JP2005228939A - 電磁波吸収体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】入射角度80度以内で入射する周波数5.75GHz〜5.85GHzの高い電磁波に対して反射損失特性に優れると共に、耐候性、耐湿熱性及び防錆性に優れ、しかも、薄くて可撓性を有する電磁波吸収体を低コストで提供する。
【解決手段】(イ)それぞれの層1,3(31,32・・・3n),5が接着剤層2(21,22・・・2n)、4を介して接合され、(ロ)第1電磁波吸収層3を構成する多数の電磁波吸収層31,32・・・3nの誘電率が前記第2電磁波吸収層5の誘電率よりも大きくなるように調整され、且つ、(ハ)第1電磁波吸収層3が5層以上の電磁波吸収層31,32・・・3nで構成さた電磁波吸収体100とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、DSRC(専用狭域通信)路車間通信システムにおける電磁波吸収体に関し、さらに、詳しくは、電磁波入射角度が80度以内の斜めから入射する高周波数を有する電磁波を吸収する性能に優れると共に、耐候性、耐湿熱性及び防錆性に優れ、しかも、薄くて可撓性を有する電磁波吸収体及びその製造方法に関する。
電子機器に対する外部からの電磁波による干渉を防ぎ、また、その電子機器自身からノイズ電磁波が放射されることを抑制するために、電磁波吸収体が広く使用されている。電磁波吸収体は、電子機器の内部、建物の壁、建物の天井等に取り付けられるので、電磁波吸収体の取付スペースや他の設備との兼ね合いによっては、電磁波吸収体の大きさ及び厚さが制限され、そのために、電磁波吸収体を薄いシート状に成形加工したものが使用されている。
特に、ETCシステムの表示器、料金所ゲート及び料金所に取り付けられる電磁波吸収体は、コーナー(隅)部、湾曲部、凹凸部等にも貼り付けできるように、薄くて可撓性を有するシート状に成形されている。また、電磁波吸収体への電磁波の入射角度が垂直方向だけの場合には、電磁波吸収体の設計は容易であるが、ETCシステムの電磁波吸収体に対して、垂直方向以外の種々の方向、即ち、斜め方向から入射する電磁波にも対応する必要がある。
前述の斜め方向から入射する電磁波にも対応できる電磁波吸収体としては、「ミリ波帯あるいは準ミリ波帯において共鳴するフェライトで構成される共振器を結合剤中に有する電磁波吸収層を含む電磁波吸収体」(特許文献1を参照。)、及び、「軟磁性金属の粉末をゴム又はプラスチックのマトリックス中に分散させたものをシート状に成形してなる電磁波吸収体において、軟磁性金属粉末の粒子形状、充填率及びシートの厚さを調節することにより、シート面に垂直な方向に対して60度以内の傾斜した方向からの電磁波の入射に備えた電磁波吸収体」(特許文献2を参照。)が提案されている。そして、高い周波数を有する電磁波吸収体としては、「導電性を有する基板と、該基板の一面へ積層された電磁波吸収体を有する積層体において、該電磁波吸収体が、該電磁波の入射側透過側へ向かって、電磁波吸収率/電磁波反射率の値を次第に減少させたものである積層体」(特許文献3を参照。)、及び、「硬磁性粉末を天然ゴムや合成ゴム等のバインダー中に分散させたものをシート状に成形してなる電磁吸収体において、「マイクロ波」や「ミリ波」を格段に電磁吸収するシート状の電波吸収体」(特許文献4を参照。)が提案されている。
近年、交通事故の解消、交通渋滞の解消、公共交通機関の利用性の向上等を図るために、DSRC路車間通信システムの利用が検討されているが、このようなDSRC路車間通信システムにおける電磁波吸収体として、前述したETCシステムに用いられているような電磁波吸収体を用いたものでは、DSRC路車間通信システムで採用される周波数5.75GHz〜5.85GHzの高い電磁波が入射角度80度以内で電磁波吸収体に入射すると、高い電磁波が電磁波吸収体に吸収しきれなくなって漏洩してしまい、そのために、漏洩した電磁波がノイズを発生させるというという問題があった。また、DSRC路車間通信システムにおいては、電磁波吸収体は、厳しい屋外環境で設置されるので、直射日光や風雨に曝されるが、このようなDSRC路車間通信システムにおける電磁波吸収体として、前述したETCシステムに用いられているような電磁波吸収体を用いると、耐候性、耐湿熱性及び防錆性に劣り、しかも、可撓性に劣るという問題があった。
特開平8−340191号公報 特開2002−185180号公報 特開2003−209388号公報 特開2002−280208号公報
本発明は、かかる問題を解決することを目的としている。
即ち、本発明は、入射角度80度以内で入射する周波数5.75GHz〜5.85GHzの高い電磁波に対して反射損失特性に優れると共に、耐候性、耐湿熱性及び防錆性に優れ、しかも、薄くて可撓性を有する電磁波吸収体を低コストで提供することを目的とする。
請求項1に記載された発明は、上記目的を達成するために、導電性材料からなる電磁波反射層と、該電磁波反射層の一方の面に積層された電磁波吸収材を含有する多数の電磁波吸収層で構成される第1電磁波吸収層と、該第1電磁波吸収層の該電磁波反射層の積層されていない面に積層された電磁波吸収材を含有する第2電磁波吸収層と、をそれぞれ有する電磁波吸収体において、(イ)前記それぞれの層が接着剤層を介して接合され、(ロ)前記第1電磁波吸収層を構成する各電磁波吸収層の誘電率が前記第2電磁波吸収層の誘電率よりも大きくなるように調整され、且つ、(ハ)前記第1電磁波吸収層が5層以上の電磁波吸収層で構成されていることを特徴とする電磁波吸収体である。
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、前記第1電磁波吸収層に含有される電磁波吸収材が、Fe−Cu−Nb−Si−B系ナノ結晶化合金、Fe−Cr系合金、Fe−Cr−Al−Ti系合金、Fe−Al−Si系合金、Fe−Ni合金、Fe−Si系合金、アモルファス合金、モリブデンパーマロイ、及び、スーパーマロイから選ばれる材料で構成される扁平形状の金属磁性体粉、或いは、Fe−Cu−Nb−Si−B系ナノ結晶化合金、Fe−Cr系合金、Fe−Cr−Al−Ti系合金、Fe−Al−Si系合金、Fe−Ni合金、Fe−Si系合金、アモルファス合金、モリブデンパーマロイ及びスーパーマロイから選ばれる材料で構成される粒形状の金属磁性体粉であり、そして、前記第2電磁波吸収層に含有される電磁波吸収材が、NiーZn系フェライト、MgーZn系フェライト、MnーZn系フェライト、CuーZn系フェライト、CuーZn―Mg系フェライト、及び、MnーMg系フェライトから選ばれる材料で構成されるフェライト粉であることを特徴とするものである。
請求項3に記載された発明は、請求項1又は2に記載された発明において、前記電磁波吸収材の選択及びそれらの量の調整によって、前記第1電磁波吸収層を構成する各電磁波吸収層の誘電率が、前記第2電磁波吸収層の誘電率よりも大きくなるように調整されていることを特徴とするものである。
請求項4に記載された発明は、請求項3に記載された発明において、前記第1電磁波吸収層を構成する多数の電磁波吸収層が、マトリックス樹脂100重量部及び金属磁性体粉500〜1000重量部を含有する樹脂組成物で構成され、そして、第2電磁波吸収層が、マトリックス樹脂100重量部及びフェライト粉500〜1000重量部を含有する樹脂組成物で構成されていることを特徴とするものである。
請求項5に記載された発明は、請求項4に記載された発明において、前記マトリクス樹脂がアクリル系樹脂であることを特徴とするものである。
請求項6に記載された発明は、請求項1〜5のいずれかに記載された発明において、前記電磁波反射層が、その他方の面に設けられた接着剤層を介して、剥離紙上に保持されていることを特徴とするものである。
請求項7に記載された発明は、請求項1〜5のいずれかに記載された発明において、前記電磁波反射層が、その他方の面に設けられた接着剤層を介して基板に保持されていることを特徴とするものである。
請求項8に記載された発明は、請求項7に記載された発明において、前記基板が、樹脂板、コンクリート板、セラミック板、及び、金属板から選ばれる基板であることを特徴とするものである。
請求項9に記載された発明は、請求項1〜8のいずれかに記載された発明において、保護層が、接着剤層を介して前記第2電磁波吸収層上に設けられていることを特徴とするものである。
請求項10に記載された発明は、請求項1〜9のいずれかに記載された発明において、前記第1電磁波吸収層が、5,6,7,8,9又は10の層で構成されていることを特徴とするものである。
請求項11に記載された発明は、請求項1〜10のいずれかに記載された発明において、前記第1電磁波吸収層を構成する多数の電磁波吸収層の各層の層厚が0.1〜0.7mmであり、前記第2電磁波吸収層の層厚が0.1〜0.7mmであり、そして、前記接着剤層の各層の層厚が20〜80μmであることを特徴とするものである。
請求項12に記載された発明は、請求項1〜11のいずれかに記載された発明において、前記第1電磁波吸収層、前記第2電磁波吸収層及び前記接着剤層の各層の合計の層厚が、2.5〜3.5mmであることを特徴とするものである。
請求項13に記載された発明は、請求項1〜12のいずれかに記載された電磁波吸収体の製造方法において、ニップを形成する一対のローラを一定方向に多数並べて設け、それらの一対のローラ間に順次剥離紙上に保持された接着剤層と剥離紙上に保持された電磁波吸収材を含有する樹脂層とを交互に供給して圧着した後、それらの剥離紙を剥離して、多数の電磁波吸収層で構成される第1電磁波吸収層と第2電磁波吸収層とを形成することを特徴とする電磁波吸収体の製造方法である。
本発明は、以下に記載するような効果を奏する。
請求項1〜12に記載された発明によれば、(イ)前記それぞれの層が接着剤層を介して接合され、(ロ)前記第1電磁波吸収層を構成する多数の電磁波吸収層の誘電率が前記第2電磁波吸収層の誘電率よりも大きくなるように調整され、且つ、(ハ)前記第1電磁波吸収層が5層以上の電磁波吸収層で構成されているので、入射角度80度以内で入射する周波数5.75GHz〜5.85GHzの高い電磁波に対して反射損失特性に優れると共に、耐候性、耐湿熱性及び防錆性に優れ、しかも、薄くて可撓性を有する電磁波吸収体を低コストで提供することができ、そのために、かかる電磁波吸収体をDSRC路車間通信システムの電磁波吸収体として用いることができる。
請求項13に記載された発明によれば、ニップを形成する一対のローラを一定方向に多数並べて設け、それらの一対のローラ間に順次剥離紙上に保持された接着剤層と剥離紙上に保持された電磁波吸収材を含有する樹脂層とを交互に供給して圧着した後、それらの剥離紙を剥離して、多数の電磁波吸収層で構成される第1電磁波吸収層と第2電磁波吸収層とを形成するので、全体の層厚が厚くならないようにした一定厚さの電磁波吸収体を連続的に形成でき、そのために、入射角度80度以内で入射する周波数5.75GHz〜5.85GHzの高い電磁波に対して反射損失特性に優れると共に、薄くて可撓性を有する電磁波吸収体を低コストで形成することができる。
図1は、本発明の一実施の形態を示す電磁波吸収体の断面図である。図2は、本発明の他の一実施の形態を示す電磁波吸収体の断面図である。図3は、本発明他の一実施の形態を示す電磁波吸収体の断面図である。図4は、本発明の一実施の形態を示す電磁波吸収体の製造方法の概略説明図である。図5は、電磁波吸収体の電磁波入射角度(度)と反射損失(dB)との関係を示すグラフである。
図1に示すように、本発明の電磁波吸収体100は、導電性材料からなる電磁波反射層1と、該電磁波反射層1の一方の面に積層された電磁波吸収材を含有する多数の電磁波吸収層31,32・・・3nで構成される第1電磁波吸収層3と、該第1電磁波吸収層3の該電磁波反射層1の積層されていない面に積層された電磁波吸収材を含有する第2電磁波吸収層5と、をそれぞれ有している。そして、本発明の電磁波吸収体100においては、(イ)前記それぞれの層1,3(31,32・・・3n),5が接着剤層2(21,22・・・2n)、4を介して接合され、(ロ)前記第1電磁波吸収層3を構成する多数の電磁波吸収層31,32・・・3nの誘電率が前記第2電磁波吸収層5の誘電率よりも大きくなるように調整され、且つ、(ハ)前記第1電磁波吸収層3が5層以上の電磁波吸収層31,32・・・3nで構成されている。図1において、4,6は、前述した接着層2と同様の接着層であり、そして、7は、保護層である。
誘電体がその隣接する物質との界面において、電磁波をある程度反射する作用をなすことはよく知られていることであるが、本発明の電磁波吸収体100における接着剤層2(21,22・・・2n)は、誘電体としての機能も有しているので、入射した電磁波を多重反射させることができる。即ち、電磁波吸収体100に入射した電磁波が該接着剤層2(21,22・・・2n),4,6に到着すると、電磁波はこれらの接着剤層内において、これらの接着剤層を上下に挟む層との界面において多重反射を繰り返し、電磁波の一部は上側の層に再入射し、上側に電磁波層が有る場合は吸収されて減衰し一部は電磁波吸収体から上側に出ていく。一方、それ以外の電磁波は、誘電体層から下側に入射し、下側に電磁波吸収層が有る場合は吸収されて減衰し、以下同様の多重反射を繰り返しながらさらに下側に進む。そのために、本発明の電磁波吸収体によれば、これに入射した電磁波を多重反射の繰り返しによって減衰させることができるので、80度以内の入射角度で入射する斜入射の電磁波に対しても良好な電磁波吸収特性を発揮する。
したがって、本発明においては、(イ)前記それぞれの層1,3(31,32・・・3n),5が接着剤層2(21,22・・・2n)、4を介して接合され、(ロ)前記第1電磁波吸収層3を構成する多数の電磁波吸収層31,32・・・3nの誘電率が前記第2電磁波吸収層5の誘電率よりも大きくなるように調整され、且つ、(ハ)前記第1電磁波吸収層3が5層以上の電磁波吸収層31,32・・・3nで構成されているので、入射角度80度以内で入射する周波数5.75GHz〜5.85GHzの高い電磁波に対して反射損失特性に優れると共に、耐候性、耐湿熱性及び防錆性に優れ、しかも、薄くて可撓性を有する電磁波吸収体を低コストで提供することができ、そのために、かかる電磁波吸収体をDSRC路車間通信システムの電磁波吸収体として用いることができる。
前記第1電磁波吸収層に含有される電磁波吸収材は、好ましくは、Fe−Cu−Nb−Si−B系ナノ結晶化合金、Fe−Cr系合金、Fe−Cr−Al−Ti系合金、Fe−Al−Si系合金、Fe−Ni合金、Fe−Si系合金、アモルファス合金、モリブデンパーマロイ、及び、スーパーマロイから選ばれる材料で構成される扁平形状の金属磁性体粉、或いは、Fe−Cu−Nb−Si−B系ナノ結晶化合金、Fe−Cr系合金、Fe−Cr−Al−Ti系合金、Fe−Al−Si系合金、Fe−Ni合金、Fe−Si系合金、アモルファス合金、モリブデンパーマロイ及びスーパーマロイから選ばれる材料で構成される粒形状の金属磁性体粉であり、そして、前記第2電磁波吸収層に含有される電磁波吸収材は、好ましくは、NiーZn系フェライト、MgーZn系フェライト、MnーZn系フェライト、CuーZn系フェライト、CuーZn―Mg系フェライト、及び、MnーMg系フェライトから選ばれる材料で構成されるフェライト粉である。前記金属磁性体粉の一部には、酸化されやすいものがあるが、この酸化により電磁波吸収体の可撓性が失われたり、反射損失特性が劣化するといった問題が生じる。そこで、このような金属磁性体の粉体の表面には、シランカップリング剤等の酸化防止剤で処理するのが好ましい。
前述のとおり、第1電磁波吸収層3及び第2電磁波吸収層5は、入射した電磁波、及び、電磁波反射層1で反射された電磁波を吸収するために設けられるものであるが、本発明においては、前記電磁波吸収材の選択及びそれらの量の調整によって、前記第1電磁波吸収層3を構成する多数の電磁波吸収層31,32・・・3nの誘電率は、前記第2電磁波吸収層5の誘電率よりも大きくなるように調整されている。
電磁波吸収材の選択及びそれらの量の調整によって、前記第1電磁波吸収層3を構成する多数の電磁波吸収層31,32・・・3nの誘電率を前記第2電磁波吸収層5の誘電率よりも大きくなるように調整すると、電磁波吸収体の表面インピーダンスが自由空間のインピーダンスに近づいて、表面での電磁波の反射が低減されるので、前記第1電磁波吸収層3及び前記第2電磁波吸収層5を単独で用いる場合よりも良好な電磁波吸収特性が発揮される。電磁波が入射する層の誘電率が大きいほど電磁波が反射されやすく、特に、電磁波の減衰が不充分な上側で、その傾向が顕著であるので、本発明においては、誘電率が小さい第2電磁波吸収層5が上側に配設され、誘電率が大きい第1電磁波吸収層3を下側に配設される。
前記第1電磁波吸収層3を構成する多数の電磁波吸収層31,32・・・3nは、好ましくは、マトリックス樹脂100重量部及び金属磁性体粉500〜1000重量部を含有する樹脂組成物で構成され、そして、第2電磁波吸収層5は、好ましくは、マトリックス樹脂100重量部及びフェライト粉500〜1000重量部を含有する樹脂組成物で構成される。金属磁性体粉が500重量部未満であると電磁波吸収性能が低下し、1000重量部を超えると材料代が高価になるばかりでなく、重量が重く、可撓性、耐久性等が低下し実用上好ましくない。前記可撓性高分子材料に前記金属磁性体粉を分散してシート化した第1電磁波吸収層3は、好ましくは、周波数5.8GHzにおいて、μ’(複素透磁率の実数部)≧1.0、μ”(複素透磁率の虚数部)≧0.3、ε’(複素誘電率の実数部)≧6、ε”(複素誘電率の虚数部)≧0.4である。そして、この第1電磁波吸収層3の誘電率が後述する第2電磁波吸収層5の誘電率よりも大きくなるようにする。
本発明において用いられるマトリックス樹脂は、可撓性があり、比重が1.5以下であり、且つ、耐候性がある有機物高分子材料、例えば、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ウレタンゴム、シリコーン樹脂、塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂等の樹脂又はゴムである。前記可撓性高分子材料がシリコーン樹脂、塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂等の樹脂の場合には、その厚さは、好ましくは、0.1〜0.7mmである。その厚みが0.1mm未満では前記電磁波吸収機能を有する粉末等を分散して電磁波吸収層とした場合の電磁波吸収性能が不足し、また、その厚みが0.7mmを超えると可塑性が不足する。それ故、より好ましい厚さは、0.15〜0.65mmである。前記可撓性高分子材料がクロロプレンゴム、ブチルゴム、ウレタンゴム等のゴムの場合は、その厚さの下限値は前記シリコーン樹脂、塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂等の場合と同じであるが、上限値は前記シリコーン樹脂、塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂等の場合よりも大きくすることが可能であり、各材料毎に可撓性を維持できる範囲で上限値を定めればよい。
近年、安全性の面から難燃性が要求され、且つ、地球環境保護の観点からは、電磁波吸収体を焼却処理する時に、塩素等を含む有害ガスが発生しないようにするため塩素、臭素等のハロゲン化合物を含有しない、所謂ハロゲンフリーの電磁波吸収体が求められるので、前記難燃性でハロゲンフリーの電磁波吸収体とするためには、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合エラストマー(EPDM)又はアクリル樹脂のマトリクス材に水酸化アルミニウム及び/又は赤燐の難燃化助剤を添加したものを用いるとよい。
本発明においては、前記マトリクス樹脂は、好ましくは、アクリル系樹脂である。本発明でいうアクリル系樹脂とは、アクリル酸、メタクリル酸、及び、それらの誘導体の2種以上からなる共重合体であり、一般的なものを適宜選択して採用できる。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソオクチル基、イソノニル基、イソデシル基、ドデシル基、ラウリル基、トリデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコキシル基等の炭素数が20以下のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルの1種以上からなる重合体又は共重合体があげられる。また、一部の共重合成分として、アクリル酸ヒドロキエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドリキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、N―メチロールアクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸グリシジル、酢酸ビニル、スチレン、イソプレン、ブタジエン、イソブチレン、ビニルエーテル等の1種以上を含有したものであってもよい。
本発明においては、接着剤層2(21,22・・・2n),4,6は、各層間を接着すると共に、入射した電磁波を多重反射させるために設けられる。接着剤層2(21,22・・・2n),4,6の厚さは、好ましくは、20〜80μm、さらに好ましくは、30〜60μmである。20μm未満では誘電体層としての特性が不足し、80μmを超えると接着剤としての好適な厚さをはずれ、接着不良等が懸念される。該接着剤2(21,22・・・2n),4,6の誘電率は、好ましくは、ε=3.5〜7であり、さらに好ましくは、ε=4〜6である。その誘電率が3.5未満では誘電体層としての特性(電磁波を多重反射させる)が不足し、また、その誘電率が7を超えると電磁波を反射し過ぎて電磁波吸収体としての減衰特性が劣化する。
該接着剤層2(21,22・・・2n),4,6は、例えば、アクリル樹脂系接着剤、ウレタン樹脂系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤等の接着剤で構成される。特に、耐候性や耐湿熱性の面から、アクリル樹脂系接着剤が好ましい。このアクリル樹脂系接着剤は、前記電磁波吸収層を構成するマトリックス樹脂として例示したものと同様のものである。また、前述したように、安全性の面、及び、地球環境保護の観点から、ハロゲンフリーの難燃化助剤を添加した接着剤とすることが好ましい。
電磁波反射層1は、入射して第1電磁波吸収層3及び第2電磁波吸収層5を透過した電磁波を反射するために設けられている。電磁波反射層1は、好ましくは、アルミニウムシートで構成され、その厚さは、好ましくは、5〜100μmである。その厚さが5μm未満では電磁波を反射する機能が不充分となり、その厚さが100μmを超えると材料費が高価となり原価高となる。本発明においては、電磁波反射層1は、アルミニウムシートに限定されるものではなく、本発明の目的に反しない限り、銅板シート、樹脂膜に導電性金属を蒸着したもの、又は、樹脂膜に導電性金属粉を含有させたものであってもよく、その他、表面抵抗値が10Ω/□以下の導電性を有する層であれば任意のものが使用できる。また、前記アルミニウムシート等の導電性を有する層の下側に厚さ100μm程度の保護層を付加して電磁波反射層1を構成してもよい。
本発明においては、図2に示すように、前記電磁波反射層1は、その他方の面に設けられた接着剤層8を介して、剥離紙9の上に保持されていてもよい。図2において、11は、基材紙であり、10は、離型層であり、そして、200は、電磁波吸収体である。
また、本発明においては、図3に示すように、前記電磁波反射層1は、その他方の面に設けられた接着剤層12を介して基板13に保持されていてもよい。図3において、300は、電磁波吸収体である。前記基板13は、好ましくは、樹脂板、コンクリート板、セラミック板、及び、金属板から選ばれる基板である。
図1〜3に示すように、保護層7が接着剤層6を介して前記第2電磁波吸収層5の上に設けられている。本発明においては、保護層7は、第2電磁波吸収層5を直射日光や風雨から保護すると共に、電波磁吸収体100,200,300に耐候性を持たせるために設けられている。保護層7は、可撓性高分子材料であれば適宜選択して使用することができる。該可撓性高分子材料は、好ましくは、その誘電率を10以下としたものである。誘電率が10を超えると電磁波吸収性能の広帯域性が失われるので、実用上好ましくない。より好ましい誘電率は8以下である。また、保護層7に用いる可撓性高分子材料にFe−Ni−Zn−Cu系、Fe−Mg−Zn−Cu系及びFe−Mn−Zn系ソフトフェライト粉砕粉を分散させると、電磁波の反射を低減でき好ましい。保護層7の厚さは、好ましくは、30〜500μmである。30μm未満では耐候性が不足し、500μmを超えると電磁波吸収体1の厚さ寸法が大きくなり、可撓性が不充分となる。また、電磁波吸収性能の広帯域化が失われる。より好ましい保護層7厚さは40〜450μmである。
本発明においては、前記第1電磁波吸収層3は、5層以上の電磁波吸収層で構成されている。従来の電磁波吸収体には、3層程度の電磁波吸収層で構成されたものがあるが、3層程度の電磁波吸収層で構成された電磁波吸収体では、入射角度80度以内で入射する周波数5.75GHz〜5.85GHzの高い電磁波に対して15dB以上の反射損失を確保することができないので、かかる電磁波吸収体をDSRC路車間通信システムの電磁波吸収体として用いることができない。しかし、本発明においては、前記第1電磁波吸収層3が5層以上の電磁波吸収層で構成され、しかも、それらの層の間に接着剤層2(21,22・・・2n)がそれぞれ設けられているので、入射した電磁波が多重反射の繰り返しによって減衰され、そのために、入射角度80度以内で入射する周波数5.75GHz〜5.85GHzの高い電磁波に対して15dB以上の反射損失を確保することができ、よって、かかる電磁波吸収体をDSRC路車間通信システムの電磁波吸収体として用いることができる。本発明においては、前記第1電磁波吸収層3を構成する電磁波吸収層の層数が5層より多くなればなるほど、入射角度80度以内で入射する周波数5.75GHz〜5.85GHzの高い電磁波に対して反射損失が小さくなるので好ましいが、10層を越えると、電磁波吸収体全体の層厚が厚くなり、可撓性が低下してくるので、前記第1電磁波吸収層3は、好ましくは、5,6,7,8,9又は10の層で構成されている。
本発明においては、前記第1電磁波吸収層3を構成する多数の電磁波吸収層31,32・・・3nの各層の層厚は、好ましくは、0.1〜0.7mmであり、前記第2電磁波吸収層5の層厚は、好ましくは、0.1〜0.7mmであり、そして、前記接着剤層2(21,22・・・2n)、4の各層の層厚は、好ましくは、20〜80μmであり、さらに好ましくは、30〜60μmである。
本発明においては、前記第1電磁波吸収層、前記第2電磁波吸収層及び前記接着剤層の各層の合計の層厚は、好ましくは、2.5〜3.5mmである。したがって、本発明の電磁波吸収体が可撓性に優れている。
図4に示すように、本発明の電磁波吸収体100は、ニップを形成する一対のローラa,bを一定方向に多数並べて設け、それらの一対のローラa,bの間に、順次、剥離紙cの上に保持された接着剤層2(21,22・・・2n)と剥離紙cの上に保持された電磁波吸収材を含有する第1電磁波吸収層3(31,32・・・3n)とを交互に供給し、そして、剥離紙cの上に保持された接着剤層4と剥離紙cの上に保持された電磁波吸収材を含有する第2電磁波吸収層5とを順次供給して、圧着した後、それらの剥離紙cを剥離して、多数の電磁波吸収層31,32・・・3nで構成される第1電磁波吸収層3と第2電磁波吸収層5とを形成することによりシート状に製造される。このように、ニップを形成する一対のローラa,bを一定方向に多数並べて設け、それらの一対のローラa,bの間に、順次、剥離紙cの上に保持された接着剤層2(21,22・・・2n)と剥離紙cの上に保持された電磁波吸収材を含有する第1電磁波吸収層3(31,32・・・3n)とを交互に供給し、そして、剥離紙cの上に保持された接着剤層4と剥離紙cの上に保持された電磁波吸収材を含有する第2電磁波吸収層5とを順次供給して、圧着した後、それらの剥離紙cを剥離して、多数の電磁波吸収層31,32・・・3nで構成される第1電磁波吸収層3と第2電磁波吸収層5とを形成すると、全体の層厚が厚くならないようにした一定厚さの電磁波吸収体を連続的に形成することができ、そのために、入射角度80度以内で入射する周波数5.75GHz〜5.85GHzの高い電磁波に対して反射損失特性に優れると共に、薄くて可撓性を有する電磁波吸収体を低コストで形成することができる。
(実施例1)
アルミニウムシートとして可撓性を有する厚さ15μmのアルミ箔を使用し、このアルミ箔の下側に厚さ100μmの樹脂フィルムで形成された保護層(支持層)を付加することにより皺や破れのない電磁波反射層1を製作した。
可撓性を有するアクリル系共重合体エマルジョン(高圧ガス工業株式会社製 ぺガール851;樹脂成分55%)の樹脂成分100重量部に対して水酸化アルミニウム(昭和電工株式会社製 H−32)を250重量部および赤燐(日本化学工業社製 CPA−15)を10重量部添加して、難燃化され且つハロゲンフリーのアクリル樹脂とし、金属磁性体粉としてFe−13Cr合金(電磁ステンレス粉)の粉末をアクリル系共重合体を水に分散させたアクリル系共重合体エマルジョンの樹脂成分100重量部に対して750重量部分散させた原料を、ドクターブレードによりPETセパレータ上に塗工し乾燥させて、厚さ0.55mmの電磁波吸収層31〜33を製作した(なお、図4においては、電磁波吸収層33は、省略されている。)。同様な組成、方法で厚さ0.3mmの電磁波吸収層34及び電磁波吸収層35を製作した(なお、図4においては、電磁波吸収層34,35は、省略されている。)。前記電磁波吸収層34及び電磁波吸収層35の厚さを電磁波吸収層31〜33の厚さより薄くした理由は、電磁波吸収体100の厚さ寸法をできるだけ薄くして可撓性を増すためであり、例えば、電磁波吸収層31〜33の厚さに揃えて製作しても良い。前記電磁ステンレス粉は、大同特殊鋼社製 410L(9M)であり、その平均粒子径は10.0μmであり、その含有成分(重量%)は、Fe<86.0、Cr<13.1、Si<1.0、O<0.25である。この電磁波吸収層31〜33の透磁率及び誘電率は、周波数5.8GHzにおいて、μ’(複素透磁率の実数部)=1.3、μ”(複素透磁率の虚数部)=0.7、ε’(複素誘電率の実数部)=11.5、及び、ε”(複素誘電率の虚数部)=0.8である。
同様に難燃化され且つハロゲンフリーとしたアクリル樹脂に、酸化物磁性体粉であるNiーZn系フェライト粉末をアクリル系共重合体エマルジョン100重量部に対して600重量部分散させた原料を、ドクターブレードによりPETセパレータ上に塗工し乾燥させて厚さ0.45mmの第2電磁波吸収層5を製作した。前記NiーZn系フェライト粉末(NP20D、日立金属社製)は、平均粒子径2〜3μm、初透磁率μi =2000のものである。この第2電磁波吸収層5の透磁率及び誘電率は、周波数5.8GHzにおいて、μ’(複素透磁率の実数部)=2.1、μ”(複素透磁率の虚数部)=1.3、ε’(複素誘電率の実数部)=9.5、及び、ε”(複素誘電率の虚数部)=0.2である。
次に、可撓性を有する厚さ100μmの高耐候性アクリル保護フィルム(デンカDXフィルム(登録商標))を保護層7とした。この保護層7の誘電率は、3.4である。この保護層7は、耐候性に優れるとともに、各種の色を付すことができ、使用者の要望によって、色を選択でき、意匠性にも優れる。
次に、接着剤層2は、誘電率5の溶剤系のアクリル樹脂系接着剤(綜研化学社製 SKダイン 1717;樹脂成分45%)100重量部に対して赤燐(日本化学工業社製 LP−F)を10重量部添加して、難燃化され且つハロゲンフリーの接着剤とし、ドクターブレードによりPETセパレータ上に塗工し乾燥させて1層の厚さ50μmの該接着剤層2を製作した。溶剤系のアクリル樹脂系接着剤とした理由は、耐候性や耐湿熱性の面から溶剤系のアクリル樹脂系接着剤を選定した。また、本実施例における電磁波吸収体層がアクリル樹脂であるため、相性を良くするため同系統の材質としたものである。
前記各部材を実施形態の構成順に図4に示される一定方向に多数並べて設けたラミネータロールを通して積層して、図1に示される電磁波吸収体100を製作した。本実施例においては、図1に示される層数nを5として電磁波吸収体100を製作した。この電磁波吸収体100の総厚さは、3.265mmであり、該電磁波吸収体より電磁波反射層1及び保護層7を除いた部位の総厚さは、3.05mmであった。また、この電磁波吸収体100は、難燃性であると共に、塩素、臭素等のハロゲン化合物を含有しない所謂ハロゲンフリーの材質であるので、電磁波吸収体を焼却処理する時に、塩素等を含む有害ガスが発生せず、地球環境保護の観点から好ましいものであった。また、この電磁波吸収体100の電磁波吸収性能をタイムドメイン法を用いて評価した。電磁波吸収体100に対し、種々の角度から5.8GHzの電磁波を入射させて、その時の反射損失を測定した。得られた反射損失と入射角度との関係は、図5に示される。図5において、電磁波入射角0度とは垂直入射のことであり、角度が大になる程斜入射となる。図5から電磁波入射角0〜80度において15dB以上の反射損失が得られている。そして、図5には、この実施例1と対比するために、従来例1(特許文献4を参照。)及び従来例2(特許文献2を参照。)について評価した結果も記載した。図5からみると、従来例1,2では、入射角度60〜80度では、電磁波吸収特性が著しく低下するが、本実施例1では、80度以下の入射角度で入射する斜入射の電磁波すべてに対しても良好な電磁波吸収特性を発揮することが分かる。
また、実施例1にて作製した電磁波吸収体の可撓性、耐候性、耐湿熱性及び防錆性を評価した結果は、次の表1に示される。なお、後述する比較例1〜3の評価結果も同時に表1に示す。
Figure 2005228939
表1に示す「可撓性」を評価するに当たり、電磁波吸収体を45cm×45cmの大きさにしたものを試験片とした。この試験片を半径5cmの円柱に沿わせて湾曲させたときに、試験片の層間剥離や割れ、表面のシワ、折れ等を目視にて観察し、異常が認められなかったときを○、異常が認められたときを×とした。
表1に示す「耐候性」を評価するに当たり、電磁波吸収体を45cm×90cmの大きさにしたものを試験片とした。屋根がなく日当たりの良い屋外に試験片を置き、500時間までの暴露試験を行った後、試験片の層間剥離や割れ、表面のシワ、膨れ、錆の発生等の状態を目視にて観察し、異常が認められなかったときを○、異常が認められたときを×とした。また、試験後の反射損失特性がブランクの値に対して15%以上の劣化がなく、且つ、入射角度60度以内で入射する中心周波数5.8GHzの電磁波に対し、少なくとも15dB以上の反射損失を確保しているときを○、ブランクの値に対して15%以上の劣化があり、且つ、入射角度80度以内で入射する中心周波数5.8GHzの電磁波に対し、15dB以上の反射損失を確保していないときを×とした。
表1に示す「耐湿熱性」および「防錆性」を評価するに当たり、電磁波吸収体を45cm×90cmの大きさにしたものを試験片とした。温度80℃、湿度95%Rhに設定された評価試験機中に試験片を置き、2000時間までの連続試験を行った後、試験片の層間剥離や割れ、表面のシワ、膨れ、錆の発生等の状態を目視にて観察し、異常が認められなかったときを○、異常が認められたときを×とした。また、試験後の反射損失特性がブランクの値に対して15%以上の劣化がなく、且つ、入射角度80度以内で入射する中心周波数5.8GHzの電磁波に対し、少なくとも15dB以上の反射損失を確保しているときを○、ブランクの値に対して15%以上の劣化があり、且つ、入射角度80度以内で入射する中心周波数5.8GHzの電磁波に対し、15dB以上の反射損失を確保していないときを×とした。
表1から次のことがわかる。
即ち、表1において、実施例1の電磁波吸収体は、薄くて可撓性が有るので、貼付け対象のコーナー(隅)部、湾曲部あるいは凹凸部等にも貼付けできる。また、耐候性、耐湿熱性および防錆性に優れ、反射損失特性をみても、ブランクに対して15%以上の劣化はなく、且つ、入射角度80度以内で入射する中心周波数5.8GHzの電磁波に対し、少なくとも15dB以上の反射損失を確保している。
比較例1の電磁波吸収体は、実施例1の電磁波吸収体における第1電磁波吸収層の電磁ステンレス粉であるFe−13Cr合金を表1に記載した通り非電磁ステンレス粉である純鉄に変更したものであるが、比較例1にあっては、各試験後において耐候性、耐湿熱性および防錆性が得られず、且つ、入射角度80度以内で入射する中心周波数5.8GHzの電磁波に対し、少なくとも15dB以上の反射損失を確保することができなかった。
比較例2の電磁波吸収体は、実施例1の電磁波吸収体における第1電磁波吸収層の配合を表1に記載した通り450重量部に変更したものであるが、比較例2にあっては、可撓性はあるが、入射角度80度以内で入射する中心周波数5.8GHzの電磁波に対し、少なくとも15dB以上の反射損失を確保することができなかった。
比較例3の電磁波吸収体は、実施例1の電磁波吸収体における第1電磁波吸収層の配合を表1に記載した通り1100重量部に変更したものであるが、比較例3にあっては、前記電磁ステンレス粉の配合量が多すぎたために、電磁波吸収体自体が硬くなってしまい、可撓性を低下させる結果となった。また、入射角度80度以内で入射する中心周波数5.8GHzの電磁波に対し、少なくとも15dB以上の反射損失を確保することができなかった。
以上、本発明の実施の形態及び実施例について説明したが、本発明は、上記実施の形態及び実施例に限定されるものではない。また、本発明の実施の形態及び実施例に記した寸法、形状、材質等はこれに限定されるものではなく、機能、生産性等を勘案して最適のものとすれば良い。
本発明の一実施の形態を示す電磁波吸収体の断面図である。 本発明の他の一実施の形態を示す電磁波吸収体の断面図である。 本発明の他の一実施の形態を示す電磁波吸収体の断面図である。 本発明の一実施の形態を示す電磁波吸収体の製造方法の概略説明図である。 電磁波吸収体の電磁波入射角度(度)と反射損失(dB)との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 電磁波反射層
2(21,22・・・2n),4,6,8,12 接着剤層
3(31,32・・・3n) 第1電磁波吸収層
5 第2電磁波吸収層
7 保護層
9 剥離紙
10 基材紙
11 離型層
13 基板
100,200,300 電磁波吸収体
a,b ローラ
c 剥離紙

Claims (13)

  1. 導電性材料からなる電磁波反射層と、該電磁波反射層の一方の面に積層された電磁波吸収材を含有する多数の電磁波吸収層で構成される第1電磁波吸収層と、該第1電磁波吸収層の該電磁波反射層の積層されていない面に積層された電磁波吸収材を含有する第2電磁波吸収層と、をそれぞれ有する電磁波吸収体において、(イ)前記それぞれの層が接着剤層を介して接合され、(ロ)前記第1電磁波吸収層を構成する多数の電磁波吸収層の誘電率が前記第2電磁波吸収層の誘電率よりも大きくなるように調整され、且つ、(ハ)前記第1電磁波吸収層が5層以上の電磁波吸収層で構成されていることを特徴とする電磁波吸収体。
  2. 前記第1電磁波吸収層に含有される電磁波吸収材が、Fe−Cu−Nb−Si−B系ナノ結晶化合金、Fe−Cr系合金、Fe−Cr−Al−Ti系合金、Fe−Al−Si系合金、Fe−Ni合金、Fe−Si系合金、アモルファス合金、モリブデンパーマロイ、及び、スーパーマロイから選ばれる材料で構成される扁平形状の金属磁性体粉、或いは、Fe−Cu−Nb−Si−B系ナノ結晶化合金、Fe−Cr系合金、Fe−Cr−Al−Ti系合金、Fe−Al−Si系合金、Fe−Ni合金、Fe−Si系合金、アモルファス合金、モリブデンパーマロイ及びスーパーマロイから選ばれる材料で構成される粒形状の金属磁性体粉であり、そして、前記第2電磁波吸収層に含有される電磁波吸収材が、NiーZn系フェライト、MgーZn系フェライト、MnーZn系フェライト、CuーZn系フェライト、CuーZn―Mg系フェライト、及び、MnーMg系フェライトから選ばれる材料で構成されるフェライト粉であることを特徴とする請求項1に記載の電磁波吸収体。
  3. 前記電磁波吸収材の選択及びそれらの量の調整によって、前記第1電磁波吸収層を構成する多数の電磁波吸収層の誘電率が、前記第2電磁波吸収層の誘電率よりも大きくなるように調整されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電磁波吸収体。
  4. 前記第1電磁波吸収層を構成する多数の電磁波吸収層が、マトリックス樹脂100重量部及び金属磁性体粉500〜1000重量部を含有する樹脂組成物で構成され、そして、第2電磁波吸収層が、マトリックス樹脂100重量部及びフェライト粉500〜1000重量部を含有する樹脂組成物で構成されていることを特徴とする請求項3に記載の電磁波吸収体。
  5. 前記マトリクス樹脂がアクリル系樹脂であることを特徴とする請求項4に記載の電磁波吸収体。
  6. 前記電磁波反射層が、その他方の面に設けられた接着剤層を介して、剥離紙上に保持されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の電磁波吸収体。
  7. 前記電磁波反射層が、その他方の面に設けられた接着剤層を介して基板に保持されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の電磁波吸収体。
  8. 前記基板が、樹脂板、コンクリート板、セラミック板、及び、金属板から選ばれる基板であることを特徴とする請求項7に記載の電磁波吸収体。
  9. 保護層が、接着剤層を介して前記第2電磁波吸収層上に設けられていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の電磁波吸収体。
  10. 前記第1電磁波吸収層が、5,6,7,8,9又は10の層で構成されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の電磁波吸収体。
  11. 前記第1電磁波吸収層を構成する多数の電磁波吸収層の各層の層厚が0.1〜0.7mmであり、前記第2電磁波吸収層の層厚が0.1〜0.7mmであり、そして、前記接着剤層の各層の層厚が20〜80μmであることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の電磁波吸収体。
  12. 前記第1電磁波吸収層、前記第2電磁波吸収層及び前記接着剤層の各層の合計の層厚が、2.5〜3.5mmであることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の電磁波吸収体。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載された電磁波吸収体の製造方法において、ニップを形成する一対のローラを一定方向に多数並べて設け、それらの一対のローラ間に順次剥離紙上に保持された接着剤層と剥離紙上に保持された電磁波吸収材を含有する樹脂層とを交互に供給して圧着した後、それらの剥離紙を剥離して、多数の電磁波吸収層で構成される第1電磁波吸収層と第2電磁波吸収層とを形成することを特徴とする電磁波吸収体の製造方法。
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