JP2008194844A - ハニカム構造体成形用金型の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ハニカム構造体成形用金型の製造方法は、金型素材80の溝形成面820上における溝形成位置に対して高圧水を噴射して水柱72を形成すると共にレーザ光71を水柱72の中に通して照射し、レーザ照射位置を溝形成位置に沿って複数回通過するように移動させる照射スキャンを行ってスリット溝82を加工するに当たり、溝形成位置と水柱72の形成位置との位置合わせは、金型素材80の表裏を貫通するよう予め設けた基準穴61に水柱72の外周全てを通過させることが可能な金型素材80と水柱72との相対位置を基準位置として決定し、基準位置を原点とする座標データに基づいて水柱72を金型素材80に対して相対移動させることにより行う。
【選択図】図4
Description
被加工物の溝形成面上における溝形成位置に対して高圧水を噴射して水柱を形成すると共にレーザ光を上記水柱の中に通して照射し、レーザ照射位置を上記溝形成位置に沿って複数回通過するように移動させる照射スキャンを行って上記スリット溝を加工するに当たり、
上記溝形成位置と上記水柱の形成位置との位置合わせは、上記被加工物の表裏を貫通するよう予め設けた基準穴に上記水柱の外周全てを通過させることが可能な上記被加工物と上記水柱との相対位置を基準位置として決定し、該基準位置を原点とする座標データに基づいて上記水柱を上記被加工物に対して相対移動させることにより行うことを特徴とするハニカム構造体成形用金型の製造方法にある(請求項1)。
すなわち、上記基準位置の決定は、上記照射スキャンを開始する前に行うことが好ましく、これによって上述した効果を得ることができる。
これにより、上記照射スキャンを途中で中断した場合でも、上記溝形成位置に対する上記水柱の形成位置及び上記レーザ光の照射位置のずれをしっかりと抑制することができる。また、形成する上記スリット溝における溝幅のばらつきや溝の段差を充分に防止することができる。
この場合には、上記スリット溝を形成するに当たって、上記基準穴が影響を及ぼすことを防止することができる。また、得られるハニカム構造体成形用金型を用いて材料を押出成形してハニカム構造体を作製する際に、上記基準穴が成形に悪影響を及ぼすことを防止することができる。
この場合にも、上記供給穴を形成するに当たって、上記基準穴が影響を及ぼすことを防止することができる。また、ハニカム構造体を作製する際に、上記基準穴が成形に悪影響を及ぼすことを防止することができる。
この場合には、上記基準穴を上記被加工物に直接形成する場合に比べて、上記基準穴を精度良く形成することができる。また、上記基準穴を上記被加工物と別体の上記穴形成部品に形成するため、上記基準穴の取り扱いが容易となる。例えば、上記基準穴の寸法の微調整等を容易に行うことができる。
この場合には、上記ノズル部品を複数準備しておけば、使用しない上記ノズル部品、つまり上記予備ノズル部品を上記穴形成部品として代用することができる。また、上記予備ノズル部品の上記吐出穴を上記基準穴とするため、上記基準穴を上記被加工物に容易に設けることができる。
この場合には、上記被加工物に上記係合貫通穴を設け、該係合貫通穴に上記予備ノズル部品を係合させるだけで、上記基準穴を上記被加工物に容易に設けることができる。
上記開口径Aと上記外径Bとの関係がA≦Bの場合には、上記基準穴に上記水柱の外周全てを通過させることができず、上記基準位置を決定することができないおそれがある。一方、A>1.5Bの場合には、上記水柱の外径Bに対して上記基準穴の開口径Aが大きくなりすぎ、上記基準穴に上記水柱の外周全てを通過させても、上記基準位置を正確に決定することができないおそれがある。
このような外径の小さな上記水柱の形成位置と上記溝形成位置との位置合わせをする場合には、高い精度が求められる。そのため、上記本発明の効果を特に有効に発揮することができる。
すなわち、上記基準穴は、上記水柱の外周全てを通過させることができるよう形成されている。そのため、上記基準穴の深さまで、上記水柱の形成位置及び上記レーザ光の照射位置の精度を確保することができる。つまり、少なくとも最終的に形成する上記スリット溝の溝深さまで、上記水柱の形成位置及び上記レーザ光の照射位置の精度を確保することができる。これにより、上記スリット溝をより一層高精度に加工することができる。
このような溝幅が狭い上記スリット溝を加工する場合には、高い加工精度が求められる。そのため、上記本発明の効果を特に有効に発揮することができる。
このような溝深さの上記スリット溝を加工する場合には、高い加工精度が求められる。そのため、上記本発明の効果を特に有効に発揮することができる。
いずれの格子形状の上記スリット溝を加工する場合にも、上記本発明の効果を充分に発揮することができる。
なお、上記スリット溝の形状は、成形するハニカム構造体に合わせて、種々の形状を採用することができる。
本発明の実施例にかかるハニカム構造体成形用金型の製造方法について、図を用いて説明する。
本例において製造するハニカム構造体成形用金型8は、図1、図3に示すごとく、材料を供給するための供給穴81と、供給穴81に連通して格子状に設けられ、材料をハニカム形状に成形するためのスリット溝82とを有する。供給穴81及びスリット溝82は、それぞれ穴形成面810及び溝形成面820に設けられている。また、両者は、加工領域800内に設けられている。
なお、本例のスリット溝82は、四角形格子状を呈しており、溝幅が90μm、溝深さが2.5mmである。スリット溝82の格子形状は、例えば三角形、六角形等とすることもできる。
また、基準穴61は、上記水柱の外周全てを通過させることができるよう形成されている。基準穴61の開口径は、内径rと同じであり、55μmである。また、基準穴61の深さhは5mmである。また、逃がし穴62の内径Rは10mmである。
また、図5に示すごとく、ノズル部3内には、高圧水を通過させて水柱72を形成する吐出穴311を備えたノズル部品31が設けられている。吐出穴311の内径は、55μmである。
また、高圧水供給部14とノズル部3との間には、高圧水を供給するための配管22が設けられている。
また、上記駆動部、高圧水供給部14及びレーザ発生部11は、これらを操作するための図示しない操作盤に接続されている。
本例では、まず、金型素材80の穴形成面810に、ドリルを用いて供給穴81(図3)を形成する。供給穴81は、穴形成面810から金型素材80を貫通しない所定の深さまで形成した。また、供給穴81は、金型素材80における加工領域800内に形成した。
基準穴61を形成するに当たっては、図2に示すごとく、金型素材80の穴形成面810から溝形成面820に向けて、形成する基準穴61よりも大径の逃がし穴62を予め設ける。その後、溝形成面820から逃がし穴82に貫通するように、ドリルを用いて基準穴61を形成する。なお、基準穴61は、後工程において形成する水柱72の外周全てを通過させることができるよう形成した。また、基準穴61は、金型素材80の加工領域800の外方に形成した。
スリット溝82を形成するに当たっては、図6に示すごとく、溝加工装置1の保持部19に金型素材80を保持する。このとき、保持部19と金型素材80との間にスペーサ191を設け、両者の間に空間が形成されるようにする。そして、高圧水供給部14からノズル部3に高圧水を供給し、金型素材80に対してノズル部3から高圧水を噴射して水柱72を形成する。なお、水柱72の外径は、53μmである。
なお、この基準位置Sの決定では、基準穴61に水柱72の外周全てが金型素材80の何処にも接触することなく進入し、金型素材80の穴形成面810から何ら乱れのない水柱72が出て行くことを目視で確認する。
以上により、ハニカム構造体成形用金型8を作製した。
本例の製造方法では、水柱72を形成すると共にレーザ光71をその水柱72の中に通して照射する、いわゆるウォータージェットレーザによりスリット溝82の加工を行う。そして、このウォータージェットレーザによるスリット溝82の加工を行うに当たっては、金型素材80に予め設けておいた基準穴61に水柱72の外周全てを通過させ、このときの金型素材80と水柱72との相対位置を基準位置Sとして決定する。その後、この基準位置Sを原点とする座標データに基づいて、水柱72を金型素材80に対して相対移動させ、金型素材80における溝形成位置と水柱72の形成位置との位置合わせを行う。
これにより、長時間に渡る加工において、照射スキャンを途中で中断した場合でも、金型素材80における溝形成位置に対する水柱72の形成位置及びレーザ光71の照射位置のずれをしっかりと抑制することができる。また、形成するスリット溝82における溝幅のばらつきや溝の段差を充分に防止することができる。
本例は、実施例1における基準穴61の構成を変更した例である。
本例の金型素材80には、図9に示すごとく、ノズル部品31(図5)の外形状に対応する係合貫通穴63が設けられている。係合貫通穴63には、予備のノズル部品31が溝形成面820において面一となるように係合されている。そして、予備のノズル部品31の吐出穴311を基準穴61として構成している。また、係合貫通穴63において、係合されたノズル部品31以外の部分は、基準穴61よりも大径の逃がし穴62となる。
その他は、実施例1と同様の構成である。
その他は、実施例1と同様の製造方法である。
また、基準穴61は、金型素材80と別体のノズル部品31に形成されているため、基準穴61の取り扱いが容易となる。例えば、基準穴61の寸法を調整したい場合には、吐出穴311の内径が異なるノズル部品31を用意しておけばよい。
その他は、実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
61 基準穴
71 レーザ光
72 水柱
8 ハニカム構造体成形用金型
80 金型素材(被加工物)
81 供給穴
82 スリット溝
820 溝形成面
Claims (12)
- 材料を供給するための供給穴と、該供給穴に連通して格子状に設けられ、材料をハニカム形状に成形するためのスリット溝とを有するハニカム構造体成形用金型を製造する方法において、
被加工物の溝形成面上における溝形成位置に対して高圧水を噴射して水柱を形成すると共にレーザ光を上記水柱の中に通して照射し、レーザ照射位置を上記溝形成位置に沿って複数回通過するように移動させる照射スキャンを行って上記スリット溝を加工するに当たり、
上記溝形成位置と上記水柱の形成位置との位置合わせは、上記被加工物の表裏を貫通するよう予め設けた基準穴に上記水柱の外周全てを通過させることが可能な上記被加工物と上記水柱との相対位置を基準位置として決定し、該基準位置を原点とする座標データに基づいて上記水柱を上記被加工物に対して相対移動させることにより行うことを特徴とするハニカム構造体成形用金型の製造方法。 - 請求項1において、上記基準位置の決定は、上記照射スキャンを開始する前に行い、かつ、上記照射スキャンを途中で中断した場合には、再び上記基準位置の決定を行って、該基準位置を原点とする座標データに基づいて上記水柱を上記被加工物に対して上記照射スキャン中断前の位置に相対移動させた後、上記照射スキャンを再開することを特徴とするハニカム構造体成形用金型の製造方法。
- 請求項1又は2において、上記基準穴は、上記被加工物における上記スリット溝を形成する領域の外方に形成されていることを特徴とするハニカム構造体成形用金型の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項において、上記基準穴は、上記被加工物と別体の穴形成部品に形成されており、該穴形成部品を上記被加工物に係合一体化させることによって上記基準穴を上記被加工物に設けることを特徴とするハニカム構造体成形用金型の製造方法。
- 請求項4において、上記穴形成部品は、上記水柱を形成するための吐出穴を備えたノズル部品と同形状の予備ノズル部品であり、該予備ノズル部品の吐出穴を上記基準穴とすることを特徴とするハニカム構造体成形用金型の製造方法。
- 請求項5において、上記被加工物には、上記ノズル部品の外形状に対応する係合貫通穴を設け、該係合貫通穴に上記予備ノズル部品を係合させて上記被加工物と上記予備ノズル部品とを一体化することによって、上記基準穴を上記被加工物に設けることを特徴とするハニカム構造体成形用金型の製造方法。
- 請求項1〜6のいずれか1項において、上記基準穴の開口径Aと上記水柱の外径Bとは、B<A≦1.5Bの関係を満たすことを特徴とするハニカム構造体成形用金型の製造方法。
- 請求項7において、上記水柱の外径Bは、30〜200μmであることを特徴とするハニカム構造体成形用金型の製造方法。
- 請求項1〜8のいずれか1項において、上記基準穴の深さは、最終的に形成する上記スリット溝の溝深さ以上であることを特徴とするハニカム構造体成形用金型の製造方法。
- 請求項1〜9のいずれか1項において、上記スリット溝の溝幅は、40〜150μmであることを特徴とするハニカム構造体成形用金型の製造方法。
- 請求項1〜10のいずれか1項において、上記スリット溝の溝深さは、2〜3.5mmであること特徴とするハニカム構造体成形用金型の製造方法。
- 請求項1〜11のいずれか1項において、上記スリット溝の格子形状は、三角形、四角形又は六角形であることを特徴とするハニカム構造体成形用金型の製造方法。
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