JP2008196584A - 負荷感応型モータ - Google Patents

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Abstract

【課題】小型軽量でありながら、高速と高トルクの両駆動に支障なく柔軟に適応できるモータを提供する。
【解決手段】モータ3の回転速度を一定に保持しながら、変速機構の変速比が自動的に変化する負荷感応型モータである。複数の遊星部材18を有する遊星回転体8を備える。遊星部材18が傾動することによって変速比が変化する。遊星部材18は、ロータ6と回転出力体7と押付体11とで3点支持されており、移動体10がスライド変位することで傾動する。移動体10は、押付体11と同期して回動変位する。回転出力体7が外部から負荷を受けると、押付体11が回動変位し、それにともなって移動体10も回動変位する。移動体10が回動変位すると、圧力ピン23が凹部10e内を相対変位し、移動体10がスライド変位する。
【選択図】図3

Description

本発明は、モータの回転速度を一定に保持しながら、外部から受ける負荷に連動して、変速比を自動的に変化させる負荷感応型モータに関する。この負荷感応型モータは、たとえば、ロボットの車輪などに好適である。これを適用したロボットであれば、平坦地は速く走ることができ、負荷のかかる上り坂などはトルクを増大して移動できる。
近年、二足歩行可能なロボットや、傾斜面や段差があっても自在に移動できるロボットなど、多種多様なロボットが開発されている。これらロボットの駆動機構には、変速機構を備えたモータが多用されている。
変速機構を備えたモータとしては、たとえば、変速比が一定の変速機を有し、モータ出力の制御によって、速度変化に応じたトルク出力の制御を可能とするモータ出力制御型式のモータが一般的である。しかし、この種のモータはそのモータ特性に頼るところが大きいため、高速駆動に適したモータでは高トルク駆動時に負荷がかかって発熱し易く、高トルク駆動に適したモータでは回転速度が上がり難い問題があった。その一方で、高速と高トルクの両駆動に適応できるようにモータを改良すると、大型化して駆動効率が低下するという問題があったため、高速と高トルクの両駆動に支障なく柔軟に適応できる小型軽量なモータが要望されていた。
変速機構に関し、負荷トルクに応じて自動的に変速動作を行う無段変速機が提案されている(特許文献1)。
そこで示されている無段変速機は、モータの駆動軸に固定された太陽ギヤと、この太陽ギヤの周りを自転および公転する複数の遊星ギヤなどで構成される遊星回転機構を備えている。各遊星ギヤの自転軸には、円錐形状をした変速子が固定されている。これら変速子の傾斜面に、出力軸と同軸に設けられた円筒体の一端周縁が圧接されている。そして、円筒体の他端側に、トルク変換機構を介して駆動軸と同軸の出力軸が連結されている。トルク変換機構は、一対の平板と、複数の球体とで構成されている。平板の対向面には、対向状に球面状の穴が複数形成されている。各球体は、その穴に嵌め込まれた状態で両平板間に挟持されている。
出力軸に負荷が作用すると、両平板の位置がずれて球体が穴内を移動し、両平板間の隙間を押し広げる。それに伴い、円筒体が軸方向に移動して変速子の傾斜面に押し付けられ、円筒体が弾性変形し、その径が大きくなる。その結果、円筒体と変速子との接点の半径方向の位置が広がって円筒体の回転数が変化する。つまり、この無段変速機は、円筒体の弾性変形を利用して、これに圧接する変速子の半径を大小に変化させることで変速比を変化させている。
特開2002−276759号公報
しかし、特許文献1の無段変速機は、モータと別体に構成されているため、構造上、モータを含めた全体の大きさを小型化するには課題が多い。また、円筒体は弾性変形を繰り返すため、経時的に劣化するおそれがあり、耐久性の面でも不利がある。
そこで、本発明は前記問題点に鑑み、小型軽量でありながら、高速と高トルクの両駆動に支障なく柔軟に適応できる負荷感応型モータを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の本発明にかかる負荷感応型モータは、固定軸まわりに回転自在に支持されたロータを含み、前記ロータを回転駆動するモータと、前記ロータの外側に配置されて、前記固定軸まわりに回転自在に支持される円筒状の回転出力体と、前記回転出力体が外部から受ける負荷に連動して、前記回転出力体と前記ロータとの間の変速比を変化させて前記ロータの回転を前記回転出力体に伝える変速機構と、を備え、前記モータの回転速度は保持しながら、前記変速機構の変速比が自動的に変化することを特徴とする。
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の負荷感応型モータであって、前記ロータが、前記固定軸を軸に回転する円筒形状をした支持部を有し、前記変速機構が、前記支持部と前記回転出力体との間に配される遊星部材であって、前記固定軸まわりに公転可能であるとともに自転可能な遊星部材、を複数有する遊星回転体と、前記固定軸の軸方向に沿って前記回転出力体に隣接配置された押付体と、を含み、前記遊星部材が、前記固定軸に対して径方向に傾動可能な状態で前記遊星回転体に支持されるとともに、前記回転出力体と、前記ロータの支持部と、前記押付体と、で挟持されており、前記回転出力体が外部から受ける負荷に連動して、前記遊星部材を傾動変位させる傾動機構が設けられていることを特徴とする。
請求項3に記載の本発明は、請求項2に記載の負荷感応型モータであって、前記傾動機構が、前記遊星回転体に対して前記ロータと対向配置されて、前記固定軸の軸方向にスライド変位可能に支持されるとともに、前記固定軸まわりに回動変位可能な移動体と、前記移動体をスライド変位させるスライド機構と、を含み、前記移動体の前記遊星回転体側に、前記固定軸を中心とする環状の傾斜面を有する傾動誘導部が形成されており、前記傾斜面は、前記遊星回転体側から離れるに従って前記固定軸に沿って前記固定軸側に下り傾斜しており、前記遊星回転体が、前記固定軸に回転自在に支持された遊星部材支持体と、前記遊星部材支持体を貫通する支持孔に挿入されて、前記遊星部材支持体の両側に端部をそれぞれ突出した状態で支持された支持ピンと、を含み、前記ロータ側の前記支持ピンの一端に、前記遊星部材が回転自在に支持されており、前記移動体側の前記支持ピンの他端に、前記傾動誘導部と係合する係合部が形成されており、前記回転出力体が外部から負荷を受けると、前記スライド機構によって前記移動体が前記遊星回転体側にスライド変位し、それにともなって前記支持ピンの前記係合部が前記傾動誘導部の傾斜面に誘導されて前記支持ピンが傾動することにより、前記遊星部材が傾動することを特徴とする。
請求項4に記載の本発明は、請求項3に記載の負荷感応型モータであって、前記スライド機構が、前記固定軸に沿って前記移動体の前記傾動誘導部の反対側に形成された曲面状の凹部と、前記固定軸に固定されて、前記凹部に先端が接触する圧力ピンと、を含み、前記移動体が、前記圧力ピン側に押し出し付勢されており、前記押付体は、前記移動体に連動して前記固定軸まわりに回動変位するとともに、前記遊星部材側に押し出し付勢されており、前記回転出力体が外部から負荷を受けると、前記押付体が回動変位し、それと連動して前記移動体が回動変位し、前記圧力ピンの先端が凹部内を変位することで、前記移動体が、前記固定軸に沿って前記遊星回転体側にスライド変位することを特徴とする。
請求項5に記載の本発明は、請求項3または請求項4に記載の負荷感応型モータであって、前記傾動誘導部が、前記固定軸を中心に形成されて、前記遊星回転体側から離れるに従って前記固定軸に沿って前記固定軸側に下り傾斜する環状の傾斜溝からなり、前記支持ピンの前記係合部は、支持ピンよりも軸径が小さい小軸部を介して先端に形成された球体形状の球体部を有し、前記球体部が前記傾斜溝内に挿入されていることを特徴とする。
請求項6に記載の本発明は、請求項3ないし請求項5のいずれかに記載の負荷感応型モータであって、前記遊星部材支持体に形成された前記支持孔が、前記支持ピンの径方向への傾動のみを許すように、前記固定軸に対して径方向に長孔状に形成されていることを特徴とする。
請求項7に記載の本発明は、請求項4ないし請求項6のいずれかに記載の負荷感応型モータであって、前記移動体が、バネによって、前記圧力ピン側に押し出し付勢されており、前記バネの設定によって、前記変速機構の調整を可能としたことを特徴とする。
請求項8に記載の本発明は、請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の負荷感応型モータであって、前記回転出力体と一体に、円筒形状の変速機出力軸が固定されており、前記変速機出力軸の内側に、前記モータと、前記変速機構と、が収納されていることを特徴とする。
請求項9に記載の本発明は、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の負荷感応型モータであって、一個の前記モータと、一対の前記変速機構と、を備え、前記固定軸に沿って前記モータの両側に前記変速機構が対向配置されていることを特徴とする。
モータの回転速度を一定に保持しながら、回転出力体が外部から受ける負荷に連動して、変速機構の変速比を自動的に変化させるようにすることで、モータを効率よく利用できるうえ、モータに過度な負荷がかからず、熱の発生を抑えることができる。
変速機構に、回転出力体とロータおよび押付体で3点支持された複数の遊星部材を利用し、回転出力体が外部から受ける負荷に連動して、遊星部材を傾動変位させる傾動機構を設けることで、モータの駆動力を効率よく回転出力体に伝達することができ、外部から受ける負荷に連動して変速比を自動的に変化させることができる。耐久性にも優れ、容易に小型軽量化を図ることができる。
傾動機構を移動体や、移動体をスライド変位させるスライド機構などで構成し、移動体に形成した傾斜面を有する傾動誘導部に、遊星部材を支持する支持ピンの係合部を係合させ、スライド機構によって移動体がスライド変位するのにともなって、係合部が傾斜面に誘導されて支持ピンが傾動するようにすることで、遊星部材を効率よく傾動させることができる。各パーツをコンパクトに配置することができ、小型軽量化を図ることができる。
スライド機構を凹部と、これに接触する圧力ピンなどで構成し、回転出力体が外部から負荷を受けると、押付体と連動して移動体が回動変位し、圧力ピンが凹部内を変位することで、移動体がスライド変位するようにしてあると、外部からの負荷に連動して、自動的に移動体をスライド変位させることができる。
傾動誘導部を傾斜溝に挿入された支持ピンの球体部などで構成することで、確実かつ高精度に複数の遊星部材を傾動させることができる。
支持ピンを支持する支持孔を、径方向への傾動のみを許すように長孔状に形成してあると、遊星回転体が回転しても、周方向へ支持ピンががたつくことがなく、耐久性に優れる。
移動体をバネで圧力ピン側に押し出し付勢し、このバネの設定によって、変速機構の調整を可能とすることで、変速比の調整が簡単にできる。
回転出力体と一体に変速機出力軸を固定し、この変速機出力軸の内側にモータや、変速機構などが収納されていると、コンパクトであり、小型軽量化に優れる。
一個のモータ両側に変速機構を対向配置することで、バランスがよくなり、変速効率を向上させることができる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。図1に、本発明にかかる負荷感応型モータを示す。
図1に示すように、負荷感応型モータの外観は、小型横長の円筒形状をしている。負荷感応型モータの外周部分が変速機出力軸1であり、この変速機出力軸1が、固定軸2まわりに回転する。
このように、本発明の負荷感応型モータは、モータ3や変速機構等が変速機出力軸1の内側にコンパクトに収納されて小型軽量化が図られており、極めてシンプルな外観形状となっている。そして、たとえば、変速機出力軸1の外周に車輪を装着して、負荷感応型モータの両端から外方に臨む固定部5をロボット側に固定すれば、直にロボットの車輪として活用できる。
図2および図3に、この負荷感応型モータの内部構造を示す。図2は、負荷感応型モータの主要なパーツを示したものである。負荷感応型モータは、中空シャフトからなる固定軸2を備え、この固定軸2の軸方向中間にロータ6を備えた一個のモータ3が固定される。ロータ6の周方向外側には、円筒形状をした回転出力体7が配置される。そして、ロータ6の軸方向両側には、変速機構を構成する一対の遊星回転体8・8が配置される。
各遊星回転体8の軸方向外側には、変速機構を構成する移動体10や、押付体11、固定部5などが配置される。そして、変速機出力軸1が、これら各パーツの周方向外側に配置されて、回転出力体7にボルトで一体に固定される。なお、図2では、対向状に組み付けられる同じパーツについては一部省略して示してある。
本実施の形態における負荷感応型モータは、図3に示すように、一個のモータ3の両側に、変速機構を構成する各パーツや、変速機出力軸1が、固定軸2に沿って対向状に配置されている。変速機構をモータ3の両側に配置することで、バランスに優れ、変速効率や回転安定性の向上に役立っている。なお、図3における固定軸2の軸心に対する上下の構造は上下対称であるが、ここでは説明の便宜上それぞれ異なる動作状態を示しており、上側は軽負荷の高速低トルク駆動時の状態を、下側は高負荷の低速高トルク駆動時の状態を示している(以下、軽負荷時、高負荷時という)。
次に、負荷感応型モータの構成について詳しく説明する。軸方向や径方向などの表現は、とくに示さない限り組み付け状態での固定軸2を基準とする。
モータ3は、図3に示すように、ロータ6や、ロータ6の内部に収容される複数のマグネット12、ステータ14、基板15などで構成されている。
ロータ6は、略円筒形状をしており、大径の主壁部6aと、軸方向に沿って主壁部6aの両側に連なる側壁部6bと、側壁部6bに連なって固定軸2に沿う小径の支持部6cとを備える。ロータ6は、両支持部6cの固定軸2側の周面がベアリングを介して固定軸2に取り付られて、固定軸2まわりに回転自在に支持されている。各ベアリングの軸方向外側には、オイルシール部16が設けられ、ロータ6の周囲に注入されているトラクションオイルのロータ6内部への侵入を阻止している。
各マグネット12は、主壁部6aの内周面に固定されている。ステータ14は、ティース部に巻回された複数のコイルを有し、固定軸2の外周に固定されている。各マグネット12とステータ14は、対向配置されていて、ステータ14に電源が供給されて発生する回転磁場により、ロータ6は固定軸2まわりに回転駆動する。基板15には、マグネットの磁極を検出してロータ6の回転位置を検出するホール素子などの位置検出素子や制御回路、電源供給配線が設けられており、起動時や停止時を除けば、モータ3が最も性能を発揮できる所定の一定速度で回転するように設定されている。外部からの配線は、固定軸2の内部を通じて行われる。なお、基板15には制御回路を設けず、これを外部に配置することも可能である。
回転出力体7は、ロータ6の主壁部6aよりも一回り大径の円筒形状をしており、その両端にはテーパー部7aを備えている。テーパー部の内周側には、軸方向外側に向かって拡開状に傾斜する出力面7bが全周にわたって形成されている。両テーパー部7aの出力面7bは、それぞれロータ6の支持部6cの外周面と対向している。
そして、この回転出力体7のテーパー部7aと、ロータ6の支持部6cとの間に、ロータ6の回転を回転出力体7に伝える遊星回転体8や移動体10等で構成される変速機構が設けられている。
遊星回転体8は、図4に示すように、複数の遊星部材18(ここでは6個)と、これら遊星部材18を支持ピン19により支持する遊星部材支持体20などで構成されている。
遊星部材支持体20は、環状の基部20aから径方向に放射状に形成された複数(ここでは6本)の支持腕20bを有し、基部20aの内周に取り付けられたベアリングを介して固定軸2に回転自在に支持されている。各支持腕20bには軸方向に貫通する支持孔22が形成されている。支持孔22の内径は、支持ピン19の外径とほぼ同寸であり、支持腕20bに沿って径方向に延びる長孔状に形成されている。これら支持孔22に支持ピン19が挿入されていて、軸方向へのスライド変位を除けば、支持ピン19は径方向への傾動のみが許されるように支持されている。したがって、遊星回転体8が回転しても、支持ピン19は周方向にがたつかないため、耐久性に優れる。
支持ピン19は、支持腕20bの軸方向の両側にその端部を突出した状態で支持されており、その一端に、外周面が湾曲状に膨出した太鼓形の遊星部材18が回転自在に支持されている。各遊星部材18は、ロータ6の支持部6cと回転出力体7のテーパー部7aとの間に配置されて、ロータ6の回転を回転出力体7に伝える機能を果たしており、固定軸2まわりに公転可能であるとともに、自転可能である。支持ピン19の他端には、その軸径よりも小さい括れた小軸部19aを介して球体状の球体部19bが先端に形成されている(係合部)。各支持ピン19は、この球体部19bを介して移動体10に係合している。
移動体10は、図3に示すように、遊星回転体8に対してロータ6と対向配置されており、図5および図6に示すように、円柱形状のスライド軸部10aと、スライド軸部10aの遊星回転体8側に大径に形成された大径段部10bとを備えている。スライド軸部10aの軸方向中心に形成された貫通孔10cに固定軸2が挿入されていて、移動体10は、固定軸2の軸方向にスライド変位可能であるとともに、固定軸2まわりに所定の範囲で回動変位可能に支持されている。
大径段部10bの遊星回転体8側の壁面には、支持ピン19と係合する傾動誘導部が形成されている。傾動誘導部は、図3に示すように、固定軸2を中心に形成された環状の傾斜溝10dからなり、傾斜溝10dの溝幅は、支持ピン19の球体部19bの直径よりもわずかに大きく形成されている。傾斜溝10dは、同じ溝幅で大径段部10b内に掘り込まれており、遊星回転体8側から離れるにしたがって、固定軸2に沿って固定軸2側に下り傾斜している。この傾斜溝10d内に、支持ピン19の球体部19bが挿入されており、移動体10が軸方向にスライド変位すると、それにともなって球体部19bが傾斜溝10d内を変位する。傾斜溝10dからなる傾動誘導部によって、球体部19bを確実に誘導案内することができ、高精度で支持ピン19の姿勢制御ができるようになっている。
移動体10の傾動誘導部の反対側に位置するスライド軸部10aの側端壁には、図5および図6に示すように、周方向に沿って曲面状に凹む底浅の凹部10eが、貫通孔10cのまわりの複数箇所(ここでは4箇所)に等間隔で形成されている。この凹部10eに、後述する圧力ピン23の先端が圧接する。
スライド軸部10aは、固定軸2に沿って形成されて、大径段部10b側の固定軸2まわりに開口する中空の中空部10fを有する(図3参照)。中空部10fには、コイルバネからなる第2バネ24が取り替え可能に収容されており、この第2バネ24によって、移動体10は軸方向に沿って圧力ピン23側に押し出し付勢されている。
押付体11は、移動体10の大径段部10bよりも一回り大径の円筒形状をしており、移動体10の大径段部10bの外側に装着されて、回転出力体7に隣接配置されている。押付体11は、軸方向にスライド変位可能であるとともに、固定軸2まわりに回動変位可能に支持されている。押付体11は、移動体10に同期して回動変位する。
押付体11の遊星回転体8側の端縁には、内周側の全周にわたって、軸方向外側に向かって拡開状に傾斜する押付面11aが形成されている。押付体11は、他端縁からコイルバネからなる第1バネ25によって遊星回転体8側に押し出し付勢されている。
その結果、図3および図7に示すように、各遊星部材18は、ロータ6の支持部6cの外周面と、回転出力体7の出力面7bと、押付体11の押付面11aとの3点に圧接した状態(3点支持)で挟持されている。そして、常態においては、支持ピン19が固定軸2に対して略水平に保持されるように姿勢制御されている(図3における低負荷時)。なお、回転出力体7は、両側の第1バネ25から両端の出力面7bを介して軸方向内側かつ径方向外側へ押し付けられることにより、固定軸2まわりに回転自在に支持されている。
固定部5は、略円柱形状のパーツであり、移動体10の軸方向外側に配置されて、負荷感応型モータの両端から外方に臨んでいる。固定部5は、その中心に形成された貫通孔に固定軸2が挿入されて、固定軸2と一体に固定されている。固定部5の移動体10側には、図3、図6に示すように、移動体10の凹部10eに対応して円柱状の圧力ピン23が4本固定されており、その先端が移動体10の各凹部10eと接触している。圧力ピン23は、常態では凹部10eの周方向中心(最深部)に位置しており、移動体10および押付体11の回動変位にともなって、凹部10e内の周方向端部(最浅部)まで相対的に変位する。ちなみに、本実施の形態では、移動体10の回動変位可能な範囲は、最深部から両最浅部まで±20°となっている。また、固定部5の外周壁には、ベアリングを介して変速機出力軸1が回転自在に支持されている。
次に、動作について説明する。負荷感応型のモータは、モータ3の回転速度を一定に保持しながら、外部からの負荷に応じて変速比が自動的に変動するところに特徴がある。たとえば、車輪の軸部に用いた場合、負荷の小さい平坦地は低トルクで速く走り、負荷の大きい上り坂などになると、自動的に変速比が変化して、高トルクでモータに負担を与えることなく移動できる。
変速比の変化は、遊星部材18を中心とした変速機構によって制御されている。すなわち、変速比は、図7に示すように、押付体11の押付面11aの圧接点から支持ピン19の軸芯までの圧接点間距離L1と、回転出力体7の出力面7bの圧接点から支持ピン19の軸芯までの圧接点間距離L2の差によって規定されており、この圧接点間距離の差は、遊星部材18が軸方向にそって傾動することによって変化する。たとえば、図3において、低負荷時には、遊星部材18は固定軸2に対して略水平に支持されており、モータ3は回転出力体7を高速低トルクで駆動しているが、高負荷時には、遊星部材18が傾動して圧接点間距離の差が小さくなり、モータ3は回転出力体7を低速高トルクで駆動する。
回転出力体7が外部から受ける負荷に連動して変速比が自動的に変化するように、遊星部材の姿勢を制御する傾動機構が設けられている。傾動機構は、支持ピン19の球体部19bと、これに係合する移動体10の傾斜溝10dなどで構成されている。
たとえば図3の低負荷時のように、常態では、移動体10は第2バネ24の付勢力によって圧力ピン23側へ押し付けられて、遊星回転体8から最も離れた位置にあり、そのとき、傾斜溝10d内に挿入された球体部19bは傾斜溝10dの開口部近くに位置している。そして、図3の高負荷時のように、移動体10が軸方向にそってスライド変位して遊星回転体8側に近づくと、球体部19bが傾斜溝10dに案内誘導されて傾斜溝10dの深部へ入り込み、支持ピン19が径方向に傾動するのにともない、遊星部材18のロータ6側が径方向外側へ傾動するのである。
移動体10は、これの凹部10eと、圧力ピン23などで構成されたスライド機構により、回転出力体7の負荷に連動してスライド変位する。たとえば、低負荷時に、回転出力体7が負荷を受ける、つまり負荷が増大すると、図3の高負荷時側の状態図で示す高負荷時のように、移動体10は遊星回転体8側にスライド変位する。そして、回転出力体7の負荷が減少すると、移動体10は、遊星回転体8から離れる方向にスライド変位し、常態に戻るようになっている。
次に、図8を用いてスライド機構について、詳しく説明する。図8の左側の図は、遊星部材18周辺の回転駆動状態を示しており、右側の図は、左側の図に対応した移動体10の凹部10eと圧力ピン23の状態を示している。いずれも軸方向から見た概念図である。
図8において、ロータ6の支持部6cが反時計回りに回転しているとすると、その駆動力により、遊星部材18は、反時計まわりに公転するとともに、時計回りに高速で自転している。そして、その遊星部材18の駆動力によって、回転出力体7は時計まわりに回転する。押付体11は、所定の範囲で回動変位は可能ではあるものの回転できないため、所定の位置で止まっている。
図8の(a)は図3の低負荷時の状態を示しており、この状態下では、圧力ピン23の先端は凹部10eの最深部に接触していて、移動体10は遊星回転体8から離れた位置にある。そこに、外部から負荷を受けると、回転出力体7が停止しようとするため、図8の(b)に示すように、その反作用によって押付体11は、反時計まわりへ回転変位する。移動体10は、押付体11に同期して回動変位するため、同右図に示すように、凹部10eも回動変位する。そうすると、凹部10eに接触している圧力ピン23の先端が凹部10eの最深部から最浅部側に変位するため、第2バネ24の付勢力に抗して移動体10が遊星回転体8側にスライド変位する。
圧力ピン23の凹部10e内での相対変位量は、第2バネ24の付勢力によって規定されている。たとえば、第2バネ24の付勢力を強くすると、変速比が変化し難くできる。したがって、第2バネ24を取り替えて負荷感応状態を調整することができ、状況に応じて対応できる。
以上のように、回転出力体7が外部から負荷を受けると、その負荷に連動して、押付体11と移動体10とが回動変位し、それによって移動体10が遊星回転体8側にスライド変位する。移動体10が遊星回転体8側にスライドすると、支持ピン19の球体部19bが移動体10の傾斜溝10dに誘導されて支持ピン19および遊星部材18が傾動する。そして、遊星部材18の姿勢が変わることで変速比が自動的に変化するようになっている。したがって、本発明の負荷感応型モータによれば、小型軽量でありながら、高速と高トルクの両駆動に支障なく柔軟に適応することができる。
モータ3の片側にだけ変速機構を設け、一つのモータ3に対して一つの変速機構を備える構成であってもよい。
傾動誘導部は、必ずしも傾斜溝10dでなくてもよい。たとえば、大径段部10bに、固定軸2を中心とした環状の傾斜面を形成する。そして、傾斜面が遊星回転体8側から離れるにしたがって、固定軸2に沿って固定軸2側に下り傾斜するように構成する。そして、この傾斜面に支持ピン19の球体部19bを常接させ、傾動案内させる。
本発明の負荷感応型モータの外観を示す斜視図である。 本発明の負荷感応型モータの分解断面図である。 本発明の負荷感応型モータの側面断面図である。 遊星回転体を示す図である。 移動体を示す図である。 移動体を示す斜視図である。 変速比を説明するための要部を示す部分断面図である。 スライド機構を説明するための図である。
符号の説明
1 変速機出力軸
2 固定軸
3 モータ
5 固定部
6 ロータ
6c 支持部
7 回転出力体
8 遊星回転体
10 移動体
10d 傾斜溝
10e 凹部
11 押付体
18 遊星部材
19 支持ピン
19b 球体部
20 遊星部材支持体
22 支持孔
23 圧力ピン
24 第2バネ
25 第1バネ

Claims (9)

  1. 固定軸まわりに回転自在に支持されたロータを含み、前記ロータを回転駆動するモータと、
    前記ロータの外側に配置されて、前記固定軸まわりに回転自在に支持される円筒状の回転出力体と、
    前記回転出力体が外部から受ける負荷に連動して、前記回転出力体と前記ロータとの間の変速比を変化させて前記ロータの回転を前記回転出力体に伝える変速機構と、
    を備え、
    前記モータの回転速度は保持しながら、前記変速機構の変速比が自動的に変化することを特徴とする負荷感応型モータ。
  2. 請求項1に記載の負荷感応型モータであって、
    前記ロータが、前記固定軸を軸に回転する円筒形状をした支持部を有し、
    前記変速機構が、
    前記支持部と前記回転出力体との間に配される遊星部材であって、前記固定軸まわりに公転可能であるとともに自転可能な遊星部材、を複数有する遊星回転体と、
    前記固定軸の軸方向に沿って前記回転出力体に隣接配置された押付体と、
    を含み、
    前記遊星部材が、前記固定軸に対して径方向に傾動可能な状態で前記遊星回転体に支持されるとともに、前記回転出力体と、前記ロータの支持部と、前記押付体と、で挟持されており、
    前記回転出力体が外部から受ける負荷に連動して、前記遊星部材を傾動変位させる傾動機構が設けられていることを特徴とする負荷感応型モータ。
  3. 請求項2に記載の負荷感応型モータであって、
    前記傾動機構が、
    前記遊星回転体に対して前記ロータと対向配置されて、前記固定軸の軸方向にスライド変位可能に支持されるとともに、前記固定軸まわりに回動変位可能な移動体と、
    前記移動体をスライド変位させるスライド機構と、
    を含み、
    前記移動体の前記遊星回転体側に、前記固定軸を中心とする環状の傾斜面を有する傾動誘導部が形成されており、
    前記傾斜面は、前記遊星回転体側から離れるに従って前記固定軸に沿って前記固定軸側に下り傾斜しており、
    前記遊星回転体が、
    前記固定軸に回転自在に支持された遊星部材支持体と、
    前記遊星部材支持体を貫通する支持孔に挿入されて、前記遊星部材支持体の両側に端部をそれぞれ突出した状態で支持された支持ピンと、
    を含み、
    前記ロータ側の前記支持ピンの一端に、前記遊星部材が回転自在に支持されており、
    前記移動体側の前記支持ピンの他端に、前記傾動誘導部と係合する係合部が形成されており、
    前記回転出力体が外部から負荷を受けると、前記スライド機構によって前記移動体が前記遊星回転体側にスライド変位し、それにともなって前記支持ピンの前記係合部が前記傾動誘導部の傾斜面に誘導されて前記支持ピンが傾動することにより、前記遊星部材が傾動することを特徴とする負荷感応型モータ。
  4. 請求項3に記載の負荷感応型モータであって、
    前記スライド機構が、
    前記固定軸に沿って前記移動体の前記傾動誘導部の反対側に形成された曲面状の凹部と、
    前記固定軸に固定されて、前記凹部に先端が接触する圧力ピンと、
    を含み、
    前記移動体が、前記圧力ピン側に押し出し付勢されており、
    前記押付体は、前記移動体に連動して前記固定軸まわりに回動変位するとともに、前記遊星部材側に押し出し付勢されており、
    前記回転出力体が外部から負荷を受けると、前記押付体が回動変位し、それと連動して前記移動体が回動変位し、前記圧力ピンの先端が凹部内を変位することで、前記移動体が、前記固定軸に沿って前記遊星回転体側にスライド変位することを特徴とする負荷感応型モータ。
  5. 請求項3または請求項4に記載の負荷感応型モータであって、
    前記傾動誘導部が、前記固定軸を中心に形成されて、前記遊星回転体側から離れるに従って前記固定軸に沿って前記固定軸側に下り傾斜する環状の傾斜溝からなり、
    前記支持ピンの前記係合部は、支持ピンよりも軸径が小さい小軸部を介して先端に形成された球体形状の球体部を有し、
    前記球体部が前記傾斜溝内に挿入されていることを特徴とする負荷感応型モータ。
  6. 請求項3ないし請求項5のいずれかに記載の負荷感応型モータであって、
    前記遊星部材支持体に形成された前記支持孔が、前記支持ピンの径方向への傾動のみを許すように、前記固定軸に対して径方向に長孔状に形成されていることを特徴とする負荷感応型モータ。
  7. 請求項4ないし請求項6のいずれかに記載の負荷感応型モータであって、
    前記移動体が、バネによって前記圧力ピン側に押し出し付勢されており、
    前記バネの設定によって、前記変速機構の調整を可能としたことを特徴とする負荷感応型モータ。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の負荷感応型モータであって、
    前記回転出力体と一体に、円筒形状の変速機出力軸が固定されており、
    前記変速機出力軸の内側に、前記モータと、前記変速機構と、が収納されていることを特徴とする負荷感応型モータ。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の負荷感応型モータであって、
    一個の前記モータと、
    一対の前記変速機構と、
    を備え、
    前記固定軸に沿って前記モータの両側に前記変速機構が対向配置されていることを特徴とする負荷感応型モータ。
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