JP2008206140A - 電気機械共振器及びその製造方法 - Google Patents

電気機械共振器及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電気機械共振器の共振周波数は、構造の振動モードで決定し、最適な入出力電極の配置が必要となる。必要に応じて電極の高さを可変でき、かつ電極強度を維持することのできる平行駆動型の電気機械共振器を提供することを目的とする。
【解決手段】振動子の側面に同一レイヤで構成される複数の固定電極と、振動子と前記固定電極の間で構成されるギャップを有し、前記ギャップ間の幅の一部が広がる領域を有するようにしたことを特徴とする。すなわち本発明の電気機械共振器は、固定電極と、前記固定電極とギャップを介して形成された振動子とを具備した共振部を備え、前記固定電極の厚さ方向で、前記ギャップ幅が異なる領域を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems) 技術を用いて作成する電気
機械共振器、及びその製造方法。
従来の電気機械デバイスにおいて、さまざまな駆動方式で振動子を動作させる構成が用いられているが、その中でも基板に対して平行移動する電気機械素子は数多く応用されている。この様な電気機械デバイスの振動子を機械的に動作させるためには、構造の側面に固定電極を配置して駆動させる入出力端子が必要となる。
ところでこの電気機械デバイスにおいて、電極の厚みを変えて振動モードを変化させるという方法が提案されている。
例えば、非特許文献1に示すような電気機械共振器が提案されている。
この電気機械共振器は図18に示すように、両端が自由端として支持される梁型振動子がある。基板50に形成された固定電極51と振動子52の間には均一なエアギャップ53が形成される。このエアギャップ間に静電力が働き、振動子が機械的に振動する。共振周波数は主に固定電極51の電極配置によって決定する振動モードで決定するが、図18(a)のように振動子52の下層部に入力端子と出力端子の各1個の電極51を配置する構成では、たわみ振動2次モードが励起する(図18(b))。又、振動子52の下層部に電極51を3個配置すると2次モードより高い共振周波数でたわみ振動3次モードが励起する。この電極配置の位置づけとは、電極51を振動の腹にもってくることにより、励起される振動モードが異なることである。
このことから、異なる共振周波数を有する電気機械共振器が必要な場合、励起する振動モードによって固定電極のサイズや配置を可変させる必要がある。又、そのような電極を簡易に形成できる製造方法が必要となる。
特許文献1は電子銃および量子細線の製造方法であり、三角断面構造の上層に犠牲層と電極層を形成した構造である。この製造方法では、厚膜のレジストを塗布してエッチバックすることで、電極の頂点を突出させ、この突出した部分の電極を除去して電極を形成する工程を用いている。電極は構造の両側の側面に形成され、入出力端子として構成される。
特許文献1のように、構造の側面に配置する固定電極を同一レイヤ間で作成する製造方法を用いることにより、1回で成膜した電極層で複数の固定電極が同時に形成することを可能とする。
M.Demirci, C.T.-C. Nguyen, "Higher-mode Free-Free Beam Micromechanical Resonators," Proceeding, 2003 IEEE Int. Frequency Control Symposium, Tampa, Florida, May 5-8, 2003, pp. 810-818. 特開平6-310029号公報
非特許文献1の垂直駆動型の共振器は、固定電極の配置によって、選択した振動モードの共振周波数が決定するが、この構成では電極が振動子の下層部のみに形成されるため、電極の配置に限定がかかる。
特許文献1では、振動子両側の側面に電極を配置し、基板上、平行に駆動する構成を用いるため、非特許文献1の課題が解決できる。しかし特許文献1で、構造の側面に配置する電極の高さは、製造工程のレジストエッチバックの制御時間で決定するため、高さを可変とするには高度な膜厚制御が課題となる。又、複数の固定電極を独立に制御して膜厚を変更することは難しく、これには電極層を多層化することが必要となる。一方、多層化すると工程数が増加して製造方法が複雑になる他、製造コストも上昇するという問題が発生する。
更に、特許文献1の構成で平行駆動型の電気機械共振器を実現する場合、振動子の下層部に存在する犠牲層を除去して中空構造を形成する必要がある。図19にこの電気機械共振器の断面図を示す。図19で振動子56の下層部の犠牲層54を除去するが、この時、電極55が薄いと、電極55の下層部の犠牲層54も同時にエッチングされ電極にアンダーカットが生じる。これにより、電極55が基板57に引っ付いて離れなくなったり、入力信号により電極55が励振する課題が発生する。
そこで、本発明では、必要に応じて電極の高さを可変でき、かつ電極強度を維持することのできる平行駆動型の電気機械共振器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明では、振動子の側面に同一レイヤで構成される複数の固定電極と、振動子と前記固定電極の間で構成されるギャップを有し、前記ギャップ間の幅の一部が広がる領域を有するようにしたことを特徴とする。すなわち本発明の電気機械共振器は、固定電極と、前記固定電極とギャップを介して形成された振動子とを具備した共振部を備え、前記固定電極の厚さ方向で、前記ギャップ幅が異なる領域を有する。
ここで固定電極の厚さ方向とは、固定電極の積層方向をいい、ギャップの長さ方向に相当するものとする。これにより、実質的なギャップ幅を自由に選択できるため、他を変更することなくギャップ幅の調整によってのみ所望の共振周波数をもつ電気機械共振器を、形成することができる。また、固定電極の厚さを薄くすることなく形成できるため、強度を維持することができ、上述したような、電極が基板に引っ付いたり、入力信号により固定電極が励振されたりするというような不都合はない。
また、上記電気機械共振器において、前記ギャップは、その幅が一定である第1の領域と、前記固定電極と前記振動子との間の静電容量を無視しうる程度に大きい第2の領域をもつようにしてもよい。この構成により、第1の領域のみを動作領域として用いることができ、設計が容易となる。また同一基板上に多数の異なる共振周波数をもつ共振部を形成するような場合にも、たとえば溝の幅を調整するだけで第1の領域の大きさを変更でき、共振周波数を変更できるなど、極めて容易に設計することが可能である。
また、本発明の電気機械共振器の製造方法では、基板に第1の電極を形成する工程と、前記第1の電極の上層に絶縁膜を成膜する工程と、前記絶縁膜の上層に導電体層を形成し、これを平坦化して第2の電極を形成する工程と、前記第1の電極と第2の電極との間にギャップを形成する工程とを含み、前記第1及び第2の電極のいずれか一方で構成された固定電極と、前記固定電極とギャップを介して形成され、前記第1及び第2の電極の他方で構成された振動子とを具備した共振部を備え、前記固定電極の厚さ方向で、前記ギャップ幅が異なる領域を有する電気機械共振器を形成する。つまり固定電極と振動子のうちの一方の電極をパターニングして犠牲層としての絶縁膜を形成し、さらにこの上層に他方の電極となる導電体層を形成したのち、この絶縁膜を除去して、一定幅のギャップを形成するとともに、溝を形成して、この一定幅のギャップよりも広い幅のギャップを形成することにより、容易に、厚さ方向でギャップ幅の異なる電気機械共振器を形成することができる。すなわち、通常振動子を先にパターニングするが、固定電極を先にパターニングしてもよい。
すなわち、本発明では、振動子の上層に絶縁層を成膜する工程と、前記絶縁層の上層に導電体層を形成しこれを平坦化する工程と、前記電極層にマスクパターンを形成して基板表面に垂直な方向にエッチングすることにより溝を形成する工程と、前記溝の側面に保護膜を形成して前記導電体層を選択的に除去し、固定電極のパターンを形成する工程とを含む。
また本発明では、基板に溝を形成する工程と、前記溝に絶縁膜を成膜する工程と、前記溝を導電体層で埋める工程と、前記基板の傾斜方向にエッチングすることにより前記絶縁層に到達する前記溝を形成する工程とを含む。
本発明の構造により、複数の共振周波数に対応可能で、しかも強度の高い固定電極を有する電気機械共振器が実現する。
更に、本発明の製造方法により、同レイヤ間で複数の共振周波数をもつ固定電極の形成が可能となり、工程の簡略化によるコストの低減を実現することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1及び図2は、本発明の実施の形態1における電気機械共振器、及びその製造方法の断面図である。
本発明の電気機械共振器は、図1(a)に示すように、固定電極と、固定電極107とギャップを介して形成された振動子109とを具備した共振部を備え、この固定電極107の厚さ方向で、ギャップが、その幅が一定である第1の領域(113)と、前記固定電極と前記振動子との間の静電容量を無視しうる程度に大きい第2の領域(111)をもつことを特徴とするものである。振動子109は断面三角形の梁状体を形成しており、この振動子の2つの側面に固定電極107を配置し、振動子109と固定電極107の間のギャップ幅が一定でない部分を含むエアギャップで構成されている。ここで固定電極107の厚みは、振動子109の厚みよりも大きく形成されている。詳細には広い幅のギャップ111と狭い幅のギャップ113を有するエアギャップであり、振動子109と固定電極107の間で狭い幅のギャップ113に最大の静電力が発生する。容量間で働く静電力は幅の2乗に比例するため、広い幅のギャップ111では静電力が小さく、駆動力が弱い。図1(b)は、このギャップ間隔により励振される振動モードを示す。狭い幅のギャップ113が振動子109の厚さの半分まで重なる場合、その領域で駆動力が働き、その結果、三角断面梁を振動子とするねじり振動が励振される。更に、ここでは固定電極107の厚みは、振動子109の厚みよりも大きく形成したことで、固定電極の強度を高めることができる。固定電極107の強度を高めるため、電極膜厚は構造の高さ、あるいはそれ以上に設定するのが望ましい。
図2は本発明の実施の形態1における共振器構造の製造方法を示す。
まず、材料基板101としてシリコン基板表面に、第1の絶縁膜103としての酸化シリコン層を介して単結晶シリコン薄膜を形成したSOI基板を用意する。
次いで、図2(a)に示すように、フォトリソグラフィによりマスクパターンを形成し、このマスクパターンを用いて異方性エッチングを行うことにより、(傾斜角54.7度の)傾斜した側面をもつ断面三角形の梁状体からなる振動子109を形成し、この上層に、第2の絶縁膜105として酸化シリコン層を成膜する。
そして図2(b)に示すように、第2の絶縁膜105上に、CVD法により、固定電極107となるドープト多結晶シリコン層を成膜する。このとき、平坦な膜を形成するように減圧CVD法などを用いるのが望ましい。
次に図2(c)に示すように、この固定電極107となる多結晶シリコン層にマスクパターンを形成して溝を堀り、振動子109の上層に形成される第2の絶縁膜105を露出する。
最後に図2(d)に示すように、表面に露呈する第2の絶縁膜105をエッチングにより除去し、ギャップを形成するとともに第1の絶縁膜103を除去し、電気機械共振器を形成する。
このようにして、図1に示した電気機械共振器を作業性よく形成することができる。
なお、前記実施の形態1では、固定電極107を基板上のポストとしての第1の絶縁膜103を介して形成しており、振動子109の下のこのポストに対応する部分をエッチング除去することにより、振動子109を選択的に可動にすることができる。
また、振動子109の側面は傾斜面であり、第1の領域では、この傾斜面に沿って所定の間隔のギャップを隔てて固定電極107が対向しており、良好に静電力が作用するように構成されている。
一方第2の領域では、固定電極107の側面が断面垂直となっており、振動子109の側面と大きく離間した構造となっており、この領域では静電力がほとんど作用しない構造となっている。
これら側面の形状については適宜変更可能であり、ギャップ幅が一定で、静電力を作用しうる程度に狭く形成した第1の領域と、静電力を考慮しなくてよい程度に広いギャップ幅を持つ第2の領域とが配設されていればよい。
なお前記実施の形態では、振動子109を構成する断面三角形の梁状体を単結晶シリコンで構成しているため、この振動子109のパターニングに際し、シリコンの異方性エッチングにより極めて制御性よく形状加工を行うことができる。
なお、本実施の形態では出発材料を構成する材料基板としてシリコン基板に単結晶シリコン基板を貼着して形成したSOI基板を用いたが、多結晶シリコンあるいはアモルファスシリコンを貼着したSOI基板を用いてもよいことはいうまでもない。このときは単結晶の結晶面に依存する異方性エッチングをエッチング終点として用いるという制御ができない。
(実施の形態2)
次に本発明の実施の形態2について説明する。前記実施の形態では、ギャップはエアギャップとしたが、この変形例として、容量絶縁膜105が形成されていてもよい。
図3(a)及び(b)は、図1に示した実施の形態1の電気機械共振器の変形例を示す図である。本実施の形態では、ギャップを更に工夫することにより、広がった領域と狭まっている領域の容量比を最適化するものである。図3(b)は、図3(a)の要部拡大図である。
図3に示すように、本実施の形態の電気機械共振器は、前記実施の形態1の電気機械共振器の製造工程でギャップ形成のための犠牲層として用いた第2の絶縁膜105を成膜した状態でそのまま容量絶縁膜として用いて励振・検出を行う容量結合型の電気機械共振器である。
また、ここでは、シリコン基板101を背面からエッチングし、振動子をより振動し易いようにしている。
(実施の形態3)
図4及び図5は、本発明の実施の形態3における電気機械共振器、及びその製造方法の断面図である。
本発明の電気機械共振器が、前記実施の形態1の電気機械共振器と異なるのは、固定電極107と振動子109の厚さが略等しい点である。この構成により、固定電極の機械的強度は実施の形態1よりも小さいが、厚さを最大限に生かした構造である。すなわち、本発明の電気機械共振器は、図4(a)に示すように、固定電極と、固定電極107とギャップを介して形成された振動子109とを具備した共振部を備え、この固定電極107の厚さ方向で、ギャップが、その幅が一定である第1の領域(113)と、前記固定電極と前記振動子との間の静電容量を無視しうる程度に大きい第2の領域(111)をもつことを特徴とするものである。振動子109は断面三角形の梁状体を形成しており、この振動子の2つの側面に固定電極107を配置し、振動子109と固定電極107の間のギャップ幅が一定でない部分を含むエアギャップで構成されている。ここで固定電極107の厚みは、振動子109の厚みと略同等となるように形成されている。詳細には広い幅のギャップ111と狭い幅のギャップ113を有するエアギャップであり、振動子109と固定電極107の間で狭い幅のギャップ113に最大の静電力が発生する。容量間で働く静電力は幅の2乗に比例するため、広い幅のギャップ111では静電力が小さく、駆動力が弱い。図4(b)は、このギャップ間隔により励振される振動モードを示す。狭い幅のギャップ113が振動子109の厚さの半分まで重なる場合、その領域で駆動力が働き、その結果、三角断面梁を振動子とするねじり振動が励振される。更に、ここでは固定電極107の厚みは、振動子109の厚みと同等に形成したことで、高さを最大限に利用した構造である。
図5は本発明の実施の形態3における共振器構造の製造方法を示す。実施の形態1において図2を参照して説明した方法と異なるのは、固定電極107形成のためのドープト多結晶シリコン層の膜厚を大きくする点、およびギャップの形成に先立ち、窒化シリコン膜115でドープト多結晶シリコン層の側壁を被覆し、振動子109の高さまでエッチバックする工程を付加した点である。
以下の本実施の形態3の共振器構造の製造方法について説明する。
まず、材料基板101としてシリコン基板表面に、第1の絶縁膜103としての酸化シリコン層を介して単結晶シリコン薄膜を形成したSOI基板を用意する。
次いで、図5(a)に示すように、フォトリソグラフィによりマスクパターンを形成し、このマスクパターンを用いて異方性エッチングを行うことにより、(傾斜角54.7度の)傾斜した側面をもつ断面三角形の梁状体からなる振動子109を形成し、この上層に、第2の絶縁膜105として酸化シリコン層を成膜する。
そして図5(b)に示すように、第2の絶縁膜105上に、CVD法により、固定電極107となるドープト多結晶シリコン層を成膜する。このとき、平坦な膜を形成するように減圧CVD法などを用いるのが望ましい。
次に図5(c)に示すように、この固定電極107となる多結晶シリコン層にマスクパターンを形成して溝を堀り、振動子109の上層に形成される第2の絶縁膜105を露出する。
その後、窒化シリコン膜からなる保護膜115を堆積し(図5(d))、異方性エッチングを実施すると、上面の保護膜115が除去される(図5(e))。次に図5(f)に示すように固定電極107を形成するための多結晶シリコン層をエッチングして膜厚を決定する。
最後に図5(g)に示すように、表面に露呈する第2の絶縁膜105をエッチングにより除去し、ギャップを形成するとともに第1の絶縁膜103を除去し、図5(h)に示すように、電気機械共振器を形成する。
このようにして、図4に示した電気機械共振器を作業性よく形成することができる。
なお、本実施の形態においても前記実施の形態1と同様、固定電極107を基板上のポストとしての第1の絶縁膜103を介して形成しており、振動子109の下のこのポストに対応する部分をエッチング除去することにより、振動子109を選択的に可動にすることができる。
また、振動子109の側面は傾斜面であり、第1の領域では、この傾斜面に沿って所定の間隔のギャップを隔てて固定電極107が対向しており、良好に静電力が作用するように構成されている。
一方第2の領域では、固定電極107の側面が断面垂直となっており、振動子109の側面と大きく離間した構造となっており、この領域では静電力がほとんど作用しない構造となっている。
これら側面の形状については適宜変更可能であり、ギャップ幅が一定で、静電力を作用しうる程度に狭く形成した第1の領域と、静電力を考慮しなくてよい程度に広いギャップ幅を持つ第2の領域とが配設されていればよい。
なお前記実施の形態では、振動子109を構成する断面三角形の梁状体を単結晶シリコンで構成しているため、この振動子109のパターニングに際し、シリコンの異方性エッチングにより極めて制御性よく形状加工を行うことができる。
なお、本実施の形態では出発材料を構成する材料基板としてシリコン基板に単結晶シリコン基板を貼着して形成したSOI基板を用いたが、多結晶シリコンあるいはアモルファスシリコンを貼着したSOI基板を用いてもよいことはいうまでもない。このときは単結晶の結晶面に依存する異方性エッチングをエッチング終点として用いるという制御ができない。
(実施の形態4)
次に本発明の実施の形態4について説明する。前記実施の形態3では、ギャップはエアギャップとしたが、この変形例として、容量絶縁膜が形成されていてもよい。
図6及び図7は、図4に示した実施の形態3の電気機械共振器の変形例を示す図である。本実施の形態では、前記実施の形態2と同様、ギャップを更に工夫することにより、広がった領域と狭まっている領域の容量比を最適化するものである。
図6に示すように、本実施の形態の電気機械共振器は、前記実施の形態3の電気機械共振器の製造工程でギャップ形成のための犠牲層として用いた第2の絶縁膜105を成膜した状態でそのまま容量絶縁膜として用いて励振・検出を行う容量結合型の電気機械共振器である。
一般に容量の計算式は以下で表される。
Figure 2008206140
eo = 真空の誘電率 = 8.854E-12F/m
er = 絶縁膜の比誘電率
d = 電極間の距離
S = 容量面積
ここで、空気の比誘電率(er)=1に対して、絶縁膜として良く使用する酸化膜(SiO2)は4.5、窒化膜(Si3N4)は7.5である。
図7は図6より更に容量変化比を稼ぐために、エアギャップ領域の絶縁膜105を除去した構成である。
更に、図8(a)に変形例を示すように、幾何学的なギャップ幅は同じとし、誘電率の異なる材料で誘電体ギャップを構成してもよい。つまり第2の絶縁膜105を、高い誘電率をもつ第1の誘電体105aと、酸化シリコンなどの第2の誘電体105bで構成し、第1の誘電体ギャップ及び第2の誘電体ギャップとしてもよい。これにより、酸化シリコンなどからなる第1の領域と、強誘電体層となる酸化ハフニウムHFO2(er=80)、酸化チタンTiO2(er=80)、BST、BaSrTiO3(er=300)などからなる第2の領域とで構成すれば、同じギャップ幅でも、この誘電体ギャップ105a、105bは、高い容量比(20〜60)が確保でき、実質的にはギャップ幅の比が20以上であるのと同様に作用することになり、最適な構成にすることも可能である。
また図8(b)に別の変形例を示すように、エアギャップ213に隣接するように電極205に絶縁性不純物をドープし、誘電体化することにより誘電体溝からなる第2の領域201を形成することでエアギャップ213と誘電体ギャップとからなるギャップを形成するようにしてもよい。
(実施の形態5)
次に本発明の実施の形態5について説明する。
本実施の形態では、図9(a)乃至(d)にその製造工程を示すように、第2の領域の幅広ギャップ111に代えて、ノンドープの多結晶シリコン層で構成し、固定電極205を、一部を高濃度にドープされた多結晶シリコン層で構成し、実質的に振動子109と固定電極205の距離をとることにより、幅広ギャップと同等の働きをするようにしたものである。この電気機械共振器の製造に際しては、例えばドーピング前のポリシリコン201に一部の領域を残して高濃度のイオン注入を行うことで結合領域(容量結合領域)を制御することを可能とする。
製造に際しては、図5(a)に示した前記実施の形態1と同様に、材料基板101としてシリコン基板表面に第1の絶縁膜103としての酸化シリコン層を介して単結晶シリコン薄膜を形成したSOI基板を用意し、フォトリソグラフィによりマスクパターンを形成し、このマスクパターンを用いて異方性エッチングを行うことにより、傾斜角54.7度の側面をもつ断面三角形の梁状体からなる振動子109を形成し、この上層に、第2の絶縁膜105として酸化シリコン層を成膜する。
そして図9(a)に示すように、第2の絶縁膜105上に、CVD法により、固定電極となるノンドープの多結晶シリコン層201を成膜する。このとき、平坦な膜を形成するように減圧CVD法などを用いるのが望ましい。
次に図9(b)に示すように、幅広のギャップを形成すべき領域にマスク203を形成し固定電極を形成すべき領域の多結晶シリコン層201を露出する。
その後、このマスク203を介してイオン注入を行い(図9(c))、図9(d)に示すようにマスクから露呈する領域の多結晶シリコン層を高濃度にドープし固定電極205を形成する。一方マスク203で覆われてドーピングのなされなかった領域は、ノンドープの多結晶シリコン層のままで残留し、誘電体ギャップ(201)として働く。
このようにして、電気機械共振器を作業性よく形成することができる。
また前記実施の形態1では、基板上に形成された、ポストとしての第1の絶縁膜103を介して固定電極を、形成しており、振動子109の下のこのポストに対応する部分をエッチング除去することにより、振動子を選択的に可動にすることができる。
なお、犠牲層としての絶縁膜105は除去してエアギャップを形成しても、絶縁膜105を残したままでも静電力は働くため、いずれでもよく、適宜選択可能であり、容量結合型の電気機械共振器は成立することになる。
なお、ギャップを形成する工程は、図10(a)および(b)にその製造工程の一部を示すように、固定電極となるドープト多結晶シリコン層に絶縁性不純物をドープし、誘電体化することにより誘電体溝からなる第2の領域201を形成し、前記誘電体溝から連通する領域の絶縁膜105を第1の領域とし誘電体ギャップを形成するようにしてもよい。
この構成によれば、マスクを介して絶縁性不純物をドープするのみで容易に幅広の誘電体ギャップをもつ第2の領域201を形成することができる。
また、前記ギャップを形成する工程は、絶縁膜を除去してエアギャップを形成した後に前記エアギャップに連結されるように前記電極に絶縁性不純物をドープし、誘電体化することにより誘電体溝からなる第2の領域を形成する工程を含み、前記エアギャップと誘電体ギャップとからなるギャップを形成するようにしてもよい。
この構成によれば、一部の犠牲層を除去してエアギャップとし、一部を誘電体ギャップで構成することができる。
また、傾斜面を持つようにエッチングし断面三角形の振動子を形成した後、この振動子の上層に絶縁層を成膜する工程と、前記絶縁層の上層に導電体層を形成する工程と、前記導電体層を、垂直方向にエッチングすることにより前記絶縁層に到達する前記溝を形成する工程とを含む。
これにより、絶縁層に到達する溝が、幅広のエアギャップとなり、容易に形成可能である。この絶縁層を除去することにより一定幅のエアギャップを構成することができる。
また、材料基板に溝を形成する工程と、前記溝に絶縁膜を形成する工程と、前記溝を導電体層で埋める工程と、マスクパターンを形成して前記基板の傾斜方向に前記導電体層をエッチングするようにしてもよい。
この構成によっても、容易に幅広のエアギャップを形成することができる。なお溝を導電体層で埋める工程は、溝を形成し絶縁膜を形成した後、導電体層を形成し、エッチバックあるいはCSPなどによって平坦化することで容易に形成可能である。ここではこの溝内に充填される導電体層が振動子または固定電極を構成することになる。
(実施の形態6)
次に本発明の実施の形態6について説明する。前記実施の形態3では、基板上にひとつの共振部をもつ例について説明したが、本実施の形態では、基板上に異なる複数の共振部をもつ例について説明する。
図11は、本発明の実施の形態6における電気機械共振器、図12はその製造方法の断面図である。
図11は、この完成図であり、1枚の基板上に異なる共振周波数を有する電気機械共振器を複数並べて形成した構成を示す。121は台形断面梁を有する第1の振動子を表し、123はサイズが大きい四角形型の第2の振動子である。共に固定電極107は同レイヤ間で形成され、第2の振動子123と固定電極107との間に形成されるギャップは均一な幅を有する。一方、第1の振動子121のギャップは前記実施の形態1と同様に均一なギャップ幅をもつ第1の領域と、幅広のギャップ幅をもつ第2の領域とで構成されている。第2の領域では、振動子121と電極107の間隔が広がる領域が生じる。
この構成により、第1の振動子121と第2の振動子123は異なる振動モードで励起されるため共振周波数が異なり、その結果、複数の周波数に対応可能な電気機械共振器を容易に実現することができる。
なお、本発明の実施の形態では、共振周波数が異なる共振器を2個並べた実施例である
が、同レイヤ間で形成する固定電極と振動子との間で生じる一定ギャップ幅のオーバーラップ領域は自由に変更できるため、2個以上の並列化も可能である。
本発明の実施の形態6の電気機械共振器の製造方法を図12(a)乃至図12(f)で示す。この製造方法については、振動子のパターニングのためのフォトマスクが異なるのみで、図2に示した実施の形態1と同様の工程で実現可能なため、説明を省略する。ここで実施の形態3に示した断面三角梁109に代えて断面台形の梁121,123を形成する点が実施の形態1と異なる点である。
(実施の形態7)
図13及び図14は、本発明の実施の形態7における電気機械共振器、およびその製造方法の断面図である。
前記実施の形態1乃至4では、振動子として断面三角梁を用い、傾斜面にギャップを形成したが本実施の形態では、振動子153,155,157の側面は基板表面に対して垂直であるようにし、幅広のギャップを構成すべき領域のみを固定電極151の端面をテーパ断面となるようにしている。その他については前記実施の形態6の電気機械共振器と同様である。
本実施の形態では、シリコン基板101表面に第1の絶縁膜103を介して多結晶シリコン層(導電体層)151に溝171を掘り、断面矩形の振動子153、155、157を形成した電気機械共振器を示す。固定電極151は、これら振動子に対し、共振器の共振周波数に最適な電極配置が行うため、広い幅と狭い幅のギャップを有する傾斜を用いた電極を形成する。
図14(a)乃至14(e)にその製造方法を示す。図14(a)では、前記実施の形態1と同
様にSOI基板を出発材料とし、多結晶シリコン層151に溝171を掘り、窒化シリコン膜からなる第1の保護膜173を形成する。
次に図14(b)に示すように、振動子となる多結晶シリコン層(導電体層)175を堆積し、エッチバックにより上面層を除去する。
その後、図14(c)に示すように、窒化シリコン膜からなる第2の保護膜177を成膜しフォトリソグラフィによりパターニングする。
そしてこの第2の保護膜177をマスクとして、エッチングを行い、この時、正のテ―パ断面形状を形成する。これは、例えばイオンビームエッチング(IBE)や結晶異方性エッチングなどによる工程で簡易に実現可能である(図14(d))。
最後に第1の保護膜173と第1の絶縁膜103を除去して、振動子153を基板101から開放する。
このようにして狭ギャップ幅の第1の領域163と、広いギャップの第2の領域161とを備えた電気機械共振器が形成される。
ここで用いた第1及び第2の保護膜は、エッチングのマスクとなる材料であればよく、絶縁性材料に限定されるものではない。また、第1の保護膜173を除去することなく残留させて誘電体ギャップとして用いる場合には所望の誘電率を持つ誘電体膜を用いるようにすればよい。
(実施の形態8)
次に本発明の実施の形態8について説明する。前記実施の形態6では、基板上に異なる複数の共振部をもつ例について説明したが、本実施の形態では、同様の構造において、固定電極の厚さを、共振部を構成する振動子の厚さより厚く構成した例について説明する。
図15は、本発明の実施の形態8における電気機械共振器の製造方法の断面図である。
図15(d)は、この完成図であり、1枚の基板上に異なる共振周波数を有する電気機械共振器を複数並べて形成した構成を示す。121は台形断面梁を有する第1の振動子を表し、123はサイズが大きい四角形型の第2の振動子である。共に固定電極107は同レイヤで形成され、第2の振動子123と固定電極107との間に形成されるギャップは均一な幅を有する。一方、第1の振動子121のギャップは前記実施の形態1と同様に均一なギャップ幅をもつ第1の領域と、幅広のギャップ幅をもつ第2の領域とで構成されている。第2の領域では、振動子121と電極107の間隔が広がる領域が生じる。
この構成により、第1の振動子121と第2の振動子123は異なる振動モードで励起されるため共振周波数が異なり、その結果、複数の周波数に対応可能な電気機械共振器を容易に実現することができる。
なお、本発明の実施の形態では、共振周波数が異なる共振器を2個並べた実施例であるが、同レイヤ間で形成する固定電極と振動子との間で生じる一定ギャップ幅のオーバーラップ領域は自由に変更できるため、2個以上の並列化も可能である。
本発明の実施の形態8の電気機械共振器の製造方法を図15(a)乃至図15(d)で示す。この製造方法については、振動子のパターニングのためのフォトマスクが異なるのみで、図2に示した実施の形態1と同様の工程で実現可能なため、説明を省略する。ここで実施の形態1に示した断面三角梁109に代えて断面台形の梁121,123を形成する点がの実施の形態1と異なる点である。
(実施の形態9)
図16及び図17は、本発明の実施の形態9における電気機械共振器、及びその製造方法の断面図である。
本実施の形態の電気機械共振器は、前記実施の形態1では、固定電極107の厚さと振動子の厚さとが略等しい場合について説明したが、本実施の形態では、固定電極107の厚さが振動子の厚さよりも小さい場合について説明する。
本発明の電気機械共振器は、図16に示すように、固定電極107と、固定電極107とギャップを介して形成された振動子109とを具備した共振部を備え、固定電極107の厚さが振動子109よりも薄いことから、結果的に振動子の厚さ方向で、固定電極107とのギャップが、その幅が一定である第1の領域と、固定電極が存在しない結果、固定電極と振動子との間の静電容量を無視しうる程度に大きい第2の領域をもつことを特徴とするものである。振動子109は断面三角形の梁状体を形成しており、この振動子の2つの側面の所定高さまで固定電極107を配置し、振動子109の一部には固定電極107が対向していない部分を含むエアギャップで構成されている。詳細には広い幅のギャップ111と狭い幅のギャップ113を有するエアギャップであり、振動子109と固定電極107の間で狭い幅のギャップ113に最大の静電力が発生する。容量間で働く静電力は幅の2乗に比例するため、広い幅のギャップ111では静電力がほとんど生じず、駆動力が弱い。
図17は本発明の実施の形態9における共振器構造の製造方法を示す。
まず、材料基板101としてシリコン基板表面に、第1の絶縁膜103としての酸化シリコン層を介して単結晶シリコン薄膜を形成したSOI基板を用意する。
次いで、フォトリソグラフィによりマスクパターンを形成し、このマスクパターンを用いて異方性エッチングを行うことにより、(傾斜角54.7度の)傾斜した側面をもつ断面三角形の梁状体からなる振動子109を形成し、この上層に、第2の絶縁膜105として酸化シリコン層を成膜する。
そして図17(a)に示すように、第2の絶縁膜105上に、CVD法により、固定電極107となるドープト多結晶シリコン層を成膜する。このとき、段差上にも均一な膜を形成しうるようにCVD法などを用いるのが望ましい。
そして図17(b)に示すように、固定電極107となるドープト多結晶シリコン層上に、レジストRを塗布する。
そして図17(c)に示すように、振動子表面の頂上部のみ固定電極107となるドープト多結晶シリコン層が露呈するように、レジストエッチバック法によりレジストを所定の深さまで除去する。
この後図17(d)に示すように、このレジストRをマスクとして、ドープト多結晶シリコン層を除去する。
最後に図17(d)に示すように、表面に露呈する第2の絶縁膜105をエッチングにより除去し、ギャップを形成するとともに第1の絶縁膜103を除去し、電気機械共振器を形成する。
このようにして、図16に示した電気機械共振器を作業性よく形成することができる。
なお、前記実施の形態9では、固定電極107を基板上のポストとしての第1の絶縁膜103を介して形成しており、振動子109と対向する固定電極の厚さを薄くし、振動子の側壁に沿うように形成することで、所望の幅の静電力生成領域を形成することができる。
固定電極の厚さが振動子の厚さよりも薄いため、強度的には劣るが、マスク変更により、容易に対向領域を決定することができるという利点がある。
本発明は、複数の共振周波数に対応可能で、同レイヤ間で形成可能な機械的強度が高い入出力電極を有する電気機械共振器であり、小型化に加え、工程簡略化による製造コストの低減をはかることができることから、携帯端末をはじめ通信機器に適用可能である。
本発明の実施の形態1における電気機械共振器の断面図 本発明の実施の形態1における電気機械共振器の製造方法を示す断面図 本発明の実施の形態2における電気機械共振器を示す図 本発明の実施の形態3における電気機械共振器を示す図 本発明の実施の形態3における電気機械共振器製造方法を示す断面図 本発明の実施の形態4における電気機械共振器を示す図 本発明の実施の形態4における電気機械共振器を示す図 本発明の実施の形態4における電気機械共振器の製造工程を示す図 本発明の実施の形態5における電気機械共振器を示す図 本発明の実施の形態5における電気機械共振器の製造工程を示す図 本発明の実施の形態6における電気機械共振器を示す図 本発明の実施の形態6における電気機械共振器の製造工程を示す図 本発明の実施の形態7における電気機械共振器を示す図 本発明の実施の形態7における電気機械共振器の製造工程を示す図 本発明の実施の形態8における電気機械共振器の製造工程を示す図 本発明の実施の形態9における電気機械共振器を示す図 本発明の実施の形態9における電気機械共振器の製造工程を示す図 従来例の電気機械共振器を示す図 従来例の電気機械共振器を示す図
符号の説明
101 基板
103 第1の絶縁膜
105 第2の絶縁膜
107 固定電極
109 振動子
111 広い幅のギャップ(第2の領域)
113 狭い幅のギャップ(第1の領域)
115 保護膜
121 台形断面梁の振動子
123 四角形型の振動子

Claims (21)

  1. 固定電極と、
    前記固定電極とギャップを介して形成された振動子とを具備した共振部を備え、
    前記固定電極の厚さ方向で、前記ギャップ幅が異なる領域を有する電気機械共振器。
  2. 請求項1に記載の電気機械共振器であって、
    前記ギャップは、その幅が一定である第1の領域と、前記固定電極と前記振動子との間の静電容量を無視しうる程度に大きい第2の領域をもつ電気機械共振器。
  3. 請求項1に記載の電気機械共振器であって、
    前記振動子は、第1及び第2の固定電極の間にギャップを介して配されている電気機械共振器。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の電気機械共振器であって、
    前記ギャップがエアギャップのみである電気機械共振器
  5. 請求項1乃至3のいずれかに記載の電気機械共振器であって、
    前記ギャップがエアギャップと誘電体ギャップとを含む電気機械共振器。
  6. 請求項1乃至3のいずれかに記載の電気機械共振器であって、
    前記ギャップが誘電体ギャップのみである電気機械共振器。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の電気機械共振器であって、
    前記振動子は単結晶シリコンである電気機械共振器。
  8. 請求項1乃至6のいずれかに記載の電気機械共振器であって、
    前記振動子はポリシリコンである電気機械共振器。
  9. 請求項1乃至8のいずれかに記載の電気機械共振器であって、
    前記固定電極は基板に所定のポストを介して形成され、
    前記振動子の側面は前記基板表面に対して傾斜面を構成する電気機械共振器。
  10. 請求項1乃至8のいずれかに記載の電気機械共振器であって、
    前記固定電極は基板に所定のポストを介して形成され、
    前記振動子の側面は前記基板表面に対して垂直である電気機械共振器。
  11. 請求項1乃至10のいずれかに記載の電気機械共振器であって、
    前記固定電極の厚さが前記振動子の厚さよりも厚い電気機械共振器。
  12. 請求項1乃至10のいずれかに記載の電気機械共振器であって、
    前記固定電極の厚さが前記振動子の厚さと同等である電気機械共振器。
  13. 請求項1乃至10のいずれかに記載の電気機械共振器であって、
    前記固定電極の厚さが前記振動子の厚さよりも薄い電気機械共振器。
  14. 請求項1乃至13のいずれかに記載の電気機械共振器であって、
    基板上に、共振周波数の異なる複数の共振部を備えた電気機械共振器。
  15. 請求項2に記載の電気機械共振器であって、
    前記共振部は
    第1の共振部と、
    第2の共振部とで構成され、
    前記ギャップのうち幅が一定である第1の領域の長さが、前記第1及び第2の共振部で互いに異なる電気機械共振器。
  16. 基板に第1の電極を形成する工程と、
    前記第1の電極の上層に絶縁膜を成膜する工程と、
    前記絶縁膜の上層に導電体層を形成し、これを平坦化して第2の電極を形成する工程と、前記第1の電極と第2の電極との間にギャップを形成する工程とを含み、
    前記第1及び第2の電極のいずれか一方で構成された固定電極と、
    前記固定電極とギャップを介して形成され、前記第1及び第2の電極の他方で構成された振動子とを具備した共振部を備え、
    前記固定電極の厚さ方向で、前記ギャップ幅が異なる領域を有する電気機械共振器を形成するようにした電気機械共振器の製造方法。
  17. 請求項16に記載の電気機械共振器の製造方法であって、
    前記ギャップを形成する工程は、
    前記電極に、前記第1および第2の電極の間の静電力を無視しうる程度にギャップ幅の大きい第2の領域となる溝を形成する工程と、
    前記溝から連通する領域の前記絶縁膜を除去し第1の領域となるエアギャップを形成する電気機械共振器の製造方法。
  18. 請求項16に記載の電気機械共振器の製造方法であって、
    前記ギャップを形成する工程は、
    前記電極に絶縁性不純物をドープし、誘電体化することにより、前記第1および第2の電極の間の静電力を無視しうる程度にギャップ幅の大きい第2の領域となる誘電体溝を形成する工程を含み、
    前記誘電体溝から連通する領域の前記絶縁膜を第1の領域とし誘電体ギャップを形成する電気機械共振器の製造方法。
  19. 請求項16に記載の電気機械共振器の製造方法であって、
    前記ギャップを形成する工程は、
    前記絶縁膜を除去しエアギャップを形成する工程と、
    前記エアギャップに連結されるように前記電極に絶縁性不純物をドープし、誘電体化することにより第2の領域となる誘電体溝を形成する工程を含み、
    前記エアギャップと誘電体溝とからなるギャップを形成する工程とを含む電気機械共振器の製造方法。
  20. 請求項17に記載の電気機械共振器の製造方法であって、
    傾斜面を持つようにエッチングし断面三角形の振動子を形成した後、この振動子の上層に絶縁層を成膜する工程と、
    前記絶縁層の上層に導電体層を形成する工程と、
    前記導電体層を、垂直方向にエッチングすることにより前記絶縁層に到達する前記溝を形成する工程とを含む電気機械共振器の製造方法。
  21. 請求項17に記載の電気機械共振器の製造方法であって、
    基板に溝を形成する工程と、
    前記溝に絶縁層を成膜する工程と、
    前記溝に導電体層を充填する工程と、
    前記導電体層を傾斜方向にエッチングすることにより前記絶縁層に到達する前記溝を形成する工程とを含む電気機械共振器の製造方法。
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