JP2008130690A - 電気化学キャパシタ及び電気化学キャパシタ用非水系電解液 - Google Patents

電気化学キャパシタ及び電気化学キャパシタ用非水系電解液 Download PDF

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Abstract

【課題】大電流放電時に高いエネルギー密度を有する電気化学キャパシタを提供する。
【解決手段】対向配置された一対の電極を備え、該電極間に非水系電解液が保持された電気化学キャパシタにおいて、該非水系電解液に、1種以上の含フッ素ニトリル化合物を含有させる。
【選択図】なし

Description

本発明は、電気化学キャパシタ及びそれに用いられる非水系電解液に関し、さらに詳しくは、非水系電解液を用いる電気化学キャパシタ及びそれに用いられる非水系電解液に関する。
電気化学的な酸化還元を伴う反応により電力を蓄える電池に対し、電気化学キャパシタとは、静電容量により電荷を蓄えることを基本とする蓄電デバイスをいう。また、近年では、電気化学キャパシタに、電池よりはキャパシタに類する挙動を示す高速な酸化還元反応を伴う蓄電メカニズムを含める事が多い。
電池に分類される蓄電デバイスと比較し、電気化学キャパシタは、蓄えられるエネルギー密度が低い反面、高速な充放電が可能であるという特徴を有しており、その特徴を生かした応用がなされている。また、近年、電気化学キャパシタについて、高速な充放電が可能であるという特徴を生かしつつ、よりエネルギー密度を向上させる為の検討が盛んになされており、その用途を広げつつある。
電気化学キャパシタは、通常、一対の電極と電解質とを備えて構成されている。
前記電極が分極性電極である場合、電気化学キャパシタは、電極と電解質との界面に生成する電気二重層に電気を蓄える電気二重層キャパシタとなる。この他に、電気化学キャパシタの構成の例としては、電気二重層容量とともに非分極性電極の酸化還元による疑似容量を利用したシュードキャパシタ(レドックスキャパシタ)がある(非特許文献1)。さらに、近年では、一方の極に例えばリチウム二次電池等の二次電池の電極を用い、もう一方を電気化学キャパシタの電極を用いて、一方の極が二次電池、一方の極が電気化学キャパシタとして動作するハイブリッドキャパシタも研究がなされている。
一方、電気化学キャパシタに使用される電解質としては、例えば、硫酸水溶液や水酸化カリウム水溶液等の水系電解液;プロピレンカーボネート等の有機溶媒に四級アンモニウム塩や四級ホスホニウム塩等を溶解した非水系電解液;ポリエチレンオキシド−アルカリ金属塩錯体やRbAg45等の固体電解質などが挙げられる(非特許文献2)。
このうち、非水系電解液を用いる電気化学キャパシタは、耐電圧を高くできるため、水系電解液を用いる電気化学キャパシタよりもエネルギー密度を高くできるという利点があり、小型化の要求される民生用電子機器のバックアップ電源や携帯機器の駆動電源等に利用される。さらに、電気化学キャパシタについては、電気自動車、ハイブリッド車等にも用いるべく、電力貯蔵等のパワー用途での使用を目指した開発が、非水系電解液を使用して行なわれている。
しかしながら、非水系電解液は一般にその電気伝導率が水系電解液と比較して低い。通常、電気化学キャパシタに蓄積されているエネルギー:Wは、一定電流:Iで電圧:ViからVfまで放電させるとして、次式で表わされる。
W=1/2・C(Vi 2−Vf 2
=1/2・C〔(VO−IR)2−Vf 2
(前記式中、Cは静電容量(F)を表わし、VOは開回路電圧(V)を表わし、Rは内部抵抗(Ω)を表わす。)
ここで、内部抵抗:Rは電極と電解液の抵抗の和であり、溶液抵抗の高い(即ち、電気伝導率の低い)電解液を用いると、電流値の増加と共に電気化学キャパシタのエネルギー密度を低下させる事となる。この事は、電気化学キャパシタが本来持つ高速な充放電が可能という特性を低下させることにもなるので、好ましくない。
この為、従来から、より電気伝導率の高い非水系電解液が求められていた。そこで、このような要求を満足させるべく、電気化学キャパシタ用の非水系電解液として種々のものが検討されてきた。
そのような非水系電解液として代表的なものとしては、四級アンモニウム又は四級ホスホニウムのBF4塩を、プロピレンカーボネートに代表される炭酸エステル化合物又はアセトニトリルに代表されるニトリル化合物に溶解したものが提案されている(非特許文献3,4)。
B.E.Conway,J.Electrochem.Soc.,138,1539(1991)) 宇恵誠,電気化学,66巻,904頁,1998年 棚橋ら,電気化学,56巻,892頁,1988年 平塚ら,電気化学,59巻,209頁,1991年
非水系電解液において溶媒として用いられる化合物の一種であるアセトニトリルは、電気化学キャパシタに用いられる非水系電解液向け溶媒として用いられているものとしては、低粘度でありながら、高い誘電率を有する事から、高い電気伝導率を可能とする。しかし、同じく電気化学キャパシタ向け溶媒として用いられている炭酸エステル化合物のなかでも、特に好適な溶媒であるプロピレンカーボネートと比較すると、耐電圧特性が劣る。そのため、アセトニトリルを用いた電気化学キャパシタは、大電流放電時のエネルギー密度が十分ではなく、限られた用途に適応されるに留まっていた。また、アセトニトリル以外のニトリル化合物においても、同様の課題があった。
本発明は前記の課題に鑑みて創案されたもので、大電流放電時に高いエネルギー密度を有する電気化学キャパシタ、及び、それに用いる電気化学キャパシタ用非水系電解液を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記の課題を解決するべく鋭意検討した結果、ニトリル化合物にフッ素を導入した含フッ素ニトリル化合物が、高い導電率を維持するとともに、フッ素を含まないニトリル化合物に比べて耐電圧特性が向上しているとの知見を得た。この結果、含フッ素ニトリル化合物を非水系電解液に含有させることにより、特に大電流放電時において高いエネルギー密度を有する電気化学キャパシタが実現できる事を見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明の要旨は、対向配置された一対の電極を備え、該電極間に非水系電解液が保持された電気化学キャパシタにおいて、該非水系電解液が、1種以上の含フッ素ニトリル化合物を含有することを特徴とする、電気化学キャパシタに存する(請求項1)。
このとき、該非水系電解液が、4級アンモニウム塩、およびリチウム塩からなる群より選ばれる1種以上を含むことが好ましい(請求項2)。
また、該非水系電解液が、テトラアルキルアンモニウムの、BF4塩、PF6塩、ビスオキサラトボレート塩およびジフルオロオキサラトボレート塩からなる群より選ばれる1種以上の塩を含むことが好ましい(請求項3)。
さらに、該含フッ素ニトリル化合物がフルオロアセトニトリルであることが好ましい(請求項4)。
また、前記電極が活性炭を含んで構成された分極性電極であることが好ましい(請求項5)。
本発明の別の要旨は、前記の電気化学キャパシタに用いられることを特徴とする、電気化学キャパシタ用非水系電解液に存する(請求項6)。
本発明によれば、フッ素を含まないニトリル化合物を非水系電解液として用いた従来の電気化学キャパシタよりも耐電圧特性に優れ、大電流放電時に高いエネルギー密度を有する電気化学キャパシタ及びそれに用いる電気化学キャパシタ用非水系電解液を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施形態の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を逸脱しない範囲において、任意に変更して実施することができる。
[I.電気化学キャパシタの概要]
本発明の電気化学キャパシタは、少なくとも、本発明の電気化学キャパシタ用非水系電解液(以下適宜、「本発明の非水系電解液」という)と、一対の電極とを備える。また、本発明の電気化学キャパシタは、通常、セパレータを備える。本発明の電気化学キャパシタがセパレータを備える場合、当該セパレータを介して一対の前記電極が対向配置され、このセパレータ及び電極から電極素子が構成される。さらに、電極及びセパレータが非水系電解液を含浸しうる構造を有している場合には、非水系電解液は前記の電極素子に含浸された状態で保持されることが好ましい。なお、本発明の電気化学キャパシタは、本発明の効果を著しく損なわない限り、その他の部材を備えていてもよい。
[II.非水系電解液]
本発明の非水系電解液は、電気化学キャパシタに用いられる非水系電解液である。
本発明の非水系電解液は、少なくとも1種の電解質と、これを溶解する少なくとも1種の非水溶媒を含んでいる。また、本発明の非水系電解液は、添加剤等のその他の電解液材料を含有していてもよい。ただし、本発明の非水系電解液は、非水溶媒として、含フッ素ニトリル化合物を1種以上含んでいる。
[II−1.非水溶媒]
本発明の非水系電解液は、非水溶媒として、少なくとも1種の含フッ素ニトリル化合物を含んで構成される。また、本発明の非水系電解液は、本発明の効果を著しく損なわない限り、含フッ素ニトリル化合物以外の非水溶媒(以下適宜、「その他の非水溶媒」という)を併用してもよい。
[II−1−2.含フッ素ニトリル化合物]
含フッ素ニトリル化合物とは、ニトリル化合物の1つ以上の水素をフッ素に置換した化合物を言う。この際、1個の含フッ素ニトリル化合物が有するフッ素原子の数は2以上でもよい。
含フッ素ニトリル化合物の基本骨格となるニトリル化合物としては、本発明の効果を著しく損なわない限り特に限定はされず、置換又は無置換のニトリル化合物を任意に用いることができる。ただし、含フッ素ニトリル化合物が高い耐電圧特性を維持することが好ましいことから、基本骨格となるニトリル化合物としては、無置換、または、ROCO基、RCOO基、ROCOO基以外の置換基を有さない飽和炭化水素基にシアノ基が結合した化合物である事が好ましい。なお、ここでRは置換基を有していてもよいアルキル基を表わす。
また、基本骨格となるニトリル化合物の分子量に制限は無く、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。ただし、当該分子量は、通常40以上、また、通常200以下、中でも115以下が好ましい。分子量が大きすぎると含フッ素ニトリル化合物の粘度の上昇や誘電率の低下が大きくなる可能性があるためである。
基本骨格となるニトリル化合物の具体例を挙げると、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、バレロニトリル、カプロニトリル、イソブチロニトリル、イソバレロニトリル、イソカプロニトリル、2,2−ジメチルプロピオニトリル、2,2−ジメチルブチロニトリル、2,3−ジメチルブチロニトリル、3,3−ジメチルブチロニトリル、2−エチルブチロニトリル、等の鎖状モノニトリル化合物;
マレオニトリル、スクシノニトリル、グルタロニトリル、ジメチルマレオニトリル、メチルスクシノニトリル等の鎖状ジニトリル化合物;
シアノ酢酸メチル、シアノ酢酸エチル、2−シアノプロピオン酸メチル、1−シアノプロピオン酸メチル、酢酸シアノメチル、プロピオン酸シアノメチル、酢酸−1−シアノエチル、酢酸−2−シアノエチル、炭酸シアノメチルメチル等の含シアノエステル化合物;
などが挙げられる。
これらの中でも、含フッ素ニトリル化合物の基本骨格となるニトリル化合物としては、鎖状モノニトリル化合物が好ましく、さらに、その誘電率の高さ、粘度の低さから、アセトニトリル及びプロピオニトリルがより好ましく、特にアセトニトリルが好ましい。
含フッ素ニトリル化合物としては、前述のように、ニトリル化合物の1つ以上の水素をフッ素に置換した化合物であれば特に限定はされないが、中でも、前記の好ましいニトリル化合物を基本骨格とするものが好ましい。
含フッ素ニトリル化合物の具体例を挙げると、フルオロアセトニトリル、ジフルオロアセトニトリル、トリフルオロアセトニトリル、1−フルオロプロピオニトリル、2−フルオロプロピオニトリル、1,1−ジフルオロプロピオニトリル、1,2−ジフルオロプロピオニトリル、2,2−ジフルオロプロピオニトリル、1,1,2−トリフルオロプロピオニトリル、1,2,2−トリフルオロプロピオニトリル、2,2,2−トリフルオロプロピオニトリル、1,1,2,2−テトラフルオロプロピオニトリル、1,2,2,2−テトラフルオロプロピオニトリル、ペンタフルオロプロピオニトリル、等が挙げられる。
これらの中でも、フルオロアセトニトリル、2−フルオロプロピオニトリル、2,2−ジフルオロプロピオニトリル、及び2,2,2−トリフルオロプロピオニトリルが好ましい。さらには、フルオロアセトニトリル、ジフルオロアセトニトリル、及びトリフルオロアセトニトリルがより好ましく、その中でもフルオロアセトニトリルが特に好ましい。
なお、含フッ素ニトリル化合物は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
[II−1−2.その他の非水溶媒]
本発明の非水系電解液において、含フッ素ニトリル化合物のみを非水溶媒として用いてもよいが、本発明の効果を著しく損なわない限り、非水溶媒として、その他の非水溶媒を含フッ素ニトリル化合物と組み合わせて用いてもよい。
その他の非水溶媒の例を挙げると、環状炭酸エステル、鎖状炭酸エステル、鎖状カルボン酸エステル、環状カルボン酸エステル、含リン有機溶媒、含硫黄有機溶媒、などが挙げられる。
環状炭酸エステルの種類に特に制限は無いが、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、等が挙げられる。これらの中でも、エチレンカーボネート及びプロピレンカーボネートが、誘電率が高いため溶質(即ち、電解質)が溶解し易く、電気化学キャパシタにしたときに耐電圧特性が良いという点で好ましい。
また、鎖状炭酸エステルの種類にも特に制限は無いが、例えば、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチル−n−プロピルカーボネート、エチル−n−プロピルカーボネート、ジ−n−プロピルカーボネート、等が挙げられる。
鎖状カルボン酸エステルの種類にも特に制限は無いが、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸−i−プロピル、酢酸−n−ブチル、酢酸−i−ブチル、酢酸−t−ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸−n−プロピル、プロピオン酸−i−プロピル、プロピオン酸−n−ブチル、プロピオン酸−i−ブチル、プロピオン酸−t−ブチル、等が挙げられる。これらの中でも、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、及びプロピオン酸エチルが好ましい。
環状カルボン酸エステルの種類にも特に制限は無いが、例えば、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、等が挙げられる。これらの中でも、γ−ブチロラクトンが好ましい。
含リン有機溶媒の種類にも特に制限は無いが、例えば、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリフェニル、等のリン酸エステル類;
亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリフェニル、等の亜リン酸エステル類;
トリメチルホスフィンオキシド、トリエチルホスフィンオキシド、トリフェニルホスフィンオキシド、等のホスフィンオキシド類;
などが挙げられる。
また、含硫黄有機溶媒の種類にも特に制限は無いが、例えば、エチレンサルファイト、1,3−プロパンスルトン、1,4−ブタンスルトン、メタンスルホン酸メチル、ブスルファン、スルホラン、スルホレン、ジメチルスルホン、等が挙げられる。これらの中でも、環状炭酸エステルであるエチレンカーボネート及びプロピレンカーボネート;鎖状カーボネートであるジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、及びジエチルカーボネートが好ましい。
なお、その他の非水溶媒は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
ところで、非水溶媒として含フッ素ニトリル化合物とその他の非水溶媒とを組み合わせて用いる場合、含フッ素ニトリル化合物とその他の非水溶媒との混合比率は目的に応じ適宜選択すればよい。ただし、その他の非水溶媒の量が多すぎると含フッ素ニトリル化合物の好ましい特性が発揮されない場合がある。したがって、非水溶媒として含フッ素ニトリル化合物とその他の非水溶媒とを組み合わせて用いる場合であっても、非水溶媒全体に対して含フッ素ニトリル化合物の含有率を通常10%以上、中でも30%以上、更に50%以上、特に80%以上とすることが好ましい。
[II−2.電解質]
本発明の非水系電解液に用いられる電解質は、電解質として作用する化合物であれば特に限定はされず、任意のものを用いることができる。ただし、有機溶媒への溶解性、有機溶媒中の解離性、及び、耐酸化還元性がそれぞれ良好なことから、電解質としては、有機オニウム及びアルカリ金属の塩からなる群より選ばれる1種以上を用いることが好ましい。その中でも、特に、4級オニウム又はリチウムをカチオン種として有する塩からなる群より選ばれる1種以上の塩を用いることが好ましい。
このうち、4級オニウム塩に用いられる4級オニウムのうち好ましいものの例としては、下記式(I)で表わされるカチオン種が挙げられる。
Figure 2008130690
上記式(I)中、R1〜R4は、それぞれ独立に、置換されていてもよい炭化水素基を
表わす。この炭化水素基の種類は本発明の効果を著しく損なわない限り制限されない。即ち、この炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であってもよく、芳香族炭化水素基であってもよく、それらの結合した炭化水素基であってもよい。また、当該炭化水素基が脂肪族炭化水素基である場合は、鎖状であっても環状であってもよく、鎖状及び環状が結合した構造であってもよい。さらに、当該炭化水素基が鎖状炭化水素基である場合は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。また、当該炭化水素基は、飽和炭化水素基であってもよく、不飽和結合を有していてもよい。
1〜R4がそれぞれ有する炭素数は本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常1以上、また、通常20以下、中でも10以下、特には5以下であることが好ましい。当該炭化水素基の炭素数が大き過ぎると重量あたりのモル数が減り、種々の効果が低減する傾向がある。なお、R1〜R4を構成する炭化水素基が置換基を有する場合には、それらの置換基も含めた置換炭化水素基の炭素数が、上記範囲を満たすものとする。
また、R1〜R4の炭化水素基は、1又は2以上の置換基により置換されていてもよい。置換基の種類は、本発明における効果を著しく損なわない限り制限されない。置換基の例を挙げると、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシル基、アルデヒド基等が挙げられる。なお、R1〜R4の炭化水素基が2以上の置換基を有する場合、これらの置換基は互いに同一でもよく、異なっていてもよい。
さらに、R1〜R4の炭化水素基は、任意の2つ以上を比較した場合に、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。さらに、R1〜R4の炭化水素基が置換基を有する場合には、それらの置換基も含めた置換炭化水素基が、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
さらには、R1〜R4の炭化水素基のうち任意の2つ以上が相互に結合して、環状構造を形成していてもよい。
1〜R4の炭化水素基の具体例としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、等が挙げられる。
アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、1−プロピル基、1−メチルエチル基、1−ブチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1,1−ジメチルエチル基、等が挙げられる。中でも、メチル基、エチル基、1−プロピル基、及び1−ブチル基が好ましい。
シクロアルキル基の具体例としては、シクロペンチル基、2−メチルシクロペンチル基、3−メチルシクロペンチル基、2,2−ジメチルシクロペンチル基、2,3−ジメチルシクロペンチル基、2,4−ジメチルシクロペンチル基、2,5−ジメチルシクロペンチル基、3,3−ジメチルシクロペンチル基、3,4−ジメチルシクロペンチル基、2−エチルシクロペンチル基、3−エチルシクロペンチル基、シクロヘキシル基、2−メチルシクロヘキシル基、3−メチルシクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、2,2−ジメチルシクロヘキシル基、2,3−ジメチルシクロヘキシル基、2,4−ジメチルシクロヘキシル基、2,5−ジメチルシクロヘキシル基、2,6−ジメチルシクロヘキシル基、3,4−ジメチルシクロヘキシル基、3,5−ジメチルシクロヘキシル基、2−エチルシクロヘキシル基、3−エチルシクロヘキシル基、4−エチルシクロヘキシル基、ビシクロ[3,2,1]オクタ−1−イル基、ビシクロ[3,2,1]オクタ−2−イル基、等が挙げられる。中でも、シクロペンチル基、2−メチルシクロペンチル基、3−メチルシクロペンチル基、シクロヘキシル基、2−メチルシクロヘキシル基、3−メチルシクロヘキシル基、及び4−メチルシクロヘキシル基が好ましい。
アリール基の具体例としては、フェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2,3−ジメチルフェニル基、等が挙げられる。中でも、フェニル基が好ましい。
アラルキル基の具体例としては、フェニルメチル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基、ジフェニルメチル基、トリフェニルメチル基、等が挙げられる。中でも、フェニルメチル基、及び2−フェニルエチル基が好ましい。
上記式(I)中、Qは、周期表の第15族に属する原子を表わす。中でも、窒素原子又
は燐原子が好ましい。
以上より、上記式(I)で表わされる4級オニウムの好ましい例としては、脂肪族鎖状
4級塩類、脂肪族環状アンモニウム、脂肪族環状ホスホニウム、含窒素ヘテロ環芳香族カチオン等が挙げられる。
脂肪族鎖状4級塩類としては、例えば、テトラアルキルアンモニウムカチオン、テトラアルキルホスホニウムカチオン、等が特に好ましい。
テトラアルキルアンモニウムカチオンの具体例としては、テトラメチルアンモニウムカチオン、エチルトリメチルアンモニウムカチオン、ジエチルジメチルアンモニウムカチオン、トリエチルメチルアンモニウムカチオン、テトラエチルアンモニウムカチオン、テトラ−n−ブチルアンモニウムカチオン、等が挙げられる。
テトラアルキルホスホニウムカチオンの具体例としては、テトラメチルホスホニウムカチオン、エチルトリメチルホスホニウムカチオン、ジエチルジメチルホスホニウムカチオン、トリエチルメチルホスホニウムカチオン、テトラエチルホスホニウムカチオン、テトラ−n−ブチルホスホニウムカチオン、等が挙げられる。
脂肪族環状アンモニウムとしては、例えば、ピロリジニウムカチオン、モルホリニウムカチオン、イミダゾリニウムカチオン、テトラヒドロピリミジニウムカチオン、ピペラジニウムカチオン、ピペリジニウムカチオン、およびこれらのスピロ環化合物等が特に好ましい。
ピロリジニウムカチオンの具体例としては、N,N−ジメチルピロリジウムカチオン、N−エチル−N−メチルピロリジウムカチオン、N,N−ジエチルピロリジウムカチオン、スピロ−(N,N’)−ビピロリジニウムカチオン、等が挙げられる。
モルホリニウムカチオンの具体例としては、N,N−ジメチルモルホリニウムカチオン、N−エチル−N−メチルモルホリニウムカチオン、N,N−ジエチルモルホリニウムカチオン、等が挙げられる。
イミダゾリニウムカチオンの具体例としては、N,N’−ジメチルイミダゾリニウムカチオン、N−エチル−N’−メチルイミダゾリニウムカチオン、N,N’−ジエチルイミダゾリニウムカチオン、1,2,3−トリメチルイミダゾリニウムカチオン、等が挙げられる。
テトラヒドロピリミジニウムカチオンの具体例としては、N,N’−ジメチルテトラヒドロピリミジニウムカチオン、N−エチル−N’−メチルテトラヒドロピリミジニウムカチオン、N,N’−ジエチルテトラヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3−トリメチルテトラヒドロピリミジニウムカチオン、等が挙げられる。
ピペラジニウムカチオンの具体例としては、N,N,N’,N’−テトラメチルピペラジニウムカチオン、N−エチル−N,N’,N’−トリメチルピペラジニウムカチオン、N,N−ジエチル−N’,N’−ジメチルピペラジニウムカチオン、N,N,N’−トリエチル−N’−メチルピペラジニウムカチオン、N,N,N’,N’−テトラエチルピペラジニウムカチオン、等が挙げられる。
ピペリジニウムカチオンの具体例としては、N,N−ジメチルピペリジニウムカチオン、N−エチル−N−メチルピペリジニウムカチオン、N,N−ジエチルピペリジニウムカチオン、ピペリジン−1−スピロ−1’−ピロリジニウムカチオン、スピロ−(1,1’)−ビピペリジニウムカチオン、等が挙げられる。
含窒素ヘテロ環芳香族カチオンとしては、例えば、ピリジニウムカチオン、イミダゾリウムカチオン、等が特に好ましい。
ピリジニウムカチオンの具体例としては、N−メチルピリジニウムカチオン、N−エチルピリジニウムカチオン、1,2−ジメチルピリミジニウムカチオン、1,3−ジメチルピリミジニウムカチオン、1,4−ジメチルピリミジニウムカチオン、1−エチル−2−メチルピリミジニウムカチオン、等が挙げられる。
イミダゾリウムカチオンの具体例としては、N,N’−ジメチルイミダゾリウムカチオン、N−エチル−N’−メチルイミダゾリウムカチオン、N,N’−ジエチルイミダゾリウムカチオン、1,2,3−トリメチルイミダゾリウムカチオン、等が挙げられる。
なお、本発明の非水系電解液においては、電解質のカチオン種は、通常1種類を用いるが、非水系電解液としたときに、カチオン種を2種以上併用した方が好ましい場合には、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
一方、上述したカチオン種と組み合わされて電解質を構成するアニオン種としては、本発明の効果を著しく損なわない限り特に限定はされない。ただし、有機溶媒への溶解性、有機溶媒中の解離性、及び耐酸化還元性がそれぞれ良好なことから、例えば、ClO4アニオン、AsF6アニオン、PF6アニオン、BF4アニオン、等の無機アニオン;
CF3SO3アニオン、N(CF3SO22アニオン、N(C25SO22アニオン、1,3−ヘキサフルオロプロパンジスルホニルイミドアニオン、1,2−テトラフルオロエタンジスルホニルイミドアニオン、N(CF3SO2)(C49SO2)アニオン、C(CF3SO23アニオン、PF4(CF32アニオン、PF4(C252アニオン、PF4(CF3SO22アニオン、PF4(C25SO22アニオン、BF2(CF32アニオン、BF2(C252アニオン、BF2(CF3SO22アニオン、BF2(C25SO22アニオン、等の含フッ素有機アニオン;
ビス(オキサラト)ボレートアニオン、トリス(オキサラト)フォスフェートアニオン、ジフルオロオキサラトボレートアニオン、等の含ジカルボン酸錯体アニオン;などが好ましい。
これらのアニオン種のうち、PF6アニオン、BF4アニオン、N(CF3SO22アニオン、N(C25SO22アニオン、1,2−テトラフルオロエタンジスルホニルイミドアニオン、ビス(オキサラト)ボレートアニオン、及びジフルオロオキサラトボレートアニオンがさらに好ましく、中でもPF6アニオン、BF4アニオン、ビス(オキサラト)ボレートアニオン、及びジフルオロオキサラトボレートアニオンが特に好ましい。
なお、本発明の非水系電解液においては、電解質のアニオン種は1種類のみを用いてもよく、2種類以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。ただし、通常は、電気化学キャパシタを効率的に動作させるという観点から1種類を用いる。
本発明の非水系電解液に用いる電解質としては、上述した好ましいカチオン種とアニオン種との組み合わせからなる塩であることが好ましい。
中でも特に好ましい塩の具体例を挙げると、四級オニウムの塩としては、エチルトリメチルアンモニウムBF4、ジエチルジメチルアンモニウムBF4、トリエチルメチルアンモニウムBF4、テトラエチルアンモニウムBF4、N,N−ジメチルピロリジウムBF4、N−エチル−N−メチルピロリジウムBF4、N,N−ジエチルピロリジウムBF4、スピロ−(N,N’)−ビピロリジニウムBF4、N,N−ジメチルピペリジニウムBF4、N−エチル−N−メチルピペリジニウムBF4、N,N−ジエチルピペリジニウムBF4、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウムBF4、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムBF4、1,2,3−トリメチルイミダゾリニウムBF4、N,N’−ジメチルテトラヒドロピリミジニウムBF4、N−エチル−N’−メチルテトラヒドロピリミジニウムBF4、N,N’−ジエチルテトラヒドロピリミジニウムBF4、1,2,3−トリメチルテトラヒドロピリミジニウムBF4、N−メチルピリジニウムBF4、N−エチルピリジニウムBF4、1,2−ジメチルピリミジニウムBF4、1,3−ジメチルピリミジニウムBF4、1,4−ジメチルピリミジニウムBF4、1−エチル−2−メチルピリミジニウムBF4、N,N’−ジメチルイミダゾリウムBF4、N−エチル−N’−メチルイミダゾリウムBF4、N,N’−ジエチルイミダゾリウムBF4、1,2,3−トリメチルイミダゾリウムBF4、エチルトリメチルアンモニウムPF6、ジエチルジメチルアンモニウムPF6、トリエチルメチルアンモニウムPF6、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウムBF4、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムBF4、テトラエチルアンモニウムPF6、N,N−ジメチルピロリジウムPF6、N−エチル−N−メチルピロリジウムPF6、N,N−ジエチルピロリジウムPF6、スピロ−(N,N’)−ビピロリジニウムPF6、N,N−ジメチルピペリジニウムPF6、N−エチル−N−メチルピペリジニウムPF6、N,N−ジエチルピペリジニウムPF6、N,N’−ジメチルイミダゾリニウムPF6、N−エチル−N’−メチルイミダゾリニウムPF6、N,N’−ジエチルイミダゾリニウムPF6、1,2,3−トリメチルイミダゾリニウムPF6、N,N’−ジメチルテトラヒドロピリミジニウムPF6、N−エチル−N’−メチルテトラヒドロピリミジニウムPF6、N,N’−ジエチルテトラヒドロピリミジニウムPF6、1,2,3−トリメチルテトラヒドロピリミジニウムPF6、N−メチルピリジニウムPF6、N−エチルピリジニウムPF6、1,2−ジメチルピリミジニウムPF6、1,3−ジメチルピリミジニウムPF6、1,4−ジメチルピリミジニウムPF6、1−エチル−2−メチルピリミジニウムPF6、N,N’−ジメチルイミダゾリウムPF6、N−エチル−N’−メチルイミダゾリウムPF6、N,N’−ジエチルイミダゾリウムPF6、1,2,3−トリメチルイミダゾリウムPF6、テトラメチルアンモニウムビス(オキサラト)ボレート、エチルトリメチルアンモニウムビス(オキサラト)ボレート、ジエチルジメチルアンモニウムビス(オキサラト)ボレート、トリエチルメチルアンモニウムビス(オキサラト)ボレート、テトラエチルアンモニウムビス(オキサラト)ボレート、N,N−ジメチルピロリジウムビス(オキサラト)ボレート、N−エチル−N−メチルピロリジウムビス(オキサラト)ボレート、N,N−ジエチルピロリジウムビス(オキサラト)ボレート、スピロ−(N,N’)−ビピロリジニウムビス(オキサラト)ボレート、N,N−ジメチルピペリジニウムビス(オキサラト)ボレート、N−エチル−N−メチルピペリジニウムビス(オキサラト)ボレート、N,N−ジエチルピペリジニウムビス(オキサラト)ボレート、N,N’−ジメチルイミダゾリニウムビス(オキサラト)ボレート、N−エチル−N’−メチルイミダゾリニウムビス(オキサラト)ボレート、N,N’−ジエチルイミダゾリニウムビス(オキサラト)ボレート、1,2,3−トリメチルイミダゾリニウムビス(オキサラト)ボレート、N,N’−ジメチルテトラヒドロピリミジニウムビス(オキサラト)ボレート、N−エチル−N’−メチルテトラヒドロピリミジニウムビス(オキサラト)ボレート、N,N’−ジエチルテトラヒドロピリミジニウムビス(オキサラト)ボレート、1,2,3−トリメチルテトラヒドロピリミジニウムビス(オキサラト)ボレート、N−メチルピリジニウムビス(オキサラト)ボレート、N−エチルピリジニウムビス(オキサラト)ボレート、1,2−ジメチルピリミジニウムビス(オキサラト)ボレート、1,3−ジメチルピリミジニウムビス(オキサラト)ボレート、1,4−ジメチルピリミジニウムビス(オキサラト)ボレート、1−エチル−2−メチルピリミジニウムビス(オキサラト)ボレート、N,N’−ジメチルイミダゾリウムビス(オキサラト)ボレート、N−エチル−N’−メチルイミダゾリウムビス(オキサラト)ボレート、N,N’−ジエチルイミダゾリウムビス(オキサラト)ボレート、1,2,3−トリメチルイミダゾリウムビス(オキサラト)ボレート、テトラメチルアンモニウムジフルオロオキサラトボレート、エチルトリメチルアンモニウムジフルオロオキサラトボレート、ジエチルジメチルアンモニウムジフルオロオキサラトボレート、トリエチルメチルアンモニウムジフルオロオキサラトボレート、テトラエチルアンモニウムジフルオロオキサラトボレート、N,N−ジメチルピロリジウムジフルオロオキサラトボレート、N−エチル−N−メチルピロリジウムジフルオロオキサラトボレート、N,N−ジエチルピロリジウムジフルオロオキサラトボレート、スピロ−(N,N’)−ビピロリジニウムジフルオロオキサラトボレート、N,N−ジメチルピペリジニウムジフルオロオキサラトボレート、N−エチル−N−メチルピペリジニウムジフルオロオキサラトボレート、N,N−ジエチルピペリジニウムジフルオロオキサラトボレート、N,N’−ジメチルイミダゾリニウムジフルオロオキサラトボレート、N−エチル−N’−メチルイミダゾリニウムジフルオロオキサラトボレート、N,N’−ジエチルイミダゾリニウムジフルオロオキサラトボレート、1,2,3−トリメチルイミダゾリニウムジフルオロオキサラトボレート、N,N’−ジメチルテトラヒドロピリミジニウムジフルオロオキサラトボレート、N−エチル−N’−メチルテトラヒドロピリミジニウムジフルオロオキサラトボレート、N,N’−ジエチルテトラヒドロピリミジニウムジフルオロオキサラトボレート、1,2,3−トリメチルテトラヒドロピリミジニウムジフルオロオキサラトボレート、N−メチルピリジニウムジフルオロオキサラトボレート、N−エチルピリジニウムジフルオロオキサラトボレート、1,2−ジメチルピリミジニウムジフルオロオキサラトボレート、1,3−ジメチルピリミジニウムジフルオロオキサラトボレート、1,4−ジメチルピリミジニウムジフルオロオキサラトボレート、1−エチル−2−メチルピリミジニウムジフルオロオキサラトボレート、N,N’−ジメチルイミダゾリウムジフルオロオキサラトボレート、N−エチル−N’−メチルイミダゾリウムジフルオロオキサラトボレート、N,N’−ジエチルイミダゾリウムジフルオロオキサラトボレート、1,2,3−トリメチルイミダゾリウムジフルオロオキサラトボレート、等が挙げられる。
また、リチウムの塩としては、例えば、LiBF4、LiPF6、リチウムビス(オキサラト)ボレート、リチウムジフルオロオキサラトボレート、等が挙げられる。
ところで、上述したカチオン種の中でも、電解質のカチオン種としては、その溶解性・解離性から、特に、4級アンモニウム、4級ホスホニウム及びリチウムイオンからなる群より選ばれる少なくとも1種のカチオン種が好ましい。したがって、本発明の非水系電解液が有する電解質としては、4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩およびリチウム塩からなる群より選ばれる1種以上を用いることが好ましい。中でも、4級アンモニウム塩、及びリチウム塩からなる群より選ばれる1種以上を用いることが、より好ましい。特に、エチルトリメチルアンモニウムBF4、ジエチルジメチルアンモニウムBF4、トリエチルメチルアンモニウムBF4、テトラエチルアンモニウムBF4、スピロ−(N,N’)−ビピロリジニウムBF4、エチルトリメチルアンモニウムPF6、ジエチルジメチルアンモニウムPF6、トリエチルメチルアンモニウムPF6、テトラエチルアンモニウムPF6、スピロ−(N,N’)−ビピロリジニウムPF6、テトラメチルアンモニウムビス(オキサラト)ボレート、エチルトリメチルアンモニウムビス(オキサラト)ボレート、ジエチルジメチルアンモニウムビス(オキサラト)ボレート、トリエチルメチルアンモニウムビス(オキサラト)ボレート、テトラエチルアンモニウムビス(オキサラト)ボレート、スピロ−(N,N’)−ビピロリジニウムビス(オキサラト)ボレート、テトラメチルアンモニウムジフルオロオキサラトボレート、エチルトリメチルアンモニウムジフルオロオキサラトボレート、ジエチルジメチルアンモニウムジフルオロオキサラトボレート、トリエチルメチルアンモニウムジフルオロオキサラトボレート、テトラエチルアンモニウムジフルオロオキサラトボレート、スピロ−(N,N’)−ビピロリジニウムジフルオロオキサラトボレート、LiBF4、LiPF6、リチウムビス(オキサラト)ボレート、リチウムジフルオロオキサラトボレート、等は好ましい。
また、前記のカチオン種のうちでも、テトラアルキルアンモニウムがより好ましい。さらに、このテトラアルキルアンモニウムは、BF4、PF6、ビスオキサラトボレートおよびジフルオロオキサラトボレートからなる群より選ばれる少なくとも1種のアニオン種と組み合わせた塩として電解質に用いられることが特に好ましい。即ち、本発明の非水系電解液は、テトラアルキルアンモニウムの、BF4塩、PF6塩、ビスオキサラトボレート塩およびジフルオロオキサラトボレート塩からなる群より選ばれる1種以上の塩を電解質として含むことが特に好ましいのである。特に、エチルトリメチルアンモニウムBF4、ジエチルジメチルアンモニウムBF4、トリエチルメチルアンモニウムBF4、テトラエチルアンモニウムBF4、スピロ−(N,N’)−ビピロリジニウムBF4、エチルトリメチルアンモニウムPF6、ジエチルジメチルアンモニウムPF6、トリエチルメチルアンモニウムPF6、テトラエチルアンモニウムPF6、スピロ−(N,N’)−ビピロリジニウムPF6、テトラメチルアンモニウムビス(オキサラト)ボレート、エチルトリメチルアンモニウムビス(オキサラト)ボレート、ジエチルジメチルアンモニウムビス(オキサラト)ボレート、トリエチルメチルアンモニウムビス(オキサラト)ボレート、テトラエチルアンモニウムビス(オキサラト)ボレート、スピロ−(N,N’)−ビピロリジニウムビス(オキサラト)ボレート、テトラメチルアンモニウムジフルオロオキサラトボレート、エチルトリメチルアンモニウムジフルオロオキサラトボレート、ジエチルジメチルアンモニウムジフルオロオキサラトボレート、トリエチルメチルアンモニウムジフルオロオキサラトボレート、テトラエチルアンモニウムジフルオロオキサラトボレート、スピロ−(N,N’)−ビピロリジニウムジフルオロオキサラトボレート、等は好ましい。
なお、本発明の非水系電解液において、電解質は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
本発明の非水系電解液において、電解質の分子量に制限は無く、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常150以上である。また、上限に特に制限は無いが、本反応の反応性を鑑み、通常1000以下、中でも500以下が実用的で好ましい。
また、電解質の製造方法にも特に制限は無く、公知の方法を任意に選択して製造することが可能である。
本発明の非水系電解液中における電解質の濃度は本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常0.01moldm-3以上、中でも0.1moldm-3以上、特には0.5moldm-3以上、また、通常10moldm-3以下、中でも5moldm-3以下、特には3moldm-3以下が好ましい。電解質濃度が濃すぎると粘度が上昇し、析出が起こりやすくなる可能性がある。また、電解質濃度が薄すぎると、電解液抵抗が上昇し、また電気化学キャパシタの動作に十分なイオン量が不足する可能性がある。
[II−3.その他の電解液材料]
本発明の非水系電解液は、本発明の効果を著しく損なわない範囲において、上述した非水溶媒及び電解質以外の電解液材料を含有していてもよい。例えば、これらの非水溶媒及び電解質以外の電解液材料を用いて非水系電解液の調製処理を行なう場合、当該電解液材料としては従来公知のものを任意に用いることができる。なお、これらの非水溶媒及び電解質以外の電解液材料は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
[III.電極]
本発明の電気化学キャパシタは、対向配置された一対の電極を備え、この電極間に本発明の非水系電解液が保持されるようになっている。
電極は、本発明の電気化学キャパシタが電気化学キャパシタとして動作しうるものであれば、特に限定はされず任意のものを用いることができる。非水系電解液を用いる電気化学キャパシタとしては、例えば、電気二重層キャパシタ、シュードキャパシタ、及び、電気二重層キャパシタ用の電極と二次電池用の電極とを組み合わせて用いたハイブリッドキャパシタなどが挙げられるため、本発明の電気化学キャパシタにおいても、電極として、これらの電気二重層キャパシタ、シュードキャパシタ、又はハイブリッドキャパシタ等に用いられる電極を用いることができる。
例えば、本発明の電気化学キャパシタが電気二重層キャパシタである場合、電極としては、通常、分極性電極を用いる。この分極性電極としては、非水系電解液に対して不活性で、且つ適度な電気伝導性を有する電極材料を含んで構成された電極を用いることが好ましい。このような分極性電極に適した特性を有する電極材料としては、例えば炭素が挙げられる。その中でも、電荷が蓄積する電極界面が大きい点から、例えば、活性炭;カーボンナノチューブ等の活性炭素繊維;PVD法により作製した多孔質ダイヤモンド;等の多孔質炭素を用いることが好ましく、中でも、安価に高純度で均一に製造できる活性炭を用いることが工業的により好ましい。なお、電極材料は、1種のみで用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
また、電極材料として前記の多孔質炭素のように多孔質の材料を用いる場合、当該多孔質の材料の比表面積は本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、窒素吸着によるBET法で測定された比表面積が、通常500m2/g以上、中でも1000m2/g以上、また、通常2500m2/g以下、中でも2000m2/g以下であることが好ましい。これにより、電極の体積当たりの静電容量を大きくできる。
また、前記の電極材料の製造方法には制限は無い。例えば、活性炭は、木材、のこくず、ヤシ殻、パルプ廃液、石炭、石油重質油、或いはそれらを熱分解した石炭及び石油系ピッチ、石油コークス、カーボンアエロゲル、タールピッチを紡糸した繊維、合成高分子、フェノール樹脂、フラン樹脂、ポリ塩化ピニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹胎、ポリアセン、イオン交換樹脂、液晶高分子、プラスチック廃棄物、廃タイヤ等多種多様の原料を炭化した後、賦活して製造することができる。
なお、活性炭の賦活法としては、例えば、炭化した原料を、高温で、水蒸気、炭酸ガス、酸素、その他の酸化性ガス等と接触反応させるガス賦活法;炭化した原料に、塩化亜鉛、リン酸、リン酸ナトリウム、塩化カルシウム、硫化カリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、炭酸カルシウム、ホウ酸、硝酸等の薬品を均等に含浸させて、不活性ガス雰囲気中で加熱し、薬品の脱水及び酸化反応により活性炭を得る薬品賦活法;などがあるが、いずれも用いることができる。
また、活性炭は、使用に先立ち、窒素、アルゴン等の不活性雰囲気中で熱処理して、不要な表面官能基を除去したり、結晶構造を発達させて導電性を向上させたりしてもよい。なお、熱処理の際の温度条件は必要に応じて任意に設定できるが、通常500℃以上、中でも700℃以上、また、通常2500℃以下、中でも1500℃以下とすることが好ましい。
これらの分極性電極の電極材料の形状に制限は無く、例えば、破砕したもの、造粒したもの、顆粒状のもの、繊維状のもの、フェルト状のもの、繊物状のもの、シート状のもの等、各種の形状のものが利用できる。ただし、粒状のものを用いる場合には、電極の嵩密度を向上でき、また、内部抵抗が低減できることから、平均粒子径は、通常30μm以下が好ましい。
また、電極材料で電極を製造する場合、例えば、当該電極材料のみを成形して成形体としてもよく、電極材料を何らかの集電体に塗布して塗布膜としてもよい。さらに、成形時には、例えば、導電剤、結合剤(バインダ)等の、電極材料以外の成分を電極材料と混合して用いてもよい。具体例を挙げると、例えば活性炭素繊維や活性炭粒子等で電極を形成する場合には、これらの電極材料を、単独又は導電剤や結合剤等と混合してプレス成形したり、適切な結合剤と練り合わせて集電体金属上に塗布したりすることができる。
前記の導電剤は本発明の効果を著しく損なわない限り任意のものを用いることができ、例えば、アセチレンブラックやケッチェンブラック等の導電性カーボンブラック;黒鉛;導電性の炭素繊維;等の導電性炭素材料が用いられる。また、例えば、アルミニウムやニッケル等の金属;導電性の酸化チタン等の金属酸化物;なども挙げられる。なお、これらは粒子状、繊維状など、任意の状態で使用できる。中でも、好ましくはアセチレンブラック又はケッチェンブラックを用いる。なお、導電剤は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
また、前記の導電剤の使用量は本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、活性炭等の電極材料に対して、通常50重量%以下、中でも30重量%以下となるように配合するのが好ましい。導電材が多すぎると充放電容量が低下する可能性がある。
前記の結合剤は本発明の効果を著しく損なわない限り任意のものを用いることができ、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、カルボキシメチルセルロース、ポリイミド、フェノール樹脂、ピッチ等が用いられる。なお、結合剤は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
また、前記の結合剤の使用量は本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、活性炭等の電極材料に対して、通常0.5重量%以上、中でも2重量%以上、また、通常30重量%以下となるように配合するのが好ましい。結合剤が少なすぎると結着性が低下する可能性があり、多すぎると電池の容量が低下する可能性がある。
なお、電極を形成する際には、導電剤を用いる代わりに、活性炭等の電極材料に必要に応じて結合剤を配合したものをシート状等に成形し、これを不活性雰囲気中で熱処理して焼結させることにより電極を作製することもできる。また、活性炭繊維等の上にアルミニウムをプラズマ溶射したものを電極として用いることも可能である。
例えば、本発明の電気化学キャパシタがシュードキャパシタである場合、電極としては、通常、非分極性電極を用いる。このような分極性電極の材料としては、例えば、酸化ルテニウム、酸化イリジウム、酸化ニッケル、酸化鉛等の金属酸化物;ポリピロール、ポリチオフェン等の導電性高分子;などが挙げられる。なお、電極材料は、1種のみで用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
また、非分極性電極の形状、製造方法などは、上述した分極性電極と同様である。また、非分極性電極においても、分極性電極と同様に、導電剤、結合剤等の電極材料以外の成分を用いてもよい。
例えば、本発明の電気化学キャパシタがハイブリッドキャパシタである場合、一対の電極のうち、一方は上述した分極性電極又は非分極性電極(以下適宜、上述した分極性電極及び非分極性電極を区別せずに指す場合「キャパシタ電極」という)を用い、他方には、二次電池で用いられている電極(以下適宜、「二次電池電極」という)を用いる。また、ハイブリッドキャパシタにおいてはこのようにキャパシタ電極と二次電池電極とを組み合わせて用いることになるが、二次電池電極を正極または負極のいずれに用いてもよい。
二次電池電極には特に制限は無く、二次電池に用いられる任意の電極を用いることができる。中でも、同じ非水系電解液を用いることが可能な事から、リチウム二次電池用に使用されている二次電池電極(以下適宜、「リチウム二次電池電極」という)を用いる事が好ましい。したがって、本発明の電気化学キャパシタにおいて、キャパシタ電極を正極として用いる場合にはリチウム二次電池において負極として用いられている二次電池電極(以下適宜、「リチウム二次電池負極」という)を用いることが好ましく、逆に、キャパシタ電極を負極として用いる場合にはリチウム二次電池において正極として用いられている二次電池電極(以下適宜、「リチウム二次電池正極」という)を用いることが好ましい。
リチウム二次電池負極の負極活物質としては、電気化学的にリチウムイオンを吸蔵・放出可能なものであれば、特に制限はない。なお、この負極活物質は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
負極活物質の例としては、金属リチウム、炭素質材料、合金系材料、リチウム含有金属複合酸化物材料等が挙げられる。
このうち、リチウム二次電池負極の負極活物質として用いられる炭素質材料としては、例えば、天然黒鉛、人造炭素質物質及び/又は人造黒鉛質物質を400℃から3200℃の範囲で一回以上熱処理した炭素質材料;並びに、負極活物質層が少なくとも2種類以上の異なる結晶性及び/又は配向性を有する炭素質から成り立ちかつ/又はその異なる結晶性及び/又は配向性の炭素質が接する界面を有している炭素質材料;からなる群より選ばれるものが、初期不可逆容量、高電流密度充放電特性のバランスが良く好ましい。
上記の人造炭素質物質及び人造黒鉛質物質の具体例としては、天然黒鉛;石炭系コークス、石油系コークス等のコークス;石炭系ピッチ、石油系ピッチ等のピッチ;これらピッチを酸化処理したもの;ニードルコークス、ピッチコークス及びこれらコークスを一部黒鉛化した炭素材;ファーネスブラック、アセチレンブラック、ピッチ系炭素繊維等の有機物の熱分解物;炭化可能な有機物;これら炭化可能な有機物の炭化物;炭化可能な有機物をベンゼン、トルエン、キシレン、キノリン、n−へキサン等の低分子有機溶媒に溶解させた溶液;これら溶液の炭化物;等が挙げられる。なお、炭素質材料は、一種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
リチウム二次電池負極の負極活物質として用いられる合金系材料としては、リチウム合金を形成する単体金属及び合金、またはそれらの酸化物・炭化物・窒化物・珪化物・硫化物・燐化物等の化合物のいずれであっても特に限定はされない。その例を挙げると、酸化錫、酸化ケイ素等の金属酸化物;金属複合酸化物;リチウム単体;リチウムアルミニウム合金等のリチウム合金;Sn、Si等のリチウムと合金形成可能な金属;それらリチウムと合金形成可能な金属の化合物;などが挙げられる。なお、合金系材料は、1種のみを用いてもよく、また2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
合金系材料の中でも、リチウム合金を形成する単体金属及び合金が好ましく、その中でも、13族又は14族の金属・半金属元素(即ち炭素を除く)を含む材料であることがより好ましく、さらにはアルミニウム、珪素、及び錫(これらを以下「特定金属元素」という場合がある。)の単体金属、及び、これらの特定金属元素から選ばれる少なくとも1種の原子を含む合金・化合物が特に好ましい。
特定金属元素から選ばれる少なくとも1種の原子を有する負極活物質の例としては、何れか1種の特定金属元素の金属単体、2種以上の特定金属元素からなる合金、1種又は2種以上の特定金属元素とその他の1種又は2種以上の金属元素とからなる合金、並びに、1種又は2種以上の特定金属元素を含有する化合物、及びその化合物の酸化物・炭化物・窒化物・珪化物・硫化物・燐化物等の複合化合物が挙げられる。負極活物質としてこれらの金属単体、合金又は金属化合物を用いることで、電池の高容量化が可能である。
また、前記の複合化合物が、金属単体、合金、又は非金属元素等の数種の元素と複雑に結合した化合物も、負極活物質の例として挙げることができる。より具体的には、例えば珪素や錫では、これらの元素と負極として動作しない金属との合金を用いることができる。また、例えば錫では、錫と珪素以外で負極として作用する金属と、さらに負極として動作しない金属と、非金属元素との組み合わせで5〜6種の元素を含むような複雑な化合物も用いることができる。
これらのリチウム二次電池負極の負極活物質の中でも、ハイブリッドキャパシタを構成した場合に負極が示す電池的挙動において単位重量当りの容量が大きくなることから、何れか一種の特定金属元素の金属単体;二種以上の特定金属元素の合金;特定金属元素の酸化物、炭化物、窒化物等が好ましく、特に、珪素及び/又は錫の金属単体、合金、酸化物、炭化物、窒化物等が、単位重量当りの容量及び環境負荷の観点から好ましい。
また、金属単体又は合金を用いるよりは単位重量当りの容量には劣るものの、サイクル特性に優れることから、珪素及び/又は錫と、酸素、窒素又は炭素から選ばれる1種の元素との元素比が、通常0.5、好ましくは0.7以上、より好ましくは0.9以上、また、通常1.5以下、好ましくは1.3以下、より好ましくは1.1以下の、珪素及び/又は錫と酸素、窒素又は炭素から選ばれる1種の元素との化合物も、リチウム二次電池負極の負極活物質として好ましい。
リチウム二次電池負極の負極活物質として用いられるリチウム含有金属複合酸化物材料としては、構成成分としてチタン及びリチウムを含有していることが、高電流密度充放電特性の観点で好ましい。そのリチウム含有金属複合酸化物材料の組成の例を挙げると、Li4/3Ti5/34、Li1Ti24、Li4/5Ti11/54、Li4/3Ti4/3Al1/34等が好ましいものとして挙げられる。なお、リチウム含有金属複合酸化物材料は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
一方、リチウム二次電池正極の正極活物質としては、電気化学的にリチウムイオンを吸蔵・放出可能なものであれば特に制限はない。なお、この正極活物質は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
正極活物質の例としては、リチウムと少なくとも1種の遷移金属とを含有する物質が好ましい。具体例としては、リチウム遷移金属複合酸化物、リチウム含有遷移金属リン酸化合物が挙げられる。
リチウム遷移金属複合酸化物の遷移金属としては、例えば、V、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu等が好ましい。これらの遷移金属を含むリチウム遷移金属複合酸化物の具体例としては、LiCoO2等のリチウム・コバルト複合酸化物;LiNiO2等のリチウム・ニッケル複合酸化物;LiMnO2、LiMn24、Li2MnO4等のリチウム・マンガン複合酸化物;これらのリチウム遷移金属複合酸化物の主体となる遷移金属原子の一部をAl、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Li、Ni、Cu、Zn、Mg、Ga、Zr、Si等の他の金属で置換したもの;などが挙げられる。なお、主体となる遷移金属原子の一部が他の金属で置換されたリチウム遷移金属複合酸化物の具体例としては、LiNi0.5Mn0.52、LiNi0.85Co0.10Al0.052、LiNi0.33Co0.33Mn0.332、LiMn1.8Al0.24、LiMn1.5Ni0.54等が挙げられる。なお、リチウム遷移金属複合酸化物は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
リチウム含有遷移金属リン酸化合物の遷移金属としては、例えば、V、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu等が好ましい。これらの遷移金属を含むリチウム含有遷移金属リン酸化合物の具体例としては、LiFePO4、Li3Fe2(PO43、LiFeP27等のリン酸鉄類;LiCoPO4等のリン酸コバルト類;これらのリチウム遷移金属リン酸化合物の主体となる遷移金属原子の一部をAl、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Li、Ni、Cu、Zn、Mg、Ga、Zr、Nb、Si等の他の金属で置換したもの;などが挙げられる。なお、リチウム含有遷移金属リン酸化合物は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
正極活物質の製造法としては、本発明の要旨を超えない範囲で特には制限されないが、無機化合物の製造法として一般的な方法が用いられる。
二次電池電極は、正極及び負極のいずれにおいても、公知の方法を任意に採用して製造することができる。二次電池電極の製造方法としては、例えば、上述の正・負極活物質に結合剤や導電剤等を加えたものをそのままロール成型してシート電極とする方法や、圧縮成形してペレット電極とする方法も挙げられるが、通常は集電体上に塗布法、蒸着法、スパッタ法、メッキ法等の手法により、上述の活物質を含有する薄膜層(活物質層)を形成する方法が用いられる。この場合、上述の活物質に結合剤、増粘剤、導電剤、溶媒等を加えてスラリー状とし、これを集電体に塗布、乾燥した後にプレスして高密度化することにより、集電体上に活物質層を形成する。
集電体の材質は、正極及び負極ともに制限は無く、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。その例を挙げると、鋼、銅、銅合金、ニッケル、ニッケル合金、ステンレス等が挙げられる。これらのうち、薄膜に加工し易いという点、及び、それぞれの電極の集電体として用いた時の電気化学的な安定性及びコストの点から、負極では銅箔が、正極ではアルミ箔が好ましい。
活物質層を形成するためのスラリーは、通常は、活物質に対して、例えば導電剤、結合剤、増粘剤等を加えて作製される。
導電剤としては、例えば、黒鉛、カーボンブラック等の炭素材料;負極では銅やニッケル等の金属材料などが挙げられる。なお、前記の導電剤は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。特に、導電剤として炭素材料を用いると、負極においては炭素材料が活物質としても作用するため好ましい。
結合剤としては、電極製造時に使用する溶媒や電解液に対して安全な材料であれば、任意のものを使用することができる。結合材の例を挙げると、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、スチレン・ブタジエンゴム・イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体等が挙げられる。なお、前記の結合剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
増粘剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、酸化スターチ、リン酸化スターチ、カゼイン等が挙げられる。なお、増粘剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
さらに、スラリーを作製する際には、必要に応じて水系溶媒又は有機溶媒を分散媒として用い、上記活物質に、必要に応じて導電剤、結合剤、増粘剤等を混合し、それと分散媒とを混合して作製する。水系溶媒としては、通常は水が用いられるが、例えば、エタノール等のアルコール類;N−メチルピロリドン等の環状アミド類;などの水以外の溶媒を、水に対して30重量%以下程度の割合で併用することもできる。一方、有機溶媒としては、例えば、N−メチルピロリドン等の環状アミド類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等の直鎖状アミド類;アニソール、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ブタノール、シクロヘキサノール等のアルコール類;などが挙げられる。この中でも、N−メチルピロリドン等の環状アミド類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等の直鎖状アミド類;が好ましい。なお、分散媒は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
前記のスラリーの粘度は、集電体上に塗布することが可能な粘度であれば、特に制限されない。塗布が可能な粘度となるように、スラリーの調製時に溶媒の使用量等を変えて、適宜調製すればよい。
前記のスラリーを上述の集電体上に塗布し、乾燥した後、プレスすることにより、活物質層が形成される。塗布の手法は特に制限されず、それ自体既知の方法を用いることができる。乾燥の手法も特に制限されず、自然乾燥、加熱乾燥、減圧乾燥等の公知の手法を用いることができる。
なお、リチウム二次電池電極を用いたハイブリッドキャパシタの場合、非水系電解液中には少なくとも1種以上のリチウム塩を電解質として含んでいることが好ましい。リチウム塩の濃度は、当該ハイブリッドキャパシタが動作可能であれば特に限定はされないが、通常0.01moldm-3以上、中でも0.1moldm-3以上、特には0.5moldm-3以上、また、通常10moldm-3以下、中でも5moldm-3以下、特には3moldm-3以下が好ましい。電解質濃度が濃すぎると粘度が上昇し、析出が起こりやすくなる可能性がある。また、電解質濃度が薄すぎると、電解液抵抗が上昇し、また電気化学キャパシタの動作に十分なイオン量が不足する可能性がある。
ところで、前記の非水系電解液は上述した電極間に保持されるのであるが、当該電極の一方又は両方が非水系電解液を含浸しうる構造を有している場合には、非水系電解液は前記の一方又は両方の電極の一部又は全体に含浸された状態で保持されることが必要である。したがって、電極として例えば活性炭等の多孔質の材料を用いた場合には、当該電極の一部又は全体に非水系電解液を含浸させるようにする。
さらに、本発明の電気化学キャパシタがセパレータを備えている場合には、当該セパレータ及び一対の電極から電極素子が構成される。この際、電極及びセパレータが例えば多孔質の材料等で形成されることにより非水系電解液を含浸しうる場合には、当該電極及びセパレータに非水系電解液を含浸させること、即ち、電極素子に非水系電解液を含浸させることが好ましい。
また、電極の寸法に制限は無く、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。ただし、通常は、電極は後述するセパレータを介して対向して設けられるため、電極間の距離は、通常は後述するセパレータの厚みと等しくなる。
[IV.セパレータ]
電極間には、短絡を防止するため、通常はセパレータを介在させる。セパレータの材料や形状については特に制限は無く、本発明の効果を著しく損なわない限り、公知のものを任意に採用することができる。ただし、通常は、セパレータは非水系電解液を含浸できる構造に形成される。この場合、本発明の非水系電解液は、セパレータに含浸させることにより、電極間に保持されることになる。
セパレータを形成する材料としては、本発明の非水系電解液に対し安定な材料が好ましい。この観点から、セパレータの材料として好適なものの例としては、樹脂、ガラス繊維、無機物等が挙げられる。具体例を挙げると、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルスルホンなどの樹脂;ガラスフィルター等のガラス繊維;アルミナ、二酸化珪素等の酸化物類、窒化アルミ、窒化珪素等の窒化物類、硫酸バリウム、硫酸カルシウム等の硫酸塩類などの無機材料;などを用いることができる。中でも好ましくはガラスフィルター、ポリオレフィンであり、更に好ましくはポリオレフィンである。なお、セパレータの材料は、1種のみ用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
セパレータの形状として好適なものの例としては、保液性に優れた多孔性シート、不織布、織布、微多孔性フィルム等の薄膜形状のものが挙げられる。また、例えば、前記の独立した薄膜形状以外に、樹脂製の結合剤を用いて前記無機物の粒子を含有する複合多孔層を電極の表層に形成させてなるセパレータを用いることができる。その具体例を挙げると、正極の両面に90%粒径が1μm未満のアルミナ粒子を、フッ素樹脂を結合剤として多孔層を形成させることが挙げられる。さらに、例えば無機材料を粒子形状もしくは繊維形状に成形したセパレータを用いることも可能である。
セパレータの厚さに特に制限は無く、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。ただし、当該厚さは、通常1μm以上、中でも5μm以上、特には10μm以上、また、通常50μm以下、中でも40μm以下、特には30μm以下が好ましい。セパレータが、上記範囲より薄過ぎると、絶縁性や機械的強度が低下する場合がある。また、上記範囲より厚過ぎると、大電流での充放電特性等の性能が低下する場合があるばかりでなく、電気化学キャパシタ全体としてのエネルギー密度が低下する場合がある。
セパレータは、上記のように、通常は非水系電解液を含浸できる構造を有するものが用いられる。そのような例を挙げると、多孔性シート、不織布等の多孔質のセパレータが挙げられる。この際、当該多孔質のセパレータの空孔率は本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常20%以上、中でも35%以上、特には45%以上、また、通常90%以下、中でも85%以下、特には75%以下が好ましい。空孔率が、上記範囲より小さ過ぎると、膜抵抗が大きくなって大電流での充放電特性が悪化する傾向がある。また、上記範囲より大き過ぎると、セパレータの機械的強度が低下し、絶縁性が低下する傾向にある。
なお、前記の空孔率とは、以下の計算式によって算出される値である。
空孔率Pv(%) = 100×(1−w/〔ρ・S・t〕)
S:多孔質のセパレータの面積
t:多孔質のセパレータの厚み
w:多孔質のセパレータの重さ
ρ:多孔質のセパレータの真比重
なお、多孔質のセパレータを構成する成分i(樹脂や充填剤など)のブレンド重量をWi、比重をρiとすると、ρは以下の式で求められる。式中、Σは全ての成分の和を表わす。
多孔質膜の真比重ρ = ΣWi/Σ(Wi/ρi)
さらに、セパレータが多孔質である場合、その平均孔径は本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常0.01μm以上、中でも通常0.05μm以上、また、通常1μm以下、中でも0.5μm以下、特には0.2μm以下が好ましい。平均孔径が上記範囲を上回ると、短絡が生じ易くなる可能性がある。また、上記範囲を下回ると、膜抵抗が大きくなり大電流での充放電特性が低下する場合がある。なお、前記の平均孔径は、ASTM F316−86により測定できる。
[V.その他の構成部材]
本発明の電気化学キャパシタは、本発明の効果を著しく損なわない限り、非水系電解液、電極及びセパレータ以外の部材を備えていてもよい。
例えば、本発明の電気化学キャパシタは、外装体(ケース)を備えていてもよい。この場合、非水系電解液、電極及びセパレータ等の構成要素は外装体内に収納(通常は密封)される。この外装体に制限は無く、本発明の効果を著しく損なわない限り公知のものを任意に採用することができる。
外装体の形状に制限は無く、例えばコイン型、円筒型、角型、アルミラミネート型等のいずれの形状でもよいが、これら形状に限定されるものではない。
また、外装体の材料も本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、例えばニッケルメッキを施した鉄、ステンレス、アルミニウム又はその合金、ニッケル、チタン等が用いられる。
外装体を用いる場合、その内部の電極及びセパレータ等の素子としては、例えばコイン型では、通常、一対の電極をセパレータを介して対向させたものを用いる。また、例えばコイン型以外の外装ケースを用いる場合は、通常、セパレータを介して電極を積層した積層構造のもの、並びに、電極を一対、セパレータを介して渦巻き状に捲回した構造のものなどを用いる。ただし、本発明の電気化学キャパシタの構造はここで例示したものに限定されない。
[VI.構成要素の好ましい組み合わせ]
本発明の電気化学キャパシタは、非水系電解液及び電極、並びに、必要に応じて用いられるセパレータ及び外装体などの構成要素を任意に組み合わせて構成することが可能である。これらの組み合わせの中でも、本発明の電気化学キャパシタとしては、電極にいずれかの活性炭を活物質として用いた電気二重層キャパシタが好ましく、さらに、当該電極に対して、電解質として前述の4級アンモニウム塩を一種以上溶解した非水系電解液を組み合わせて用いることが好ましい。これにより、充放電容量が高くなる利点が得られる。
[VII.本発明の電気化学キャパシタの利点]
本発明によれば、電気化学キャパシタの耐電圧特性を向上させることが可能である。即ち、従来の電気化学キャパシタでは大きな電圧を印加されると電解液が分解していたが、本発明の電気化学キャパシタにおいては従来よりも高い電圧を印加されても電解液の分解が抑制される。このため、本発明の電気化学キャパシタでは、大電流放電時にも高いエネルギー密度を有することが可能となる。
本発明により前記のような高い耐電圧特性を獲得できた理由は定かではないが、電気化学キャパシタは電池とはその動作原理が異なるため、電池とは異なるメカニズムによって前記の利点が獲得できたものであると考えられる。推察ではあるが、本発明の発明者の検討によれば、含フッ素ニトリル化合物が高電圧下でも分解し難いという性質が、キャパシタの耐電圧特性を向上させているものとも考えられる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、任意に変形して実施することができる。
[実施例1]
テトラエチルアンモニウムBF4塩を、含フッ素ニトリル化合物であるフルオロアセトニトリルに1moldm-3の濃度になるように溶解させ、電解液を調製した。
[比較例1]
フルオロアセトニトリルに代えて、アセトニトリルを用いた以外は実施例1と同様にして電解液を調製した。
[評価]
実施例1及び比較例1それぞれで調製した電解液について、以下の要領で、酸化分解電位及び電気二重層キャパシタの使用可能な最高電圧を測定した。
[測定1.白金電極を用いた酸化分解電位の測定]
Ar雰囲気化、目の粗さがG3のグラスフィルターによって二室が区切られた上方開放型のパイレックス(登録商標)ガラス製H字型セルに電解液を入れた。作用極として直径1.6mmの白金電極(BAS社製)、参照極としてAg/Ag+電極(BAS社製参照電極作製キット)を用い、内液に(0.1mol・dm-3:AgCl4、0.9mol・dm-3:テトラエチルアンモニウムClO4となるように電解液として使用した溶媒に溶解した溶液)を一室に入れ、もう一方の室の対極として白金線を用いた対極(BAS社製)をいれ、自然電位から掃引速度5mVs-1の速度で貴な電位に掃引した。本測定により、溶媒の分解電流が20mAcm-2になった時点の電位を酸化分解電位と定義した。
[測定2.電気二重層キャパシタの使用可能な最高電圧の測定]
ヤシガラ系の粉末活性炭(比表面積:1,700m2/g、平均粒径:10μm、水蒸気賦活品):80重量部、アセチレンブラック:10重量部、及びポリテトラフルオロエチレン:10重量部の混合物を水で混練した後、50kgf/cm2の圧力で加圧成型して、厚さ:0.5mmの板状体とし、これから直径:13mmφの円盤を打抜いた。この円盤を0.1torr以下の真空中、300℃で3時間保持した後、窒素雰囲気下で放冷し、分極性電極とした。
上記で作製した2枚の分極性電極に前記の各非水系電解液をそれぞれ含浸させた。この2枚の電極を、間にポリエチレン製のセパレータを挟んで、ステンレススチール製のケースに収容し、該ケースをポリプロピレン製のガスケットを介してかしめて、コイン型電気二重層キヤパシタセルを作製した。
このセルを用い、電流値1mAcm-2となる値で2.0Vから0.1Vづつ電圧を上げながら、定電流−定電圧充電(CCCV充電)を行ない、正常に充電ができた最高電圧を求めた。
[結果]
上述した測定1及び測定2の結果は、表.1のとおりであった。
Figure 2008130690
表.1の結果から、本発明の電気化学キャパシタ用非水系電解液は電気化学的な耐酸化電位が向上し、その結果として、当該電解液を用いた実際の電気二重層キャパシタの耐電圧が向上していることがわかる。
本発明は電気化学キャパシタを用いる産業上の任意の分野で用いることが可能であり、例えば電気回路等で用いることが可能であるほか、民生用電気機器、携帯機器、電気自動車、ハイブリッド車等の電源として用いることも可能である。

Claims (6)

  1. 対向配置された一対の電極を備え、該電極間に非水系電解液が保持された電気化学キャパシタにおいて、
    該非水系電解液が、1種以上の含フッ素ニトリル化合物を含有する
    ことを特徴とする、電気化学キャパシタ。
  2. 該非水系電解液が、4級アンモニウム塩、およびリチウム塩からなる群より選ばれる1種以上を含む
    ことを特徴とする、請求項1に記載の電気化学キャパシタ。
  3. 該非水系電解液が、テトラアルキルアンモニウムの、BF4塩、PF6塩、ビスオキサラトボレート塩およびジフルオロオキサラトボレート塩からなる群より選ばれる1種以上の塩を含む
    ことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の電気化学キャパシタ。
  4. 該含フッ素ニトリル化合物がフルオロアセトニトリルである
    ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気化学キャパシタ。
  5. 前記電極が活性炭を含んで構成された分極性電極である
    ことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電気化学キャパシタ。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の電気化学キャパシタに用いられる
    ことを特徴とする、電気化学キャパシタ用非水系電解液。
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