JP2008210715A - 荷電粒子線装置及びこれを用いた試料表面観察方法 - Google Patents

荷電粒子線装置及びこれを用いた試料表面観察方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、試料を大気中に置きながらも、誘電体を介して荷電粒子を試料に照射することにより、その静電容量差から容易に試料表面の電位コントラストを検出し、試料表面の観測を可能とした荷電粒子線装置及びこれを用いた試料観測方法を提供することを目的とする。
【解決手段】荷電粒子線を用いて試料表面を観測する荷電粒子線装置100であって、
内部圧力を真空に保った真空筐体10と、
該真空筐体の一部に設けられた誘電体膜11と、
前記真空筐体の外部であって、前記誘電体膜に対向する位置に試料80を載置する試料台60と、
前記誘電体膜と前記試料との間に、前記誘電体と前記試料の双方に接触する誘電体90を供給する誘電体供給手段70と、
前記誘電体膜に前記真空筐体側から荷電粒子線を照射する荷電粒子線源20と、
前記誘電体膜から前記真空筐体内に発生した電子を検出する電子検出器40と、を備えたことを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、荷電粒子線装置及びこれを用いた試料表面観察方法に関し、特に、大気圧下で試料の観測を行う荷電粒子線装置及びこれを用いた試料表面観察方法に関する。
従来から、種々の産業分野において、微小な物体の表面を観測したり、微小領域の状態を観測したりする必要性が生じており、これに応えるため、種々の提案がなされている。
例えば、半導体分野では、回路の電気的特性を微小な範囲で観察されることが要求されており、集積回路に電子ビームを照射して、発生する2次電子線の強度差に基づいて電位コントラスト像を形成し、これと参照電位コントラスト像との比較から集積回路の故障解析を行う故障解析装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、医療分野でも、従来の光学顕微鏡では見えない大きさの対象を捉える必要性が高まっており、真空に耐えることができる電子透過膜を用い、これを介して大気中にある試料に電子線を照射し、その反射電子を検出して試料を観察する電子顕微鏡が知られている(例えば、特許文献2参照)。
更に、各検体に損傷を与えないように保持し、且つ容易に検体の分析、評価を行えるようにした検体セルを有する電気化学顕微鏡計測装置が知られている(例えば、特許文献3参照)。
また、高真空時の観察に用いている二次電子コレクタ電極や、試料微動ステージにリング状電極を設置し、電子収量を増大させ、像質を向上させるようにした低真空走査電子顕微鏡が知られている(例えば、特許文献4参照)。
特開平5−107322号公報 特開2006−147430号公報 特開2004−108863号公報 特開2001−126655号公報
しかしながら、上述の特許文献1に記載の構成では、電子ビームを集積回路に照射する際は、試料である集積回路を高真空筐体に入れることが必要である。
また、上述の特許文献2に記載の構成では、試料を大気中に置いた状態で観察を行うことができるが、試料から反射した電子を検出してSEM像を形成するため、かなり大きなエネルギーの電子ビームを試料に照射する必要があり、また、SEM型であるため、一点一点を電子ビーム照射して走査する必要があり、観測に長時間を要すという問題がある。
更に、上述の特許文献3に記載の構成では、検体セルや電極等を使用する必要があり、分析を行うために多大な準備を要するという問題がある。
また、上述の特許文献4に記載の構成では、試料の観察のために試料を低真空状態の筐体内に入れる必要があり、生体等の試料の観察には適用が困難である。
そこで、本発明は、試料を大気中に置きながらも、誘電体を介して荷電粒子を試料に照射することにより、その静電容量差から容易に試料表面の電位コントラストを検出し、試料表面の観測を可能とした荷電粒子線装置及びこれを用いた試料観測方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、第1の発明に係る荷電粒子線装置は、荷電粒子線を用いて試料表面を観測する荷電粒子線装置であって、
内部圧力を真空に保った真空筐体と、
該真空筐体の一部に設けられた誘電体膜と、
前記真空筐体の外部であって、前記誘電体膜に対向する位置に試料を載置する試料台と、
前記誘電体膜と前記試料との間に、前記誘電体と前記試料の双方に接触する誘電体を供給する誘電体供給手段と、
前記誘電体膜に前記真空筐体側から荷電粒子線を照射する荷電粒子線源と、
前記誘電体膜から前記真空筐体内に発生した電子を検出する電子検出器と、を備えたことを特徴とする。
これにより、誘電体膜、誘電体及び試料により形成された静電容量の相違に基づく放出電子の差から試料表面の電位コントラストを知ることができ、容易に試料表面を観測することができる。
第2の発明は、第1の発明に係る荷電粒子線装置において、
前記誘電体は、液体であることを特徴とする。これにより、誘電体に液体を利用することにより、容易に誘電体の供給を行うことができる。
第3の発明は、第1の発明に係る荷電粒子線装置において、
前記誘電体は、気体であることを特徴とする。これにより、誘電体に液体が利用できない場合であっても、容易に誘電体の供給を行うことができる。
第4の発明は、第1〜3のいずれか1つの発明に係る荷電粒子線装置において、
前記電子検出器は、所定領域の複数の電子を同時に検出できる複数検出画素を備えた二次元型電子検出器であって、
前記荷電粒子源は、前記二次元電子検出器に対応する前記試料上の前記所定領域に、電子線を同時照射する電子線源であることを特徴とする。これにより、高速で試料表面を観測することができる。
第5の発明に係る荷電粒子線装置は、荷電粒子線を用いて誘電性試料の表面を電位コントラストにより観測する荷電粒子線装置であって、
内部圧力を真空に保った真空筐体と、
該真空筐体の一部に設けられた誘電体膜と、
前記真空筐体の外部から、前記誘電体膜に前記誘電性試料の表面が接触するように前記誘電性試料を供給する誘電性試料供給手段と、
前記誘電体膜の所定領域に、前記真空筐体側から荷電粒子線を照射する荷電粒子線源と、
前記誘電体膜の前記所定領域から発生した電子を所定方向に導く二次電子光学系と、
前記二次電子光学系により導かれた電子を検出し、これに基づいて前記誘電性試料の表面の前記所定領域の電位コントラストを検出する二次元型電子検出器と、を備えたことを特徴とする。
これにより、試料が誘電性試料の場合には、誘電体を新たに供給することなく、誘電体膜に直接誘電性試料を接触させて荷電粒子線を照射することにより、誘電性試料の表面の電位コントラストを容易に観測することができる。
第6の発明は、第5の発明に係る荷電粒子線装置において、
前記誘電性試料は、液体又は固体を含む液体であることを特徴とする。これにより、液体の試料又は液体に固体の混入物がある誘電性試料の表面観察を行うことができる。
第7の発明は、第5の発明に係る荷電粒子線装置において、
前記誘電性試料は、気体、固体を含む気体又は液体を含む気体であることを特徴とする。これにより、気体の誘電性試料についても表面の電位コントラストを観測することができる。
第8の発明は、第6又は第7の発明に係る荷電粒子線装置において、
時間周期を計測するタイマを更に備え、
前記液体に含まれた前記固体、前記気体に含まれた前記固体又は前記気体に含まれた前記液体を検出する周期を前記タイマにより計測することにより、前記液体又は前記気体の流速を計測することを特徴とする。これにより、流体の誘電性試料の流速を容易に測定することができる。
第9の発明に係る試料表面観測方法は、荷電粒子線を用いて試料表面を観察する試料表面観測方法であって、
試料を、内部が真空に保たれた真空筐体の外部であって、該真空筐体の一部に設けられた誘電体膜に対向して配置する工程と、
前記試料と前記誘電体膜との間に、前記試料と前記誘電体膜の双方に接触する誘電体を供給する工程と、
前記誘電体膜に、前記真空筐体の内部側から荷電粒子線を照射する工程と、
前記誘電体膜から前記真空筐体内部に発生した電子を検出する工程と、
該検出した電子に基づいて前記試料表面を観測する工程と、を有することを特徴とする。
これにより、誘電体を供給することにより、真空筐体外の大気中にある試料の表面を観測することができる。
第10の発明は、第9の発明に係る試料表面観測方法において、
前記誘電体は、液体であることを特徴とする。これにより、液体誘電体を供給することにより、容易に試料表面を観測することができる。
第11の発明は、第9の発明に係る試料表面観測方法において、
前記誘電体は、気体であることを特徴とする。これにより、試料の高速移動により、液体によれば液切れが起き易いときでも、気体の誘電体を利用することにより、試料表面を観測することができる。
第12の発明は、第9〜11のいずれか1つの発明に係る試料表面観測方法において、
前記荷電粒子線は、前記試料表面の所定領域を同時に照射可能な二次元型電子線であって、
前記電子を検出する工程は、前記所定領域から発生した電子を同時に検出することを特徴とする。これにより、高速で試料表面の広い領域を観測することができる。
第13の発明に係る試料表面観測方法は、荷電粒子線を用いて誘電性試料の表面を電位コントラストにより観測する試料表面観測方法であって、
前記誘電性試料を、内部が真空に保たれた真空筐体の一部に設けられた誘電体膜に、外部から接触するように供給する工程と、
前記誘電体膜の所定領域に、前記真空筐体の内部側から荷電粒子線を照射する工程と、
前記誘電体膜の前記所定領域から前記真空筐体内に発生した電子を、所定方向に導く工程と、
前記所定方向に導かれた電子を検出し、前記所定領域の電位コントラストを取得する工程と、を有することを特徴とする。
これにより、誘電性試料の表面の電位コントラストを高速かつ容易に観測することができる。
第14の発明は、第13の発明に係る試料表面観測方法において、
前記誘電性試料は、液体又は固体を含む液体であることを特徴とする。これにより、液体の誘電性試料の表面を観測することができる。
第15の発明は、第13の発明に係る試料表面観測方法において、
前記誘電性試料は、気体、固体を含む気体又は液体を含む気体であることを特徴とする。これにより、気体又は混入物を含む気体の誘電性試料について表面を観測することができる。
第16の発明に係る試料流速計測方法は、荷電粒子線を用いて流体の誘電性試料の流速を観測する試料流速計測方法であって、
前記誘電性試料を、内部が真空に保たれた真空筐体の一部に設けられた誘電体膜に、外部から接触するように供給する工程と、
前記誘電性試料に、所定の混入物を周期的に混入する工程と、
前記誘電体膜に荷電粒子線を照射し、前記誘電体膜から発生した電子の周期的なパルスを検出する工程と、を有し、
該パルスの検出タイミングに基づいて、前記誘電性試料の流速を求めることを特徴とする。
これにより、流体の誘電性試料の流速をパルスにより容易に測定することができる。
本発明によれば、試料を大気中に置いた状態で試料表面を短時間で観測することができ、生体等の試料の高速観測も可能となる。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。
図1は、実施例1に係る荷電粒子線装置100の全体構成図である。図1において、実施例1に係る荷電粒子線装置100の主要構成要素は、真空筐体10、誘電体膜11、荷電粒子線源20、二次電子光学系30、電子検出器40、コンピュータ50、試料台60及び誘電体供給手段70を含む。
真空筐体10は、真空状態の空間を作り出し、保つための筐体又は容器である。実施例1に係る荷電粒子線装置100は、荷電粒子線を用いて試料表面の観測するものであるため、荷電粒子を作り出して試料に照射する必要があるが、荷電粒子線は、真空領域で生成及び制御されるものであるため、真空筐体10が備えられている。
真空筐体10は、その筐体内を真空に保つために、真空の耐えうる強度の材質で形成されることが好ましく、要求される真空度合に応じて、高真空部13と低真空部12とを備えてもよい。高真空部13は、荷電粒子線及び電子が通過する領域であるため、高真空に保たれることが好ましく、例えば10−5〜10−6Pa程度の真空状態に保たれてよい。
一方、低真空部12は、必ずしも必須ではないが、必要に応じて設けるようにしてもよい。実施例1に係る荷電粒子線装置100では、真空筐体10の一部に誘電体膜11を設け、外側の大気圧下の対向する位置に試料を載置し、誘電体膜11に荷電粒子線を照射することにより、その電位コントラストを測定する。従って、誘電体膜11は、大気と真空領域の境目に設けられることになり、その真空筐体10の内部と外部からの圧力差が極めて大きくなるので、その圧力差を緩和すべく、低真空室12を設けるようにしてよい。つまり、大気圧は、一般的に10Pa程度であり、上述の10−5〜10−6Pa程度の圧力の高真空状態とは、圧力差が極めて大きくなり、そのまま大気と高真空の境界に誘電体膜11を用いる場合には、極めて強い強度が要求される。従って、これを緩和すべく、低真空部12は、例えば、100〜10Pa程度に設定するようにしてもよい。このように低真空部12を設けることにより、大気との圧力差に起因する誘電体膜11にかかる力を軽減することができる。
但し、誘電体膜11の強度が十分であり、大気と高真空状態との圧力差に耐えることができる場合には、必ずしも低真空部12は設けなくてもよく、その用途と態様により適宜必要に応じて設けるようにしてよい。
真空筐体10を真空状態するためには、真空ポンプ14、15を設けて真空筐体10内部を真空排気してよい。また、真空ポンプ14、15は、例えばドライポンプ等が利用されてよく、要求する真空度合に応じて、ターボ分子ポンプやクライオポンプ等を利用してもよい。また、他に、チタンサブリメンションポンプや、イオンポンプを利用してもよい。図1において、真空ポンプ15は、真空筐体10の高真空部13を真空排気し、真空ポンプ14は、真空筐体10の低真空部12を真空排気しているが、真空筐体10内部の真空度に変化を持たせなければ、1つの真空ポンプ15のみを利用してもよく、逆にもっと多く室を設けて真空度を変化させる場合には、更に多く設けるようにしてもよい。例えば、荷電粒子線源20の部分に更に真空ポンプを設けてもよく(図示せず)、この場合には、イオンポンプ等の吸着方式の真空ポンプを用いるようにしてもよい。
誘電体膜11は、上述のように、真空筐体の一部を構成する誘電体性の薄膜である。誘電体膜11は、絶縁性の膜であれば何でも好適に適用可能であるが、例えば、レジストやSiO膜を利用してもよい。詳細は後述するが、実施例1に係る荷電粒子線装置100では、誘電体薄膜も含めた静電容量差に基づいて電位コントラストを測定するため、誘電体膜11は、その誘電率が安定した物資が好ましい。例えば、上述のレジストの誘電率εは約ε=4であり、SiO膜はε=3〜3.5であるが、その誘電率が予め分かっている材質であれば、種々の物質を利用してよい。
また、誘電体膜11は、試料観測の際に、供給される誘電体90と接触するため、ある程度弾性のある材質であればより好ましく、例えば樹脂系の材質が用いられてもよい。
試料台60は、試料80を載置するための手段である。試料台60は、試料80を誘電体膜11の対向し、その隙間が極めて小さい位置で保持するため、そのような位置に制御可能な移動機能(鉛直方向の移動機能)を有することが好ましい。また、試料80が、図1に示したような、半導体ウエハ等の基板状の対象である場合には、ある程度広い面積を観測する必要があるため、水平方向にも移動可能な移動機能を有することが好ましい。
なお、試料80は、半導体ウエハ等の基板の他、種々の物体が対象となるが、試料の表面内の静電容量の相違に基づいて観測を行うため、試料内の平面上の位置によりその静電容量が変化する構造を有するものが、観測対象として特に好適である。
誘電体供給手段70は、試料80と誘電体膜11との間に、誘電体90を供給するための供給手段である。誘電体90は、液体や気体、流動体等の流体が利用されることが好ましく、誘電体供給手段70は、それらの物質状態の供給に適した手段を利用してよい、例えば、図1においては、液体供給用のバルブ71と、液体供給用の配管72を誘電体供給手段70として用いている。誘電体供給手段70の供給用配管72の他端は、水道等の誘電体供給源(図示せず)に接続され、誘電体90が供給可能に構成されてよい。
荷電粒子線源20は、荷電粒子線を発生させ、これを試料に向けて発射するための手段である。荷電粒子線は、種々の荷電粒子が適用されてよいが、例えば、電子線であってもよい。電子線を荷電粒子線として用いる場合には、荷電粒子線源20には、電子銃が適用されてよい。電子銃20には、例えば、Labを利用したものや、ショットキーバリアダイオードを利用したもの等、適宜好適なものを利用してよい。
荷電粒子線源20は、細く絞った、SEM(Scan Electron Microscope、走査型電子顕微鏡)に一般的に利用される荷電粒子線を発生させる形式であってもよいが、高速に試料全面を観測することができるように、ある程度の二次元面積を有した、二次元型荷電粒子線であることが好ましい。二次元型荷電粒子線は、楕円、長方形、矩形等の所定面積を有するビーム形状を有し、一度のビーム照射により、ある程度の面積の所定領域を同時に照射することができ、それらの所定照射領域を投影して結像させ、写真のように像を作ることができる。このようにすれば、誘電体膜11の所定領域を一度に照射し、その所定領域の電位コントラストを一度に観測することができる。電位コントラスト像は、その像が完全な像でない場合であっても、周囲との比較の相対的な電位差によってその試料80の表面状態を観察するのに十分な場合もあり得る。従って、相対電位差を観測するという観点からも、一度に広い領域の電位コントラストを得ることができる方が好ましい。このような観点から、所定面積を広く照射するビーム形状は、本発明に適用するのに大変に好ましい形式である。そして、上述の試料台60の移動又は荷電粒子線自体の移動により試料80の荷電粒子線照射位置を移動させれば、比較的高速で試料80の全面を観測することができる。なお、このような形式を、以下、「写像投影型」と呼ぶことにする。
なお、荷電粒子線源20から発射された荷電粒子線は、一次荷電粒子光学系レンズ郡21により、誘電体膜11の方向に導かれ、最終的には、誘電体膜11に照射されるように構成されている。真空筐体10の内部から、誘電体膜11に照射された荷電粒子線は、誘電体膜11を介して、誘電体90及び試料80に照射される。なお、一次荷電粒子光学系レンズ郡21のレンズは、静電レンズや電磁レンズ等、種々の形式が適用されてよい。
次に、二次電子光学系の説明を行う。二次電子光学系30は、誘電体膜11から真空筐体10内部に発生した電子を、所定の電子検出器40の方向へ導くための手段である。二次電子光学系30の主要構成要素は、対物レンズ31と、E×Bフィルタ32と、二次電子光学系レンズ郡33とを含む。
対物レンズ31は、誘電体膜11の最も近くに配置され、荷電粒子線を誘電体膜11に導くともに、誘電体膜11から発生した電子を電子検出器40に導く役割を果たす。対物レンズ31は、例えば複数の電極から構成されてよく、全体としてレンズの役割を果たす構成であってよい。図1においては、対物レンズ31は、3枚の電極から構成されている。
また、対物レンズ31は、実施例1に係る荷電粒子線装置100においては、レンズとしての役割を果たすとともに、コンダクタンス制限用アパーチャー又は差動排気用アパーチャーとしての役割も果たす。つまり、対物レンズ31の各電極は、穴の開いた板状の形状をしており、真空筐体10の内部を高真空部13と低真空部12に粗く仕切り、各々の圧力を保つための壁的な機能を果たしている。上述のように、低真空部12を設けてこれを差動排気するとともに、低真空部12内に誘電体膜11を配置することにより、大気と真空領域の隔壁として作用している誘電体膜11にかかる差圧を軽減することができるが、対物レンズ31は、その差動排気部(低真空部)12の一部を構成する役割をも果たしている。
なお、差動排気用アパーチャーと誘電体膜11の圧力は、より大気圧に近い圧力に設定する場合には、その部分の真空を構成する分子は、電子に対して衝突断面積が小さいものを用いるのが好ましい。また、この場合、差動排気用アパーチャーである対物レンズ31と隔壁である誘電体膜11との間に専用ガス導入装置(図示せず)を設け、ガスを導入するとともに、差動排気用真空ポンプを導入ガス排気用と、高真空側用差動排気用真空ポンプを更に別途備えるようにしてもよい。
E×Bフィルタ32は、電場と磁場を直交して発生させ、ローレンツ力により荷電粒子線及び二次電子光学系30中の電子を所定の方向へ向かわせ、分離するための手段である。図1においては、例えば、荷電粒子線には電子線を用いたときには、斜め上方から発射された電子線の軌道を変え、鉛直下方の誘電体膜11に向かわせるローレンツ力を働かせる。一方、電子線照射後に誘電体膜11から発生した電子については、鉛直上方の電子検出器40のある方向に向かわせ、一次系の電子線と二次系の電子を分離している。
二次電子光学系レンズ郡33は、E×Bフィルタ32を通過後の電子を、電子検出器40に導くためのレンズである。図1においては、3段のレンズが示されているが、レンズの段数や、静電レンズ、電磁レンズ等の種類についても、荷電粒子線装置100の態様により、適切な組み合わせとしてよい。
電子検出器40は、誘電体膜11から真空筐体10内に発生した電子を検出するための検出器である。電子検出器40は、二次系電子光学系30により導かれた電子を検出できるものであれば、種々の態様の検出器が適用されてよいが、写像投影型の荷電粒子線装置100に構成した場合には、電子検出器40の検出面に複数の検出画素を有する二次元型電子検出器であることが好ましい。二次元型電子検出器40には、CCD(Charge Couppled Device)の他、TDI(Time Delay Integration)−CCD、EB−CCD等を用いてよい。CCD又はTDIを利用する場合には、MCP(Micro Channel Plate)又は電子増倍器により電子数を増倍し、蛍光板により電子から光に変換し、光信号を用いて電位コントラスト像を得るようにしてもよい。EB−CCDの場合には、誘電体膜11から発生した電子を直接検出し、その電位コントラスト像を得ることができる。
コンピュータ50は、モニタとしての役割を果たすとともに、種々の画像処理を行うための演算処理手段である。電子検出器40で得られた電位コントラスト画像信号を記憶手段51で記憶し、コンピュータ50のモニタ画面から画像として出力するとともに、得られた画像を観測した後、種々の状態判定のために演算処理を実行してよい。また、単に画像モニタとして利用してもよく、その場合には、コンピュータ50の代わりにモニタ用のディスプレイを適用してもよい。また、コンピュータ50の内部には、時間や周期をカウントするタイマ等が備えられてもよい。
次に、図2を用いて、実施例1に係る荷電粒子線装置100の観測原理について説明する。図2は、実施例1に係る荷電粒子線装置100の誘電体膜11と試料80の部分の拡大図である。
図2において、試料80は半導体ウエハが適用され、試料台60上に載置され、その上部には、微小な隙間(例えば、約1〜2mm程度)を開けて、真空筐体10の外壁が設けられている。真空筐体10の中央部には、誘電体膜11が設けられ、誘電体供給手段70により供給された誘電体90が、誘電体膜11と試料80との間に満たされている。また、誘電体膜11の上部には、対物レンズ11が設けられている。誘電体供給手段70は、供給配管72で誘電体90を誘電体膜11と試料80との間に供給可能に構成され、バルブ71によりその供給量とタイミングを制御できるように構成してよい。また、反対側には、吸込み用の配管72aと、制御用バルブ71aを設けるように構成してもよい。
このような状態で、誘電体膜11と試料台60との間の静電容量について考える。試料台60は接地されており、その電位は0Vである。誘電体膜11の誘電率は、εrであるとする。また、誘電体膜11と試料80との間に供給された誘電体90の誘電率は、εrであり、試料80の誘電率は、εrであるとする。誘電体膜11は、真空筐体10内の真空領域の圧力と、真空筐体10の大気圧の圧力に挟まれ、差圧により真空筐体10の内部に押されて所定の極率で湾曲した状態となっている。一方、試料80は、誘電体部分81と、金属部分82とが混在して構成されている。
このとき、図2における誘電体膜11の中央部分の静電容量C02と、紙面に向かってやや左寄りの部分の鉛直方向の静電容量C01について比較する。まず、誘電体膜11は、やや弾性を有し、変形しても厚さはほぼ一定であるので、静電容量は両方ともCで等しい。一方、誘電体90は、誘電体膜11が真空と大気との圧力差から生じる力により内側に湾曲しているため、その厚さに中央部と左寄りの部分に差が生じている。従って、中央部の静電容量をCとすれば、左寄り部分の静電容量は、C’と表すことができる。また、試料80については、厚さは一定であるので、誘電体部分81については、静電容量は略一定でCと表せるが、金属部分82では、静電容量を持たない。
従って、試料80の金属部分82における、誘電体膜11の真空側から見た静電容量C01の値は、
Figure 2008210715

一方、試料80の誘電体部分81における、誘電体膜11の真空側から見た静電容量C02の値は、
Figure 2008210715

となる。
このような状態で、例えば、誘電体膜11に電流密度Jeの電子線をτ秒間照射したとすると、電荷注入量(Does量)Qは、
Figure 2008210715

となる。
従って、真空側から見た静電容量C01、C02に応じた電圧の変化が誘電体膜11の真空側に生じ、それぞれの値は、
Figure 2008210715

となる。
この誘電体膜11の位置による電圧変化分により、試料80の表面又は試料80そのものの画像を静電容量の違いとして捉えることができる。つまり、電圧変化による電位コントラストは、試料80の表面の静電容量コントラストを反映しており、従って、誘電体膜11の電位コントラストを取得することにより、試料80の表面の静電容量コントラストを把握することができる。
このように、大気中に載置した試料80に、この試料から電子を発生させる程に強いDoes量(ドーズ量)の荷電粒子線を照射しなくても、誘電体膜11の表面の電位コントラストを知ることができる程度のDoes量の荷電粒子線を照射することにより、試料80の表面状態を観察することができる。また、誘電体膜11の曲率又は誘電体90の厚さの相違による静電容量の位置の相違(CとC’)を的確に把握できれば、それらを補正し、より正確に試料80の表面を観察することができる。
なお、誘電体膜11の湾曲を補正するために、二種類の誘電性物質から誘電体膜11を構成してもよい。例えば、誘電体膜11の強度と所望の二次電子放出率の両方を満足するために、二種類の誘電性物質から誘電体膜11を構成してもよい。誘電体膜11の真空側に所望の二次電子放出率の誘電性物質を配設し、試料80側に強度の強い誘電性物質を配設するようにすれば、誘電体膜11からの十分な二次電子の発生を確保しつつ、湾曲の少ない誘電体膜11とすることができる。
また、大気圧に押されて湾曲した曲率によって、誘電体膜11と接触する誘電体90の静電容量が位置により異なるが(図2のC’とC)、この湾曲の曲率を予め計算し、誘電体膜11の接触する誘電体90の静電容量の変化分を補正するように、誘電体膜11の真空側及び/又は試料側に誘電率の異なる誘電性物質を用いるようにしてもよい。
また、誘電体膜11での電圧上昇分をなるべく低くするために、誘電体膜11を構成する誘電性物質の総合静電容量は、なるべく大きくすることが好ましい。
なお、誘電体膜11の厚さは、例えば、荷電粒子線のランディングエネルギーが3keV以上のときに、300nm程度の誘電体膜11を用い、更にランディングエネルギーが上がって10keVのときには、500nm程度の誘電体膜11を用いるようにしてもよい。これらは、態様により種々適切なものを適用してよい。
また、誘電体膜11は、例えば誘電率ε=4程度のレジスト膜、誘電率ε=3〜3.5程度のSiO膜を適用してよく、樹脂系の膜を好適に適用してよい。
また、誘電体90は、水等の高誘電性の物質が種々適用可能であり、誘電体膜11と試料80とのクッションの役割も果たしている。
次に、図3を用いて、実施例1に係る荷電粒子装置100aの、図1とは異なる態様について説明する。図3は、荷電粒子装置100aの全体構成図である。
図3において、荷電粒子装置100aの本体の構成は図1に係る荷電粒子装置100と同様であるが、誘電体供給手段70aの構成が、図1に係る荷電粒子装置100と異なっている。
図3においては、誘電体供給手段70aから供給される誘電体90aは、気体が用いられており、それに伴い、誘電体供給手段70aは気体を提供するボンベ73と、気体用の供給チューブ74が用いられている。この場合にも、供給される気体は誘電性の気体であるので、電位コントラストに基づく静電容量コントラストから、試料80の表面を観測することができる。例えば、試料80の観測に当たり、試料台60を高速に移動させる場合には、供給する誘電体90が液体だと、その速度に供給が追い付かず、液体切れを起こすおそれがあるが、そのような場合には、誘電体90aを気体とすることにより、試料台60を高速に移動する場合でも、誘電体90aを途切れさせることなく供給することができる。これにより、試料台60の高速移動にも対応可能な荷電粒子線装置100とすることができる。
次に、実施例2に係る荷電粒子線装置200について説明する。なお、実施例1の構成要素と同様の構成要素については、同一の参照符号を付してその説明を省略する。
図4は、実施例2に係る荷電粒子線装置200の全体構成図である。図4において、荷電粒子線の照射及び検出に関する装置構成及び個々の構成要素は、実施例1に係る荷電粒子線装置100と同様であるが、誘電体供給手段70、70aが取り除かれた点で異なっている。
実施例2に係る荷電粒子線装置200においては、試料85自体が誘電性であり、そのため、実施例1において説明した誘電体供給手段70、70aにより誘電体90、90aを供給することなく、直接誘電性試料85を誘電体膜11に接触させて荷電粒子線を照射することにより、その観測が可能となっている。
なお、誘電性試料85を載置する誘電性試料供給手段65は、図4に係る荷電粒子線装置200においては、実施例1に係る試料台60と同様のものを用いてもよいが、誘電性試料85自体が直接誘電体膜11に接触するため、あまり大きく移動させる要求は少ないので、移動能力が高くなくても適用可能である。勿論、双方に適用可能なように、実施例1に適用した試料台60をそのまま適用してもよいことは言うまでもない。
また、誘電性試料供給手段65は、誘電性試料85の受け皿となるプレート66と載置台67とから構成されているが、プレート66は、例えば、誘電性試料85が生体物質である場合には、直接載置台67に載置するよりも、一旦プレート66を介して載置する方が好ましいため、設けられたものである。従って、不要な場合は、取り除くようにしてよい。これらの誘電性試料供給手段65は、誘電性試料85を適切に誘電体膜11に接触するように供給できれば、その種類や形式は問わない。
次に、図5を用いて、実施例2に係る荷電粒子線装置200の観測方法について説明する。図5は、実施例2に係る荷電粒子線装置200の誘電体膜11と誘電性試料85との関係を示した拡大図である。
図5において、誘電性試料供給手段65の上に誘電性試料85が載置され、誘電性試料85の表面を覆おうように誘電体膜11が接触している。誘電性試料85には、異物86が含まれている。誘電性試料85は、例えば、血液や生体液等であってよく、例えば、血液等に異物86が混入していないか否か等の血液検査等に、実施例2に係る荷電粒子線装置200を適用することができる。
図5においても、図2で説明したのと同様に、異物の含まれていない位置の静電容量C04と、異物の含まれている位置の静電容量C05は異なるものとなる。つまり、誘電性試料85の誘電率をεrとし、異物86の誘電率をεrとすれば、誘電体試料85自体の誘電率εrの部分の静電容量がCであれば、異物86を含んだ箇所の静電容量はCに変化する。従って、真空側から見た合計の静電容量は、異物86を含まない部分の合計静電容量C04と異物86を含んだ部分の合計静電容量C05について、各々以下のように求まる。
Figure 2008210715

これから、図2において計算したのと同様に、(3)式によりドーズ量Qを考慮すれば、異物を含まない位置での電圧△V04と、異物を含む位置での電圧△V05は、各々以下のように求まる。
Figure 2008210715

このように、誘電性試料85に異物86が含まれているときにも、実施例2に係る荷電粒子線装置200によれば、電位コントラストを求めることができ、これに基づいて誘電性試料85の静電容量コントラストを求めることができるので、誘電性試料85の表面観測を行うことができる。
なお、誘電性試料85は、血液であれば血液検査、他の生体液であれば生体検査を行うことができる。また、生体に限らず、他の誘電性試料85についても、同様の方法で観察可能なことは言うまでもない。
図6は、図5とは異なる誘電性試料85aに対して、実施例2に係る荷電粒子線装置200を適用した態様を示した図である。図6においては、誘電性試料85aが、柔らかい弾性体であるような場合に実施例2に係る荷電粒子線装置200を適用した場合を示している。
図6において、誘電性試料85は、試料供給手段65の載置台67の上にあるプレート66上に載置されており、直接誘電性試料85aが誘電体膜11に押し付けられるように接触している。これは、誘電性試料85aが柔らかい弾性体であるため、直接誘電体膜11に押し付けるだけで静電容量回路を構成でき、適切に静電容量コントラストを検出できるからである。
なお、弾性体である誘電性試料85aは、ゴム状の物質の他、動物や人間の臓器、生体物質等を含んでよい。このように、弾性体の誘電性試料85aについても、実施例2に係る荷電粒子線装置200により、その表面を観測することができる。
次に、図7を用いて、図4乃至図6とは異なる態様の実施例2に係る荷電粒子線装置200aの説明を行う。図7は、流体である誘電性試料85bを観測する場合の荷電粒子装置200aの全体構成を示した図である。
図7において、誘電性試料供給手段65aから供給される誘電性試料85bが液体又は気体であるため、誘電性試料供給手段65aが、流体供給配管64、流体供給バルブ68及び流体容器69を備えている。
流体供給配管64は、誘電体膜11に流体である誘電性試料85bが接触するような略密閉配管として構成されている。誘電性試料85bである流体は、容器69に収容され、流体供給バルブ68によりその供給量等を制御され、流体供給配管64内に供給される。また、流体供給配管64を通った流体は、流体収容バルブ68aが開かれることにより、容器69aに収容されるように構成されてもよい。
流体供給配管64を流れる流体に種々の不純物又は異物が混入していれば、誘電体膜11から検出される電位コントラストによりその状態を観察することができる。誘電性試料85bに混入している不純物又は異物は、その誘電率が異なる物質であれば、固体、液体又は気体であるか否かは問わない。液体や気体に固体の粉体や金属等の異種物体が混入している場合は通常あり得るし、液体同士又は気体同士であっても、成分が異なって誘電率が異なる物質が混入すれば、その静電容量及び電位コントラストに変化を及ぼし、その変化を検出可能だからである。また、この観測方法では、リアルタイムで流体中の異物の像を捉えることも可能である。
なお、図7に示した態様は、液体や気体等の流体である誘電性試料85bに不純物又は異物が混入している場合の検査又は観測だけでなく、流体の流速測定に応用することもできる。
つまり、流体供給配管64内を流れている流体に、粉体等の異物を所定の周期タイミングで混入し、その電位コントラストを検出すれば、異物が混入されたタイミングでパルスが検出されるので、その検出タイミング又は検出周期に基づいて、流体の流速を計測することができる。粉体等の異物は、後で回収すれば、誘電性試料85bに悪影響を及ぼすこともない。なお、荷電粒子装置200aは、これらの周期や時間、タイミングを測定するために、タイマ等(図示せず)を備えていてよい。タイマは、例えばコンピュータ50内に内蔵されているタイマを利用してもよい。
このように、実施例2に係る荷電粒子装置200によれば、流体中の異物を観測又は発見できるだけでなく、誘電性試料85bである流体の流速測定にも応用することができる。
なお、気体である誘電性試料85bを観測する場合には、図3において説明した態様を利用してもよい。誘電性試料85bとなる気体が、図3で示した誘電体供給用のボンベ73等に収容可能であれば、これを用いて誘電性試料85bを誘電体膜11に接触するように供給すれば、同様に電位コントラストを測定できる。誘電性試料85bの性質によっては、このような方法も適用可能である。
次に、図8を用いて実施例3について説明する。図8は、走査電子顕微鏡型(以下、「SEM型」という。)の荷電粒子線装置300に、本発明を適用した例を示した図である。
図8において、実施例3に係るSEM型の荷電粒子線装置300は、真空筐体10とその関連構成物、試料台60、誘電体供給手段70については、今まで説明した写像投影型の荷電粒子線装置100、100a、200、200aと同様である。一方、荷電粒子線源20aの位置と検出器40aの位置関係、及びそれに伴う一次電子光学系35が、写像投影型の荷電粒子線装置100、100a、200、200aとは異なっている。
荷電粒子線源20aは、真空筐体10の鉛直上方に設けられ、荷電粒子線源20aにより作られる一次荷電粒子線は、略真下の誘電体膜11照射される。荷電粒子線は、広い断面積を有するビームではなく、むしろ細く絞られた電流密度の高いビームが用いられる。
一次電子光学系35は、一次荷電粒子線を誘電体膜11に導くための手段であり、その構成要素は、一次電子光学系レンズ郡34と、E×Bフィルタ32と、対物レンズ31であり、写像投影型の構成要素と類似しているが、その作用する方向が異なっている。
一次電子光学系レンズ郡34は、荷電粒子線源20aで生成された荷電粒子線を、誘電体膜11の方向に向けるように導く手段である。
E×Bフィルタは、一次系の荷電粒子線を直進させ、二次系の電子の方向を変え、検出器40aの方向に向かわせ、一次系の荷電粒子線と分離する。一次系の荷電粒子線と二次系の電子を分離するという点では、写像投影型の荷電粒子線装置100、200と共通であるが、一次系の荷電粒子線を直進させ、二次系の電子の方向を変えるという点で、写像投影型の荷電粒子線装置100、200と異なっている。
対物レンズ31は、一次系の荷電粒子線を絞るように作用しているという点で、写像投影型の荷電粒子線装置100、200と異なっている。差動排気用アパーチャーとして作用するという点においては、荷電粒子線装置100、200と共通している。
電子検出器40aは、広い領域の電子を検出するものではなく、電子の強さのみを検出するという点で、写像投影型の荷電粒子線装置100、200の電子検出器40とは異なっている。
実施例3に係る荷電粒子線装置300においても、試料80を試料台60上に載置し、誘電体90を誘電体供給手段70により供給することにより、その電位コントラストを検出し、静電容量コントラストに基づいて試料80の表面を観測することが可能である。また、実施例3に係る荷電粒子線装置300は、実施例1に係る外部から誘電体90を供給して電位コントラストを測定する態様だけでなく、実施例2に係る誘電性試料85、85a、85bを対象として観測可能である。
このように、実施例3に係る荷電粒子線装置300によれば、観測速度は写像投影型に劣るものの、同様に静電容量の変化に起因する電位コントラストの変化を検出し、試料80、80a及び誘電性試料85、85a、85bを観測することができる。
実施例1乃至3において説明したように、本発明の真空筐体10に誘電体膜10を設け、誘電体90と試料80又は誘電性試料85との静電容量に基づいて電位コントラストを測定する構成は、種々の態様の荷電粒子線装置100、100a、200、200a、300に適用することができる。
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
実施例1に係る荷電粒子線装置100の全体構成図である。 実施例1に係る荷電粒子線装置100の誘電体膜11と試料80の図である。 実施例1に係る荷電粒子装置100aの全体構成図である。 実施例2に係る荷電粒子線装置200の全体構成図である。 実施例2に係る荷電粒子線装置200の誘電体膜11と誘電性試料85との関係を示した拡大図である。 図5とは異なる誘電性試料85aに対して、実施例2に係る荷電粒子線装置200を適用した態様を示した図である。 流体の誘電性試料85bを観測する荷電粒子装置200aの全体構成図である。 走査電子顕微鏡型の荷電粒子線装置300に、本発明の適用例を示した図である。
符号の説明
10 真空筐体
11 誘電体膜
12 低真空室
13 高真空室
14、15 真空ポンプ
20、20a 荷電粒子線源
21 一次荷電粒子光学系レンズ郡
30 二次電子光学系
31 対物レンズ
32 E×Bフィルタ
33 二次電子光学系レンズ郡
34 一次電子光学系レンズ郡
35 一次電子光学系
40 電子検出器
50 コンピュータ
51 記憶装置
60 試料台
64、72 供給配管
65 誘電性試料供給手段
66 プレート
67 載置台
68、68a、71 バルブ
69、69a 容器
70 誘電体供給手段
73 ボンベ
74 供給チューブ
80 試料
81 誘電体
82 金属
85、85a、85b 誘電性試料
90、90a 誘電体
100、100a、200、200a、300 荷電粒子線装置

Claims (16)

  1. 荷電粒子線を用いて試料表面を観測する荷電粒子線装置であって、
    内部圧力を真空に保った真空筐体と、
    該真空筐体の一部に設けられた誘電体膜と、
    前記真空筐体の外部であって、前記誘電体膜に対向する位置に試料を載置する試料台と、
    前記誘電体膜と前記試料との間に、前記誘電体と前記試料の双方に接触する誘電体を供給する誘電体供給手段と、
    前記誘電体膜に前記真空筐体側から荷電粒子線を照射する荷電粒子線源と、
    前記誘電体膜から前記真空筐体内に発生した電子を検出する電子検出器と、を備えたことを特徴とする荷電粒子線装置。
  2. 前記誘電体は、液体であることを特徴とする請求項1に記載の荷電粒子線装置。
  3. 前記誘電体は、気体であることを特徴とする請求項1に記載の荷電粒子線装置。
  4. 前記電子検出器は、所定領域の複数の電子を同時に検出できる複数検出画素を備えた二次元型電子検出器であって、
    前記荷電粒子源は、前記二次元電子検出器に対応する前記試料上の前記所定領域に、電子線を同時照射する電子線源であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載の荷電粒子線装置。
  5. 荷電粒子線を用いて誘電性試料の表面を電位コントラストにより観測する荷電粒子線装置であって、
    内部圧力を真空に保った真空筐体と、
    該真空筐体の一部に設けられた誘電体膜と、
    前記真空筐体の外部から、前記誘電体膜に前記誘電性試料の表面が接触するように前記誘電性試料を供給する誘電性試料供給手段と、
    前記誘電体膜の所定領域に、前記真空筐体側から荷電粒子線を照射する荷電粒子線源と、
    前記誘電体膜の前記所定領域から発生した電子を所定方向に導く二次電子光学系と、
    前記二次電子光学系により導かれた電子を検出し、これに基づいて前記試料表面の前記所定領域の電位コントラストを検出する二次元型電子検出器と、を備えたことを特徴とする荷電粒子線装置。
  6. 前記誘電性試料は、液体又は固体を含む液体であることを特徴とする請求項5に記載の荷電粒子線装置。
  7. 前記誘電性試料は、気体、固体を含む気体又は液体を含む気体であることを特徴とする請求項5に記載の荷電粒子線装置。
  8. 時間周期を計測するタイマを更に備え、
    前記液体に含まれた前記固体、前記気体に含まれた前記固体又は前記気体に含まれた前記液体を検出する周期を前記タイマにより計測することにより、前記液体又は前記気体の流速を計測することを特徴とする請求項6又は7に記載の荷電粒子線装置。
  9. 荷電粒子線を用いて試料表面を観察する試料表面観測方法であって、
    試料を、内部が真空に保たれた真空筐体の外部であって、該真空筐体の一部に設けられた誘電体膜に対向して配置する工程と、
    前記試料と前記誘電体膜との間に、前記試料と前記誘電体膜の双方に接触する誘電体を供給する工程と、
    前記誘電体膜に、前記真空筐体の内部側から荷電粒子線を照射する工程と、
    前記誘電体膜から前記真空筐体内部に発生した電子を検出する工程と、
    該検出した電子に基づいて前記試料表面を観測する工程と、を有することを特徴とする試料表面観測方法。
  10. 前記誘電体は、液体であることを特徴とする請求項9に記載の試料表面観測方法。
  11. 前記誘電体は、気体であることを特徴とする請求項9に記載の試料表面観測方法。
  12. 前記荷電粒子線は、前記試料表面の所定領域を同時に照射可能な二次元型電子線であって、
    前記電子を検出する工程は、前記所定領域から発生した電子を同時に検出することを特徴とする請求項9乃至11のいずれか1つに記載の試料表面観測方法。
  13. 荷電粒子線を用いて誘電性試料の表面を電位コントラストにより観測する試料表面観測方法であって、
    前記誘電性試料を、内部が真空に保たれた真空筐体の一部に設けられた誘電体膜に、外部から接触するように供給する工程と、
    前記誘電体膜の所定領域に、前記真空筐体の内部側から荷電粒子線を照射する工程と、
    前記誘電体膜の前記所定領域から前記真空筐体内に発生した電子を、所定方向に導く工程と、
    前記所定方向に導かれた電子を検出し、前記所定領域の電位コントラストを取得する工程と、を有することを特徴とする試料表面観測方法。
  14. 前記誘電性試料は、液体又は固体を含む液体であることを特徴とする請求項13に記載の試料表面観測方法。
  15. 前記誘電性試料は、気体、固体を含む気体又は液体を含む気体であることを特徴とする請求項13に記載の試料表面観測方法。
  16. 荷電粒子線を用いて流体の誘電性試料の流速を観測する試料流速計測方法であって、
    前記誘電性試料を、内部が真空に保たれた真空筐体の一部に設けられた誘電体膜に、外部から接触するように供給する工程と、
    前記誘電性試料に、所定の混入物を周期的に混入する工程と、
    前記誘電体膜に荷電粒子線を照射し、前記誘電体膜から発生した電子の周期的なパルスを検出する工程と、を有し、
    該パルスの検出タイミングに基づいて、前記誘電性試料の流速を求めることを特徴とする試料流速計測方法。
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