JP2008208035A - 1−メトキシ−2−プロパノールの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高いプロピレンオキシドの転化率と高い1−メトキシ−2−プロパノールの選択率とを示し、副生成物の含量を低減可能な1−メトキシ−2−プロパノールの製造方法を提供することにある。
【解決手段】第三級アミンの存在下、メタノールとプロピレンオキシドとを90〜110℃で反応させて反応粗液を得る反応工程と、反応粗液を蒸留する蒸留工程とを経て、1−メトキシ−2−プロパノールを製造する。この方法では、伝熱媒体を流通可能ならせん状の管で構成された温度制御ユニットを内部に備えた塔型反応器にメタノール、プロピレンオキシド及び第三級アミンを連続的に供給し、得られる反応粗液を、連続的に規則充填物を充填した充填塔で蒸留して1−メトキシ−2−プロパノールを製造する。
【選択図】なし

Description

本発明は、1−メトキシ−2−プロパノールの製造方法に関し、高いプロピレンオキシドの転化率を有し、かつ高い選択率で1−メトキシ−2−プロパノールを製造する方法に関する。
1−アルコキシ−2−プロパノールは、他のグリコールエーテル類と同様に、塗料やインキの樹脂溶剤をはじめ、ブレーキ油、織物や皮製品の染色カップリング剤などにも使用され、いわゆる汎用溶剤とは異なった市場性を持つ有用な工業用品である。
1−アルコキシ−2−プロパノールを製造する慣用の方法として、触媒存在下、アルコールとプロピレンオキサイドとを反応させて製造する方法が知られているが、副生成物として、2−アルコキシ−1−プロパノール及びジプロピレングリコールモノアルキルエーテルなどの高い沸点を示す化合物が生成する場合が多い。例えば、アルコールがメタノールである場合、1−メトキシ−2−プロパノールと副生成物とを分離し、副生成物の含量を低減するため、蒸留される場合があるが、1−メトキシ−2−プロパノールと2−メトキシ−1−プロパノールとは沸点が近く、両者を完全に分離するのは難しい。例えば、工業製品として用いられている1−メトキシ−2−プロパノール中には、約300ppmの2−メトキシ−1−プロパノールが混入していることが知られている。2−メトキシ−1−プロパノールは、強い毒性(生殖毒性など)を有することが知られており、工業的に使用される製品においては、可能な限り、2−メトキシ−1−プロパノールの含量を減らすことが重要な課題である。
特開昭56−15229号公報(特許文献1)には、第三アミンの存在下に、プロピレンオキサイドに対するアルコールのモル比を約2以上として、低級一価アルコールをプロピレンオキサイドと反応させ、1−アルコキシ−2−プロパノールを製造する方法が記載されている。
この製造方法において、メタノールとプロピレンオキサイドとを第三アミンの存在下で反応させると、1−メトキシ−2−プロパノールを製造することができる。この方法では、1−メトキシ−2−プロパノールと副生成物(2−メトキシ−1−プロパノールなどの高沸点を示す化合物など)とを分離し、副生成物(特に、2−メトキシ−1−プロパノール)の含量を低減するため蒸留しているが、前記の通り、1−メトキシ−2−プロパノールと2−メトキシ−1−プロパノールとは沸点が近いため、蒸留により効率よく分離するのは難しい。また、還流比を大きくしたり、蒸留塔の高さを高くすることにより蒸留の効率を向上させてもよいが、コストが高く、実用的ではない。
そのため、慣用の蒸留操作が可能であって、かつ1−メトキシ−2−プロパノールと副生成物とを効率よく分離するため、他のアプローチが必要となる。他のアプローチとしては、例えば、プロピレンオキサイドの転化率及び1−メトキシ−2−プロパノールの選択率を向上し、予め副生成物の含量を低減させ、蒸留する方法などが有効であると考えられる。特許文献1には、メタノールとプロピレンオキサイドとを80℃以下で反応させ、蒸留すると、プロピレンオキサイドの転化率93.2〜98.8%で、また、92.9〜96.5%の選択率で1−メトキシ−2−プロパノールを製造できることが記載されている。
特開平7−206744号公報(特許文献2)には、酸化アルキレンとアルコールからグリコールエーテルを製造する方法において、3次アミンの存在下、メタノールと酸化プロピレンとを80℃、100℃、120℃で反応させると、プロピレンオキサイドの転化率97〜100%で、また、94〜95%の選択率で1−メトキシ−2−プロパノールを製造できることが記載されている。しかし、この文献の方法でも、選択率は十分ではない。
前記の通り、工業用品として1−メトキシ−2−プロパノールが汎用されているとともに、2−メトキシ−1−プロパノールが非常に強い毒性を有する点から、副生成物(特に、2−メトキシ−1−プロパノール)の含量のさらなる低減化、換言すれば、プロピレンオキシドの転化率及び1−メトキシ−2−プロパノールの選択率のより一層の向上が必要である。
特開昭56−15229号公報(特許請求の範囲、実施例) 特開平7−206744号公報(特許請求の範囲、実施例)
従って、本発明の目的は、高い転化率及び選択率で、1−メトキシ−2−プロパノールを製造できる方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、有毒な副生成物の含量が低減された1−メトキシ−2−プロパノールを製造できる方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、工業的な規模であっても、低コストで効率よく1−メトキシ−2−プロパノールを製造できる方法を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、メタノールとプロピレンオキシドとを特定の温度で反応させて蒸留すると、1−メトキシ−2−プロパノールを選択的に製造することができ、有毒な副生成物の含量が低減された1−メトキシ−2−プロパノールを製造できることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明の方法では、第三級アミンの存在下、メタノールとプロピレンオキシドとを90〜110℃で反応させて反応粗液を得る反応工程と、反応粗液を蒸留する蒸留工程とを経て、1−メトキシ−2−プロパノールを製造する。
この方法において、伝熱媒体を流通可能ならせん状の管で構成された温度制御ユニットを内部に備えた塔型反応器に、メタノール、プロピレンオキシド及び第三級アミンを連続的に供給し、反応器からの反応粗液を連続的に蒸留してもよい。さらに、複数の反応器が直列に配設されていてもよい。また、反応工程で得られる反応粗液を、規則充填物を充填した充填塔で蒸留してもよい。
本発明では、第三級アミンの存在下、メタノールとプロピレンオキシドとを特定の温度で反応させるため、プロピレンオキシドの転化率及び1−メトキシ−2−プロパノールの選択率を向上でき、強い毒性を有する副生成物の含量を低減し、1−メトキシ−2−プロパノールを選択的に製造することができる。さらに、高沸点の副生成物(2−メトキシ−1−プロパノール及びジプロピレングリコールモノメチルエーテルなど)の生成を抑制できるため、慣用のかつ穏和な条件下での蒸留操作で効率よく1−メトキシ−2−プロパノールと副生成物とを分離することができる。そのため、工業的な規模であっても、低コストで効率よく1−メトキシ−2−プロパノールを製造することができる。
本発明では、第三級アミンの存在下、メタノールとプロピレンオキシドとを、所定の温度で反応させて反応粗液を得る反応工程と、反応粗液を蒸留する蒸留工程とを経て、1−メトキシ−2−プロパノールを製造する。
[反応工程]
反応工程の反応器は、通常用いられる反応器であってもよく、例えば、塔型、槽型、管型などが挙げられる。また、連続操作が可能な連続式の反応器であってもよく、回分操作(又は半回分操作)が可能な回分式の反応器であってもよい。なお、使用する反応器は、反応に伴う温度変化を緩和して所望の反応温度を維持するのに有用な温度制御ユニットを備えていることが好ましい。温度制御ユニットとしては、例えば、伝熱媒体(例えば、水、水蒸気、オイルなど)を流通可能であって、らせん状、円筒状などの管で構成されたユニット(コイル状温度制御ユニット)、反応器を収容可能であり、かつ反応器との間に前記伝熱媒体を流通可能なユニット(ジャケット)などが挙げられる。本発明では、温度制御効率、生産効率の面から、塔型反応器(反応塔)を用いることが好ましい。特に、反応器内部に温度制御ユニット(例えば、伝熱媒体を流通可能ならせん状の管で構成された温度制御ユニット)を備えた塔型反応器(反応塔)を用いてもよい。
反応器の数は、特に制限されず、1基であってもよく、高い反応収率で生成物を得るため、複数基(2基以上)を組み合わせてもよい。反応効率、設備及びエネルギーコストなどの点から、通常、反応器は2〜3基(特に、2基)である。複数の反応器は、直列に配設(配置)してもよく、並列に配設してもよく、直列と並列とを組み合わせて配設してもよい。通常、複数の反応器は、直列に配設される。なお、複数の反応器を使用する場合、複数の反応器のうち、少なくとも1基(特に、反応成分が供給される第1の反応器)にコイル状温度制御ユニットを備えているのが好ましい。
また、反応効率(反応収率)を向上するため、必要に応じて充填物を充填した塔型反応器(反応塔)を用いてもよい。充填物としては、例えば、ポールリング、ラシヒリング、レッシングリングなどのリング状充填物、サドル、マクマホンパッキンなどのサドル状充填物、ボール状充填物、スルザーパッキンなどの他の形状の充填物などが挙げられる。これらの充填物は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。好ましい充填物は、リング状充填物(例えば、ラシヒリングなど)である。
メタノールとプロピレンオキシドとの割合は、プロピレンオキシドに対し、例えば、メタノールを2倍モル以上(例えば、2〜10倍モル)であり、好ましくは3〜9倍モル、さらに好ましくは4〜8倍モル(特に5〜7倍モル)程度であってもよい。プロピレンオキシドに対するメタノールの割合が小さいと、プロピレンオキシドの高次付加物(例えば、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルなど)などの高沸点副生成物の含量が増大する場合がある。
第三級アミンとしては、通常、第三級脂肪族アミン、第三級芳香族アミン、第三級複素環アミンなどが例示できる。第三級脂肪族アミンとしては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミンなどのトリアルキルアミン(特にトリC1−6アルキルアミン)、ジメチルエチルアミンなどのジアルキルアルキルアミン(特にジC1−6アルキルC1−6アルキルアミン)などが挙げられる。第三級芳香族アミンとしては、例えば、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリンなどのN−アルキル−N−アルキルアニリン(特に、N−C1−6アルキル−N−C1−6アルキルアニリン)などが挙げられる。第三級複素環アミンとしては、例えば、ピリジン、ピコリン、キノリンなどが挙げられる。これらの第三級アミンは単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
本発明では、1−メトキシ−2−プロパノールの沸点より低い沸点を有している第三級アミンを使用することが好ましく、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルエチルアミンなどのトリC1−3アルキルアミン、ピリジンなどであってもよい。特に好ましい第三級アミンはトリエチルアミンである。
第三級アミンの割合は、メタノール、プロピレンオキシド及び第三級アミンの合計に対して0.1〜10重量%、好ましくは0.2〜7重量%、さらに好ましくは0.5〜5重量%、特に0.7〜2重量%(例えば、0.8〜1.5重量%)程度であってもよい。
メタノール、プロピレンオキシド及び第三級アミンは、前記反応器に、回分的(又は半回分的)に供給してもよいが、工業生産性の面から、通常、連続的に供給される。メタノール、プロピレンオキシド及び第三級アミンの反応器への供給の速度は、線速として、2.0〜5.0m/h、好ましくは2.1〜4.6m/h、さらに好ましくは2.2〜4.2m/h程度であってもよい。
本発明の方法では、第三級アミンの存在下、メタノールとプロピレンオキシドとを、90〜110℃、好ましくは95〜110℃、さらに好ましくは95〜105℃程度で反応させる。前記温度範囲より低い温度で反応させると、プロピレンオキシドの転化率が低くなり、一方、前記温度範囲より高い温度で反応させると、副生成物である2−メトキシ−1−プロパノール及びジプロピレングリコールモノメチルエーテルの含量が増大する傾向にある。
プロピレンオキシドの転化率が高く、かつ前記副生成物の含量が低減された1−メトキシ−2−プロパノールを製造するためには、上述の通り、反応温度を特定の温度(90〜110℃)に維持するのが好ましく、そのためには反応温度(反応系の温度)を制御するのが有効である。反応温度の制御には、前記温度制御ユニット、特に、前記コイル状温度制御ユニットが利用できる。例えば、コイル状温度制御ユニット(特に、らせん状の管で構成された温度制御ユニット)では、前記コイル状温度制御ユニット中に伝熱媒体を流通させると、伝熱効率を向上でき、簡便に効率よく反応温度を制御することができる。なお、反応物質を反応器に連続的に供給して反応させる場合には、通常、反応系の組成の変動及び反応に起因する温度変化が大きく、反応温度(反応系の温度)を制御及び維持するのが困難であるが、このような場合であっても、前記コイル状温度制御ユニット(特に、らせん状の管で構成された温度制御ユニット)中に伝熱媒体(特に、水)を流通させると容易に温度制御でき、反応温度(反応系の温度)を特定の温度に維持することが可能となる。前記伝熱媒体としては、オイル(シリコーンオイルなど)なども利用できるが、通常、水が利用される。前記媒体(特に、水)の温度は、反応温度に応じて選択できるが、反応温度より低い温度であることが好ましい。例えば、前記媒体の温度と、所望の反応温度との差は、5〜30℃、好ましくは7〜25℃、さらに好ましくは10〜20℃程度であってもよい。前記媒体の温度と、所望の反応温度との差が大きすぎると、反応系の温度を一定(ほぼ一定)に維持するのが困難になる場合がある。
反応系の圧力は、反応物質の組成及び反応温度から決定される蒸気圧と、安全に反応を行うために圧封する不活性ガス(窒素ガスなど)のガス圧との和で規定され、1〜20kg/cmG(≒1.0×10〜20×10Pa)程度であってもよく、好ましくは2〜15kg/cmG(≒2.0×10〜15×10Pa)、さらに好ましくは3〜10kg/cmG(≒3.0×10〜10×10Pa)程度であってもよい。
[蒸留工程]
蒸留工程では、反応工程を経て得られる反応粗液を蒸留する。
蒸留するための装置(蒸留装置)は、通常用いられる蒸留装置(蒸留塔)、例えば、棚段塔(多孔板塔、泡鐘塔など)、充填塔などであってもよい。本発明では、装置内の圧力損失を抑制するため、充填塔を用いるのが好ましい。また、充填塔の充填物としては、不規則充填物であってもよいが、装置内の圧力損失をさらに抑制し、かつ蒸留の効率を向上させるため、規則充填物を用いるのが好ましい。規則充填物としては、汎用される規則充填物であってもよく、例えば、チタン、ジルコニウムなどの金属又はこれらの合金、ステンレス鋼(例えば、オーステナイト系ステンレス鋼など)、セラミックスなどで構成してもよい。また、規則充填物はシート状(板状)、メッシュ状(網状)、グリッド状(格子状)などであってもよい。これらの規則充填物は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
蒸留塔は、蒸留塔の段数(理論段数)の増大に伴い、分離性能が向上するため、段数(理論段数)が30段以上(例えば、30〜60段、好ましくは32〜55段、さらに好ましくは35〜50段程度)の蒸留塔を用いるのが好ましい。また、蒸留塔の数は、特に制限されず、1基であってもよく、複数基(2基以上)を組み合わせてもよいが、反応収率、設備及びエネルギーコストなどの点から、通常、蒸留塔は1〜2基(特に、2基)使用できる。なお、蒸留効率(分離効率)を向上させるため、蒸留は多段階で行うことが好ましい。通常、目的の生成物の回収効率の点から、蒸留は2〜3段階(特に、2段階)で行う。各段階において、用いる蒸留塔の数は同一であっても異なっていてもよい。例えば、1段階目では、2基の蒸留塔を用い、2段階目以降では、1基の蒸留塔を用いてもよい。本発明では、例えば、1段階目の蒸留操作で、低沸点成分(未反応のメタノール、第三級アミンなど)を留出させ、2段階目の蒸留操作で、高沸点成分(2−メトキシ−1−プロパノール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルなどの副生成物など)を除去してもよい。なお、1段階目の蒸留操作で留出するメタノール及び第三級アミンは、再度、反応物質としてリサイクル利用してもよい。
前記反応工程と蒸留工程とは、個別に行ってもよいが、工業的生産性の点から前記2つの工程を連続的に行うのが有利である。前記反応工程と蒸留工程とを連続的に行うと、プロピレンオキシドの転化率が99モル%以上(例えば、99.1〜99.9モル%、好ましくは99.2〜99.8モル%、さらに好ましくは99.3〜99.7モル%、特に99.4〜99.6モル%程度)で1−メトキシ−2−プロパノールを製造することができる。さらに、1−メトキシ−2−プロパノールの選択率(プロピレンオキシド基準)は、99.9モル%以上(例えば、99.910〜99.999モル%、好ましくは99.930〜99.995モル%、さらに好ましくは99.950〜99.992モル%、特に99.960〜99.990モル%程度)である。また、2−メトキシ−1−プロパノールの選択率(プロピレンオキシド基準)は、0.001〜0.03モル%(例えば、0.002〜0.028モル%、特に0.003〜0.026モル%)程度である。本発明の方法により、強い毒性を有する2−メトキシ−1−プロパノールの含量が非常に低減された1−メトキシ−2−プロパノールを製造することができる。
本発明の方法では、工業的規模であっても、強い毒性を有する副生成物の含量が低減された1−メトキシ−2−プロパノールを製造することができるため、得られる1−メトキシ−2−プロパノールは、非常に安全性が高く、塗料やインキの樹脂溶剤をはじめ、ブレーキ油、織物や皮製品の染色カップリング剤などの工業用品として有用である。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
実施例及び比較例では以下の組成の反応物質、反応器、蒸留装置を用いた。
反応物質;メタノール:3462kg/h(108.1kmol/h)
プロピレンオキシド:1046kg/h(18.0kmol/h)
トリエチルアミン:45.5kg/h(0.45kmol/h)
[メタノール/プロピレンオキシド(モル比)=6、トリエチルアミンの濃度=1.0重量%]
反応器1;ラシヒリングを内部充填した塔型反応器(三井造船(株)製、内径1450mmφ、高さ14698mm)
反応器2;ラシヒリングを内部充填した塔型反応器(三井造船(株)製、内径500mmφ、高さ15708mm)
蒸留塔1;規則充填物(住重プラントエンジニアリング(株)製、住友 SFLOW 250MY)を20200mm高さで充填した充填塔(三井造船(株)製、内径1100mmφ、高さ30948mm、理論段数45)
蒸留塔2;泡鐘塔(三井造船(株)製、内径1100mmφ、高さ30948mm、実段数60、理論段数36)。
なお、実施例及び比較例において、プロピレンオキシドの転化率及び各成分の選択率は以下の方法で求めた。
[転化率]
プロピレンオキシドの転化率は、反応生成物をガスクロマトグラフィー分析し、反応液中のプロピレンオキシドの含量を測定し、反応前のプロピレンオキシドの含量との割合として求めた。即ち、反応前のプロピレンオキシドの含量(モル数)をC、反応液中のプロピレンオキシドの含量(モル数)をC’とすると、転化率(モル%)=(C’/C)×100で表される。
[各成分の選択率]
各成分の選択率、例えば、1−メトキシ−2−プロパノールの選択率は、反応生成物をガスクロマトグラフィー分析し、反応液中の1−メトキシ−2−プロパノールの含量を測定し、反応生成物の総量との割合として求めた。即ち、反応液中の1−メトキシ−2−プロパノールの含量(モル数)をS、反応生成物の総量(総モル数)をS’とすると、選択率(モル%)=(S/S’)×100で表される。なお、他の成分についても同様に求められる。
[実施例1]
反応物質を、伝熱媒体を流通可能ならせん状の管で構成された温度制御ユニットを内部に備えた反応器1に連続的に供給し、かつ反応器1から反応器2に通液し、反応を行った。なお、反応器1において、前記ユニット内に80℃の水を通し、反応系の温度を97℃に制御し、反応を行った。得られた反応粗液において、プロピレンオキシドの転化率は99.6モル%、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシ−1−プロパノール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル及びその他の成分の選択率(プロピレンオキシド基準)は各々、87.7モル%、6.3モル%、2.3モル%、3.7モル%であった。続いて、反応粗液を、還流比3.2、留出率86.5%の条件下で蒸留塔1を用いて蒸留した。蒸留して得られた精製液において、プロピレンオキシドの転化率及び各成分の選択率(プロピレンオキシド基準)を求めた。
[実施例2]
蒸留塔1の代わりに蒸留塔2を用いる以外は実施例1と同様に行い、得られた精製液において、プロピレンオキシドの転化率及び各成分の選択率(プロピレンオキシド基準)を求めた。
[比較例1]
反応系の温度を制御しない以外は実施例1と同様にして反応を行った。得られた反応粗液を、蒸留塔2を用いて蒸留した。蒸留して得られた精製液において、プロピレンオキシドの転化率及び各成分の選択率(プロピレンオキシド基準)を求めた。
[比較例2]
反応物質を、実施例1と同様に反応させた。得られた反応粗液において、プロピレンオキシドの転化率及び各成分の選択率(プロピレンオキシド基準)を求めた。
[比較例3]
反応系の温度を制御しない以外は実施例1と同様にして反応を行った。得られた反応粗液において、プロピレンオキシドの転化率及び各成分の選択率(プロピレンオキシド基準)を求めた。
実施例及び比較例の結果を表1に示す。なお、表中の「転化率」はプロピレンオキシドの転化率を表し、「1−MMPG」、「2−MMPG」、「高沸点成分」、「その他」は各々、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシ−1−プロパノール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル及びその他の成分の選択率(プロピレンオキシド基準)を表す。
Figure 2008208035
表1から明らかなように、前記反応物質を特定の温度範囲で反応させ、蒸留すると、プロピレンオキシドの転化率及び1−メトキシ−2−プロパノールの選択率が非常に高く、副生成物の含量が、工業的に汎用されている1−メトキシ−2−プロパノール中に含まれる副生成物の含量より低減された1−メトキシ−2−プロパノールが得られた。なお、蒸留工程において、蒸留塔として規則充填物を充填した充填塔を用いるとその効果はより顕著に表れた。

Claims (4)

  1. 第三級アミンの存在下、メタノールとプロピレンオキシドとを90〜110℃で反応させて反応粗液を得る反応工程と、反応粗液を蒸留する蒸留工程とを経て、1−メトキシ−2−プロパノールを製造する方法。
  2. 伝熱媒体を流通可能ならせん状の管で構成された温度制御ユニットを内部に備えた塔型反応器に、メタノール、プロピレンオキシド及び第三級アミンを連続的に供給し、反応器からの反応粗液を連続的に蒸留する請求項1記載の方法。
  3. 複数の反応器が直列に配設されている請求項2記載の方法。
  4. 蒸留工程において、規則充填物を充填した充填塔で蒸留する請求項1記載の方法。
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