JP2008198620A - リチウム二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】高容量での充放電においてもサイクル特性に優れ、かつ充電状態における安全性を向上させた高エネルギー密度のリチウム二次電池を提供する。
【解決手段】〔1〕リチウムイオンをドープ・脱ドープ可能な材料を活物質として含む正極と、リチウム金属、リチウム合金またはリチウムイオンをドープ・脱ドープ可能な材料を活物質として含む負極と、液体または固体の電解質とを有するリチウム二次電池において、前記正極の活物質として、アルミニウムを含むニッケル酸リチウムを用い、かつ該アルミニウムを含むニッケル酸リチウムにおいてアルミニウムのアルミニウムとニッケルとの和に対するモル比xが0.10<x<0.20であり、液体または固体の電解質が、フッ素を化学式中に有する化合物を含む電解質であるリチウム二次電池。
【選択図】なし

Description

本発明は、リチウムイオンをドープ・脱ドープ可能な材料を活物質として含む正極と、リチウム金属、リチウム合金、またはリチウムイオンをドープ・脱ドープ可能な材料を活物質として含む負極と、液体または固体の電解質とを有するリチウム二次電池に関する。
電子機器のポータブル化、コードレス化の急速な進行に伴い、従来の二次電池より小型で軽量、大容量を実現できるリチウム二次電池に対する期待が高まっている。このリチウム二次電池の正極活物質として、コバルト酸リチウムが検討され、既に一部の携帯用電話やビデオカメラ等の電源用リチウム二次電池において実用化されている。さらに最近はコバルトよりも材料コストが安価で、資源的にも豊富なニッケル化合物を原料に用いたニッケル酸リチウムの検討がさかんに行われている。
ニッケル酸リチウムは、コバルト酸リチウムと同様に、α−NaFeO2型構造をもつ化合物であるが、リチウムサイトにニッケルが入るタイプの置換が起こりやすく、コバルト酸リチウムに比べて合成が難しい。近年の合成条件の進歩により、ほぼ化学量論組成で大きな放電容量を示すニッケル酸リチウムが得られるようになってきているものの、依然として高容量での充放電を繰り返すと急速に容量低下を示す、即ちサイクル特性が悪いという問題点があった。
また、深い充電状態にあるニッケル酸リチウムを加熱すると、実用化電池における充電状態でのコバルト酸リチウムと比較して、酸素の放出を伴う分解がより低温で起こるといわれており、電池とした際の安全性を考えた場合、不利な要素があった。
本発明の目的は、高容量での充放電においてもサイクル特性に優れ、かつ充電状態における安全性を向上させた高エネルギー密度のリチウム二次電池を提供することにある。
このような事情をみて、本発明者らは、鋭意検討をおこなった結果、リチウムイオンをドープ・脱ドープ可能な材料を活物質として含む正極と、リチウム金属、リチウム合金またはリチウムイオンをドープ・脱ドープ可能な材料を活物質として含む負極と、液体または固体の電解質とを有するリチウム二次電池において、前記正極の活物質として、アルミニウムのアルミニウムとニッケルとの和に対するモル比xが0.10<x<0.20となるようにアルミニウムを含むニッケル酸リチウムを用いることにより、高容量での充放電においてもサイクル特性に優れ、かつ充電状態における安全性を向上させた高エネルギー密度のリチウム二次電池が得られることを見出した。
さらに、本発明者らは、正極の活物質として、アルミニウムのアルミニウムとニッケルとの和に対するモル比xが0.10<x<0.20となるようにアルミニウムを含むニッケル酸リチウムを用い、かつ液体または固体の電解質として、フッ素を化学式中に含む化合物を含む電解質を用いることによって充電状態における安全性が特に優れた高エネルギー密度のリチウム二次電池が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、〔1〕リチウムイオンをドープ・脱ドープ可能な材料を活物質として含む正極と、リチウム金属、リチウム合金またはリチウムイオンをドープ・脱ドープ可能な材料を活物質として含む負極と、液体または固体の電解質とを有するリチウム二次電池において、前記正極の活物質として、アルミニウムを含むニッケル酸リチウムを用い、かつ該アルミニウムを含むニッケル酸リチウムにおいてアルミニウムのアルミニウムとニッケルとの和に対するモル比xが0.10<x<0.20であるリチウム二次電池に係るものである。
また、本発明は、〔2〕液体または固体の電解質が、フッ素を化学式中に有する化合物を含む電解質である〔1〕記載のリチウム二次電池に係るものである。
さらに、本発明は、〔3〕液体または固体の電解質が、フッ素置換基を有する有機溶媒を含む電解質である〔1〕記載のリチウム二次電池に係るものである。
本発明のリチウム二次電池は、高容量での充放電においてもサイクル特性に優れ、かつ充電状態における安全性、特に過充電状態での加熱に対する安全性を向上させることができ、その工業的価値は極めて大なるものがある。
次に、本発明を詳細に説明する。
本発明のリチウム二次電池において、正極は活物質として、リチウムイオンをドープ・脱ドープ可能な材料を含み、該リチウムイオンをドープ・脱ドープ可能な材料として、アルミニウムを含むニッケル酸リチウムを用いることを特徴とする。
アルミニウムを含むニッケル酸リチウムを得る方法としては、すなわちニッケル酸リチウムにアルミニウムを添加する方法としては、予め合成したニッケル酸リチウムにアルミニウムもしくはアルミニウム化合物を混合して焼成する方法を挙げることができるが、製造工程を簡略化できる点と、アルミニウムを均一に添加することができる点で、リチウム化合物、ニッケル化合物、およびアルミニウムもしくはアルミニウム化合物を混合して焼成する方法が好ましい。
また、ニッケル化合物とアルミニウムもしくはアルミニウム化合物をまず混合して焼成し、その後リチウム化合物と混合して再度焼成する方法も挙げられる。同様に、リチウム化合物とアルミニウムもしくはアルミニウム化合物をまず混合して焼成し、その後ニッケル化合物と混合して再度焼成する方法も挙げられる。
本発明で用いるリチウム化合物については、炭酸リチウム、硝酸リチウム、水酸化リチウムなどを使用することができる。本発明で用いるニッケル化合物については、酸化ニッケル、オキシ水酸化ニッケル、水酸化ニッケル、硝酸ニッケル、炭酸ニッケル(NiCO3・wH2O(式中、w≧0))、塩基性炭酸ニッケル(xNiCO3・yNi(OH)2・zH2O(式中、x>0、y>0、z>0))、酸性炭酸ニッケル(Nim2n(CO3m+n(式中、m>0、n>0))などを使用することができる。また添加するアルミニウムの原料としては、金属アルミニウム、または酸化アルミニウム、オキシ水酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、硝酸アルミニウムなどのアルミニウム化合物を使用することができる。
リチウム化合物とニッケル化合物およびアルミニウム化合物との混合比は、1.0≦Li/(Ni+Al)≦1.2の範囲が好ましい。この比が1.0未満では得られた複合酸化物がリチウム不足になるので好ましくない。また、この比が1.2を超えると、アルミニウムとリチウムとの複合酸化物であるLi5AlO4を生成して、添加されたアルミニウムが有効に機能しないことがあるので好ましくない。
リチウム化合物、ニッケル化合物、およびアルミニウム化合物を混合して焼成する方法として、アルミニウム化合物と水溶性リチウム化合物とを含む水溶液にニッケル化合物を分散させた後、水分を蒸発させて、得られた混合物を酸素を含む雰囲気下で焼成する方法を用いることが好ましい。この方法によれば水溶性リチウム化合物をアルミニウム化合物およびニッケル化合物と均一に混合できるので、アルミニウムを含むニッケル酸リチウムが混合組成の不均一から部分的にリチウム不足になるのを防ぐことができるとともに、原料混合比におけるリチウム過剰量を小さくすることができる。
このとき用いるニッケル化合物としては、分散性とその表面に水溶性リチウム化合物を析出させることを考慮すると、平均粒径が小さく、比表面積が大きなものが好ましい。具体的には、平均粒径50μm以下、比表面積1m2/g以上のニッケル化合物を用いることが好ましい。
本発明者らは、さらに鋭意検討を行った結果、好ましい原料の組み合わせを見出した。すなわち、水溶性リチウム化合物として、硝酸リチウムを、ニッケル化合物として、塩基性炭酸ニッケルをそれぞれ用いることにより、この方法で得られたアルミニウムを含むニッケル酸リチウムを用いたリチウム二次電池は高エネルギー密度を示すので好ましい。
また、このときアルミニウム化合物と水溶性リチウム化合物とを含む水溶液におけるアルミニウム化合物の分散性を向上させる、または一部ないし全部を溶解させることによりさらに均一な混合状態を得るために、pHを10以上に調整することもできる。pH調整には塩基性化合物を加えて溶解させればよいが、少量であってもアルミニウムを含むニッケル酸リチウムの合成反応に悪影響を与えないものが好ましい。例えば、該pH調整用の塩基性化合物として水酸化リチウム、炭酸リチウム、酸化リチウム、過酸化リチウムを用いることができる。特に、安価なことと取り扱いの容易さから、水酸化リチウムまたは炭酸リチウムを用いることが好ましい。
リチウム化合物、ニッケル化合物、およびアルミニウム化合物を混合して焼成する方法としては、上記に加えて、水酸化リチウムとニッケル化合物およびアルミニウム化合物とを乾式混合した後、得られた混合物を酸素を含む雰囲気下で焼成する方法も好ましく用いられる。この方法によれば、一次粒子径の大きなアルミニウムを含むニッケル酸リチウムを得ることができる。
また、このときニッケル化合物として三酸化二ニッケルを用いると、深い充電状態において加熱された場合の反応速度の抑制において特に優れた効果が得られるので好ましい。
焼成雰囲気としては、酸素を含む雰囲気が好ましく、酸素中がさらに好ましく、酸素気流中が特に好ましい。
焼成温度は、350℃以上800℃以下が好ましく、さらに好ましくは600℃以上750℃以下である。焼成温度が800℃を超えると、ニッケル酸リチウムにリチウムイオンとニッケルイオンとが不規則に配列した岩塩型ドメインが混入する割合が大きくなり、可逆的な充放電が阻害されるので好ましくない。また、焼成温度が350℃未満であるとニッケル酸リチウムの生成反応がほとんど進行しないため好ましくない。
焼成時間は、2時間以上が好ましく、5時間以上がさらに好ましい。また、実用的には40時間以下が好ましい。
アルミニウムの添加量は、アルミニウムのアルミニウムとニッケルとの和に対するモル比をxとするとき、0.10<x<0.20を満たすものを用いる。アルミニウムを添加することにより、高容量での充放電においても優れたサイクル特性が付与されるが、xが0.10以下の場合はアルミニウム添加によりもたらされる安定化効果、即ち、深い充電状態において加熱された場合に起こる酸素の放出を伴う分解を高温にシフトさせ、反応速度を低下させる効果が不十分となるので好ましくない。またxが0.20以上の場合はサイクル特性と前記の安定化効果の点には問題ないが、放電容量が小さくなるため好ましくない。電池としたときのエネルギー密度を考慮すれば、該モル比としては、0.11≦x≦0.15が好ましく、0.12≦x≦0.14がさらに好ましい。
本発明のリチウム二次電池の正極は、前述した本発明のアルミニウムを含むニッケル酸リチウムを活物質として含み、他の成分としては、導電材としての炭素質材料、バインダーとしての熱可塑性樹脂などを含有するものが挙げられる。
該炭素質材料としては、天然黒鉛、人造黒鉛、コークス類、カーボンブラックなどが挙げられる。導電材として、それぞれ単独で用いてもよいし、例えば人造黒鉛とカーボンブラックとを混合して用いるといった複合導電材系を選択してもよい。
該熱可塑性樹脂としては、ポリフッ化ビニリデン(以下、PVDFということがある。)、ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEということがある。)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン・フッ化ビニリデン系共重合体、六フッ化プロピレン・フッ化ビニリデン系共重合体、四フッ化エチレン・パーフルオロビニルエーテル系共重合体などが挙げられる。これらをそれぞれ単独で用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。
また、バインダーとしてフッ素系樹脂とポリオレフィン系樹脂とを、正極合剤中の該フッ素樹脂の割合が1〜10重量%であり、該ポリオレフィン系樹脂の割合が0.1〜2重量%となるように、本発明の正極活物質と組み合わせて用いると、集電体との結着性に優れ、また加熱試験に代表されるような外部加熱に対する安全性をさらに向上できるので好ましい。
正極集電体としては、Al、Ni、ステンレスなどを用いることができるが、薄膜に加工しやすく、安価であるという点でAlが好ましい。該正極集電体に正極活物質を含む合剤を担持させる方法としては、加圧成型する方法、または溶媒などを用いてペースト化し、集電体上に塗布乾燥後プレスするなどして固着する方法が挙げられる。
本発明の非水系二次電池の負極としては、例えばリチウム金属、リチウム合金またはリチウムイオンをドープ・脱ドープ可能な材料などを用いることができる。リチウムイオンをドープ・脱ドープ可能な材料としては、天然黒鉛、人造黒鉛、コークス類、カーボンブラック、熱分解炭素類、炭素繊維、有機高分子化合物焼成体などの炭素質材料;正極よりも低い電位でリチウムイオンのドープ・脱ドープを行う酸化物、硫化物等のカルコゲン化合物が挙げられる。炭素質材料として、電位平坦性が高く、また平均放電電位が低いため正極と組み合わせた場合大きなエネルギー密度が得られるという点で、天然黒鉛、人造黒鉛等の黒鉛材料を主成分とする炭素質材料が好ましい。
また、液体の電解質と組み合わせて用いる場合において、該液体の電解質がエチレンカーボネートを含有しないときには、ポリエチレンカーボネートを含有した負極を用いると、サイクル特性と大電流放電特性が向上するので好ましい。
炭素質材料の形状は、例えば天然黒鉛のような薄片状、メソカーボンマイクロビーズのような球状、黒鉛化炭素繊維のような繊維状、または微粉末の凝集体などのいずれでもよく、必要に応じてバインダーとしての熱可塑性樹脂を添加することができる。熱可塑性樹脂としては、PVDF、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが挙げられる。
負極として用いられる酸化物、硫化物等のカルコゲン化合物としては、例えばスズ化合物を主体とした非晶質化合物のような、周期律表の第13、14、15族元素を主体とした結晶質または非晶質の酸化物などが挙げられる。これらについても、必要に応じて導電材としての炭素質材料、バインダーとしての熱可塑性樹脂を添加することができる。
負極集電体としては、Cu、Ni、ステンレスなどを用いることができるが、特にリチウム二次電池においてはリチウムと合金を作り難く、かつ薄膜に加工しやすいという点でCuが好ましい。該負極集電体に負極活物質を含む合剤を担持させる方法としては、加圧成型する方法、または溶媒などを用いてペースト化し、集電体上に塗布乾燥後プレスするなどして固着する方法が挙げられる。
本発明のリチウム二次電池で用いるセパレータとしては、例えばフッ素系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂、ナイロンなどの不織布、織布などを用いることができる。該セパレータの厚みは電池としての体積エネルギー密度が上がり、内部抵抗が小さくなるという点で、機械的強度が保たれる限り薄い程よく、10〜200μm程度が好ましい。
本発明のリチウム二次電池で用いる電解質としては、例えばリチウム塩を有機溶媒に溶解させた非水電解質溶液、または固体電解質のいずれかから選ばれる公知のものを用いることができるが、特に優れた安定化効果が得られる点でフッ素を化学式中に有する化合物を含む電解質を用いる。リチウム塩としては、LiClO4、LiPF6、LiAsF6、LiSbF6、LiBF4、LiCF3SO3、LiN(CF3SO22、LiC(CF3SO23、Li210Cl10、低級脂肪族カルボン酸リチウム塩、LiAlCl4などのうち一種あるいは二種以上の混合物が挙げられ、これらの中でもフッ素を含むもの、特にLiPF6、LiBF4、LiCF3SO3、LiN(CF3SO22、LiC(CF3SO23からなる群から選ばれる少なくとも一種を含むものを用いる。
本発明のリチウム二次電池で用いる有機溶媒としては、例えばプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、4−トリフルオロメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、1,2−ジ(メトキシカルボニルオキシ)エタンなどのカーボネート類;1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジメトキシプロパン、ペンタフルオロプロピルメチルエーテル、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルジフルオロメチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランなどのエーテル類;ギ酸メチル、酢酸メチル、γ−ブチロラクトンなどのエステル類;アセトニトリル、ブチロニトリルなどのニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;3−メチル−2−オキサゾリドンなどのカーバメート類;スルホラン、ジメチルスルホキシド、1,3−プロパンサルトンなどの含硫黄化合物、または上記の有機溶媒にさらにフッ素置換基を導入したものを用いることができるが、通常はこれらのうちの二種以上を混合して用いる。中でもカーボネート類を含む混合溶媒が好ましく、環状カーボネートと非環状カーボネート、または環状カーボネートとエーテル類の混合溶媒がさらに好ましい。
環状カーボネートと非環状カーボネートの混合溶媒としては、動作温度範囲が広く、負荷特性に優れ、かつ負極の活物質として天然黒鉛、人造黒鉛等の黒鉛材料を用いた場合でも難分解性であるという点で、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネートおよびエチルメチルカーボネートを含む混合溶媒が好ましい。
また、特に優れた安定化効果が得られる点で、フッ素置換基を有する有機溶媒を含む電解質を用いることが好ましい。ペンタフルオロプロピルメチルエーテル、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルジフルオロメチルエーテル等のフッ素置換基を有するエーテル類とジメチルカーボネートとを含む混合溶媒は、大電流放電特性にも優れており、さらに好ましい。
固体電解質としては、例えばポリエチレンオキサイド系、ポリオルガノシロキサン鎖もしくはポリオキシアルキレン鎖の少なくとも一種以上を含む高分子化合物などの高分子電解質、Li2S−SiS2、Li2S−GeS2、Li2S−P25、Li2S−B23などの硫化物系電解質、またはLi2S−SiS2−Li3PO4、Li2S−SiS2−Li2SO4などの硫化物を含む無機化合物系電解質を用いることができる。また、高分子に非水電解質溶液を保持させた、いわゆるゲルタイプのものを用いることもできる。
なお、本発明のリチウム二次電池の形状は特に限定されず、ペーパー型、コイン型、円筒型、角型などのいずれであってもよい。
本発明によれば高容量での充放電においてもサイクル特性に優れ、かつ充電状態における安全性を向上させた高エネルギー密度のリチウム二次電池を得ることができる。本発明によってこれらの特性に優れた電池が得られる理由は明らかではないが、添加したアルミニウムがニッケル酸リチウムの結晶構造におそらくはニッケル位置を置換する形で取り込まれることにより、深い充電を行った際のニッケル酸リチウムの構造を安定化し、高容量での充放電においても優れたサイクル特性をもたらすとともに、深い充電状態において加熱された場合に起こる酸素の放出を伴う分解を高温にシフトさせ、反応速度を低下させるのではないかと考えられる。後者については分解反応生成物がアルミニウムを含むことにより不働体被膜としての機能をもつ可能性もあると思われる。
さらに、液体または固体の電解質としてフッ素を含むものを組み合わせて用いることによって特に優れた安定化効果が得られる点についてもその理由は明らかではないが、おそらくアルミニウムが添加された活物質の表面にフッ素を含む何らかの反応物が生成し、これが充電状態において加熱された場合の反応をさらに抑制するのではないかと考えられる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。なお、特に断らない限り、充放電試験用の電極と平板型電池の作製は下記の方法によった。
活物質であるニッケル酸リチウムまたはアルミニウムを含むニッケル酸リチウムと導電材アセチレンブラックの混合物に、バインダーとしてPVDFの1−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPということがある。)溶液を、活物質:導電材:バインダー=91:6:3(重量比)の組成となるように加えて混練することによりペーストとし、集電体となる#200ステンレスメッシュに該ペーストを塗布して150℃で8時間真空乾燥を行い、電極を得た。
得られた電極に、電解液としてエチレンカーボネート(以下、ECということがある。)とジメチルカーボネート(以下、DMCということがある。)とエチルメチルカーボネート(以下、EMCということがある。)との30:35:35混合液にLiPF6を1モル/リットルとなるように溶解したもの(以下、LiPF6/EC+DMC+EMCと表すことがある。)、セパレーターとしてポリプロピレン多孔質膜を、また対極(負極)として金属リチウムを組み合わせて平板型電池を作製した。
実施例1
(1)正極活物質の合成とサイクル性評価
まず水酸化アルミニウム〔Al(OH)3:高純度化学研究所株式会社、試薬3Nグレード〕15.21gを水150gに加えてよく分散させ、次に硝酸リチウム(有限会社高南無機、化学用グレード)110.24gを溶解させた。続いて塩基性炭酸ニッケル〔xNiCO3・yNi(OH)2・zH2O:日本化学産業株式会社、製品名43%炭酸ニッケル〕176.63gを加えてよく分散させた後乾燥させ、アルミナ炉心管を使用した管状炉に入れて酸素気流中において720℃で15時間焼成した。このときアルミニウムのアルミニウムとニッケルとの和に対するモル比xは0.13となるようにした。
得られた粉末(以下、粉末Aとよぶ)を用いて平板型電池を作製し、以下の条件で定電流定電圧充電、定電流放電による充放電試験を実施した。
充電最大電圧4.4V、充電時間8時間、充電電流0.5mA/cm2
放電最小電圧3.0V、放電電流0.5mA/cm2
20サイクル目までの放電容量の変化を図1に示す。充電電圧が4.4Vと高く、かつ約180mAh/gと高容量での充放電を繰り返したにもかかわらず、良好なサイクル特性を示した。
(2)正極シートの作製
活物質である粉末Aと、導電材としての人造黒鉛粉末とアセチレンブラックとの混合物に、バインダーとしてPVDFのNMP溶液を、活物質:人造黒鉛:アセチレンブラック:PVDF=87:9:1:3(重量比)となるように加えて混練し、正極合剤ペーストとした。該ペーストを集電体である厚さ20μmのAl箔の両面の所定部分に塗布し、乾燥、ロールプレスを行って正極シートを得た。
(3)負極シートの作製
活物質である黒鉛化炭素繊維とバインダーとしてPVDFのNMP溶液とを、活物質:PVDF=94:6(重量比)となるように混練し、負極合剤ペーストとした。該ペーストを集電体である厚さ10μmのCu箔の両面の所定部分に塗布し、乾燥、ロールプレスを行って負極シートを得た。
(4)円筒型電池の作製と加熱試験
上記のようにして作製した正極シート、負極シートを厚さ25μmの多孔質ポリプロピレンフィルムよりなるセパレータを介して、負極、セパレータ、正極、セパレータの順に積層し、この積層体を一端より巻き取って渦巻形状の電極素子とした。
前記の電極素子を電池缶に挿入し、非水電解質溶液としてDMCと2,2,3,3−テトラフルオロプロピルジフルオロメチルエーテルとの50:50混合液にLiPF6を1モル/リットルとなるように溶解したものを含浸し、安全弁を備えた正極端子を兼ねる電池蓋をガスケットを介してかしめて18650サイズの円筒型電池を得た。
このようにして得られた円筒型電池5個について、4.4Vで定電流定電圧充電して過充電状態とした後、電池缶外表面の温度を熱電対で測定しながらオーブン中で昇温速度5℃/minで加熱し、180℃で1時間保持した。試験に供した電池は過充電という苛酷な状態にもかかわらず、5個とも破裂せず、また発火もしなかった。
実施例2
水酸化アルミニウム〔Al(OH)3:高純度化学研究所株式会社、試薬3Nグレード〕15.21g、水酸化リチウム一水塩(LiOH・H2O:和光純薬工業株式会社、試薬特級グレード)66.09gと水酸化ニッケル(日本化学産業株式会社、ニッケル含有量61.52%)124.53gをアルミナボールを用いたボールミルで乾式混合し、アルミナ炉心管を使用した管状炉に入れて酸素気流中において720℃で15時間焼成した。このときアルミニウムのアルミニウムとニッケルとの和に対するモル比xは0.13となるようにした。
得られた粉末(以下、粉末Bとよぶ)を用いて平板型電池を作製し、実施例1と同様の条件で定電流定電圧充電、定電流放電による充放電試験を実施した。20サイクル目までの放電容量の変化を図1に示す。充電電圧が4.4Vと高く、かつ約180mAh/gと高容量での充放電を繰り返したにもかかわらず、良好なサイクル特性を示した。
次に、正極活物質として粉末Bを用いた以外は実施例1と同様にして18650サイズの円筒型電池を得た。そのうち5個について、4.4Vで定電流定電圧充電して過充電状態とした後、電池缶外表面の温度を熱電対で測定しながらオーブン中で昇温速度5℃/minで加熱し、180℃で1時間保持した。試験に供した電池は過充電という苛酷な状態にもかかわらず、5個とも破裂せず、また発火もしなかった。
比較例1
硝酸リチウム(有限会社高南無機、化学用グレード)110.24gと塩基性炭酸ニッケル〔xNiCO3・yNi(OH)2・zH2O:日本化学産業株式会社、製品名43%炭酸ニッケル〕203.02gをアルミナボールを用いたボールミルで乾式混合し、アルミナ炉心管を使用した管状炉に入れて酸素気流中において720℃で15時間焼成した。
得られた粉末(以下、粉末R1とよぶ)を用いて平板型電池を作製し、実施例1と同様の条件で定電流定電圧充電、定電流放電による充放電試験を実施した。20サイクル目までの放電容量の変化を図1に示す。充電電圧が4.4Vと高く、高容量での充放電を行ったために急速に容量が低下した。
次に、正極活物質として粉末R1を用いた以外は実施例1と同様にして18650サイズの円筒型電池を得た。そのうち5個について4.4Vで定電流定電圧充電して過充電状態とした後、電池缶外表面の温度を熱電対で測定しながらオーブン中で昇温速度5℃/minで加熱したところ、5個とも180℃に達する前に破裂、発火した。
比較例2
水酸化アルミニウム〔Al(OH)3:高純度化学研究所株式会社、試薬3Nグレード〕11.70g、水酸化リチウム一水塩(LiOH・H2O:和光純薬工業株式会社、試薬特級グレード)66.09gと水酸化ニッケル(日本化学産業株式会社、ニッケル含有量61.52%)128.82gをアルミナボールを用いたボールミルで乾式混合し、アルミナ炉心管を使用した管状炉に入れて酸素気流中において720℃で15時間焼成した。このときアルミニウムのアルミニウムとニッケルとの和に対するモル比xは0.10となるようにした。
得られた粉末(以下、粉末R2とよぶ)を用いて平板型電池を作製し、実施例1と同様の条件で定電流定電圧充電、定電流放電による充放電試験を実施した。20サイクル目までの放電容量の変化を図1に示す。充電電圧が4.4Vと高く、かつ約180mAh/gと高容量での充放電を繰り返したにもかかわらず、良好なサイクル特性を示した。
次に、正極活物質として粉末R2を用いた以外は実施例1と同様にして18650サイズの円筒型電池を得た。そのうち5個について、4.4Vで定電流定電圧充電して過充電状態とした後、電池缶外表面の温度を熱電対で測定しながらオーブン中で昇温速度5℃/minで加熱し、180℃で保持した。試験に供した電池5個のうち、2個が180℃での保持中1時間以内に破裂、発火した。
比較例3
水酸化アルミニウム〔Al(OH)3:高純度化学研究所株式会社、試薬3Nグレード〕23.40g、水酸化リチウム一水塩(LiOH・H2O:和光純薬工業株式会社、試薬特級グレード)66.09gと水酸化ニッケル(日本化学産業株式会社、ニッケル含有量61.52%)114.51gをアルミナボールを用いたボールミルで乾式混合し、アルミナ炉心管を使用した管状炉に入れて酸素気流中において720℃で15時間焼成した。このときアルミニウムのアルミニウムとニッケルとの和に対するモル比xは0.20となるようにした。
得られた粉末(以下、粉末R3とよぶ)を用いて平板型電池を作製し、実施例1と同様の条件で定電流定電圧充電、定電流放電による充放電試験を実施した。20サイクル目までの放電容量の変化を図1に示す。充電電圧が4.4Vと高いにもかかわらず、良好なサイクル特性を示したが、放電容量が約145mAh/gと小さくなってしまった。
次に、正極活物質として粉末R3を用いた以外は実施例1と同様にして18650サイズの円筒型電池を得た。そのうち5個について、4.4Vで定電流定電圧充電して過充電状態とした後、電池缶外表面の温度を熱電対で測定しながらオーブン中で昇温速度5℃/minで加熱し、180℃で1時間保持した。試験に供した電池は過充電という苛酷な状態にもかかわらず、5個とも破裂せず、また発火もしなかった。
比較例4
深い充電状態において加熱された場合の反応挙動を調べるため、以下の手順で密閉型DSC測定を行った。まず粉末R1を用いて金属リチウムと組み合わせて平板型電池を作製し、充電電圧4.4V、充電時間12時間、充電電流0.5mA/cm2の条件で定電流定電圧充電を行った。次にアルゴン雰囲気のグローブボックス中で電池を分解し、正極を取り出してDMCで洗浄、乾燥した後、集電体から正極合剤を掻き取って試料となる充電正極合剤を得た。続いてステンレス製の密封セルに充電正極合剤3mgを秤取し、さらに非水電解質溶液としてECとDMCとEMCとの30:35:35混合液にLiPF6を1モル/リットルとなるように溶解したものを充電正極合剤が濡れるように1マイクロリットル注入し、治具を用いて密封した。
続いてセイコー電子工業株式会社製DSC220に上記試料を密封したステンレス製セルをセットし、10℃/minの昇温速度で測定を行った。該試料は熱暴走に典型的にみられる非常に急峻なスパイク状の発熱挙動を示した。
実施例3
粉末R1のかわりに粉末Aを用いた以外は比較例4と同様にして密閉型DSC測定を行った。発熱挙動はスパイク状とはならず、また発熱開始温度も比較例4に比べて高温となっており、深い充電状態において加熱された場合の反応速度が抑制されていることが確認された。
実施例4
粉末R1のかわりに粉末Bを用いた以外は比較例4と同様にして密閉型DSC測定を行った。発熱挙動はスパイク状とはならず、また発熱開始温度は実施例3よりは低温側であるものの、比較例4に比べて高温となっており、深い充電状態において加熱された場合の反応速度が抑制されていることが確認された。
実施例5
粉末R1のかわりに粉末Aを、充電正極合剤が濡れるように注入した非水電解質溶液としてECとDMCとEMCとの30:35:35混合液にLiClO4を1モル/リットルとなるように溶解したものをそれぞれ用いた以外は比較例4と同様にして密閉型DSC測定を行った。発熱挙動はスパイク状とはならず、また発熱開始温度は実施例3よりは低温側であるものの、比較例4に比べて高温となっており、深い充電状態において加熱された場合の反応速度が抑制されていることが確認された。
実施例6
粉末R1のかわりに粉末Aを、充電正極合剤が濡れるように注入した非水電解質溶液としてDMCと2,2,3,3−テトラフルオロプロピルジフルオロメチルエーテルとの50:50混合液にLiClO4を1モル/リットルとなるように溶解したものをそれぞれ用いた以外は比較例4と同様にして密閉型DSC測定を行った。発熱挙動はスパイク状とはならず、また発熱開始温度は比較例4および実施例5に比べて高温となっており、深い充電状態において加熱された場合の反応速度が抑制されていることが確認された。
実施例7
粉末R1のかわりに粉末Aを、充電正極合剤が濡れるように注入した非水電解質溶液として、DMCと2,2,3,3−テトラフルオロプロピルジフルオロメチルエーテルとの50:50混合液にLiPF6を1モル/リットルとなるように溶解したものをそれぞれ用いた以外は比較例4と同様にして密閉型DSC測定を行った。発熱挙動はスパイク状とはならず、また発熱開始温度は実施例6に比べて高温となっており、深い充電状態において加熱された場合の反応速度が抑制されていることが確認された。
実施例8
水酸化アルミニウム〔Al(OH)3:高純度化学研究所株式会社、試薬3Nグレード〕4.06g、水酸化リチウム一水塩(LiOH・H2O:和光純薬工業株式会社、試薬特級グレード)17.62gと三酸化二ニッケル(Ni23:林純薬工業株式会社、ニッケル含有量67.7%)30.17gをアルミナボールを用いたボールミルで乾式混合し、アルミナ炉心管を使用した管状炉に入れて酸素気流中において720℃で15時間焼成した。このときアルミニウムのアルミニウムとニッケルとの和に対するモル比xは0.13となるようにした。
粉末R1のかわりに得られた粉末(以下、粉末Cとよぶ)を、充電正極合剤が濡れるように注入した非水電解質溶液として、DMCと2,2,3,3−テトラフルオロプロピルジフルオロメチルエーテルとの50:50混合液にLiPF6を1モル/リットルとなるように溶解したものをそれぞれ用いた以外は比較例4と同様にして密閉型DSC測定を行った。発熱挙動はスパイク状とはならず、また発熱開始温度は実施例7よりもさらに高温となっており、深い充電状態において加熱された場合の反応速度が特に抑制されていることが確認された。
実施例および比較例における放電容量のサイクル変化を示す図。

Claims (8)

  1. リチウムイオンをドープ・脱ドープ可能な材料を活物質として含む正極と、リチウム金属、リチウム合金またはリチウムイオンをドープ・脱ドープ可能な材料を活物質として含む負極と、液体または固体の電解質とを有するリチウム二次電池において、前記正極の活物質として、アルミニウムを含むニッケル酸リチウムを用い、かつ該アルミニウムを含むニッケル酸リチウムにおいてアルミニウムのアルミニウムとニッケルとの和に対するモル比xが0.10<x<0.20であり、液体または固体の電解質が、フッ素を化学式中に有する化合物を含む電解質であることを特徴とするリチウム二次電池。
  2. リチウムイオンをドープ・脱ドープ可能な材料を活物質として含む正極と、リチウム金属、リチウム合金またはリチウムイオンをドープ・脱ドープ可能な材料を活物質として含む負極と、液体または固体の電解質とを有するリチウム二次電池において、前記正極の活物質として、アルミニウムを含むニッケル酸リチウムを用い、かつ該アルミニウムを含むニッケル酸リチウムにおいてアルミニウムのアルミニウムとニッケルとの和に対するモル比xが0.10<x<0.20であり、液体または固体の電解質が、LiPF6、LiBF4、LiCF3SO3、LiN(CF3SO22、LiC(CF3SO23からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む電解質であることを特徴とするリチウム二次電池。
  3. リチウムイオンをドープ・脱ドープ可能な材料を活物質として含む正極と、リチウム金属、リチウム合金またはリチウムイオンをドープ・脱ドープ可能な材料を活物質として含む負極と、液体または固体の電解質とを有するリチウム二次電池において、前記正極の活物質として、アルミニウムを含むニッケル酸リチウムを用い、かつ該アルミニウムを含むニッケル酸リチウムにおいてアルミニウムのアルミニウムとニッケルとの和に対するモル比xが0.10<x<0.20であり、液体または固体の電解質が、フッ素置換基を有する有機溶媒を含む電解質であることを特徴とするリチウム二次電池。
  4. アルミニウムを含むニッケル酸リチウムが、リチウム化合物、ニッケル化合物、およびアルミニウムもしくはアルミニウム化合物を混合して焼成することによって得られたものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のリチウム二次電池。
  5. アルミニウムを含むニッケル酸リチウムが、アルミニウム化合物と水溶性リチウム化合物とを含む水溶液にニッケル化合物を分散させた後、水分を蒸発させて、得られた混合物を酸素を含む雰囲気下で焼成することにより得られたものであることを特徴とする請求項4記載のリチウム二次電池。
  6. 水溶性リチウム化合物が硝酸リチウムであり、ニッケル化合物が塩基性炭酸ニッケルであることを特徴とする請求項5記載のリチウム二次電池。
  7. アルミニウムを含むニッケル酸リチウムが、水酸化リチウムとニッケル化合物とアルミニウム化合物とを乾式混合した後、得られた混合物を酸素を含む雰囲気下で焼成することにより得られたものであることを特徴とする請求項4記載のリチウム二次電池。
  8. ニッケル化合物が三酸化二ニッケルであることを特徴とする請求項7記載のリチウム二次電池。
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