JP2008194652A - メタン発酵処理装置およびメタン発酵処理方法 - Google Patents

メタン発酵処理装置およびメタン発酵処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】脂肪の塊が造粒されにくく、配管や貯蔵槽、およびメタン発酵槽内での脂肪塊による閉塞を抑制し、発酵の悪化を抑制することができるメタン発酵処理装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 メタン発酵処理装置100は、スラリー化した有機性廃棄物を貯蔵するスラリー貯蔵槽1と、前記スラリー化された有機性廃棄物を嫌気性微生物によりメタン発酵するメタン発酵槽3とを有するメタン発酵処理装置において、前記メタン発酵槽3に投入されるスラリー化された有機性廃棄物を乳化分散処理する乳化分散装置2を備える。また、スラリー貯蔵槽1のスラリー化された有機性廃棄物を前記乳化分散装置へ供給する配管5を備え、この配管5は、主材料がステンレスである。
【選択図】図1

Description

本発明は、メタン発酵処理装置およびメタン発酵処理方法に関する。
生ごみ、汚泥等の有機性廃棄物のほとんどは、焼却や埋立処分されているが、焼却に伴うダイオキシンの発生や埋立処分地の逼迫、悪臭などの問題から、環境負荷の少ない処理方法が求められている。これらの問題を解決するために有機性廃棄物をメタン発酵処理し、発生したメタンガスを燃料電池やガスエンジンを用いて発電するシステムが開発されている。
メタン発酵法は、有機性廃棄物をバイオガスと水とに分解して大幅に減量することができ、嫌気性のため曝気動力が不要であるため省エネルギーな処理法である。しかも、副産物として生成するメタンガスをエネルギーとして回収できるメリットがある。
メタン発酵は発酵対象として、生分解性の有機性廃棄物であれば、アンモニア阻害を起こす濃度以下で十分な反応時間を確保すれば、発酵は問題なく可能である。しかし、高濃度の飽和脂肪酸を含む廃棄物に関しては、その他の廃棄物と混合したり、水希釈により濃度を下げることで対処していた。食品工場排水のように、油脂を多く含む排水を生物処理する場合、油脂が汚泥微生物に付着し、処理能力低下につながるため、排水中の油脂を加圧浮上装置等で前処理して予め除去し、油脂を分離した後の分離液を活性汚泥法等の微生物処理で処理し、油脂含有汚泥については別途処理する方式が採られている。油脂含有排水から加圧浮上装置等で油脂を分離する際には、多量の凝集剤を必要とする。
また、分離された油脂含有汚泥はクリーム状で取り扱い性が悪く、このため、この油脂含有汚泥は、吸着剤で処理して油脂を吸着剤に吸着させた後、脱水し廃棄されている。
一方、油脂含有排水中の油脂を除去せずにそのまま排水処理系で処理する方法として、調整槽又は曝気槽に微生物製剤を添加し、油脂分解を曝気槽にて行う方法がある。例えば、特許文献1には、油脂含有排水にリパーゼを添加して油脂を分解した後嫌気性処理する方法が提案されている。ここで、リパーゼの働きとしては、油脂をリパーゼによりグリセリンと高級脂肪酸に加水分解する作用、生成した高級脂肪酸を高効率なβ酸化により、低級脂肪酸化する作用が知られている。
また、効率的な油脂分解が可能な微生物を利用する方法としては、他に酵母処理法が知られている。酵母処理法は微生物製剤による処理と異なり、立ち上げ時に酵母を投入するだけで、製剤の定量注入装置や油脂分解細菌培養槽を必要としない。また、酵母処理法では高濃度の排水処理が可能で、活性汚泥法と異なり有機物を分解して熱エネルギーを発生するため、余剰汚泥の発生が少ないシステムとされている。
また、メタン発酵、即ち、嫌気性消化は、有機物の安定化、汚泥の減量化、エネルギーの回収、曝気コストの節減等、利点が多いため、油脂含有排水や、油脂含有排水から分離した油脂含有汚泥の処理に用いられることがある(特許文献2、特許文献3参照)。特に、特許文献3には、油脂含有排水の効率的な処理方法として、後段の好気処理槽から発生する余剰汚泥を油脂含有排水と混合させ、その排水をそのままメタン発酵する方法が提案されている。特許文献3には、この処理において、リパーゼの添加や微生物保持担体の導入、高級脂肪酸の阻害緩和のための微生物体添加により処理性能が向上することが記載されている。
さらに、特許文献4には、油脂含有汚濁物質の嫌気性処理工程において、反応槽汚泥中のプロピオン酸濃度をモニターし、モニターされたプロピオン酸濃度に応じてフマル酸を添加することを特徴とする油脂含有汚濁物質の嫌気性処理方法が記載されている。さらに、特許文献5には、油水分離工程で分離した油分含有汚泥と生物処理工程で発生する余剰汚泥の一部をメタン発酵槽に導入する生物処理方法が記載されている。
特開平6−246295号公報 特開昭57−117380号公報 特開2001−321792号公報 特開2005−246119号公報 特開2006−95377号公報
ところで、n-ヘキサン抽出法で測定した油分が4000mg/L以上のスラリーを用いてメタン発酵を行なう場合、処理対象物の有機物スラリーをメタン発酵槽に投入して行なう必要がある。しかしながら、メタン発酵槽内で、飽和脂肪酸が分解される前に、飽和脂肪酸同士が、接触し付着を繰り返して脂肪の塊が造粒し、配管を閉塞させたり、槽自体の容積を減少させるという問題が生じる。また、蓄積した脂肪酸もpHを低下させるなどの、阻害要因となり、発酵が不安定になり、酸敗して発酵を停止してしまうという問題があった。
また、n-ヘキサン抽出法で測定した油分が20000mg/L以上のスラリーを用いてメタン発酵を行なう場合、処理対象物の有機物スラリーをメタン発酵槽に投入して行なう必要がある。しかしながら、メタン発酵槽内で、飽和脂肪酸が分解される前に、飽和脂肪酸どうしが、接触し付着を繰り返して脂肪の塊が造粒し、配管を閉塞させたり、槽自体の容積を減少させるという問題が生じる。
本発明は、上記の事情に鑑みて成されたものであり、脂肪の塊が造粒されにくく、メタン発酵槽内などで脂肪塊による閉塞を抑制し、発酵の悪化を抑制することができるメタン発酵処理装置およびメタン発酵処理方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、スラリー化した有機性廃棄物を貯蔵するスラリー貯蔵槽と、前記スラリー化された有機性廃棄物を嫌気性微生物によりメタン発酵するメタン発酵槽とを有するメタン発酵処理装置において、前記メタン発酵槽内に投入されるスラリー化された有機性廃棄物を乳化分散処理する乳化分散装置を備える。本発明によれば、油脂等の脂肪分が水中に均一に分散し、塊、集合しないようにするために、メタン発酵槽内に投入されるスラリー化された有機性廃棄物を乳化分散処理することにより、脂肪の塊が造粒されにくく、配管や貯蔵槽、およびメタン発酵槽内での脂肪塊による閉塞を抑制し、発酵の悪化を抑制することができる。
本発明のメタン発酵処理装置は前記メタン発酵槽内の発酵液を前記乳化分散装置に供給する配管を有し、前記乳化分散装置は、前記配管を経由して供給された発酵液を乳化分散処理する。本発明によれば、メタン発酵槽で分解されずに凝集した脂肪等を含む発酵液を再分散することで、より高濃度の脂肪分を含有する有機性廃棄物でも、安定した発酵が可能になる。
前記乳化分散装置は、所定時間毎に前記スラリー貯蔵槽から投入されたスラリー化された有機性廃棄物を乳化分散し、前記有機性廃棄物の処理時間以外の時に前記メタン発酵槽から前記配管を経由して供給された発酵液を乳化分散する構成を採用できる。本発明によれば、一つの乳化分散装置を用いてスラリー貯蔵槽から投入されたスラリー化された有機性廃棄物と、メタン発酵槽から供給された発酵液とを乳化分散することができる。
本発明のメタン発酵処理装置は、前記メタン発酵槽内の発酵液を乳化分散処理して前記メタン発酵槽へ投入する発酵液用乳化分散装置をさらに備える。本発明によれば、メタン発酵槽で分解されずに凝集した脂肪等を含む発酵液を再分散することで、より高濃度の脂肪分を含有する有機性廃棄物でも、安定した発酵が可能となる。
また、本発明のメタン発酵処理装置は、前記スラリー貯蔵槽のスラリー化された有機性廃棄物を前記乳化分散装置へ供給する配管をさらに備え、前記配管は、主材料がステンレスである、構成を採用できる。本発明によれば、脂肪分を含む無機物が配管内に沈着することを防止することができる。
本発明のメタン発酵処理装置は、前記スラリー化された有機性廃棄物に無機粒子を添加含有させ、脂肪分を分散する混合槽をさらに備える。本発明によれば、脂肪分の分散が安定し、さらに安定した発酵が可能になる。また、前記有機性廃棄物の脂肪含有率が、下水道法に規定される油分の測定方法であるn−へキサン抽出法で測定される油分量が20000mg/L以上であるのが好ましい。
また、前記スラリー化された有機性廃棄物中の無機質粒子がアルカリ性炭酸カルシウムを主成分とするのが好ましい。本発明によれば、メタン分解性タンパク質が少ない場合には、アンモニアの生成量が少なく、発酵の進行により、発酵液にプロピオン酸等の低級脂肪酸が蓄積し発酵液が酸性になり、発酵が停止するという問題点を解決することができる。
本発明は、スラリー貯蔵槽に貯蔵されたスラリー化された有機性廃棄物をメタン発酵槽で嫌気性微生物によりメタン発酵するメタン発酵処理方法において、前記メタン発酵槽内に投入されるスラリー化された有機性廃棄物を乳化分散処理することを特徴とする。本発明によれば、油脂等の脂肪分が水中に均一に分散し、塊、集合しないようにするために、メタン発酵槽内に投入されるスラリー化された有機性廃棄物を乳化分散処理することにより、脂肪の塊が造粒されにくく、配管や貯蔵槽、およびメタン発酵槽内での脂肪塊による閉塞を抑制し、発酵の悪化を抑制することができる。
また、本発明のメタン発酵処理方法は、前記メタン発酵槽から供給された発酵液を乳化分散処理する工程を含むようにしてもよい。本発明によれば、メタン発酵槽で分解されずに凝集した脂肪等を含む発酵液を再分散することで、より高濃度の脂肪分を含有する有機性廃棄物でも、安定した発酵が可能になる。
また、本発明のメタン発酵処理方法では、所定時間毎に前記スラリー貯蔵槽から投入されたスラリー化された有機性廃棄物を乳化分散処理し、前記有機性廃棄物の処理時間以外の時に前記メタン発酵槽から供給された発酵液を乳化分散処理するようにしてもよい。本発明によれば、一つの乳化分散装置を用いてスラリー貯蔵槽から投入されたスラリー化された有機性廃棄物と、メタン発酵槽から供給された発酵液とを乳化分散することができる。
また、本発明のメタン発酵処理方法は、前記有機性廃棄物に無機粒子を添加含有させ、脂肪分を分散する工程をさらに含む。本発明によれば、脂肪分の分散が安定し、さらに安定した発酵が可能になる。前記有機性廃棄物の脂肪含有率が、下水道法に規定される油分の測定方法であるn−へキサン抽出法で測定される油分量が20000mg/L以上であることが好ましい。
前記スラリー化された有機性廃棄物中の無機質粒子がアルカリ性炭酸カルシウムを主成分とすることが好ましい。本発明によれば、メタン分解性タンパク質が少ない場合には、アルカリ性であるアンモニアの生成量が少なく、発酵液のアルカリ度が低下し、メタン発酵により生成したプロピオン酸等の低級脂肪酸により、発酵液が酸性になり、発酵が停止するという問題点を解決することができる。
本発明によれば、脂肪の塊が造粒されにくく、メタン発酵槽内などで脂肪塊による閉塞を抑制し、発酵の悪化を抑制することができるメタン発酵処理装置およびメタン発酵処理方法を提供できる。
以下、本発明の最良の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
(第1実施形態)
まず、本発明の第1実施形態について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係るメタン発酵処理装置の構成を説明するための図である。図1に示すように、メタン発酵処理装置100は、スラリー貯蔵槽1、乳化分散装置2、メタン発酵槽3、スラリー用ポンプ4、自動バルブV1〜V5および配管5から構成されている。
このメタン発酵処理装置100は、メタン発酵槽3に投入する前段のn-ヘキサン抽出法で測定した油分が4000mg/L以上の脂肪等を含有する有機性廃棄物のスラリーをメタン発酵槽3に投入する前に乳化分散装置2により乳化分散するものである。以下、具体的に説明する。
乳化分散装置2には、バッチ式でプロペラ撹拌を高速撹拌(600〜3600回転)するタイプを用いている。また、乳化分散装置2としては、800rpm以上の高速で羽根を回転させる分散機がある。このほかに乳化分散装置2としては、超音波分散機、ディスク回転式分散機、ボールミル、ホモミキサー、高圧乳化分散機、高圧衝突分散機等を用いることができる。
n-ヘキサン抽出法で測定した油分が4000mg/L以上の脂肪濃度が高い有機性廃棄物のスラリーは、スラリー貯蔵槽1に溜められている。スラリー貯蔵槽1には、撹拌装置(不図示)が設置されている。スラリー貯蔵槽1内のスラリーは、自動バルブV1、V2、V3を開として、自動バルブV4、V5を閉として、スラリー用ポンプ4を作動させることにより、乳化分散装置2に溜められる。
乳化分散装置2は、所定時間(例えば1〜2分)の間、メタン発酵槽3に投入されるスラリー化された有機性廃棄物を乳化分散処理する。乳化を安定させる手段としては、界面活性剤や無機粒子の添加が有効である。界面活性剤としては、非イオン界面活性剤(ポリオキしエチレンノニルフェニルエーテル)が有効である。無機粒子の供給元としては、発酵残渣、活性汚泥、中性土等が適用可能である。脂肪の分散が安定する理由の詳細は不明であるが、無機粒子の吸着作用、増粘作用、無機粒子と有機酸の石鹸化反応による生成した石鹸による分散作用等が複合していると考えられる。
次いで、自動バルブV2、V4、V5を開とし、自動バルブV1、V3を閉としてスラリー用ポンプ4を作動させて、乳化分散されたスラリーがメタン発酵槽3に投入される。メタン発酵槽3では、スラリー化された有機性廃棄物を嫌気性微生物によりメタン発酵が行われる。
配管5および、自動バルブV1〜V5の主構成材料としてはステンレスを用いた。ステンレス以外の材料を用いた場合は、脂肪酸を含む無機物が配管内に沈着する。また、n-ヘキサン抽出法で測定した油分が10000mg/L以上の脂肪濃度が高い場合では、メタン発酵槽3の発酵液中に脂肪等の塊が発生する場合がある。この場合には、発酵液中の脂肪等の塊の主成分は脂肪酸であり、塊の中心部に取りこまれたメタン菌等は死滅するか、活性が低下すると考えられているため前記の脂肪の塊はメタン発酵されない。
図1で示したメタン発酵処理装置100によれば、油脂等の脂肪分が水中に均一に分散し、塊、集合しないようにするために、メタン発酵槽内に投入されるスラリー化された有機性廃棄物を乳化分散処理することにより、脂肪の塊が造粒されにくく、配管や貯蔵槽、およびメタン発酵槽内での脂肪塊による閉塞を抑制し、発酵の悪化を抑制することができる。
次に、メタン発酵処理装置の他の構成について説明する。図2は、メタン発酵処理装置の他の構成を説明するための図である。図2に示すように、メタン発酵処理装置200は、スラリー貯蔵槽11、乳化分散装置12、メタン発酵槽13、スラリー用ポンプ14、自動バルブV11〜V17および配管18、19から構成されている。
このメタン発酵処理装置200では、メタン発酵槽13で分解されずに凝集した脂肪等を含む発酵液を乳化分散装置12により再分散することで、より高濃度の脂肪分を含有する有機性廃棄物に対して安定した発酵が可能になる。以下、具体的に説明する。
図2に示したメタン発酵処理装置200では、n-ヘキサン抽出法で測定した油分が10000mg/L以上の脂肪濃度が高い有機性廃棄物のスラリーが貯蔵槽11に溜められている。スラリー貯蔵槽11には、撹拌装置が設置(図式なし)されている。
配管18および配管19により有機性廃棄物スラリー、メタン発酵液の両方を乳化分散装置12に供給することができる。乳化分散装置12は、メタン発酵槽13に投入されるスラリー化された有機性廃棄物を乳化分散処理すると共に、メタン発酵槽13内の発酵液を配管19を経由して供給された発酵液を乳化分散処理する。
スラリーは、自動バルブV11、V12、V13、V14を開とし、自動バルブV15、V16、V17を閉とし、スラリー用ポンプ4を作動させ、乳化分散装置12に溜められ、少なくとも自動バルブV14、V15を閉とし、乳化分散装置12で所定時間(1〜5分)の間、乳化分散処理が行われる。次いで、自動バルブV12、V13、V15及びV17を開とし、自動バルブV11、V14及びV16を閉としてスラリー用ポンプ4を作動させて、乳化分散装置12により乳化分散された有機性廃棄物のスラリーがメタン発酵槽15に投入される。
このようにして、乳化分散装置12は、所定時間毎にスラリー貯蔵槽11から投入されたスラリー化された有機性廃棄物を乳化分散し、有機性廃棄物の処理時間以外の時にメタン発酵槽13から配管18、19を経由して供給された発酵液を乳化分散することができる。
乳化分散装置12は、発酵液中に脂肪等の塊が発生しても成長しないように、1日に数回発酵液を乳化分散する。有機性廃棄物のスラリーのメタン発酵槽13への投入は、1日に1回から24回程度行われる。なお、配管18および、自動バルブV11〜V17の主構成材料としてはステンレスを用いた。ステンレス以外の材料、例えば鉄パイプでは、脂肪の付着による閉塞が運転6ヶ月で認められた。
スラリーの投入前には、投入量と同等の発酵液が、引き抜きポンプを有する配管から引き抜かれ、別途公知の方法で処理され、その一部は有効利用される。メタン発酵温度としては、発酵速度が速い55℃近傍での高温メタン発酵が好ましい。本発明の装置を用いた場合でも、脂肪等の含有率のレベルとしては、4000mg/Lから20000mg/Lの範囲では、HRT4日から8日で処理可能である。20000mg/Lから60000mg/lでは、HRT8日〜16日で安定に処理できる。
図2で示したメタン発酵処理装置によれば、メタン発酵槽で分解されずに凝集した脂肪等を含む発酵液を再分散することで、より高濃度の脂肪分を含有する有機性廃棄物でも、安定した発酵が可能になる。
以下、具体的廃棄物として廃アイスクリーム系の有機性廃棄物を用いた例について述べる。廃アイスクリーム系の場合は、脂肪は乳化分散されているがスラリー貯蔵槽に保存中に、腐食や撹拌のために脂肪分と水との分離がおこり、その一部が脂肪等の塊になったりすること観察される有機性廃棄物スラリーである。
まず、実施例1について説明する。図1に示すメタン発酵処理装置100を用いてメタン発酵実験を実施した。バルブ操作等は前述のとおりである。メタン発酵処理装置100において、スラリー貯蔵槽1の大きさは1m3、乳化分散装置2の1回の処理量は50L、メタン発酵槽3の全容量は1.2m3、発酵液の量は1m3である。
スラリーNO.1は、タンパク質16000mg/L、n−へキサン抽出物濃度21000mg/L、総固形分(TS)100000mgのアイスクリーム系廃棄物である。スラリーNO.1は高脂肪含有スラリーであり、乳化分散条件は、1300rpm、乳化分散時間2分、1回の乳化分散量50L、HRT8日(1日のスラリー投入量125L)、発酵温度55℃で実験を行った。
具体的な結果1ヶ月間、安定に発酵できガス発生量も分解率85%から予想された通りのガス発生量であった。発酵実験終了時に、脂肪等の塊の発生状況を調べるため、発酵液1Lを目開き約20メッシュの篩でこして分離し、乾燥して計量した結果、運転開始後、10日後、20日後30日後で調べた結果、それぞれ、0.9g/L、2.1g/L、3.0g/L、であり、脂肪の塊の増加速度は0.1g/L・1日であった。脂肪の塊の増加量の明確な判定基準はないが、その増加量が1日当りn−ヘキサン抽出物濃度の1%以下(本実施例1)では、0.21g/L・1日以内であれば安定運転が可能であると経験的判断される。
次に、実施例2について説明する。スラリーNO.1は、実施例1と組成が同じアイスクリーム系廃棄物である。ここでは、図2で示したメタン発酵処理装置200を用いて、スラリーNO.2の発酵実験を行なった。バルブ操作等は前述の通りである。メタン発酵処理装置200において、スラリー貯蔵槽11の大きさは1m3、乳化分散装置12の1回の処理量は50L、メタン発酵槽13の全容量は1.2m3、発酵液の量は1m3である
スラリーNO.2は、高脂肪含有スラリーであり、乳化分散条件は、1300rpm、乳化分散時間2分、分散剤として非イオン界面活性剤(ポリオキしエチレンノニルフェニルエーテル)0.01%を添加した。
1回の乳化分散量50L、HRT4日(1日のスラリー投入量250L)、高脂肪含有スラリーを乳化分散していない時間に、発酵液を1日20回50Lずつ乳化分散装置により、乳化分散した。メタン発酵温度55℃で実験を行った。発酵実験を1ヶ月間継続した結果、安定に発酵ができガス発生量も分解率85%から予想された通りのガス発生量であった。
発酵実験終了時に、脂肪等の塊の発生状況を調べるため、発酵液1Lを目開き約20メッシュの篩でこして脂肪の塊を分離し乾燥し、計量した結果、運転開始後、10日後、20日後、30日後で調べた結果、それぞれ、0.6g/L、0.6g/L、0.6g/L、であり、脂肪の塊の増加、脂肪の塊の増加傾向は観察されなかった。
次に、実施例3について説明する。スラリーNO.2は、タンパク質18000mg/L、n−へキサン抽出物濃度51000mg/L、総固形分(TS)100000mgのアイスクリーム系廃棄物である。ここでは、図2に示したメタン発酵処理装置200を用いて、スラリーNO2の発酵実験を行なった。バルブ操作等は前述の通りである。メタン発酵処理装置200において、スラリー貯蔵槽11の大きさは1m3、乳化分散装置12の1回の処理量は50L、メタン発酵槽15の全容量は1.2m3、発酵液の量は1m3である
スラリーNO.2は、高脂肪含有スラリーであり、乳化分散条件は、1300rpm、乳化分散時間2分、分散剤として非イオン界面活性剤(ポリオキしエチレンノニルフェニルエーテル)0.01%を添加した。1回の乳化分散量50L、HRT8日(1日のスラリー投入量125L)、高脂肪含有スラリーを乳化分散していない時間に、発酵液を1日20回50Lずつ乳化分散装置により、乳化分散した。メタン発酵温度55℃で実験を行った。
発酵実験を1ヶ月間継続した結果、安定に発酵ができガス発生量も分解率85%から予想された通りのガス発生量であった。発酵実験終了時に、脂肪等の塊の発生状況を調べるため、発酵液1Lを目開き約20メッシュの篩でこして脂肪の塊を分離し乾燥し、計量した結果、運転開始後、10日後、20日後、30日後で調べた結果、それぞれ、3.1g/L、2.9g/L、3.0g/L、であり、脂肪の塊の増加、脂肪の塊の増加傾向は観察されなかった。
次に、実施例4について説明する。スラリーNO.3は、タンパク質8000mg/L、n−へキサン抽出物濃度10000mg/L、総固形分(TS)35000mgの油水分離汚泥である。ここでは、図2で示したメタン発酵処理装置200を用いて、スラリーNO3の発酵実験を行なった。バルブ操作等は前述の通りである。
メタン発酵処理装置200において、スラリー貯蔵槽11の大きさは1m3、乳化分散装置12の1回の処理量は50L、メタン発酵槽13の全容量は1.2m3、発酵液の量は1m3である。スラリーNO.2は、高脂肪含有スラリーであり、乳化分散条件は、1300rpm、乳化分散時間1分、分散剤として非イオン界面活性剤(ポリオキしエチレンノニルフェニルエーテル)0.01%を添加した。
1回の乳化分散量50L、HRT4日(1日のスラリー投入量250L)、高脂肪含有スラリーを乳化分散していない時間に、発酵液を1日20回50Lずつ乳化分散装置により、乳化分散した。メタン発酵温度55℃で実験を行った。発酵実験を1ヶ月間継続した結果、安定に発酵ができガス発生量も分解率85%から予想された通りのガス発生量であった。
発酵実験終了時に、脂肪等の塊の発生状況を調べるため、発酵液1Lを目開き約20メッシュの篩でこして脂肪の塊を分離し、乾燥し計量した結果、運転開始後、10日後、20日後、30日後で調べた結果、それぞれ、0.5g/L、0.5g/L、0.5g/L、であり、脂肪の塊の増加は観察されなかった。
(比較例1)
次に、比較例について説明する。実施例1と同じ条件で乳化分散装置を介さずに実施例1と同様にメタン発酵実験を実施した。発酵実験は、10日で酢酸濃度が増加し、発酵が停止しガス発生量が低下した。発酵液中の酢酸量は8000mg/Lであった、メタン発酵駅中の脂肪の塊の量を実施例1と同じ方法で調べた、発酵開始5日後で17g/L、発酵開始10日後(終了時)40g/Lであり、発酵液中の脂肪の塊が増加していた。実施例1〜3、および比較例のメタン発酵実験結果の概要を表1に示す。
Figure 2008194652
以上のとおり、本発明の第1実施形態によれば、メタン発酵槽に投入する脂肪を大量に含む有機性廃棄物のスラリーを、乳化分散装置により、乳化分散させた後メタン発酵槽に投入することにより、脂肪等の塊の生成速度を遅くすることができる。また、メタン発酵液中の脂肪の塊を同様に前記の乳化分散装置で乳化分散することにより、脂肪の塊の増加を防止し、短いHRTで安定発酵させることができる。この結果、発酵槽の大きさを小さくできる効果がある。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。次に、本発明の第2実施形態について説明する。図3は、本発明の第2実施形態に係るメタン発酵処理装置の構成を説明するための図である。図3に示すように、メタン発酵処理装置300は、混合槽21、メタン発酵槽22、スラリー供給ポンプ23、発酵液引抜きポンプ24、発酵液攪拌用モータ25、発酵液攪拌翼26、pH測定計27およびガスメータ28などを備える。
このメタン発酵処理装置300は、メタン発酵槽22に投入する前段のn-ヘキサン抽出法で測定した油分が20000mg/L以上の脂肪を含有する有機性廃棄物に、無機粒子を含むけん濁液、または、無機粒子を含む活性汚泥を添加し、完全に分散するようにして、脂肪分の分散が安定し、安定した発酵を可能にしている。ここで、活性汚泥は、全固形分0.5%以上、全固形分の30%以上であることが好ましい。以下具体的に説明する。
n-ヘキサン抽出法で測定した油分が20000mg/L以上の脂肪濃度が高い有機性廃棄物のスラリーは、不図示のスラリー貯蔵槽から混合槽21に供給される。
ここで、混合槽21に供給される有機性廃棄物の脂肪含有率は、下水道法に規定される油分の測定方法であるn−へキサン抽出法で測定される油分量が20000mg/L以上であるのが好ましい。混合槽21は、脂肪濃度が高い有機性廃棄物に無機粒子を含む分散液を混合し、すなわち、有機性廃棄物に無機粒子を添加含有させ、脂肪分を分散する。
無機粒子としては、カオリン、ケイソウド、炭酸カルシウム、発酵残渣、活性汚泥、中性土、粘土等が適用可能である。その成分は、シリカ、カルシウム、鉄、マグネシウム、Na等の酸化物で特に限定されない。脂肪の分散が安定する理由は、無機粒子の吸着作用、増粘作用、無機粒子と有機酸の石鹸化反応による生成した石鹸による分散作用等が複合していると考えられる。
また、メタン分解性タンパク質が少ない場合には、アンモニアの生成量が少なく、発酵の進行により、発酵液にプロピオン酸等の低級脂肪酸が蓄積し発酵液が酸性になり、発酵が停止する場合がある。これを防止するためには、発酵液のpHを測定し、pHが6.5以下になった場合はアルカリ度の供給を目的として、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム等のアルカリ性物質の添加が必要である。すなわち、無機粒子がアルカリ性炭酸カルシウムを主成分とするものを用いる。
脂肪分が分散されていない廃棄物では、予め脂肪分を乳化しておくことが好ましい。この場合、図1で示した乳化分散装置2の後段に混合槽21を設ける構成とすることにより実現することができる。乳化に用いられる乳化剤としては、非イオン系界面活性剤が主として用いられるが、石鹸等の陰イオン界面活性剤、タンパク質、微粒子等も、乳化剤として用いることができる。また、乳化分散処理した後に混合槽21にて有機性廃棄物に無機粒子を混合することが好ましい。無機粒子を大量に含むと、粘度上昇や無機物の研磨作用により乳化分散装置2の寿命が低下するためである。乳化分散装置2としては、例えば超音波ホモジナイザー等の公知の分散装置が用いられる。
混合槽21により分散された高脂肪の有機性廃棄物は必要な前処理、金属塩の添加や酸発酵処理等が行なわれたのち、スラリー供給ポンプ23で、メタン発酵槽22に送られ発酵液攪拌用モータ25により発酵液攪拌翼26が回転し撹拌されながらメタン発酵が行われる。メタン発酵温度としては、例えば35℃〜60℃の範囲を用い、特に、発酵速度が速い55℃近傍での高温メタン発酵が好ましい。発酵液引き抜きポンプ24で、発酵液が引き抜かれ、引き抜かれた発酵液は、公知の方法で処理されその一部は有効利用される。
以下具体的廃棄物として廃アイスクリーム系の有機性廃棄物を用いた例について述べる。廃アイスクリーム系の場合は、脂肪は乳化分散されているため、乳化分散する必要はない。脂肪酸率の高い有機性廃棄物として、表2に示すスラリーNO.1からNO.8について発酵実験を行なった。なお、表2に示す脂肪は、n−ヘキサン抽出法で測定した値、タンパク質はケルダール窒素測定法で測定された窒素含有量に係数(6.5)を乗じた値である。
スラリーNO.1からNO.4は、アイスクリーム系廃棄物であり、脂肪分が乳化分散されている廃棄物である。このうち廃棄物スラリーNO.4は、脂肪濃度が低く、本発明の範囲外のスラリーである。スラリーNO.1および2は高脂肪含有スラリーであり、そのまま発酵実験を行った結果脂肪の塊ができ、発酵が十分行われず、ガス発生量も少なかった。スラリーNO.5は、スラリーNO.1を活性汚泥1で2倍希釈し、食堂用カッターミキサーで均一分散したものである。
スラリーNO.6は、スラリーNO.1に重力沈降法で2倍濃縮した活性汚泥2を用いて、2倍希釈し、食堂用カッターミキサーで均一分散したものである。スラリーNO.7は、スラリーNO.2を活性汚泥1を重力沈降法で3倍濃縮した活性汚泥3を用いて、2倍希釈し、食堂用カッターミキサーで均一分散したものである。スラリーNO8は、スラリーNO.1を水道水で2倍希釈し、食堂用カッターミキサーで均一分散したものである。
Figure 2008194652
なお、スラリーの希釈に用いた活性汚泥の組成を表3に示す。
Figure 2008194652
発酵条件は、発酵容積5Lの完全混合槽で発酵温度55℃、滞留時間(HRT)15日で行なった。スラリーの投入は1日12分割で実施し、スラリー投入前に投入量と同量の発酵残渣を引き抜いた。発酵中の発酵液のpHをpH測定計27で観察し、発酵液のpHが6.5以下になった場合は、炭酸水素ナトリウムを添加した。上記の条件で発酵実験を最大45日間実施した結果を下記に示す。
スラリー1では、発酵開始3日以降、発酵液表面に脂肪の塊で覆われ始め、発酵開始7日で、発酵槽の空隙部が減少したため、発酵実験を中止した。スラリー2では、発酵開始2日以降、発酵液表面に脂肪の塊で覆われ始め、発酵開始5日で、発酵槽の空隙部が減少したため発酵実験を中止した。
スラリー3(実施例5)では、発酵開始15日目、および発酵開始32日目で発酵液のpHが6.3になり、炭酸水素ナトリウムを8g添加し、pHを7.0に戻した以外は、問題なく発酵が継続した。発酵実験中のガス発生量は25L/日であった。
スラリー4は、スラリー中の脂肪濃度が低く、本発明の範囲外であり、問題なくメタン発酵が可能な領域である。発酵開始22日目で発酵液のpHが6.3になり、炭酸水素ナトリウムを8g添加し、pHを7.0に戻した以外は、問題なく発酵が継続した。発酵実験中のガス発生量は19L/日であった。
スラリー5(実施例6)は、スラリー1に無機粒子を多く含む活性汚泥1で2倍希釈したスラリーである。特徴的には、無機粒子の絶対量は希釈前と同等の濃度になっている。発酵開始17日目で発酵液のpHが6.3になり、炭酸水素ナトリウムを8g添加し、pHを7.0に戻した以外は、問題なく発酵が継続した。発酵実験中のガス発生量は19L/日であった。脂肪の塊は、発酵実験終了時に、目開き約3mmの篩でこして分離した結果約5gであった。
スラリー6(実施例7)は、スラリー1に無機粒子を多く含む活性汚泥2で2倍希釈したスラリーである。特徴的には、無機粒子の絶対量は希釈前より濃い濃度になっていることである。発酵開始17日目で発酵液のpHが6.3になり、炭酸水素ナトリウムを8g添加し、pHを7.0に戻した以外は、問題なく発酵が継続した。発酵実験中のガス発生量は22L/日であった。脂肪の塊は、発酵実験終了時に、目開き約3mmの篩でこして分離した結果約3gであった。この結果は脂肪の分解が十分に進んでいることを示している。
スラリー7(実施例8)は、スラリー2に無機粒子を多く含む活性汚泥3で2倍希釈したスラリーである。特徴的には、無機粒子の絶対量は希釈前の2倍になっている。発酵開始17日目で発酵液のpHが6.3になり、炭酸水素ナトリウムを8g添加し、pHを7.0に戻した以外は、問題なく発酵が継続した。発酵実験中のガス発生量は27L/日であった。脂肪の塊は、発酵実験終了時に、目開き約3mmの篩でこして分離した結果約4gであった。この結果は脂肪の分解が十分に進んでいることを示している。
上記の通り、第2実施形態によれば、生ごみ等の有機性廃棄物をメタン発酵処理してバイオガス等の資源回収を回収する方法であって、発酵槽に投入する前段の脂肪を大量に含む有機性廃棄物のスラリーを、脂肪分を乳化分散させ、無機粒子を共存させることにより、無機粒子の吸着作用、増粘作用、ケン化作用により生成した石鹸成分の分散作用により、分散が安定し、脂肪の塊を生成することなく、安定発酵ができ、かつガス発生量も多い。この結果、発酵槽の大きさを小さくできる効果がある。
また、上記第1及び第2実施形態によれば、嫌気反応槽内における脂肪酸及びその化合物、または混合物の凝集、沈着等の発酵阻害を抑制することによって、安定な運転を可能にできる。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。例えば、なお、図2では、乳化分散装置12をスラリー化された有機性廃棄物と発酵液との乳化に共用される例について説明したが、複数の乳化分散装置を設けてそれぞれ乳化分散処理するようにしてもよい。
本発明の第1実施形態に係るメタン発酵処理装置の構成を説明するための図である。 メタン発酵処理装置の他の構成を説明するための図である。 本発明の第2実施形態に係るメタン発酵処理装置の構成を説明するための図である。
符号の説明
100、200、300・・・メタン発酵処理装置
1、11・・・スラリー貯蔵槽
2、12・・・乳化分散装置
3、13、22・・・メタン発酵槽
4、14・・・スラリー用ポンプ
V1〜V5・・・自動バルブ
V11〜V17・・・自動バルブ
21・・・混合槽

Claims (14)

  1. スラリー化した有機性廃棄物を貯蔵するスラリー貯蔵槽と、前記スラリー化された有機性廃棄物を嫌気性微生物によりメタン発酵するメタン発酵槽とを有するメタン発酵処理装置において、
    前記メタン発酵槽に投入されるスラリー化された有機性廃棄物を乳化分散処理する乳化分散装置を備える、ことを特徴とするメタン発酵処理装置。
  2. 前記メタン発酵槽内の発酵液を前記乳化分散装置に供給する配管をさらに有し、
    前記乳化分散装置は、前記配管を経由して供給された発酵液を乳化分散処理する、ことを特徴とする請求項1に記載のメタン発酵処理装置。
  3. 前記乳化分散装置は、所定時間毎に前記スラリー貯蔵槽から投入されたスラリー化された有機性廃棄物を乳化分散し、前記有機性廃棄物の処理時間以外の時に前記メタン発酵槽から前記配管を経由して供給された発酵液を乳化分散する、ことを特徴とする請求項2に記載のメタン発酵処理装置。
  4. 前記メタン発酵槽内の発酵液を乳化分散処理して前記メタン発酵槽へ投入する発酵液用乳化分散装置をさらに備える、ことを特徴とする請求項1に記載のメタン発酵処理装置。
  5. 前記スラリー貯蔵槽のスラリー化された有機性廃棄物を前記乳化分散装置へ供給する配管をさらに備え、
    前記配管は、主材料がステンレスである、ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のメタン発酵処理装置。
  6. 前記スラリー化された有機性廃棄物に無機粒子を添加含有させ、脂肪分を分散する混合槽をさらに備える、ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のメタン発酵処理装置。
  7. 前記有機性廃棄物の脂肪含有率が、下水道法に規定される油分の測定方法であるn−へキサン抽出法で測定される油分量が20000mg/L以上であることを特徴とする請求項6に記載のメタン発酵処理装置。
  8. 前記スラリー化された有機性廃棄物中の無機粒子がアルカリ性炭酸カルシウムを主成分とする、ことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載のメタン発酵処理装置。
  9. スラリー貯蔵槽に貯蔵されたスラリー化された有機性廃棄物をメタン発酵槽で嫌気性微生物によりメタン発酵するメタン発酵処理方法において、
    前記メタン発酵槽に投入されるスラリー化された有機性廃棄物を乳化分散処理する、ことを特徴とするメタン発酵処理方法。
  10. 前記メタン発酵槽から供給された発酵液を乳化分散処理する、ことを特徴とする請求項9に記載のメタン発酵処理方法。
  11. 所定時間毎に前記スラリー貯蔵槽から投入されたスラリー化された有機性廃棄物を乳化分散処理し、前記有機性廃棄物の処理時間以外の時に前記メタン発酵槽から供給された発酵液を乳化分散処理する、ことを特徴とする請求項9又は請求項10に記載のメタン発酵処理方法。
  12. 前記有機性廃棄物に無機粒子を添加含有させ、脂肪分を分散する工程をさらに含む、ことを特徴とする請求項9から請求項11のいずれか一項に記載のメタン発酵処理方法。
  13. 前記有機性廃棄物の脂肪含有率が、下水道法に規定される油分の測定方法であるn−へキサン抽出法で測定される油分量が20000mg/L以上であることを特徴とする請求項12に記載のメタン発酵処理方法。
  14. 前記スラリー化された有機性廃棄物中の無機粒子がアルカリ性炭酸カルシウムを主成分とする、ことを特徴とする請求項12又は請求項13に記載のメタン発酵処理方法。
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