化点:測定法JIS K7206)で代行しても差し支えない。
上記有機化合物(B)としては、シリコーン化合物、エステル化合物、オレフィン化合物、カーボネート化合物、アミド化合物、又はワックス類であって、融点が80℃〜200℃であり、分子量が10000以下の低分子量を有する化合物のいずれか1種又は2種以上を含むことが好ましい。このような種類の有機化合物は、溶融粘度が低く、低融点であり、マトリックス樹脂に容易に微分散し、また、ポリエステル樹脂等に対しても、加水分解やエステル交換反応等による分子量低下の問題を生じ難いという利点がある。
上記ワックス類としては、動物由来あるいは植物由来のワックス、鉱物系ワックス、石油系ワックス等に代表される天然ワックス類、フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス、油脂系合成ワックス、水素化ワックス等に代表される合成ワックス類、及び加工・変性ワックス等を挙げることができる。具体的には、動物由来ワックスとしては、蜜蝋やウールワックス、植物由来ワックスとしては、カルナバワックス、キャンデリラワックス、木蝋、ライスワックス、鉱物系ワックスとしては、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、オイルシェル、石油系ワックスとしては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム等を挙げることができる。また、高級脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、ケトン類、アミン類、水素硬化油の常温固形物もワックス類として用いることができる。
上記ワックス類としては、分子構造の主鎖の炭素数が8〜44であり、分子量が200〜1500、より好ましくは300である脂肪族カルボン酸アミド、芳香族カルボン酸アミド、脂肪族カルボン酸エステル、又は芳香族カルボン酸エステルのいずれか1種又は2種以上を含む、結晶性有機化合物であることが好ましい。結晶性有機化合物は、植物性油脂や動物性油脂等の天然油脂から合成できるものが多く、取り扱いが容易であることに加えて、安価で得られることが多い。しかも、マトリックス樹脂(A)が結晶性樹脂の場合には、結晶核剤として作用し、成形サイクルを大幅に短縮できる効果が得られる。上記脂肪族カルボン酸アミド、芳香族カルボン酸アミド、脂肪族カルボン酸エステル、芳香族カルボン酸エステルは分子中に1つあるいは2つ以上の極性基が導入されたものが好ましい。かかる極性基としては、例えば、水酸基やカルボキシル基、グリシジル基等の酸素含有基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、イソシアネート基等の窒素含有基、フッ素含有基等を挙げることができる。これらの極性基が部分的に導入された上記化合物において、炭素繊維(C)と相互作用を持ちつつ、マトリックス樹脂(A)に対しては水素結合等の物理化学的作用を持つため、マトリックス樹脂(A)と炭素繊維(C)の双方に対してそれぞれの相互作用を強化するバインダー的な効果が発現し、機械的強度が向上する。
上記の有機化合物(B)としては、具体的に、リシノール酸アミド、リノール酸アミド、リノレン酸アミド、アラキン酸アミド、ラウリン酸アミド、パルミチン酸アミド、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、エルカ酸アミド、N−オレイルパルミチン酸アミド、N−オレイルオレイン酸アミド、N−オレイルステアリン酸アミド、N−ステアリルオレイン酸アミド、N−ステアリルステアリン酸アミド、N−ステアリルエルカ酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミド、エチレンビスイソステアリン酸アミド、ブチレンビスステアリン酸アミド、p−キシリレンビスステアリン酸アミド等のカルボン酸アミド及びこれらの分子中の一部に極性基が導入された化合物、また、ラウリン酸エステル、パルミチン酸エステル、オレイン酸エステル、ステアリン酸エステル、エルカ酸エステル、N−オレイルパルミチン酸エステル、N−オレイルオレイン酸エステル、N−オレイルステアリン酸エステル、N−ステアリルオレイン酸エステル、N−ステアリルステアリン酸エステル、N−ステアリルエルカ酸エステル、メチレンビスステアリン酸エステル、エチレンビスラウリン酸エステル、エチレンビスカプリン酸エステル、エチレンビスオレイン酸エステル、エチレンビスステアリン酸エステル、エチレンビスエルカ酸エステル、エチレンビスイソステアリン酸エステル、ブチレンビスステアリン酸エステル、p−キシリレンビスステアリン酸エステル等のカルボン酸エステル及びこれらの分子中の一部に極性基が導入された化合物等を挙げることができる。
上記で挙げた有機化合物(B)のうち、特に、ひまし油から誘導されたカルボン酸アミド化合物が好ましい。具体的には、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、パルミチン酸アミド、リノール酸アミド、リノレン酸アミド、アラキン酸アミド、及びこれらの誘導体等を挙げることができる。これらは極めて優れた熱伝導性に加えて、バイオマス由来であることから環境適合性に優れ、安全性、生産性、コスト性、生体親和性を有し、更に、ポリエステル樹脂に対して分散制御性に優れ、結晶核剤として作用し、炭素繊維(C)とネットワーク構造を形成することができる。
上記有機化合物(B)の熱伝導性シート中の含有量は、1〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは1〜15質量%である。有機化合物(B)の含有量が1質量%以上であれば、熱伝導性シートの成形時において組成物の溶融粘度を充分に低くすることができ、炭素繊維(C)を十分に分散することができる。一方、有機化合物(B)の含有量が20質量%以下であれば、微分散した有機化合物(B)の再凝集を抑制し、マクロ相分離による機械的強度の低下を抑制することができ、得られる熱伝導性シートにおいて凝集した有機化合物(B)が表面に露出することを抑制し、外観不良や塗装不良の発生を抑制することができる。
本発明の熱伝導性シートに用いる炭素繊維(C)は、繊維状であればよい。炭素繊維(C)としては、繊維軸方向に特に優れた熱伝導性を有しており、射出成形等で樹脂の流動方向に配向し、得られる熱伝導性シートにおいて異方的な熱伝導性を備えたものとなり、熱伝導の方向や移動量の制御が可能となる。炭素繊維(C)は他のフィラーに比べて密度が小さいことに加え、繊維軸方向の熱伝導率が金属以上に高く、極めて少量の添加量で樹脂の熱伝導性を向上できる。更に、毒性等環境破壊への影響もほとんどなく、軽量性、加工成形性、機械的強度等の実用特性にも優れ、比較的安価であり、好適な材料である。
炭素繊維(C)が有する固有の熱伝導率や添加量により、熱伝導性シートの熱伝導率が特定される場合が多く、必要とされる熱伝導性の程度、マトリックス樹脂(A)や有機化合物(B)の種類に応じて、種類やその添加量を適宜選択して用いることが好ましい。炭素繊維(C)としては、繊維長方向において100W/m・K以上の熱伝導率を有するものが好ましい。このような高い熱伝導率を有する炭素繊維は、低配合量で樹脂の熱伝導率を上昇させるのに有効であり、かかる炭素繊維としては、黒鉛化処理して得られる結晶性の炭素繊維を挙げることができる。
ここで、熱伝導率はレーザーフラッシュ法、平板熱流計法、温度波熱分析法(TWA法)、温度傾斜法(平板比較法)、周期加熱法(3ω法)、カロリメトリ法等の測定方法による実測値、あるいは、実測が困難な場合は、熱伝導率以外の物性値及び炭素材料の統計データから外挿法により推定される試算値をを採用することができる。
上記炭素繊維(C)として、有機化合物(B)の平均粒子径の2倍以上の平均繊維長を有することが好ましい。炭素繊維(C)の平均繊維長が有機化合物(B)の平均粒子径の2倍以上であれば、低配合によっても有機化合物(B)と相俟って、ネットワーク構造を非常に容易に形成し、炭素繊維(C)同士が有機化合物(B)を介して極めて接近した状態、若しくは直接接触した状態で配位するため、熱エネルギーの伝搬ロスが著しく低減される。従来、流動性や成形加工性の配慮から1mm以下の短繊維の熱伝導性フィラーを用いるのが一般的であったことから、熱伝導ではその短いフィラー間に生じる熱抵抗が非常に大きな障害となっていたが、上記繊維長を有する炭素繊維を用いることにより、優れた熱伝導性を有するシートが得られる。尚、従来の1mm以下の短繊維フィラーでは、そのフィラー間の熱抵抗により熱伝導性の向上効果は低いものとなり、熱伝導性を有するものとするためには高配合が必要になる。
また、上記炭素繊維(C)は、成形時に、シート面方向に配向し易いため、得られるシートにおいて、従来と比較して熱伝導性と異方的な熱伝導性との両方を向上させることができる。これは、シートにおいて炭素繊維(C)同士が、接触あるいは極めて接近した状態でランダムなネットワーク構造を形成し、更に、これがシートの面方向に配向し、2次元的に配向することにより、炭素繊維(C)間の熱伝導にかかわる炭素繊維(C)の実効熱伝導あるいは、その熱伝導にかかわる炭素繊維(C)の実効面積が増加して熱抵抗が大幅に低下するためである。このような炭素繊維のランダムなネットワーク構造がシート面方向に配向して形成された熱伝導性シートは従来にはなく、従来の単なる炭素繊維の配合や配向による熱伝導性シートと大きく異なる点であり、優れた熱伝導性を有するものとなる。
また、炭素繊維(C)の平均繊維長としては、得られる熱伝導性シートの厚さの2倍以上60倍以下であることが好ましい。電子機器に用いられる熱伝導性シートの厚さは、一般的に1mm程度以下であり、かかる点から炭素繊維(C)としては、熱伝導性シートの厚さの2倍以上であれば、面配向、即ち、2次元的なネットワーク構造を形成するために好ましい。また、炭素繊維(C)の平均繊維長が、熱伝導性シートの厚さの60倍以下であれば、成形時における繊維の絡まりを抑制し、ネットワーク構造を容易に形成することができるため、好ましい。
上記炭素繊維(C)の平均繊維長が2mm以上30mm以下のものが好ましい。炭素繊維(C)の平均繊維長が2mm以上であれば、有機化合物(B)とのネットワーク構造を容易に形成することができ、30mm以下であれば、炭素繊維(C)同士の絡み合いによって、マトリックス樹脂との混合や成形が困難になるのを抑制することができる。
ここで炭素繊維(C)の平均繊維長は、顕微鏡法、レーザー回折・散乱法、動的光散乱法などの測定方法により求めた値を採用することができる。
上記炭素繊維(C)として、平均径が1μmより大きく50μm以下のものを用いることが好ましい。炭素繊維(C)の平均径が1μmより大きいと、凝集する傾向が少ないという性質を有し、成形時においてマトリックス樹脂との混合において容易に分散させることができる。一方、平均径が50μm以下であれば、マトリックス樹脂中に均一に分散させることができ、熱伝導性シートの表面に炭素繊維(C)の凝集体が露出することによる外観不良の発生を抑制することができる。このような炭素繊維(C)の平均径は顕微鏡法により求めることができる。
上記炭素繊維(C)としては、40以上30000以下のアスペクト比を有することが好ましい。上記のように炭素繊維(C)の平均繊維長として2mm以上30mm以下が好ましく、平均直径として1μmより大きく50μm以下が好ましいことから、これらの平均繊維長と平均直径との比からアスペクト比として40以上30000以下を得ることができる。
上記炭素繊維(C)としては、PAN系、ピッチ系、アーク放電法 、レーザー蒸発法、CVD法(化学気相成長法)、CCVD法(触媒化学気相成長法)等で合成されたものを1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのうちピッチ系、気相法、さらに黒鉛化処理を行って得られる炭素繊維は、結晶性に優れ、繊維軸方向の熱伝導性に優れており、マトリックス樹脂(A)中に配向させて得られる熱伝導性シートにおいて異方的な熱伝導性を備えたものとなり、熱伝導の方向や移動量の制御が容易となるため、好ましい。特にメソフェーズピッチ系及び気相で作製された炭素繊維は、繊維軸方向に対して異方的なグラファイト構造を持つため、繊維軸方向に金属以上の熱伝導率を有しており、マトリックス樹脂(A)に対してより高い熱伝導性を付与することができる。
上記炭素繊維(C)は、結晶性であることが好ましい。金属等の導電材料では、熱伝導率が伝導電子の運動性に依存するのに対して、炭素では熱伝導は格子振動が寄与するところが大きい。このため、特に、炭素繊維(C)においては、結晶性が高いことにより熱伝導性をより優れたものとすることができる。炭素繊維(C)において結晶性を高める方法としては、例えば、非酸化性雰囲気下で500〜3000℃の温度の熱処理を挙げることができる。炭素繊維が高温下の気相法により成形されたものの場合には、高度に結晶化している場合があるため、この場合は特に結晶性を高める処理は不要である。
上記炭素繊維(C)としては、必要に応じて、マトリックス樹脂(A)や有機化合物(B)との相互作用を促進するため官能基を導入したものを用いることができる。炭素繊維(C)への官能基の導入には、その一部又は全部を表面処理する方法を用いることができる。マトリックス樹脂との相互作用を強化するための表面処理としては、具体的には、酸化処理や窒化処理、ニトロ化、スルホン化、又はこれらの処理によって表面に導入された官能基若しくは炭素繊維(C)の表面に、金属、金属化合物、有機化合物、有機金属化合物(シランカップリング剤や、チタネートカップリング剤など)等を付着若しくは結合させる方法を挙げることができる。上記導入する官能基としては、具体的には、水酸基、カルボキシル基、カルボニル、ニトロ基、アミノ基、スルホン基、メルカプト基等の酸素含有基、窒素含有基、硫黄含有基を挙げることができる。このような官能基や化合物が表面の一部に導入された炭素繊維(C)は、ポリエステル樹脂等のマトリックス樹脂(A)との化学的な相互作用が強化されるため、得られる熱伝導性シートの機械的強度を向上させることができる。また、有機化合物(B)との相互作用を強化するための表面処理としては、各種カルボン酸等によりカルボキシル基の導入する表面処理等を挙げることができる。
更に、炭素繊維(C)としては、表面の一部又は全部を疎水化処理したものを用いることができる。疎水化処理としては、具体的には、不活性ガス雰囲気中で熱処理を行う方法やフッ素化処理等を挙げることができる。このような疎水化処理された炭素繊維(C)は、極性の低いマトリックス樹脂とより強い相互作用を示すようになる。
上記炭素繊維(C)の熱伝導性シート中の含有量としては、総質量に対して1〜40質量%であることが好ましく、より好ましくは5〜20質量%である。含有量が1質量%以上であれば、充分な熱伝導性を得ることができる。一方、40質量%以下であれば、特に低密度の炭素繊維(C)を含有する熱伝導性シートにおいても、体積分率の増加を抑制し、成形時における炭素繊維同士の絡み合いによる組成物の溶融粘度の上昇を抑制することができ、優れた成形加工性を有するものとなる。
また、炭素繊維(C)と共に、上記平均繊維長より短い繊維長を有する炭素繊維(D)を含有させることが好ましい。炭素繊維(D)としては炭素繊維(C)と同様の種類のものを用いることができ、その平均繊維長としては、50μm以上500μm以下を挙げることができる。このような炭素繊維(D)を併用することにより、熱伝導性の向上を補助し、更に、帯電防止性や電磁波遮蔽性をより一層向上させることができる。これは、炭素繊維(D)が、配向する長繊維長の炭素繊維(C)に対して、ランダムな状態で存在することにより、導電性や熱伝導性を向上させ、得られるシートの熱伝導性を高度に制御することが可能になる。
このような短繊維長の炭素繊維(D)の含有量としては、熱伝導性シートの総質量に対して5〜25質量%とすることができる。
本発明の熱伝導性シートには、必要に応じて、種々の添加剤を配合することができる。添加剤としては、例えば、補強剤、難燃剤、発泡剤、劣化防止剤、結晶核剤、着色剤、酸化防止剤、耐熱性向上剤、耐光剤、加工安定剤、抗菌剤、防かび剤、可塑剤等を挙げることができる。補強剤としては、具体的には、マイカやタルク等の充填剤、アラミドやポリアリレート等の有機繊維やガラス繊維、さらにケナフのような植物繊維を使用することができる。また、難燃剤としては、具体的には、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウム等の金属水酸化物、メラミンやイソシアヌル酸化合物等の窒素系難燃剤、リン酸化合物等のリン系難燃剤等を挙げることができる。また、種々の無機系あるいは有機系結晶核剤、酸化チタン等の着色剤、ラジカルトラップ剤、酸化防止剤、加水分解抑制剤等の安定剤、銀イオン等の抗菌剤を、適宜、配合することができる。
本発明の熱伝導性シートを製造する方法としては、上記各種成分を混合する方法によることができる。かかる混合方法としては、ハンドミキシングによる混合に加えて、公知の混合機、例えばタンブラーミキサー、リボンブレンダー、単軸や多軸混合押出機、ロール等を用いて、溶融混合する方法を挙げることができる。これらの中で、タンブラーミキサー、リボンブレンダー、単軸押出機等の比較的混合力が弱いものを用いることが、混合工程において炭素繊維(C)の破断や粉砕を抑制することができ、炭素繊維(C)本来の繊維軸方向の高い熱伝導性が反映された成形体を得ることができ、好ましい。また、マトリックス樹脂(A)に複数の添加物を加える場合等は、炭素繊維(C)以外の添加物を予め加えて混合しておき、その後に炭素繊維(C)を添加する等、炭素繊維(C)の混合時間の短縮を図り、これらの破断や粉砕を低減する方法も有効である。また、溶融混合時に充分な流動性を確保するため、混合機のシリンダ内のクリアランス調整や、スクリューや撹拌翼の回転数、溶融温度条件等の装置条件を適宜設定することが好ましい。
本発明の熱伝導性シートの成形方法としては、射出成形、射出圧縮成形、圧縮成形法等、樹脂成形において一般的に用いられる方法を適用することができる。これらの溶融混合や成形時における温度は、母材となる熱可塑性樹脂(A)の融点以上で、かつそれぞれの成分が劣化しない範囲であることが好ましい。
本発明の熱伝導性シートには、シート成形体の上部あるいは下部に、熱伝導性の異なる樹脂からなる被膜を形成することができる。被膜としては、具体的には、フィラー濃度、添加量、配向方向等が異なる樹脂、配合成分の異なる樹脂、種類の異なる樹脂等を原料とし、積層あるいは薄膜に成形したものを挙げることができる。このような積層構造あるいは薄膜からなる被膜が形成された熱伝導性シートは、熱伝導性の方向性を3次元的に制御することも可能である。特に、熱伝導性シートの上部あるいは下部に設けた熱伝導性の低い樹脂被膜は、熱源から成形体表面に直接熱が伝わる状態を回避でき、電子機器の筐体等での低温火傷防止対策には、特に有効である。
また、本発明の熱伝導性シートの表面に、熱放射作用に優れた材料あるいは塗料からなる積層構造又は被膜を設けることができる。このような被膜を有することにより放熱特性を向上させることができる。
また、本発明の熱伝導性シートの表面に、熱容量の異なる材料からなる積層構造又は被膜を設けることができる。このような被膜を有することにより表面における温度変化を鈍くすることができるため、人体や生物に直接触れるような機器、あるいは熱の変化を嫌うような精密機器等において有効である。
本発明の熱伝導性シートは、炭素繊維自体の異方性に加え、炭素繊維がシート面に平行な方向に配向しながらランダムな方向に分散されかつネットワーク構造を形成することにより、シートの面方向に対して特に高い熱伝導性が発現する。本発明の熱伝導性シートにおける異方的な熱伝導性は、混合時のバルク状態では得られず、シート状に成形する過程で炭素繊維が配向することにより得られる。このような厚み方向と面方向のそれぞれに高い熱伝導性が得られる熱伝導性シートは、デバイス等の熱を、迅速にシート全体に拡散させ、さらに熱伝導性シートから他の放熱部分へ移動させるのに非常に適しており、特に薄型の放熱機構の設置が困難な電子機器に対して有効である。
さらに、本発明の熱伝導性シートにおいては、特に、特定の繊維長の炭素繊維がシート内で網羅的にネットワーク構造を形成することにより、FRP(繊維強化樹脂)に類似した効果が得られると共に、剛性が高いマトリックス樹脂に対しては、上記バインダーの作用により靱性の向上効果が得られ、機械的強度を向上させ得る。このような補強効果は、炭素繊維の添加量が数質量%程度の少量でも得られ、更に、他のフィラー等を追加して添加した場合であっても、充分に機械的強度を維持する程度で得られる。
以下に、本発明の熱伝導性樹脂組成物および成形体を具体的に詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらに限定されるものではない。
[実施例1〜15]
[熱伝導性シートの調製]
表1〜表3に示すマトリックス樹脂(A)、有機化合物(B)、炭素繊維(C)を、それぞれ質量比80:5:15で表4に示す条件でハンドミキシングにより混合し、70×70×1mmのサイズに圧縮成形してシート成形体を作製した。
[熱伝導性評価]
得られた成形体サンプルについて、以下に示す方法を用いて熱伝導性を評価した。結果を表5に示す。
[面内熱伝導性]
アルミニウム台の上にサンプルを設置し、その上から予め70℃に加熱した分銅を置き、一定時間内に分銅から成形体の面内に広がる熱の様子を、サーモトレーサー(NEC三栄製、サーモスキャナTS5304)により観察した。図2に示すように、このときのサンプルにおける面内の熱の拡がり(a)を同形状のステンレスシートにおける面内の熱の拡がり(b)と比較して、以下の基準により、熱伝導性(異方性)を評価した。結果を表5に示す。
◎:30秒後の熱の拡がり(面積)が、ステンレスに比べて2.5倍以上
○:30秒後の熱の拡がり(面積)が、ステンレスに比べて1.5倍以上2.5倍未満
△:30秒後の熱の拡がり(面積)が、ステンレスに比べて1.1倍以上1.5倍未満
×:30秒後の熱の拡がり(面積)が、ステンレスに比べて1.1倍未満。
[曲げ強度評価]
得られたシート成形体サンプルついて、JIS規格(K7203)に基づき、万能試験機(インストロン製 5567)を用いて曲げ強度を評価した。評価基準は、以下の通りとした。
◎:マトリクス樹脂(A)のみに比べて曲げ弾性率、曲げ歪みが共に20%以上増加
○:マトリックス(A)のみに比べて、曲げ弾性率、曲げ歪みの一方が15%以上増加
△:マトリックス(A)のみに比べて、弾性率、曲げ歪みの一方が15%以上低下
×:マトリクス樹脂(A)のみに比べて弾性率と曲げ歪みが共に20%以上低下
[比較例1〜5]
表6に示す組成および条件とした他は、実施例と同様にしてシート成形体を作製し、熱伝導性評価と曲げ強度評価を実施した。結果を表7に示す。
実施例1〜10では、マトリックス樹脂(A)に対して、何れも有機化合物(B)の非相溶性に基づいた粒状の分散状態が観察され、炭素繊維(C)のネットワーク構造が形成された。表5の結果から、いずれも熱伝導性は著しく向上し、同形状のステンレスに比べて、シート面方向の優れた熱拡散性が観察された。また、機械的強度に関しても、マトリックス樹脂(A)の本来の特性を低下させることなく、曲げ弾性率あるいは曲げ歪みの増加が観察された。
一方、比較例1〜5は、マトリックス樹脂(A)に、短繊維の炭素繊維(b)のみを配合したものであるが、いずれも溶融混練時に著しい粘性の増加が生じ、特に比較例4では混練できなくなるほどであったため、成形不可能となった。これ以外については、時間をかけて混練することにより、かろうじてシート形状に成形することができた。比較例1〜5では、実施例よりも高い熱伝導率を有する炭素繊維を使用したにもかかわらず、シート成形体の熱伝導性はいずれも低くなり、さらに機械的強度の低下が生じた。
これらの結果から、本発明では、わずか15質量%程度の炭素繊維(C)の配合量であっても、ステンレスより優れた熱伝導性と面方向の異方的な熱伝導性が得られるため、樹脂本来の成形加工性や軽量性を損なうことなく、機械的強度を向上できる熱伝導性シートが得られることが明らかである。
本発明の熱伝導性シートは、電子機器などの発熱を生じる機器の筐体や部品への適用、家電製品、電池材料、熱エネルギー変換材料、自動車部品、航空部品、鉄道部品、宇宙分野等の高度な熱伝導性が必要とされる成形体全般に亘って適用することができる。
本発明の熱伝導性シートの構造を示す模式図である。 本発明の熱伝導性シートの一例の熱伝導性をステンレスとの比較において示すサーモグラフィーを示す図である。
符号の説明
1 炭素繊維(C)
2 粒子状に分散した有機化合物(B)
3 マトリックス樹脂(A)

Claims (20)

  1. マトリックス樹脂(A)と、これに非相溶な有機化合物(B)と、炭素繊維(C)とを含む熱伝導性シートであって、炭素繊維(C)が、面方向に配向し、面内においてランダムな方向に配向してネットワーク構造を形成していることを特徴とする熱伝導性シート。
  2. 粒子状の有機化合物(B)中又はその表面に、炭素繊維(C)の少なくとも一部が接触していることを特徴とする請求項1に記載の熱伝導性シート。
  3. 粒子状の有機化合物(B)中又はその表面に、2つ以上の炭素繊維(C)が、2次元的に接触していることを特徴とする請求項2に記載の熱伝導性シート。
  4. 炭素繊維(C)が、有機化合物(B)の平均粒子径の2倍以上の平均繊維長を有することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の熱伝導性シート。
  5. 炭素繊維(C)が、シートの厚さに対して2倍以上60倍以下の平均繊維長を有することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の熱伝導性シート。
  6. 炭素繊維(C)が、2mm以上30mm以下の平均繊維長を有することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の熱伝導性シート。
  7. 炭素繊維(C)が、40以上30000以下のアスペクト比を有することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の熱伝導性シート。
  8. 炭素繊維(C)が、結晶性炭素繊維を含むことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の熱伝導性シート。
  9. 炭素繊維(C)が、酸素含有基、窒素含有基、若しくは硫黄含有基のいずれか1種又は2種以上の極性基を有し、又は、該極性基若しくは炭素繊維(C)が、金属、金属化合物、若しくは有機化合物のいずれか1種又は2種以上を結合若しくは付着してなることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の熱伝導性シート。
  10. 炭素繊維(C)が、総質量に対して5〜50質量%含有されることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の熱伝導性シート。
  11. 有機化合物(B)が、0.5〜200μmの範囲の平均粒子径を有することを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の熱伝導性シート。
  12. 有機化合物(B)が、シリコーン化合物、エステル化合物、オレフィン化合物、カーボネート化合物、アミド化合物、水素添加油脂、又はワックス類であって、80〜200℃の融点及び10000以下の分子量を有する化合物のいずれか1種又は2種以上を含むことを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の熱伝導性シート。
  13. 有機化合物(B)が、植物性油脂、動物性油脂、若しくはこれらから合成されるワックスの1種又は2種以上を含むことを特徴とする請求項12記載の熱伝導性シート。
  14. ワックス類が、主鎖の炭素数が8〜44であり、分子量が300〜1000であり、酸素含有基又は窒素含有基のいずれか1種又は2種を有していてもよい脂肪族カルボン酸アミド、芳香族カルボン酸アミド、脂肪族カルボン酸エステル、又は芳香族カルボン酸エステルのいずれか1種又は2種以上を含むことを特徴とする請求項13記載の熱伝導性シート。
  15. 有機化合物(B)が、ひまし油から誘導されたカルボン酸アミド化合物を含むことを特徴とする請求項13又は14に記載の熱伝導性シート。
  16. 有機化合物(B)が、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、パルミチン酸アミド、リノール酸アミド、リノレン酸アミド、アラキン酸アミド、又はこれらの誘導体を含むことを特徴とする請求項15記載の熱伝導性シート。
  17. 有機化合物(B)が、総質量に対して0.5〜20質量%含有されることを特徴とする請求項1から16のいずれかに記載の熱伝導性シート。
  18. マトリックス樹脂(A)が、シリコーン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、又はポリカーボネート系樹脂のいずれか1種又は2種以上を含むことを特徴とする請求項1から17のいずれかに記載の熱伝導性シート。
  19. 射出成形により1mm以下の厚さに成形されたことを特徴とする請求項1から18のいずれかに記載の熱伝導性シート。
  20. 圧縮成形により1mm以下の厚さに成形されたことを特徴とする請求項1から18のいずれかに記載の熱伝導性シート。
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