JP2008201900A - 成形炭の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】加熱した微粉炭をバインダーと共に混練機で撹拌して、60℃以上170℃以下の混練物とし、混練物をホッパー10を介してホッパー10の直下に配置された成形用ロール11、12へ送り成形炭を製造する方法において、ホッパー10への投入直後の嵩密度が0.6トン/m3以上0.9トン/m3以下の混練物を、ホッパー10内で4分以上滞留させて脱気した後、成形用ロール11、12に供給する。
【選択図】図1
Description
この塊成機は、互いに逆回転する一対のロール(加圧成型用ロール)を有しており、このロールの直上部には、内部に押し込みスクリューが配置されたホッパーが設けられている。これにより、ホッパー内の混練物は、押し込みスクリューによって対向するロール間の隙間へ押し込まれて、このロールで加圧成形される。
そこで、例えば、特許文献1には、ホッパーの下部に開孔部を設け、この開孔部を介して混練物中の気体を除去し、高品質の成形炭を製造する方法が開示されている。
また、ホッパーの下部に開孔部を設けても、混練物中の気体を十分に除去できないので、成形炭の嵩密度を高めることができない。このため、成形炭の強度を更に高めることができず、高品質の成形炭を製造できない恐れがある。
一方、微粉炭へのバインダー添加割合を増加させ、混練物の嵩密度を上昇させることも可能であるが、混練物が通過する各設備への混練物の付着が進行するため、過剰な増加はできないという問題もある。
前記ホッパーへの投入直後の嵩密度が0.6トン/m3以上0.9トン/m3以下の前記混練物を、前記ホッパー内で4分以上滞留させて脱気した後、前記成形用ロールに供給する。
ここで、図1は本発明の一実施の形態に係る成形炭の製造方法に使用するロールコンパクターと混練物の嵩密度との関係を示す説明図、図2は混練物の脱気率と混練物のホッパー内での滞留時間との関係を示す説明図である。
この方法について、以下、詳しく説明する。
ここで、バインダーの添加量は、微粉炭の5質量%以上10質量%以下とすることが好ましい。これは、バインダーの添加量が少な過ぎれば、バインダーによる微粉炭の結合効果を得ることができず、一方、多過ぎれば、混練物の搬送過程にある各種装置へのバインダーの付着が発生するからである。
このため、バインダーの添加量の下限を5質量%としたが、7質量%とすることが好ましく、上限を10質量%としたが、8質量%とすることが好ましい。
なお、バインダーは、タール系のものに限定されるものではなく、例えば、澱粉(例えば、コーンスターチ)または廃プラスチックを使用することもできる。
この混練機は、例えば、従来公知のネスコニーダ、パドルミキサー、ピンミキサー、または筒状となった搬送路内に1本または2本のスクリュー(回転軸の周囲に螺旋状に羽根が設けられたもの)が回転可能に設けられたものを使用できる。
これにより、微粉炭とバインダーを混練して製造された混練物は、多数の微粉炭がバインダーによって結合された擬似造粒物の形態となっている。
このため、混練物の温度の下限値を70℃、更には80℃とすることが好ましく、上限値を160℃、更には150℃とすることが好ましい。
なお、混練物の温度を、上記した温度範囲に設定するためには、バインダーと微粉炭の両方を加熱した後に混合することが好ましい。
この混練物の嵩密度、即ちホッパー10への投入直後の嵩密度は、0.6トン/m3以上0.9トン/m3以下である。この嵩密度は、前記した構成の微粉炭とバインダーとを混練した際の嵩密度である。
使用するロール11、12は、互いに逆回転する一対のロール(加圧成型用ロール)である。このロール11、12の直上には、内幅が下方へ向かって縮幅し、しかもその高さ方向の長さが従来のものより2m以上3m以下程度長いホッパー10が設けられている。なお、従来のホッパーの高さ方向の長さは、例えば、2m程度である。また、ホッパー内の混練物の維持レベルも、これに伴って、図1の滞留時間2分で示す高さ位置から、滞留時間4分、更には10分で示す高さ位置へ上昇させた。
これにより、ホッパー10内の混練物は、押し込みスクリュー15によって対向するロール11、12間の隙間へ押し込まれ、このロール11、12で加圧成形される。
その結果、ロール11、12で塊成化された成形炭の嵩密度は、滞留時間2分の場合1.03トン/m3程度と低かったが、滞留時間4分と10分の場合、それぞれ目標範囲(例えば、1.1トン/m3以上1.3トン/m3以下)を満足できる1.11トン/m3と1.15トン/m3であった。
以上のことから、ホッパー10内における混練物の滞留時間を4分以上とした。
しかし、図2からも明らかなように、滞留時間の長期化は、混練物の脱気率の顕著な増加が望めず、しかもホッパーの高さ方向の長さを過剰に長くしなければならないという新たな問題が生じる。従って、現実的には、10分、更には8分とすることが好ましい。
なお、図2において、縦軸の脱気率とは、ホッパーへ供給する混練物中に含まれる気体を100体積%とし、どれだけの気体が混練物中から除去できたかを示す割合である。また、図2の「◆印」は、混練物の滞留時間を2分とした場合の脱気率の推移であり、「■印」は、混練物の滞留時間を10分とした場合の脱気率の推移(なお、混練物の滞留時間を4分とした場合の脱気率の推移はこの曲線上に位置する)である。
これにより、平板状の成形炭を製造できる。
なお、前記したように、混練物は加圧成形に際して十分脱気されており、しかも、この混練物を加圧成形することで、成形炭の嵩密度を十分に高めることができる。
従って、強度が高められた高品質の成形炭を製造できる。
加熱した平均粒径0.3mmの微粉炭を、石炭系ピッチを主体とするバインダーと共に混練機で撹拌して混練物とし、この混練物をホッパーを介して成形用ロールへ送り成形炭を製造した結果を、表1に示す。なお、表1から明らかなように、混練物の温度は、加熱した微粉炭とバインダーとを混練することで、60℃以上170℃以下の温度範囲に調整されている。
一方、比較例1、2は、混練物の滞留時間が4分未満(2分または3分)の結果であり、また比較例3は、混練物の嵩密度が0.6トン/m3未満(0.55トン/m3)の結果であり、そして、比較例4は、混練物の嵩密度が0.9トン/m3超(0.95トン/m3)の結果である。
これにより、成形炭を高い歩留りで製造できることを確認できた。
なお、実施例1〜3では、バインダーの添加量を、前記した好ましい範囲である5質量%以上10質量%以下とした結果についてのみ示しているが、例えば、微粉炭の粒径、バインダーの組成、または石炭の温度を変えることで、バインダーの添加量が微粉炭の5質量%未満または10質量%超の場合についても、成形炭の嵩密度を十分に高めることができた。
また、前記実施の形態においては、ホッパーの高さ方向の長さを変えることで、混練物のホッパー内での滞留時間を4分以上確保した場合について説明したが、この滞留時間を確保できれば、ホッパーの構成はこれに限定されるものではない。
Claims (2)
- 加熱した微粉炭をバインダーと共に混練機で撹拌して、60℃以上170℃以下の混練物とし、該混練物をホッパーを介して該ホッパーの直下に配置された成形用ロールへ送り成形炭を製造する方法において、
前記ホッパーへの投入直後の嵩密度が0.6トン/m3以上0.9トン/m3以下の前記混練物を、前記ホッパー内で4分以上滞留させて脱気した後、前記成形用ロールに供給することを特徴とする成形炭の製造方法。 - 請求項1記載の成形炭の製造方法において、前記バインダーはコークスから副生されるタール系のものであり、該バインダーの添加量を、前記微粉炭の5質量%以上10質量%以下としたことを特徴とする成形炭の製造方法。
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