JP5142514B2 - 有機性廃棄物のメタン発酵処理装置及び方法 - Google Patents

有機性廃棄物のメタン発酵処理装置及び方法 Download PDF

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Description

本発明は、生ごみ等の有機性廃棄物をメタン発酵処理してバイオガス等の資源を回収するメタン発酵処理装置に関し、特に有機性廃棄物をメタン発酵槽へ投入する前段で調整槽又は前処理槽等において貯蔵された有機性廃棄物のスラリーを撹拌するメタン発酵処理装置および方法に関する。
生ごみ、汚泥等の有機性廃棄物を焼却処分又は埋立処分すると、焼却に伴うダイオキシンの発生や埋立処分地の逼迫、悪臭などの問題が生じる為、環境負荷の少ない処理方法が求められている。そこで、環境負荷の少ない処理方法として、有機性廃棄物をメタン発酵処理し、発生したメタンガスを燃料電池やガスエンジンの燃料に用いて発電するシステムが開発されている。
メタン発酵法は、有機性廃棄物を粉砕・スラリー化した後、このスラリーを発酵槽に投入し、嫌気性下でメタン菌により発酵処理することで、有機性廃棄物をメタンガスに転換するものである。投入原料の性状や運転条件などにより様々な処理方法、発酵槽が提案されている。
上記メタン発酵法によれば、有機性廃棄物をバイオガスと水とに分解して大幅に減量することができ、嫌気性のため曝気動力が不要であるため省エネルギー化を図れる利点がある。また、副産物として生成するメタンガスをエネルギーとして回収できる利点もある。メタン発酵では、発酵対象が生分解性の有機性廃棄物の場合、アンモニア阻害を起こす濃度以下で十分な反応時間を確保すれば、発酵は問題なく可能である。一方、高濃度の飽和脂肪酸を含む廃棄物に関しては、その他の廃棄物と混合したり、水希釈により濃度を下げたりすることで対処していた。
飽和脂肪酸を含む廃棄物のメタン発酵を行なう場合、メタン発酵槽の前段に、一時貯留をしたり、希釈水などと混合したり、可溶化を行なう槽を設けることが、一般になされている。ここでは、処理対象物の有機物スラリーが沈殿することなく均一に撹拌することが必要とされるが、処理する有機物中の脂肪濃度、特に、飽和脂肪酸濃度が増大すると、撹拌によって飽和脂肪酸どうしが、接触し付着を繰り返して脂肪の塊が造粒されてしまい、配管を閉塞させたり、槽自体の容積を減少させたりする問題が発生する。
また、造粒された脂肪の塊がメタン発酵槽に投入された場合、メタン菌などとの接触面積が小さいため、発酵が進行せず、槽内に脂肪が蓄積して槽を閉塞させ、また酸敗をおこして発酵を停止させてしまうという問題がある。
これまでは、高濃度の飽和脂肪酸が存在する特異な発酵を行なう方法として、脂肪どうしの接触を防止したり、分散させるために、汚泥と混在させて発酵を行なう方法(例えば、特許文献1参照)や、その他の有機性廃棄物と混合したり、希釈水を増加させることで、融点の高いステアリン酸やパルミチン酸といった飽和脂肪酸濃度を低下させる手法が採られていた。
特開2005−279411号公報
しかしながら、脂肪どうしの接触を防止するために、汚泥その他の有機性廃棄物と混在させて発酵を行なう方法は、装置の複雑化及び大型化を招き、装置をコンパクト化する上で障害となる。また、希釈水を増加させる場合、希釈水の使用量が増大すると共にその後のメタン発酵にも悪影響を及ぼす可能性がある。
また、メタン発酵槽の前段に、有機性廃棄物を一時的に貯留したり、希釈水などと混合したり、可溶化を行なったりする槽における撹拌条件については、経験的におこなってきたのが現状であり、脂肪の塊が造粒されないように制御する条件は見出されていない。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、動物性脂肪に多く含まれる融点の高いパルチミン酸やステアリン酸等の飽和脂肪酸を多く含む有機性廃棄物の処理において、脂肪の塊が造粒されにくく、配管や貯留槽、およびメタン発酵槽内での閉塞を抑制し、発酵の悪化を抑制して安定したメタン発酵を行うことのできるメタン発酵処理装置および方法を提供することを目的とする。
本発明のメタン発酵処理装置は、有機性廃棄物をメタン発酵槽に投入してメタン発酵処理するメタン発酵処理装置において、前記メタン発酵槽の前段で有機性廃棄物のスラリーを貯留するスラリー貯留槽と、このスラリー貯留槽を撹拌強度の指標であるG値が60s−1から150s−1となる撹拌条件で撹拌する撹拌手段と、を具備し、前記スラリー貯留槽における有機性廃棄物中の脂肪濃度を5g/リットルよりも高くするとともに、前記有機性廃棄物中の脂肪の飽和脂肪酸率を0.4よりも高くしたことを特徴とする。
この構成によれば、スラリー貯留槽を撹拌強度(G値)60s−1から150s−1の範囲で撹拌するので、動物性脂肪に多く含まれる融点の高いパルチミン酸やステアリン酸等の飽和脂肪酸を多く含む有機性廃棄物であっても、脂肪塊の造粒を抑制することができ、配管や貯留槽、及びメタン発酵槽の閉塞を防止することができる。
また本発明は、上記メタン発酵処理装置において、前記撹拌手段は、前記スラリー貯留槽内で撹拌翼を回転させる機械撹拌又は前記スラリー貯留槽内の処理液を循環させる循環撹拌を単独又は組み合わせて用いることを特徴とする。
この構成により、撹拌強度(G値)の計算手法が確立されている機械撹拌又は循環撹拌を単独又は組み合わせて用いるので、撹拌手段に対して高い精度で撹拌条件を設定することができる。
また前記メタン発酵槽は50〜60度の高温発酵でメタン発酵処理することができる。
また本発明のメタン発酵処理方法は、有機性廃棄物をメタン発酵槽に投入してメタン発酵処理するメタン発酵処理方法において、前記メタン発酵槽の前段で有機性廃棄物のスラリーを貯留するスラリー貯留槽の撹拌条件を、撹拌強度の指標であるG値が60s−1から150s−1の範囲となるように設定し、前記スラリー貯留槽における有機性廃棄物中の脂肪濃度を5g/リットルよりも高くするとともに、前記有機性廃棄物中の脂肪の飽和脂肪酸率を0.4よりも高くすることを特徴とする。
本発明によれば、装置の複雑化及び大型化を防止すると共に、脂肪の塊が造粒されにくく、配管や貯留槽、およびメタン発酵槽内での閉塞を抑制でき、発酵の悪化を抑制することができる。
以下、本発明の一実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の一実施の形態に係るメタン発酵処理装置の概略構成図である。同図に示すメタン発酵処理装置は、有機性廃棄物スラリーを嫌気性下でメタン菌により発酵処理して有機性廃棄物をバイオガスと水とに分解するメタン発酵槽11と、メタン発酵槽11の前段に設けられ微粉砕した有機性廃棄物を貯留してスラリー調製するためのスラリー調整槽12と、スラリー調整槽12内を後述する撹拌強度で撹拌する撹拌機13と、撹拌機13の動作を制御するコントローラ14とを主な構成要素としている。本実施の形態では、上記スラリー調整槽12がスラリー貯留槽として機能する。
スラリー調整槽12は、図示していない粉砕機で粗砕された有機性廃棄物を槽内に導くための供給配管15が接続されている。供給配管15に設けられた有機性廃棄物スラリー供給ポンプ16によって粗砕された有機性廃棄物がスラリー調整槽12へ投入される。また、スラリー調整槽12の底部には水道水供給配管17が接続されており、水道水供給配管17に設けられた水道水供給ポンプ18によりスラリー調整槽12内に水道水を供給するように構成されている。スラリー調整槽12に供給される水道水により、スラリー調整槽12内が所定の有機物濃度に調整される。
撹拌機13は、スラリー調整槽12の内部に撹拌翼13aが配置され、撹拌翼13aに先端が結合された回転軸13bの基端部がスラリー調整槽12の外部に設置した駆動源としてのモータ13cに連結されている。モータ13cはコントローラ14からの指令信号により動作が制御されるように構成されている。撹拌機13に設定される撹拌翼13aの回転速度については後述する。
メタン発酵槽11は、スラリー供給配管19を介してスラリー調整槽12に連結されている。スラリー供給配管19に設けられたスラリー供給ポンプ20によりメタン発酵槽11へ有機性廃棄物スラリーが供給される。メタン発酵槽11には、図示していないがメタン菌を主体とする嫌気性微生物を担持させたろ床が配置される。本実施の形態では、メタン発酵槽11を50〜60℃に加温して高効率発酵が行われるように制御する。メタン発酵槽11の温度はコントローラ14から不図示のヒータを制御することによって所望温度に維持される。メタン発酵槽11において、有機性廃棄物スラリーはろ床を通過してメタン発酵され、発酵後の消化液は、ろ床の上部に溜まる液状の処理液として取り出され、ろ床の下部に溜まる余剰汚泥は発酵槽底部から取り出される。また、発生したメタンガスはメタン発酵槽11の上部から取り出して、図示していないガスホルダーに貯留する。
以上のように構成されたメタン発酵処理装置において、スラリー調整槽12での望ましい撹拌条件を見出すために以下の実験を行った。
飽和脂肪酸率の高い有機物としてアイスクリームを選び、これを水道水で希釈すると共に食堂用カッターミキサーで調整したものを原料スラリーとして用いた。原料スラリーの組成分は、TS濃度が130g/リットル、n−ヘキサン抽出物質が20g/リットル、飽和脂肪酸率が0.48とした。ここで、飽和脂肪酸率とは、飽和脂肪酸率=飽和脂肪酸量(パルミチン酸+ステアリン酸)/全脂肪酸量のことを意味する。
上記原料スラリーにサラダ油を混合して飽和脂肪酸率が0.40となるように調整し、水道水で希釈して5種類の異なるn−ヘキサン抽出物質濃度に調整したサンプルを準備した。具体的なn−ヘキサン抽出物質濃度は、3g/リットル、4g/リットル、5g/リットル、6g/リットル、7g/リットルである。
また、サラダ油の添加比率を増して飽和脂肪酸率を変化させ、それぞれ飽和脂肪酸率を0.25、0.35、0.40、0.45、0.50とし、n−ヘキサン抽出物質濃度が5g/リットルとなるように調整した各サンプルを準備した。
上記各サンプル(アイスクリームスラリー)をスラリー調整槽で撹拌する撹拌条件は、以下のように設定した。スラリー調整槽の容積は1リットル、撹拌時の温度は室温とした。撹拌機の撹拌翼は表1の条件とした。
Figure 0005142514
上記撹拌翼による撹拌強度は、水道施設設計指針2000(p190 日本水道協会)の計算式を用いて算出するものとする。撹拌強度を示す指標としてG値が用いられるが、撹拌翼を用いた場合のG値は、フラッシュミキサー方式を用いて計算できる。撹拌翼の運動方向に直角な面積を用いて計算したフラッシュミキサー方式のG値は以下の式(1)で表せられる。
Figure 0005142514
ρ:処理液(有機性廃棄物スラリー)の密度(例えば、1.0×103kg/m3、20℃)
C:撹拌翼の抵抗係数(=1.3)
a:撹拌翼の運動方向に直角な面積(m2)
v:撹拌翼の平均速度(m/s)
μ:処理液(有機性廃棄物スラリー)の粘性係数(例えば、1.0×10-3kg/m・s、20℃)
V:処理液の容量(m3)
この計算式より目標のG値に対応した撹拌翼の回転速度を求め、撹拌翼の回転速度を目標のG値に対応した値に制御する。目標のG値を順次変化させて、スラリー調整槽の撹拌条件を変えた実験を行った。そして、サンプル毎に12時間後に析出した固形物の乾燥重量を測定した。
図3は飽和脂肪酸率が0.40でn−ヘキサン抽出物質濃度がそれぞれ3g/リットル、4g/リットル、5g/リットル、6g/リットル、7g/リットルの各サンプルについて、撹拌強度(G値)を変えて撹拌した場合の析出固形物の変化を示すグラフである。図3より、脂肪濃度(n−ヘキサン抽出物質)が5g/リットルを超えた場合に、G値が150s−1以上の撹拌強度になると、析出する固形物が急激に増加しはじめることが判る。
図4は脂肪酸濃度が5.0g/リットルで飽和脂肪酸率がそれぞれ0.25、0.35、0.40、0.45、0.50の各サンプルについて、撹拌強度(G値)を変えて撹拌した場合の析出固形物の変化を示すグラフである。図4より、飽和脂肪酸率が、0.4を超えた場合にも析出する固形物が急激に増加しはじめることがわかる。
また、撹拌強度(G値)が60s−1より小さい場合は、十分な撹拌がなされず、スラリー内の成分が沈降分離することが確認された。このことより、撹拌強度の下限は60s−1程度必要である。
次に、脂肪酸濃度5g/リットル、飽和脂肪酸率0.4のサンプルをメタン発酵槽に投入して、発酵性状を評価した。メタン発酵槽における発酵条件は、発酵容積が2リットルの完全混合槽とし、発酵温度が55℃、滞留時間は15日とした。
この結果、スラリー調整槽において析出物が増加したものは、発酵槽内でも、油脂塊が蓄積し、発酵液上部に堆積した。長時間の発酵を行った場合、発酵槽の閉塞を招くと推定される。
以上から、スラリー調整槽12の内部を撹拌する撹拌機13の撹拌強度(G値)は60s−1から150s−1の範囲であることが望ましいことが判明した。
また、スラリー調整槽12では、有機性廃棄物スラリーの脂肪濃度が5g/リットル以上に調整されていることが望ましく、飽和脂肪酸率が0.4以上に調整されていることが望ましいことが判明した。
本実施の形態では、脂肪濃度が5g/リットル以上で及び又は飽和脂肪酸率が0.4以上に調整されている有機性廃棄物スラリーをスラリー調整槽12へ投入する。あるいは、スラリー調整槽12において、脂肪濃度が5g/リットル以上で及び又は飽和脂肪酸率が0.4以上になるように調整する。
一方、撹拌翼13aによる撹拌強度(G値)が60s−1から150s−1の範囲となるように、モータ13cの回転速度を設定する。この結果、スラリー調整槽12では、脂肪塊の造粒が抑えられ、調整槽内部及び配管での閉塞が防止されることとなる。なお、モータ13cの回転速度はコントローラ14から制御して設定できるように構成しても良い。
また、脂肪塊の造粒が抑えられた有機性廃棄物スラリーがメタン発酵槽11へ供給されるので、メタン発酵槽11においても脂肪塊の造粒が抑えられ、発酵槽内部及び配管での閉塞が防止され、発酵の悪化も抑制されるもとなる。
以上の説明では、スラリー調整槽12における有機性廃棄物スラリーを撹拌するために撹拌翼13aを回転させる撹拌機13を用いているが、撹拌手段は撹拌機13に限定されるものではない。例えば、液返送ポンプ拡散方式により有機性廃棄物スラリーを撹拌する構成とすることも可能である。
図2は、撹拌手段に液返送ポンプ拡散方式を採用したメタン発酵処理装置の概略構成図である。なお、図1に示すメタン発酵処理装置と同じ構成要素には同一符号を付して、説明の重複を避ける。
スラリー調整槽21は、調整槽上部の側壁に有機性廃棄物スラリーを取り出すための取出し口21aが設けられている。また、調整槽底部の底壁には有機性廃棄物スラリーを調整槽内に戻すための噴出ノズルを兼ねた返送口21bが設けられている。取出し口21aと返送口21bとの間は返送管22で連通されており、返送管22の途中に調整槽内から引き抜いた有機性廃棄物スラリーを調整槽内に返すための液返送ポンプ23が設けられている。所望の撹拌強度(G値)に対応したノズル噴出水量及びノズル噴出水初速度となるように液返送ポンプ23のパワーを設定する。具体的には、上述したように撹拌強度(G値)が60s−1から150s−1の範囲となるように液返送ポンプ23のパワーを設定する。また、有機性廃棄物スラリーの脂肪濃度は5g/リットル以上に調整されていることが望ましく、飽和脂肪酸率が0.4以上に調整されていることが望ましい。
液返送ポンプ拡散方式による撹拌強度であるG値は下記(2)式により求めることができる。
Figure 0005142514
ρ:処理液(有機性廃棄物スラリー)の密度(例えば、1.0×103kg/m3、20℃)
μ:処理液(有機性廃棄物スラリー)の粘性係数(1.0×10-3kg/m・s、20℃)
V:処理液の容量(m3)
Q:ノズル噴出水量(m3/s)
v:ノズル噴出水の初速度(m/s)
本実施の形態では、撹拌強度(G値)が60s−1から150s−1の範囲となるように、液返送ポンプ23により返送口21bの噴出ノズルの噴出水量及び噴出水の初速度を設定する。なお、液返送ポンプ23のパワーをコントローラ14から制御可能な場合は、コントローラ14から液返送ポンプ23に指令信号を与えて所望の撹拌強度(G値)に対応したパワーに調整するようにしても良い。
また、図2において2点鎖線で示すように撹拌機13を設けて、上述した撹拌機13を用いるフラッシュミキサー方式による機械撹拌と、液返送ポンプ拡散方式による循環撹拌とを組み合わせて所望の撹拌強度を実現するようにしても良い。
また、以上の説明では、メタン発酵槽11の前段で有機性廃棄物のスラリーを貯留するスラリー貯留槽としてスラリー調整槽12,21を例に説明したが、本発明はスラリー調整槽12,21に限定されるものではない。例えば、有機性廃棄物をスラリー化するにあたり、前処理として有機性廃棄物中に混在する包装容器や紙類などの異物を分別しつつ有機性廃棄物を適度な大きさに粉砕処理する前処理槽に対しての撹拌条件としても適用可能である。
また、有機性廃棄物を投入したメタン発酵槽から発酵廃液を取り出し、この発酵廃液を活性汚泥処理槽に投入し、硝化及び脱窒反応させて活性汚泥廃液を取り出し、この活性汚泥廃液を固液分離し、得られた濃縮汚泥の少なくとも一部を可溶化して前記メタン発酵槽に返送するメタン発酵処理装置において、濃縮汚泥の少なくとも一部を可溶化する可溶化槽に対しての撹拌条件としても適用可能である。
本発明は、動物性脂肪に多く含まれる融点の高いパルチミン酸やステアリン酸等の飽和脂肪酸を多く含む有機性廃棄物すらリーンの撹拌に適用可能である。
本発明の一実施の形態に係るメタン発酵処理装置の概略構成図 上記一実施の形態の変形例に係るメタン発酵処理装置の概略構成図 所定の飽和脂肪酸率における析出油脂塊量に与える撹拌強度依存性を示す図 所定の脂肪酸濃度における析出油脂塊量に与える撹拌強度依存性を示す図
符号の説明
11…メタン発酵槽
12…スラリー調整槽
13…撹拌機
13a…撹拌翼
13b…回転軸
13c…モータ
14…コントローラ
15…供給配管
16…有機性廃棄物スラリー供給ポンプ
17…水道水供給配管
18…水道水供給ポンプ
19…スラリー供給配管
21…スラリー調整槽(液返送方式)
21a…取出し口
21b…返送口
22…返送管
23…液返送ポンプ

Claims (4)

  1. 有機性廃棄物をメタン発酵槽に投入してメタン発酵処理するメタン発酵処理装置において、前記メタン発酵槽の前段で有機性廃棄物のスラリーを貯留するスラリー貯留槽と、このスラリー貯留槽を撹拌強度の指標であるG値が60s−1から150s−1となる撹拌条件で撹拌する撹拌手段と、を具備し
    前記スラリー貯留槽における有機性廃棄物中の脂肪濃度を5g/リットルよりも高くするとともに、前記有機性廃棄物中の脂肪の飽和脂肪酸率を0.4よりも高くしたことを特徴とするメタン発酵処理装置。
  2. 前記撹拌手段は、前記スラリー貯留槽内で撹拌翼を回転させる機械撹拌又は前記スラリー貯留槽内の処理液を循環させる循環撹拌を単独又は組み合わせて用いることを特徴とする請求項1記載のメタン発酵処理装置。
  3. 前記メタン発酵槽は、50〜60度の高温発酵でメタン発酵処理することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のメタン発酵処理装置。
  4. 有機性廃棄物をメタン発酵槽に投入してメタン発酵処理するメタン発酵処理方法において、前記メタン発酵槽の前段で有機性廃棄物のスラリーを貯留するスラリー貯留槽の撹拌条件を、撹拌強度の指標であるG値が60s−1から150s−1の範囲となるように設定し、
    前記スラリー貯留槽における有機性廃棄物中の脂肪濃度を5g/リットルよりも高くするとともに、前記有機性廃棄物中の脂肪の飽和脂肪酸率を0.4よりも高くすることを特徴とするメタン発酵処理方法。
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