JP2008202238A - 建設機械 - Google Patents

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Abstract

【課題】 複数の油圧ホースがスイングポスト内で互いに接触するのを抑える。
【解決手段】 スイングポスト11内を通過する複数の油圧ホースを、ホース挿通孔20からホース収容空間27を通って左,右の側面板14,15間を下側から上側へと延びる第1のホース群32と、ホースカバー21の上面側と作業装置4のブームフート部4A1との間を通って左,右の側面板14,15間を後側から前側へと延びる第2のホース群33とに分ける構成とする。これにより、第1のホース群32と第2のホース群33とを、互いに分離した状態でスイングポスト11内に余裕をもって配置することができる。この結果、第1のホース群32を構成する各油圧ホース32Aと、第2のホース群33を構成する各油圧ホース33Aとが、スイングポスト11内で互いに接触するのを抑えることができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、例えば油圧ショベル等に好適に用いられる建設機械に関し、特に、作業装置を左,右方向に揺動可能に支持するスイングポストを備えた建設機械に関する。
一般に、建設機械としての油圧ショベルは、自走可能な下部走行体と、該下部走行体上に旋回可能に搭載された上部旋回体と、該上部旋回体の前部側に俯仰動可能に設けられた作業装置とにより大略構成され、上部旋回体を旋回させつつ作業装置を俯仰動させることにより、土砂の掘削作業等を行うものである。
また、例えば道路脇の側溝等を掘削するのに好適に用いられる油圧ショベルとして、作業装置が左,右方向に揺動可能となったスイング式の油圧ショベルが知られている。このスイング式の油圧ショベルは、上部旋回体の前側にポスト支持ブラケットを有し、該ポスト支持ブラケットには、連結ピンを介してスイングポストが左,右方向に揺動可能に支持されている。また、スイングポストの上端側には、作業装置の基端部(ブームフート部)が俯仰動可能に取付けられている。
そして、スイング式の油圧ショベルの作業装置は、上部旋回体に対して左,右方向に揺動する動作と、上,下方向に俯仰動する動作とを行なうことができ、側溝等を効率良く掘削することができる構成となっている。
ここで、油圧ショベルの上部旋回体と作業装置の各アクチュエータとの間には、各アクチュエータに作動用の圧油を供給するための複数の油圧ホースが接続されている。このため、スイング式の油圧ショベルは、作業装置の揺動動作と俯仰動動作とを許した状態で上部旋回体と作業装置の各アクチュエータとの間を接続できるように、複数の油圧ホースの途中部位が、連結ピンの側方からスイングポスト内に挿通されている。そして、各油圧ホースは、スイングポスト内を下側から上側へと立上り、作業装置に向けて延びる構成となっている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−36233号公報
しかし、上述した従来技術による油圧ショベルでは、上部旋回体と作業装置の各アクチュエータとの間を接続する複数の油圧ホースが、左,右方向に一列に並んだ一つのホース群にまとめられた状態で、スイングポストの左,右の側面板間を下側から上側へと延びる構成となっている。
このため、スイングポストの左,右の側面板の間隔を大きく確保する必要があり、この分、スイングポストの重量が大きくなるという問題がある。また、複数の油圧ホースが、一つのホース群にまとめられた状態で狭隘なスイングポストの左,右の側面板間に配置されるので、作業装置の揺動動作、俯仰動動作によって油圧ホース同士が接触し易くなり、当該油圧ホースの摩耗を早めるという問題がある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、複数の油圧ホースがスイングポスト内で互いに接触するのを抑えることができるようにした建設機械を提供することを目的としている。
上述した課題を解決するため本発明は、自走可能な下部走行体と、該下部走行体上に旋回可能に搭載され前側にポスト支持ブラケットを有する上部旋回体と、該上部旋回体のポスト支持ブラケットに連結ピンを介して左,右方向に揺動可能に取付けられたスイングポストと、該スイングポストに俯仰動可能に取付けられ油圧アクチュエータによって駆動される作業装置と、前記上部旋回体と前記作業装置のアクチュエータとの間を接続して設けられ途中部位が前記スイングポスト内を通過する複数の油圧ホースとを備えてなる建設機械に適用される。
そして、請求項1の発明の特徴は、前記スイングポストは、前記連結ピンを介して前記ポスト支持ブラケットに取付けられる後面板と、該後面板の左,右両側に設けられ上側に前記作業装置のブームフート部が取付けられるブーム取付ブラケットを有する左,右の側面板と、前記後面板の前側にホース収容空間をもって配置され前記各油圧ホースを覆うホースカバーと、前記後面板と側面板とに跨って、または前記後面板と側面板とのうちいずれか一方に設けられ前記ホース収容空間に開口するホース挿通孔とにより構成し、前記各油圧ホースは、前記ホース挿通孔から前記ホース収容空間を通って前記左,右の側面板間を下側から上側へと延びる第1のホース群と、前記ホースカバーの上面側と前記作業装置のブームフート部との間を通って前記左,右の側面板間を後側から前側へと延びる第2のホース群とに分かれて前記スイングポスト内を通過する構成としたことにある。
請求項2の発明は、前記ホースカバーには、前記第1のホース群を構成する油圧ホースの途中部位を把持する第1のホースクランプを設ける構成としたことにある。
請求項3の発明は、前記ホースカバーは、前記後面板と対面しつつ上,下方向に延びる前カバー部と、該前カバー部の上側から後方へと延びる上カバー部とにより構成し、前記上カバー部には、前記第2のホース群を構成する油圧ホースの途中部位を把持する第2のホースクランプを設ける構成としたことにある。
請求項4の発明は、前記第1,第2のホースクランプは、前記左,右の側面板間であって、前記ホースカバーと前記ブームフート部との間に配置する構成としたことにある。
請求項5の発明は、前記ホースカバーの前カバー部と上カバー部とは別部材により構成し、前記第1のホースクランプは前記前カバー部と上カバー部との間に挟持して配置し、前記第2のホースクランプは前記第1のホースクランプよりも後側に位置して前記上カバー部に設ける構成としたことにある。
請求項6の発明は、前記各油圧ホースに追加して設けられた追加油圧ホースは、前記スイングポストの外側を通って前記上部旋回体から前記作業装置へと延びる構成としたことにある。
請求項7の発明は、前記スイングポストには、左,右方向の一側に位置する一方の側面板にスイングシリンダを取付けるシリンダ取付ブラケットを設け、前記ホース挿通孔は左,右方向の他側に位置して設け、前記第1のホース群は、前記連結ピンを挟んで前記シリンダ取付ブラケットとは反対側から前記ホース挿通孔に挿通する構成としたことにある。
請求項1の発明によれば、上部旋回体と作業装置の各アクチュエータとの間を接続する複数の油圧ホースは、第1のホース群と第2のホース群とに分かれた状態で、スイングポスト内を通過することができる。このため、例えば複数の油圧ホースを一つのホース群にまとめた状態でスイングポスト内に配置する場合に比較して、第1のホース群を構成する各油圧ホースと第2のホース群を構成する各油圧ホースとを、互いに分離した状態でスイングポスト内に余裕をもって配置することができる。これにより、複数の油圧ホースが、スイングポスト内で互いに接触するのを抑えることができ、各油圧ホースの寿命を延ばすことができる。
また、複数の油圧ホースを第1のホース群と第2のホース群とに分けることにより、スイングポストの左,右の側面板の間隔を小さく抑えることができ、この分、スイングポストの重量を低減することができる。
請求項2の発明によれば、ホースカバーに設けた第1のホースクランプによって、第1のホース群を構成する各油圧ホースの途中部位を把持することにより、これら各油圧ホースがスイングポスト内で無理な変形等を生じるのを抑え、スイングポストの左,右の側面板間を下側から上側へと無理なく案内することができる。また、スイングポストが揺動動作を行なうときに、第1のホースクランプによって把持された各油圧ホースが互いに接触するのを抑えることができるので、各油圧ホースの寿命を延ばすことができる。
請求項3の発明によれば、ホースカバーの上カバー部に設けた第2のホースクランプによって、第2のホース群を構成する各油圧ホースの途中部位を把持することにより、これら各油圧ホースがスイングポスト内で無理な変形等を生じるのを抑え、スイングポストの左,右の側面板間を後側から前側へと無理なく案内することができる。しかも、第2のホースクランプは、前カバー部の上側から後方へと延びる上カバー部に設けられているので、第1のホースクランプと第2のホースクランプとを上,下に離間させて配置することができる。従って、第1のホースクランプによって把持された第1のホース群と、第2のホースクランプによって把持された第2のホース群とを、上,下方向に分離することができるので、これら第1,第2のホース群が接触するのを抑えることができる。
請求項4の発明によれば、第1,第2のホースクランプを、スイングポストの左,右の側面板間で、かつ作業装置のブームフート部とホースカバーとの間に設けることにより、第1のホース群の途中部位と第2のホース群の途中部位とを、それぞれ連結ピンの近傍位置で把持することができる。これにより、スイングポストが連結ピンを中心として揺動動作を行なったときに、第1,第2のホース群を構成する各油圧ホースが揺動動作に追従して大きく撓むのを抑えることができ、各油圧ホースの寿命を一層延ばすことができる。
請求項5の発明によれば、ホースカバーを、互いに別部材からなる前カバー部と上カバー部とにより構成することにより、前カバー部と上カバー部との間で第1のホースクランプを挟持することができる。また、別部材からなる前カバー部と上カバー部とを組合わせることにより、複雑な形状を有するホースカバーも容易に形成することができる。
請求項6の発明によれば、第1,第2のホース群を構成する各油圧ホース以外の追加油圧ホースを設ける場合に、この追加油圧ホースを、スイングポストの外側を通って作業装置へと延ばすことにより、第1,第2のホース群と追加油圧ホースとの干渉を確実に防止することができる。
請求項7の発明によれば、スイングポストの左,右方向の一側にシリンダ取付ブラケットを設け、左,右方向の他側にホース挿通孔を設けることにより、第1のホース群を、シリンダ取付ブラケット、スイングシリンダ等と干渉することなくホース挿通孔に挿通することができる。
以下、本発明に係る建設機械の実施の形態を、油圧ショベルに適用した場合を例に挙げ、図1ないし図10を参照しつつ詳細に説明する。
図中、1は建設機械の代表例である油圧ショベルで、該油圧ショベル1は、自走可能なクローラ式の下部走行体2と、該下部走行体2上に旋回可能に搭載された上部旋回体3と、該上部旋回体3の前部側に設けられた作業装置4とにより大略構成されている。
ここで、作業装置4は、後述のスイングポスト11に俯仰動可能に取付けられたブーム4Aと、該ブーム4Aの先端部に俯仰動可能に取付けられたアーム4Bと、該アーム4Bの先端部に回動可能に取付けられたバケット4Cとにより大略構成されている。
また、スイングポスト11とブーム4Aとの間にはブームシリンダ4Dが設けられ、ブーム4Aとアーム4Bとの間にはアームシリンダ4Eが設けられ、アーム4Bとバケット4Cとの間にはバケットシリンダ4Fが設けられ、これらブームシリンダ4D、アームシリンダ4E、バケットシリンダ4Fは油圧アクチュエータを構成している。
さらに、作業装置4には、ブーム4Aの背面に沿って延びる複数本の油圧配管からなる油圧配管群4Gが設けられている。そして、油圧配管群4Gの先端側は、油圧ホース4Hを介してアームシリンダ4E、バケットシリンダ4Fに接続され、油圧配管群4Gの基端側には、後述する第1のホース群32が接続される構成となっている。
5は上部旋回体3のベースとなる旋回フレームで、該旋回フレーム5は強固な支持構造体をなし、下部走行体2上に旋回可能に取付けられている。そして、旋回フレーム5の前端側には、後述のポスト支持ブラケット10が設けられている。また、旋回フレーム5の前部左側には、運転室を画成するキャブ6が設けられ、旋回フレーム5の後端側には、作業装置4との重量バランスをとるカウンタウエイト7が設けられている。また、カウンタウエイト7の前側には建屋カバー8が設けられ、該建屋カバー8内には、旋回フレーム5に搭載されたエンジン、油圧ポンプ等(いずれも図示せず)の搭載機器が収容されている。さらに、キャブ6の下側にはコントロールバルブ9が配設されている。
ここで、コントロールバルブ9は複数の方向制御弁の集合体からなり、コントロールバルブ9の流入口は、油圧ポンプ(図示せず)の吐出口に接続され、コントロールバルブ9の吐出口には、後述する第1のホース群32、第2のホース群33、追加油圧ホース34の基端側が接続されている。そして、コントロールバルブ9は、作業装置4の各シリンダ4D,4E,4F、旋回モータ、走行モータ(いずれも図示せず)等のアクチュエータに対する圧油の供給と排出を切換えることにより、当該アクチュエータの動作を制御するものである。
10は旋回フレーム5の前端側に設けられたポスト支持ブラケットで、該ポスト支持ブラケット10は、図1及び図2に示すように、後述のスイングポスト11を左,右方向に揺動可能に支持するものである。ここで、ポスト支持ブラケット10は、軸方向の中間部が小径な円筒状となり、軸方向の両端部が大径な円筒状となった段付き円筒状に形成され、その内周側は後述の連結ピン12が挿嵌されるピン挿嵌孔10Aとなっている。
11は上部旋回体3のポスト支持ブラケット10に連結ピン12を介して揺動可能に支持されたスイングポストで、該スイングポスト11は、連結ピン12を中心として左,右方向に揺動可能な状態で、作業装置4を俯仰動可能に支持するものである。そして、スイングポスト11は、図4ないし図7に示すように、後述の後面板13、左側面板14、右側面板15、シリンダ取付ブラケット18、ホース挿通孔20、ホースカバー21等により構成されている。
13は連結ピン12を介してポスト支持ブラケット10に揺動可能に取付けられる後面板で、該後面板13は、ポスト支持ブラケット10を上,下方向から挟むようにコ字状に形成され、上,下方向に延びている。ここで、後面板13の上,下方向の両端側は、後方に向けて水平に延びる上面部13A、下面部13Bとなっている。また、後面板13の上面部13Aと下面部13Bとには、ポスト支持ブラケット10のピン挿嵌孔10Aと同心上にピン挿嵌孔13C,13Cがそれぞれ形成されている。そして、図2に示すように、後面板13の上面部13Aと下面部13Bとに形成された各ピン挿嵌孔13Cと、ポスト支持ブラケット10のピン挿嵌孔10Aとに連結ピン12を挿嵌することにより、スイングポスト11が、ポスト支持ブラケット10に左,右方向に揺動可能に取付けられる構成となっている。
14,15は後面板13の左,右両側に互いに対向して設けられた左,右の側面板で、これら左,右の側面板14,15は、後面板13から上方及び前方に張出した板状をなしている。そして、左側面板14の上端側は、後面板13の上面部13Aよりも上方に突出したブーム取付ブラケット14Aとなり、左側面板14の前端側には、右側面板15に向けて突出する円筒状のシリンダ取付ボス14Bが設けられている。一方、右側面板15の上端側もブーム取付ブラケット15Aとなり、右側面板15の前端側には、左側面板14に向けて突出する円筒状のシリンダ取付ボス15Bが設けられている。
そして、左,右の側面板14,15のブーム取付ブラケット14A,15Aには、作業装置4を構成するブーム4Aのブームフート部4A1がピン16を介して回動可能に取付けられている。また、左,右の側面板14,15のシリンダ取付ボス14A,15Aには、ブームシリンダ4Dのボトム側がピン17を介して回動可能に取付けられている(図2参照)。
18は右側面板15に設けられたシリンダ取付ブラケットで、該シリンダ取付ブラケット18は、右側面板15から右側方に突出して設けられている。そして、図3に示すように、シリンダ取付ブラケット18にはスイングシリンダ19の一端側が取付けられ、該スイングシリンダ19を伸縮させることにより、スイングポスト11が連結ピン12を中心として左,右方向に揺動する構成となっている。
20は後面板13と左側面板14とが交わる角隅部に形成されたホース挿通孔で、該ホース挿通孔20は、後面板13と左側面板14とに跨って形成され、後述のホース収容空間27内に開口するものである。そして、ホース挿通孔20は、連結ピン12を挟んでシリンダ取付ブラケット18とは反対側に配置され、図1に示すコントロールバルブ9から延びる後述の第1のホース群32は、ホース挿通孔20を通じて後述のホース収容空間27内に導かれる構成となっている。この場合、ホース挿通孔20を、連結ピン12を挟んでシリンダ取付ブラケット18とは反対側に配置することにより、第1のホース群32が、シリンダ取付ブラケット18、スイングシリンダ19等と干渉することなく、円滑にホース挿通孔20を通じてホース収容空間27内に導入される構成となっている。
21は後面板13の前側に位置して左,右の側面板14,15間に配置されたホースカバーで、該ホースカバー21は、後面板13との間に後述のホース収容空間27を形成し、後述する第1のホース群32を保護するものである。ここで、ホースカバー21は、図7及び図8等に示すように、互いに別部材として形成された後述の前カバー部22と上カバー部23とにより大略構成されている。
22はホースカバー21を構成する前カバー部で、該前カバー部22は、後面板13と対面しつつ上,下方向に延びる板体として形成されている。ここで、前カバー部22の上,下方向の途中部位は、前方に突出するように屈曲した屈曲部22Aとなり、前カバー部22のうち屈曲部22Aよりも上側となる部位は、後方に向けて斜め上向きに傾斜した傾斜面22Bとなっている。
そして、前カバー部22の上端部には、左,右方向に延びる平板状の補強板22Cが溶接等の手段を用いて固着され、該補強板22Cによって前カバー部22の剛性を高める構成となっている。また、傾斜面22Bの上端側には、左,右方向に離間して2個のボルト挿通孔22D,22Dが形成されている。さらに、前カバー部22の下端側には、略L型に屈曲した取付板22Eがボルト締めされ、この取付板22Eの後端部は、後述のボルト25を用いて後面板13の下面部13Bに取付けられるものである(図7参照)。
23は前カバー部22の上端側に取付けられた上カバー部で、該上カバー部23は、前カバー部22の上端側から後方へと延びる板体として形成されている。そして、上カバー部23の前端側には、前カバー部22の傾斜面22Bと平行して前,後方向に延びる傾斜面23Aが設けられ、該傾斜面23Aの後側には、後面板13の上面部13Aと平行して前,後方向に延びる水平面23Bが設けられている。
ここで、傾斜面23Aには、前カバー部22の各ボルト挿通孔22Dと対応する位置に、裏ナット等により形成された2個の雌ねじ部23C,23Cが設けられている。また、傾斜面23Aの左,右両端部には、後述する第1のホースクランプ28に当接する左,右の当接片23D,23Dが設けられている。一方、水平面23Bの前端部中央には、後述する第2のホースクランプ29を受ける平板状のクランプ受け23Eが固着して設けられ、該クランプ受け23Eを挟む左,右両側には、裏ナット等により形成された2個の雌ねじ部23F,23Fが設けられている。
そして、前カバー部22の傾斜面22Bと上カバー部23の傾斜面23Aとの間に、後述する第1のホースクランプ28を挟込んだ状態で、前カバー部22の各ボルト挿通孔22Dに挿通したボルト24を、上カバー部23の各雌ねじ部23Cに螺合することにより、前カバー部22と上カバー部23とが一体化されたホースカバー21が形成される。
そして、図7に示すように、前カバー部22を構成する取付板22Eの後端部を、ボルト25を用いて後面板13の下面部13Bに取付けると共に、上カバー部23の水平面23Bを、ボルト26を用いて後面板13の上面部13Aに取付けることにより、ホースカバー21は、左側面板14と右側面板15との間に配置される。これにより、ホースカバー21の前カバー部22と後面板13との間には、後述する第1のホース群32の途中部位が収容されるホース収容空間27が形成される構成となっている。
28はホースカバー21に設けられた第1のホースクランプで、該第1のホースクランプ28は、後述する第1のホース群32の途中部位を把持するものである。ここで、第1のホースクランプ28は、図8等に示すように、ゴム等の弾性材料を用いて左,右方向に延びる直方体状に形成されている。また、第1のホースクランプ28の左,右方向の両端側には、前,後方向に貫通する複数のホース保持孔28A,28A,…が、左,右方向(長さ方向)に並んで設けられている。さらに、第1のホースクランプ28の左,右方向の中央部には、前カバー部22のボルト挿通孔22Dと対応する2個のボルト挿通孔28B,28Bが左,右に離間して設けられている。
そして、第1のホースクランプ28は、前カバー部22と上カバー部23とを締結するボルト24をボルト挿通孔28B内に挿通することにより、前カバー部22の傾斜面22Bと上カバー部23の傾斜面23Aとの間で挟持される。これにより、第1のホースクランプ28は、図2に示すように、連結ピン12の近傍位置に配置され、第1のホース群32の途中部位をホース保持孔28A内で保持する構成となっている。
29はホースカバー21の上カバー部23に設けられた第2のホースクランプで、該第2のホースクランプ29は、後述する第2のホース群33の途中部位を把持するものである。ここで、第2のホースクランプ29は、図8等に示すように、ゴム等の弾性材料を用いて第1のホースクランプ28よりも短尺な直方体状に形成され、前,後方向に貫通する2個のホース保持孔29A,29Aが左,右に離間して設けられている。
そして、第2のホースクランプ29は、略U字状をなすクランプ固定具30と上カバー部23のクランプ受け23Eとの間に挟込まれた状態で、クランプ固定具30に挿通したボルト31を上カバー部23の雌ねじ部23Fに螺合することにより、上カバー部23の上面側に固定されている。これにより、第2のホースクランプ29は、図2に示すように、第1のホースクランプ28と共に連結ピン12の近傍位置に配置され、第2のホース群33の途中部位をホース保持孔29A内で保持する構成となっている。
この場合、第2のホースクランプ29は、上カバー部23に設けられているので、第1のホースクランプ28と第2のホースクランプ29とを上,下に離間させて配置することができる。従って、第1のホースクランプ28によって把持された第1のホース群32と、第2のホースクランプ29によって把持された第2のホース群33とを、上,下方向に分離することができる構成となっている。
また、図2及び図3等に示すように、第2のホースクランプ29は、第1のホースクランプ28よりも後側に位置し、かつスイングポスト11を構成する左,右の側面板14,15の中央部に配置されている。これにより、スイングポスト11内で第1のホースクランプ28によって把持された第1のホース群32と、第2のホースクランプ29によって把持された第2のホース群33とが、左,右方向で交差するのを抑えることができる構成となっている。
32は上部旋回体3からスイングポスト11内を通過して作業装置4へと延びる第1のホース群で、該第1のホース群32は、図1ないし図3に示すように、上部旋回体3に設けられたコントロールバルブ9と作業装置4のアームシリンダ4E、バケットシリンダ4Fとの間を接続する複数(例えば4本)の油圧ホース32A,32A,…により構成されている。
ここで、第1のホース群32は、その基端側がコントロールバルブ9の吐出口に接続され、該コントロールバルブ9から連結ピン12の左側方を通って前方へと延びている。そして、第1のホース群32は、スイングポスト11のホース挿通孔20からホース収容空間27内に導入され、左,右の側面板14,15間をホースカバー21に沿って下側から上側へと延びている(図2参照)。
この場合、第1のホース群32の途中部位は、ホースカバー21の前カバー部22と上カバー部23との間に設けられた第1のホースクランプ28によって把持されている。そして、第1のホースクランプ28からスイングポスト11の外部(上側)に導出された第1のホース群32の先端側は、ピン16を介してスイングポスト11に取付けられたブームフート部4A1の下側を通ってブーム4Aの背面側へと延び、該ブーム4Aの背面に配設された油圧配管群4Gの基端側に接続されている。
33は第1のホース群32とは別に上部旋回体3からスイングポスト11内を通過して作業装置4へと延びる第2のホース群で、該第2のホース群33は、図1ないし図3に示すように、上部旋回体3に設けられたコントロールバルブ9と作業装置4のブームシリンダ4Dとの間を接続する複数(例えば2本)の油圧ホース33A,33Aにより構成されている。
ここで、第2のホース群33は、その基端側がコントロールバルブ9の吐出口に接続され、該コントロールバルブ9から連結ピン12の上方を通って前方へと延びている。そして、第2のホース群33は、ホースカバー21を構成する上カバー部23の上面側とブームフート部4A1との間を通り、左,右の側面板14,15間を後側から前側へと延びている。
この場合、第2のホース群33の途中部位は、ホースカバー21の上カバー部23に設けられた第2のホースクランプ29によって把持されている。そして、第2のホースクランプ29からスイングポスト11の外部(前側)に導出された第2のホース群33の先端側は、ピン17を介してスイングポスト11に取付けられたブームシリンダ4Dに沿って延び、該ブームシリンダ4Dに固定されたシリンダ配管4D1に接続されている。
このように、スイングポスト11内を通過する複数の油圧ホースを、第1のホース群32と第2のホース群33とに分けることにより、これら第1,第2のホース群32,33を、互いに分離した状態でスイングポスト11内に余裕をもって配置でき、第1のホース群32を構成する各油圧ホース32A、第2のホース群33を構成する各油圧ホース33Aが、スイングポスト11内で互いに接触するのを抑えることができる構成となっている。
34,34は第1,第2のホース群32,33を構成する各油圧ホース32A,33Aに追加して設けられた2本の追加油圧ホースで、該各追加油圧ホース34は、例えば作業装置4のアーム4Bの先端側に、バケット4Fに代えてコンクリート等を破砕するブレーカ(図示せず)を取付けた場合に、当該ブレーカに作動用の圧油を給排するものである。
そして、各追加油圧ホース34は、その基端側がコントロールバルブ9の吐出口に接続され、該コントロールバルブ9からスイングポスト11(右側面板15)の右側方を通り、ブーム4Aの右側面へと延びている。そして、追加油圧ホース34の先端側は、ブーム4Aの右側面に配設された追加油圧配管4Jに接続されている(図2参照)。
このように、追加油圧ホース34は、第1,第2のホース群32,33とは別に、スイングポスト11内を通過することなく当該スイングポスト11の外側を通って上部旋回体3から作業装置4へと延びるので、追加油圧ホース34と第1,第2のホース群32,33との干渉を確実に防止できる構成となっている。
本実施の形態による油圧ショベル1は上述の如き構成を有するもので、この油圧ショベル1を用いて側溝掘り作業等を行う場合には、スイングシリンダ19により連結ピン12を中心としてスイングポスト11を左,右方向に揺動させると共に、上部旋回体3をスイングポスト11の揺動方向とは反対側に旋回させる。これにより、作業装置4を左,右方向に平行移動させることができ、この状態で作業装置4を俯仰動させることにより、側溝掘り作業を行うことができる。
ここで、スイングポスト11を左,右方向に揺動させたときには、該スイングポスト11内に収容された第1,第2のホース群32,33の途中部位は、スイングポスト11の揺動動作に追従して撓みを生じる。
この場合、第1のホース群32は、ホース挿通孔20からホース収容空間27を通って左,右の側面板14,15間を下側から上側へと延び、第2のホース群33は、ホースカバー21(上カバー部23)の上面側と作業装置4のブームフート部4A1との間を通って左,右の側面板14,15間を後側から前側へと延びている。
このため、例えば複数の油圧ホースを一つのホース群にまとめた状態でスイングポスト11内に配置する場合に比較して、第1のホース群32と第2のホース群33とを、互いに分離した状態でスイングポスト11内に余裕をもって配置することができる。この結果、第1のホース群32を構成する各油圧ホース32Aと、第2のホース群33を構成する各油圧ホース33Aとが、スイングポスト11内で互いに接触するのを抑えることができ、各油圧ホース32A,33Aの寿命を延ばすことができる。
一方、第1,第2のホース群32,33に追加して設けられた追加油圧ホース34は、第1,第2のホース群32,33とは別に、スイングポスト11内を通過することなく当該スイングポスト11(右側面板15)の右側方を通って上部旋回体3から作業装置4へと延びるので、第1,第2のホース群32,33と追加油圧ホース34との干渉を確実に防止することができる。
また、複数の油圧ホースを第1のホース群32と第2のホース群33とに分けてスイングポスト11内を通過させることにより、スイングポスト11の左,右の側面板14,15の間隔を小さく抑えることができるので、この分、スイングポスト11の重量を低減することができる。
しかも、ホースカバー21に第1のホースクランプ28を設け、この第1のホースクランプ28によって第1のホース群32の途中部位を把持する構成としたので、第1のホース群32がスイングポスト11内で無理な変形等を生じることがなく、左,右の側面板14,15間を下側から上側へと無理なく案内することができる。さらに、スイングポスト11が揺動動作等を行なうときに、第1のホース群32を構成する各油圧ホース32Aが互いに接触するのを抑えることができるので、各油圧ホース32Aの寿命を延ばすことができる。
また、ホースカバー21の上カバー部23に第2のホースクランプ29を設け、この第2のホースクランプ29によって第2のホース群33の途中部位を把持する構成としたので、第2のホース群33がスイングポスト11内で無理な変形等を生じることがなく、左,右の側面板14,15間を後側から前側へと無理なく案内することができる。
この場合、第2のホースクランプ29は、上カバー部23に設けられているので、第1のホースクランプ28と第2のホースクランプ29とを上,下に離間させて配置することができる。従って、第1のホースクランプ28によって把持された第1のホース群32と、第2のホースクランプ29によって把持された第2のホース群33とを、上,下方向に分離することができるので、これら第1,第2のホース群32,33がスイングポスト11内で接触するのを確実に抑えることができる。
さらに、第1のホースクランプ28と第2のホースクランプ29とを、それぞれスイングポスト11の左,右の側面板14,15間で、かつ、作業装置4のブームフート部4A1とホースカバー21との間に設ける構成としている。これにより、第1のホース群32の途中部位と第2のホース群33の途中部位とを、それぞれ連結ピン12の近傍位置で把持することができる。これにより、スイングポスト11が連結ピン12を中心として揺動動作を行なったときに、第1のホース群32を構成する各油圧ホース32Aと第2のホース群33を構成する各油圧ホース33Aとが、揺動動作に追従して大きく撓むのを抑えることができ、各油圧ホース32A,33Aの寿命を一層延ばすことができる。
また、ホースカバー21を、互いに別部材からなる前カバー部22と上カバー部23とから構成することにより、前カバー部22と上カバー部23との間で第1のホースクランプ28を確実に挟持することができる。また、別部材からなる前カバー部22と上カバー部23とを組合わせることにより、複雑な形状を有するホースカバーも容易に形成することができる。
なお、上述した実施の形態では、スイングポスト11のホース収容空間27内に開口するホース挿通孔20を、スイングポスト11を構成する後面板13と左側面板14とが交わる角隅部に、後面板13と左側面板14とに跨って形成した場合を例示している(図5参照)。
しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば図9に示す第1の変形例のように、後面板13のみにホース挿通孔41を設ける構成としてもよい。また、例えば図10に示す第2の変形例のように、左側面板14のみにホース挿通孔42を設ける構成としてもよい。
また、上述した実施の形態では、ホースカバー21を、互いに別部材からなる前カバー部22と上カバー部23とにより構成した場合を例示している(図8参照)。しかし、本発明はこれに限らず、例えば図11に示す第3の変形例のような一体型のホースカバー43を用いてもよい。即ち、図11に示すように、前カバー部43Aと上カバー部43Bとを溶接等の手段を用いて一体化し、前カバー部43Aと上カバー部43Bとの間に四角枠状のクランプ取付部43Cが形成されたホースカバー43を用いてもよい。
さらに、上述した実施の形態では、建設機械としてスイングポスト11を備えた油圧ショベル1を例に挙げて説明している。しかし、本発明はこれに限らず、スイングポストを備えた他の建設機械にも広く適用することができる。
本発明の実施の形態による油圧ショベルを示す正面図である。 第1,第2のホース群、スイングポスト等を、ブームを立上げた状態で示す一部破断の拡大正面図である。 第1,第2のホース群、スイングポスト等を、ブーム及びブームシリンダを取外した状態で図2中の矢示III−III方向からみた平面図である。 スイングポスト、第1,第2のホースクランプを前側からみた斜視図である。 スイングポスト、第1,第2のホースクランプを後側からみた斜視図である。 スイングポスト、第1,第2のホースクランプを上側からみた平面図である。 スイングポスト、第1,第2のホースクランプを図6中の矢示VII−VII方向からみた断面図である。 ホースカバー、第1,第2のホースクランプを示す分解斜視図である。 第1の変形例によるスイングポストを示す図5と同様の斜視図である。 第2の変形例によるスイングポストを示す図5と同様の斜視図である。 第3の変形例によるホースカバーを示す図8と同様の分解斜視図である。
符号の説明
1 油圧ショベル
2 下部走行体
3 上部旋回体
4 作業装置
4A ブーム
4A1 ブームフート部
4D ブームシリンダ(アクチュエータ)
4E アームシリンダ(アクチュエータ)
4F バケットシリンダ(アクチュエータ)
9 コントロールバルブ
10 ポスト支持ブラケット
11 スイングポスト
12 連結ピン
13 後面板
14 左側面板
15 右側面板
18 シリンダ取付ブラケット
19 スイングシリンダ
20,41,42 ホース挿通孔
21,43 ホースカバー
22,43A 前カバー部
23,43B 上カバー部
27 ホース収容空間
28 第1のホースクランプ
29 第2のホースクランプ
32 第1のホース群
32A,33A 油圧ホース
33 第2のホース群
34 追加油圧ホース

Claims (7)

  1. 自走可能な下部走行体と、該下部走行体上に旋回可能に搭載され前側にポスト支持ブラケットを有する上部旋回体と、該上部旋回体のポスト支持ブラケットに連結ピンを介して左,右方向に揺動可能に取付けられたスイングポストと、該スイングポストに俯仰動可能に取付けられ油圧アクチュエータによって駆動される作業装置と、前記上部旋回体と前記作業装置のアクチュエータとの間を接続して設けられ途中部位が前記スイングポスト内を通過する複数の油圧ホースとを備えてなる建設機械において、
    前記スイングポストは、前記連結ピンを介して前記ポスト支持ブラケットに取付けられる後面板と、該後面板の左,右両側に設けられ上側に前記作業装置のブームフート部が取付けられるブーム取付ブラケットを有する左,右の側面板と、前記後面板の前側にホース収容空間をもって配置され前記各油圧ホースを覆うホースカバーと、前記後面板と側面板とに跨って、または前記後面板と側面板とのうちいずれか一方に設けられ前記ホース収容空間に開口するホース挿通孔とにより構成し、
    前記各油圧ホースは、前記ホース挿通孔から前記ホース収容空間を通って前記左,右の側面板間を下側から上側へと延びる第1のホース群と、前記ホースカバーの上面側と前記作業装置のブームフート部との間を通って前記左,右の側面板間を後側から前側へと延びる第2のホース群とに分かれて前記スイングポスト内を通過する構成としたことを特徴とする建設機械。
  2. 前記ホースカバーには、前記第1のホース群を構成する油圧ホースの途中部位を把持する第1のホースクランプを設ける構成としてなる請求項1に記載の建設機械。
  3. 前記ホースカバーは、前記後面板と対面しつつ上,下方向に延びる前カバー部と、該前カバー部の上側から後方へと延びる上カバー部とにより構成し、
    前記上カバー部には、前記第2のホース群を構成する油圧ホースの途中部位を把持する第2のホースクランプを設ける構成としてなる請求項1または2に記載の建設機械。
  4. 前記第1,第2のホースクランプは、前記左,右の側面板間であって、前記ホースカバーと前記ブームフート部との間に配置する構成としてなる請求項2または3に記載の建設機械。
  5. 前記ホースカバーの前カバー部と上カバー部とは別部材により構成し、前記第1のホースクランプは前記前カバー部と上カバー部との間に挟持して配置し、前記第2のホースクランプは前記第1のホースクランプよりも後側に位置して前記上カバー部に設ける構成としてなる請求項3または4に記載の建設機械。
  6. 前記各油圧ホースに追加して設けられた追加油圧ホースは、前記スイングポストの外側を通って前記上部旋回体から前記作業装置へと延びる構成としてなる請求項1,2,3,4または5に記載の建設機械。
  7. 前記スイングポストには、左,右方向の一側に位置する一方の側面板にスイングシリンダを取付けるシリンダ取付ブラケットを設け、前記ホース挿通孔は左,右方向の他側に位置して設け、前記第1のホース群は、前記連結ピンを挟んで前記シリンダ取付ブラケットとは反対側から前記ホース挿通孔に挿通する構成としてなる請求項1,2,3,4,5または6に記載の建設機械。
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