JP5759227B2 - 電気化学キャパシタ - Google Patents

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Description

本発明は、電気化学キャパシタ、詳しくは、電気二重層による蓄電と、酸化還元反応による蓄電とを併有するハイブリッドキャパシタに関する。
従来、ハイブリッド車両や燃料電池車両に搭載される蓄電デバイスとして、高出力かつ長寿命である、電気化学キャパシタが知られている。
電気化学キャパシタは、正極および負極へそれぞれアニオンおよびカチオンが吸着することによってエネルギーを蓄える。蓄えられるエネルギーはCV/2で表され、電圧を高めることによって、より大きなエネルギーを蓄えることができる。
これら電気化学キャパシタでは、高い電圧で充放電を繰り返した場合に、高温環境にて電解液が徐々に電気分解されて炭酸ガスを発生する場合がある。
そこで、電解液の分解原因となる、正電極内部で発生するわずかな酸を、制酸剤により中和し、ガス分解を効果的に抑制することにより、電気化学キャパシタの耐久性を向上させることが知られている。
このような電気化学キャパシタとしては、例えば、活性炭分極性電極と、非水系電解液とを備えた電気二重層キャパシタであって、キャパシタ中にマグネシウムの酸化物、複合酸化物、または水酸化物からなる制酸剤を含有させた電気二重層キャパシタが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この電気二重層キャパシタでは、正極中に制酸剤を含有させている。
ところで、近年、電気化学キャパシタのエネルギー密度を向上させるべく、負極の材料としてリチウムイオンを可逆的に吸蔵・放出可能な材料が用いられたハイブリッドキャパシタが提案されている。ハイブリッドキャパシタは、電気化学による蓄電に加え、酸化還元反応によってもエネルギーを蓄える。
このハイブリッドキャパシタにおいて、正極電位を高くしすぎると、正極塗布層内部もしくは正極塗布層近傍で、電解質に含まれるアニオン(例えば、LiPFに含まれるPF など)から、負極の電気容量(蓄電容量)を低下させる負極活性阻害物質(例えば、HFなど)が生成する。
特開2007−73810号公報
このような負極活性阻害物質の生成量は、充放電を繰り返すことによって減少する。しかし、長期間使用すると、正極塗布層内部で生成した負極活性阻害物質が集電体近傍で滞留して、集電体を腐食する。その結果、電気化学キャパシタの内部抵抗が増加し、それに伴ってエネルギー密度が低下してしまうという不具合がある。
そこで、特許文献1に開示されるように、制酸剤を、正極内部に含有させることが検討される。
しかし、制酸剤は、導電性が低いため、正極内部に含有させると、正極の内部抵抗が上昇してしまうという不具合がある。
そこで、本発明は、内部抵抗の上昇を抑制しながら、耐久性を向上させることができる、電気化学キャパシタを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の電気化学キャパシタは、正極と、リチウムイオンを可逆的に吸蔵・放出可能な材料からなる負極と、リチウムイオンを含む非水電解質とを備え、前記正極は、集電体と、集電体に積層された電極塗布層を備え、電極塗布層では、その厚み方向において集電体側に金属酸化物が偏在していることを特徴としている。
また、本発明の電気化学キャパシタでは、前記金属酸化物の比表面積が、100m/g以下であることが好適である。
本発明の電気化学キャパシタでは、金属酸化物を集電体近傍に偏在させることにより、集電体の腐食を有効に防止しつつ、内部抵抗の上昇を抑制して、耐久性を向上させることができる。
本発明の電気化学キャパシタの一実施形態を示すハイブリッドキャパシタの概略構成図である。 実施例および比較例の充放電サイクルにおけるエネルギー密度の維持率の変化を示す図である。
図1は、本発明の電気化学キャパシタの一実施形態を示すハイブリッドキャパシタの概略構成図である。
図1において、ハイブリッドキャパシタ1は、正極2と、正極2に対して間隔を隔てて対向配置される負極3と、正極2と負極3との間に介在されるセパレータ4と、正極2、負極3およびセパレータ4を収容するセル槽6と、セル槽6に貯留され、正極2、負極3およびセパレータ4が浸漬される非水電解質5とを備えている。なお、ハイブリッドキャパシタ1は、ラボスケールで採用される電池セルであって、工業的には、このハイブリッドキャパシタ1を、公知の技術によって適宜スケールアップしたものが採用される。
正極2は、集電体2Aと、集電体2Aに積層される電極塗布層2Bとを備えている。
また、正極2の大きさは、ハイブリッドキャパシタ1のスケールにより異なるが、例えば、ラボスケールでは、例えば、矩形状の場合には、長手方向長さが、例えば、10〜200mm、好ましくは、10〜100mm、長手方向と直交する方向(幅方向)長さが、例えば、10〜200mm、好ましくは、10〜100mmであり、また、円形状の場合には、直径が、例えば、5〜15mmである。
集電体2Aは、例えば、矩形平板形状に形成されている。
集電体2Aは、例えば、アルミニウム箔、銅箔、ステンレス箔、ニッケル箔などの金属箔などから形成されている。好ましくは、アルミニウム箔から形成されている。
集電体2Aの厚みは、例えば、10〜50μm、好ましくは、10〜20μmである。
電極塗布層2Bは、集電体2Aに積層される第一電極塗布層2aと、第一電極塗布層2aに積層される第二電極塗布層2bとを備えている。
第一電極塗布層2aは、第一分散液を集電体2Aに塗布し、乾燥することにより、集電体2Aの上に形成されている。
第一分散液は、金属酸化物と、電極形成用組成物と、溶媒とを含有する。
金属酸化物としては、例えば、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化鉄などが挙げられ、好ましくは、酸化マグネシウムが挙げられる。
酸化マグネシウムは、例えば、市販品(タテホ化学工業社製 #H−10:比表面積46.7m/g)を用いることもできる。
金属酸化物は、粉状であり、その平均二次粒子径が0.1〜10μmであり、好ましくは、0.2〜5μmである。また、金属酸化物の比表面積は、200m/g以下、好ましくは、100m/g以下、さらに好ましくは、50m/g以下である。
金属酸化物の比表面積は、例えば、BET法により測定される。
金属酸化物の比表面積が、100m/g以下であると、金属酸化物の負極活性阻害物質(後述)に対する活性が相対的に低く、金属酸化物が負極活性阻害物質を捕捉することによって消費されにくくなる。そのため、金属酸化物が長期にわたって集電体の近傍に存在することができる。その結果、正極2の耐久性の向上を図ることができる。
金属酸化物の配合割合は、第一分散液の固形分(金属酸化物と電極形成用組成物との総質量)100質量部に対して、1〜50質量部、好ましくは10〜30質量部である。
電極形成用組成物は、電極材料(正極材料)、結合剤、および必要に応じて導電剤を含有する。
電極材料としては、例えば、活性炭が挙げられる。
活性炭は、例えば、活性炭原料を賦活処理することにより得られる。
活性炭原料としては、特に制限されないが、例えば、石油系ピッチ、石炭系ピッチ、メソフェーズ系ピッチなどのピッチ系原料、ピッチ系材料を熱処理することにより得られるコークス系原料、やしがら、木粉などの植物系原料、フェノール系樹脂、塩化ビニル系樹脂、レゾルシノール系樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリブチラール、ポリアセタール、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセテートなどの合成樹脂系原料およびこれらの炭化物が挙げられる。
これら活性炭原料は、単独で使用してもよく、あるいは、併用することもできる。
また、これら活性炭原料のなかでは、好ましくは、ピッチ系原料、コークス系原料、合成樹脂系原料(とりわけ、塩化ビニル系、ポリアクリロニトリルなどのソフトカーボン(易黒鉛化炭素))が挙げられる。
賦活処理としては、特に制限されないが、例えば、水酸化カリウム(KOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化リチウム(LiOH)、水酸化セシウム(CsOH)、水酸化ルビジウム(RbOH)などを賦活剤として用いるアルカリ賦活処理、例えば、塩化亜鉛(ZnCl)、リン酸(HPO)などを賦活剤として用いる薬品賦活処理、例えば、二酸化炭素(CO)、空気などを賦活剤として用いるガス賦活処理、例えば、水蒸気(HO)を賦活剤として用いる水蒸気賦活処理などが挙げられる。
これら賦活処理のなかでは、好ましくは、アルカリ賦活処理が挙げられ、さらに好ましくは、水酸化カリウム(KOH)を賦活剤として用いるアルカリ賦活処理(KOH賦活処理)が挙げられる。
賦活処理は、例えば、KOH賦活処理の場合、窒素雰囲気下において、活性炭原料を、例えば、500〜1000℃で予備焼成し、次いで、700〜1000℃でKOHとともに焼成する。用いられるKOHの量は、例えば、活性炭原料1質量部に対して、0.5〜5質量部である。
上記賦活処理によって得られる活性炭を正極2に用いたハイブリッドキャパシタ1では、例えば、正極2の電位が4.2V vs.Li/Li以上となる充放電サイクルにおいて、正極2に比較的大きな不可逆容量を発現させることができる。そのため、放電過程において、より低い電位にまで正極2の放電が可能となる。その結果、正極2の電気容量を拡大することができる。
電極材料の配合割合は、電極形成用組成物100質量部に対して、例えば、60〜99質量部、好ましくは、70〜90質量部であり、第一分散液の固形分100質量部に対して、例えば、50〜98質量部、好ましくは、60〜90質量部である。
結合剤としては、特に制限されないが、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フルオロオレフィン共重合体架橋ポリマー、フルオロオレフィンビニルエーテル共重合体架橋ポリマー、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸などが挙げられる。
これら結合剤は、単独で使用してもよく、あるいは、併用することもできる。
また、これら結合剤のなかでは、好ましくは、PVdFが挙げられる。
結合剤の配合割合は、電極形成用組成物100質量部に対して、例えば、1〜20質量部、好ましくは、5〜15質量部であり、第一分散液の固形分100質量部に対して、例えば、0.5〜20質量部、好ましくは、2.5〜15質量部である。
導電剤としては、特に制限されないが、例えば、カーボンブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラックなどが挙げられる。
これら導電剤は、単独で使用してもよく、あるいは、併用することもできる。
また、これら導電剤のなかでは、好ましくは、カーボンブラックが挙げられる。
導電剤の配合割合は、電極形成用組成物100質量部に対して、例えば、0〜20質量部、好ましくは、0〜10質量部であり、第一分散液の固形分100質量部に対して、例えば、導電剤が0〜20質量部、好ましくは、0〜10質量部である。つまり、導電剤は、配合しても配合しなくてもよい。
溶媒としては、特に制限されないが、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)、トルエン、キシレン、イソホロン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、フタル酸ジメチル、エタノール、メタノール、ブタノール、水などが挙げられる。
これら溶媒は、単独で使用してもよく、あるいは、併用することもできる。
また、これら溶媒のなかでは、好ましくは、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)が挙げられる。
第一分散液を調製するには、まず、金属酸化物と、電極形成用組成物(電極材料、結合剤、および、必要により導電剤)とを、溶媒に配合して混合する。
具体的には、金属酸化物と、電極形成用組成物(電極材料、結合剤、および、必要により導電剤)とに、第一分散液の固形分濃度が、例えば、10〜40質量%、好ましくは20〜30質量%となるように、溶媒を配合し、室温(25〜30℃)で2〜24時間、好ましくは10〜15時間、撹拌し、分散させる。これによって、第一分散液が調製される。
そして、第一分散液を集電体2Aに塗布するには、例えば、アプリケーターなどを用いる公知の方法が用いられる。
乾燥は、例えば、真空下において、例えば、70〜120℃、好ましくは、70〜100℃で、9〜15時間、好ましくは10〜13時間実施する。
これにより、集電体2Aの表面に第一電極塗布層2aが形成される。
第一電極塗布層2aの厚みは、例えば、1〜100μm、好ましくは、5〜50μmである。
第二電極塗布層2bは、第二分散液を第一電極塗布層2aに塗布し、乾燥することにより、第一電極塗布層2aの上に形成されている。
第二分散液は、電極形成用組成物と、溶媒とを含有する。
電極形成用組成物は、電極材料、結合剤、および必要に応じて導電剤を含有する。
電極材料としては、特に制限されないが、例えば、上記した電極材料が挙げられる。好ましくは、第一分散液で用いられる電極材料と同一の電極材料が用いられる。
電極材料の配合割合は、電極形成用組成物100質量部、すなわち、第二分散液の固形分100質量部に対して、例えば、60〜99質量部、好ましくは、70〜90質量部である。
結合剤としては、特に制限されないが、例えば、上記した結合剤が挙げられる。好ましくは、第一分散液で用いられる結合剤と同一の結合剤が用いられる。
結合剤の配合割合は、電極形成用組成物100質量部、すなわち、第二分散液の固形分100質量部に対して、例えば、1〜25質量部、好ましくは、10〜20質量部である。
導電剤としては、特に制限されないが、例えば、上記した導電剤が挙げられる。好ましくは、第一分散液で用いられる導電剤と同一の導電剤が用いられる。
導電剤の配合割合は、電極形成用組成物100質量部、すなわち、第二分散液の固形分100質量部に対して、例えば、0〜20質量部、好ましくは、0〜10質量部である。つまり、導電剤は、配合しても配合しなくてもよい。
溶媒としては、特に制限されないが、例えば、上記した溶媒が挙げられる。好ましくは、第一分散液で用いられる溶媒と同一の溶媒が用いられる。
第二分散液を調製するには、まず、電極形成用組成物(電極材料、結合剤、および、必要により導電剤)を、溶媒に配合して混合する。
具体的には、電極形成用組成物(電極材料、結合剤、および、必要により導電剤)に、第二分散液の固形分濃度が、例えば、10〜40質量%、好ましくは20〜30質量%となるように、溶媒を配合し、室温(25〜30℃)で2〜24時間、好ましくは10〜15時間、撹拌し、分散させる。これによって、第二分散液が調製される。
そして、第二分散液を第一電極塗布層2aに塗布するには、例えば、アプリケーターなどを用いる公知の方法が用いられる。
乾燥は、例えば、真空下において、例えば、70〜120℃、好ましくは、70〜100℃で、9〜15時間、好ましくは10〜13時間実施する。
これにより、第一電極塗布層2aの表面に第二電極塗布層2bが形成される。
第二電極塗布層2bの厚みは、例えば、10〜100μm、好ましくは、20〜50μmである。これによって、第一電極塗布層2a、および、第二電極塗布層2bからなる電極塗布層2Bが形成される。電極塗布層2Bの厚みは、例えば、10〜200μm、好ましくは、20〜50μmである。
また、これによって、集電体2Aの上に、電極塗布層2Bが積層された電極シートが形成される。
電極シートの活物質(電極材料)の目付け量は、例えば、1〜10mg/cm、好ましくは、2〜6mg/cmである。また、金属酸化物の目付け量は、例えば、0.05〜0.5mg/cm、好ましくは、0.1〜0.3mg/cmである。
そして、電極シートを所定形状に打ち抜くことにより、正極2が形成される。
正極2において、第一電極塗布層2aには金属酸化物が含有される一方、第二電極塗布層2bには金属酸化物は含有されていない。
そのため、正極2では、金属酸化物が、電極塗布層2Bの厚み方向において、集電体2A側に偏在している。
より詳しくは、第一電極塗布層2aと第二電極塗布層2bの厚みの比は、電極塗布層2Bの厚みを100%としたときに、第一電極塗布層2aの厚みが、90%以下、好ましくは、70%以下、さらに好ましくは、50%以下、とりわけ好ましくは、40%以下であり、第二電極塗布層2bの厚みが、10%以上、好ましくは、30%以上、さらに好ましくは、50%以上、とりわけ好ましくは、60%以上である。
これによって、正極2の電極塗布層2Bでは、金属酸化物が、電極塗布層2Bの厚み方向において、集電体2A側90%以内、好ましくは、70%以内、さらに好ましくは、50%以内、とりわけ好ましくは、40%以内に偏在する。
負極3は、集電体3Aと、集電体3Aに積層される電極塗布層3Bとを備えている。
集電体3Aとしては、例えば、上記した2Aと同様の金属箔が挙げられる。好ましくは銅箔が挙げられる。
電極塗布層3Bは、例えば、電極材料(負極材料)と、結合剤とを配合して得られる混合物を電極形状に成形した後、乾燥させることにより、形成されている。
電極材料は、リチウムイオンを可逆的に吸蔵・放出可能な材料からなり、特に制限されないが、例えば、ハードカーボン(難黒鉛化炭素材料)、ソフトカーボン(易黒鉛化炭素材料)、グラファイトなどが挙げられる。
ハードカーボンは、例えば、不活性雰囲気中、2500℃で熱処理されたときに、(002)面の平均面間隔d002が3.40Åを超える結晶構造を形成するカーボンの総称である。
具体的なハードカーボンとしては、特に制限されないが、例えば、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、フルフラール樹脂、レゾルシノール樹脂、シリコーン樹脂、キシレン樹脂、ウレタン樹脂などの熱硬化性樹脂、例えば、サーマルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、チャネルブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラック、例えば、フリュードコークス、ギルソナイトコークスなど易黒鉛化性コークスとは異なる難黒鉛化性コークス、例えば、やしがら、木粉などの植物系原料、例えば、ガラス状炭素などの熱分解物などが挙げられる。
また、ソフトカーボンは、例えば、不活性雰囲気中での熱処理によって、炭素原子で構成される六角網面が、ハードカーボンの六角網面よりも相対的に規則的な積層構造(黒鉛構造)を形成しやすいカーボンの総称である。具体的には、不活性雰囲気中、2000〜3000℃、好ましくは、2500℃で熱処理されたときに、(002)面の平均面間隔d002が3.40Å以下、好ましくは、3.35〜3.40Åとなる結晶構造を形成するカーボンの総称である。
具体的なソフトカーボンとしては、特に制限されないが、例えば、石油系ピッチ、石炭系ピッチ、メソフェーズ系ピッチなどのピッチ類、例えば、石油系ニードルコークス、石炭系ニードルコークス、アントラセン、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリルなどの易黒鉛化性コークス類などの熱分解物などが挙げられる。
グラファイトとしては、特に制限されないが、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、黒鉛化メソフェーズカーボン小球体、黒鉛化メソフェーズカーボン繊維、黒鉛ウィスカ、黒鉛化炭素繊維、ピッチ、コークスなどの縮合多環炭化水素化合物の熱分解物などのグラファイト系炭素材料が挙げられる。また、グラファイトは、粉末状のもの(例えば、平均粒径が25μm以下のもの)が好ましく用いられる。
これら電極材料は、単独で使用してもよく、あるいは、併用することもできる。
また、これら電極材料のなかでは、好ましくは、グラファイトとソフトカーボンの混合電極材料が挙げられる。
電極材料の配合割合は、混合物全量に対して、例えば、固形分の質量割合として、80〜99質量%、好ましくは、85〜95質量%である。
結合剤としては、特に制限されないが、例えば、上記した結合剤が挙げられる。
これら結合剤は、単独で使用してもよく、あるいは、併用することもできる。
また、これら結合剤のなかでは、好ましくは、PVdFが挙げられる。
結合剤の配合割合は、混合物全量に対して、例えば、固形分の質量割合として、1〜20質量%、好ましくは、5〜15質量%である。
また、負極3の製造においては、必要により、さらに、導電剤を配合することもできる。
導電剤としては、特に制限されないが、例えば、上記した導電剤が挙げられる。
これら導電剤は、単独で使用してもよく、あるいは、併用することもできる。
導電剤の配合割合は、混合物全量に対して、例えば、固形分の質量割合として、0〜20質量%、好ましくは、0〜10質量%である。
そして、負極3を形成するには、例えば、負極材料、結合剤、および必要により導電剤を配合した混合物を、溶媒中で攪拌してスラリー(固形分:10〜60質量%)を得る。
次いで、スラリーを集電体3A上に塗布し、乾燥させて、集電体3Aの上に電極塗布層3Bが形成された電極シートを得る。次いで、電極シートを所定形状に打ち抜いた後、乾燥させる。これにより、負極3が得られる。
溶媒としては、上記した溶媒が挙げられ、好ましくは、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)が挙げられる。
上記のような方法により得られる負極3の厚さは、ハイブリッドキャパシタ1のスケールにより異なるが、例えば、ラボスケールでは、5〜70μmであって、集電体3Aとなる金属箔を除く厚さが5〜60μmである。
また、負極3の大きさは、ハイブリッドキャパシタ1のスケールにより異なるが、例えば、ラボスケールでは、例えば、矩形状の場合には、長手方向長さが、例えば、10〜200mm、長手方向と直交する方向(幅方向)長さが、例えば、10〜200mmであり、また、円形状の場合には、直径が、例えば、5〜15mmである。
セパレータ4としては、特に制限されないが、例えば、ガラス繊維、セラミックス繊維、ウィスカなどの無機繊維、例えば、セルロースなどの天然繊維、例えば、ポリオレフィン、ポリエステルなどの有機繊維などからなるセパレータが挙げられる。
これらセパレータのなかでは、好ましくは、セルロースなどの天然繊維からなるセパレータが挙げられる。
また、負極活性物質を捕捉する捕捉剤が分散されたセパレータを用いることもできる。
上記捕捉剤としては、例えば、炭酸リチウムが挙げられる。
そのようなセパレーターとして、例えば、炭酸リチウムが分散された多孔質フッ素樹脂が挙げられる。
このようなセパレータ4の厚みは、具体的には、ハイブリッドキャパシタ1のスケールにより異なるが、ラボスケールでは、例えば、10〜1000μm、好ましくは、10〜100μmである。
また、セパレータ4の大きさは、ハイブリッドキャパシタ1のスケールにより異なるが、例えば、ラボスケールでは、例えば、矩形状の場合には、長手方向長さが、例えば、15〜220mmであり、幅方向長さが、例えば、15〜220mmである。また、円形状の場合には、直径が、例えば、10〜30mmである。
非水電解質5は、リチウムイオンを含む有機溶媒からなり、リチウム塩を有機溶媒に溶解させることにより調製されている。
リチウム塩としては、特に制限されないが、ハロゲンを含むアニオン成分を有し、例えば、LiClO、LiCFSO、LiC(SOCF、LiCSO、LiC17SO、LiB[C(CF−3,5]、LiB(C、LiB[C(CF)−4]、LiBF、LiPF、LiAsF、LiSbF、LiCFCO、LiN(CFSOなどが挙げられる。なお、上式中[C(CF−3,5]は,フェニル基の3位と5位に、[C(CF)−4]はフェニル基の4位に、それぞれ−CFが置換されているものを意味する。
これらリチウム塩は、単独で使用してもよく、あるいは、併用することもできる。
また、これらリチウム塩のなかでは、好ましくは、LiPFが挙げられる。
有機溶媒としては、特に制限されないが、例えば、プロピレンカーボネート、プロピレンカーボネート誘導体、エチレンカーボネート、エチレンカーボネート誘導体、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、1,3−ジオキソラン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、ジオキソラン、リン酸トリエステル、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水フタル酸、1,3−プロパンスルトン、4,5−ジヒドロピラン誘導体、ニトロベンゼン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフラン誘導体、シドノン化合物、アセトニトリル、ニトロメタン、アルコキシエタン、トルエンなどが挙げられる。
これら有機溶媒は、単独で使用してもよく、あるいは、併用することもできる。
また、これら有機溶媒のなかでは、好ましくは、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、および、エチルメチルカーボネートが挙げられ、さらに好ましくは、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、および、エチルメチルカーボネートの混合溶媒が挙げられる。
非水電解質5におけるリチウム塩の濃度は、例えば、0.5〜5mol/L、好ましくは、0.5〜2mol/Lである。
このハイブリッドキャパシタ1では、正極2の電位を4.2V vs Li/Li以上などの高電位とした場合に、正極2の不可逆容量の発現に起因して、非水電解質5に含まれるアニオン(例えば、LiPFに含まれるPF など)から、負極の電気容量を低下させる負極活性阻害物質が生成する。
負極活性阻害物質が生成する過程として、例えば、負極活性阻害物質であるHFが生成する過程を、以下説明する。
まず、正極2および負極3に所定電圧(すなわち、4.2V vs Li/Li以上)を印加すると、非水電解質5内では、例えば、正極2や非水電解質5に含まれる水分や有機物から、下記式(1)(2)に示すように、プロトン(H)が生成する。
(1)2HO→O+4H+4e
(2)R−H→R+H+e(Rは、アルキル基)
そして、生成したプロトンが、非水電解質5に含まれるアニオン(例えば、LiPFに含まれるPF など)と反応し、HFが生成する(下記式(3)参照。)。
(3)PF +H→PF+HF
HFのような負極活性阻害物質は、負極3の電気容量を低下させて、ハイブリッドキャパシタ1のエネルギー密度を低下させるおそれがある。
そのため、ハイブリッドキャパシタ1では、正極2内部に、非水電解質5に含まれるアニオンから誘導される負極活性阻害物質を捕捉する金属酸化物を含有させている。
これにより、正極2の不可逆容量の発現に起因して負極活性阻害物質が生成しても、その負極活性阻害物質を金属酸化物で捕捉することができる。
また、負極活性阻害物質は、正極2内部に侵入すると、集電体2A近傍で滞留して、長期使用により集電体2Aを腐食するおそれがある。
しかし、このハイブリッドキャパシタ1によると、正極2の電極塗布層2Bにおいて、金属酸化物が電極塗布層2Bの厚み方向において集電体2A側に偏在している。これによって金属酸化物は、集電体2A近傍に偏在するので、集電体2Aの腐食を有効に防止することができる。
しかも、金属酸化物を電極塗布層2Bの厚み方向において、集電体2A側に偏在させれば、正極2の内部抵抗の上昇も抑制することができる。したがって、ハイブリッドキャパシタ1の耐久性を向上させることができる。
次に、本発明を実施例および比較例に基づいて説明するが、本発明は下記の実施例によって限定されるものではない。
実施例1
(1)正極の作製
メソフェーズ系ピッチ(三菱ガス化学株式会社製 AR樹脂)を大気中350℃で2時間加熱した。次いで、加熱後のピッチを、窒素雰囲気下800℃で2時間予備焼成した。これにより、ソフトカーボンを得た。得られたソフトカーボンをアルミナ製の坩堝に入れ、ソフトカーボン1重量部に対して4重量部のKOHを加えた。次いで、ソフトカーボンを、窒素雰囲気下800℃で2時間、KOHとともに焼成することにより、KOH賦活した。次いで、KOH賦活したソフトカーボンを、廃液が中性になるまで超純水で洗浄した。これにより、KOH賦活ソフトカーボン(正極材料)を得た。洗浄後、KOH賦活ソフトカーボンを乳鉢で粉砕し、篩(32μm)で分級した。そして、ほぼ全てのKOH賦活ソフトカーボンが篩を通過できる粒径になるまで、乳鉢での粉砕操作を繰り返した。
分級後、酸化マグネシウム(タテホ化学工業株式会社製 H−10、比表面積46.7m/g)と、KOH賦活ソフトカーボン粉末と、結合剤(クレハ社製 PVdF)と、導電剤(カーボンブラック、キャボット社製 VXC−72R)とを、固形分15.5:69.8:7.7:7.0の質量割合で、N−メチル−2−ピロリドンに投入し、室温(25℃〜30℃)で12時間攪拌することにより、第一分散液を調製した。
また、KOH賦活ソフトカーボン粉末と、結合剤(クレハ社製 PVdF)と、導電剤(カーボンブラック、キャボット社製 VXC−72R)とを、固形分75.0:16.7:8.3の質量割合で、N−メチル−2−ピロリドンに投入し、室温(25℃〜30℃)で12時間攪拌することにより、第二分散液を調製した。
次いで、得られた第一分散液を、厚み15μmのアルミニウム箔(集電体)の表面に塗布し、80℃で12時間乾燥して、アルミニウム箔の上に第一電極塗布層を形成した。
次いで、第二分散液を第一電極塗布層の表面に塗布し、80℃で12時間乾燥することにより、第一電極塗布層の上に第二電極塗布層を形成した。
これによって、集電体の上に、第一電極塗布層、および、第二電極塗布層からなる電極塗布層が積層された電極シートを得た。
得られた電極シートの活物質(電極材料)の目付け量は、5.27mg/cmであった。また、酸化マグネシウムの目付け量は、0.13mg/cmであった。
次いで、乾燥後の電極シートを、ロールプレスで加圧延伸することにより、電極塗布層の厚みが67μmの電極シートを得た。次いで、電極シートを、所定形状に裁断した。また、裁断後の電極シートにスリット加工を入れることで正極を製作した。
得られた正極では、集電体が60mm×41mmの矩形状をなし、その集電体の表面に、上側14mmに集電体の表面が露出するように、電極塗布層が46mm×41mmの矩形状に積層された。
この正極では、第一電極塗布層の厚みが、23μmであり、第二電極塗布層の厚みが、44μmであり、電極塗布層の厚みを100%としたときに、第一電極塗布層の厚みが、34.3%、第二電極塗布層の厚みが、65.7%であり、酸化マグネシウムが電極塗布層の厚み方向において、集電体側34.3%以内に偏在した。
(2)負極の作製
人造黒鉛と、ソフトカーボンと、結合剤(クレハ社製 PVdF)とを、固形分67.5:22.5:10の質量割合で、N−メチル−2−ピロリドンに投入し、室温(25℃〜30℃)で12時間攪拌することにより、スラリーを得た。
次いで、得られたスラリーを銅箔(集電体)の表面に塗布し、80℃で12時間乾燥した。次いで、乾燥後の銅箔を、ロールプレスで加圧延伸することにより、銅箔を除く電極塗布層の厚さが15μmの電極シートを得た。次いで、電極シートを、所定形状に裁断した。また、裁断後の電極シートにスリット加工を入れることで負極を製作した。
得られた負極では、集電体が60mm×45mmの矩形状をなし、その集電体の表面に、上側10mmに集電体の表面が露出するように、電極塗布層が50mm×45mmの矩形状に積層された。
(3)捕捉剤含有セパレータの作製
フッ化ビニリデンホモポリマー100質量部をN,N−ジメチルホルムアミド(良溶媒)に溶解し、オクタノール(貧溶媒)を添加した。なお、N,N−ジメチルホルムアミドとオクタノールとの質量比は、20/80とした。
その後、粒径3μmの炭酸リチウム(LiCO)粒子240質量部を上記溶液中に添加して均一に分散するまで攪拌することにより、混合溶液を調製した。
次いで、調製された混合溶液をポリプロピレンフィルム上にキャストした後、170℃で1.25分間乾燥してN,N−ジメチルホルムアミドをほぼ蒸発させ、その後、210℃で1.25分間乾燥して、オクタノールを蒸発させた。
これにより、厚さ33μmのフッ化ビニリデンホモポリマー多孔質膜(セパレータシート)を得た。そして、その多孔質膜をポリプロピレンフィルムから剥離し、所定形状に打ち抜くことにより、LiCO(捕捉粒子)が分散されたセパレータを得た。このセパレータには、485mg/cm(LiCO目付け量1.6mg/cm)のLiCOが含有されていた。なお、LiCOの含有量は、セパレータに対して、ICP発光分光分析装置を用いてLiの定量分析を実施し、分析値をLiCOの定量値に換算することにより算出した。
また、このセパレータの空隙率は47%、透気度(JIS P8117準拠)は17秒/100mL、密度は0.81g/cmであった。
(4)電解液の調製
LiPF6(リチウム塩)を、濃度が1.35mol/Lとなるように、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネートとエチルメチルカーボネートとの混合溶媒に溶解することにより調製した。
(5)ラミネートセルの組み立て
正極1枚、負極1枚、捕捉剤含有セパレータ2枚および補助セパレータ(日本高度紙工業製TF44-25)1枚を積層した。
次いで、正極の集電体の露出部分と、シーラントが予め溶着されたアルミニウム板(正極集電タブ)を超音波接合した。また、同様に、負極の集電体の露出部分と、シーラントが予め溶着されたニッケル板(負極終電タブ)を超音波接合した。
以上の操作により、電極体を得た。
次いで、電極体をアルミニウムラミネートフィルムで包み、3辺を熱溶着によって封止した。
次いで、アルミニウムラミネートフィルムで包んだ電極体を、乾燥機に搬入し、120℃で12時間真空乾燥した。そして、乾燥機内を窒素パージした後、ドライAr雰囲気のグローブボックスへ大気に触れないように搬入した。
次いで、チャンバー内で減圧し、電解液を注入し、最後の4辺目を熱溶着によって封止し、常圧に戻した。以上の操作により、ラミネートセルを得た。
比較例1
正極の作製において、以下の方法で正極を作製した以外は、実施例1と同様にしてラミネートセルを得た。
KOH賦活ソフトカーボン粉末と、結合剤(クレハ社製 PVdF)と、導電剤(カーボンブラック、キャボット社製 VXC−72R)とを、固形分75.0:16.7:8.3の質量割合で、N−メチルピロリドンに投入し、室温(25℃〜30℃)で12時間攪拌することにより、第三分散液を得た。
次いで、得られた第三分散液をアルミニウム箔(集電体)の表面に塗布し、80℃で12時間乾燥して電極シートを得た。次いで、乾燥後の電極シートを、ロールプレスで加圧延伸することにより、アルミニウム箔を除く電極塗布層の厚みが68μmの電極シートを得た。得られた電極シートの活物質(電極材料)の目付け量は、5.30mg/cmであった。次いで、電極シートを、所定形状に裁断した。また、裁断後の電極シートにスリット加工を入れることで正極を製作した。
比較例2
以下の方法で正極を作製した以外は、実施例1と同様にしてラミネートセルを得た。
酸化マグネシウム(タテホ化学工業社製 #H−10:比表面積46.7m/g)と、KOH賦活ソフトカーボン粉末と、結合剤(クレハ社製 PVdF)と、導電剤(カーボンブラック、キャボット社製 VXC−72R)とを、固形分16.4:73.6:8.2:1.8の質量割合で、N−メチルピロリドンに投入し、室温(25℃〜30℃)で12時間攪拌することにより、第四分散液を調製した。
次いで、得られた第四分散液を厚み15μmアルミニウム箔(集電体)の表面に塗布し、80℃で12時間乾燥して、アルミニウム箔の上に第一電極塗布層を形成した。次いで、再度、第四分散液を第一電極塗布層の表面に塗布し、80℃で12時間乾燥することにより、第一電極塗布層の上に第二電極塗布層を形成した。これによって、集電体の上に、第一電極塗布層、および、第二電極塗布層からなる電極塗布層が積層された電極シートを得た。
得られた電極シートの活物質(電極材料)の目付け量は、5.29mg/cmであった。また、酸化マグネシウムの目付け量は0.13mg/cmであった。
次いで、乾燥後のアルミニウム箔を、ロールプレスで加圧延伸することにより、アルミニウム箔を除く電極塗工層の厚さが67μmの電極シートを得た。
次いで、電極シートを、所定形状に裁断した。また、裁断後の電極シートにスリット加工を入れることで正極を製作した。
プレサイクル(予備充放電)
各実施例、および、比較例のラミネートセルを25℃の恒温器内で以下に示す方法によりプレサイクル(予備充放電)を実施した。
(1)1サイクル目
セル電圧が4.8Vに上昇するまで1mA/cmで定電流充電した。充電後、電流値が0.1mA/cmに降下するまでセル電圧を4.8Vに保持し、その後、セル電圧が2.3Vに降下するまで1mA/cmで定電流放電した。
(2)2〜6サイクル目
セル電圧が4.6Vに上昇するまで1mA/cmで定電流充電した。充電後、セル電圧が2.3Vに降下するまで1mA/cmで定電流放電した。
(3)7〜50サイクル目
セル電圧が4.6Vに上昇するまで5mA/cmで定電流充電した。充電後、セル電圧が2.3Vに降下するまで5mA/cmで定電流放電した。
(4)ガス抜き
プレサイクルを完了したラミネートセルをドライAr雰囲気のグローブボックスへ搬入した。次いで、外装のラミネートフィルムに切り込みを入れて、減圧雰囲気に保持し、プレサイクルで発生したガスを排出した後、ドライArガスでパージして常圧に戻した。次いで、切り込み部を熱溶着によって再封止した。
高サイクル充放電試験(耐久試験)
プレサイクルを終えたラミネートセルを50℃の恒温器内で以下に示す方法により高サイクル充放電試験(耐久試験)を実施した。
セル電圧が4.4Vに上昇するまで5mA/cmで定電流充電した。充電後、セル電圧が2.3Vに降下するまで5mA/cmで定電流放電した。以後、これを繰り返した。
「エネルギー密度の維持率」算出方法
以下の式から「エネルギー密度の維持率」を算出した。その結果を、表1、および図1に示す。
ER=(DE/VP+N)/(DE/VP+N)=DE/DE
ER:エネルギー密度の維持率
DE:Xサイクル目の放電エネルギー量[Wh]
DE:7サイクル目の放電エネルギー量[Wh]
P+N:正極の電極塗布層体積と負極の電極塗布層体積の和[L]
内部抵抗の算出方法
以下の式から「内部抵抗」を算出した。その結果を、表1に示す。
R=V2IR/CD/2R
R:内部抵抗 [Ω・cm]
2IR:休止のない定電流充放電におけるIRドロップ(充電後、放電に切り替わる際の電圧降下)[V]
CD:電流密度[A/cm](=1mA/cm
Figure 0005759227
1 ハイブリッドキャパシタ
2 正極
2A 集電体
2B 電極塗布層
4 負極
5 非水電解質

Claims (1)

  1. 正極と、
    リチウムイオンを可逆的に吸蔵・放出可能な材料からなる、負極と、
    リチウムイオンを含む非水電解質とを備え、
    前記正極は、
    集電体と、集電体に積層された電極塗布層を備え、
    電極塗布層では、その厚み方向において、集電体側に金属酸化物が偏在し
    前記金属酸化物の比表面積が、100m /g以下であることを特徴とする、電気化学キャパシタ。
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