JP5042754B2 - 電気化学キャパシタ - Google Patents

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Description

本発明は、電気化学キャパシタ、詳しくは、電気二重層による蓄電と、酸化還元反応による蓄電とを併有するハイブリッドキャパシタに関する。
従来より、ハイブリッド車両や燃料電池車両に搭載される蓄電デバイスとして、高出力かつ長寿命である、電気二重層キャパシタの検討および開発が進められている。
電気二重層キャパシタは、正極および負極へそれぞれアニオンおよびカチオンが吸着することによってエネルギーを蓄える。蓄えられるエネルギーはCV2/2で表され、電圧を高めることによって、より大きなエネルギーを蓄えることができるが、電圧を高くしすぎると正極および負極で化学反応(酸化還元反応)が起こり、各電極が劣化する。
そのため、電圧の上限を、正極および負極での化学反応が起こらない範囲内にとどめなくてはならず、そうすると電位範囲が狭くなり、エネルギー密度を向上させることが困難となる。
そこで、近年、電気二重層キャパシタのエネルギー密度を向上させるべく、負極の材料としてリチウムイオンを可逆的に吸蔵・放出可能な材料を用いることによって、電気二重層による蓄電に加え、酸化還元反応による蓄電をも併有するハイブリッドキャパシタが提案されている。
しかし、ハイブリッドキャパシタであっても、充放電サイクルにおいて負極に生じる不可逆容量に起因して、正極の電位範囲が狭くなるため、正極が有する電気容量を十分に発現できない場合がある。すなわち、正極の電気容量が十分活用されず、エネルギー密度の向上を十分に達成できない場合がある。
そこで、上記した不具合を解決するために、例えば、特許文献1には、活性炭を主体とする分極性電極材料とアルミニウム又はステンレスからなる集電体とからなる正極と、リチウムイオンを吸蔵、脱離しうる炭素材料に化学的方法又は電気化学的方法でリチウムイオンを吸蔵させた炭素質材料と、リチウムと合金を形成しない集電体とからなる負極と、リチウム塩を含む非水系電解液とを有する電気二重層キャパシタが開示されている。
また、特許文献2には、正極、負極並びに電解液としてリチウム塩の非プロトン性有機溶媒溶液を備えた有機電解質キャパシタであって、正極活物質がリチウムイオンおよびアニオンを可逆的に担持可能な活物質であり、また負極活物質がリチウムイオンを可逆的に担持可能な活物質であり、負極活物質の単位重量当りの静電容量が正極活物質の単位重量当りの静電容量の3倍以上を有し、かつ正極活物質重量が負極活物質重量よりも大きく、負極には予めリチウムイオンが担持されている有機電解質キャパシタが開示されている。
特許文献1に記載される電気二重層キャパシタおよび特許文献2に記載される有機電解質キャパシタでは、例えば、負極を予備充電することによって、負極にリチウムイオンを予め吸蔵して、不可逆容量に相当する電気容量を補償することができる。そのため、正極が有する電気容量を十分に活用することができ、キャパシタのエネルギー密度を向上させることができる。
また、吸蔵されるリチウムイオンの電気量が多ければ、さらに、正極において、リチウムイオンの吸着・脱着による電気容量を発現させ、正極の放電電位を卑側にシフトさせて電位範囲を広げることができるため、エネルギー密度をいっそう向上させることができる。
特許第3689948号公報 国際公開パンフレットWO2003/003395
しかし、負極を予備充電してリチウムイオンを吸蔵するためには、リチウムイオンを供給するためのリチウム電極などの第3電極を、キャパシタ内に設けなくてはならないため、キャパシタ構造の複雑化、キャパシタの大型化、およびこれらに伴うコストの増加など、別の不具合が発生する。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、簡単な構成で、エネルギー密度を向上させることができる電気化学キャパシタを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の電気化学キャパシタは、充放電サイクルにおいて、電位範囲を拡大するための不可逆容量を発現する正極と、リチウムイオンを可逆的に吸蔵・放出可能な材料からなる負極と、チウムイオンを含む有機溶媒からなる電解液とを備え、前記正極の不可逆容量の発現に起因して前記電解液に含まれるアニオンから誘導される負極活性阻害物質を捕捉する捕捉剤を含み、前記捕捉剤が、前記不可逆容量1mAhに対して、2×10 −5 mol〜175×10 −5 molの割合で含まれていることを特徴としている
本発明の電気化学キャパシタでは、充放電サイクルにおいて、正極に電位範囲を拡大するための不可逆容量を発現させることによって、正極の電気容量を十分に活用することができるため、キャパシタのエネルギー密度を向上させることができる。また、負極を予備充電するためのリチウム電極などを必要としないため、キャパシタを簡単な構成にすることができる。さらに、キャパシタを簡単な構成にすることができるため、コストを低減することもできる。
図1は、本発明の電気化学キャパシタの一実施形態を示すハイブリッドキャパシタの概略構成図である。
図1において、このハイブリッドキャパシタ1は、正極2と、その正極2と間隔を隔てて対向配置される負極3と、正極2と負極3との間に介在されるセパレータ4と、正極2、負極3およびセパレータ4を収容し、これらを浸漬するように電解液5が満たされているセル槽6とを備えている。なお、このハイブリッドキャパシタ1は、ラボスケールで採用される電池セルであって、工業的には、このハイブリッドキャパシタ1を、公知の技術によって適宜スケールアップしたものが採用される。
正極2は、例えば、活性炭、導電剤および結合剤を配合した混合物を、電極形状に成形した後、乾燥させることにより、形成する。
活性炭は、例えば、活性炭原料に対して、賦活処理を施すことにより得られる。
活性炭原料としては、特に制限されないが、例えば、石油系ピッチ、石炭系ピッチ、メソフェーズ系ピッチなどのピッチ系原料、これらピッチ系材料を熱処理することにより得られるコークス系原料、やしがら、木粉などの植物系原料、フェノール系樹脂、塩化ビニル系樹脂、レゾルシノール系樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリブチラール、ポリアセタール、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセテートなどの合成樹脂系原料およびこれらの炭化物が挙げられ、好ましくは、易黒鉛化炭素(ソフトカーボン)である、ピッチ系原料、コークス系原料、合成樹脂系原料(とりわけ、塩化ビニル系、ポリアクリロニトリル)が挙げられる。
賦活処理としては、例えば、水酸化カリウム(KOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化リチウム(LiOH)、水酸化セシウム(CsOH)、水酸化ルビジウム(RbOH)などを賦活剤として用いるアルカリ賦活処理、塩化亜鉛(ZnCl2)、リン酸(H3PO4)などを賦活剤として用いる薬品賦活処理、二酸化炭素(CO2)、空気などを賦活剤として用いるガス賦活処理、および、水蒸気(H2O)を賦活剤として用いる水蒸気賦活処理などが挙げられ、好ましくは、アルカリ賦活処理が挙げられ、さらに好ましくは、水酸化カリウム(KOH)を賦活剤として用いるアルカリ賦活処理が挙げられる。このような賦活処理は、例えば、上記したKOH賦活処理を行なう場合、ソフトカーボンを窒素雰囲気下、例えば、500〜800℃で予備焼成した後、窒素雰囲気下、700〜1000℃で、ソフトカーボン1重量部に対して、例えば、0.5〜5重量部のKOHとともに焼成することにより行なわれる。
活性炭原料にこのような賦活処理を施すと、とりわけ正極2の電位が4V vs.Li/Li+以上となる充放電サイクルにおいて、正極2に比較的大きな不可逆容量を発現させることができるため、正極2の電気容量を十分に活用することができる。
このようにして得られる活性炭の配合割合は、混合物中、例えば、80〜99重量%である。
導電剤としては、例えば、カーボンブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラックなどが挙げられる。また、導電剤の配合割合は、混合物中、例えば、0〜20重量%である。つまり、導電剤は、配合しても配合しなくてもよい。
結合剤としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フルオロオレフィン共重合体架橋ポリマー、フルオロオレフィンビニルエーテル共重合体架橋ポリマー、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸などが挙げられる。また、結合剤の配合割合は、混合物中、例えば、1〜10重量%である。
そして、正極2を電極形状に成形するには、例えば、上記した活性炭、導電剤および結合剤を配合した混合物を、例えば、ロールプレスを用いて加圧・圧延し、これにより得られる電極シートを電極形状に打ち抜いた後、乾燥させ、集電体となる金属箔に圧着させる。
金属箔としては、例えば、アルミニウム箔、銅箔、ステンレス箔、ニッケル箔などが挙げられる。
負極3は、リチウムイオンを可逆的に吸蔵・放出する電極であって、リチウムイオンを可逆的に吸蔵・放出可能な電極材料から形成されている。このような電極材料は、特に制限されないが、例えば、難黒鉛化炭素材料(ハードカーボン)や易黒鉛化炭素材料(ソフトカーボン)やグラファイトが用いられる。そして、負極3は、例えば、ハードカーボン、ソフトカーボンもしくはグラファイト、導電剤および結合剤を配合した混合物を、電極形状に成形した後、乾燥させることにより、形成する。
ハードカーボンは、一般的な熱硬化性樹脂、例えば、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、フルフラール樹脂、シリコーン樹脂、キシレン樹脂、ウレタン樹脂などを焼成することにより得ることができる。
ソフトカーボンとしては、例えば、ピッチ系原料、コークス系原料および合成樹脂系原料など、上記したソフトカーボンが挙げられる。
グラファイトとしては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、黒鉛化メソフェーズカーボン小球体、黒鉛化メソフェーズカーボン繊維、黒鉛ウィスカ、黒鉛化炭素繊維、ピッチ、コークスなどの縮合多環炭化水素化合物の熱分解物などのグラファイト系炭素材料が挙げられる。このようなグラファイト系炭素材料は、その平均粒径が、好ましくは、25μm以下の粉末が用いられる。
また、ハードカーボン、ソフトカーボンもしくはグラファイトの配合割合は、混合物中、例えば、80〜99重量%である。
導電剤としては、例えば、上記した導電剤が挙げられる。また、導電剤の配合割合は、混合物中、例えば、0〜20重量%である。つまり、導電剤は、配合しても配合しなくてもよい。
結合剤としては、例えば、上記した結合剤が挙げられる。また、結合剤の配合割合は、混合物中、例えば、1〜10重量%である。
そして、負極3を電極形状に成形するには、例えば、ハードカーボン、ソフトカーボンもしくはグラファイト、導電剤および結合剤を配合した混合物を、溶媒中で攪拌混合し、それを集電体となる金属箔上に塗布後、乾燥し、電極形状に打ち抜いた後、乾燥させる。
溶媒としては、例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、トルエン、キシレン、イソホロン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、フタル酸ジメチル、エタノール、メタノール、ブタノール、水などが挙げられる。
金属箔としては、例えば、上記した金属箔が挙げられる。
セパレータ4には、絶縁材料が用いられ、例えば、ガラス繊維、シリカやアルミナの繊維、セラミックス繊維、ウィスカなどの無機繊維、例えば、セルロースなどの天然繊維、例えば、ポリオレフィン、ポリエステルなどの有機繊維などが挙げられる。また、セパレータ4は、例えば、板状に成形されている。
電解液5は、リチウムイオンを含む有機溶媒からなり、リチウム塩を有機溶媒に溶解させることにより、調製されている。
リチウム塩としては、例えば、LiClO4、LiCF3SO3、LiC(SO2CF33、LiB(C654、LiC49SO3、LiC817SO3、LiB[C63(CF32−3,5]4、LiB(C654、LiB[C64(CF3)−4]4、LiBF4、LiPF6、LiAsF6、LiSbF6、LiCF3CO2、LiN(CF3SO22などが挙げられる。なお、上式中[C63(CF32−3,5]は,フェニル基の3位と5位に、[C64(CF3)−4]はフェニル基の4位に、それぞれ−CF3が置換されているものを意味する。
有機溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート、プロピレンカーボネート誘導体、エチレンカーボネート、エチレンカーボネート誘導体、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、1,3−ジオキソラン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジオキソラン、リン酸トリエステル、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水フタル酸、1,3−プロパンスルトン、4,5−ジヒドロピラン誘導体、ニトロベンゼン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフラン誘導体、シドノン化合物、アセトニトリル、ニトロメタン、アルコキシエタン、トルエンなどが挙げられる。これらは、単独または2種以上併用することができる。
電解液5は、有機溶媒中のリチウム塩の濃度が、例えば、0.5〜5mol/L、好ましくは、1〜3mol/Lとなるように調製する。また、高い耐電圧が得られるように、電解液5中の水分量が、例えば、50ppm以下、好ましくは、10ppm以下となるように調製する。
また、このハイブリッドキャパシタ1においては、正極2に電位範囲を拡大するための不可逆容量を発現させるための方法として、上述したように、充放電サイクルにおいて、正極2の電位を4V vs.Li/Li+以上とする方法のほか、例えば、電解液5に電気化学的に酸化分解し易い添加剤を添加することができる。
添加剤としては、例えば、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、LiCF3SO4、LiFSIなどが挙げられる。このような添加剤を電解液5に添加することによって、充放電サイクルにおいて、正極2に不可逆容量を発現させることができるため、正極2の電気容量を十分に活用することができる。
そして、このハイブリッドキャパシタ1では、充放電サイクルにおいて、正極2が電位範囲を拡大するための不可逆容量を発現する。
正極2に不可逆容量を発現させるには、特に制限されないが、例えば、ハイブリッドキャパシタ1の充放電サイクルにおける、1サイクル目(ここで1サイクルとは、充電および放電が各1回行なわれる充放電のことである。)に、正極2および負極3に印加するセル電圧が所定電圧になるまで第1の電流値で定電流充電した後、第2の電流値になるまで、上記した所定電圧で定電圧保持する。
上記した所定電圧の大きさとしては、例えば、2.5〜5V、好ましくは、4〜5V(このときの正極2の電位は、4〜5V vs.Li/Li+、好ましくは、4.5〜4.8V vs.Li/Li+)である。
第1の電流値としては、例えば、0.1〜10mA/cm2、好ましくは、1〜5mA/cm2である。
第2の電流値としては、0.05〜1mA/cm2、好ましくは、0.2〜0.5mA/cm2である。
次いで、セル電圧が、0〜4V、好ましくは、1〜3V(このときの正極2の電位は、1.5〜4V vs.Li/Li+、好ましくは、2〜3V vs.Li/Li+)に達するまで、0.1〜10mA/cm2、好ましくは、1〜5mA/cm2の電流値で定電流放電する。そして、2サイクル目以降は、例えば、セル電圧が、0〜5V、好ましくは、1〜5V(このときの正極2の電位は、1.5〜5V vs.Li/Li+、好ましくは、2〜4.6V vs.Li/Li+)となるように充放電する。
このように、充放電サイクルの1サイクル目に、上記のように充電することによって、正極2に不可逆容量を発現させることができるため、1サイクル目の放電および2サイクル目以降の充放電においては、正極2の電気容量を十分に活用することができる。
すなわち、従来のハイブリットキャパシタでは、図2に、その充放電の一般的なプロファイルが示されるように、負極3に生じる不可逆容量(例えば、QNc1−QNd1)に起因して、正極2の電位範囲がV1からV1´へと小さくなる結果、正極2の電気容量がC11(C1:正極2における電気二重層の静電容量)からC11´へと低下する。このように、正極2は、本来C11の電気容量を有しているにもかかわらず、その電気容量を十分に活用できず、C11´分の電気容量しか発現することができず、比較的低いエネルギー密度しか得られない。そのため、このようなハイブリッドキャパシタにおいては、正極2において負極3と同様に十分な電気容量を得ようとすると、極めて多量の正極2(活性炭)が必要となり、これがエネルギー密度の向上を図る上で、大きな障害となる。
そこで、図3に、その充放電のプロファイルが示されるように、負極3の不可逆容量(例えば、QNc1−QNd1)に相当する電気容量を、負極3に予備充電することによって、正極2の使用量を増加させずとも、正極2本来の電気容量C11を得ることができるが、この場合は、負極3を予備充電するための第3電極(例えば、リチウム電極など)を、ハイブリッドキャパシタ1内に設けなくてはならないため、キャパシタ構造の複雑化、キャパシタの大型化、およびこれらに伴うコストの増加など、別の不具合が発生する。
しかし、本実施形態のハイブリッドキャパシタ1では、正極2の使用量を増加させず、さらに、上記した第3電極を設けずとも、図4に、その充放電のプロファイルが示されるように、正極2本来の電気容量C11を得ることができる。つまり、充放電サイクルの1サイクル目において、正極2に負極3の不可逆容量に相当する不可逆容量を発現させることによって、負極3の不可逆容量を補償することができ、正極2の電気容量を十分に活用することができるため、ハイブリッドキャパシタ1のエネルギー密度を向上させることができる。
また、図5に、その充放電のプロファイルが示されるように、正極2に、負極3の不可逆容量を超える不可逆容量を発現させると、充放電サイクルにおいて、正極2に、アニオンの吸着・脱離による電気容量C11に加えて、リチウムイオンの吸着・脱着による電気容量C12を発現させ、正極2の放電電位を卑側にシフトさせて、正極2電位範囲をV1+V2まで広げることができるため、エネルギー密度をいっそう向上させることができる。
一方、ハイブリッドキャパシタ1では、正極2の不可逆容量の発現に起因して、電解液5に含まれるアニオン(例えば、LiPF6に含まれるPF6 -など)から誘導される負極活性阻害物質が生成する場合がある。
負極活性阻害物質が生成する過程として、例えば、正極2の不可逆容量の発現に起因してHFが生成する過程を、以下説明する。
まず、正極2および負極3に上記した所定電圧を印加すると、電解液5内では、例えば、正極2や電解液5に含まれる水分や有機物から、下記式(1)(2)に示すように、プロトン(H+)が生成する。
(1)2H2O→O2+4H++4e-
(2)R−H→R+H++e-(Rは、アルキル基)
そして、生成したプロトンが、電解液5に含まれるアニオン(例えば、LiPF6に含まれるPF6 -など)と反応し、HFが生成する(下記式(3)参照)。
(3)PF6 -+H+→PF5+HF
HFのような負極活性阻害物質は、負極3の電気容量を低下させて、ハイブリッドキャパシタ1のエネルギー密度を低下させるおそれがある。そのため、ハイブリッドキャパシタ1では、負極活性阻害物質を捕捉するための捕捉剤または捕捉部材を含むことが好適である。
例えば、セパレータ4として、正極2側に配置されるセパレータ4aと負極3側に配置されるセパレータ4bとを設け、これらセパレータ4aと4bとの間に、捕捉剤(捕捉部材)としてのリチウム箔7を設けることが好適である。リチウム箔7を設けることによって、例えば、正極2の不可逆容量の発現に起因して負極活性阻害物質が生成しても、その負極活性阻害物質をリチウム箔7で捕捉することができる。
リチウム箔7としては、公知のリチウム箔を用いることができ、例えば、円形状、角形状に形成されている。
また、リチウム箔7の表面積は、正極2および負極3の表面積と略同一面積、または、より広い面積であることが好ましい。リチウム箔7の表面積がこのような面積であると、負極活性阻害物質(例えば、HFなど)を、効率よく捕捉することができる。
さらに、その厚みは、例えば、0.01〜0.1mmであり、好ましくは、0.01〜0.05mmである。
また、リチウム箔7には、その厚み方向に複数の孔が形成されている。このような孔が形成されることによって、電解液5が、セパレータ4aとセパレータ4bとの間を通過することができ、充放電することができる。
なお、リチウム箔7は、リチウム金属であればよいので、例えば、捕捉剤として、リチウム粉末やペースト状のリチウムを設けることもできる。
また、上記したリチウム金属のほか、Si−N結合を有する化合物(例えば、ペルヒドロポリシラザン、メチルポリシラザンなど)をセル槽6内に含めることによっても、負極活性阻害物質を捕捉することができる。この場合、負極活性阻害物質は、Si−N結合を有する化合物に捕捉されて安定化する。
また、リチウム金属に代えて、捕捉剤として、Li2CO3(炭酸リチウム)、Na2CO3(炭酸ナトリウム)およびK2CO3(炭酸カリウム)などの炭酸塩を用いることが好適である。これらは、単独または2種以上併用してもよい。
炭酸塩は、例えば、セパレータ4aとセパレータ4bとの間に配置されていてもよく、また、セパレータ4を兼ねていてもよい。また、炭酸塩は、正極2および/または負極3の表面にコーティングされていてもよい。
炭酸塩をセパレータ4aとセパレータ4bとの間に配置するには、例えば、粉末状の炭酸塩をセパレータ4aまたはセパレータ4bの一方の表面に添加し、当該表面と他方のセパレータ4a(4b)の表面とで、炭酸塩を挟み込む。
炭酸塩がセパレータ4を兼ねるには、例えば、炭酸塩および結合剤を配合した混合物を、例えば、セパレータ4と同様に板状に形成する。
結合剤としては、例えば、上記した結合剤が挙げられる。また、炭酸塩と結合剤との重量比は、用いられる炭酸塩により異なるが、例えば、Li2CO3:PVdF(ポリフッ化ビニリデン)=5〜9:1〜5であることが好ましく、Li2CO3:PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)=5〜9:1〜5であることが好ましい。
炭酸塩を正極2および/または負極3の表面にコーティングするには、例えば、炭酸塩および結合剤を配合した混合物を、溶媒中で攪拌混合し、それを正極2および/または負極3上に塗布後、乾燥させる。
結合剤としては、例えば、上記した結合剤が挙げられ、好ましくは、ゴム系バインダー(例えば、スチレン−ブタジエンゴム)が挙げられる。
溶媒としては、例えば、上記した溶媒が挙げられ、好ましくは、NMP(N−メチルピロリドン)や水が挙げられる。
そして、上記した捕捉剤および捕捉部材は、正極2で発現する不可逆容量1mAhに対して、2×10-5mol〜175×10-5molの割合で含まれていることが好ましい。捕捉剤の量が、このような範囲であると、より一層優れたエネルギー密度を発現することができる。
例えば、上記式(1)〜(3)を参照すると、電子1molの流れに伴い、HFが1mol生成する。すなわち、正極2で発現する不可逆容量をQ(mAh)とし、ファラデー定数を96500(C/mol)すると、ハイブリッドキャパシタ1で発生するHFの発生量MHFは、MHF=3.6×Q×F-1(mol)となる。
また、Li2CO3を捕捉剤として用いた場合、下記式(4)に示すように、HFがLi2CO3に捕捉されて(Li2CO3と反応して)、LiFおよびH2CO3が生成する。
(4)Li2CO3+2HF→2LiF+H2CO3
上記式(4)に示すように、1molのHFを捕捉するためには、0.5molのLi2CO3が必要である。より具体的には、Li2CO3の必要量MLi2CO3は、MLi2CO3=0.5MHF=1.8×Q×F-1(mol)であり、F=96500を代入すると、MLi2CO3=2×10-5×Q(mol)である。すなわち、Li2CO3が、不可逆容量Q(mAh)に対して2×10-5×Qmol以上含まれることによって、HFを十分捕捉することができる。その結果、負極活性阻害物質(HF)に起因するエネルギー密度の低下を抑制できるので、より一層優れたエネルギー密度を発現することができる。
次に、本発明を実施例および比較例に基づいて説明するが、本発明は下記の実施例によって限定されるものではない。
実施例1
(正極)メソフェーズ系ピッチ(三菱ガス化学株式会社製 AR樹脂)を窒素雰囲気下、750℃で焼成し、易黒鉛化炭素(ソフトカーボン)を得た。得られたソフトカーボンに水酸化カリウム(KOH)を、ソフトカーボン:KOH=1:4の配合重量比で混合し、窒素雰囲気下、800℃で焼成(KOH賦活)した後、純水で洗浄することにより、KOH賦活ソフトカーボンを得た。
次いで、KOH賦活ソフトカーボン:カーボンブラック:PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)を85:5:10の配合重量比で混合し、ロールプレスを用いて加圧・圧延することにより、厚み75μmの電極シートを得た。この電極シートをφ10のサイズに打ち抜き、さらに100℃で12時間真空乾燥することにより、正極を作製した。
(負極)ハードカーボン(株式会社クレハ製 カーボトロンPS(F)):PVdF(ポリフッ化ビニリデン)を9:1の配合重量比で混合し、NMP(1−メチル−2−ピロリドン)中で十分攪拌した後、アルミ箔に約50μmの厚さに塗工し、乾燥した後、φ10のサイズに打ち抜き、さらに100℃で12時間真空乾燥することにより、負極を作製した。
(セパレータ)厚さ400μmのセラミックスフィルタ(ADVANTEC社製 GB−100R)を、φ24に打ち抜くことにより、セパレータを作製した。
(電解液)LiPF6のエチレンカーボネート/ジエチレンカーボネート溶媒(1:1体積比)を調製することにより、LiPF6濃度が1mol/Lの電解液を作製した。
上記の正極1枚、負極1枚、セパレータ1枚、電解液1ccを用いて、試験セルを組み立て、以下の充放電条件で充放電試験を実施した。その充放電曲線を図6に示す。なお、単極の電位はLi参照極を基準として測定した。また、図6の横軸において「mAh/cc−carbon electrodes」で示される単位は、正極と負極との総和(正極材および負極材を担持する集電体(例えば、Al箔やCu箔)の体積を除いた正極材と負極材との総和)の単位体積(1cc)当りの容量(mAh)を示す。
(充放電条件)
1サイクル目
セル電圧が4.8Vになるまで1mA/cm2で定電流充電した後、電流値が0.2mA/cm2に下がるまで4.8Vで定電圧保持した。次いで、セル電圧が2Vになるまで1mA/cm2で定電流放電した。
2サイクル目以降
2.0〜4.6Vの電圧範囲で充放電した。
比較例1
(正極)活性炭(クラレケミカル株式会社製 RP−15):カーボンブラック:PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)を85:5:10の配合重量比で混合し、ロールプレスを用いて加圧・圧延することにより、厚み520μmの電極シートを得た。この電極シートをφ10のサイズに打ち抜き、さらに100℃で12時間真空乾燥することにより、正極を作製した。
(負極)ハードカーボン(株式会社クレハ製 カーボトロンPS(F)):PVdF(ポリフッ化ビニリデン)を9:1の配合重量比で混合し、NMP(1−メチル−2−ピロリドン)中で十分攪拌した後、アルミ箔に約50μmの厚さに塗工し、乾燥した後、φ10のサイズに打ち抜き、さらに100℃で12時間真空乾燥することにより、負極を作製した。
(セパレータ)厚さ400μmのセラミックスフィルタ(ADVANTEC社製 GB−100R)を、φ24に打ち抜くことにより、セパレータを作製した。
(電解液)LiPF6のエチレンカーボネート/ジエチレンカーボネート溶媒(1:1体積比)を調製することにより、LiPF6濃度が1mol/Lの電解液を作製した。
上記の正極1枚、負極1枚、セパレータ1枚、電解液1ccを用いて、試験セルを組み立て、セル電圧が3.8Vになるまで1mA/cm2で定電流充電した後、セル電圧が1.9Vに下がるまで1mA/cm2で定電流放電をするというサイクルを繰り返す充放電試験を実施した。その充放電曲線を図7に示す。なお、単極の電位はLi参照極を基準として測定した。また、図7の横軸において「mAh/cc−carbon electrodes」で示される単位は、正極と負極との総和(正極材および負極材を担持する集電体(例えば、Al箔やCu箔)の体積を除いた正極材と負極材との総和)の単位体積(1cc)当りの容量(mAh)を示す。
考察
比較例1では、図7に示すように、負極に生じる不可逆容量に起因して、正極の電位範囲が約1V vs.Li/Li+(正極電位が3〜4V vs.Li/Li+の範囲)から約0.5V vs.Li/Li+(正極電位が3.5〜4V vs.Li/Li+の範囲)へと小さくなっている。
一方、実施例1では、図6に示すように、充放電サイクルの1サイクル目において、正極に不可逆容量が発現し、正極の電位が卑電位側にシフトして、正極の電位範囲が約2V vs.Li/Li+(正極電位が2.5〜4.5V vs.Li/Li+の範囲)となっている。
すなわち、実施例1のハイブリッドキャパシタにおいては、比較例1のハイブリッドキャパシタでは活用できない、正極の2.5〜3.5V vs.Li/Li+および4〜4.5V vs.Li/Li+の電位範囲を活用できることによって、正極の使用量を低減できるため、セル全体としてのエネルギー密度が向上する。
実施例2
(正極)
メソフェーズ系ピッチ(三菱ガス化学株式会社製 AR樹脂)を大気中350℃で2時間加熱し、次いで、窒素雰囲気下800℃で2時間予備焼成し、ソフトカーボンを得た。得られたソフトカーボンをアルミナ坩堝に入れ、ソフトカーボン1重量部に対して4重量部のKOHを加えた。そして、ソフトカーボンをKOHとともに、窒素雰囲気下800℃で、2時間焼成(KOH賦活)した。次いで、KOH賦活したソフトカーボンを超純水で洗浄した。この洗浄は、洗浄による廃液が中性になるまで行なった。これにより、KOH賦活ソフトカーボン(正極材)を得た。洗浄後、KOH賦活ソフトカーボンを乳鉢で粉砕し、篩(32μm)で分級した。篩を通過しなかった粉末は、再度乳鉢で粉砕し、分級を繰り返した。
次いで、得られたKOH賦活ソフトカーボンと導電助剤(ライオン株式会社製 ケッチェンブラックECP)と結合剤(ダイキン工業株式会社製 PTFEディスパーション)とを、固形分85:5:10の配合重量比で、乳鉢で混練し、ロールプレスを用いて加圧・圧延することにより、厚み100μmの電極シートを得た。この電極シートを、φ10のサイズに打ち抜き、さらに乾燥機に搬入し、120℃で12時間真空乾燥した。そして、乾燥機内を窒素パージした後、電極シートを、大気に触れないように、ドライAr雰囲気のグローブボックスへ搬入することにより、正極を作製した。
(負極)
人造黒鉛とソフトカーボンと結合剤(株式会社クレハ製 PVdF)とを、固形分22.5:67.5:10の配合重量比で、NMP(N−メチルピロリドン)に投入し、室温(25℃〜30℃)で12時間攪拌した。攪拌により得られたスラリー(負極材)を銅箔に塗工し、その後、80℃で12時間乾燥した。乾燥後の銅箔を、ハンドプレスで加圧・圧延することにより、厚み29μmの電極シートを得た。この電極シートを、φ10のサイズに打ち抜き、さらに乾燥機に搬入し、120℃で12時間真空乾燥した。そして、乾燥機内を窒素パージした後、電極シートを、大気に触れないように、ドライAr雰囲気のグローブボックスへ搬入することにより、負極を作製した。
(セパレータ)厚さ400μmのセラミックスフィルタ(ADVANTEC社製 GB−100R)を、φ13に打ち抜くことにより、セパレータを作製した。
(電解液)1mol/LのLiPF6/エチレンカーボネート+ジエチレンカーボネート溶媒(1:1体積比)を調製することにより、電解液を作製した。
(捕捉剤)
Li2CO3粉末とPTFEとを、80:20の配合重量比で混合し、ロールプレスを用いて加圧・圧延することにより、厚み30μmのシートを得た。このシートを、φ13のサイズに打ち抜き、さらに乾燥機に搬入し、120℃で12時間真空乾燥した。そして、乾燥機内を窒素パージした後、電極シートを、大気に触れないように、ドライAr雰囲気のグローブボックスへ搬入することにより、捕捉剤シートを作製した。
上記の正極1枚、負極1枚、セパレータ2枚、電解液1.5ccおよび捕捉剤シート1枚を用いて、試験セルを組み立てた。なお、捕捉剤シートについては、セパレータで挟んだ。そして、組み立てた試験セルに対して、以下の充放電条件で充放電試験を実施した。
(充放電条件)
1サイクル目
セル電圧が4.8Vになるまで1mA/cm2で定電流充電した後、電流値が0.5mA/cm2に下がるまで4.8Vで定電圧保持した。次いで、セル電圧が2.3Vになるまで1mA/cm2で定電流放電した。
2サイクル目以降
2.3〜4.6Vの電圧範囲で充放電した。
上記充放電条件による充放電により得られた充放電曲線を図8に示す。なお、単極の電位はLi参照極を基準として測定した。また、図8の横軸において「mAh/cc−carbon electrodes」で示される単位は、正極と負極との総和(正極材および負極材を担持する集電体(例えば、Al箔やCu箔)の体積を除いた正極材と負極材との総和)の単位体積(1cc)当りの容量(mAh)を示す。また、この試験により正極に発現された不可逆容量は、67.2mAh/cc−carbon electrodesだった。
比較例2
(正極)正極材としての活性炭(クラレケミカル株式会社製 RP−15)と導電剤(ライオン株式会社製 ケッチェンブラックECP)と結合剤(ダイキン工業株式会社製 PTFEディスパーション)とを、固形分85:5:10の配合重量比で、乳鉢で混練し、ロールプレスを用いて加圧・圧延することにより、厚み270μmの電極シートを得た。この電極シートを、φ10のサイズに打ち抜き、さらに乾燥機に搬入し、120℃で12時間真空乾燥した。そして、乾燥機内を窒素パージした後、電極シートを、大気に触れないように、ドライAr雰囲気のグローブボックスへ搬入することにより、正極を作製した。
(負極)難黒鉛化炭素(株式会社クレハ製)と結合剤(株式会社クレハ製 PVdF)とを、固形分90:10の配合重量比で、NMP(N−メチルピロリドン)に投入し、室温(25℃〜30℃)で12時間攪拌した。攪拌により得られたスラリー(負極材)を銅箔に塗工し、その後、80℃で12時間乾燥した。乾燥後の銅箔を、ハンドプレスで加圧・圧延することにより、厚み25μmの電極シートを得た。この電極シートを、φ10のサイズに打ち抜き、さらに乾燥機に搬入し、120℃で12時間真空乾燥した。そして、乾燥機内を窒素パージした後、電極シートを、大気に触れないように、ドライAr雰囲気のグローブボックスへ搬入することにより、負極を作製した。
(セパレータ)厚さ400μmのセラミックスフィルタ(ADVANTEC社製 GB−100R)を、φ24に打ち抜くことにより、セパレータを作製した。
(電解液)1mol/LのLiPF6/エチレンカーボネート+ジエチレンカーボネート溶媒(1:1体積比)を調製することにより、電解液を作製した。
上記の正極1枚、負極1枚、セパレータ2枚および電解液1.5ccを用いて、試験セルを組み立てた。そして、組み立てた試験セルに対して、以下の充放電条件で充放電試験を実施した。
(充放電条件)
セル電圧を1.9〜3.8Vの電圧範囲、電流1mA/cm2で充放電した。
上記充放電条件による充放電により得られた充放電曲線を図9に示す。なお、単極の電位はLi参照極を基準として測定した。また、図9の横軸において「mAh/cc−carbon electrodes」で示される単位は、正極と負極との総和(正極材および負極材を担持する集電体(例えば、Al箔やCu箔)の体積を除いた正極材と負極材との総和)の単位体積(1cc)当りの容量(mAh)を示す。
測定結果
図10は、実施例2の充放電サイクルにおけるエネルギー密度を示すグラフである。また、図11は、比較例2の充放電サイクルにおけるエネルギー密度を示すグラフである。なお、図10および図11の縦軸において「Wh/L−carbon electrodes」で示される単位は、正極と負極との総和(正極材および負極材を担持する集電体(例えば、Al箔やCu箔)の体積を除いた正極材と負極材との総和(電極層))の単位体積(1L)当りのエネルギー(Wh)を示す。
図10に示すように、実施例2の試験セルのエネルギー密度は、例えば、比較的充放電が安定する5サイクル目では、145.0Wh/L−carbon electrodesである。一方、図11に示すように、比較例2の試験セルのエネルギー密度は、例えば、比較的充放電が安定する5サイクル目では、28.2Wh/L−carbon electrodesである。
これにより、実施例2の方が、比較例2よりも、優れたエネルギー密度を発現することが確認された。
試算例1〜2
次に、正極で発現する不可逆容量に対する捕捉剤の添加量によって、ハイブリッドキャパシタのエネルギー密度がどのように変化するかを確認するため、試算例1〜2を実施した。試算例1〜2は、実施例2および比較例2のエネルギー密度(実測値)に基づき、図12に示すセルを組み立てた場合のエネルギー密度を、以下の試算条件で計算することにより行なった。
(試算条件)
試算例1(実施例2)
正極:Al箔の両面に正極材が塗工されることにより形成されたものを正極とする。
負極:Cu箔の両面に負極材が塗工されることにより形成されたものを負極とする。
捕捉剤:Li2CO3
捕捉剤の形状:Li2CO3粉末とPTFEとを、80:20の配合重量比で混合し、ロールプレスを用いて加圧・圧延することによりシート化されたものを捕捉剤シートとする。この捕捉剤シートは、セパレータを兼ねる。
電極層の厚みT2+T3:120μm
電極層のエネルギー密度:145Wh/L−carbon electrodes
セパレータ(捕捉剤を含む)の厚みT1:Li2CO3の添加量により変動する。
Cu箔の厚みT4:15μm
Al箔の厚みT5:15μm
試算例2(比較例2)
正極:Al箔の両面に正極材が塗工されることにより形成されたものを正極とする。
負極:Cu箔の両面に負極材が塗工されることにより形成されたものを負極とする。
捕捉剤:なし
電極層の厚みT2+T3:120μm
電極層のエネルギー密度:28.2Wh/L−carbon electrodes
セパレータの厚みT1:30μm
Cu箔の厚みT4:15μm
Al箔の厚みT5:15μm
測定結果
図13は、試算例1〜2において、不可逆容量に対するLi2CO3の添加量(係数)を変化させたときのエネルギー密度の変化を示すグラフである。なお、図13の縦軸において「Wh/L−cell」で示される単位は、セル1ユニット(電極層(正極材+負極材)+セパレータ+Cu箔の厚み方向中央よりもセパレータ側半分+Al箔の厚み方向中央よりもセパレータ側半分)の単位体積(1L)当りのエネルギー(Wh)を示す。
図13に示すように、試算例1のエネルギー密度は、例えば、係数が2×10-5mol/mAh−cellのときに122Wh/L−cellであり、係数が175×10-5mol/mAh−cellのときに20.5Wh/L−cellである。一方、試算例2のセルには、捕捉剤が含有されていないので、試算例2のエネルギー密度は、係数に関わらず、20.5Wh/L−cellで一定である。
これにより、試算例1では、係数が、2×10-5mol/mAh〜175×10-5mol/mAhのとき、すなわち、捕捉剤が、不可逆容量1mAhに対して、2×10-5mol〜175×10-5molの割合で添加されている場合、そのエネルギー密度が、常に試算例2のエネルギー密度以上であることが確認された。すなわち、捕捉剤の添加量が、上記した範囲であれば、負極活性物質を良好に捕捉することができ、より一層優れたエネルギー密度を発現できることが確認された。
試験例
試験例1〜7
次に、捕捉剤の種類により、負極の電気容量がどのように変化するかを確認するため、試験例1〜7を実施した。
(正極)活性炭(クラレケミカル株式会社製 RP−15)と導電剤(ライオン株式会社製 ケッチェンブラックECP)と結合剤(ダイキン工業株式会社製 PTFEディスパーション)とを、固形分85:5:10の配合重量比で、乳鉢で混練し、ロールプレスを用いて加圧・圧延することにより、厚み130μmの電極シートを得た。この電極シートを、φ10のサイズに打ち抜き、さらに乾燥機に搬入し、120℃で12時間真空乾燥した。そして、乾燥機内を窒素パージした後、電極シートを、大気に触れないように、ドライAr雰囲気のグローブボックスへ搬入することにより、正極を作製した。
(負極)難黒鉛化炭素(株式会社クレハ製)と結合剤(株式会社クレハ製 PVdF)とを、固形分9:1の配合重量比で、NMP(N−メチルピロリドン)に投入し、室温(25℃〜30℃)で12時間攪拌した。攪拌により得られたスラリーを銅箔に塗工し、その後、80℃で12時間乾燥した。乾燥後の銅箔を、φ10のサイズに打ち抜き、さらに乾燥機に搬入し、120℃で12時間真空乾燥した。そして、乾燥機内を窒素パージした後、電極シートを、大気に触れないように、ドライAr雰囲気のグローブボックスへ搬入することにより、負極を作製した。
(セパレータ)厚さ400μmのセラミックスフィルタ(ADVANTEC社製 GB−100R)を、φ24に打ち抜くことにより、セパレータを作製した。
(電解液)1mol/LのLiPF6/エチレンカーボネート+ジエチレンカーボネート溶媒(1:1体積比)を調製することにより、電解液を作製した。
(捕捉剤)各試験例について、下記表1に示す捕捉剤を、負極活性阻害物質を捕捉することができる十分な量で用いた。
Figure 0005042754
上記の正極1枚、負極1枚、セパレータ2枚、電解液1.5ccを用いて、試験セルを組み立てた。なお、試験例1を除く試験例の捕捉剤については、粉末状の捕捉剤を一方のセパレータの表面に添加し、当該表面と他方のセパレータの表面とで挟み込んだ。これに対し、試験例1の捕捉剤については、箔状の捕捉剤(Li)を2枚のセパレータで挟んだ。そして、組み立てた試験セルに対して、0〜1.5V(vs.Li/Li+)の電圧範囲(電流密度:1mA/cm2)で充放電試験を実施した。
考察
図14に、試験例1〜7の充放電サイクルにおける負極の電気容量の変化を示す。なお、図14の縦軸において「mAh/cc−negative electrode」で示される単位は、負極(負極材を担持する集電体(例えば、Cu箔)の体積を除いた負極材)の単位体積(1cc)当りの容量(mAh)を示す。
図14に示すように、捕捉剤として、Li、Li2CO3、Na2CO3およびK2CO3が含まれている試験例1〜4では、充放電サイクルを繰り返しても、平均した電気容量を発現できることが確認された。例えば、試験例2では、比較的充放電が安定する5サイクル目では、140.4mAh/cc−negative electrodeの電気容量が発現されていることが確認された。
すなわち、図14により、試験例1〜4では、充放電サイクルを繰り返すことにより負極の電気容量が徐々に低下する試験例5〜7よりも、一層優れたエネルギー密度を発現できることが確認された。
本発明の電気化学キャパシタの一実施形態を示すハイブリッドキャパシタの概略構成図である。 従来のハイブリットキャパシタの充放電の一般的なプロファイルである。 負極を予備充電した場合における、ハイブリットキャパシタの充放電のプロファイルである。 本実施形態のハイブリッドキャパシタの充放電のプロファイルである。 本実施形態のハイブリッドキャパシタの充放電のプロファイルであって、正極の放電電位を卑側にシフトさせた場合を示す図である。 実施例1の充放電曲線である。 比較例1の充放電曲線である。 実施例2の充放電曲線である。 比較例2の充放電曲線である。 実施例2の充放電サイクルにおけるエネルギー密度を示すグラフである。 比較例2の充放電サイクルにおけるエネルギー密度を示すグラフである。 実施例2および比較例2の試算データを算出するために用いたハイブリッドキャパシタのセル構造を示す概略構成図である。 試算例1〜2において、不可逆容量に対するLi2CO3の添加量を変化させたときのエネルギー密度の変化を示すグラフである。 試験例1〜7の充放電サイクルにおける負極の電気容量の変化を示す図である。
符号の説明
1 ハイブリッドキャパシタ
2 正極
3 負極
4 セパレータ
5 電解液
7 リチウム箔

Claims (1)

  1. 充放電サイクルにおいて、電位範囲を拡大するための不可逆容量を発現する正極と、
    リチウムイオンを可逆的に吸蔵・放出可能な材料からなる負極と、
    リチウムイオンを含む有機溶媒からなる電解液とを備え
    前記正極の不可逆容量の発現に起因して前記電解液に含まれるアニオンから誘導される負極活性阻害物質を捕捉する捕捉剤を含み、
    前記捕捉剤が、前記不可逆容量1mAhに対して、2×10 −5 mol〜175×10 −5 molの割合で含まれていることを特徴とする、電気化学キャパシタ。
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