JP2008141190A - 電波吸収体 - Google Patents
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Abstract
【課題】マイクロ波やミリ波といった高周波電波の電波吸収性に優れ、電波暗室のみならず、オフィスや家庭など、一般の生活環境における床、壁、パーティション、天井材に組み込むことで、情報の漏洩や外部からの進入電波による誤作動のない電磁環境を整えることが可能な、易製造性に優れた電波吸収体を提供する。
【解決手段】電波吸収体は、導電性材料を有する電波吸収性のシート材1をプリーツ状に折り曲げ、隣接するブリーツ2の山同士の間隔を1〜50mmとし、ブリーツ2間を合成樹脂3により固定してなる。
【選択図】図1
【解決手段】電波吸収体は、導電性材料を有する電波吸収性のシート材1をプリーツ状に折り曲げ、隣接するブリーツ2の山同士の間隔を1〜50mmとし、ブリーツ2間を合成樹脂3により固定してなる。
【選択図】図1
Description
本発明は、高度な電波吸収性能を有し、かつ易製造性に優れた電波吸収体に関する。
近年、マイクロ波やミリ波を利用した各無線通信機器の実用化が飛躍的に進んでいる。オフィスや家庭においては、パーソナルコンピュータが幅広く利用され、配線の煩わしさや利用場所の制約のない、無線LAN(Local Area Network)の利用が広がりを見せている。また、パソコン周辺機器及びAV機器等の情報家電等などの間を、パルス状の電波を発射して数GHzの非常に広い周波数帯域にわたって電力を拡散させ無線でつなぐUWB無線システムや、流通業界でバーコードに代わる商品識別・管理技術として、微小な無線チップにデータを記憶し、数百MHz〜数GHzの電波や電磁波で人やモノを識別・管理するRFIDなど、ユビキタス社会の実現を目指した活発な研究開発が進められている。
しかしながら、上記システムの実用化に際し、隣接するビルや同一ビルのテナント、あるいは上下階から到来する不要電波や室内什器による多重反射波は,伝送速度(スループット)の低下を招来し、また情報の漏洩防止や外部からの進入電波による誤作動やノイズ防止などのセキュリティの観点から、電波吸収体やシールド材の適切な適用が必要となっている。
例えば、特許文献1には、格子状の抵抗皮膜を積層した電波吸収体が開示されている。しかしながら、開示された電波吸収体は、ミリ波の電波のように波長がミリメートルオーダーの場合には、電波が格子の間を通り抜け、十分な電波吸収性能が得られないため、必然的に格子密度は高くなり、重量増、価格アップを招くという問題があった。
また、抵抗皮膜と反射板との間に軽量なハニカム構造をスペーサに用いたλ/4型の電波吸収体が提案されている(特許文献2)。λ/4型タイプは、特定の周波数における垂直入射電波に対しては一定の電波吸収効果が得られるものの、斜入射電波に対しては、効果が得られにくいという問題があった。
また、このλ/4型タイプの発展形として、斜入射特性を向上し、さらに一般に使用されるパーティションに電波吸収機能を付加したパーティションタイプ電波吸収体が提案されている(非特許文献1)。この電波吸収体は、ハニカム構造を有するパネルと複数の抵抗皮膜を用いたλ/4型タイプの発展形である。この電波吸収体は、電波吸収体無線LANで使用される周波数帯である2.45GHz、5.2GHzにおいて垂直入射時で約20dB以上、TM(Transverse Magnetic)・TE(Transverse Electric)両偏波及び円偏波において入射角度が5度から 20度まで,約15dB以上の高度な電波吸収性とパーティションとしての機能を両立しており、高度な電波吸収設計の一形態として注目を集めている。しかし、前記性能の発現のためには、抵抗皮膜の電気特性や各材料の厚み精度の厳密な管理が必要であり、また、パーティションの製造工程も複雑で、製造に手間がかかるため、工業生産には至っていない。
特許第2660647号公報
特開2004−228257号公報
電子情報通信学会論文誌 C Vol.J88-C No.12 pp.1121-1129
本発明は、マイクロ波やミリ波といった高周波電波の電波吸収性に優れ、電波暗室のみならず、オフィスや家庭など、一般の生活環境における床、壁、パーティション、天井材に組み込むことで、情報の漏洩や外部からの進入電波による誤作動のない電磁環境を整えることが可能な、易製造性に優れた電波吸収体を提供することにある。
すなわち本発明は、導電性材料を有してなるシート材をプリーツ状に折り曲げたものを有してなることを特徴とする電波吸収体である。
本発明によれば、以下に説明するとおり、電波暗室のみならず、一般の生活環境における床、壁、パーティション、天井材に組み込んで、マイクロ波やミリ波の電波吸収機能を付与しやすい電波吸収体を、複雑な製造工程を経ることなく提供することができる。
本発明の電波吸収体を構成するシート材は、導電性材料を含有することが重要である。導電性材料は、電波エネルギーを微少な電流に変換し、さらに熱エネルギーに変換することで電波の減衰を行う。
導電性材料としては例えば、カーボンブラック、カーボンマイクロコイル粉、グラファイト粉、金属粉、金属酸化物等の導電性粉体や、炭素繊維、炭化ケイ素繊維、金属繊維、金属メッキ繊維等の導電性繊維や、あるいは真空蒸着法、スパッタ法、及びイオンプレーティング法等によって形成された導電膜を挙げることができる。また、炭素繊維や炭化ケイ素繊維を製造する際に焼成温度を制御することにより得られる半導体繊維でもよい。
導電性材料のシート材に対する含有量としては、0.01〜7g/m2が好ましく、より好ましくは0.08〜3g/m2である。極端に少ないと電気的損失が低くなって電波吸収性能が低下するようになるし、極端に多いと電気的損失は高くなるものの反射される電波も増えるようになる。
シート材の形態としては、フィルム、不織布、紙等、可撓性のあるものが好ましい。
シート材に導電性材料を含有させる方法としては、真空蒸着法、スパッタ法、及びイオンプレーティング法等によって導電膜を形成してもよいし、導電性材料を混ぜた塗料をスプレーまたはコーティングしてもよい。また、構成材料中に予め導電性材料を混合しておき、フィルム、紙または不織布を得るのが、製造工程の簡略化の点から好ましい。
特に、シート材として導電性繊維を含む混抄紙は、少量の導電性材料の添加によっても効率良く電波吸収性能を得ることができ、ひいては軽量化も可能であるため、好ましい。
混抄紙においては、紙としての体をなすために、導電性材料の他に、水酸化アルミニウム等の無機結合材や、澱粉、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリエチレン、パラフィン、アクリル繊維等の有機結合材を添加することが好ましい。
有機結合材のなかでも、熱可塑性繊維が好ましい。熱可塑性繊維を形成する熱可塑性樹脂としては、溶融紡糸可能なものを挙げることができる。その例として、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン、ポリ−4−メチルペンテン、プロピレンと他のα−オレフィンとの2元系又は3元系共重合体等のチグラーナッタ系触媒やメタロセン系触媒を用いて重合されたポリプロピレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、酸成分をテレフタル酸以外にイソフタル酸を併用して重合した低融点ポリエステル等のポリエステル系樹脂、ナイロン−6、ナイロン−66等のポリアミド系樹脂、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂が挙げられる。これら熱可塑性樹脂は単独で使用しても良いし、二種類以上を混合して使用しても良い。
また、上記熱可塑性樹脂から、10℃以上の融点差を有する少なくとも2種類以上の熱可塑性樹脂を適宜選び、並列型、鞘芯型、偏芯型等の複合繊維としてもよい。融点差を有する上記構成が含まれることで、後述するプリーツ折り目を付ける際の加熱により、低融点の熱可塑性樹脂を溶かし、繊維同士を熱接着させることで、繊維の脱落がない、プリーツの形状保持が安定している、といった利点を生み出すことができる。
また、酸化チタン、カーボンブラック等の無機物粒子や、紫外線吸収剤、抗菌剤、防カビ剤、難燃剤、制電剤、消臭剤、着色剤、耐光剤などが添加されていても良い。
また、難燃剤を添加することも好ましい。電波吸収体は大電力照射時の安全性の向上の面から難燃性であるのが好ましいからである。難燃剤としては例えば、ガラス繊維、芳香族ポリアミド繊維、ポリエーテルエーテルケトン繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキザゾール繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維などの難燃性繊維や、リン酸アンモニウム等の無機リン系化合物、無機酸アンモニウム塩等の含窒素化合物、水酸化マグネシウム、カルシウム・アルミネート水和物等の金属水酸化物、水ガラス等の珪酸ナトリウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム等の無機化合物、酸化亜鉛、酸化マグネシウム等の金属酸化物、シリコーン系化合物等を採用することができる。これらを単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
なかでも、水酸化アルミニウムは材料コストの面からも好ましい。水酸化アルミニウムのシート材に対する含有量としては、30質量%以上とするのが安定した難燃性を得る上で好ましい。
無機粒子状の難燃剤の平均粒子径としては、2〜5μmが分散安定性の点から好ましい。
また電波吸収性の混抄紙は2層以上から成る複合体であってもよい。例えば、好ましい態様として、実質的に導電性材料を含有しない層と、導電性材料を含有する層を同時に抄きあげる2層複合混抄紙、3層複合混抄紙などが挙げられる。
混抄紙の製造法としては、導電性繊維とその他の構成材料とをともに水に混合したスラリーを抄きあげる湿式抄紙法や、導電性繊維とその他の構成材料とのそれぞれ少なくとも1種を空気中で攪拌混合し、これをシート状に捕集する乾式抄紙法の何れであってもよい。
湿式抄紙法および乾式抄紙法のいずれの場合も、抄きあげ手段に連続移動するネットコンベアの速度により、混抄紙の異方性を調整することができる。すなわちネットコンベアの速度を速くすれば、混抄紙ロール方向の誘電損失が巾方向に比べ大きくなり、逆に、速度を遅くすれば、両方向の誘電損失は等しくなり、異方性は生じにくい。このようなことが起こる原因は、導電性繊維が細長いため、ネットコンベアの移動方向に繊維長が平行に並びやすく、その配向具合がネットコンベア速度によって、変化するからである。
混抄紙以外のシート材の態様の例として、フィルムとしては、ポリイミド、ポリエステル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、アラミド、ポリカーボネート、ポリアリレート等からなるものを好ましく採用することができる。厚さ5〜200μmのフィルム、また、これらから選ばれる複数のフィルムを積層して用いても良い。
前述のような熱可塑性繊維は、シート材を紙以外の不織布とした場合にも適用することができる。
また前述のような難燃剤や他の添加剤は、紙以外のシート材にも適用することができる。
シート材には、必要に応じて、加水分解、コロナ放電、低温プラズマ、物理的粗面化、易接着コーティング処理等の表面処理を施してもよい。
シート材の剛軟度としては、0.5〜10mNが好ましい。0.5mN以上とすることで、後述するプリーツ形状が良好に保たれ振動や衝撃等によるゆがみの発生も抑えることができ、組立時のハンドリング性も良好なものとすることができる。また10mN以下とすることで、プリーツ加工時の加工性を良好なものとすることができる。
本発明の電波吸収体は、導電性材料を有する電波吸収性のシート材をプリーツ状に折り曲げたものである。プリーツ状に折り曲げることによって、広帯域かつ斜入射特性に優れた電波吸収体となる。その理由は定かではないが、次のように推測している。すなわち、電波は、導電性材料を含む先端が細い立体があると、その先端部分近く(プリーツの稜線近傍)では電界が歪められ、電波が先端に集中する。集中すると導電性材料に誘導電流が流れ、ジュール熱が発生し、先端部で効率よく電波吸収が起こる。先端部で吸収されなかった電波は、先端を形成する立体の斜面(プリーツ斜面)に到達し、一部は、斜面に微弱な誘導電流を流して吸収され、一部は他の斜面に拡散される。プリーツ形状は、この様な電波を集中させる先端部と立体の斜面とを簡易かつ効率的に得ることができる。また、λ/4型吸収体がポイント周波数のみしか吸収しないのに対し、プリーツ状とした電波吸収体は上記のような機構により電波吸収するため、幅広い帯域の電波に対応できる。また、入射角の大きい電波であっても、プリーツの谷間に入り込み、電波吸収面に捕捉されるので、斜入射特性にも優れたものとなる。
一般的には、電波吸収体に広帯域特性や斜入射特性を付与するためには、電波的損失が電波の到来方向から次第に大きくなるようにする。例えば、平板状基材の導電性材料濃度を段階的に濃くして積層する多層型電波吸収体や、ウェッジ型やピラミッド型吸収体がその例である。しかしこれらの吸収体は、導電性材料の濃度を変えたり、ウェッジ状やピラミッドに材料を切り出したりと製造に非常に手間がかかり、材料の量がかさみ、重いという問題があった。これに対し、プリーツは、一枚のシートを折り曲げて形状を作ることができるので、製造が非常に簡単で、材料の量も少なくてすみ、軽いという利点がある。
また、プリーツを有する構造により、曲面を有する外面に追随して取り付けることができ、設置場所の自由度を高めることができ、従来設置が難しかった柱などの構造物等にも電波吸収機能を付与することができる。
吸収体の前記先端部(プリーツの山)の高さとしては、電波長λの定在波の電界分布がλ/4で最大になることから、電波を効率的に吸収するために、λ/4と同等以上とすることが好ましい。本発明において吸収の対象とするマイクロ波やミリ波の電波長λは、数十cm〜数mmであるので、プリーツの山の高さとしては数cm〜数mmが好ましいと言うことになる。より好ましくは3〜70mm、さらに好ましくは10〜50mmである。各無線通信機器の利用周波数は、携帯電話で1.9GHz、無線LANで2.5GHz、5.2GHzなど、1.5〜7.5GHzに集中しているためである。当該周波数域に対応する電波長λが20〜4cmであり、そのλ/4が50〜10mmとなる。
また、プリーツの山間隔としては、1〜50mmが好ましく、より好ましくは1〜30mm、さらに好ましくは1〜20mmである。あまりに密であると斜入射電波が吸収体内部まで進入しづらく散乱しにくくなり、あまりに疎であると電波を集中させて吸収させる先端部が減少する。
プリーツの折れ幅としては3〜71mmが好ましく、より好ましくは11〜51mmである。折れ幅が小さすぎるとプリーツ山部がつぶれやすくなり、大きすぎるとプリーツにたわみが生じる。
シート材をプリーツ状に加工する方法としては例えば、エアフィルタ濾材のプリーツ加工や婦人スカートのひだ付け等に用いられるプリーツ加工機(レシプロ折機)を利用することができる。すなわちプリーツ加工は汎用的に利用される工程であり、高速、かつ製造コストが安いという利点もある。プリーツ加工機は、具体的には、サイクリックに進退する上下の折刃により、1ピッチずつプリーツに畳み込む装置と、畳み込まれた材をプリーツの畳み重ね方向に搬送して排出端に供給するコンベア装置とから成る。
プリーツは、合成樹脂により固定されてなるのが好ましい。そうすることで、製造中だけでなく製品となった後もプリーツ形状が安定して保たれ、電波吸収性能が好適に維持できるからである。
合成樹脂による固定方法としては例えば、ビード加工を好ましく採用できる。ビード加工は、送り方向と直交方向に折り目線を付与されたシート材の表裏面に、送り方向に沿って樹脂ビードを塗布するビード塗布機と、プリーツを再び折り曲げて形状固定する積層装置とからなり、工程が比較的単純という利点がある。樹脂ビードの材質としては、熱可塑性のもの、例えばポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系、EVA系等を用いることが出来る。
尚、プリーツ山のセパレート手段としては、前記ビード方式以外に、紙や樹脂製のシート板を櫛歯状や波状セパレータをプリーツの折り山間に挿入する方法もある。
本発明の電波吸収体は、前記シート材をプリーツ状に折り曲げたものを複数個、プリーツの稜線が略直交するように積層および/または隣接配置してなることが好ましい。このような構成とすることにより、入射方向による電波吸収性能差を解消することができる。
本発明の電波吸収体は枠材と一体化していることも好ましい。枠材と一体化することによって、ユニットとして扱うことができ、ハンドリング性が向上する。また、枠材の色や材質などを適宜選択することにより、オフィスや店舗、公共建築物や一般住宅、マンションなどの床、壁、パーティション、ゲート、天井に用いる際に必要となる意匠性を付与することができる。
枠材の材質としては、磁性材料や導電性材料を含まない、電波的に透明な材質が好ましい。電波吸収体の機能を阻害しないためである。
また、難燃紙の積層体や難燃性ボード等の難燃性の材質も好ましい。前述のように吸収された電波はジュール熱に変換されるので大電力の電波が照射される電波暗室の安全性向上のために、また建材としても難燃性を有することが望ましいからである。
また枠体は意匠層を有することも好ましい。例えば、紙や編織物等の基材に、可塑剤、着色剤、充填剤等を配合したポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリウレタン等の樹脂をカレンダー法やコーテング法により塗布して樹脂層を形成し、この樹脂層の表面に印刷、発泡プリント、ケミカルエンボス、機械的エンボス等を施して意匠層とすることができる。
本発明の電波吸収体は、板状金属板と合わせて使用することが好ましい。さらには焼結フェライト板と重ねて使用することも好ましい。そうすることで、30MHz〜2GHzの低周波の電波まで、吸収することができるようになるためである。
[測定方法]
(1)電波吸収性
半径1.5mのアーチに取り付けたアンテナから、縦60cm×横60cm×厚さ5mmのアルミニウム板に2〜20GHzの高周波電波を入射したときの反射レベルをアジレントテクノロジー社製のネットワークアナライザを用いて測定した。
また、縦60cm×横60cmの電波吸収体を縦60cm×横60cm×厚さ5mmのアルミニウム板の上に重ねて置いて、同様に高周波電波を入射したときの反射レベルを同様にして測定した。
両者の反射レベルから次式により電波吸収体の電波吸収量を求めた。
電波吸収量(dB)=電波吸収体の反射レベル(dB)−アルミニウム板の反射レベル(dB)
試料は、その長軸方向が電界方向と平行・垂直になるように設置し、当該2通りの設置のそれぞれについて、アンテナをアーチ上でスライドさせることにより高周波電波の入射角を調節し、垂直入射(入射角0°)と斜入射(入射角30°)について測定した。入射角30°の場合は、TE偏波について電波吸収量を求めた。
(1)電波吸収性
半径1.5mのアーチに取り付けたアンテナから、縦60cm×横60cm×厚さ5mmのアルミニウム板に2〜20GHzの高周波電波を入射したときの反射レベルをアジレントテクノロジー社製のネットワークアナライザを用いて測定した。
また、縦60cm×横60cmの電波吸収体を縦60cm×横60cm×厚さ5mmのアルミニウム板の上に重ねて置いて、同様に高周波電波を入射したときの反射レベルを同様にして測定した。
両者の反射レベルから次式により電波吸収体の電波吸収量を求めた。
電波吸収量(dB)=電波吸収体の反射レベル(dB)−アルミニウム板の反射レベル(dB)
試料は、その長軸方向が電界方向と平行・垂直になるように設置し、当該2通りの設置のそれぞれについて、アンテナをアーチ上でスライドさせることにより高周波電波の入射角を調節し、垂直入射(入射角0°)と斜入射(入射角30°)について測定した。入射角30°の場合は、TE偏波について電波吸収量を求めた。
(2)難燃性
UL94「機器の部品用プラスチック材料の燃焼性試験」に準じて測定した。
UL94「機器の部品用プラスチック材料の燃焼性試験」に準じて測定した。
(3)剛軟度
JIS L 1096:1999に従い、(株)安田精機製作所製 ガーレー式柔軟度試験機を用いて測定した。幅2.5cm×長さ8.9cmの試験片を左右に移動できる支棹に締めつけ試験片の下端を前面ビーム先端に接触させた。支棹の移動によって試料はビームを押して行き、遂に外れた時の指示目盛を測定し、剛軟度(mN)をコシの強さの値として測定した。
JIS L 1096:1999に従い、(株)安田精機製作所製 ガーレー式柔軟度試験機を用いて測定した。幅2.5cm×長さ8.9cmの試験片を左右に移動できる支棹に締めつけ試験片の下端を前面ビーム先端に接触させた。支棹の移動によって試料はビームを押して行き、遂に外れた時の指示目盛を測定し、剛軟度(mN)をコシの強さの値として測定した。
[実施例1]
(電波吸収体)
(電波吸収性シート材)
平均繊維長3mmの炭素繊維、平均繊維長4mmのチョップドガラス繊維、木質パルプ、平均繊維長3mmの芯鞘型熱融着ポリエステル短繊維(東レ株式会社製“サフメット”(登録商標))、水酸化アルミニウムを、それぞれ0.8質量%、19.2質量%、7質量%、3質量%、70質量%の割合で混合し、巻き取りスピード100m/分で湿式抄紙し、厚み0.12mm、米坪量100g/m2の電波吸収性のシート材を得た。
このシート材の剛軟度は2.2mN、難燃性はV−0であった。
(電波吸収体)
(電波吸収性シート材)
平均繊維長3mmの炭素繊維、平均繊維長4mmのチョップドガラス繊維、木質パルプ、平均繊維長3mmの芯鞘型熱融着ポリエステル短繊維(東レ株式会社製“サフメット”(登録商標))、水酸化アルミニウムを、それぞれ0.8質量%、19.2質量%、7質量%、3質量%、70質量%の割合で混合し、巻き取りスピード100m/分で湿式抄紙し、厚み0.12mm、米坪量100g/m2の電波吸収性のシート材を得た。
このシート材の剛軟度は2.2mN、難燃性はV−0であった。
(プリーツ加工・ビード加工)
上記シート材を、プリーツ加工機にて、加工速度60山/分でプリーツの折れ幅が30mmになるよう折り目を付け、ビード加工にて、プリーツの隣接する山間隔が15mm、山高さ29mmになるように樹脂固定して本発明の電波吸収体を得た。
上記シート材を、プリーツ加工機にて、加工速度60山/分でプリーツの折れ幅が30mmになるよう折り目を付け、ビード加工にて、プリーツの隣接する山間隔が15mm、山高さ29mmになるように樹脂固定して本発明の電波吸収体を得た。
(アルミニウム板付きの電波吸収体)
上記の電波吸収体をプリーツの稜線方向およびその直行方向に60cm×60cmに裁断して、厚さ5mm、60cm×60cmのアルミニウム板に積層し、アルミニウム板付きの電波吸収体を得た。
アルミニウム板付きの電波吸収体の電波吸収性能は、2.5GHz、5.2GHzにおいて、垂直入射で8〜10dB、斜入射で6〜7dBであり、実用上良好なものであった。
上記の電波吸収体をプリーツの稜線方向およびその直行方向に60cm×60cmに裁断して、厚さ5mm、60cm×60cmのアルミニウム板に積層し、アルミニウム板付きの電波吸収体を得た。
アルミニウム板付きの電波吸収体の電波吸収性能は、2.5GHz、5.2GHzにおいて、垂直入射で8〜10dB、斜入射で6〜7dBであり、実用上良好なものであった。
[実施例2]
(電波吸収体)
(電波吸収性シート材)
実施例1で用いたのと同様の電波吸収性シート材を用いた。
(電波吸収体)
(電波吸収性シート材)
実施例1で用いたのと同様の電波吸収性シート材を用いた。
(プリーツ加工・ビード加工)
上記電波吸収性シート材を用い、折れ幅30mm、山間隔30mm、山高さ26mmとした以外は実施例1と同様にしてプリーツ加工およびビード加工を施し、本発明の電波吸収体を得た。
上記電波吸収性シート材を用い、折れ幅30mm、山間隔30mm、山高さ26mmとした以外は実施例1と同様にしてプリーツ加工およびビード加工を施し、本発明の電波吸収体を得た。
(アルミニウム板付きの電波吸収体)
上記の電波吸収体を用いた以外は実施例1と同様にして、アルミニウム板付きの電波吸収体を得た。
アルミニウム板付きの電波吸収体の電波吸収性能は、2.5GHz、5.2GHzにおいて、垂直入射で15〜16dB、斜入射で10〜11dBであり、実用上良好なものであった。また、電波吸収体の配置方向の違いによる電波吸収性の違いは小さかった。
上記の電波吸収体を用いた以外は実施例1と同様にして、アルミニウム板付きの電波吸収体を得た。
アルミニウム板付きの電波吸収体の電波吸収性能は、2.5GHz、5.2GHzにおいて、垂直入射で15〜16dB、斜入射で10〜11dBであり、実用上良好なものであった。また、電波吸収体の配置方向の違いによる電波吸収性の違いは小さかった。
[実施例3]
(電波吸収体)
(電波吸収性シート材)
実施例1で用いたのと同様の電波吸収性シート材を用いた。
(電波吸収体)
(電波吸収性シート材)
実施例1で用いたのと同様の電波吸収性シート材を用いた。
(プリーツ加工・ビード加工)
上記電波吸収性シート材を用い、折れ幅20mm、山間隔10mm、山高さ19mmとした以外は実施例1と同様にしてプリーツ加工およびビード加工を施し、本発明の電波吸収体を得た。
上記電波吸収性シート材を用い、折れ幅20mm、山間隔10mm、山高さ19mmとした以外は実施例1と同様にしてプリーツ加工およびビード加工を施し、本発明の電波吸収体を得た。
(アルミニウム板付きの電波吸収体)
上記の電波吸収体を用いた以外は実施例1と同様にして、アルミニウム板付きの電波吸収体を得た。
アルミニウム板付きの電波吸収体の電波吸収性能は、2.5GHzでは垂直入射で3〜5dB、斜入射で2dB程度の電波吸収性であったが、5.2GHzにおいては、垂直入射で8〜10dB、斜入射で6〜7dBであり、実用上良好なものであった。
上記の電波吸収体を用いた以外は実施例1と同様にして、アルミニウム板付きの電波吸収体を得た。
アルミニウム板付きの電波吸収体の電波吸収性能は、2.5GHzでは垂直入射で3〜5dB、斜入射で2dB程度の電波吸収性であったが、5.2GHzにおいては、垂直入射で8〜10dB、斜入射で6〜7dBであり、実用上良好なものであった。
[実施例4]
(電波吸収体)
(電波吸収性シート材)
平均繊維長6mmの炭素繊維、平均繊維長4mmのチョップドガラス繊維、木質パルプ、平均繊維長3mmの芯鞘型熱融着繊維(東レ株式会社製“サフメット”(登録商標))、水酸化アルミニウムを、それぞれ0.4質量%、19.6質量%、7質量%、3質量%、70質量%の割合で混合し、巻き取りスピード100m/分で湿式抄紙し、厚み0.12mm、米坪量100g/m2の電波吸収性のシート材を得た。このシート材の剛軟度は2.2mN、難燃性はV−0であった。
(電波吸収体)
(電波吸収性シート材)
平均繊維長6mmの炭素繊維、平均繊維長4mmのチョップドガラス繊維、木質パルプ、平均繊維長3mmの芯鞘型熱融着繊維(東レ株式会社製“サフメット”(登録商標))、水酸化アルミニウムを、それぞれ0.4質量%、19.6質量%、7質量%、3質量%、70質量%の割合で混合し、巻き取りスピード100m/分で湿式抄紙し、厚み0.12mm、米坪量100g/m2の電波吸収性のシート材を得た。このシート材の剛軟度は2.2mN、難燃性はV−0であった。
(プリーツ加工・ビード加工)
上記電波吸収性シート材を用い、折れ幅30mm、山間隔30mm、山高さ26mmとした以外は実施例1と同様にしてプリーツ加工およびビード加工を施し、本発明の電波吸収体を得た。
上記電波吸収性シート材を用い、折れ幅30mm、山間隔30mm、山高さ26mmとした以外は実施例1と同様にしてプリーツ加工およびビード加工を施し、本発明の電波吸収体を得た。
(アルミニウム板付きの電波吸収体)
上記の電波吸収体を用いた以外は実施例1と同様にして、アルミニウム板付きの電波吸収体を得た。
アルミニウム板付きの電波吸収体の電波吸収性能は、2.5GHz、5.2GHzにおいて、垂直入射で15〜16dB、斜入射で10〜11dBであり、実用上良好なものであった。また電波吸収体の配置方向の違いによる電波吸収性の違いは小さかった。
上記の電波吸収体を用いた以外は実施例1と同様にして、アルミニウム板付きの電波吸収体を得た。
アルミニウム板付きの電波吸収体の電波吸収性能は、2.5GHz、5.2GHzにおいて、垂直入射で15〜16dB、斜入射で10〜11dBであり、実用上良好なものであった。また電波吸収体の配置方向の違いによる電波吸収性の違いは小さかった。
[実施例5]
(電波吸収体)
(電波吸収性シート材)
平均繊維長6mmの炭素繊維、平均繊維長4mmのチョップドガラス繊維、木質パルプ、平均繊維長3mmの芯鞘型熱融着繊維(東レ株式会社製“サフメット”(登録商標))をそれぞれ0.4質量%、69.6質量%、27質量%、3質量%の割合で混合し、巻き取りスピード100m/分で湿式抄紙し、厚み0.25mm、米坪量150g/m2の電波吸収性のシート材を得た。このシート材の剛軟度は7.2mN、難燃性はV−1であった。
(電波吸収体)
(電波吸収性シート材)
平均繊維長6mmの炭素繊維、平均繊維長4mmのチョップドガラス繊維、木質パルプ、平均繊維長3mmの芯鞘型熱融着繊維(東レ株式会社製“サフメット”(登録商標))をそれぞれ0.4質量%、69.6質量%、27質量%、3質量%の割合で混合し、巻き取りスピード100m/分で湿式抄紙し、厚み0.25mm、米坪量150g/m2の電波吸収性のシート材を得た。このシート材の剛軟度は7.2mN、難燃性はV−1であった。
(プリーツ加工・ビード加工)
上記電波吸収性シート材を用い、折れ幅30mm、山間隔30mm、山高さ26mmとした以外は実施例1と同様にしてプリーツ加工およびビード加工を施し、本発明の電波吸収体を得た。
尚、上記シート材は実施例1におけるシート材に比べ若干コシがあり、加工速度180山/分の高速でも良好に加工することができた。
上記電波吸収性シート材を用い、折れ幅30mm、山間隔30mm、山高さ26mmとした以外は実施例1と同様にしてプリーツ加工およびビード加工を施し、本発明の電波吸収体を得た。
尚、上記シート材は実施例1におけるシート材に比べ若干コシがあり、加工速度180山/分の高速でも良好に加工することができた。
(アルミニウム板付きの電波吸収体)
上記の電波吸収体用いた以外は実施例1と同様にして、アルミニウム板付きの電波吸収体を得た。
アルミニウム板付きの電波吸収体の電波吸収性能は、2.5GHz、5.2GHzにおいて、垂直入射で15〜16dB、斜入射で10〜11dBであり、実用上良好なものであった。また、電波吸収体の配置方向の違いによる電波吸収性の違いは小さかった。
上記の電波吸収体用いた以外は実施例1と同様にして、アルミニウム板付きの電波吸収体を得た。
アルミニウム板付きの電波吸収体の電波吸収性能は、2.5GHz、5.2GHzにおいて、垂直入射で15〜16dB、斜入射で10〜11dBであり、実用上良好なものであった。また、電波吸収体の配置方向の違いによる電波吸収性の違いは小さかった。
[実施例6]
(電波吸収体)
(電波吸収性シート材)
平均繊維長4mmのチョップドガラス繊維、木質パルプ、平均繊維長3mmの芯鞘型熱融着繊維(東レ株式会社製“サフメット”(登録商標))、水酸化アルミニウムを、それぞれ20質量%、7質量%、3質量%、70質量%の割合で混合し、巻き取りスピード100m/分で湿式抄紙し、厚み0.12mm、米坪量100g/m2の導電性材料を含まないシート材を得た。
このシート材に導電性カーボン含有塗料(大日精化製“セイカセブン”CD)を塗布量3g/m2となるようコーティングし、電波吸収性シート材を得た。
このシート材の剛軟度は1.8mN、難燃性はV−1であった。
(電波吸収体)
(電波吸収性シート材)
平均繊維長4mmのチョップドガラス繊維、木質パルプ、平均繊維長3mmの芯鞘型熱融着繊維(東レ株式会社製“サフメット”(登録商標))、水酸化アルミニウムを、それぞれ20質量%、7質量%、3質量%、70質量%の割合で混合し、巻き取りスピード100m/分で湿式抄紙し、厚み0.12mm、米坪量100g/m2の導電性材料を含まないシート材を得た。
このシート材に導電性カーボン含有塗料(大日精化製“セイカセブン”CD)を塗布量3g/m2となるようコーティングし、電波吸収性シート材を得た。
このシート材の剛軟度は1.8mN、難燃性はV−1であった。
(プリーツ加工・ビード加工)
上記シート材を用いた以外は実施例1と同様にして、本発明の電波吸収体を得た。
上記シート材を用いた以外は実施例1と同様にして、本発明の電波吸収体を得た。
(アルミニウム板付きの電波吸収体)
上記の電波吸収体を用いた以外は実施例1と同様にして、アルミニウム板付きの電波吸収体を得た。
アルミニウム板付きの電波吸収体の電波吸収性能は、2.5GHz、5.2GHzにおいて、垂直入射で6〜8dB、斜入射で4〜5であり、実用上良好なものであった。
上記の電波吸収体を用いた以外は実施例1と同様にして、アルミニウム板付きの電波吸収体を得た。
アルミニウム板付きの電波吸収体の電波吸収性能は、2.5GHz、5.2GHzにおいて、垂直入射で6〜8dB、斜入射で4〜5であり、実用上良好なものであった。
[実施例7]
(電波吸収体)
(電波吸収性シート材)
実施例1で用いたのと同様の電波吸収性シート材を用いた。
(電波吸収体)
(電波吸収性シート材)
実施例1で用いたのと同様の電波吸収性シート材を用いた。
(プリーツ加工・ビード加工)
上記電波吸収性シート材を用い、実施例1と同様にしてプリーツ加工およびビード加工を施した。
上記電波吸収性シート材を用い、実施例1と同様にしてプリーツ加工およびビード加工を施した。
(配置)
上記プリーツ加工・ビード加工を施した電波吸収性シート材を、プリーツの稜線方向およびその直行方向に30cm×30cmに裁断したものを4個用意し、これらをプリーツの稜線が直交するように隣接配置させて60cm×60cmの電波吸収体を得た。
上記プリーツ加工・ビード加工を施した電波吸収性シート材を、プリーツの稜線方向およびその直行方向に30cm×30cmに裁断したものを4個用意し、これらをプリーツの稜線が直交するように隣接配置させて60cm×60cmの電波吸収体を得た。
(アルミニウム板付きの電波吸収体)
上記の電波吸収体を厚さ5mm、60cm×60cmのアルミニウム板に積層し、アルミニウム板付きの電波吸収体を得た。
アルミニウム板付きの電波吸収体の電波吸収性能は、2.5GHz、5GHzにおいて、垂直入射で15〜16dB、斜入射で10〜11dBであり、実用上良好なものであった。また、電波吸収体の配置方向の違いによる電波吸収性の違いは小さかった。
上記の電波吸収体を厚さ5mm、60cm×60cmのアルミニウム板に積層し、アルミニウム板付きの電波吸収体を得た。
アルミニウム板付きの電波吸収体の電波吸収性能は、2.5GHz、5GHzにおいて、垂直入射で15〜16dB、斜入射で10〜11dBであり、実用上良好なものであった。また、電波吸収体の配置方向の違いによる電波吸収性の違いは小さかった。
[実施例8]
(電波吸収体)
(電波吸収性シート材)
実施例1で用いたのと同様の電波吸収性シート材を用いた。
(電波吸収体)
(電波吸収性シート材)
実施例1で用いたのと同様の電波吸収性シート材を用いた。
(プリーツ加工・ビード加工)
上記電波吸収性シート材を用い、折れ幅30mm、山間隔30mm、山高さ26mmとした以外は実施例1と同様にしてプリーツ加工およびビード加工を施した。
上記電波吸収性シート材を用い、折れ幅30mm、山間隔30mm、山高さ26mmとした以外は実施例1と同様にしてプリーツ加工およびビード加工を施した。
(配置)
上記プリーツ加工・ビード加工を施した電波吸収性シート材をプリーツの稜線方向およびその直行方向に15cm×15cmに裁断したものを16個用意し、これらをプリーツの稜線が直交するように隣接配置させて60cm×60cmの電波吸収体を得た。
上記プリーツ加工・ビード加工を施した電波吸収性シート材をプリーツの稜線方向およびその直行方向に15cm×15cmに裁断したものを16個用意し、これらをプリーツの稜線が直交するように隣接配置させて60cm×60cmの電波吸収体を得た。
(アルミニウム板付きの電波吸収体)
上記の電波吸収体を厚さ5mm、60cm×60cmのアルミニウム板に積層し、アルミニウム板付きの電波吸収体を得た。
アルミニウム板付きの電波吸収体の電波吸収性能は、2.5GHz、5GHz、10GHz、15GHz、20GHzにおいて、垂直入射で15〜20dB、斜入射で9〜15dBであり、実用上良好なものであった。また、電波吸収体の配置方向の違いによる電波吸収性の違いは小さかった。
上記の電波吸収体を厚さ5mm、60cm×60cmのアルミニウム板に積層し、アルミニウム板付きの電波吸収体を得た。
アルミニウム板付きの電波吸収体の電波吸収性能は、2.5GHz、5GHz、10GHz、15GHz、20GHzにおいて、垂直入射で15〜20dB、斜入射で9〜15dBであり、実用上良好なものであった。また、電波吸収体の配置方向の違いによる電波吸収性の違いは小さかった。
[実施例9]
(電波吸収体)
(電波吸収体の第1層)
(電波吸収性シート材)
平均繊維長3mmの炭素繊維、平均繊維長4mmのチョップドガラス繊維、木質パルプ、平均繊維長3mmの芯鞘型熱融着繊維(東レ株式会社製“サフメット”(登録商標))、水酸化アルミニウムを、それぞれ0.4質量%、19.6質量%、7質量%、3質量%、70質量%の割合で混合し、巻き取りスピード100m/分で湿式抄紙し、厚み0.12mm、米坪量100g/m2の電波吸収性のシート材を得た。上記シート材の剛軟度は2.2mN、難燃性はV−0であった。
(電波吸収体)
(電波吸収体の第1層)
(電波吸収性シート材)
平均繊維長3mmの炭素繊維、平均繊維長4mmのチョップドガラス繊維、木質パルプ、平均繊維長3mmの芯鞘型熱融着繊維(東レ株式会社製“サフメット”(登録商標))、水酸化アルミニウムを、それぞれ0.4質量%、19.6質量%、7質量%、3質量%、70質量%の割合で混合し、巻き取りスピード100m/分で湿式抄紙し、厚み0.12mm、米坪量100g/m2の電波吸収性のシート材を得た。上記シート材の剛軟度は2.2mN、難燃性はV−0であった。
(プリーツ加工・ビード加工・裁断)
上記電波吸収性シート材を用い、折れ幅20mm、山間隔10mm、山高さ19mmとした以外は実施例1と同様にしてプリーツ加工およびビード加工を施した。これをプリーツの稜線方向およびその直行方向に60cm×60cmに裁断して、電波吸収体の第1層とした。
上記電波吸収性シート材を用い、折れ幅20mm、山間隔10mm、山高さ19mmとした以外は実施例1と同様にしてプリーツ加工およびビード加工を施した。これをプリーツの稜線方向およびその直行方向に60cm×60cmに裁断して、電波吸収体の第1層とした。
(電波吸収体の第2層)
(電波吸収性シート材)
実施例1で用いたのと同様の電波吸収性シート材を用いた。
(電波吸収性シート材)
実施例1で用いたのと同様の電波吸収性シート材を用いた。
(プリーツ加工・ビード加工・裁断)
上記電波吸収性シート材を用いた以外は上記電波吸収体の第1層と同様にしてプリーツ加工、ビード加工および裁断を施して、電波吸収体の第2層を得た。
上記電波吸収性シート材を用いた以外は上記電波吸収体の第1層と同様にしてプリーツ加工、ビード加工および裁断を施して、電波吸収体の第2層を得た。
(積層)
上記第1層と上記第2層とをプリーツの稜線が略直交するように積層して、電波吸収体を得た。入射電波に対する位置関係としては、入射面が第1層となるように配置した。
上記第1層と上記第2層とをプリーツの稜線が略直交するように積層して、電波吸収体を得た。入射電波に対する位置関係としては、入射面が第1層となるように配置した。
(アルミニウム板付きの電波吸収体)
上記の電波吸収体を、厚さ5mm、60cm×60cmのアルミニウム板に第1層/第2層/アルミニウム板となるように積層し、アルミニウム板付きの電波吸収体を得た。
アルミニウム板付きの電波吸収体の電波吸収性能は、2.5GHz、5GHzにおいて、垂直入射で20dB、斜入射で15dBであり、実用上良好なものであった。また電波吸収体の配置方向の違いによる電波吸収性の違いは小さかった。
上記の電波吸収体を、厚さ5mm、60cm×60cmのアルミニウム板に第1層/第2層/アルミニウム板となるように積層し、アルミニウム板付きの電波吸収体を得た。
アルミニウム板付きの電波吸収体の電波吸収性能は、2.5GHz、5GHzにおいて、垂直入射で20dB、斜入射で15dBであり、実用上良好なものであった。また電波吸収体の配置方向の違いによる電波吸収性の違いは小さかった。
[実施例10]
(電波吸収体)
(電波吸収体の第1層)
裁断寸法を59.6cm×59.6cmとした以外は実施例9における第1層と同様にして、電波吸収体の第1層を得た。
(電波吸収体)
(電波吸収体の第1層)
裁断寸法を59.6cm×59.6cmとした以外は実施例9における第1層と同様にして、電波吸収体の第1層を得た。
(電波吸収体の第2層)
裁断寸法を59.6cm×59.6cmとした以外は実施例9における第2層と同様にして、電波吸収体の第2層を得た。
裁断寸法を59.6cm×59.6cmとした以外は実施例9における第2層と同様にして、電波吸収体の第2層を得た。
(積層)
上記第1層と上記第2層とをプリーツの稜線が略直交するように積層して、電波吸収体を得た。入射電波に対する位置関係としては、入射面が第1層となるように配置した。
上記第1層と上記第2層とをプリーツの稜線が略直交するように積層して、電波吸収体を得た。入射電波に対する位置関係としては、入射面が第1層となるように配置した。
(枠材付きの電波吸収体)
実施例6で製造したのと同様の導電性材料を含まないシート材を中芯およびライナに使用し、中芯にはコルゲート加工をして、段高さ2.5mm、中芯の隣りあう頂部の間隔が5mmの両面段ボール構造をもつ段ボールシートを得た。尚、中芯とライナとの接着には5g/m2程度のデンプン系接着剤を使用した。この段ボールシートの難燃性はV−0であった。この段ボールシートを用い、一辺の長さが60cm、高さ44mmの蓋付き四角箱形状を有する枠材を得た。
実施例6で製造したのと同様の導電性材料を含まないシート材を中芯およびライナに使用し、中芯にはコルゲート加工をして、段高さ2.5mm、中芯の隣りあう頂部の間隔が5mmの両面段ボール構造をもつ段ボールシートを得た。尚、中芯とライナとの接着には5g/m2程度のデンプン系接着剤を使用した。この段ボールシートの難燃性はV−0であった。この段ボールシートを用い、一辺の長さが60cm、高さ44mmの蓋付き四角箱形状を有する枠材を得た。
上記の電波吸収体を上記枠材に挿入し、枠材付きの電波吸収体を得た。
(枠材・アルミニウム板付きの電波吸収体)
上記の枠材付きの電波吸収体を厚さ5mm、60cm×60cmのアルミニウム板に第1層/第2層/アルミニウム板となるように積層し、枠材・アルミニウム板付きの電波吸収体を得た。
枠材・アルミニウム板付きの電波吸収体の電波吸収性能は実施例9と同様に良好であった。また、枠材で形状が補強されているため、電波暗室への取り付けに関し、ハンドリング性が良好であり、また、外観も良好であった。
上記の枠材付きの電波吸収体を厚さ5mm、60cm×60cmのアルミニウム板に第1層/第2層/アルミニウム板となるように積層し、枠材・アルミニウム板付きの電波吸収体を得た。
枠材・アルミニウム板付きの電波吸収体の電波吸収性能は実施例9と同様に良好であった。また、枠材で形状が補強されているため、電波暗室への取り付けに関し、ハンドリング性が良好であり、また、外観も良好であった。
[実施例11]
(電波吸収体)
(電波吸収体の第1層・第2層)
(電波吸収性シート材)
平均繊維長3mmの炭素繊維、平均繊維長4mmのチョップドガラス繊維、木質パルプ、平均繊維長3mmの芯鞘型熱融着繊維(東レ株式会社製“サフメット”(登録商標))、水酸化アルミニウムを、それぞれ0.1質量%、19.9質量%、7質量%、3質量%、70質量%の割合で混合し、巻き取りスピード100m/分で湿式抄紙し、厚み0.12mm、米坪量100g/m2の電波吸収性のシート材を得た。上記シート材の剛軟度は2.2mN、難燃性はV−0であった。
(電波吸収体)
(電波吸収体の第1層・第2層)
(電波吸収性シート材)
平均繊維長3mmの炭素繊維、平均繊維長4mmのチョップドガラス繊維、木質パルプ、平均繊維長3mmの芯鞘型熱融着繊維(東レ株式会社製“サフメット”(登録商標))、水酸化アルミニウムを、それぞれ0.1質量%、19.9質量%、7質量%、3質量%、70質量%の割合で混合し、巻き取りスピード100m/分で湿式抄紙し、厚み0.12mm、米坪量100g/m2の電波吸収性のシート材を得た。上記シート材の剛軟度は2.2mN、難燃性はV−0であった。
(プリーツ加工・ビード加工・裁断・配置)
上記電波吸収性シート材を用い、折れ幅35mm、山間隔10mm、山高さ35mmとした以外は実施例1と同様にしてプリーツ加工およびビード加工を施した。これをプリーツの稜線方向およびその直行方向に15cm×15cmに裁断したものを32個用意し、そのうち16個を60cm×60cm内にプリーツの稜線が直交するように隣接配置した(第2層)。その上に残りの16個を、第2層のプリーツの稜線に対して、それぞれプリーツの稜線が直交するように積層配置し(第1層)、60cm×60cmの電波吸収体を得た。入射電波に対する位置関係としては、入射面が第1層となるよう配置した。
上記電波吸収性シート材を用い、折れ幅35mm、山間隔10mm、山高さ35mmとした以外は実施例1と同様にしてプリーツ加工およびビード加工を施した。これをプリーツの稜線方向およびその直行方向に15cm×15cmに裁断したものを32個用意し、そのうち16個を60cm×60cm内にプリーツの稜線が直交するように隣接配置した(第2層)。その上に残りの16個を、第2層のプリーツの稜線に対して、それぞれプリーツの稜線が直交するように積層配置し(第1層)、60cm×60cmの電波吸収体を得た。入射電波に対する位置関係としては、入射面が第1層となるよう配置した。
(アルミニウム板付きの電波吸収体)
上記の電波吸収体を、厚さ5mm、60cm×60cmのアルミニウム板に第1層/第2層/アルミニウム板となるように積層し、アルミニウム板付きの電波吸収体を得た。
アルミニウム板付きの電波吸収体の電波吸収性能は、2.5GHz、5GHz、10GHz、15GHz、20GHzにおいて、垂直入射で5〜40dB、斜入射で3〜20dBであり、実用上良好なものであった。また、電波吸収体の配置方向の違いによる電波吸収性の違いは小さかった。
上記の電波吸収体を、厚さ5mm、60cm×60cmのアルミニウム板に第1層/第2層/アルミニウム板となるように積層し、アルミニウム板付きの電波吸収体を得た。
アルミニウム板付きの電波吸収体の電波吸収性能は、2.5GHz、5GHz、10GHz、15GHz、20GHzにおいて、垂直入射で5〜40dB、斜入射で3〜20dBであり、実用上良好なものであった。また、電波吸収体の配置方向の違いによる電波吸収性の違いは小さかった。
[比較例1]
(電波吸収性シート材)
ポリエステルフィルムに酸化インジウム錫をスパッタリングし、スパッタリング時間を調整して、表面抵抗値が380Ω/□である抵抗皮膜を作成した。
(電波吸収性シート材)
ポリエステルフィルムに酸化インジウム錫をスパッタリングし、スパッタリング時間を調整して、表面抵抗値が380Ω/□である抵抗皮膜を作成した。
(電波吸収体)
上記抵抗皮膜に厚さ29mmの発泡ポリスチロールを積層し、λ/4型電波吸収体を製造した。
上記抵抗皮膜に厚さ29mmの発泡ポリスチロールを積層し、λ/4型電波吸収体を製造した。
(アルミニウム板付きの電波吸収体)
上記の電波吸収体を厚さ5mm、60cm×60cmのアルミニウム板に積層し、アルミニウム板付きの電波吸収体を得た。
上記の電波吸収体を厚さ5mm、60cm×60cmのアルミニウム板に積層し、アルミニウム板付きの電波吸収体を得た。
アルミニウム板付きの電波吸収体の電波吸収性能は、2.5GHzにおいて、垂直入射では20dBの良好な電波吸収性が得られたが、斜入射では3dB程度に止まっていた。また、5GHzでは、電波吸収性能は認められなかった。
[比較例2]
(電波吸収性シート材)
ポリエステルフィルムに酸化インジウム錫をスパッタリングし、スパッタリング時間を調整して、表面抵抗値が380Ω/□である抵抗皮膜を作成した(比較例1の抵抗被膜と同様)。
(電波吸収性シート材)
ポリエステルフィルムに酸化インジウム錫をスパッタリングし、スパッタリング時間を調整して、表面抵抗値が380Ω/□である抵抗皮膜を作成した(比較例1の抵抗被膜と同様)。
(電波吸収体)
上記抵抗皮膜に厚さ15mmの発泡ポリスチロールを積層し、λ/4型電波吸収体を製造した。
上記抵抗皮膜に厚さ15mmの発泡ポリスチロールを積層し、λ/4型電波吸収体を製造した。
(アルミニウム板付きの電波吸収体)
上記の電波吸収体を厚さ5mm、60cm×60cmのアルミニウム板に積層し、アルミニウム板付きの電波吸収体を得た。
アルミニウム板付きの電波吸収体の電波吸収性能は、5GHzにおいて垂直入射時20dB以上の良好な電波吸収性が得られたが、斜入射では3dB程度に止まっていた。また2.5GHzでは電波吸収性は認められなかった。
上記の電波吸収体を厚さ5mm、60cm×60cmのアルミニウム板に積層し、アルミニウム板付きの電波吸収体を得た。
アルミニウム板付きの電波吸収体の電波吸収性能は、5GHzにおいて垂直入射時20dB以上の良好な電波吸収性が得られたが、斜入射では3dB程度に止まっていた。また2.5GHzでは電波吸収性は認められなかった。
本発明の電波吸収体は、高度な電波吸収性能と易製造性を兼ね備えるものであり、電波暗室のみならず、オフィスや店舗、公共建築物や一般住宅、マンションなどの床、壁、パーティション、ゲート、天井に用いて、高周波電波の多重反射を防止し不要電波を抑制する電波吸収体に利用できる。
1:導電性材料を有してなるシート材
2:プリーツ
3:プリーツ形状を固定する合成樹脂
4:金属板
5:電波到来方向
6:枠材1
7:枠材2
8:パーティション
9:電波吸収体
2:プリーツ
3:プリーツ形状を固定する合成樹脂
4:金属板
5:電波到来方向
6:枠材1
7:枠材2
8:パーティション
9:電波吸収体
Claims (8)
- 導電性材料を有してなるシート材をプリーツ状に折り曲げたものを有してなることを特徴とする電波吸収体。
- 前記導電性材料のシート材に対する含有量が0.01〜7g/m2である、請求項1記載の電波吸収体。
- 前記シート材が水酸化物を30質量%以上含む、請求項1または2記載の電波吸収体。
- 前記シート材の剛軟度が0.5〜10mNである、請求項1〜3のいずれか記載の電波吸収体。
- 前記プリーツの山高さが10〜50mmである、請求項1〜4のいずれか記載の電波吸収体。
- 前記プリーツの隣接する山同士の間隔が1〜50mmである、請求項1〜5のいずれか記載の電波吸収体。
- 前記プリーツが合成樹脂により固定されてなる、請求項1〜6のいずれか記載の電波吸収体。
- 前記シート材をプリーツ状に折り曲げたものを複数個、プリーツの稜線が互いに略直交するように積層および/または隣接配置してなる請求項1〜7のいずれか記載の電波吸収体。
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