JP2009278369A - 電気機械共振器 - Google Patents

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Abstract

【課題】電極と振動子の対向面積を増大し、消費電力の低い電気機械共振器を提供する。
【解決手段】本発明は電気機械共振器の振動子の少なくとも2面、すなわち側面部、及び上面部の両面に固定電極を設置して振動を励起させることを特徴とする。主に固定電極の配置において、振動子の片側の側面、及び上面に電極を設置すると振動子の中心を回転軸として回転モーメントが働くことになる。本発明の固定電極配置によれば、製造方法を複雑にすることなく電極形成が可能となり、素子抵抗を改善するために必要な容量面積も増やすことができる。ねじり振動で共振させる電気機械共振器として最適な固定電極の配置を実現する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気機械共振器に係り、特にMEMS(Micro Electro Mechanical Systems) 技術を用いて作製する電気機械共振器に関する。
無線通信システムフロントエンド部の基準発振器、及びマイコンのクロック用に使われているタイミング・デバイスとして、現在は主に水晶が利用されている。水晶は、温度特性や周波数の安定性などの観点から多くの商品に活用されているが、サイズが大きいことやICとの集積化が困難であることから、シリコン微細加工技術を用いた電気機械共振器が注目されている。
近年では、さまざまな分野で超微細化を実現する電気機械素子を用いたMEMS技術が進展しており、特に製造方法としてシリコン・プロセスを利用する電気機械共振器のモノシリック化の実現が期待されている。又、電気機械共振器のエネルギー損失を示す値(Quality Factor, Q)とは構造の表面エネルギー損失、機械的振動の散逸などによる振動エネルギー損失が挙げられるが、特に高Q値化を実現するためには、共振器に最適な機械振動モードや構造を支える支持部の工夫が必要となってくる。例えば構造の支持部からの振動散逸を低減するねじり振動モードなどを用いることで、エネルギー損失が少ない高Qで低損失の電気機械共振器を実現することができる。
図16、図17は、ねじり振動モードを有した電気機械共振器(非特許文献1、2)の例を示す。図16は共振器の振動子101とその下層部に配置された固定電極103でねじり振動を構成する例である。共振器の固定電極103に電気信号を入力すると振動子101に回転モーメントが発生し、支持部105を中心にねじり振動が励振されることになる。
非特許文献2では、図17に示すように共振器の振動子107とその側面に固定電極109を配置した構造により、ねじり振動を励振させるように構成されている。図17に示す共振器においては、固定電極109に電気信号を入力すると、振動子107と固定電極109の間に働く静電力により振動子107がねじり振動を有し、振動子の固有振動数すなわち共振周波数で励振される。
このように従来の電気機械共振器では、固定電極を振動子の下層部に配置する方法(図16)、及び固定電極を振動子の側面に配置する方法(図17)で、共振器のねじり振動を励起させる構成をとっている。
K. Petersen,"Silicon Torsional Scanning Mirror" IBM J. Res.Develop., vol 24, no. 5, Sept. 1980 R.E. Milhailovich, N.C. MacDonald, "Dissipation Measurements of Vacuum-operated Single-crystal Silicon Microresonators", Sensors and Actuators A 50 (1995) 199-207.
しかし、非特許文献1の電気機械共振器で示す固定電極の配置方法では、振動子の下層部に電極を設置するため、共振器が多層構造になり製造方法が困難になる課題が発生する。
又、非特許文献2の電気機械共振器で示す固定電極の配置方法では、振動子の側面に電極を設置するため、電極と振動子が重なり、容量を生成する容量面積が小さくなり、回転モーメントを駆動させる静電力が小さくなる。又、いずれの構造も容量面積が小さいため共振器の素子抵抗を下げることが困難になり、発振器の低消費電力化が課題となる。
本発明は前記実情に鑑みてなされたもので、電極と振動子の対向面積を増大し、消費電力の低い電気機械共振器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は電気機械共振器の振動子の少なくとも2面、すなわち側面部、及び上面部の両面に固定電極を設置してねじり振動あるいはたわみ振動を励起させるようにしたことを特徴とする。主に固定電極の配置において、振動子の片側の側面、及び上面に電極を設置すると振動子の中心を回転軸として回転モーメントが働くことになる。
本発明の固定電極配置によれば、製造方法を複雑にすることなく電極形成が可能となり、素子抵抗を改善するために必要な容量面積も増やすことができ、ねじり振動で共振させる電気機械共振器として最適な固定電極の配置を実現する。
本発明の電気機械共振器の電極配置では、製造方法を複雑にすることなく振動子の側面部と上面部に固定電極を配置することを可能とする。又、振動子と固定電極間で重なる容量面積を増大するため、回転モーメントを発生させる駆動力が改善され、共振器の素子抵抗が下がるため、消費電力の改善にも効果的である。
また、本発明の電気機械共振器では、固定電極を形成するためのパターンを調整するだけで所望のねじりモーメントを生成し得、ねじり振動をする電気機械共振器の設計が容易となる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1、図2は、本発明の実施の形態1の電気機械共振器を示す概略説明図である。
本発明の電気機械共振器は図1に断面図を示すように、台形梁構造の振動子13と、この振動子の上面および側面に所定の間隔(エアギャップ)15,17を隔てて配置された固定電極11(固定電極11a、11b)で構成されており、振動子13はねじり振動の基本(一次)モードを有する。振動子13と固定電極11の間にはエアギャップ15とエアギャップ17が形成され、これらを介して振動子13と固定電極11の間で容量結合が形成される。エアギャップ15は振動子13の上面部とその上に重なる固定電極11との間に形成されており、エアギャップ17は振動子13の側面部とその側面に重なる固定電極11との間に形成されている。
ここで左右の固定電極11a、11bの形状が調整され、振動子13とのオーバラップ面積が所望の値となるように構成されている。
図1で示す振動子13の斜線はねじり振動で励振された状態を表す。図1に示す固定電極によれば、振動子13と固定電極11の結合領域が増えるため共振器の容量面積が増加し、ねじり振動を発生させる回転モーメントが大きくなる。又、容量面積が増加することにより、共振器の等価回路を表す素子抵抗(Rx) が小さくなる。素子抵抗(Rx)は以下の式1で表される。
(式1):
Rx = [Kr/(wo*Q*VDC 2)]*[do 4/(eo 2*A2)]
ここでKrは共振器のばね定数、woは共振周波数、doはエアギャップ幅、Aは容量結合を構成する領域の面積を表す。式1から示される共振器の素子抵抗は、容量面積の2乗に反比例の関係にあるため、本発明の固定電極の配置により素子抵抗の改善に効果的であることがわかる。図2は図1の構成を上面図から表した説明図であり、固定電極11の一方を電気信号の入力端子(Vin)11aに、固定電極11の他方を電気信号の出力端子(Vout)11bとしている。振動子13に接続されているVDCは共振器の振幅を増幅させる役目を果たすものであり、振動子13にDC電圧を印加する。
次に本発明の実施の形態1の電気機械共振器の製造方法について説明する。
図3は本発明の実施の形態1における電気機械共振器の製造方法を示す図である。
まず、材料基板1としてシリコン基板表面に、第1の絶縁膜3としての酸化シリコン層を介して単結晶シリコン薄膜13を形成したSOI基板を用意する。
次いで、図3(a)に示すように、フォトリソグラフィによりマスクパターンを形成し、このマスクパターンを用いて異方性エッチングを行うことにより、(傾斜角54.7度の)傾斜した側面をもつ断面台形の梁状体からなる振動子13を形成し、この上層に、図3(b)に示すように、第2の絶縁膜5として酸化シリコン層を成膜する。
そして図3(c)に示すように、第2の絶縁膜5上に、CVD法により、固定電極11となるドープト多結晶シリコン層を成膜する。このとき、平坦な膜を形成するように減圧CVD法などを用いるのが望ましい。
次に、図3(d)に示すように、この固定電極11となる多結晶シリコン層にマスクパターンを形成して溝(開口)O1を堀り、振動子11の上層に形成される第2の絶縁膜5を露出する。
最後に、図3(e)に示すように、表面に露呈する第2の絶縁膜5をエッチングにより除去し、エアギャップ15,17を形成するとともに振動子13の下にある第1の絶縁膜3を除去し、電気機械共振器を形成する。
このようにして、図1に示した電気機械共振器を作業性よく形成することができる。
なお、前記実施の形態1では、固定電極11を基板上のポストとしての第1の絶縁膜3を介して形成しており、振動子13の下のこのポストに対応する部分をエッチング除去することにより、振動子13を選択的に可動にすることができる。
また、振動子13の上面は水平面、側面は傾斜面であり、この水平面および傾斜面に沿って所定の間隔のエアギャップ15,17を隔てて固定電極11が大面積にわたって対向しており、良好に静電力が作用するように構成されている。
なお、前記実施の形態では、振動子13を構成する断面台形の梁状体を単結晶シリコンで構成しているため、この振動子13のパターニングに際し、シリコンの異方性エッチングにより極めて制御性よく形状加工を行うことができる。
また、本実施の形態では出発材料を構成する材料基板としてシリコン基板に単結晶シリコン基板を貼着して形成したSOI基板を用いたが、多結晶シリコンあるいはアモルファスシリコンを貼着したSOI基板を用いてもよいことはいうまでもない。このときは単結晶の結晶面に依存する異方性エッチングをエッチング終点として用いるという制御ができない。
なお、本発明の電気機械共振器では、構造として側面が基板に対して傾斜する斜面を有する台形断面梁を用いたが、構造の側面が基板に対して垂直である四角形、及び長方形の梁型共振器においてもこの電極の配置により、同様の効果を得ることができる。
また、本発明の電気機械共振器では、振動子13を構成する梁の両端が支持されているが、この支持が片持ちである構造、及び中心から支持されている構造においても、この電極の配置により、同様の効果を得ることができる。
(実施の形態2)
次に本発明の実施の形態2について説明する。
本実施の形態では、基本構造は前記実施の形態1の電気機械共振器と同様に形成されているが、前記実施の形態1では上部に形成した開口O1を介して犠牲層としての第1および第2の絶縁膜3,5を除去したのに対し、本実施の形態では、図4(e)に示すように、基板1を貫通させて犠牲層としての第1および第2の絶縁膜3,5を基板下からも除去するようにしたことを特徴とするものである。
図4は本発明の実施の形態2における電気機械共振器の製造方法を示す図である。
図4(a)乃至(c)に示す工程までは前記実施の形態1の図3(a)乃至(d)およびその説明に示した工程と同様である。このようにして第2の絶縁膜5上に、CVD法により、固定電極11となるドープト多結晶シリコン層を成膜する。そして図4(d)に示すように、この固定電極11となる多結晶シリコン層にマスクパターンを形成して溝Oを堀り、振動子11の上層に形成される第2の絶縁膜5を露出するとともに基板1の裏面側にマスクパターンを形成して基板1に溝Oを開口する。
そして最後に図4(e)に示すように、溝O1、O2からエッチング液が入りこむようにし、表面に露呈する第2の絶縁膜5をエッチングにより除去し、エアギャップ15,17を形成するとともに振動子13の下にある第1の絶縁膜3を除去し、電気機械共振器を形成する。
このようにして、電気機械共振器を作業性よく形成することができる。
梁の幅が広くなると振動子13の下層部に形成された犠牲層(第1の絶縁膜3)の除去が難しくなるが、この方法によれば、エッチング液が回り込みやすく良好にエアギャップが形成される。
(実施の形態3)
図5は、本発明の実施の形態3の電気機械共振器を示す概略説明図である。
本発明の電気機械共振器は図5に上面図を示すように、パドル型共振器の振動子21と固定電極23で構成されており、共振器はねじり振動を有するように固定電極23がパターニングされている。パドル型共振器は梁型共振器に対して振動子の質量が大きいため、低い共振周波数を有する。本発明によれば、振動子21のパドル部33の近傍に形成する固定電極23を振動子21の側面部と上面部に形成することで、最適なねじり振動を励起することが可能となる。効果としては実施の形態1と同様である。
なお、本発明では固定電極23を振動子21のパドル部33のみに配置したが、固定電極を振動子の梁部35にも配置してねじり振動を励起させることで、同様な効果が得られるが、さらなる静電容量の増大をはかり駆動力を高めることで、駆動電圧の低減をはかることができる。
(実施の形態4)
図6は、本発明の実施の形態4の電気機械共振器を示す概略説明図である。
本発明の電気機械共振器は図6に上面図を示すように、ダンベル型共振器の振動子25と固定電極27で構成されており、共振器はねじり振動を有する。ダンベル型共振器は構造の中心から支持部29で支持されており、パドル部37(37u、37d)の左右の位相が反転して駆動し、振動子25がねじり振動で励起される。この場合、構造の節31は振動子25の中心で構成されることになる。
振動子25は、ねじり振動の軸となる第1の梁40と、この第1の梁40の両端に形成されたパドル部37(37u、37d)と、節31からこの第1の梁40と直交する方向に伸長する第2の梁29と、この第2の梁29の両端にそれぞれ形成された支持部30a、30bとを具備している。
パドル部37(37u、37d)は、それぞれ両端を第1乃至第4の固定電極(27a〜27d)と対向しており、互いに点対称位置にある第1の電極27aと第3の電極27c、第2の電極27bと第4の電極27dが同電位となるように構成され、それぞれ入力端子、および出力端子を構成している。
本実施の形態ではパドル部37(37u、37d)の左右の位相が反転するように、駆動され、振動子25がねじり振動で励起される。
図7は本発明のダンベル型共振器の振動子25がねじり振動で共振したシミュレーション結果の一例を示す。固定電極の配置方法による効果としては実施の形態1と同様である。
(実施の形態5)
図8、図9は、本発明の実施の形態5の電気機械共振器を示す概略説明図である。
本発明の電気機械共振器は図8に上面図、図9に図8のA―A’ 断面図を示すように、台形梁構造の振動子13の長さ方向に所定の間隔で8個の貫通孔Hを設けた構造であり、梁の幅が広くなると振動子13の下層部に形成された犠牲層(第1の絶縁膜3)の除去が難しくなるが、製造工程において、この貫通孔Hがエッチング液の注入口として働くことで、製造が容易となる。またこの貫通孔Hは振動子13の中心軸を通るように形成されているため、ねじり運動に与える影響は大きくはない。
他は、図1および2に示した前記実施の形態1の電気機械共振器と同様に構成されている。
この構成によれば、貫通孔Hの存在により、エッチング液の注入が容易となり構造開放が簡単になる。
(実施の形態6)
図10および図11は、本発明の実施の形態6の電気機械共振器を示す概略説明図、図12はこの製造工程を示す図である。
本発明の電気機械共振器は図10に上面図、図11に図10のB―B’ 断面拡大図を示すように、図5に示した実施の形態3の電気機械共振器の変形例であり、パドル部33に多数の貫通孔H1を形成するとともに、図11に示すように、振動子13は、各貫通孔H1に対してテーパ面を構成している。この貫通孔H1の端面形状に沿って、この上層にエアギャップ15,17を隔てて形成される固定電極23もテーパ面を構成しており、その分容量面積を増大することができる。また、台形梁構造の振動子21は、パドル部33および梁部35ともに所定の間隔で8個の貫通孔H1を有するため、梁の幅が広くなっても振動子21の下層部に形成された犠牲層(第1の絶縁膜3)の除去に際し、ここでも貫通孔H1がエッチング液の注入口として働くことで、製造が容易となる。またこの貫通孔H1は振動子13の中心軸に対して対称に配置されているため、ねじり運動に与える影響は大きくはない。
さらにまた、本実施の形態では、固定電極23がパドル部33の端縁を覆うように大きく構成されており、パドル部33の端縁のテーパ面も容量面積として、容量の増大に大きく寄与することになる。
他は、図5に示した前記実施の形態3の電気機械共振器と同様に構成されている。
ここでも右の固定電極23a、23bの形状が調整され、振動子21とのオーバラップ面積が所望の値となるように構成されている。本実施の形態の電気機械共振器においても、前記実施の形態3と同様、固定電極23の一方を電気信号の入力端子(Vin)23aに、固定電極23の他方を電気信号の出力端子(Vout)23bとしている。振動子21に接続されているVDCは共振器の振幅を増幅させる役目を果たすものであり、振動子21にDC電圧を印加する。
図12は本発明の実施の形態6における電気機械共振器の製造方法を示す図であり、図11のB−B’ 断面図に相当する。
まず、材料基板1としてシリコン基板表面に、第1の絶縁膜3としての酸化シリコン層を介して単結晶シリコン薄膜21を形成したSOI基板を用意する。
次いで、フォトリソグラフィにより貫通孔を開口するためのパターンを含むマスクパターンを形成し、このマスクパターンを用いて異方性エッチングを行うことにより、貫通孔を含む振動子のパターニングを行なう。ここでは貫通孔および端面において(傾斜角54.7度の)傾斜した側面をもつ断面台形の梁状体からなるパドル部33を含む振動子21を形成し、この上層に、第2の絶縁膜5として酸化シリコン層を成膜する。
そして図12(a)に示すように、第2の絶縁膜5上に、CVD法により、固定電極23となるドープト多結晶シリコン層を成膜する。このときも、平坦な膜を形成するように減圧CVD法などを用いるのが望ましい。
次に図12(b)に示すように、この固定電極23となる多結晶シリコン層にマスクパターンを形成して溝(開口)O1を堀り、振動子21の上層に形成される第2の絶縁膜5を露出する。
最後に図12(c)に示すように、表面に露呈する第2の絶縁膜5をエッチングにより除去し、エアギャップ15,17を形成するとともに振動子13の下にある第1の絶縁膜3を除去し、電気機械共振器を形成する。
この方法によれば、貫通孔が多数設けられているため、この貫通孔となる開口O1を介してエッチング液が入り込むため、図10に示した電気機械共振器を作業性よく形成することができる。
(実施の形態7)
次に本発明の実施の形態7の電気機械共振器の製造工程について説明する。
本発明の電気機械共振器は、上面図については図10および図11に示した前記実施の形態6と略同様であるが、本実施の形態では、図13に示すように、振動子を構成する梁が貫通孔をもつことなく、凹凸を構成したことを特徴とするもので、この凹凸により電極面積の増大を図るようにし、容量の増大を図ることができる。
なおこの場合は、下方の犠牲層の除去が困難となるため、前記実施の形態3と同様基板側に開口を形成し、この開口を介してエッチング液を注入することが必要となる。
図13は本発明の実施の形態7における電気機械共振器の製造方法を示す図であり、図11のB−B’ 断面図に相当する。
まず、材料基板1としてシリコン基板表面に、第1の絶縁膜3としての酸化シリコン層を介して単結晶シリコン薄膜21を形成したSOI基板を用意する。
次いで、フォトリソグラフィにより貫通孔を開口するためのパターンを含むマスクパターンを形成し、このマスクパターンを用いて異方性エッチングを行うことにより、(傾斜角54.7度の)傾斜した側面をもつ断面台形の梁状体からなるパドル部33を含む振動子21を形成するが、ここで前記実施の形態6と異なるのは、貫通孔H1を形成することなく、所定の間隔で、側面がテーパ面となる凹部C1を形成する点である、そして、この上層に、第2の絶縁膜5として酸化シリコン層を成膜する。
そして図13(a)に示すように、第2の絶縁膜5上に、CVD法により、固定電極23となるドープト多結晶シリコン層を成膜する。このときも、平坦な膜を形成するように減圧CVD法などを用いるのが望ましい。
次に図13(b)に示すように、この固定電極23となる多結晶シリコン層にマスクパターンを形成して溝(開口)O1を堀り、振動子21の上層に形成される第2の絶縁膜5を露出する。
最後に図13(c)に示すように、基板1の裏面側にもマスクパターンを形成し、裏面側から貫通開口部O2を形成し、第1の絶縁膜3および、表面に露呈する第2の絶縁膜5をエッチングにより除去し、エアギャップ15,17を形成するとともに振動子13の下にある第1の絶縁膜3を除去し、図13(d)に示すように、電気機械共振器を形成する。
この方法によれば、上面側は固定電極23に貫通孔が多数設けられているため、この貫通孔となる開口O1を介してエッチング液が入り込み、犠牲層を除去することができ、一方裏面側の開口部O2を介して梁の下部にエッチング液が入り込むため、電気機械共振器を作業性よく形成することができる。
(実施の形態8)
図14は、本発明の実施の形態8の電気機械共振器を示す上面図である。本実施の形態ではパドル部33を枠状の錘に形成したもので、2段階のテーパ断面を有する。この枠状のパドル部33にギャップ幅を介して固定電極を形成する。
この構成によれば、固定電極の強度を改善することができる。例えばパドル部33が大きな領域を有する場合、その上面に形成される固定電極は側面に形成される固定電極と繋がっているため、段差を有する片持ち構造に相当する。しかしその場合、微小なギャップを均一に保持して固定電極を形成するのが困難になる。そのため、2段階のテーパ断面をもつ枠状にすることで電極の強度を改善する。
(実施の形態9)
図15は、本発明の実施の形態9の電気機械共振器を示す図であり図15(a)は上面図、図15(b)は要部断面図である。本実施の形態は枠状の錘33の内側にパドル部37を形成し、梁39で枠状に接続された構造である。
この構成によれば、支持部35から基板へ振動が散逸する損失を低減する。図15(b)は枠状の錘33とパドル部37が駆動した状態の断面図を示し、回転モーメントがそれぞれ反対にかかり振動することになる。これにより、枠状の錘33とパドル部37の接続点では回転モーメントが発生しない領域となり、振動の散逸を改善する。
なお、本実施の形態の固定電極は、枠状の錘33の上面と外側の側面に形成されたが、その構成には限定せず、例えばパドル部37の側面と上面に形成する方法、及び錘33とパドル部37の両方に形成する構成を用いても良い。
また、前記実施の形態では、ねじり振動を構成する電気機械共振器について説明したが、ねじり振動に限定されることなくたわみ振動の場合にも適用可能であり、容量面積を増大できることから、より小型化、および駆動電力の低減が可能となることはいうまでもない。
さらに、ねじり振動の生起に際し、位相を反転させる例について説明したが、位相は反転する必要はなく、ずれていればよい。
本発明にかかる電気機械共振器は、振動子と固定電極との容量結合面積を増大し、ねじり振動に最適な電極構造を有し、製造方法の簡易化による低コスト化、及び低消費電力化、小型化が可能となり、電気機械フィルタ、電気機械スイッチをはじめとし携帯端末など種々の小型機器への適用が可能となる。
本発明の実施の形態1における電気機械共振器を示す断面図 本発明の実施の形態1における電気機械共振器を示す上面図 本発明の実施の形態1における電気機械共振器の製造工程を示す図 本発明の実施の形態2における電気機械共振器の製造工程を示す図 本発明の実施の形態3における電気機械共振器を示す上面図 本発明の実施の形態4における電気機械共振器を示す上面図 本発明の実施の形態4のねじり振動をシミュレーション結果で示す斜視図 本発明の実施の形態5における電気機械共振器を示す上面図 本発明の実施の形態5における電気機械共振器を示す断面図 本発明の実施の形態6における電気機械共振器を示す上面図 本発明の実施の形態6における電気機械共振器を示す上面拡大図 本発明の実施の形態6における電気機械共振器の製造工程の一部を示す断面図 本発明の実施の形態7における電気機械共振器の製造工程の一部を示す断面図 本発明の実施の形態8における電気機械共振器を示す上面図 本発明の実施の形態9における電気機械共振器を示す図(a)は上面図(b)は要部断面図 従来例における電気機械共振器を示す断面図 従来例における電気機械共振器を示す断面図
符号の説明
11、23、27、103、109 固定電極
13、21,25、101、107 振動子
15 振動子の上面部に構成するエアギャップ
17 振動子の側面部に構成するエアギャップ
29、105 支持部
31 節
33,37 パドル部
35、40 梁部

Claims (7)

  1. 固定電極と、
    前記固定電極とギャップを介して形成された振動子とを具備した共振部を備え、
    前記固定電極が前記振動子の少なくとも2面にわたって配置された電気機械共振器。
  2. 請求項1に記載の電気機械共振器であって、
    前記固定電極が振動子の側面と上面に配置された電気機械共振器。
  3. 請求項2に記載の電気機械共振器であって、
    前記固定電極が振動子の上面で2分割され、それぞれ入力端子および出力端子を構成する電気機械共振器。
  4. 請求項3に記載の電気機械共振器であって、
    前記振動子はねじり振動を有する電気機械共振器。
  5. 請求項4に記載の電気機械共振器であって、
    前記振動子は、長手方向に同一径をもつ梁構造を有する電気機械共振器。
  6. 請求項4に記載の電気機械共振器であって、
    前記振動子はパドル型構造を有する電気機械共振器。
  7. 請求項4に記載の電気機械共振器であって、前記振動子はダンベル型構造を有する電気機械共振器。
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