JP2008196564A - 無段変速機の油圧制御装置 - Google Patents

無段変速機の油圧制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】アイドリング時やクリープトルクによる発進時などの動力源による発生油圧が低い場合であっても、電磁制御弁による制御応答性の低下を防止することのできる油圧制御装置を提供する。
【解決手段】動力源によって駆動されるとともに、圧油を相互に授受可能に連通された2つの可変容量型油圧ポンプモータと、各油圧ポンプモータの間の油圧を調圧可能な電磁制御弁とを備え、出力部材に伝達されるトルクが各油圧ポンプモータの容量と油圧とに応じて変化する無段変速機の油圧制御装置において、油圧ポンプモータの目標容量と、油圧ポンプモータの目標軸トルクとに基づいて電磁制御弁により調圧する目標油圧を設定する目標油圧設定手段(ステップS15〜S17)と、目標油圧設定手段により設定された目標油圧に基づいて油圧ポンプモータを制御するポンプモータ制御手段(ステップS16〜S19)とを備えている。
【選択図】図1

Description

この発明は、油圧を利用して動力を伝達することにより変速比を連続的に変化させることのできる無段変速機に関し、特にその油圧を制御する装置に関するものである。
エンジンなどの動力装置によって油圧ポンプを駆動し、その油圧ポンプで発生した圧油を油圧モータに供給すれば、油圧を介して動力を伝達することができ、またその油圧を制御することにより、伝達するトルクもしくは動力を適宜に、また連続的に変化させることができる。すなわち、油圧を利用して動力を伝達するとともに、変速比を連続的に変更可能な無段変速機を構成することができる。その一例が特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載されている車両用油圧式無段変速機は、エンジンにより駆動される可変容量型の油圧ポンプと、その油圧ポンプからの油圧力を受けて駆動される可変容量型の油圧モータとを有し、油圧モータの駆動力を受けて車両が走行駆動されるように構成されている。
その車両用油圧式無段変速機の制御装置は、可変容量型の油圧ポンプおよび油圧モータの容量を目標容量に制御するもので、油圧ポンプおよび油圧モータの容量と変速比に相当する油圧ポンプおよび油圧モータの見かけ容量との差が所定値以上のときに、エンジン回転数が目標エンジン回転数に追従するように油圧ポンプおよび油圧モータの可変容量制御が行われるようになっている。そしてこの特許文献1には、変速制御コントロールユニットからの制御信号により作動制御されるポンプ用リニアソレノイドバルブおよびモータ用リニアソレノイドバルブから制御油圧が供給されることにより、可変容量型の油圧ポンプおよび油圧モータの可変容量制御を実行する例が記載されている。
また、特許文献2には、動力の伝達状態を可変容量型流体圧ポンプモータの押出容積に応じて変更できる少なくとも2つの動力伝達経路を備え、それらの押出容積を最大および最小ならびにその中間の値に設定することにより適宜に変速することのできる変速機が記載されている。この特許文献2に記載されている変速機は、一例として、2つの可変容量型流体圧ポンプモータの吐出口同士を連通する油路に、電気的に制御可能なソレノイドバルブによって制御圧を発生させる圧力制御弁が設けられていて、各可変容量型流体圧ポンプモータの吐出圧あるいはそれに関連する軸トルクをソレノイドバルブを介して電気的に制御できるように構成されている。
そして、特許文献3には、発進クラッチのクラッチコントロールバルブなどの車両用自動変速機の油圧制御装置が記載されている。この特許文献3に記載されている車両用自動変速機の油圧制御装置は、クラッチコントロールバルブを構成している調圧バルブの動作を制御する電磁リニアソレノイドが設けられていて、その電磁リニアソレノイドの通電電流(ソレノイド荷重)に対する供給油圧特性を相違させ、高圧側に比較して低圧側で通電電流当たりの供給油圧変化量を小さくすることにより、荷重ヒステリシスを低減させてクラッチコントロールバルブの制御精度を向上させるように構成されている。
特開2000−249225号公報 特開2006−266493号公報 特開平10−159960号公報
上記の各特許文献に記載されている変速機の油圧制御装置は、可変容量型の油圧ポンプおよび油圧モータ、流体圧ポンプモータ、あるいはクラッチコントロールバルブなどを制御するために電磁調圧弁もしくは電磁制御弁(リニアソレノイドバルブ、電磁リニアソレノイド)が用いられている。一般に電磁調圧弁は、前後差圧すなわち電磁調圧弁が設けられている流路の上流側と下流側との差圧が低い領域では、不感帯やヒステリシスなどの非線形的性質が強くなり、指示電流値に対する制御応答性が不可避的に低下してしまう特性がある。したがって、例えば変速機がエンジンを動力源とする車両に搭載された際に、停車中のアイドリング時やクリープトルクによる発進時などのエンジンの駆動力が小さい場合には、そのエンジンの駆動力により発生する油圧(流体圧ポンプモータの吐出圧)も低くなる。そのため、上記の各特許文献に記載されているような変速機の油圧制御装置においては、動力源による発生油圧が低い場合に、電磁調圧弁の前後差圧が低くなり、電磁調圧弁による制御応答性が低下してしまう可能性があった。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、可変容量型の油圧ポンプおよび油圧モータを使用した無段変速機において、アイドリング時やクリープトルクによる発進時などの動力源による発生油圧が低い場合であっても、電磁調圧弁による制御応答性の低下を防止することのできる油圧制御装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、動力源が出力した動力によって駆動される可変容量型の油圧ポンプと、その油圧ポンプに対して圧油を相互に授受可能に連通されるとともに、前記油圧ポンプが出力した圧油が供給されて駆動されることにより出力部材に動力を出力する可変容量型の油圧モータと、前記油圧ポンプと油圧モータとの間の油圧を電気的に調圧可能な電磁調圧弁とを備え、前記出力部材に伝達されるトルクがこれらの油圧ポンプおよび油圧モータの容量と油圧とに応じて変化する無段変速機の油圧制御装置において、目標変速比に応じてそれぞれ設定される前記油圧ポンプの目標容量および油圧モータの目標容量と、要求駆動力に応じて設定される前記油圧ポンプの目標軸トルクとに基づいて前記電磁調圧弁で調圧する設定圧を設定する調圧弁制御手段と、前記調圧弁制御手段により設定された前記設定圧に基づいて前記油圧ポンプの目標容量および油圧モータの目標容量を再設定してそれら油圧ポンプおよび油圧モータを制御するポンプモータ制御手段とを備えていることを特徴とする制御装置である。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記ポンプモータ制御手段が、前記設定圧が前記電磁調圧弁の所定の制御応答性を保障する最低油圧よりも低い場合に、前記油圧ポンプの目標容量および油圧モータの目標容量の少なくともいずれか一方を変更して前記設定圧を前記最低油圧以上に上昇させる手段を含むことを特徴とする制御装置である。
また、請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記ポンプモータ制御手段が、前記油圧ポンプの目標容量を低下させることにより前記設定圧を上昇させて前記電磁調圧弁の上流側と下流側との間の差圧を増大する手段を含むことを特徴とする制御装置である。
また、請求項4の発明は、請求項1の発明において、前記調圧弁制御手段が、前記動力源の目標回転数と実回転数との偏差に基づいて前記設定圧を設定する手段を含み、前記ポンプモータ制御手段が、前記設定圧を増減させることにより前記油圧ポンプの軸トルクを制御する手段を含むことを特徴とする制御装置である。
また、請求項5の発明は、請求項4の発明において、前記ポンプモータ制御手段が、前記電磁調圧弁の所定の制御応答性を確保する油圧領域の範囲内で前記設定圧を増減する手段を含むことを特徴とする制御装置である。
そして、請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれかの発明において、前記可変容量型の油圧ポンプおよび油圧モータが、それぞれ油圧ポンプとしての機能と油圧モータとしての機能とを兼ね備えた可変容量型の油圧ポンプモータであることを特徴とするものである。
請求項1の発明によれば、可変容量型の油圧ポンプおよび油圧モータをそれぞれ制御する際に設定される油圧ポンプおよび油圧モータの容量(押出容積)の目標値である目標容量と、油圧ポンプの軸トルクの目標値である目標軸トルクとに基づいて、油圧ポンプと油圧モータとの間の油路の油圧を調圧する電磁調圧弁の設定圧すなわち電磁調圧弁で調圧する油圧の目標値が設定される。そしてその設定圧に基づいて油圧ポンプおよび油圧モータをそれぞれ制御するための油圧ポンプおよび油圧モータの目標容量が見直されて再設定される。したがって、油圧ポンプおよび油圧モータの目標容量を見直して再設定することにより、電磁調圧弁の設定圧を適切な油圧に設定することができ、電磁調圧弁を適切に制御することができる。
また、請求項2の発明によれば、電磁調圧弁の設定圧が電磁調圧弁を適切な制御応答性で制御することのできる油圧領域の下限値である最低油圧よりも低い場合には、その設定圧が最低油圧以上となるように、油圧ポンプおよび油圧モータの少なくともいずれか一方の目標容量が見直されて変更される。そのため、電磁調圧弁の設定圧を前記最低油圧以上の油圧に設定することができ、電磁調圧弁の設定圧が前記最低油圧よりも低く設定されることによる電磁調圧弁の制御応答性の低下を防止することができる。
また、請求項3の発明によれば、電磁調圧弁の設定圧が前記最低油圧よりも低い場合には、その設定圧が前記最低油圧以上の値となるように、油圧ポンプの目標容量が低下させられる。すなわち、油圧ポンプの目標容量を低下させることにより、その油圧ポンプの吐出圧が上昇し、その結果、電磁調圧弁の前後差圧すなわち調圧弁が設けられている油路の上流側と下流側との間の差圧が大きくなって、電磁調圧弁の設定圧を前記最低油圧以上の油圧にすることができる。そのため、例えば動力源からの伝達トルクが小さいことにより油圧ポンプの発生軸トルクが小さく、電磁調圧弁の当初の設定圧が前記最低油圧よりも低くなって電磁調圧弁の制御応答性が低い領域であっても、油圧ポンプの容量(押出容積)を低下させて吐出圧を増大し、電磁調圧弁の設定圧を前記最低油圧以上の油圧に設定することにより、調圧弁を精度良く制御することができる。
また、請求項4の発明によれば、動力源の回転数がフィードバック制御される際の動力源の目標回転数と実回転数の偏差に基づいて電磁調圧弁の設定圧が設定される。そして、その設定圧を増減することにより油圧ポンプの目標軸トルクが設定されて油圧ポンプが制御される。すなわち、電磁調圧弁の設定圧を制御することにより油圧ポンプの軸トルクが制御されて、その油圧ポンプとの間でトルク伝達を行う動力源の回転数が制御される。そのため、主として電磁調圧弁の設定圧を制御することにより動力源の回転数制御を行うことができ、動力源の回転数制御と油圧ポンプおよび油圧モータの容量制御との干渉を回避して、スムーズな変速比制御を行うことができる。
また、請求項5の発明によれば、油圧ポンプの軸トルクを制御するために電磁調圧弁の設定圧が制御される際には、電磁調圧弁の所定の制御応答性を確保する油圧領域すなわち電磁調圧弁を良好な制御応答性で制御することのできる油圧領域の範囲内で設定圧が増減されて設定される。そのため、電磁調圧弁を常に制御応答性が良好な油圧領域内で制御することができ、その結果、動力源の回転数制御を精度良く行うことができる。
そして、請求項6の発明によれば、可変容量型の油圧ポンプと油圧モータとが、それら両方の機能を併せ持った可変容量型の油圧ポンプモータによりそれぞれ構成される。そのため、それらが設けられた油圧回路における油圧の伝達方向の自由度を増大し、出力部材へトルクを伝達する際の形態を多様化することができる。
つぎにこの発明を具体例に基づいて説明する。先ず、この発明で対象とする可変容量型油圧ポンプモータ式の無段変速機について説明すると、この発明で対象とする可変容量型油圧ポンプモータ式の無段変速機は、少なくとも2つの動力伝達経路を備えており、それら両方の動力伝達経路を介して、動力源から出力部材にトルクを伝達できるように構成され、その結果、動力源と出力部材との回転数の比である変速比を連続的に変化させることのできる変速機である。より具体的には、各動力伝達経路は、ポンプおよびモータのそれぞれとして機能する可変容量型油圧ポンプモータを備えており、その容量(押出容積)に応じたトルクを伝達するように構成され、さらにそれぞれの可変容量型油圧ポンプモータが作動油を相互に授受できるように連通されている。したがって、一方の可変容量型油圧ポンプモータがポンプとして機能することにより、その押出容積に応じたトルクが動力源から出力部材に伝達され、同時に、一方の可変容量型油圧ポンプモータから他方の可変容量型油圧ポンプモータに圧油が供給されて他方の可変容量型油圧ポンプモータがモータとして機能する。すなわち、圧油を介した動力伝達が、並行して行われる。そのトルクが他方の動力伝達経路を介して出力部材に伝達される。その結果、出力部材に伝達されるトルクは、各動力伝達経路を介して伝達されるトルクの合計になり、しかも圧油を介して伝達されるトルクは、各押出容積に応じて変化するので、結局は、変速比が連続的に変化することになる。
各動力伝達経路は、それぞれ互いに変速比の異なるギヤ対や巻き掛け伝動機構などの伝動機構を備えることができ、一方の動力伝達経路のみを介して出力部材にトルクを伝達する場合には、変速機の全体としての変速比は、その動力伝達経路における伝動機構の変速比で決まる。このような変速比を仮に固定変速比と称すると、固定変速比を設定している状態では、圧油を介した動力の伝達が生じないので、動力の損失が生じにくく、効率のよい伝動状態となる。なお、いずれかの伝動機構のみをトルク伝達に関与させるようにするために、クラッチ機構などの切換機構を各伝動機構に含ませることが好ましく、あるいは動力源もしくは出力部材と伝動機構との間に切換機構を設けることが好ましい。
この発明で対象とする可変容量型油圧ポンプモータ式の無段変速機は、圧油を介して動力を伝達するように構成されているので、ハイドロスタティックトランスミッション(HST)として構成した変速機であってもよいが、上述したように機械的な動力伝達によって変速比を設定する機能を兼ね備えたハイドロスタティック・メカニカル・トランスミッション(HMT)として構成されたものであることが好ましい。そのメカニカルトランスミッションの部分は、必要に応じて適宜の構成とすることができ、常時噛み合っているギヤ対をクラッチ機構もしくは同期連結機構によって選択する構成の機構や、複数の遊星歯車機構もしくは複合遊星歯車機構によって複数の変速比を設定できる構成などを採用することができる。また、可変容量型油圧ポンプモータは、動力源と出力部材との間に直列に介在させる構成以外に、反力手段として可変容量型油圧ポンプモータを用いる構成とすることもできる。
この発明で対象とする可変容量型油圧ポンプモータ式の無段変速機の構成を図4に基づいて説明する。図4に示す構成例は、車両用の変速機として構成した例であり、差動機構を動力分配機構として使用するとともに、伝動機構として複数のギヤ対を使用し、したがって可変容量型油圧ポンプモータが反力機構となっている例であって、伝達するべき動力(エネルギ)の形態を変更せずに設定できるいわゆる固定変速比として3つの前進段および1つの後進段を設定するように構成した例である。すなわち、図4において、動力源1に連結されている入力部材2と同一の軸線上、もしくはこれに平行な軸線上に、動力を分配し、また伝達および遮断する機構が配置されている。
ここで、動力源1は、内燃機関や電気モータあるいはこれらを組み合わせた構成など、車両に使用されている一般的な動力源であってよい。以下の説明では、動力源1を仮にエンジン1と記す。また、入力部材2はエンジン(E/G)1の出力した動力を伝達できる部材であればよく、ドライブプレートや入力軸であってよい。以下の説明では、入力部材2を入力軸2と記す。これらエンジン1と入力軸2と間に、ダンパーやクラッチ、トルクコンバータなどの適宜の伝動手段を介在させることができる。なお、符号3はサブポンプあるいはチャージポンプなどと称されるオイルポンプで、変速機内部の各部への潤滑油の供給や、後述する各油圧ポンプモータとの間に形成されている油路への圧油の補給などのために使用されるものである。
前記各軸線上に配置されている機構は、入力された動力をそのまま出力し、あるいはその一部をそのまま出力するとともに、他の動力を、エネルギ形態を変換して出力し、さらには空転して動力の伝達を行わないように構成された伝動手段の一種である。図4に示す構成例では、差動機構と、これに反力を与えかつその反力の可変な反力機構とによって構成されている。差動機構は、要は、3つの回転要素によって差動作用を行うものであればよく、歯車やローラを回転要素とした機構であり、そのうちの歯車式差動機構としてはシングルピニオン型遊星歯車機構やダブルピニオン型遊星歯車機構を使用することができる。また、反力機構は、選択的にトルクを出力できる機構であればよく、油圧などの流体式のポンプモータや電気的に動作するモータ・ジェネレータなどを用いることができる。
図4に示す構成例では、差動機構としてシングルピニオン型遊星歯車機構が用いられ、また反力を生じさせるための反力機構(この発明の油圧モータに相当する)として可変容量型油圧ポンプモータが用いられている。以下の説明では、エンジン1および入力軸2に平行な第1ドライブ軸4と同一軸線上に配置された遊星歯車機構を仮に第1遊星歯車機構5と記し、また油圧ポンプモータを仮に第1ポンプモータ6と記す。さらに、第1遊星歯車機構5と同様に、エンジン1および入力軸2に平行な第2ドライブ軸7と同一軸線上に配置された遊星歯車機構を仮に第2遊星歯車機構8と記し、また油圧ポンプモータを第2ポンプモータ9と記す。なお、第1ポンプモータ6を図にはPM1と記し、第2ポンプモータ9を図にはPM2と記してある。
第1遊星歯車機構5は、外歯歯車であるサンギヤS1と、これと同心円上に配置された内歯歯車であるリングギヤR1と、これらのサンギヤS1とリングギヤR1とに噛み合っているピニオンギヤを自転かつ公転自在に保持しているキャリアC1とを回転要素するシングルピニオン型の遊星歯車機構である。前記の入力軸2に第1カウンタギヤ対10のカウンタドライブギヤ10Aが取り付けられており、これに噛み合っている一方のカウンタドリブンギヤ10Bが、リングギヤR1に連結されている。すなわち、リングギヤR1に入力軸2が第1カウンタギヤ対10を介して連結されている。したがってリングギヤR1が入力要素となっている。
また、サンギヤS1に反力機構としての第1ポンプモータ6のロータ軸6Aが接続されている。したがってサンギヤS1が反力要素となっている。そして、キャリアC1に第1ドライブ軸4が接続されている。そして、この第1ドライブ軸4は、後述する複数の伝動機構および切換機構により、この変速機の出力軸となっているドリブン軸11との間で選択的にトルク伝達可能な状態にされる構成となっている。すなわち、キャリアC1が第1ドライブ軸4および各伝動機構ならびに切換機構を介してドリブン軸11に連結されるようになっている。したがってキャリアC1が出力要素となっている。なお、上記の第1ドライブ軸4は、この第1遊星歯車機構5を挟んで第1ポンプモータ6とは軸線方向で反対側に配置されている。
第1ポンプモータ6は、押出容積を変更できる可変容量型であり、図4に示す構成例では、押出容積をゼロから正負のいずれか一方向に変化させることのできるいわゆる片振り型のものであり、第1遊星歯車機構5に対してエンジン1側(図4の左側)に、第1遊星歯車機構5と同一軸線上に配置されている。この種の第1ポンプモータ6としては、各種の形式のものを採用することができ、例えば斜板ポンプや斜軸ポンプ、あるいはラジアルピストンポンプなどを用いることができる。
一方、第2遊星歯車機構8は、上記の第1遊星歯車機構5と同様の構成であって、サンギヤS2とリングギヤR2とこれらに噛み合っているピニオンギヤを自転および公転自在に保持しているキャリアC2とを回転要素とし、これら3つの回転要素によって差動作用を行うシングルピニオン型の遊星歯車機構である。
そして上記の第1遊星歯車機構5と同様に、入力軸2に取り付けられたカウンタドライブギヤ10Aに噛み合っている他方のカウンタドリブンギヤ10Cが、スタート(S)シンクロ12を介してリングギヤR2に連結されている。このスタートシンクロ12は、いわゆる発進用切換機構を構成しており、第2遊星歯車機構8のリングギヤR2とエンジン1との間を選択的にトルク伝達可能な状態にするとともに、リングギヤR2の回転を規制すること、すなわちリングギヤR2を固定することができるように構成されている。したがってリングギヤR2が入力要素となっている。
また、サンギヤS2に反力機構としての第2ポンプモータ9のロータ軸9Aが接続されている。したがってサンギヤS2が反力要素となっている。そして、キャリアC2に第2ドライブ軸7が接続されている。そして、この第2ドライブ軸7に第2カウンタギヤ対13のカウンタドライブギヤ13Aが取り付けられており、このカウンタドライブギヤ13Aに噛み合っているカウンタドリブンギヤ13Bがドリブン軸11に連結されている。すなわち、キャリアC2が第2ドライブ軸7および第2カウンタギヤ対13を介してドリブン軸11に連結されている。したがってキャリアC2が出力要素となっている。
なお、上記の第1カウンタギヤ対10および第2カウンタギヤ対13は、それぞれ、いわゆる入力用伝動機構および出力用伝動機構を構成しており、これは、摩擦車を利用した伝動機構やチェーンもしくはベルトなどを使用した巻き掛け伝動機構に置き換えることも可能である。
第2ポンプモータ9は、押出容積を変更できる可変容量型であり、この図4に示す構成例では、特に押出容積をゼロから正負の両方向に変化させることのできるいわゆる両振り型のものであり、第2遊星歯車機構8と同一軸線上で、かつ上述した第1ポンプモータ6の半径方向で外側に隣接して配置されている。この種の第2ポンプモータ9としては、第1ポンプモータ6と同様に、各種の形式のものを採用することができ、例えば斜板ポンプや斜軸ポンプ、あるいはラジアルピストンポンプなどを用いることができる。
ここで、発進用切換機構としてのスタートシンクロ12について説明すると、このスタートシンクロ12は、例えば同期連結機構(シンクロナイザー)や噛み合いクラッチ(ドグクラッチ)もしくは摩擦式クラッチからなるものであって、図4には同期連結機構からなるスタートシンクロ12が記載されている。このスタートシンクロ12は、第2遊星歯車機構8のリングギヤR2に一体のハブにスプライン嵌合したスリーブ12Sを備えており、このスリーブ12Sを挟んだ両側に、前述の第1カウンタギヤ対10のカウンタドリブンギヤ10Cおよび例えば変速機のケーシング(図示せず)に固定された固定部材14に一体化させたスプラインが配置されている。
具体的には、スリーブ12Sの図4の左側に、第1カウンタギヤ対10のカウンタドリブンギヤ10Cに一体化させたスプラインが配置され、スリーブ12Sの図4の右側に、固定部材14に一体化させたスプラインが配置されている。したがって、スタートシンクロ12は、そのスリーブ12Sを図4の左側に移動させることにより、第1カウンタギヤ対10のカウンタドリブンギヤ10Cを第2遊星歯車機構8のリングギヤR2に連結し、スリーブ12Sを図4の右側に移動させることにより、第2遊星歯車機構8のリングギヤR2を固定部材14に連結してリングギヤR2の回転を規制する、すなわちリングギヤR2を固定し、さらにスリーブ12Sを中央に位置させることにより、カウンタドリブンギヤ10Cあるいは固定部材14とも係合しないニュートラル状態となるように構成されている。
各ドライブ軸4,7から動力が伝達されるドリブン軸11は、各ドライブ軸4,7と平行になるように、また入力軸2と同一軸線上に配置されている。したがって、図4に示す変速機は、その主要部分が、特に第1ドライブ軸4およびドリブン軸11の2本の軸からなるいわゆる2軸構造になっている。そして、第1ドライブ軸4および第2ドライブ軸7とドリブン軸11との間には、異なる変速比を設定するための複数の伝動機構が設けられている。これらの各伝動機構は、トルクの伝達に関与した場合にそれぞれの回転数比に応じて、入力軸2とドリブン軸11との間の変速比を設定するためのものであり、歯車機構や巻き掛け伝動機構、摩擦車を使用した機構などを採用することができる。図4に示す構成例では、前進走行のための3つのギヤ対15,13,16と後進走行のためのギヤ対17とが設けられている。
上記の第1ドライブ軸4に取り付けられた各ギヤ対15,16,17における従動ギヤ15B,16B,17Bが、ドリブン軸11に回転自在に嵌合して支持されている。すなわち、リバース従動ギヤ17Bは、このリバース従動ギヤ17Bとリバース駆動ギヤ17Aとの間に配置されたアイドルギヤ17Cに噛み合った状態でドリブン軸11に回転自在に嵌合し、リバース従動ギヤ17Bの回転方向とリバース駆動ギヤ17Aの回転方向とが同じになるように構成されている。また、第1速従動ギヤ15Bは、第1速駆動ギヤ15Aに噛み合った状態でドリブン軸11に回転自在に嵌合し、かつリバース従動ギヤ17Bに隣接して配置されている。さらに、第3速従動ギヤ16Bは、第3速駆動ギヤ16Aに噛み合った状態でドリブン軸11に回転自在に嵌合し、かつ第1速従動ギヤ15Bに隣接して配置されている。
これらのギヤ対15,16,17を選択的に動力伝達可能な状態にするための切換機構が設けられている。この切換機構は、各ギヤ対15,16,17を第1ドライブ軸4とドリブン軸11とのいずれかに選択的に連結する機構であり、したがって従来の手動変速機などにおける同期連結機構(シンクロナイザー)を使用することができ、あるいは噛み合いクラッチ(ドグクラッチ)や摩擦式クラッチなどを使用することができる。また、上記の従動ギヤをドリブン軸11に一体的に取り付けた場合には、駆動ギヤを第1ドライブ軸4に対して回転自在とし、その駆動ギヤを第1ドライブ軸4に対して選択的に連結するように第1ドライブ軸4側に切換機構を設けることができる。
図4に示す構成例では、切換機構として同期連結機構が使用されており、上記のリバース従動ギヤ17Bに隣接して第1シンクロ18が配置されている。また、第1速従動ギヤ15Bと第3速従動ギヤ16Bとの間に第2シンクロ19が配置されている。これらのシンクロ18,19は、従来の手動変速機で用いられているものと同様であって、ドリブン軸11に一体のハブにスリーブがスプライン嵌合され、そのスリーブを軸線方向に移動することにより次第にスプライン嵌合するチャンファーもしくはスプラインが各従動ギヤに一体に設けられ、さらにスリーブの移動に伴って、従動ギヤ側の所定の部材に次第に摩擦接触して回転を同期させるリングが設けられている。
したがって第1シンクロ18は、そのスリーブ18Sを図4の左側に移動させることにより、リバース従動ギヤ17Bをドリブン軸11に連結し、またスリーブ18Sを中央に位置させることにより、リバース従動ギヤ17Bとは係合しないニュートラル状態となるように構成されている。また、第2シンクロ19は、そのスリーブ19Sを図4の右側に移動させることにより、第1速従動ギヤ15Bをドリブン軸11に連結し、またスリーブ19Sを図4の左側に移動させることにより、第3速従動ギヤ16Bをドリブン軸11に連結し、さらにスリーブ19Sを中央に位置させることにより、いずれの従動ギヤ15B,16Bにも係合しないニュートラル状態となるように構成されている。
上記の各シンクロ18,19、および前述のスタートシンクロ12の各スリーブ18S,19S、およびスリーブ12Sは、リンケージ(図示せず)を介して手動操作によって切換動作させるように構成することができ、あるいはそれぞれに個別に設けたアクチュエータ(図示せず)によって切換動作させるように構成することができる。また、各ポンプモータ6,9の押出容積、あるいは各アクチュエータの動作は、後述する電子制御装置(ECU)29によって電気的に制御されるようになっている。
また、第2ドライブ軸7とドリブン軸11との間には、前述のように、第2カウンタギヤ対13が配置されている。すなわち第2ドライブ軸7の図4での右側の先端に、第2カウンタギヤ対13のカウンタドライブギヤ13Aが取り付けられていて、そのカウンタドライブギヤ13Aに噛み合っているカウンタドリブンギヤ13Bが、ドリブン軸11の図4での左側の先端に取り付けられている。
つぎに、上記の各ポンプモータ6,9を制御するための油圧回路について説明する。各ポンプモータ6,9は、圧油を相互に受け渡すことができるように、油路20,21によって連通されている。すなわち、それぞれの吸入ポート(吸入口)6S,6S同士が油路20によって連通され、また吐出ポート(吐出口)6D,9D同士が油路21によって連通されている。したがって各油路20,21によって閉回路が形成されている。
この閉回路を形成している各油路20,21には、オイルを補給するためのチャージポンプ(ブーストポンプと称されることもある)22が設けられている。このチャージポンプ22は、上記の閉回路からの漏れなどによるオイルの不足を補うためのものであって、前述した動力源1や図示しないモータなどによって駆動されて、オイルパン23からオイルを汲み上げて閉回路に供給するようになっている。
そのチャージポンプ22の吐出口は、前記閉回路における油路20と油路21とにそれぞれチェック弁24,25を介して連通されている。なお、これらのチェック弁24,25は、チャージポンプ22からの吐出方向に開き、これとは反対方向に閉じるように構成されている。さらに、チャージポンプ22の吐出圧を調整するためのリリーフ弁26が、チャージポンプ22の吐出口に連通されている。このリリーフ弁26は、スプリングによる弾性力とパイロット圧もしくはソレノイドによる押圧力との和より高い圧力が作用した場合に開いてオイルをオイルパン23に排出するように構成されており、したがってチャージポンプ22の吐出圧をパイロット圧に応じた圧力に設定するように構成されている。
さらに、第1ポンプモータ6の吸入ポート6Sと油路21との間に、リリーフ弁27が設けられている。すなわち、第1ポンプモータ6と並列に、各油路20,21を連通させるようにリリーフ弁27が設けられている。このリリーフ弁27は、第1ポンプモータ6の吸入ポート6S、または第2ポンプモータ9の吸入ポート9Sから圧油を吐出する場合に、その吐出圧を予め設定した圧力すなわち設定圧に維持するように構成されている。言い換えれば、リリーフ弁27は、油路21の圧力が予め設定した圧力(設定圧)以上高い場合に開いて排圧するように構成されている。
また、第2ポンプモータ9の吐出ポート9Dと油路20との間に、リリーフ弁28が設けられている。すなわち、第2ポンプモータ9と並列に、各油路20,21を連通させるようにリリーフ弁28が設けられている。このリリーフ弁28は、第2ポンプモータ9の吐出ポート9D、または第1ポンプモータ6の吐出ポート6Dから圧油を吐出する場合に、その吐出圧を予め設定した圧力(設定圧)に維持するように構成されている。言い換えれば、リリーフ弁28は、油路20の圧力が予め設定した圧力(設定圧)以上高い場合に開いて排圧するように構成されている。
そして、これらリリーフ弁27,28は、開弁方向にスプリング(図示せず)によって押圧されているスプールなどの弁体(図示せず)に対して、スプリングとは反対方向に制御圧を作用させ、さらに前記油路20もしくは油路21の油圧をスプリングと同方向に弁体に対して作用させるように構成されている。そしてその制御圧(制御信号)を、特には図示しないが、ソレノイドで発生させた電磁力やソレノイドバルブで制御された油圧などによって発生させるようになっている。
より具体的には、これらリリーフ弁27,28は、制御圧を高くしていわゆる調圧レベルすなわち設定圧を高することにより油路20もしくは油路21の油圧を高くして、油路20と油路21との間の差圧(油圧差)を大きくできるように構成されている。言い換えると、リリーフ弁27(もしくは28)の設定圧を高くすることにより、そのリリーフ弁27(もしくは28)の上流側と下流側との間の差圧を大きくするようになっている。
また、これらリリーフ弁27,28は、制御圧を低くして所定の下限圧力になると、油路20と油路21とを直接連通させて、油路20と油路21との間の差圧をほぼゼロとするように構成されている。したがって、図4に示す構成では、ポンプとして機能するポンプモータ6(もしくは9)の吐出圧あるいはそれに関連する軸トルクを、ソレノイドバルブ等を介して電気的に制御できるように構成されている。すなわち、これらリリーフ弁27,28は、それぞれこの発明の電磁調圧弁に相当する制御弁である。
そして、上記の各ポンプモータ6,9の押出容積や各シンクロ12,18,19を電気的に制御するための電子制御装置(ECU)29が設けられている。この電子制御装置29は、マイクロコンピュータを主体にして構成されたものであって、所定の回転部材の回転数や動作部材のストロークなどの検出信号が入力され、それらの入力された信号および予め記憶している情報ならびにプログラムに基づいて演算を行い、その演算結果に応じて各ポンプモータ6,9の押出容積を設定し、あるいは各シンクロ12,18,19を動作させるための指令信号等を出力するように構成されている。
つぎに、上述した変速機の作用について説明する。図5は、いずれかのギヤ対15,13,16,17のギヤ比で決まる各変速段を設定する際の第1および第2のポンプモータ(PM1,PM2)6,9、および各シンクロ12,18,19の動作状態をまとめて示す図表(作動表)であって、この図5における各ポンプモータ6,9についての「0」は、容量(押出容積)を実質的にゼロとし、そのロータ軸が回転させられても圧油を発生することがなく、また油圧が供給されても出力軸が回転しない状態(フリー)を示し、「LOCK」はそのロータの回転を止めている(ロックしている)状態を示している。さらに「PUMP」は、ポンプ容量を実質的なゼロより大きくするとともに圧油を吐出している状態を示し、したがって該当する第1あるいは第2のポンプモータ6,9はポンプとして機能している。また、「MOTOR」は、一方のポンプモータ6(もしくは9)が吐出した圧油が供給されてモータとして機能している状態を示し、したがって該当する油圧ポンプモータ9(もしくは6)は軸トルクを発生している。
そして、各シンクロ12,18,19についての「右」、「左」は、それぞれのスリーブ12S,18S,19Sの図4での位置を示すとともに、丸括弧はダウンシフトするための待機状態、カギ括弧はアップシフトするための待機状態を示し、そして「N」は該当するシンクロ12,18,19をOFF状態(中立位置)に設定している状態を示し、斜体の「N」は引き摺りを低減するためOFF状態(中立位置)に設定していることを示す。
ニュートラルポジションが選択されてニュートラル状態を設定する際には、各ポンプモータ6,9の押出容積がゼロとされ、また各シンクロ12,18,19がOFF状態とされる。すなわちそれぞれのスリーブ12S,18S,19Sが中央位置に設定される。したがって、第1シンクロ18および第2シンクロ19がOFF状態に設定されることにより、第1ドライブ軸4とドリブン軸11との間に配置されているギヤ対15,16,17は、いずれもドリブン軸11に連結されていない状態となり、エンジン1もしくは第1ポンプモータ6から第1遊星歯車機構5および第1ドライブ軸4を経由してドリブン軸11に至る動力伝達経路からはドリブン軸11へ動力が伝達されない状態となる。
また、スタートシンクロ12がOFF状態に設定されることにより、第2遊星歯車機構8および第2ポンプモータ9にはエンジン1からの動力が伝達されない状態となり、そのためエンジン1もしくは第2ポンプモータ9から第2遊星歯車機構8および第2ドライブ軸7を経由してドリブン軸11に至る動力伝達経路からはドリブン軸11へ動力が伝達されない状態となる。したがって、ドリブン軸11にはいずれの経路からも動力が伝達されないニュートラル状態となる。
このとき、第1ポンプモータ6はいわゆる空回り状態となるため、第1遊星歯車機構5のリングギヤR1にエンジン1からトルクが伝達されても、サンギヤS1に反力が作用しないため、出力要素であるキャリアC1に連結されている第1ドライブ軸4にはトルクが伝達されない。そして、第2遊星歯車機構8へはエンジン1からのトルクは伝達されず、また第2ポンプモータ9はトルクが入力されることも出力することもなく停止しているため、第2遊星歯車機構8の出力要素であるキャリアC2に連結されている第2ドライブ軸7にはトルクが伝達されない。その結果、上記のように変速機はニュートラルの状態になる。
シフトポジションがドライブポジションなどの走行ポジションに切り替えられると、第1シンクロ18をOFF状態に設定したままで、第2シンクロ19のスリーブ19S、スタートシンクロ12のスリーブ12Sが、それぞれ、図4の右側に移動させられる。したがって、第1速従動ギヤ15Bがドリブン軸11に連結され、また第2遊星歯車機構8のリングギヤR2が固定部材14に連結される。その結果、第1ドライブ軸4とドリブン軸11とが第1速ギヤ対15を介して連結され、また第2遊星歯車機構8のリングギヤR2が固定される。
すなわち、ギヤ対の連結状態としては、第1速を設定する状態となる。そして、図6の共線図で示すように、第2遊星歯車機構8のリングギヤR2が固定されるので、第2遊星歯車機構8は、サンギヤS2にロータ軸9Aを介して第2ポンプモータ9の出力したトルクが入力された場合にそのサンギヤS2の回転数に対して第2遊星歯車機構8の出力要素であるキャリアC2の回転数が減速される減速機構、言い換えると、サンギヤS2にロータ軸9Aを介して第2ポンプモータ9の出力したトルクが入力された場合にそのサンギヤS2のトルクに対して第2遊星歯車機構8の出力要素であるキャリアC2のトルクが増幅される減速機構として機能する状態となる。
したがって、車両の発進時に、シフトポジションが走行ポジションに切り替えられることにより、エンジン1の動力が第1遊星歯車機構5および第1ドライブ軸4ならびに第1速ギヤ対15を介してドリブン軸11に伝達される動力伝達経路と、第2ポンプモータ9の出力したトルクが第2遊星歯車機構8で増幅されて第2ドライブ軸7および第2速ギヤ対(第2カウンタギヤ対)13を介してドリブン軸11に伝達される動力伝達経路との2つの動力伝達経路が形成されることになる。
この状態では、車両が未だ停止しているので、第1遊星歯車機構5では、キャリアC1が停止している状態でリングギヤR1にエンジン1から動力が入力され、したがってサンギヤS1がリングギヤR1の回転方向とは反対の方向に回転する。この状態で、各ポンプモータ6,9の押出容積を次第に大きくし、先ず、第1ポンプモータ6をポンプとして機能させて油圧を発生させる。すると、それに伴う反力が第1遊星歯車機構5におけるサンギヤS1に作用するので、キャリアC1にこれをリングギヤR1と同方向に回転させるトルクが現れる。その結果、第1速ギヤ対15を介してドリブン軸11に動力が伝達される。
上記の第1ポンプモータ6はいわゆる逆回転してポンプとして機能しているから、その吸入ポート6Sから圧油を吐出し、これが第2ポンプモータ9の吸入ポート9Sに供給される。その結果、第2ポンプモータ9がモータとして機能し、そのロータ軸9Aからいわゆる正回転方向のトルクが出力され、そのトルクが第2遊星歯車機構8におけるサンギヤS2に入力される。このとき、第2遊星歯車機構8は、上記のようにリングギヤR2が固定されてキャリアC2を出力要素とする減速機構として機能するので、サンギヤS2に入力されたトルクは、第2遊星歯車機構8で増幅されて第2ドライブ軸7および第2速ギヤ対(第2カウンタギヤ対)13を介してドリブン軸11に伝達される。すなわち第2ポンプモータ9から出力されたトルクが増幅されてドリブン軸11へ伝達される。
このように、車両の発進時には、エンジン1から入力された動力の一部が第1遊星歯車機構5および第1速ギヤ対15を介してドリブン軸11に伝達され、また他の動力が圧油の流動の形にエネルギ変換され、これが第2ポンプモータ9に伝達され、さらにこの第2ポンプモータ9から第2遊星歯車機構8および第2速ギヤ対(第2カウンタギヤ対)13を介してドリブン軸11にトルクが増幅されて伝達される。すなわち、車両の発進時には、いわゆる機械的な動力伝達と流体を介した動力伝達が行われ、しかも流体を介した動力伝達の際にはトルクが増幅されて、これらの動力を合算した動力がドリブン軸11に出力される。
上記のような動力の伝達状態では、ドリブン軸11に現れるトルクは、第1速ギヤ対15を介した機械的伝達のみの場合のトルクより大きくなり、したがって変速機の全体としての変速比は、第1速ギヤ対15によって決まるいわゆる固定変速比より大きくなる。また、その変速比は、流体を介した動力の伝達割合に応じて変化する。そのため、第2遊星歯車機構8におけるサンギヤS2およびこれに連結されている第2ポンプモータ9の回転数が次第にゼロに近づくのに従って流体を介した動力伝達の割合が低下し、変速機の全体としての変速比は第1速の固定変速比に近づく。そして、第1ポンプモータ6の押出容積が最大まで増大してその回転が停止することにより、固定変速比である第1速となる。
この状態で第2ポンプモータ9の押出容積がゼロに設定されるので、第2ポンプモータ9が空転するとともに、第1ポンプモータ6がロックされてその回転が止められる。すなわち、各ポンプモータ6,9を連通させている閉回路が第2ポンプモータ9によって閉じられることになるので、押出容積が最大になっている第1ポンプモータ6は圧油を供給および吐出できなくなり、その回転が止められる。その結果、第1遊星歯車機構5のサンギヤS1にはこれを固定するトルクが作用することになる。そのため、第1遊星歯車機構5ではサンギヤS1を固定した状態でリングギヤR1に動力が入力されるので、出力要素であるキャリアC1にはこれをリングギヤR1と同方向に回転させるトルクが生じ、これが第1ドライブ軸4および第1速ギヤ対15を介して、出力軸としてのドリブン軸11に伝達される。こうして固定変速比である第1速が設定される。
この第1速の状態でスタートシンクロ12をOFF状態に設定すれば、すなわちそのスリーブ12Sを中立位置に設定すれば、第2ポンプモータ9を連れ回すことがないので、いわゆる引き摺りによる動力の損失を回避することができる。また、第2シンクロ19のスリーブ19Sを図4の右側に移動させたまま、また第1シンクロ18をOFF状態に設定したまま、スタートシンクロ12のスリーブ12Sを図4の左側に移動させて、第1カウンタギヤ対10のカウンタドリブンギヤ10Cを第2遊星歯車機構8のリングギヤR2に連結すれば、入力軸2が、第1カウンタギヤ対10および第2遊星歯車機構8および第2ドライブ軸7および第2速ギヤ対(第2カウンタギヤ対)13を介してドリブン軸11に連結されるので、固定変速比である第2速へのアップシフト待機状態となる。一方、スタートシンクロ12のスリーブ12Sを図4の右側に移動させて第2遊星歯車機構8のリングギヤR2を固定して、第2遊星歯車機構8をサンギヤS2への入力に対してキャリアC2から出力する場合の減速機構として機能する状態にしておけば、第1速より大きい変速比を設定するダウンシフト待機状態となる。
第1速から第2速へのアップシフト待機状態では、第2ポンプモータ9およびこれに連結されているサンギヤS2がリングギヤR2とは反対の方向に回転している。したがって第2ポンプモータ9の押出容積を正の方向に増大させると、第2ポンプモータ9がポンプとして機能し、それに伴う反力がサンギヤS2に作用する。その結果、リングギヤR2に入力されたトルクとサンギヤS2に作用する反力とを合成したトルクがキャリアC2に作用し、これが正回転し、かつその回転数が次第に増大する。言い換えれば、エンジン1の回転数が次第に引き下げられる。そのキャリアC2から第2ドライブ軸7および第2速ギヤ対(第2カウンタギヤ対)13を介してドリブン軸11にトルクが伝達される。
第2ポンプモータ9がポンプとして機能することにより発生した圧油はその吸入ポート9Sから第1ポンプモータ6の吸入ポート6Sに供給される。そのため、第1ポンプモータ6がモータとして機能して正回転方向にトルクを出力し、これが第1遊星歯車機構5のサンギヤS1に作用する。第1遊星歯車機構5のリングギヤR1にはエンジン1から動力が入力されているので、そのトルクとサンギヤS1に作用するトルクとが合成されてキャリアC1から第1ドライブ軸4に出力される。すなわち、油圧を介した動力伝達が、機械的な動力伝達と並行して生じ、ドリブン軸11にはこれらの動力を合算した動力が伝達される。
そして、第2ポンプモータ9の回転数が次第に低下することにより、第2遊星歯車機構8および第2速ギヤ対(第2カウンタギヤ対)13を介した機械的動力伝達の割合が次第に増大し、変速機の全体としての変速比は、第1速ギヤ対15で決まる変速比から第2速ギヤ対(第2カウンタギヤ対)13で決まる変速比に次第に低下する。その変化は、上述した発進後に固定変速比である第1速に変化する場合と同様に、連続的な変化となる。すなわち、無段変速となる。そして、第2ポンプモータ9の押出容積が最大まで増大してその回転が停止することにより、固定変速比である第2速となる。
この状態で第1ポンプモータ6の押出容積がゼロに設定されるので、第1ポンプモータ6が空転するとともに、第2ポンプモータ9がロックされてその回転が止められる。すなわち、各ポンプモータ6,9を連通させている閉回路が第1ポンプモータ6によって閉じられることになるので、押出容積が最大になっている第2ポンプモータ9は圧油を供給および吐出できなくなり、その回転が止められる。その結果、第2遊星歯車機構8のサンギヤS2にはこれを固定するトルクが作用することになる。そのため、第2遊星歯車機構8ではサンギヤS2を固定した状態でリングギヤR2に動力が入力されるので、出力要素であるキャリアC2にはこれをリングギヤR2と同方向に回転させるトルクが生じ、これが第2ドライブ軸7および第2速ギヤ対(第2カウンタギヤ対)13を介して、出力軸としてのドリブン軸11に伝達される。こうして固定変速比である第2速が設定される。
この第2速の状態で第2シンクロ19をOFF状態に設定すれば、すなわちそのスリーブ19Sを中立位置に設定すれば、第1ポンプモータ6を連れ回すことがないので、いわゆる引き摺りによる動力の損失を回避することができる。また、第2シンクロ19のスリーブ19Sを図4の左側に移動させて第3速従動ギヤ16Bをドリブン軸11に連結すれば、固定変速比である第3速へのアップシフト待機状態となる。一方、第2シンクロ19のスリーブ19Sを図4の右側に移動させて第1速従動ギヤ15Bをドリブン軸11に連結しておけば、第1速へのダウンシフト待機状態となる。
第2速から第3速へのアップシフト待機状態では第1ポンプモータ6およびこれに連結されているサンギヤS1がリングギヤR1とは反対の方向に回転している。したがって第1ポンプモータ6の押出容積を正の方向に増大させると、第1ポンプモータ6がポンプとして機能し、それに伴う反力がサンギヤS1に作用する。その結果、リングギヤR1に入力されたトルクとサンギヤS1に作用する反力とを合成したトルクがキャリアC1に作用してこれが正回転し、そのトルクが第1ドライブ軸4および第3速ギヤ対16を介して出力軸であるドリブン軸11に伝達される。また、変速比の低下に伴ってエンジン1の回転数が次第に引き下げられる。
第1ポンプモータ6がポンプとして機能することにより発生した圧油はその吸入ポート6Sから第2ポンプモータ9の吸入ポート9Sに供給される。そのため、第2ポンプモータ9がモータとして機能して正回転方向にトルクを出力し、これが第2遊星歯車機構8のサンギヤS2に作用する。第2遊星歯車機構8のリングギヤR2にはエンジン1から動力が入力されているので、そのトルクとサンギヤS2に作用するトルクとが合成されてキャリアC2から第2ドライブ軸7および第2カウンタギヤ対(第2速ギヤ対)13に出力される。すなわち、油圧を介した動力伝達が、機械的な動力伝達と並行して生じ、ドリブン軸11にはこれらの動力を合算した動力が伝達される。
そして、第1ポンプモータ6の回転数が次第に低下することにより、第1遊星歯車機構5および第3速ギヤ対16を介した機械的動力伝達の割合が次第に増大し、変速機の全体としての変速比は、第2速ギヤ対(第2カウンタギヤ対)13で決まる変速比から第3速ギヤ対16で決まる変速比に次第に低下する。その変化は、上述した発進後に固定変速比である第1速に変化する場合や第1速から第2速にアップシフトする場合と同様に、連続的な変化となる。すなわち、無段変速となる。そして、第1ポンプモータ6の押出容積が最大まで増大してその回転が停止することにより、固定変速比である第3速となる。
この状態で第2ポンプモータ9の押出容積がゼロに設定されるので、第2ポンプモータ9が空転するとともに、第1ポンプモータ6がロックされてその回転が止められる。すなわち、各ポンプモータ6,9を連通させている閉回路が第2ポンプモータ9によって閉じられることになるので、押出容積が最大になっている第1ポンプモータ6は圧油を供給および吐出できなくなり、その回転が止められる。その結果、第1遊星歯車機構5のサンギヤS1にはこれを固定するトルクが作用することになる。そのため、第1遊星歯車機構5ではサンギヤS1を固定した状態でリングギヤR1に動力が入力されるので、出力要素であるキャリアC1にはこれをリングギヤR1と同方向に回転させるトルクが生じ、これが第1ドライブ軸4および第3速ギヤ対16を介して、出力軸としてのドリブン軸11に伝達される。こうして固定変速比である第3速が設定される。
つぎに後進段について説明する。シフトポジションがニュートラルポジションからリバースポジションに切り替えられるなどのことによって後進段を設定する指示が行われると、スタートシンクロ12のスリーブ12Sが図4の右側に移動させられて、第2遊星歯車機構8のリングギヤR2が固定部材14に連結され、リングギヤR2が固定された状態にされる。また、第1シンクロ18のスリーブ18Sが図4の左側に移動させられて、リバース従動ギヤ17Bがドリブン軸11に連結され、さらに、第2シンクロ19がOFF状態に設定される。すなわち、入力軸2から第1遊星歯車機構5および第1ドライブ軸4ならびにリバースギヤ対17を経由してドリブン軸11に到る動力伝達経路と、第2ポンプモータ9のロータ軸9Aから第2遊星歯車機構8および第2ドライブ軸7ならびに第2速ギヤ対(第2カウンタギヤ対)13を経由してドリブン軸11に到る動力伝達経路との2つの動力伝達経路が形成される。
この状態で第1ポンプモータ6の押出容積を次第に増大させる。また、第2ポンプモータ9の押出容積を、上述した前進段(前進走行)の場合とは反対の負の方向に次第に増大させる。車両が停止している状態ではドリブン軸11は回転していないから、これに連結された第2ポンプモータ9は停止している。これに対して、第1遊星歯車機構5では第1ドライブ軸4に連結されているキャリアC1が固定されている状態でリングギヤR1にエンジン1から動力が入力されるから、サンギヤS1およびこれに連結されている第1ポンプモータ6がリングギヤR1とは反対方向に回転している。
したがって、第1ポンプモータ6のトルク容量を次第に増大させると、第1ポンプモータ6がポンプとして機能し、油圧を発生する。それに伴う反力がサンギヤS1に作用するので、出力要素であるキャリアC1にはこれを前進走行時と同方向に回転させるトルクが生じ、これが第1ドライブ軸4に伝達される。この第1ドライブ軸4とドリブン軸11との間に配置されているリバースギヤ対17は、アイドルギヤ17Cを備えているので、第1ドライブ軸4が前進走行時と同方向に回転すると、ドリブン軸11はこれとは反対に方向に回転し、したがって後進走行することになる。
前述したように、上記のように構成されたこの発明で対象とする可変容量型油圧ポンプモータ式の無段変速機は、例えば、停車中のアイドリング時やクリープトルクによる発進時などのエンジン1の駆動力が小さい場合に、そのエンジン1の駆動力により発生させられる油圧制御装置の油圧が低くなると、各ポンプモータ6,9を互いに連通する閉回路の油圧を調圧する電磁調圧弁であるリリーフ弁27,28の制御性が不可避的に低下してしまう。そして、その電磁調圧弁27,28の制御性の低下により、無段変速機の制御応答性が低下してしまう可能性があった。そこで、この発明の無段変速機の油圧制御装置では、アイドリング時やクリープトルクによる発進時など、エンジン1の駆動力による発生油圧が低い場合であっても、制御応答性の低下を防止する制御を実行するように構成されている。その制御例を以下に説明する。
(第1の制御例)
図1は、この発明の油圧制御装置による第1の制御例を説明するためのフローチャートであって、このフローチャートで示されるルーチンは、所定の短時間毎に繰り返し実行される。図1において、先ず、エンジン1の出力トルクの推定値であるエンジントルクTeが求められる(ステップS11)。このエンジントルクTeは、例えば、要求駆動力に基づくエンジン1のスロットル開度とエンジン1の回転数との関係に基づいて設定されたマップなどから求めることができる。
続いて、無段変速機の変速比制御のための目標変速比γrefが求められる(ステップS12)。この目標変速比γrefは、例えば、車速とアクセル開度すなわち要求駆動力との関係に基づいて設定されたマップなどから求めることができる。
目標変速比γrefが求められると、その目標変速比γrefを実現するための各ポンプモータ6,9の容量(押出容積)Q1,Q2の組み合わせのうち、それぞれが最大となる組み合わせである容量Q1max,Q2maxと、それぞれが容量Q1max,Q2max以下となる組み合わせである容量Q1min,Q2minとが求められ、容量Q1max,Q2maxが、各ポンプモータ6,9のいわゆる仮目標容量Q1',Q2'として設定される(ステップS13)。このうち、容量Q1max,Q2maxは、例えば、図7に示すような、変速比に対するポンプモータ容量の関係に基づいて設定されたマップなどから求めることができる。また、容量Q1max,Q2maxは、例えば、図7に示すようなマップと、次ぎに示す容量Q1min,Q2minと容量Q1max,Q2maxとの関係式とから求めることができる。
Q1max/Q2max=Q1min/Q2min
なお、仮目標容量Q1',Q2'とは、目標変速比γrefを実現するために各ポンプモータ6,9の容量を制御する際の目標容量であり、この時点で仮に設定される容量の目標値である。
続いて、上記のステップS11で求められたエンジントルクTeから、各ポンプモータ6,9のうち、この場合に油圧ポンプとして機能している第1ポンプモータ6の軸トルク(受け持ちトルク)T1が求められ(ステップS14)、ついで、その軸トルクT1を実現するためにこの時点で仮に設定される電磁調圧弁27,28の仮設定圧P'、すなわち電磁調圧弁27,28で調圧する油圧の仮目標値P'が求められる(ステップS15)。この設定圧P'は、軸トルクT1と上記のステップS13で設定された仮目標容量Q1'とから、
P'=T1×2π/Q1'
として求めることができる。
仮設定圧P'が算出されると、その仮設定圧P'が、所定値Pminよりも低いか否かが判断される(ステップS16)。前述したように、電磁調圧弁27,28は、ソレノイドで発生させた電磁力を利用して制御を行う電磁制御弁(ソレノイドバルブ)である。この種の電磁制御弁は、図8に示すように、電磁制御弁の前後差圧すなわち電磁制御弁が設けられている油路の上流側と下流側との間の差圧が所定の値よりも低い領域(すなわちここでは、電磁制御弁の前後差圧が所定値Pminよりも低い領域)では、指示電流の変化に対する制御圧の変化が鈍い不感帯や、指示電流の増減方向により指示電流に対応する制御圧に差が生じるヒステリシス等が不可避的に発生し、電磁制御弁の特性上その制御応答性が低くなる領域、具体的には、指示電流に対する応答時間が所定時間以上となる制御応答性が低い領域が存在する。
そこで、このステップS16では、電磁調圧弁27,28の特性に応じて、それら電磁調圧弁27,28の所定の制御応答性を保障する最低の油圧、言い換えると、電磁調圧弁27,28を適切な制御応答性で制御することのできる油圧領域の下限値として、所定値Pminを設定し、これを閾値として、電磁調圧弁27,28の仮設定圧P'が適切な制御応答性のもとで調圧制御可能な油圧であるか否かを判断するのである。
したがって、仮設定圧P'が最低油圧Pminよりも低いことにより、このステップS16で肯定的に判断された場合は、仮設定圧P'を適切な値に再設定するため、ステップS17へ進み、仮設定圧P'を最低油圧Pminとした場合に第2ポンプモータ9で軸トルクT1を発生させるための各ポンプモータ6,9の容量Q1p,Q2pが求められる。これら容量Q1p,Q2pは、上記の最低油圧Pmin、および各ステップで求められた仮設定圧P'、仮目標容量Q1',Q2'から、
Q1p=Q1'×P'/Pmin
Q2p=Q2'×P'/Pmin
として求めることができる。
そして、これら容量Q1p,Q2pがいずれも容量Q1min,Q2min以上である場合は、図9に示すように、容量Q1p,Q2pが各ポンプモータ6,9の目標容量Q1,Q2として、また最低油圧Pminが設定圧Pとして再設定される。これに対して、これら容量Q1p,Q2pの少なくともいずれか一方が容量Q1min,Q2min未満である場合には、容量Q1min,Q2minが各ポンプモータ6,9の目標容量Q1,Q2として再設定され、また、設定圧Pが、次式により再度算出されて再設定される。
P=T1×2π/Q1
上記のステップS17で、各ポンプモータ6,9の目標容量Q1,Q2、および電磁調圧弁27,28の設定圧Pが再設定されると、目標容量Q1,Q2がその再設定された値にそれぞれ変更され(ステップS18)、また、設定圧Pが再設定された値に変更されて(ステップS19)、各ポンプモータ6,9および各電磁調圧弁27,28の制御が実行される。そしてその後、このルーチンを一旦終了する。
一方、前述のステップS16で、設定圧Pが最低油圧Pmin以上であることにより、ステップS16で否定的に判断された場合には、ステップS17の制御を行わずに、ステップS18へ進み、それ以降の制御が上記と同様に実行される。すなわち、設定圧Pが最低油圧Pmin以上である場合は、各電磁調圧弁27,28は、所定の制御応答性が保障され、適切な制御応答性のもとで制御することができるものと判断できるため、上記のステップS17の制御を行う必要がないのである。
以上のように、この発明の油圧制御装置による第1の制御例によれば、各ポンプモータ6,9をそれぞれ制御する際に設定される各ポンプモータ6,9の目標容量Q1,Q2と、各ポンプモータ6,9の間の油路20,21の油圧を調圧する各電磁調圧弁27,28の設定圧Pとが、制御の開始当初にエンジントルクTeおよび目標変速比γrefから求められた各ポンプモータ6,9の仮目標容量Q1',Q2'と、油圧ポンプとして機能しているポンプモータ、すなわち上記の第1の制御例では第1ポンプモータ6の軸トルクT1とに基づいて再設定される。
そして、各電磁調圧弁27,28の仮設定圧P'が、各電磁調圧弁27,28を適切な制御応答性で制御することのできる油圧領域の下限値である最低油圧Pminよりも低い場合には、その仮設定圧P'が最低油圧Pmin以上となるように、各ポンプモータ6,9の少なくとのいずれか一方の目標容量が見直されて変更される。すなわち、上記の第1の制御例では第1ポンプモータ6の目標容量Q1が低下させられる。第1ポンプモータ6の目標容量Q1を低下させることにより、その第1ポンプモータ6の吐出圧が上昇し、その結果、各電磁調圧弁27,28の前後差圧すなわち各電磁調圧弁27,28が設けられている油路20と油路21との間の差圧が大きくなって、各電磁調圧弁27,28の設定圧Pを最低油圧Pmin以上の油圧にすることができる。
そのため、例えばエンジン1のアイドリング時やクリープトルクによる発進時などのような、エンジン1からの伝達トルクが小さい場合に、各電磁調圧弁27,28の当初の仮設定圧P'が、制御応答性が低い領域の値であっても、油圧ポンプとして機能するいずれか一方のポンプモータ6(もしくは9)の目標容量を低下させてその吐出圧を増大することにより、設定圧Pを最低油圧Pmin以上の油圧として再設定することができ、各電磁調圧弁27,28を精度良く制御することができる。
(第2の制御例)
図2,図3は、この発明の油圧制御装置による第2の制御例を説明するためのフローチャートであって、これらのフローチャートで示されるルーチンは、それぞれ並行して、所定の短時間毎に繰り返し実行される。図2において、先ず、エンジン1を制御する際の回転数の目標値である目標エンジン回転数Nerefが求められる(ステップS21)。この目標エンジン回転数Nerefは、例えば、要求駆動力に基づくエンジン1のスロットル開度と車速との関係に基づいて設定されたマップなどから求めることができる。
目標エンジン回転数Nerefが求められると、エンジン1を制御する際の出力トルクの目標値である目標エンジントルクTerefが求められ、その目標エンジントルクTerefから、各ポンプモータ6,9のうち、この場合に油圧ポンプとして機能している第1ポンプモータ6の軸トルク(受け持ちトルク)T1teが求められる(ステップS22)。このうち目標エンジン回転数Nerefは、例えば、要求駆動力に基づくエンジン1のスロットル開度と、上記のステップS21で求められた目標エンジン回転数Nerefとの関係に基づいて設定されたマップなどから求めることができる。
また、無段変速機の変速比制御のための目標変速比γrefが求められる(ステップS23)。この目標変速比γrefは、例えば、車速とアクセル開度すなわち要求駆動力との関係に基づいて設定されたマップなどから求めることができる。
目標変速比γrefが求められると、前述の図1で示すフローチャートのステップS13と同様に、目標変速比γrefを実現するための各ポンプモータ6,9の容量(押出容積)Q1,Q2の組み合わせのうち、それぞれが最大となる組み合わせである容量Q1max,Q2maxと、それぞれが容量Q1max,Q2max以下となる組み合わせである容量Q1min,Q2minとが求められる(ステップS24)。
続いて、各電磁調圧弁27,28の設定圧を所定の設定値Poptとした場合に第1ポンプモータ6で軸トルク(受け持ちトルク)T1teを発生させるための各ポンプモータ6,9の容量Q1p,Q2pが求められ、それら容量Q1p,Q2pに対して、それぞれ上限と下限とを設けたものが各ポンプモータ6,9の目標容量Q1,Q2として再設定される(ステップS25)。そしてその後、このルーチンを一旦終了する。
ここで、設定値Poptは、例えば、図10に示すように、電磁調圧弁27,28の所定の制御応答性を確保する油圧領域、言い換えると、電磁調圧弁27,28を良好な制御応答性で制御することのできる油圧領域の範囲内で設定される。また、各ポンプモータ6,9の容量Q1p,Q2pは、上記のステップS24で求められた容量Q1max,Q2maxから、
Q1p=T1te×2π/Popt
Q2p=Q2max×Q1p/Q1max
として求めることができる。そして、目標容量Q1,Q2に対する上限および下限の設定は、
Q1={max(Q1p,Q1min),Q1max}
Q2={max(Q2p,Q2min),Q2max}
として求めることができる。
一方、図3において、先ず、第2ポンプモータ9を油圧ポンプとして制御する際の軸トルクの目標値である目標発生トルクT1refが求められる(ステップS31)。この目標発生トルクT1refは、上記の図2で示すフローチャートのステップS21で求められる目標エンジン回転数Nerefと、同じくステップS22で求められる軸トルクT1teと、エンジン回転数制御用フィードバックトルクT1fbとから、
T1ref=T1te+T1fb
として求めることができる。なお、エンジン回転数制御用フィードバックトルクT1fbは、エンジン1の実エンジン回転数をNeとし、所定の係数αとすると、
T1fb=(N2ref−Ne)×α
として算出することができる。
目標発生トルクT1refが算出されると、その目標発生トルクT1refを実現するために設定される電磁調圧弁27,28の設定圧Pが求められる(ステップS32)。この設定圧Pは、目標発生トルクT1refと、上記の図2で示すフローチャートのステップS21で設定される目標容量Q1とから、
P=T1×2π/Q1
として求めることができる。
上記の各ステップで、各ポンプモータ6,9の目標容量Q1,Q2、および電磁調圧弁27,28の設定圧Pが設定されると、目標容量Q1,Q2がその再設定された値にそれぞれ変更され(ステップS33)、また、設定圧Pが再設定された値に変更されて(ステップS34)、各ポンプモータ6,9および各電磁調圧弁27,28の制御が実行される。そしてその後、このルーチンを一旦終了する。
以上のように、この発明の油圧制御装置による第2の制御例によれば、エンジン1の回転数がフィードバック制御される際の目標エンジン回転数Nerefと実エンジン回転数をNeの偏差に基づいて、油圧ポンプとして機能しているポンプモータ、すなわち上記の第2の制御例では第1ポンプモータ6の目標発生トルクT1refが設定され、その第1ポンプモータ6の目標発生トルクT1refに基づいて電磁調圧弁27,28の設定圧Pが再設定される。言い換えれば、目標エンジン回転数Nerefと実エンジン回転数をNeの偏差に基づいて電磁調圧弁27,28の設定圧Pが設定され、その設定圧Pを増減して再設定することにより、第1ポンプモータ6の目標発生トルクT1refが決まり第1ポンプモータ6が制御される。そのため、電磁調圧弁27,28の設定圧Pを制御することにより第1ポンプモータ6の軸トルクが制御されて、その第1ポンプモータ6との間でトルク伝達を行っているエンジン1の回転数が制御される。その結果、主に電磁調圧弁27,28の設定圧Pを制御することによりエンジン1の回転数制御を行うことができ、そのエンジン1の回転数制御と各ポンプモータ6,9の容量制御との干渉を回避して、スムーズな変速比制御を行うことができる。
また、第1ポンプモータ6の軸トルクを制御するために電磁調圧弁27,28の設定圧Pが制御される際には、電磁調圧弁27,28の所定の制御応答性を確保する油圧領域すなわち電磁調圧弁を良好な制御応答性で制御することのできる油圧領域として求めた目標容量Q1,Q2に対する上限および下限の範囲内で設定圧Pが増減されて設定される。そのため、電磁調圧弁27,28を常に制御応答性が良好な油圧領域内で制御することができ、その結果、エンジン1の回転数制御を精度良く行うことができる。
ここで、上述した具体例とこの発明との関係を簡単に説明すると、上述したステップS15,S16,S17,S32の機能的手段が、この発明の調圧弁制御手段に相当する。また、ステップS16,S17,S18,S19,S25,S33,S34の機能的手段が、この発明のポンプモータ制御手段に相当する。
なお、この発明は上記の具体例に限定されないのであって、対象とする変速機は、図4に示す構成以外のものであってもよく、例えば、図11に示すように、油圧のみによってエンジン1の動力をデファレンシャル30を介して駆動輪31に伝達し、かつ変速を行うように構成した変速機であってもよい。すなわち、静圧式変速機(HydroStatic Transmission:HST)であってもよい。また、図12に示すように、歯車機構32、33を主体とした変速機構と並列にHSTを設けて、全体として無段階に変速できるように構成した変速機であってもよい。また、図4に示す例では、前進3段・後進1段の固定変速比を設定できるように構成されているが、この発明で対象とする変速機は、固定変速比の数がそれよりも多くてよく、あるいは反対に少なくてもよい。
また、ポンプモータをシングルピニオン型遊星歯車機構やダブルピニオン型遊星歯車機構などの差動機構に対する反力機構として用いる場合、その押出容積をゼロから一方向にのみ増大できるいわゆる片振り型のものに限らず、正負の両方向に変化させることのできるいわゆる両振り型のポンプモータを使用することもできる。その場合、歯車機構は、図4と異なる構成とすることができる。
また、ポンプモータや差動機構ならびにギヤ対などの伝動機構の配列は、必要に応じて適宜変更することができる。またさらに、動力源は一方の差動機構に直接連結する替わりに、前述したカウンタギヤ対のアイドルギヤに連結してもよい。さらに、ギヤ対に替えてベルトやチェーンなどの機構を用いてもよい。そして、この発明における動力源は、エンジンである必要はなく、電気モータであってもよく、あるいは内燃機関と電動機とを組み合わせたハイブリッド駆動装置であってもよい。
この発明の制御装置における第1の制御例を説明するためのフローチャートである。 この発明の制御装置における第2の制御例を説明するためのフローチャートである。 この発明の制御装置における第2の制御例を説明するためのフローチャートである。 この発明で対象とする変速機の一例を模式的に示すスケルトン図である。 図4に示す変速機で各変速比を設定する際の各ポンプモータおよび各シンクロの動作状態をまとめて示す図表である。 この発明で対象とする変速機の発進時における各回転部材の動作を示す共線図である。 図1のフローチャートにおけるステップS13の制御で用いられるマップの一例である。 電磁制御弁の前後差圧と指示電流値とに関する特性を示す模式図である。 図1のフローチャートにおけるステップS17の制御内容を説明するための模式図である。 図2のフローチャートにおけるステップS25の制御内容を説明するための模式図である。 この発明で対象とする変速機のその他の例を模式的に示すスケルトン図である。 この発明で対象とする変速機のその他の例を模式的に示すスケルトン図である。
符号の説明
1…エンジン(動力源)、 6…第1ポンプモータ(油圧ポンプもしくは油圧モータ)、 9…第2ポンプモータ(油圧ポンプもしくは油圧モータ)、 11…ドリブン軸(出力部材)、 20,21…油路、 27,28…リリーフ弁(電磁調圧弁)、 29…電子制御装置(ECU)。

Claims (6)

  1. 動力源が出力した動力によって駆動される可変容量型の油圧ポンプと、その油圧ポンプに対して圧油を相互に授受可能に連通されるとともに、前記油圧ポンプが出力した圧油が供給されて駆動されることにより出力部材に動力を出力する可変容量型の油圧モータと、前記油圧ポンプと油圧モータとの間の油圧を電気的に調圧可能な電磁調圧弁とを備え、前記出力部材に伝達されるトルクがこれらの油圧ポンプおよび油圧モータの容量と油圧とに応じて変化する無段変速機の油圧制御装置において、
    目標変速比に応じてそれぞれ設定される前記油圧ポンプの目標容量および油圧モータの目標容量と、要求駆動力に応じて設定される前記油圧ポンプの目標軸トルクとに基づいて前記電磁調圧弁で調圧する設定圧を設定する調圧弁制御手段と、
    前記調圧弁制御手段により設定された前記設定圧に基づいて前記油圧ポンプの目標容量および油圧モータの目標容量を再設定してそれら油圧ポンプおよび油圧モータを制御するポンプモータ制御手段と
    を備えていることを特徴とする無段変速機の油圧制御装置。
  2. 前記ポンプモータ制御手段は、前記設定圧が前記電磁調圧弁の所定の制御応答性を保障する最低油圧よりも低い場合に、前記油圧ポンプの目標容量および油圧モータの目標容量の少なくともいずれか一方を変更して前記設定圧を前記最低油圧以上に上昇させる手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の無段変速機の油圧制御装置。
  3. 前記ポンプモータ制御手段は、前記油圧ポンプの目標容量を低下させることにより前記設定圧を上昇させて前記電磁調圧弁の上流側と下流側との間の差圧を増大する手段を含むことを特徴とする請求項2に記載の無段変速機の油圧制御装置。
  4. 前記調圧弁制御手段は、前記動力源の目標回転数と実回転数との偏差に基づいて前記設定圧を設定する手段を含み、
    前記ポンプモータ制御手段は、前記設定圧を増減させることにより前記油圧ポンプの軸トルクを制御する手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の無段変速機の油圧制御装置。
  5. 前記ポンプモータ制御手段は、前記電磁調圧弁の所定の制御応答性を確保する油圧領域の範囲内で前記設定圧を増減する手段を含むことを特徴とする請求項4に記載の無段変速機の油圧制御装置。
  6. 前記可変容量型の油圧ポンプおよび油圧モータは、それぞれ油圧ポンプとしての機能と油圧モータとしての機能とを兼ね備えた可変容量型の油圧ポンプモータであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の無段変速機の油圧制御装置。
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