JP2008205447A - 電波吸収体 - Google Patents

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Abstract

【課題】サービスエリアの自由度が高い無線LANやRFID等の無線通信システムに好適に対応できるよう、電波の入射方向に拘わらず高い電波吸収性を有し、取り扱い性に優れ、オフィスや店舗、物流倉庫、公共建築物や一般住宅、マンション一般建築材料として汎用的に利用できる製造コストで製造できる電波吸収体を提供する。
【解決手段】 平均繊維長2〜11mmの導電性繊維を0.4〜3質量%含有する抵抗膜層とスペーサーと反射材層とを積層してなり、垂直入射に対し最大の電波吸収量を示す周波数において、当該最大電波吸収量、および当該最大電波吸収量を示す測定方向に直交する測定方向における電波吸収量がいずれも10dB以上の電波吸収体である。
【選択図】図1

Description

本発明は、無線LANやRFID等の無線通信システムにおける電波障害を軽減するために用いられる電波吸収体に関する。
マイクロ波やミリ波を利用した各無線通信機器の実用化に際し、隣接するビルや同一ビルのテナント、あるいは上下階から到来する不要電波や室内什器による多重反射波は、伝送速度(スループット)の低下を招来し、また情報の漏洩防止や外部からの進入電波による誤作動やノイズ防止などのセキュリティの観点から、電波吸収体の必要性が高まっている。最近では、無線通信システムのサービスエリア拡大に伴い、オフィスや店舗、物流倉庫、公共建築物等の商業施設や、一般住宅、マンションなどの一般住環境においても使用できる電波吸収体の要求が高まっている。そのような使用環境においては、ある特定の方向から入射電波は吸収するが、他方向からの入射電波は吸収しないといった電波吸収性能に異方性があると、十分な電波吸収性能が発揮できなくなるため、上記異方性をできるだけなくすことが要求される。さらに、壁材やパーティションなどの一般的な建築内装材と同様に設置が簡単であることや、移動がしやすいなどの取り扱い性、また汎用的に利用できるよう低コストであることも重要である。
抵抗膜をスペーサーを介し反射材から1/4波長の位置に配したλ/4型電波吸収体は、そのシンプルな構造から、様々の材料で多くの検討がなされてきた。
抵抗膜に酸化インジウム錫(ITO)蒸着フィルムを用いた電波吸収体は、抵抗膜の表面抵抗率のばらつきが少ないため電波吸収性に異方性が生じにくいものの、希少金属であるITOを使用するためコスト高となる問題があった。
特許文献1には、ITOに代わり導電性カーボンなどの導電性フィラーを含有させた樹脂をコーティングした抵抗膜が示されている。このような抵抗膜は、一定のコスト改善は見られたものの、導電層の付与工程自体がなくなるわけではないため、一般建築材料として利用できる程度のコストダウンとはいえない。また、導電性カーボンの分布にコーティング方向と幅方向で差が生じ、電波吸収性に異方性が生じやすい。TE/TM偏波での性能差が示すとおり、異方性が十分解消されたとはいえない。
特許文献2には、反射材として0.1mm〜10mmピッチの凹凸を有する金属箔に、スペーサを介し、炭素繊維混抄紙からなる抵抗膜を配置した電波吸収体が示されている。炭素繊維混抄紙は、抵抗膜の基材である紙の湿式抄造時に炭素繊維をスラリーに同時に抄きこんで製造できるため、導電層の付与工程を省くことができ、抵抗膜を安価に得る方法としてきわめて有用である。しかし、特許文献中2で示されるような炭素繊維量(5〜40%)で抄造すると、炭素繊維の量が多いため、水流の影響を受けて多くの炭素繊維がロール長軸方向に並びやすく、電波吸収性に異方性がでやすいという欠点があった。
特許文献2の出願人により、特許文献3では、異方性の解消を目的とし、和紙に炭素繊維が混入され、その炭素繊維が方向性を有するように並んでいる複数の和紙を、互いに炭素繊維の方向を異ならせて配置された状態でスペーサーを介して積層した電波吸収体が提案されている。しかしながら、このような電波吸収体を製造する際、和紙に含まれる炭素繊維の方向に留意して積層する必要があるため手間がかかり、また抵抗膜も複数枚となることから、製造コストのアップは避けられない。また、その方向を間違って積層した際、十分な吸収性能が得られなくなるといった問題もある。
特開2003−289196号公報 特開2000−91782号公報 特開2006−205524号公報
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、サービスエリアの自由度が高い無線LANやRFID等の無線通信システムに好適に対応できるよう、電波の入射方向に拘わらず高い電波吸収性を有し、取り扱い性に優れ、オフィスや店舗、物流倉庫、公共建築物や一般住宅、マンション一般建築材料として汎用的に利用できる製造コストで製造できる電波吸収体を提供することにある。
すなわち本発明は、平均繊維長2〜11mmの導電性繊維を0.4〜3質量%含有する抵抗膜層とスペーサーと反射材層とを積層してなり、垂直入射に対し最大の電波吸収量を示す周波数において、当該最大電波吸収量、および当該最大電波吸収量を示す測定方向に直交する測定方向における電波吸収量がいずれも10dB以上であることを特徴とする電波吸収体である。
本発明によれば、以下に説明するとおり、電波吸収性に異方性のない厚さの薄い電波吸収体となるため、物流倉庫やオフィスなどの商業施設、家庭など一般生活環境における床、壁、パーテーション、天井材に組み込んで、安定した電波吸収機能を付与できる電波吸収体を、複雑な製造工程を経ることなく、安価に提供することが出来る。
本発明の電波吸収体は、抵抗膜層を有する。抵抗膜層とは、電気的損失を持つ薄いシートからなる層である。この電気的損失により、電波エネルギーを微少な電流に変換し、さらに熱エネルギーに変換することで電波の減衰を行う。
抵抗膜層の電気的損失は、抵抗膜層に導電性繊維を含有させることにより付与することができる。導電性繊維は、抵抗膜層の形態の例として後述する紙においても分散性に優れる。導電性繊維としては、炭素繊維、金属繊維、または合成繊維の表面を金属または金属酸化物薄膜で被覆した繊維や、合成繊維に硫化銅を化学結合させた繊維を使用することができる。また、炭素繊維や炭化ケイ素繊維を製造する際に焼成温度を制御することにより得られる半導体繊維でもよい。中でも、軽く、長期間の使用においても殆ど性能の変化もないことから炭素繊維が特に好ましい。また、炭素繊維はその比重が軽いため、金属繊維などの比重の重い繊維に比べ、抄紙工程において水中での繊維の分散性が良いため好ましい。また、導電性繊維は、1種を単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
導電性繊維の平均繊維長としては、2〜11mmであることが重要である。2mm以上とすることで、導電性繊維同士が適度に接触するようになり、導電性カーボン粒子などの導電性フィラーに比べ、極めて少ない量で電波吸収特性を発現できるようになる。また11mm以下とすることにより、特定方向への配向が抑えられ、また、導電性繊維が折れたり歪曲したりすることを低減することができる。その結果、電波吸収体にした際、電波吸収性能に異方性が生じにくい。
また、導電性繊維の抵抗膜層に対する含有量としては、0.4〜3質量とすることが重要である。0.4質量%以上とすることで、抵抗膜層としての電気的損失を付与することができる。また、3質量%以下とすることで、電波を反射することなく吸収することができる。
また、導電性繊維の繊維長が短い場合には、電波吸収性能を発現させる上で導電性繊維の含有量は比較的多く必要になるものの、配向を抑え易いのでネットコンベアの速度を速くして生産性を向上させることができる傾向にある。一方、導電性繊維の繊維長が長い場合には、含有量は比較的少量ですむものの、ネットコンベアの速度は遅めにしたほうがより異方性のより小さい抵抗膜層を得ることができる傾向にある。導電性繊維の繊維長と配合量とのより好ましい組み合わせとしては、例えば平均繊維長3mmの場合、その配合量は0.4〜2質量%であることが好ましく、また平均繊維長6mmの場合、その配合量は0.4〜1.5質量%であることが好ましい。
抵抗膜層は、導電性繊維を含有する紙であることが好ましい。紙とすることで、少量の導電性繊維の添加によっても効率よく電波吸収性能を得ることができ、ひいては軽量化も可能であるため好ましい。
また、導電性繊維を含有する紙は、容量性のセサプタンスを有する抵抗膜となり、細い抵抗体を並べた誘導性のセサプタンスを有する抵抗膜を用いた電波吸収体に比べ、スペーサーの厚みを薄くできるため好ましい。
また、抵抗膜層は、紙としての体をなす為に、導電性繊維の他に繊維長が2〜10mmのガラス繊維を含有していることが好ましい。
ガラス繊維は剛直な繊維であるため、紙にした際、紙の強度を上げることができ、難燃性を有する繊維であるため、抵抗膜層の難燃性の向上につながる。また、ガラス繊維の繊維長を導電性繊維と同等な繊維長にすることにより、抄紙する際、導電性繊維がランダムに分散しやすくなり、導電性繊維の方向性を回避することができるため好ましい。
抵抗膜層には、水酸化アルミニウム等の無機結合材や、澱粉、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリエチレン、パラフィン、アクリル繊維等の有機結合材を添加してもよい。
有機結合材のなかでも、熱可塑性繊維が好ましい。スペーサーと接着する際、接着剤を使わず熱接着できる、といった利点を生み出すことができるためである。
熱可塑性繊維を形成する熱可塑性樹脂としては例えば、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン、ポリ−4−メチルペンテン、プロピレンと他のα−オレフィンとの2元系又は3元系共重合体等のチグラーナッタ系触媒やメタロセン系触媒を用いて重合されたポリプロピレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、酸成分をテレフタル酸以外にイソフタル酸を併用して重合した低融点ポリエステル等のポリエステル系樹脂、ナイロン−6、ナイロン−66等のポリアミド系樹脂、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂が挙げられる。これら熱可塑性樹脂は単独で使用しても良いし、二種類以上を混合して使用しても良い。
また、上記熱可塑性樹脂から、10℃以上の融点差を有する少なくとも2種類以上の熱可塑性樹脂を適宜選び、並列型、鞘芯型、偏芯型等の複合繊維としてもよい。当該複合繊維の低融点成分同士が熱接着することで、熱可塑性繊維としての強度と強固な接着とを両立させることができる。
また、上記熱可塑性樹脂には、酸化チタン、カーボンブラック等の無機物粒子や、紫外線吸収剤、抗菌剤、防カビ剤、難燃剤、制電剤、消臭剤、着色剤、耐光剤などが添加されていても良い。
抵抗膜層には、難燃剤を添加することも好ましい。前述のとおり、抵抗膜層の電気的損失により、電波エネルギーを熱エネルギーに変換することで電波の減衰を行うので、電波吸収体に強い電磁波を受けた場合にも、当該熱エネルギーによる燃焼を防ぐためである。難燃剤としては例えば、ガラス繊維、芳香族ポリアミド繊維、ポリエーテルエーテルケトン繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキザゾール繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維などの難燃性繊維や、リン酸アンモニウム等の無機リン系化合物、無機酸アンモニウム塩等の含窒素化合物、水酸化マグネシウム、カルシウム・アルミネート水和物等の金属水酸化物、水ガラス等の珪酸ナトリウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム等の無機化合物、酸化亜鉛、酸化マグネシウム等の金属酸化物、シリコーン系化合物等を採用することができる。これらを単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
なかでも、水酸化アルミニウムは材料コストの面からも好ましい。水酸化アルミニウムの抵抗膜に対する含有量としては、30質量%以上とするのが安定した難燃性を得る上で好ましい。
無機粒子状の難燃剤の平均粒子径としては、2〜5μmが分散安定性の点から好ましい。
抵抗膜層の形態としては、フィルム、不織布、紙が軽量性の点から好ましく、なかでも、不織布あるいは紙は、導電性繊維を均一に分散させることができる点からも好ましい。また抵抗膜層は、不織布や紙を樹脂等で固めた複合体であっても良い。
紙の形態の抵抗膜層の製造法としては例えば、導電性繊維とその他の構成材料とをともに水に混合したスラリーを抄きあげる湿式抄紙法や、導電性繊維とその他の構成材料とのそれぞれ少なくとも1種を空気中で攪拌混合し、これをシート状に捕集する乾式抄紙法が挙げられる。
湿式抄紙法および乾式抄紙法のいずれの場合も、抄きあげ手段に連続移動するネットコンベアを採用し、その移動速度を調整することにより、抵抗膜層ひいては電波吸収性能の異方性の解消をより高度に調整することができる。導電性繊維は長いほどその長手方向がネットコンベアの移動方向に平行に並びやすく、その配向具合はネットコンベアの移動速度によって調整することができる。
また、抵抗膜層は、複数枚積層しても良い。
抵抗膜層あるいはその積層の厚さとしては、製造性と軽量性の点から5mm以下とすることが好ましい。また、5mm以下とすることで、後加工も容易となる。
スペーサーは、電気的損失を持たない誘電体で構成されるシート状またはボード状のものである。
スペーサーの厚さを所望の吸収波長に応じて設定し、前述の抵抗膜層と後述する反射材層とをスペーサーを介して積層することによって、λ/4型の電波吸収体として好ましく機能させることができる。
スペーサーを形成する誘電体としては例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム等のジエン系ゴムや、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム等の非ジエン系ゴム等のゴム材料や、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリシロキサン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フッ素樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂等の各種樹脂、ガラス、繊維、紙、木材等を採用することができる。また、環境を配慮した、天然繊維およびポリ乳酸樹脂などの環境負荷が少ない材料も採用することができる。
スペーサーの材質あるいは構造としては、軽量性の点から、発泡スチロールや、空隙率の高いハニカム構造体、コルゲート構造体、格子構造体であっても良い。
またスペーサーは、使用環境中の水分を吸湿しないもの、または、防水・防湿加工されたものであることが好ましい。水分を吸湿してしまうと、その水分によりスペーサーの誘電率が変化してしまい、電波吸収性能が損なわれる恐れがあるためである。
またスペーサーは、難燃材料からなるものであるか、または、難燃加工されたものであることも好ましい。難燃性を有することで、ビルや住宅、病院等の難燃性を必要とする場所でも使用出来る。
スペーサーの厚さとしては、周波数0.5GHz〜18GHzにおける吸収したい電波の波長λに対し、λ/6〜λ/20であることが好ましい。λ/6以下とすることで取り扱い性に優れたものとすることができ、λ/20以上とすることで製造性に優れたものとすることができる。
反射材層は、電波を反射する層である。
反射材層としては、チタン、アルミニウム、ニッケル、金、銀、銅、鉄、ステンレス等の金属板もしくは箔、または前記金属をメッキもしくは蒸着したフィルム、織物、紙もしくは不織布などが挙げられる。また、導電性繊維の織物、導電性繊維を20質量%以上含有した紙なども用いることができる。中でも、軽量性の点から金属箔や金属を蒸着したフィルムが好ましい。
反射材層の電磁波遮蔽率としては、30dB以上が好ましい。電磁波遮蔽率とは、反射材層に入射した電磁波と反射材層を透過した電磁波との比率である。
本発明の電波吸収体は、保護層を表面の少なくとも一部、特に抵抗膜層の上に有してなることが好ましい。保護層は、抵抗膜層等が外部からの衝撃や圧力、水などの影響により破損しないように保護するための層である。
保護層は、電気的損失を持たない材料で構成されるものであることが好ましい。
保護層の材料あるいは形態としては例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム等のジエン系ゴムや、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム等の非ジエン系ゴム等のゴム材料や、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリシロキサン樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フッ素樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等の材料からなる樹脂膜やフィルム等のシートや、ガラス繊維やセラミック繊維等の無機繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸等のホモポリエステル、およびそれらのポリエステルの酸成分にイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸またはアジピン酸等を共重合した共重合ポリエステル等からなるポリエステル繊維、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ナイロン46、ナイロン6とナイロン66とを共重合した共重合ポリアミド等からなるポリアミド繊維、ポリビニルアルコール繊維、芳香族ポリアミド繊維、ポリエーテルエーテルケトン繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維等の合成繊維や、綿、麻、ウール、木材パルプといった天然繊維、レーヨン等の半合成繊維等からなる織物、編物、不織布等といった繊維を主体とする構造体等が挙げられる。難燃性の点からは、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂等が好ましい。また、保護層の形態のなかでも、軽量性、柔軟性および薄型化の点から、その形態は樹脂膜もしくはフィルムであることが好ましい。
また、保護層には、酸化チタン、カーボンブラック等の無機物粒子や、紫外線吸収剤、抗菌剤、防カビ剤、難燃剤、制電剤、消臭剤、着色剤、耐光剤などが添加されていても良い。
保護層に添加する難燃剤としては、非ハロゲンの難燃剤を使用することが好ましい。また、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウム等の無機粉体も好ましい。保護層に添加する無機粉体の難燃剤は、樹脂膜、フィルムや繊維構造体中に含有せしめてもよく、また、紙として繊維材料とともに抄きあげてもよい。
また、保護層の上にさらに意匠層を有するか、または保護層が意匠層を兼ねていることも好ましい。保護層により、オフィスや家庭などの一般生活環境に設置しても違和感の無い電波吸収内装材として使用することができる。意匠層は例えば、紙や編織物等の基材に、可塑剤、着色剤、充填剤等を配合したポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリウレタン等の樹脂をカレンダー法やコーテング法により塗布して樹脂層を形成し、この樹脂層の表面に印刷、発泡プリント、ケミカルエンボス、機械的エンボス等を施して形成することができる。
本発明の電波吸収体は、電波吸収性能が、垂直入射に対し最大の電波吸収量を示す周波数において、当該最大電波吸収量、および当該最大電波吸収量を示す測定方向に直交する測定方向における電波吸収量がいずれも10dB以上であることが重要であり、好ましくは15dB以上、より好ましくは20dB以上である。電波吸収体に入射する電波の電界方向の違いに関わらず安定した吸収性能を持つ電波吸収体となるため、製造時また設置の際に電波吸収性能の方向性を気にすることなく作業でき、極めて取り扱い性に優れるためである。
なお、垂直入射とは、一般に入射角度0度〜10度の範囲で電波が入射することを言い、本発明においては、入射角度7度で測定するものとする。
また本発明において、最大の電波吸収量を示す周波数は、周波数0.5GHz〜18GHzの範囲で0.05GHz刻みで電波吸収性能を測定して得られるものである。
また、周波数0.95GHz、2.45GHz、5.2GHzのいずれかにおいても、垂直入射に対し、最大電波吸収量、および当該最大電波吸収量を示す測定方向に直交する測定方向における電波吸収量がいずれも10dB以上であることが好ましく、より好ましくは15dB以上、さらに好ましくは20dB以上である。上記周波数は、無線LANやRFIDシステムで使用される周波数であるからである。
また、入射角30度の入射(斜入射)に対しても、周波数0.95GHz、2.45GHz、5.2GHzのいずれかにおいて、最大電波吸収量、および当該最大電波吸収量を示す測定方向に直交する測定方向における電波吸収量がいずれもTM波・TE波共に10dB以上であることが好ましく、より好ましくは15dB以上、さらに好ましくは20dB以上である。上記周波数は、無線LANやRFIDシステムで使用される周波数であるからである。無線LANやRFIDシステムにおいて電波吸収体を使用する場合、様々な方向から入射する電波を吸収する必要があるからである。
また、最大の電波吸収量を示す周波数faと、当該最大電波吸収量を示す測定方向に直交する測定方向において最大の電波吸収量を示す周波数fbとの比(fa>fbの場合はfa/fb 、fa<fbの場合はfb/fa)が、1.00〜1.15であることが好ましく、より好ましくは1.00〜1.05である。この比が1に近いほど、電波吸収性能の等方性に優れ、到来する電波の方向に関わらず電波を安定して吸収することができる。
以上のような電波吸収性能およびその等方性は、上述した抵抗膜層、スペーサー、反射材層を採用し、抵抗膜層における導電性繊維の繊維長と混率及び、スペーサーの厚みを調整することにより得ることができる。
[測定方法]
(1)垂直入射に対する電波吸収性能
ブランクとして、縦60cm×横60cm×厚さ5mmのアルミニウム板に、3m離れたアンテナから、500MHz〜18GHzの電波を0.05GHz刻みで、入射角度7度で入射した。そのときの反射レベルを、アジレントテクノロジー社製のネットワークアナライザを用いて測定した。
また、縦60cm×横60cmの電波吸収体の試料を前記アルミニウム板の上に重ねて置いて、電波の入射に対する反射レベルをブランクと同様にして測定した。
両者の反射レベルから次式により電波吸収体の電波吸収量を求めた。
電波吸収量(dB)=電波吸収体の反射レベル(dB)−アルミニウム板の反射レベル(dB)
電波吸収体の最大の電波吸収量を示す方向と周波数は、抵抗膜層の抄紙ロール方向を入射する電波の電界方向に平行に合わせ、その方向を基準(0度)として試料を30度刻みに90度まで回転させ、それぞれの角度で上記電波吸収性能を測定した結果より、最大の電波吸収量を示す方向と周波数fa、当該最大電波吸収量を示す測定方向に直交する測定方向における周波数faでの電波吸収量、および当該最大電波吸収量を示す測定方向に直交する測定方向において最大の電波吸収量を示す周波数fbを抽出した。
(2)斜入射に対する電波吸収性能
入射電波の周波数を0.95GHzとし、入射角度を30度とした以外は上記(1)と同様にして、TM波・TE波のそれぞれについて電波吸収量を求めた。
[実施例1]
(抵抗膜層)
平均繊維長3mmの炭素繊維、平均繊維長4mmのチョップドガラス繊維、木質パルプ、平均繊維長3mmの芯鞘型熱融着ポリエステル短繊維(東レ株式会社製“サフメット”(登録商標))、水酸化アルミニウムを、それぞれ1質量%、19質量%、7質量%、3質量%、70質量%の割合で混合し、巻き取りスピード100m/分で湿式抄紙し、厚み0.13mm、米坪量100g/mの抵抗膜層を得た。
(スペーサー)
厚さ15mm、密度0.01g/cmの発泡スチロールをスペーサーとした。
(反射材層)
厚さ0.05mmのアルミ蒸着フィルムを用いた。
(保護層・意匠層)
(株)サンゲツ社製 壁紙 品番S−9911(厚み0.5mm)を保護層兼意匠層とした。
(電波吸収体)
上記抵抗膜層、スペーサー、反射材層及び保護層(兼意匠層)をそれぞれ60cm×60cmに裁断した。その際、抵抗膜層の裁断方向は、抄紙の長手方向及び幅方向とした。
裁断した各材料を、層間を接着剤(コニシ(株)製 ボンドスプレーのり Z2)で接着させて反射材層/スペーサー/抵抗膜層/保護層の順に積層し、電波吸収体を得た。
この電波吸収体の垂直入射に対する電波吸収性能は、基準に対し0度の方向で周波数2.45GHz(fa)において最大の電波吸収量24dBを示した。また、最大の電波吸収量を示した測定方向に直交する方向における電波吸収量は21dBと、いずれの方向においてもその電波吸収量は10dB以上であり、faとfb(2.50GHz)の比(fb/fa)は1.02と、電波吸収性能の等方性にも優れたものであった。
[実施例2]
(抵抗膜層)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
(スペーサー)
市販の木質の合板(厚み11mm、密度0.78g/cm)を用いた。
(反射材層)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
(保護層・意匠層)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
(電波吸収体)
上記抵抗膜層、スペーサー、反射材層及び保護層・意匠層を用い、実施例1と同様にして電波吸収体を得た。
この電波吸収体の垂直入射に対する電波吸収性能は、基準に対し0度の方向で周波数2.45GHz(fa)において最大の電波吸収量24dBを示した。また、最大の電波吸収量を示した測定方向に直交する方向における電波吸収量は21dBと、いずれの方向においてもその電波吸収量は10dB以上であり、faとfb(2.40GHz)の比(fa/fb)は1.02と、電波吸収性能の等方性に優れたものであった。
[実施例3]
(抵抗膜層)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
(スペーサー)
市販の木質の合板(厚み3mm、密度0.54g/cm)と市販の発泡スチロール(厚さ10mm、密度0.01g/cm)を用意し、両者を実施例1と同様の接着剤を用いて貼り合わせスペーサーを作成した。
(反射材層)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
(保護層・意匠層)
実施例1で用いたのと同様のものと、市販の木質の合板(厚み3mm、密度0.54g/cm)を用意し、合板の一方の面に壁紙を実施例1と同様の接着剤を用いて貼り合わせ、合板を保護層とし壁紙を意匠層とする保護層・意匠層を得た。
(電波吸収体)
上記抵抗膜層、スペーサー、反射材層及び保護層・意匠層を用い、反射材層/スペーサー(合板/発泡スチロール)/抵抗膜層/(保護層/意匠層)の順に積層した以外は実施例1と同様にして電波吸収体を得た。
この電波吸収体の垂直入射に対する電波吸収性能は、基準に対し0度の方向で周波数2.45GHz(fa)において最大の電波吸収量34dBを示した。また、最大の電波吸収量を示した測定方向に直交する方向における電波吸収量は25dBと、いずれの方向においてもその電波吸収量は10dB以上であり、faとfb(2.35GHz)の比(fa/fb)は1.04と、電波吸収性能の等方性にも優れたものであった。
[実施例4]
(抵抗膜層)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
(スペーサー)
厚さ30mm、密度0.01g/cmの市販の発泡スチロールを用意した。
(反射材層)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
(保護層・意匠層)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
(電波吸収体)
上記抵抗膜層、スペーサー、反射材層及び保護層(兼意匠層)を用い、反射材層/スペーサー/[抵抗膜層/抵抗膜層](2枚重ね)/保護層の順に積層した以外は実施例1と同様にして電波吸収体を得た。
この電波吸収体の垂直入射に対する電波吸収性能は、基準に対し90度の方向で周波数0.95GHz(fa)において最大の電波吸収量25dBを示した。また、最大の電波吸収量を示した測定方向に直交する方向における電波吸収量は24dBと、いずれの方向においてもその電波吸収量は10dB以上であり、faとfb(1.00GHz)の比(fb/fa)は1.05と、電波吸収性能の等方性にも優れたものであった。
また、斜入射に対する電波吸収性能は、TE波においては最大の電波吸収量を示す方向で17dB、当該方向に直行する方向で19dB、TM波においては最大の電波吸収量を示す方向で13dB、当該方向に直行する方向で11dBであった。
[実施例5]
(抵抗膜層)
平均繊維長3mmの炭素繊維、平均繊維長4mmのチョップドガラス繊維、木質パルプ、平均繊維長3mmの芯鞘型熱融着ポリエステル短繊維(東レ株式会社製“サフメット”(登録商標))、水酸化アルミニウムを、それぞれ0.4質量%、19.6質量%、7質量%、3質量%、70質量%の割合で混合し、巻き取りスピード100m/分で湿式抄紙し、厚み0.13mm、米坪量100g/mの抵抗膜層を得た。
(スペーサー)
厚さ4mm、密度1.23g/cmの市販のアクリル板を用意した。
(反射材層)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
(保護層・意匠層)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
(電波吸収体)
上記抵抗膜層、スペーサー、反射材層及び保護層(兼意匠層)を用い、反射材層/スペーサー/[抵抗膜層/抵抗膜層](2枚重ね)/[保護層/保護層](2枚重ね)の順に積層した以外は実施例1と同様にして電波吸収体を得た。
この電波吸収体の垂直入射に対する電波吸収性能は、基準に対し0度の方向で周波数5.20GHz(fa)において最大の電波吸収量37dBを示した。また、最大の電波吸収量を示した測定方向に直交する方向における電波吸収量は35dBと、いずれの方向においてもその電波吸収量は10dB以上であり、faとfb(5.20GHz)の比(fa/fb)は1.00と、電波吸収性能の等方性にも優れたものであった。
[実施例6]
(抵抗膜層)
平均繊維長6mmの炭素繊維、平均繊維長4mmのチョップドガラス繊維、木質パルプ、平均繊維長3mmの芯鞘型熱融着ポリエステル短繊維(東レ株式会社製“サフメット”(登録商標))、水酸化アルミニウムを、それぞれ0.8質量%、19.2質量%、7質量%、3質量%、70質量%の割合で混合し、巻き取りスピード100m/分で湿式抄紙し、厚み0.13mm、米坪量100g/mの抵抗膜層を得た。
(スペーサー)
厚さ45mm、密度0.01g/cmの市販の発泡スチロールを用いた。
(反射材層)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
(保護層・意匠層)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
(電波吸収体)
上記抵抗膜層、スペーサー、反射材層及び保護層(兼意匠層)を用い、実施例1と同様にして電波吸収体を得た。
この電波吸収体の垂直入射に対する電波吸収性能は、基準に対し0度の方向で周波数0.95GHz(fa)において最大の電波吸収量30dBを示した。また、最大の電波吸収量を示した測定方向に直交する方向における電波吸収量は17dBと、いずれの方向においてもその電波吸収量は10dB以上であり、faとfb(1.05GHz)の比(fb/fa)は1.11と、電波吸収性能の等方性にも優れたものであった。
[実施例7]
(抵抗膜層)
平均繊維長6mmの炭素繊維、平均繊維長4mmのチョップドガラス繊維、木質パルプ、平均繊維長3mmの芯鞘型熱融着ポリエステル短繊維(東レ株式会社製“サフメット”(登録商標))、水酸化アルミニウムを、それぞれ1質量%、19質量%、7質量%、3質量%、70質量%の割合で混合し、巻き取りスピード100m/分で湿式抄紙し、厚み0.13mm、米坪量100g/mの抵抗膜層を得た。
(スペーサー)
厚さ45mm、密度0.01g/cmの市販の発泡スチロールを用いた。
(反射材層)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
(保護層・意匠層)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
(電波吸収体)
上記抵抗膜層、スペーサー、反射材層及び保護層(兼意匠層)を用い、実施例1と同様にして電波吸収体を得た。
この電波吸収体の垂直入射に対する電波吸収性能は、基準に対し0度の方向で周波数0.90GHz(fa)において最大の電波吸収量32dBを示した。また、最大の電波吸収量を示した測定方向に直交する方向における電波吸収量は16dBと、いずれの方向においてもその電波吸収量は10dB以上であり、faとfb(0.85GHz)の比(fa/fb)は1.06と、電波吸収性能の等方性にも優れたものであった。
[実施例8]
(抵抗膜層)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
(スペーサー)
厚さ35mm、密度0.01g/cmの市販の発泡スチロールを用いた。
(反射材層)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
(保護層・意匠層)
ポリエチレンテレフタレート繊維からなる織物(米坪量330g/m、厚さ1mm)を用いた。
(電波吸収体)
上記抵抗膜層、スペーサー、反射材層及び保護層(兼意匠層)を用い、反射材層/スペーサー/[抵抗膜層/抵抗膜層](2枚重ね)/保護層の順に積層した以外は実施例1と同様にして電波吸収体を得た。
この電波吸収体の垂直入射に対する電波吸収性能は、基準に対し90度の方向で周波数0.85GHz(fa)において最大の電波吸収量26dBを示した。また、最大の電波吸収量を示した測定方向に直交する方向における電波吸収量は23dBと、いずれの方向においてもその電波吸収量は10dB以上であり、faとfb(0.90GHz)の比(fb/fa)は1.06と、電波吸収性能の等方性にも優れたものであった。
また、斜入射に対する電波吸収性能は、TE波においては最大の電波吸収量を示す方向で29dB、当該方向に直行する方向で24dB、TM波においては最大の電波吸収量を示す方向で19dB、当該方向に直行する方向で18dBであった。
[実施例9]
(抵抗膜層)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
(スペーサー)
厚さ30mm、開口径11mm、密度36kg/mのペーパーハニカムを用いた。
(反射材層)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
(保護層・意匠層)
市販の木質の合板(厚さ3mm、密度0.54g/cm)の一方の面にポリエチレンテレフタレート繊維からなる織物(米坪量330g/m、厚さ1mm)を接着剤(コニシ(株)製 ボンドスプレーのり Z2)を用いて貼り合わせ、合板を保護層とし織物を意匠層とする保護層・意匠層を得た。
(電波吸収体)
上記抵抗膜層、スペーサー、反射材層及び保護層・意匠層を用い、反射材層/スペーサー/[抵抗膜層/抵抗膜層](2枚重ね)/(保護層/意匠層)の順に積層した以外は実施例1と同様にして電波吸収体を得た。
この電波吸収体の垂直入射に対する電波吸収性能は、基準に対し90度の方向で周波数0.90GHz(fa)において最大の電波吸収量37dBを示した。また、最大の電波吸収量を示した測定方向に直交する方向における電波吸収量は22dBと、いずれの方向においてもその電波吸収量は10dB以上であり、faとfb(0.95GHz)の比(fb/fa)は1.06と、電波吸収性能の等方性にも優れたものであった。
[実施例10]
(抵抗膜層)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
(スペーサー)
平均繊維長51mmのポリ乳酸繊維と平均繊維長75mmのケナフ靭皮繊維とを30:70の質量比で混綿し、開繊して米坪量100g/mの不織布を得た。次いでこの不織布を30枚積層し、この積層体を平板プレス装置を用いて加熱圧着(200℃、2.4MPa、7min)し、厚さ13mm、密度0.22g/cmのケナフボードを得た。これをスペーサーとした。
(反射材層)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
(保護層・意匠層)
ポリエチレンテレフタレート繊維からなる織物(米坪量330g/m、厚さ1mm)を用いた。
(電波吸収体)
上記抵抗膜層、スペーサー、反射材層及び保護層(兼意匠層)を用い、実施例1と同様にして電波吸収体を得た。
この電波吸収体の垂直入射に対する電波吸収性能は、基準に対し90度の方向で周波数0.45GHz(fa)において最大の電波吸収量30dBを示した。また、最大の電波吸収量を示した測定方向に直交する方向における電波吸収量は25dBと、いずれの方向においてもその電波吸収量は10dB以上であり、faとfb(2.50GHz)の比(fb/fa)は1.02と、電波吸収性能の等方性にも優れたものであった。
[比較例1]
(抵抗膜層)
平均繊維長3mmの炭素繊維、平均繊維長4mmのチョップドガラス繊維、木質パルプ、平均繊維長3mmの芯鞘型熱融着ポリエステル短繊維(東レ株式会社製“サフメット”(登録商標))、水酸化アルミニウムを、それぞれ0.2質量%、19.8質量%、7質量%、3質量%、70質量%の割合で混合し、巻き取りスピード100m/分で湿式抄紙し、厚み0.13mm、米坪量100g/mの抵抗膜層を得た。
(スペーサー)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
(反射材層)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
(保護層・意匠層)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
(電波吸収体)
上記抵抗膜層、スペーサー、反射材層及び保護層(兼意匠層)を用い、実施例1と同様にして電波吸収体を得た。
この電波吸収体の垂直入射に対する電波吸収性能は、基準に対し0度の方向で周波数5.20GHzにおいて最大の電波吸収量4dBを示した。また、最大の電波吸収量を示した測定方向に直交する方向における電波吸収量は3dBと、両方向において10dB以下であり、十分な電波吸収性能は得られなかった。
[比較例2]
(抵抗膜層)
平均繊維長1mmの炭素繊維、平均繊維長4mmのチョップドガラス繊維、木質パルプ、平均繊維長3mmの芯鞘型熱融着ポリエステル短繊維(東レ株式会社製“サフメット”(登録商標))、水酸化アルミニウムを、それぞれ0.3質量%、19.7質量%、7質量%、3質量%、70質量%の割合で混合し、巻き取りスピード100m/分で湿式抄紙し、厚み0.13mm、米坪量100g/mの抵抗膜を得た。
(スペーサー)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
(反射材層)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
(保護層・意匠層)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
(電波吸収体)
上記抵抗膜層、スペーサー、反射材層及び保護層(兼意匠層)を用い、実施例1と同様にして電波吸収体を得た。
この電波吸収体の電波吸収性能を測定した結果、基準に対し0度の方向で周波数5.50GHzにおいて最大の吸収量3dBを示した。また、最大の吸収量を示した測定方向に直交する方向における吸収量は2dBと、両方向において10dB以下であり、十分な電波吸収性能は得られなかった。
[比較例3]
(抵抗膜層)
平均繊維長12mmの炭素繊維、平均繊維長4mmのチョップドガラス繊維、木質パルプ、平均繊維長3mmの芯鞘型熱融着ポリエステル短繊維(東レ株式会社製“サフメット”(登録商標))、水酸化アルミニウムを、それぞれ0.4質量%、19.6質量%、7質量%、3質量%、70質量%の割合で混合し、巻き取りスピード100m/分で湿式抄紙し、厚み0.13mm、米坪量100g/mの抵抗膜層を得た。
(スペーサー)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
(反射材層)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
(保護層・意匠層)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
(電波吸収体)
上記抵抗膜層、スペーサー、反射材層及び保護層(兼意匠層)を用い、実施例1と同様にして電波吸収体を得た。
この電波吸収体の垂直入射に対する電波吸収性能は、基準に対し90度の方向で周波数3.65GHz(fa)において最大の電波吸収量26dBを示した。また、最大の電波吸収量を示した測定方向に直交する方向における電波吸収量は8dBと、一方向において10dB以下であり、faとfb(2.75GHz)の比(fa/fb)は1.33と、電波吸収性能に異方性あるものであった。
[比較例4]
(抵抗膜層)
平均繊維長12mmの炭素繊維、平均繊維長4mmのチョップドガラス繊維、木質パルプ、平均繊維長3mmの芯鞘型熱融着ポリエステル短繊維(東レ株式会社製“サフメット”(登録商標))、水酸化アルミニウムを、それぞれ4質量%、16質量%、7質量%、3質量%、70質量%の割合で混合し、巻き取りスピード100m/分で湿式抄紙し、厚み0.13mm、米坪量100g/mの抵抗膜層を得た。
(スペーサー)
厚さ45mm、密度0.01g/cmの市販の発泡スチロールを用いた。
(反射材層)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
(保護層・意匠層)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
(電波吸収体)
上記抵抗膜層、スペーサー、反射材層及び保護層(兼意匠層)を用い、実施例1と同様にして電波吸収体の作製を試みた。
しかしこの積層体の電波吸収性能を測定した結果、電波吸収性能は得られなかった。
[比較例5]
(抵抗膜層)
米坪量100g/mの木質パルプからなる紙の片面にカーボン粉含有塗料(揮発成分75%、不揮発成分25%(内カーボン含有量15質量%))を15g/mコーティング(ナイフコート)し、厚み0.12mm、米坪量115g/mの抵抗膜層を得た。
(スペーサー)
厚さ30mm、密度0.01g/cmの市販の発泡スチロールを用いた。
(反射材層)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
(保護層・意匠層)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
(電波吸収体)
上記抵抗膜層、スペーサー、反射材層及び保護層(兼意匠層)を用い、実施例1と同様にして電波吸収体を得た。
この電波吸収体の垂直入射に対する電波吸収性能は、基準に対し0度の方向で周波数2.45GHzにおいて最大の吸収量23dBを示した。また、最大の吸収量を示した測定方向に直交する方向における吸収量は15dBであり、faとfb(2.20GHz)の比(fa/fb)は1.11であった。
しかしながら、この電波吸収体は、総厚さ32mmと、同一周波数において最大の吸収量を示した抵抗膜層に導電性繊維を含有したもの(実施例1,2,3,10)に比べ、吸収体の厚さが厚いものであった。
[比較例6]
(抵抗膜層)
米坪量100g/mの木質パルプからなる紙の片面にカーボン粉含有塗料(揮発成分75%、不揮発成分25%(内カーボン含有量15質量%))を15g/mコーティング(ナイフコート)し、厚み0.12mm、米坪量115g/mの抵抗膜層を得た。
(スペーサー)
厚さ75mm、密度0.01g/cmの市販の発泡スチロールを用いた。
(反射材層)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
(保護層・意匠層)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
(電波吸収体)
上記抵抗膜層、スペーサー、反射材層及び保護層(兼意匠層)を用い、反射材層/スペーサー/[抵抗膜層/抵抗膜層](2枚重ね)/保護層の順に積層した以外は実施例1と同様にして電波吸収体を得た。
この電波吸収体の垂直入射に対する電波吸収性能は、基準に対し0度の方向で周波数0.95GHzにおいて最大の吸収量25dBを示した。また、最大の吸収量を示した測定方向に直交する方向における吸収量は17dBであり、faとfb(0.80GHz)の比(fa/fb)は1.19であった。
しかしながら、この電波吸収体は、総厚さ78mmと、同一周波数において最大の吸収量を示した抵抗膜層に導電性繊維を含有したもの(実施例4)に比べ、吸収体の厚さが厚いものであった。
Figure 2008205447
Figure 2008205447
Figure 2008205447
Figure 2008205447
Figure 2008205447
本発明の電波吸収体は、優れた電波吸収性能と易製造製を兼ね備えるものであり、RFIDシステムが使用されるような物流倉庫、無線LANが使用されるオフィスや店舗、公共建築物や一般住宅、マンションなどの床、壁、パーティション、ゲート、天井に用いて、電波の多重反射を防止し、不要電波を抑制する電波吸収体に利用できる。
本発明の電波吸収体の一例を示す断面概念図である。
符号の説明
1・・・反射材層
2・・・スペーサー
3・・・抵抗膜層
4・・・保護層・意匠層
5・・・電波入射方向

Claims (4)

  1. 平均繊維長2〜11mmの導電性繊維を0.4〜3質量%含有する抵抗膜層とスペーサーと反射材層とを積層してなり、垂直入射に対し最大の電波吸収量を示す周波数において、当該最大電波吸収量、および当該最大電波吸収量を示す測定方向に直交する測定方向における電波吸収量がいずれも10dB以上であることを特徴とする電波吸収体。
  2. 前記導電性繊維が炭素繊維である、請求項1記載の電波吸収体。
  3. 前記抵抗膜層が紙であり繊維長2〜10mmのガラス繊維を含有してなる、請求項1または2記載の電波吸収体。
  4. 保護層を表面の少なくとも一部に有してなる請求項1〜3のいずれか記載の電波吸収体。
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