JP2008198815A - 非水電解質電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】出力特性が優れ、長寿命であるとともに、高いエネルギー密度を有する電気化学デバイスを提供する。
【解決手段】
高電位側の電解液の酸化劣化を抑えるため、正極にはリン酸鉄リチウムのような平坦な電位挙動を有する正極活物質を用いる。負極には電気二重層キャパシタ用の活性炭を用いる。このとき、正極をプリチャージしてから組み立てる等の方法により、電気化学デバイスの端子間電圧が0Vのときに、なお、平坦な電位挙動を有する領域に相当している設計とすることにより、エネルギー密度の高い電気化学デバイスを提供できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、少なくとも一方の電極が活性炭を含有する電気化学デバイスに関する。
電気化学的な界面現象を電荷蓄積機構に利用した電気化学デバイスは、キャパシタとも呼ばれ、一般的な二次電池と比較して高出力及び長寿命であることを特長としている。キャパシタは、分極性電極である活性炭と電解液との界面に形成される電気二重層に電荷を蓄積する電気二重層キャパシタと、活物質の酸化・還元反応による疑似容量を用いるレドックスキャパシタとに大別することができる。そのなかでも、現在は、正・負極の電極活物質に活性炭を、電解質に水又は非水電解液を用いた電気二重層キャパシタの普及が進んでおり、その具体的な用途としては、主としてバックアップ電源及び簡易タイマー用電源などの小型電源が挙げられる。さらに、将来的には、高出力を生かした中・大型用途、とくに移動用電源の用途が期待されるが、その移動用電源には、高出力、長寿命だけではなく、高エネルギー密度も要求される。
近年、これらの要求を満たす蓄電デバイスとして、活性炭等の分極性電極材料と、一般の二次電池に用いられるような電気化学的酸化・還元反応を伴う活物質とを混合して電極に用いた電気化学デバイスが提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特許第2541342号公報 特開2006−172966号公報 特開2005−158719号公報
活性炭等を用いた分極性電極は、電荷量の変化に伴って電位が直線的に変化する。高容量のキャパシタとするには、充電末の端子電圧は高い方が望ましい。しかしながら、端子電圧を高く設計しすぎると、高電位側の電極において電解液が酸化分解を受けることによってキャパシタの寿命性能に悪影響を与える。
本発明は、かかる問題点に鑑みなされたものであって、長寿命で高容量の電気化学デバイスを提供することを目的とする。
本発明は、開回路電位が電気化学的還元反応の進行に伴って平坦な電位Vptで推移する領域を有する正極活物質を含有する正極と、活性炭を含有する負極とを備え、前記正極活物質材料の自然電位Vp0及び前記活性炭材料の自然電位Vn0が共にVptよりも低いものである電気化学デバイスにおいて、負極開回路電位がVn0に相当しているときの正極開回路電位がVptに相当しており、且つ、該電気化学デバイスの端子間電圧が0Vであるときの正極電位がVptに相当していることを特徴とする電気化学デバイスである。
また、本発明は、前記正極活物質はリン酸鉄リチウムであることを特徴としている。
また、本発明は、リン酸鉄リチウムを含有する正極と、活性炭を含有する負極とを備え、端子間電圧が0Vのとき、前記正極は、LiFePOで示される組成式に対して6mAh/g以上の電気量に相当するLiが引き抜かれた状態にあるリン酸鉄リチウムを含む電気化学デバイスである。
まず、上記「相当している」につき、説明する。一般に、電位測定においては、電極が含有する活物質以外の材料が有する抵抗成分の影響、測定器のインピーダンスが無限大でないことにより測定時に測定機内に流れる微少電流の影響、あるいは、基準となる参照電極表面に形成される抵抗被膜成分等による影響、等により、測定される電位の値は活物質の真の電位からずれることがあるが、本発明の規定にいう「相当している」とは、かかる影響等による誤差等は論ぜられるべきものではなく実質的に一致していることをいう。なお、電極電位は電解質の種類によって変動することがあるが、本願明細書において電位を論じるときには、本発明に係る電気化学デバイスに用いる電解質中における電位を意味するものと理解すべきである。
また、「正極活物質材料の自然電位Vp0」、「前記活性炭材料の自然電位Vn0」とは、正極活物質や負極活物質が合成されたときの、未だ電気化学的酸化・還元を受けていない状態において正極活物質材料や負極活物質材料が電解質中で示す電位をいう。
一般に、アルカリ金属イオンの吸蔵・放出過程が二相共存反応によって進行するとき、活物質が示す開回路電位は原理的に平坦に推移する。例えばオリビン型結晶構造を有するリン酸鉄リチウム(LiFePO)は、リチウムイオンの吸蔵・放出過程が二相共存反応によって進行ずる領域を有し、該二相共存領域においてリン酸鉄リチウムが示す電位は約3.45〜3.5V(vs.Li/Li)である。ここに、本願請求項にいう「開回路電位が電気化学的還元反応の進行に伴って平坦な電位Vptで推移する領域を有する正極活物質」とは、「電気化学的還元反応が二相共存反応によって進行する領域を含む正極活物質」と実質的に同義であり、「平坦」の程度が定量的に議論されるべき類のものではない。
以下、本発明の構成について模式図を参照しつつ説明する。図1及び図2は、それぞれ本発明及び従来品の構成を説明するための模式図であり、縦軸は電位又は電位差(V)を示し、横軸は電気量(mAh)を示す。
本発明に係る電気化学デバイスは、正極に、開回路電位が電気化学的還元反応の進行に伴って平坦な電位Vptで推移する領域を有する正極活物質を用いている。従って、該領域を利用することにより、実質的に電気化学デバイスの充電に伴う正極電位の貴方向への推移がないので、電解液の酸化分解による電気化学デバイスの寿命性能低下を回避し得る。
一方、電気二重層キャパシタに用いられるような活性炭を用いた電極は、電解質中において比較的貴な自然電位Vn0を有する。例えばリチウム系非水電解質中では、多くの場合金属リチウム電位に対して3V台の自然電位を示す。そして、活性炭に正電荷が蓄積されると共に活性炭電極電位は直線的に低下する性質を有する。
ところが、前記正極活物質材料の自然電位Vp0が平坦領域の電位Vptよりも低い場合、即ち、前記正極活物質材料が合成されたときの、未だ電気化学的酸化・還元を受けていない状態が、該正極活物質にとって電気化学的な還元末状態にあって、その状態の自然電位Vp0が電位平坦領域の電位Vptよりも低い場合には、Vn0が前記Vp0より低い場合において、図2に示すように、電気化学デバイスを構成したときの電位差V−Vは正の電圧を示す。このような電気化学デバイスは、強制的に端子間電圧を0Vとすることは可能ではあるが、正極活物質は電気化学デバイスの組み立て時点において既に還元末状態にあるために、多くの場合、正極活物質の電位をVp0よりもさらに下回らせようとすると正極電位が急落してしまい、これによる電気化学デバイスの電気量増大の効果はほとんど無いから、この電気化学デバイスの容量(mAh)は結局図中Cを超える容量は期待できない。また、図示しないが、Vn0が前記Vp0より高いとき、電気化学デバイスを構成したときの電位差V−Vは負の電圧を示す。電気化学デバイスの端子間電圧Va−bが0Vを下回って使用されることがないとすれば、そのような電気化学デバイスの容量はより小さなものとなる。
本発明の電気化学デバイスは、図1に示すように、負極開回路電位がVn0に相当しているときの正極開回路電位がVptに相当しており、且つ、該電気化学デバイスの端子間電圧が0Vであるときの正極電位がVptに相当していることを特徴としている。即ち、負極開回路電位が負極材料の自然電位Vn0に等しいときの正極活物質は、図2の従来品に比べてより電気化学的に酸化された状態にある。従って、本発明の電気化学デバイスにおいて、負極開回路電位がVn0に相当しているときの正極活物質に対して電気化学的還元を行っても、正極電位が急落することがなく、正極活物質が依然Vptに相当しているものとすることができる。従って、本発明の電気化学デバイスにおいて、負極開回路電位がVn0に相当しているときの状態から端子間電圧を減ずる操作を行ったとき、正極活物質がVptを伴って還元されると共に、活性炭電極には電解質中の負電荷が蓄積されることに伴って直線的に連続して上昇する。上述した原理により、本発明の電気化学デバイスの電気容量は、図1にCで示した値まで拡張させることができる。
この過程で、活性炭電極には電解質中のアニオンが吸着することで負電荷の蓄積が進行する。電極に電解質中の負電荷が蓄積されることに伴って直線的に連続して上昇する現象は、活性炭を用いた電極に特有のものである。従って、本発明の電気化学デバイスの負極には、活性炭に代えて黒鉛を用いることはできない。黒鉛を用いて負電荷の蓄積を行おうとすると、負極電位は、たちまち4V台まで上昇してしまうため、電気化学デバイスの電気容量を拡張することができないだけでなく、電解質の急速な分解を引き起こす結果となる。
ここで、図1から理解されるように、電気化学デバイスの端子間電圧が0Vのとき、正極活物質は、自然電位Vp0を示す状態から図中aで示す電気量相当分以上の酸化を受けた状態にあるものとすれば、電気容量Cの拡張効果を充分なものとすることができる。
例えば、正極活物質がオリビン型結晶構造を有するリン酸鉄リチウムの場合、前記aに対応する電気量はおよそ6mAh/gに相当する。従って、リン酸鉄リチウムを含有する正極と、活性炭を含有する負極とを備え、端子間電圧が0Vのとき、前記正極は、LiFePOで示される組成式に対して6mAh/g以上の電気量に相当するLiが引き抜かれた状態にあるリン酸鉄リチウムを含む電気化学デバイスを設計することにより、本発明の電気化学デバイスを提供できる。
本発明によれば、エネルギー密度の高い電気化学デバイスを提供できる。
本発明に係る電気化学デバイスを製造するにあたって、負極開回路電位がVn0に相当しているときの正極開回路電位がVptに相当しており、且つ、該電気化学デバイスの端子間電圧が0Vであるときの正極電位がVptに相当しているものとするための方法については限定されるものではないが、例えば、正極活物質材料をあらかじめ酸化させておいてから、そのような正極活物質を用いて正極を作製し、自然電位Vn0を示す活性炭電極と組み合わせて電気化学デバイスを構成する方法、自然電位Vp0を示す正極活物質を用いた正極を作製してから、正極に対して酸化を行った後に、自然電位Vn0を示す活性炭電極と組み合わせて電気化学デバイスを構成する方法、自然電位Vp0を示す正極活物質を用いた正極と、自然電位Vn0を示す活性炭電極と組み合わせて電気化学デバイスを構成した後に、電気化学デバイス内部で前記正極に対してのみ酸化を行う方法等が挙げられる。ここで、正極活物質を酸化する方法は電気化学的酸化であってもよく、化学的酸化であってもよい。電気化学デバイス内部で前記正極に対してのみ酸化を行う方法としては、自然電位Vp0を示している還元末状態のままの正極活物質を用いて正極を作製し、負極以外の独立した第三電極との間で所定時間通電することによって、正極活物質を一定量酸化(プリチャージともいう)する方法が例示できる。
ここで、図1から理解されるように、自然電位Vn0を示す活性炭電極と組み合わせて電気化学デバイスを構成する場合、自然電位Vp0を示す正極活物質に対する酸化の程度は、「a+b」に対応する電気量相当以上であることが必要である。実際には、自然状態にある正極活物質に対する酸化の程度は、電気化学デバイスの繰り返し充放電に伴う正負極官の容量バランスのずれを考慮して、「a+b」に対応する電気量相当を超えるものとすることが好ましい。
本発明においては、電気化学デバイスの端子間電圧が0Vであるときの正極電位がVptに相当していることを特徴としているので、電気化学デバイスの端子間電圧が0Vであるときの負極電位はVptに相当していることになる。ここで、電位Vptの値が高すぎると、特に負極活性炭が高電位となることによって電解質の分解が促進され、電気化学デバイスの性能が低下する虞が高まる。ここに、オリビン型リン酸鉄リチウムは、電位Vptの値が高すぎないので、上記の虞を低減できるため、好ましい。オリビン型リン酸鉄リチウムを正極活物質として用いる場合、正極には他の正極活物質を含有してもよいが、前記他の正極活物質の充電末電位が前記リン酸鉄リチウムよりも高い場合には、上記の観点から、正極活物質中のリン酸鉄リチウムの含有比率を80質量%以上とすることにより、上記虞を低減できるため、好ましい。
負極に用いる活性炭は、電気二重層に電荷を蓄積することのできる炭素材料であり、例えば活性炭等、一般に電気二重層キャパシタ用の炭素材料として用いられているものを例示できる。活性炭の静電容量がその比表面積に依存することから、比表面積は大きい方がよく、活性炭であれば少なくとも約800m/g以上、好ましくは1500m/g以上であることが好ましい。また、活性炭の比表面積は、電解質との副反応が大きくなりすぎるおそれを低減するため、3000m/g以下が好ましい。
活性炭としては、具体的には、木炭、ヤシがら、石炭チャーなどの原料を十分炭化したのち、水蒸気による高温処理などで賦活して製造されるものを用いることができる。このような材料の比表面積は約800m/g以上、細孔容積は約0.2〜2cm/g、細孔径は約1〜4nmである。
また、活性炭は、用いる非水電解質中での静電容量が80F/g以上であることが好ましい。
本発明の正極及び負極には、周知の結着剤、導電剤、集電体を周知の処方で用いることができる。
本発明の電気化学デバイスには、周知の非水電解質を周知の処方で用いることができる。非水電解質中にビニレンカーボネートやブチレンカーボネートなどのカーボネート類、ビフェニル、シクロヘキシルベンゼンなどのベンゼン類、プロパンスルトンなどの硫黄類、エチレンサルファイド、フッ化水素、トリアゾール系環状化合物、フッ素含有エステル類、テトラエチルアンモニウムフルオライドのフッ化水素錯体又はこれらの誘導体、ホスファゼン及びその誘導体、アミド基含有化合物、イミノ基含有化合物、又は窒素含有化合物からなる群から選択される少なくとも1種を含有しても使用できる。
本発明の電気化学デバイスには、周知の微多孔膜や不織布等からなるセパレータを周知の処方で用いることができる。固体又はゲル状のイオン伝導性電解質を単独又は微多孔膜と組み合わせて使用してもよい。
電気化学デバイスの形状は特に限定されるものではなく、本発明は、角形、楕円形、円筒形、コイン形、ボタン形、シート形のキャパシタ又は電池などの様々な形状として適用可能である。
[実施例1]
シュウ酸鉄二水和物(FeC・2HO)とリン酸二水素アンモニウム(NHPO)と炭酸リチウム(LiCO)とをモル比が2:2:1になるように計り取り、混合した。その後、2−プロパノールを溶媒としてボールミルで10時間粉砕混合を行った。次に、この混合物を真空乾燥することで溶媒である2−プロパノールを除去し、前駆体を得た。得られた前駆体をアルミナ製の香鉢に入れ、環状焼成炉にて、アルゴン流通下(0.5リットル/分)で300℃、5時間の仮焼成を行った。さらに、その後、アルゴン流通下(0.5リットル/分)で650℃、20時間焼成してLiFePOの粉末を合成した。
前記LiFePO(正極活物質)、アセチレンブラック(導電剤)及びポリフッ化ビニリデン(PVdF、結着剤)を重量比87:5:8の割合で混合し、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)を加えて十分混練して、正極ペーストを得た。前記正極ペーストを厚さ20μmのアルミニウム箔集電体上の両面に塗布し、乾燥した後、プレス加工を行い、正極とした。正極には正極端子を超音波溶接により溶接した。さらに、30mm×40mmの大きさに裁断することによって、正極板を作製した。
続いて、前記正極板と、大きさ31mm×41mmのLi箔電極とを厚さ30μm、多孔度40%の連通多孔体であるポリエチレンセパレータを間に挟んで重ね、高さ70mm、幅50mmの容器中に挿入することによって、プリチャージ用セルを組み立てた。そして、このセルの内部に非水電解液を注入した。非水電解液には、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)との体積比1:1の混合溶媒に1.2mol/dmのLiPFを溶解したものを用いた。このとき、正極板の自然電位Vp0は3.3V(vs.Li/Li)であった。
さらに、このセルの前記正極板とLi箔電極とを通電させることによって、前記正極板に対して、正極活物質(LiFePO)重量当たり24.5mAh/g相当の充電電気量を通電することにより、LiFePOからりリチウムイオンを引き抜く操作、即ち、電気化学的酸化を行った。その後、このセルから前記正極板を取り出した。このようにして、プリチャージ済正極合剤層を備える正極(a1)を作製した。
一方、比表面積1500m/gの活性炭、アセチレンブラック(導電剤)及びポリフッ化ビニリデン(PVdF、結着剤)を質量比90:5:5の割合で混合し、N―メチル−2−ピロリドン(NMP)を加えて十分混練することによって、負極ペーストを得た。次に、前記負極ペーストを厚さ20μmのアルミニウム箔に塗布し、150℃で真空乾燥することにより、NMPを乾燥除去した。さらに、ロールプレスで圧縮成型したのちに、30mm×40mmの大きさに裁断した。このようにして、負極合剤層を備える負極(p1)を作製した。
このようにして準備した前記正極(p1)及び前記負極(a1)を、厚さ30μm、多孔度40%の連通多孔体であるポリエチレンセパレータを間に挟んで重ねて巻き、高さ70mm、幅50mmの容器中に挿入し、該容器の内部に非水電解液を注入することによって、実施例1の電気化学デバイス(A1)を得た。なお、正極電位及び負極電位をモニターするため、電池内に金属リチウムを用いた参照電極を挿入した。非水電解液には、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)との体積比1:1の混合溶媒に1.2mol/dmのLiPFを溶解したものを用いた。このとき、正極電位は3.43V(vs.Li/Li)を示していた。また、負極電位は3.10V(vs.Li/Li)であった。
実施例1の電気化学デバイス(A1)に対して、25℃にて、電流1mA、放電終止電圧0Vの定電流放電を行った後、開回路時の端子間電圧が0.0Vを示すようになるまで、正負極間を短絡した。前記定電流放電の開始以降に端子間に流れる電気量をクーロンメーターで積算計測したところ、実施例1の電気化学デバイス(A1)の正極が備える正極活物質(LiFePO)の単位重量当たり18.2mAh/g相当の電気量の通電が観察された。次いで、参照極に対して正負極の電位を測定したところ、正極開回路電位及び負極開回路電位は共に3.43V(vs.Li/Li)であった。よって、負極開回路電位がVn0に相当しているときの正極開回路電位がVptに相当しており、且つ、該電気化学デバイスの端子間電圧が0Vであるときの正極電位がVptに相当していることが確認された。
次に、端子間電圧が0Vである上記電気化学デバイス(A1)に対して、25℃にて、電流1mA、充電終止電圧2.0Vの定電流充電を行った。端子間電圧が2.0Vに達するまでに端子間に通電された電気量は、実施例1の電気化学デバイス(A1)の正極が備える正極活物質(LiFePO)の単位重量当たり114.0mAh/g相当(C1+)であり、負極が備える活性炭の単位重量当たり76.0mAh/g相当(C1−)であった。また、該電気化学デバイス(A1)の開回路電圧が2.0Vのとき、正極電位は3.43Vであり、負極電位は1.43Vであった。
上記電気化学デバイス(A1)の正極及び負極が備える活物質(正極活物質及び活性炭)の体積当たりのエネルギー密度(端子電圧0V〜2.0V)を算出したところ、22.4mWh/dmであった。
図3に、実施例1に係る電気化学デバイスについて図1に相当する各部の数値を示した。
[比較例1]
正極板に対するプリチャージを行わず、図4に示す設計としたことを除いては、実施例1と同様にして、比較例1の電気化学デバイス(B1)を得た。該電気化学デバイス(B1)に対して、25℃にて、電流1mA、充電終止電圧2.0Vの定電流充電を行った。端子間電圧が2.0Vに達するまでに端子間に通電された電気量は、比較例1の電気化学デバイス(B1)の正極が備える正極活物質(LiFePO)の単位重量当たり114.0mAh/g相当(C0+)であり、負極が備える活性炭の単位重量当たり63.5mAh/g相当(C0−)であった。また、該電気化学デバイス(B1)の開回路電圧が2.0Vのとき、正極電位は3.43Vであり、負極電位は1.43Vであった。
上記電気化学デバイス(B1)の正極及び負極が備える活物質(正極活物質及び活性炭)の体積当たりのエネルギー密度(端子電圧0.3V〜2.0V)を算出したところ、21.2mWh/dmであった。
なお、図3と図4を対比すると、図4にて点線で付した部分から左の領域分の差のために、比較例1の電気化学デバイス(B1)における前記値C0+の値は、実施例1の電気化学デバイス(A1)における前記値C1+の値よりも大きくなければならないようにも見えるにもかかわらず、実際には正極が備える正極活物質(LiFePO)の単位重量当たりの電気量の値が等しいものとなった原因については、図4にて点線で付した部分から左の領域に相当する電気量が実質ゼロであったことによるものである。このことは、比較例1の電気化学デバイス(B1)においては、端子間電圧が約0.3Vを下回ってはいささかも使用できないことを意味するから、ましてや、比較例1の電気化学デバイス(B1)においては端子間電圧が0Vに至るまでの使用が不可能であることはいうまでもない。
上記したように、本発明によれば、エネルギー密度の高い電気化学デバイスを提供できることがわかる。
本発明の電気化学デバイスの構成を説明するための模式図である。 従来の電気化学デバイスの構成を説明するための模式図である。 実施例に係る電気化学デバイスの設計図である。 比較例に係る電気化学デバイスの設計図である。
符号の説明
pt 正極活物質の平坦電位
p0 正極活物質材料の自然電位
n0 活性炭材料の自然電位

Claims (3)

  1. 開回路電位が電気化学的還元反応の進行に伴って平坦な電位Vptで推移する領域を有する正極活物質を含有する正極と、活性炭を含有する負極とを備え、前記正極活物質材料の自然電位Vp0及び前記活性炭材料の自然電位Vn0が共にVptよりも低いものである電気化学デバイスにおいて、負極開回路電位がVn0に相当しているときの正極開回路電位がVptに相当しており、且つ、該電気化学デバイスの端子間電圧が0Vであるときの正極電位がVptに相当していることを特徴とする電気化学デバイス。
  2. 前記正極活物質はリン酸鉄リチウムである請求項1記載の電気化学デバイス。
  3. リン酸鉄リチウムを含有する正極と、活性炭を含有する負極とを備え、端子間電圧が0Vのとき、前記正極は、LiFePOで示される組成式に対して6mAh/g以上の電気量に相当するLiが引き抜かれた状態にあるリン酸鉄リチウムを含む電気化学デバイス。
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