JP2008194793A - スローアウェイチップおよびこれを用いたスローアウェイ式転削工具 - Google Patents

スローアウェイチップおよびこれを用いたスローアウェイ式転削工具 Download PDF

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Abstract

【課題】アルミニウム合金等の延性の高い材料の転削加工を行う場合において、切りくずの一部が刃先に溶着することがなく、刃先強度に優れ、高精度の仕上げ面粗さを得る。
【解決手段】
主切れ刃4およびさらい刃5がシャープエッジからなるスローアウェイチップ1であって、前記さらい刃5の先端部からチップ厚み方向と直交する方向に所定幅Lで設定されたすくい面2の第1領域におけるすくい角α1が、前記主切れ刃4におけるすくい角α3より小さく、この第1領域に隣接してチップ厚み方向と直交する方向に延在する前記すくい面の第2領域におけるすくい角α2が、前記第1領域におけるすくい角α1より大きく形成されるとともに、前記さらい刃5における第2領域のすくい面2と逃げ面3とがなす刃物角が、前記主切れ刃4における刃物角よりも小さいことを特徴とする。
【選択図】 図4

Description

本発明は、さらい刃を備えたスローアウェイチップおよびこのスローアウェイチップが切れ刃として工具本体に着脱自在に装着されてなるスローアウェイ式転削工具に関し、特に、アルミニウム合金等の延性の高い材料の転削加工に好適に用いられるさらい刃を備えたスローアウェイチップおよびこれを用いたスローアウェイ式転削工具に関する。
従来、正面フライスに装着されるスローアウェイチップにおいて、切れ刃として切削作用において切りくず生成に主な役割を果たす主切れ刃と、平滑な仕上げ面を得るための仕上げ面に平行に設けたさらい刃(第一副切れ刃)とを有するものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
ここで、一般にアルミニウム合金等の延性の高い材料の切削加工を行う場合、切りくずの一部が刃先に溶着しやすく、高精度の仕上げ面が得られにくい。そこで、加工面の仕上がりを良くするため、切れ刃のすくい角を大きくしたり、切削速度や送りを高くしたりする方法が検討されている。また、切削加工時におけるびびり振動の発生による仕上げ面粗さの悪化および切れ刃の損傷を防止する観点からも、切削抵抗を減少させることを目的として、切れ刃のすくい角を大きくすることが検討されている。
一方、切削加工時に切れ刃の逃げ面が被削材の加工面に接触すると、加工面の仕上りが悪くなることから、そのような接触を避け平滑な仕上面を得るために、通常、切れ刃の逃げ面は被削材の加工面に対して所定の逃げ角で傾斜するように設計され、特に、仕上げ面の切削を担うさらい刃においては、主切れ刃の逃げ角よりも大きな逃げ角とすることが検討されている。
特開2003−117717号公報(第3図)
したがって、切削による衝撃が比較的小さいアルミニウム合金等の軟質材料の切削加工においては、主切れ刃およびさらい刃のすくい角および逃げ角を大きく設け、主切れ刃およびさらい刃を、刃先形状が鋭利なシャープエッジとしたスローアウェイチップを用いて切削を行うことが優れた仕上面品位を実現する上で最適であると考えられる。
しかしながら、さらい刃の逃げ角を主切れ刃の逃げ角よりも大きくする等して、さらい刃の刃物角が主切れ刃の刃物角よりも小さく設計されている場合には、さらい刃の刃先強度が主切れ刃よりも乏しくなってしまう。この場合において、切削加工条件は通常主切れ刃を基準として設定されることから、切削に伴って主切れ刃に著しい摩耗やチッピング等の損傷が生じなくても、さらい刃においてそのような損傷が生じてしまうという問題があった。その結果、仕上面粗さに優れた加工面を得ることができず、また、工具寿命が短縮されるという問題があった。さらに、このような問題を防止するため、さらい刃を基準に切削速度や送りを低くする等、切削加工条件を落とすと、仕上面粗さが悪化したり、加工能率が悪くなったりするという問題もあった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、アルミニウム合金等の延性の高い材料の切削加工を行う場合であっても、切りくずの一部が刃先に溶着することがなく、高精度の仕上げ面粗さを得ることが可能であるとともに、刃先強度に優れ、切れ刃の摩耗、チッピング等の損傷を防止することのできる、仕上げ面の品位および工具寿命に優れた、さらい刃を有するスローアウェイチップおよびこれを用いたスローアウェイ式転削工具を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のスローアウェイチップおよびこれを用いたスローアウェイ式転削工具は以下の手段を採用する。
請求項1に記載の発明は、略平板状をなし、この上面にすくい面と、このすくい面に交差する側面に逃げ面と、これらすくい面と逃げ面との交差稜線部に主切れ刃およびさらい刃が形成されたスローアウェイチップであって、これら主切れ刃およびさらい刃がシャープエッジからなり、さらい刃の先端部からチップ厚み方向と直交する方向に所定幅で設定されたすくい面の第1領域におけるすくい角が主切れ刃におけるすくい角より小さく、この第1領域に隣接してチップ厚み方向と直交する方向に延在するすくい面の第2領域におけるすくい角が第1領域におけるすくい角より大きく形成されるとともに、さらい刃における第2領域のすくい面と逃げ面とがなす刃物角が、主切れ刃における刃物角よりも小さいことを特徴とする。
本発明によれば、主切れ刃およびさらい刃がシャープエッジであることから、アルミニウム合金等の延性の高い材料の切削加工を行う場合であっても、切りくずの一部が刃先に溶着してしまうことがない。また、切削抵抗が小さくなることから、切削加工時におけるびびり振動の発生を抑制することができ、その結果、チッピング等の切れ刃の損傷および仕上げ面粗さの悪化を防止することができる。したがって、高精度の仕上げ面を得ることができ、優れた仕上面品位を実現することができる。
ここで、シャープエッジとは、特に処理をせず鋭利な状態を維持した切れ刃をいうが、すくい面および逃げ面を研磨加工する際にチッピング等が発生し、刃先先端部が丸くなってしまったり、面取りがされてしまったりしたものもこれに含まれる。なお、このシャーップエッジにおいては、切れ刃に直交する断面の曲率半径が20μm以下の鋭利な刃先形状、特に、曲率半径5μm以下の非常に鋭利な刃先形状とすることが、切りくずの耐溶着性、切削抵抗の低減化等の点で好ましい。
さらに、第2領域におけるさらい刃の刃物角を主切れ刃における刃物角よりも小さくすることで、切れ刃のシャープさを維持して、切削抵抗の低減や仕上面粗さの向上等を図りつつ、第1領域におけるさらい刃のすくい角を主切れ刃のすくい角より小さくし、第1領域におけるさらい刃の刃物角を主切れ刃の刃物角よりも大きくすることで、さらい刃の刃先先端部における刃先強度の向上を図ることができる。このようにさらい刃の刃先強度が向上することから、主切れ刃を基準として切削加工条件を設定した場合であっても、切削に伴ってさらい刃のみに著しい摩耗やチッピング等の損傷が発生するようなことがない。よって、さらい刃を基準に切削速度や送りを低くする等することで加工能率が悪くなることもなく、さらい刃の損傷による仕上面粗さの悪化を防止することができる。
請求項2に記載の発明は、略平板状をなし、この上面にすくい面と、このすくい面に交差する側面に逃げ面と、これらすくい面と逃げ面との交差稜線部に主切れ刃およびさらい刃が形成されたスローアウェイチップであって、これら主切れ刃およびさらい刃がシャープエッジからなり、さらい刃の先端部からチップ厚み方向と直交する方向に所定幅で設定されたすくい面の第1領域におけるすくい角が主切れ刃におけるすくい角より小さく、この第1領域に隣接してチップ厚み方向と直交する方向に延在するすくい面の第2領域におけるすくい角が第1領域におけるすくい角より大きく形成されるとともに、さらい刃における逃げ角が主切刃における逃げ角より大きいことを特徴とする。
本発明によれば、主切れ刃およびさらい刃がシャープエッジであることから、アルミニウム合金等の延性の高い材料の切削加工を行う場合であっても、切りくずの一部が刃先に溶着してしまうことがない。また、切削抵抗が小さくなることから、切削加工時におけるびびり振動の発生を抑制することができ、その結果、チッピング等の切れ刃の損傷および仕上げ面粗さの悪化を防止することができる。さらに、さらい刃における逃げ角が主切刃における逃げ角より大きいことから、切れ味の向上や切削抵抗の低減等の観点によりアキシャルレーキ角が正の角度をなすようにスローアウェイチップが工具本体に取り付けられた場合であっても、さらい刃の逃げ面が切削加工時に被削材の加工面に接触してしまうことがない。したがって、高精度の仕上げ面を得ることができ、優れた仕上面品位を実現することができる。
さらに、さらい刃における逃げ角を主切刃における逃げ角よりも大きくして第2領域におけるさらい刃の刃物角を主切れ刃における刃物角よりも小さくすることで、さらい刃のシャープさを維持して、切削抵抗の低減や仕上面粗さの向上等を図りつつ、第1領域におけるさらい刃のすくい角を主切れ刃のすくい角より小さくし、第1領域におけるさらい刃の刃物角を主切れ刃の刃物角よりも大きくすることで、さらい刃の刃先先端部における刃先強度の向上を図ることができる。このようにさらい刃の刃先強度が向上することから、主切れ刃を基準として切削加工条件を設定した場合であっても、切削に伴ってさらい刃のみに著しい摩耗やチッピング等の損傷が発生するようなことがない。よって、さらい刃を基準に切削速度や送りを低くする等することで加工能率が悪くなることもなく、さらい刃の損傷による仕上面粗さの悪化を防止することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のスローアウェイチップにおいて、さらい刃の先端部からチップ厚み方向と直交する方向に設けられるすくい面の第1領域における所定幅が、0.01mm以上0.5mm以下の範囲で設定されることを特徴とする。
本発明によれば、さらい刃の先端部からチップ厚み方向と直交する方向に0.01mm以上0.5mm以下の範囲で設定されたすくい面の第1領域におけるすくい角が主切れ刃におけるすくい角より小さいことから、さらい刃のシャープさを維持して、切削抵抗の低減や仕上面粗さの向上等を図りつつ、さらい刃の刃先先端部における刃先強度の向上を図ることができる。
このさらい刃の先端部からチップ厚み方向と直交する方向に設定されるすくい面における第一領域の幅の下限は、刃先強度の向上の観点から0.01mm、さらに0.05mmとすることが好ましい。また、その上限は、アルミニウム合金等の非鉄金属の切削加工時の切削抵抗の増大、切りくずの溶着、加工面粗さの悪化防止の観点から0.5mm、さらに0.3mmとすることが好ましい。
請求項4に記載の発明は、スローアウェイ式転削工具であって、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のスローアウェイチップを着脱自在に装着してなることを特徴とする。
本発明によれば、主切れ刃およびさらい刃がシャープエッジであることから、アルミニウム合金等の延性の高い材料の切削加工に使用する場合であっても、切りくずの一部が刃先に溶着することがなく、また、切削抵抗が小さくびびり振動を抑制できることから、高精度の仕上げ面粗さを得ることが可能である。
さらに、第2領域におけるさらい刃の刃物角を主切れ刃における刃物角よりも小さくすることにより切れ刃のシャープさを維持しながら、第1領域におけるさらい刃のすくい角を主切れ刃のすくい角より小さくして第1領域におけるさらい刃の刃物角を主切れ刃の刃物角よりも大きくすることによりさらい刃の刃先強度の向上が図られている。そのため、主切れ刃を基準として切削加工条件を設定した場合であっても、切削に伴ってさらい刃のみに著しい摩耗やチッピング等の損傷が発生するようなことがない。
また、切削に伴ってさらい刃のみが優先的に磨耗したり刃先が欠けたりしてしまうようなことがないことから、切れ刃の交換やチップの取替えの頻度が減少し、切削加工時の作業効率に優れる。
したがって、加工能率が良く、仕上げ面の品位および工具寿命に優れたスローアウェイ式転削工具を提供することができる。
本発明のスローアウェイチップによれば、主切れ刃およびさらい刃がシャープエッジであることから、アルミニウム合金等の延性の高い材料の切削加工を行う場合であっても、切りくずの一部が刃先に溶着することがなく、高精度の仕上げ面粗さを得ることができるという効果を奏する。また、さらい刃のシャープさを維持して切削抵抗の低減や仕上面粗さの向上を図りつつ、第1領域におけるさらい刃のすくい角を主切れ刃のすくい角より小さくし、第1領域におけるさらい刃の刃物角を主切れ刃の刃物角よりも大きく構成していることから、さらい刃の刃先先端部における刃先強度の向上を図ることができるという効果を奏する。
よって、本発明のスローアウェイチップを用いたスローアウェイ式転削工具によれば、アルミニウム合金等の延性の高い材料の切削加工を行う場合であっても、切りくずの一部が刃先に溶着することがなく、高精度の仕上げ面粗さを得ることが可能であるとともに、刃先強度に優れ、刃部の磨耗、チッピング等の損傷を防止することのできる、仕上げ面の品位および工具寿命に優れたスローアウェイ式転削工具を提供することができる。
以下、本発明に係るスローアウェイチップの一実施形態、および本発明に係るスローアウェイ式転削工具の一実施例について、図面に基いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るスローアウェイチップを示す斜視図であり、図2(a)はその上面図、図2(b)はその正面図である。そして、図3は、図2(a)のA−A線断面拡大図であり、図4は、図2(a)のB−B線に断面拡大図である。
また、図5は、本発明のスローアウェイ式転削工具の一実施例に係る正面フライスを示す図であり、(a)はその底面を示す斜視図、(b)はその正面図である。
本実施形態に係るスローアウェイチップ1は、超硬合金、サーメット、セラミックス等から構成され、図1および図2に示されるように、略四角形の平板状をなし、この上面に形成されたすくい面2と、このすくい面2に交差する側面に形成された逃げ面3と、これらすくい面2と逃げ面3との交差稜線部に形成された主切れ刃4およびさらい刃5とを有するポジティブチップからなる。このさらい刃5は、平滑な仕上げ面を得るために設けられるものであって、仕上げ面に平行になるように設けられる。また、このスローアウェイチップ1の中央部には取付穴が貫通形成されている。
一方、本実施例に係る正面フライス10の本体は、鋼材等で構成され、図5(a)(b)に示されるように、略円盤状をなし、その中央部には工具本体を工作機械の主軸に取り付けるための取付穴が軸線に沿って貫通形成され、その先端側外周部には工具本体の外周面及び先端面に開口するように複数のチップポケットおよびチップ取付座が設けられるとともに、このチップ取付座の底面にはねじ穴が穿設されている。
そして、これら複数のチップ取付座の夫々にスローアウェイチップ1を着座させた後、取付穴を介して取付ねじをねじ穴に螺入して取付ねじの頭部を取付穴に係止させることにより、スローアウェイチップ1が正面フライス10に固着され、この正面フライス10本体をその軸線回りに回転させつつ軸線と交差する方向に送りを与え、被加工物に接触させながら移動させて使用することにより、切削加工が行われることとなる。
これら主切れ刃4およびさらい刃5は、刃先形状が鋭利なシャープエッジからなる。そのため、例えば、アルミニウム合金等の延性の高い材料の切削加工を行う場合であっても、切りくずの一部が刃先に溶着してしまうことがない。また、切削抵抗が小さくなることから、切削加工時におけるびびり振動の発生を抑制することができ、その結果、チッピング等の刃部の損傷および仕上げ面粗さの悪化を防止することができる。したがって、切れ刃として本実施形態に係るスローアウェイチップ1を用いて切削加工を行えば、高精度の仕上げ面を得ることができ、優れた仕上面品位を実現することができる。
このシャープエッジの切れ刃4,5に直交する断面の曲率半径としては、切りくずの耐溶着性、切削抵抗の低減化、切れ味の向上等の点から20μm以下、さらに、それらの効果を高める点から5μm以下であることが好ましい。
なお、ここでいうシャープエッジとは、特に処理をせず鋭利な状態を維持した切れ刃をいうが、すくい面および逃げ面を研磨加工する際にチッピング等が発生し、刃先先端部が丸くなってしまったり、面取りがされてしまったりしたものもこれに含まれる。
また、このさらい刃5におけるすくい面2は、その先端部からチップ厚み方向と直交する方向に所定幅Lで設定された第1領域と、この第1領域に隣接してチップ厚み方向と直交する方向に延在する第2領域とに区別され、これらのすくい角α1,α2が異なるように構成される。すなわち、この第一領域におけるすくい角α1は、第2領域におけるすくい角α2より小さくなるように構成されるとともに、主切れ刃4におけるすくい角α3より小さくなるように構成される。
このような構成を採ることにより、さらい刃5における第1領域のすくい面2と逃げ面3とがなす刃物角が主切れ刃4の刃物角よりも大きくなると、さらい刃5の刃先先端部における刃先強度の向上を図ることができる。そのため、主切れ刃4を基準として切削加工条件を設定した場合であっても、切削に伴ってさらい刃5のみが優先的に磨耗したり刃先が欠けたりしてしまうようなことがないので、切削速度や送りを低くする等する必要がなく、さらい刃5の損傷による仕上面粗さの悪化を防止することができる。したがって、本実施形態に係るスローアウェイチップ1を用いれば、加工能率が良く、仕上げ面の品位および工具寿命に優れる。また、さらい刃5の刃先強度向上によりさらい刃5の損傷を防止できることから、本実施例に係る正面フライス10によれば、切れ刃の交換やチップの取替えの頻度が減少し、切削加工時の作業効率に優れる。
この場合であっても、さらい刃5の第2領域におけるすくい角α2は、切削抵抗の低減を図るのに十分な程度に大きく設定されるので、切削加工時におけるびびり振動の発生を抑制することができ、刃部の損傷、仕上げ面粗さの悪化等の心配はない。
さらに、切れ味の向上や切削抵抗の低減等の観点からスローアウェイチップ1をアキシャルレーキ角が正の角度をなすように工具本体に取り付ける場合であっても、さらい刃5における逃げ角θ1が主切刃4における逃げ角θ2より大きく設定されることにより、切削加工時にさらい刃5の逃げ面3が被削材の加工面に接触して加工面の仕上りが悪くなることもない。
そして、さらい刃5の第2領域における刃物角は、主切れ刃4における刃物角よりも小さくなるように構成されることから、切れ刃5のシャープさを維持することができ、切削抵抗の低減や仕上面粗さの向上等を図ることができる。
つまり、本実施形態に係るスローアウェイチップ1によれば、さらい刃5のシャープさを維持して、切削抵抗の低減や仕上面粗さの向上等を図りつつ、同時にさらい刃5の刃先強度の向上を図ることができる。
ここで、このさらい刃5の先端部からチップ厚み方向と直交する方向に設定されるすくい面2における第1領域の所定幅Lとしては、その下限は、0.01mm、さらに0.05mmとすることが好ましい。この第1領域の所定幅Lが、0.01mmより小さいと、切削加工に伴い刃先が欠けやすく、つまり、期待するような効果が得られず、第1領域と第2領域とですくい角α1,α2が異なるように設計する意味がないからである。
また、その上限は0.5mm、さらに0.3mmとすることが好ましい。この第1領域の所定幅Lが0.5mmより大きいと、さらい刃5の刃先強度が向上する代わりに、シャープさを損なうこととなり、アルミニウム合金等の延性の高い材料の切削加工を行う場合に切りくずの一部が刃先に溶着したり、切削抵抗が高くなってびびり振動が発生し、切れ刃が損傷したり、加工面の仕上がりが悪くなったりするからである。
このさらい刃5の第1領域にけるすくい角α1は、例えば、0°以上20°以下、好ましくは、5°以上10°以下の範囲で設定されることが、さらい刃5の刃先強度維持の点で望ましい。
これに対し、このさらい刃5の第2領域にけるすくい角α2は、切りくずの耐溶着性の向上、切削抵抗の低減化によるびびり振動の抑制等を図るには、できるだけ大きく設定されるのが望ましい。しかし、このすくい角α2が大きくなりすぎると、逃げ角θ1もある程度確保しなければならないことから、さらい刃5の刃先角が小さくなりすぎてしまい、却って切れ刃の欠損等が生じ易くなるおそれが生じる。そこで、このさらい刃5の第2領域にけるすくい角α2は、例えば、5°以上40°以下、好ましくは、15°以上30°以下の範囲で設定されることが、高精度の仕上げ面粗さを実現する点で望ましい。
また、このさらい刃5の逃げ角θ1は、例えば、主切れ刃4における逃げ角θ2より1°〜20°、好ましくは、5°〜10°大きく設定されることが、切削加工時にさらい刃5の逃げ面3が被削材に接触することを回避し、かつ、さらい刃5の第2領域における刃物角を小さくシャープエッジに保ち、仕上げ面粗さの悪化を防止する点で望ましい。
一方、主切れ刃4のすくい角α3および逃げ角θ2は、特に限定されないが、切りくずの耐溶着性、切削抵抗の低減化、および刃先強度の維持等の点から、一般に、そのすくい角α3は5°以上40°以下、その逃げ角θ2は5°以上30°以下の範囲で設定される。
なお、前記実施形態においては、スローアウェイチップ1として略四角形の平板状をなすものを用いたが、三角形、正方形、菱形、平行四辺形、五角形、六角形、八角形等の略多角形又は略円形の平板状のスローアウェイチップ1を用いてもよく、これに限定されるものではない。
また、前記実施例においては、本発明に係るスローアウェイチップ1を用いたスローアウェイ式転削工具として、正面フライス10を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、スローアウェイエンドミル、スローアウェイサイドカッタ、スローアウェイボーリングカッタ、スローアウェイドリル等の多種のスローアウェイ式転削工具に適用することができる。
また、前記実施例においては、スローアウェイチップ1を正面フライス10に装着する方法として取付ねじを用いるスクリューオン方式を採用したが、これに代えて、取付穴に嵌挿した偏心ピンや傾動ピンによりクランプする方式、スローアウェイチップの厚さ方向上方より楔でクランプする方式、押さえ駒でクランプする方式等を採用してもよい。
さらに、図5(a)(b)においては、5つのスローアウェイチップ1が装着される正面フライス10であって、そのすべてがさらい刃を有するスローアウェイチップ1とされた場合を図示したが、さらい刃5を有するスローアウェイチップ1とさらい刃5を有しないスローアウェイチップ1とが交互に装着されるものであってもよく、スローアウェイチップ1の装着枚数や、さらい刃5を有するスローアウェイチップ1とそうでないものとの組合せは、これに限定されるものではない。
本発明の一実施形態に係るスローアウェイチップを示す斜視図である。 図1に示すスローアウェイチップを示す図であり、(a)はその上面図、(b)はその正面図である。 図2(a)のA−A線に沿う平面で切断した断面拡大図である。 図2(a)のB−B線に沿う平面で切断した断面拡大図である。 本発明のスローアウェイ式転削工具の一実施例に係る正面フライスを示す図であり、(a)はその底面を示す斜視図、(b)はその正面図である。
符号の説明
1 スローアウェイチップ
2 すくい面
3 逃げ面
4 主切れ刃
5 さらい刃
L 所定幅
α1 さらい刃の第1領域におけるすくい角
α2 さらい刃の第2領域におけるすくい角
α3 主切れ刃のすくい角
θ1 さらい刃の逃げ角
θ2 主切れ刃の逃げ角

Claims (4)

  1. 略平板状をなし、この上面にすくい面と、このすくい面に交差する側面に逃げ面と、これらすくい面と逃げ面との交差稜線部に主切れ刃およびさらい刃が形成されたスローアウェイチップであって、
    これら主切れ刃およびさらい刃が、シャープエッジからなり、
    前記さらい刃の先端部からチップ厚み方向と直交する方向に所定幅で設定された前記すくい面の第1領域におけるすくい角が、前記主切れ刃におけるすくい角より小さく、
    この第1領域に隣接してチップ厚み方向と直交する方向に延在する前記すくい面の第2領域におけるすくい角が、前記第1領域におけるすくい角より大きく形成されるとともに、
    前記さらい刃における第2領域のすくい面と逃げ面とがなす刃物角が、前記主切れ刃における刃物角よりも小さい
    ことを特徴とするスローアウェイチップ。
  2. 略平板状をなし、この上面にすくい面と、このすくい面に交差する側面に逃げ面と、これらすくい面と逃げ面との交差稜線部に主切れ刃およびさらい刃が形成されたスローアウェイチップであって、
    これら主切れ刃およびさらい刃が、シャープエッジからなり、
    前記さらい刃の先端部からチップ厚み方向と直交する方向に所定幅で設定された前記すくい面の第1領域におけるすくい角が、前記主切れ刃におけるすくい角より小さく、
    この第1領域に隣接してチップ厚み方向と直交する方向に延在する前記すくい面の第2領域におけるすくい角が、前記第1領域におけるすくい角より大きく形成されるとともに、
    前記さらい刃における逃げ角が、前記主切刃における逃げ角より大きい
    ことを特徴とするスローアウェイチップ。
  3. 前記所定幅が、0.01mm以上0.5mm以下の範囲で設定される
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のスローアウェイチップ。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載のスローアウェイチップを着脱自在に装着してなるスローアウェイ式転削工具。
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