JP2008194563A - 日射遮蔽膜および波長選択型遮蔽膜 - Google Patents

日射遮蔽膜および波長選択型遮蔽膜 Download PDF

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Abstract

【課題】ブルーヘイズが低減され、且つ、優れた膜強度を発揮する日射遮蔽膜を提供する。
【解決手段】複合タングステン酸化物から選ばれた少なくとも1種を含む平均粒径200nm以下の微粒子からなる近赤外線遮蔽成分と、窒化チタン、酸窒化チタン、カーボンブラックから選ばれた少なくとも1種を含む平均粒径200nm以下の微粒子からなる顔料と、バインダー成分からなり、顔料の含有量は、前記日射遮蔽膜の波長780nm以下の領域における全光線反射のピーク強度をR1とし、前記顔料を含有しない前記日射遮蔽膜の780nm以下の領域における全光線反射のピーク強度をR0としたとき、0.15≧(R0−R1)/R0≧0.03を満たす量であり、バインダー成分の少なくとも1種が、グリシドキシプロピル基含有アルコキシシランとアミノプロピル基含有アルコキシシランとをモル比で2:1〜1:1の範囲で反応させてなる反応物である日射遮蔽膜。
【選択図】なし

Description

本発明は、ガラス、プラスチック、その他の日射遮蔽機能を必要とする透明基材を始めとする各種の基材に適用可能な日射遮蔽膜形成用塗布液を塗布硬化させて得られる日射遮蔽膜および波長選択型遮蔽膜に関する。
太陽光線は、近赤外線、可視光線、紫外線の3つに大きく分けることができる。このうち、長波長領域の近赤外線(熱線)は、熱エネルギーとして人体に感じる波長領域の光であり、室内、車内の温度上昇の原因ともなるものである。一方、短波長領域の紫外線は、日焼け、しみ、そばかす、発癌、視力障害など人体への悪影響があり、物品の機械的強度の低下、色褪せなどの外観の劣化、食品の劣化、印刷物の色調の低下なども引き起こす有害な光である。
これらの近赤外線(熱線)や紫外線のうち、近赤外線(熱線)を遮蔽することを目的として、当該近赤外線(熱線)を遮蔽する機能を有する日射遮蔽膜を膜形成したガラス基板、プラスチック板、フィルムなどの透明基材が使用されている。当該透明基材においては当該日射遮蔽膜として、例えば、金、銀、銅、アルミニウムなどのような伝導電子を多量に持つ金属材料の薄膜が用いられている。そして、当該透明基材上に日射遮蔽膜としてこれらの金属の薄膜を膜形成しようとする場合、スパッタリング法や蒸着法といった物理的膜形成方法が用いられている。しかし、これらの物理的膜形成方法は、大がかりな真空装置を必要とするため生産性が劣り、日射遮蔽膜の製造コストが高くなり、また大面積の膜形成が困難であった。
一方、日射遮蔽機能を持つ近赤外線遮蔽成分が含有される塗布液を、適宜な透明基材上に塗布し、日射遮蔽膜を当該基材上に塗膜形成することによって簡単、且つ、低コストで日射遮蔽機能を持たせた透明基材を製造することも提案されている。
例えば特許文献1には、バインダー中に近赤外線遮蔽成分として六ホウ化物を含有した日射遮蔽膜形成用塗布液について提案されている。
一方、本発明者らは特許文献2において、近赤外線遮蔽成分として、一般式MxWyOz(但し、Wはタングステン、Oは酸素、0.001≦x/y≦1、2.0<z/y≦3.0である。)で表記される複合タングステン酸化物の微粒子を用いて日射遮蔽膜形成用塗布液を製造し、当該日射遮蔽膜形成用塗布液を適宜な基材上で硬化させる日射遮蔽膜を提案している。
特開2001−262061号公報 国際公開WO2005/087680
上述した、近赤外線遮蔽成分が含有される塗布液を適宜な基材上に塗布し、日射遮蔽膜を当該基材上に塗膜形成することによって、日射遮蔽機能を持たせた透明基材を製造する方法は、日射遮蔽機能を有する透明基材を、簡単且つ低コストで製造出来るなど優れた方法である。
しかし、本発明者らの検討によれば、近赤外線遮蔽成分として六ホウ化物を用いた場合
、より高い日射遮蔽能を得ることを目的として当該六ホウ化物の添加量を増やすと、今度は、可視光透過率まで低下してしまうという問題があった。
また、近赤外線遮蔽成分として複合タングステン酸化物の微粒子を用いた場合、当該複合タングステン酸化物の微粒子を含む塗膜に直射日光が当たると、当該複合タングステン酸化物微粒子の散乱光によって塗膜が青白く見える現象(以下、ブルーヘイズと記載する場合がある。)が生じるという意匠性上の問題があった。
本発明は上述の状況のもとになされたものであり、その課題とするところは、複合タングステン酸化物の微粒子を近赤外線遮蔽成分として用いた日射遮蔽膜形成用塗布液により塗膜形成される日射遮蔽膜でありながら、ブルーヘイズが低減され、且つ、既存の各種の基材に塗膜形成出来、20℃から25℃程度の常温における塗膜形成が可能で、優れた膜強度を発揮する日射遮蔽膜、および、当該日射遮蔽膜であって、さらに紫外線遮蔽能をも具備した波長選択型遮蔽膜を提供することである。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、複合タングステン酸化物の微粒子を近赤外線遮蔽成分として用いた日射遮蔽膜形成用塗布液において、顔料として窒化チタン、酸窒化チタン、カーボンから選ばれた少なくとも1種を所定量添加することにより、当該日射遮蔽膜形成用塗布液を用いて塗膜形成された日射遮蔽膜においてブルーヘイズが低減することに想到した。
次に、本発明者らは、前記日射遮蔽膜形成用塗布液においてバインダー成分として、グリシドキシプロピル基含有アルコキシシランとアミノプロピル基含有アルコキシシランを混合反応させてなる反応物を用い、希釈溶媒と、硬化触媒とを添加することで、所望の基材上において20℃から25℃程度の常温における塗膜形成が可能な日射遮蔽膜が得られることに想到した。
さらに、本発明者らは、前記日射遮蔽膜形成用塗布液へ、紫外線吸収剤を添加することで、ブルーヘイズが低減し、所望の基材上において20℃から25℃程度の常温における塗膜形成が可能で、且つ、紫外線遮蔽能をも具備した波長選択型遮蔽膜が得られることにも想到し、本発明を完成するに至った。
すなわち、上述の課題を解決するための第1の手段は、
近赤外線遮蔽成分と、顔料と、バインダー成分と、を含有する日射遮蔽膜形成用塗布液を用いて塗膜形成される日射遮蔽膜であって、
前記近赤外線遮蔽成分が、複合タングステン酸化物から選ばれた少なくとも1種を含む平均粒径200nm以下の微粒子であり、
前記顔料が、窒化チタン、酸窒化チタン、カーボンブラックから選ばれた少なくとも1種を含む平均粒径200nm以下の微粒子であり、
前記顔料の含有量は、前記日射遮蔽膜の波長780nm以下の領域における全光線反射のピーク強度をR1とし、前記顔料を含有しない前記日射遮蔽膜の780nm以下の領域における全光線反射のピーク強度をR0としたとき、0.15≧(R0−R1)/R0≧0.03を満たす量であり、
前記バインダー成分の少なくとも1種が、グリシドキシプロピル基含有アルコキシシランとアミノプロピル基含有アルコキシシランとをモル比で2:1〜1:1の範囲で反応させてなる一般式(化1)で表される反応物である、
ことを特徴とする日射遮蔽膜である。
Figure 2008194563
(式中、X1、X2は、加水分解によってシラノールを生じるアルコキシル基を示し、Y1、Y2はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基から選択されるアルキル基を示し、a、b、c、dはそれぞれ1≦a≦3、a+b=3、1≦c≦3、c+d=3の関係を満たす数である。)
第2の手段は、
第1の手段に記載の日射遮蔽膜であって、
前記近赤外線遮蔽成分が1〜10重量%含まれ、且つ、前記顔料が0.05〜0.3重量%含まれ、且つ、前記バインダー成分が10〜40重量%含まれる日射遮蔽膜形成用塗布液を用いて塗膜形成されることを特徴とする日射遮蔽膜である。
第3の手段は、
第1または第2の手段のいずれか記載の日射遮蔽膜形成用塗布液であって、
さらに、ベンゾフェノン系および/またはベンゾトリアゾール系の有機紫外線吸収剤を含有する日射遮蔽膜形成用塗布液を用いて塗膜形成されることを特徴とする波長選択型遮蔽膜である。
第4の手段は、
第1〜第3の手段のいずれか記載の日射遮蔽膜形成用塗布液であって、
さらに、紫外線吸収剤として、CeO、ZnO、Fe、FeOOHから選択される少なくとも1種類以上の無機紫外線遮蔽成分であって、平均粒径が100nm以下の微粒子を含有する日射遮蔽膜形成用塗布液を用いて塗膜形成されることを特徴とする波長選択型遮蔽膜である。
第5の手段は、
前記複合タングステン酸化物が、一般式MxWyOz(但し、Mは、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、Iのうちから選択される1種類以上の元素、Wはタングステン、Oは酸素、0.001≦x/y≦1、2.2≦z/y≦3.0)で
表記される複合タングステン酸化物であることを特徴とする第1〜第4の手段のいずれか記載の日射遮蔽膜または波長選択型遮蔽膜である。
第6の手段は、
前記複合タングステン酸化物微粒子が、六方晶、正方晶、立方晶の結晶構造のいずれか1つ以上を含むことを特徴とする第1〜第5の手段のいずれか記載の日射遮蔽膜または波長選択型遮蔽膜である。
第7の手段は、
前記M元素が、Cs、Rb、K、Tl、In、Ba、Li、Ca、Sr、Fe、Snから選択される1種類以上の元素であることを特徴とする第1〜第6の手段のいずれか記載
の日射遮蔽膜または波長選択型遮蔽膜である。
本発明に係る日射遮蔽膜は、常温における塗膜形成も可能で、且つ、ブルーヘイズが低減された日射遮蔽膜であり意匠性に優れている。さらに、本発明に係る波長選択型遮蔽膜は、常温における塗膜形成も可能で、且つ、ブルーヘイズが低減された波長選択型遮蔽膜であり意匠性に優れていることに加え、紫外線遮蔽能も具備している。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に係る日射遮蔽膜は、近赤外線遮蔽成分と、顔料と、バインダー成分と、を含有する日射遮蔽膜形成用塗布液を用いて塗膜形成される日射遮蔽膜であって、前記近赤外線遮蔽成分が、複合タングステン酸化物から選ばれた少なくとも1種を含む平均粒径200nm以下の微粒子であり、前記顔料が、窒化チタン、酸窒化チタン、カーボンブラックから選ばれた少なくとも1種を含む平均粒径200nm以下の微粒子であり、前記顔料の含有量は、前記日射遮蔽膜の波長780nm以下の領域における全光線反射のピーク強度をR1とし、前記顔料を含有しない前記日射遮蔽膜の780nm以下の領域における全光線反射のピーク強度をR0としたとき、0.1≧(R0−R1)/R0≧0.03を満たす量であり、前記バインダー成分の少なくとも1種が、グリシドキシプロピル基含有アルコキシシランとアミノプロピル基含有アルコキシシランとをモル比で2:1〜1:1の範囲で反応させてなる一般式(化1)で表される反応物である日射遮蔽膜である。
また、本発明に係る波長選択型遮蔽膜は、本発明に係る日射遮蔽膜であって、さらに紫外線吸収剤を含むものである
Figure 2008194563
(式中、X1、X2は、加水分解によってシラノールを生じるアルコキシル基を示し、Y1、Y2はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基から選択されるアルキル基を示し、a、b、c、dはそれぞれ1≦a≦3、a+b=3、1≦c≦3、c+d=3の関係を満たす数である。)
以下、本発明に係る日射遮蔽膜に関し、1.近赤外線遮蔽成分、2.近赤外線遮蔽成分の製造方法、3.ブルーヘイズとその低減方法、4.顔料成分の添加方法、5.バインダー成分、6.バインダー成分の製造方法、7.希釈溶媒、8.硬化触媒、9.紫外線吸収剤、10.日射遮蔽膜形成用塗布液および波長選択型遮蔽膜形成用塗布液の製造、の順で説明する。
1.近赤外線遮蔽成分
本発明において近赤外線遮蔽成分として用いられる近赤外線吸収材料は、平均分散粒子径が200nm以下である複合タングステン酸化物の微粒子である。
当該複合タングステン酸化物は、一般式MxWyOz(但し、M元素は、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、Iのうちから選択される1種類以
上の元素、Wはタングステン、Oは酸素、0.001≦x/y≦1、2.2≦z/y≦3.0
である。)で示される複合タングステン酸化物微粒子である。当該複合タングステン酸化物微粒子には、十分な量の自由電子が生成されている為、近赤外線吸収成分として有効に機能する。
ここで、当該複合タングステン酸化物の微粒子は、六方晶、正方晶、立方晶の結晶構造を有する場合に耐久性に優れることから、当該六方晶、正方晶、立方晶から選ばれる1つ
以上の結晶構造を有していることが好ましい。さらに、当該複合タングステン酸化物の微粒子が六方晶の結晶構造を持つ場合であれば、好ましいM元素として、Cs、Rb、K、Tl、In、Ba、Li、Ca、Sr、Fe、Snの各元素から選択される1種類以上の元素が挙げられる。
そして、添加されるM元素の添加量xは、x/yの値で0.001以上、1.0以下が
好ましく、さらに好ましくはx/y=0.33付近である。これは六方晶の結晶構造から
理論的に算出されるxの値が0.33であり、この前後の添加量で好ましい光学特性が得
られるからである。一方、酸素の存在量は、z/yの値で2.2以上3.0以下が好ましい。この結果、典型的な複合タングステン酸化物微粒子の例としては、Cs0.33WO
、Rb0.33WO、K0.33WO、Ba0.33WOなどを挙げることができ
る。尤も、y,zが上記の範囲に収まるものであれば、有用な近赤外線吸収特性を得るこ
とができる。
以上説明した複合タングステン酸化物微粒子は、単独で使用してもよいが、2種類以上を混合使用することもできる。
本発明者らの検討によれば、これらの微粒子を十分細かく、かつ均一に分散した膜では、光の透過率が波長400〜700nmの間に極大値を有し、かつ700〜1800nmの間に極小値を有することが確認された。ここで、可視光の波長が380〜780nmであり、人間の視感度が波長550nm付近をピークとする釣鐘型であることを考慮すると、当該膜は、可視光を有効に透過し、それ以外の波長の光を有効に吸収・反射することが理解できる。
近赤外線遮蔽成分として、上述した複合タングステン酸化物に加え、六ホウ化物の中から選ばれた少なくとも1種の微粒子、および/または、ATO、ITOのうち少なくとも1種の微粒子を混合使用することも好ましい構成である。複合タングステン酸化物添加量の一部をこれらの微粒子に置き換えることによって、膜の色調を制御することができるからである。例えば、六ホウ化ランタン(以下、LaBと記載と記載する場合がある。)はグリーンの色調を有する近赤外線遮蔽材料であり、ATOはニュートラルな色調を有する近赤外線遮蔽材料であり、ITOは薄いブルーの色調を有する近赤外線遮蔽材料である。これら近赤外線遮蔽材料を含有する塗膜の色調はブルーあるいはグリーンとなり、その反射光は、波長300〜600nmの間で極大値を有する。
当該近赤外線遮蔽材料の平均粒径は、200nm以下であることが求められ、好ましくは100nm以下である。これは、当該近赤外線遮蔽材料の平均粒径が200nm以下であると微粒子同士の凝集傾向が強くならず、塗布液中における微粒子の沈降が回避できるからである。さらに、平均粒径が200nm以下の微粒子は、光散乱による可視光透過率の低下の原因とならないからである。
なお、当該平均粒径は、200nm以下であれば小さいほど好ましいが、現在の技術において、粒径2nm程度までの微粒子は容易に商業的に製造できる。
2.近赤外線遮蔽成分の製造方法
上記一般式MxWyOzで表記される複合タングステン酸化物微粒子は、タングステン
化合物出発原料を不活性ガス雰囲気もしくは還元性ガス雰囲気中で熱処理して得ることができる。
複合タングステン化合物出発原料には、3酸化タングステン粉末、または、酸化タングステンの水和物、または、6塩化タングステン粉末、または、タングステン酸アンモニウム粉末、または、6塩化タングステンを、アルコール中に溶解させた後、当該アルコール溶液を乾燥して得られるタングステン酸化物の水和物粉末、または、6塩化タングステン粉末をアルコール中に溶解させた後、当該アルコール溶液へ水を添加して沈殿生成させ、当該沈殿を乾燥して得られるタングステン酸化物の水和物粉末、または、タングステン酸アンモニウム水溶液を乾燥して得られるタングステン化合物粉末、金属タングステン粉末、から選ばれたいずれか一種類以上であることが好ましい。
ここで、複合タングステン酸化物微粒子を製造する場合には製造工程の容易さの観点より、タングステン酸化物の水和物粉末、もしくはタングステン酸アンモニウム水溶液を乾燥して得られるタングステン化合物粉末、を用いることがさらに好ましい。さらに、出発原料が溶液であると、各元素の均一混合が容易に可能となる観点より、タングステン酸アンモニウム水溶液や、6塩化タングステン溶液を用いることが好ましい。これら原料を用い、これを不活性ガス雰囲気もしくは還元性ガス雰囲気中で熱処理して、上述した粒径の複合タングステン酸化物微粒子を得ることができる。
さらに元素Mも、水や有機溶媒等の溶媒に溶解可能なものであることが好ましい。例えば、元素Mを含有するタングステン酸塩、塩化物塩、硝酸塩、硫酸塩、シュウ酸塩、酸化物、等が挙げられるが、これらに限定されず、溶液状になるものであれば好ましい。
ここで、不活性雰囲気中における熱処理条件としては、650℃以上が好ましい。650℃以上で熱処理された出発原料は十分な着色力を有し、近赤外線遮蔽成分として効率が良い。不活性ガスとしてはAr、N等の不活性ガスを用いることが良い。また、還元性雰囲気中の熱処理条件としては、まず出発原料を還元性ガス雰囲気中にて100℃以上、650℃以下で熱処理し、次いで不活性ガス雰囲気中で650℃以上、1200℃以下の温度で熱処理することが良い。この時の還元性ガスは、特に限定されないがHが好ましい。還元性ガスとしてHを用いる場合は、還元雰囲気の組成として、Hが体積比で0.1%以上であることが好ましく、さらに好ましくは2%以上である。Hの体積比が0.1%以上であれば効率よく還元を進めることができる。
上述した水素で還元された原料粉末は、マグネリ相を含み、良好な近赤外線遮蔽特性を示し、この状態でも近赤外線遮蔽微粒子として使用可能な複合タングステン酸化物微粒子である。しかし、当該複合タングステン酸化物微粒子中に含まれる水素が不安定であるため、耐候性の面で応用範囲が限定される可能性がある。そこで、この水素を含む複合タングステン酸化物微粒子を、不活性雰囲気中、650℃以上で熱処理することで、さらに安定なものとすることができる。この650℃以上の熱処理時の雰囲気は特に限定されないが、工業的観点から、N、Arが好ましい。当該650℃以上の熱処理により、複合タングステン酸化物微粒子中にマグネリ相が得られ耐候性が向上する。
得られた複合タングステン酸化物微粒子の表面が、Si、Ti、Zr、Alから選択される1種類以上の金属を含有する酸化物で被覆されていることは、耐候性の向上の観点から好ましい。当該被覆方法は特に限定されないが、当該複合タングステン酸化物微粒子を分散した液中へ、上記金属のアルコキシドを添加することで、複合タングステン酸化物微粒子の表面を当該金属の酸化物により被覆することが可能である。
3.ブルーヘイズとその低減方法
本発明者らは、近赤外線遮蔽材料として上記複合タングステン酸化物微粒子を用いた日射遮蔽膜に直射日光等の光が当たった際、複合タングステン酸化物微粒子の散乱光が原因となり、塗膜が青白く曇って見えるという現象(以下、ブルーヘイズと記載する場合がある。)として認識されることを見出した。当該ブルーヘイズは、本来求められている日射遮蔽膜の透明性を損なう現象であり、基材上に形成された日射遮蔽膜に当該ブルーヘイズが発生すると、建築物の窓等に適用した場合には景観が損なわれることから意匠上の問題となる場合がある。
本発明者らは、上記ブルーヘイズを低減すべく研究を行った。
まず、本発明者らは、当該ブルーヘイズが、紫外および可視光領域(波長780nm以下)における全光線反射のピーク強度で定量化できることに想到した。即ち、当該ピーク強度の値が大きいほど、ブルーヘイズとして目視で認識できることに想到した。
本発明者らは、さらに研究を続け、当該ピーク強度の値を目安にしてブルーヘイズ低減できる方法を探索したところ、当該日射遮蔽膜へ、窒化チタン、酸窒化チタン、カーボンブラックから選ばれる少なくとも1種で、平均分散粒子径が200nm以下の微粒子を顔料として所定量添加することで上記ブルーヘイズを低減出来ることに想到した。
つまり、前記顔料を添加した日射遮蔽膜形成用塗布液から形成された塗膜において、前記ピーク強度が当該顔料未添加時よりも減少していることを見出したものである。勿論、目視観察においても、ブルーヘイズは低減していた。
以下、当該研究過程について簡単に説明する。
上述したように、ブルーヘイズは、近赤外線遮蔽材料として上記複合タングステン酸化物微粒子を用いた日射遮蔽膜に直射日光等の光が当たった際、複合タングステン酸化物微粒子の散乱光が原因となり、塗膜が青白く曇って見える現象と考えられた。従って、当該散乱光を抑制できれば、ブルーヘイズを抑制できると考えられた。ここで、当該散乱光は紫外領域から可視光領域の短波長側(波長780nm以下)に亘っている。従って、ブルーヘイズを低減させるためには、紫外から可視光領域の短波長側(波長780nm以下)に亘る全光線反射の極大値を低減すればよいと考えられた。
ここで、本発明者らは、日射遮蔽膜または波長選択型遮蔽膜へ、紫外領域の光を吸収する成分を導入することで、紫外領域から可視光領域の短波長側(波長780nm以下)に亘る波長領域の光を吸収させることで、紫外および可視光領域における全光線反射の極大値を低減する構成に想到した。併せて、本発明者らは、当該全光線反射の極大値を低減する効果を、紫外および可視光領域(波長780nm以下)における全光線反射率の極大値を測定することで定量化できることにも想到した。
さらに、本発明者らは、紫外領域から可視光領域の短波長側(波長780nm以下)に亘る波長領域の光を吸収させる顔料として、窒化チタン、酸窒化チタン、カーボンブラックが適していることに想到した。当該窒化チタン、酸窒化チタン、カーボンブラックは、紫外領域から可視光領域に亘る波長領域の光を吸収するため、その添加量は、上述したように、日射遮蔽膜の波長780nm以下の領域における全光線反射のピーク強度をR1とし、前記顔料を含有しない前記日射遮蔽膜の780nm以下の領域における全光線反射のピーク強度をR0としたとき、0.1≧(R0−R1)/R0≧0.03を満たす量であることが肝要である。そして、顔料添加量が当該範囲内にあれば、当該顔料は極めて高効率で紫外および可視光領域(波長780nm以下)の光を吸収することから、有効にブルーヘイズを低減させることができ、好ましいことに、外観上も落ち着いた色調の塗膜を得ることができた。
さらに、好ましいことに、窒化チタン、酸窒化チタン、カーボンブラックは、上述のよ
うに極めて少量で紫外および可視光領域(波長780nm以下)の光を吸収できることから、当該日射遮蔽膜形成用塗布液または当該波長選択型遮蔽膜形成用塗布液への添加量も少なくてよい。従って、当該日射遮蔽膜形成用塗布液または当該波長選択型遮蔽膜形成用塗布液の保存安定性に優れていた。
ブルーヘイズを低減させるための他の手段として、有機系紫外線吸収剤の添加が考えられた。しかし、ブルーヘイズの低減効果を明確なものとするには、上述した窒化チタン、酸窒化チタン、カーボンブラックに比較して、多量の有機系紫外線吸収剤が必要であることが判明した。この為、すでに有機系紫外線吸収剤が添加された波長選択型遮蔽膜形成用塗布液へ、さらに有機系紫外線吸収剤を添加することになり、得られた塗膜から有機系紫外線吸収剤が浮き出す現象が生じる可能性も考えられた。従って、ブルーヘイズを低減させる手段として有機系紫外線吸収剤を添加するのは、問題が多いと考えられた。
ここで、当該顔料の所定添加量について説明する。
当該顔料を含有する日射遮蔽膜の波長780nm以下の領域における全光線反射のピーク強度をR1、当該顔料を所定量含有した日射遮蔽膜の波長780nm以下の領域における全光線反射のピーク強度をR0とした場合、0.15≧(R0−R1)/R0≧0.03を満たす量の当該顔料を添加するとき、ブルーヘイズが低減されることを見出したものである。
尚、後述する紫外線吸収剤を含有する波長選択型遮蔽膜においても、当該顔料を含有する波長選択型遮蔽膜の波長780nm以下の領域における全光線反射のピーク強度をR1、当該顔料を所定量含有した波長選択型遮蔽膜の波長780nm以下の領域における全光線反射のピーク強度をR0とした場合、0.1≧(R0−R1)/R0≧0.03を満たす量の当該顔料を添加するとき、ブルーヘイズが低減されることを見出したものである。
日射遮蔽膜、波長選択型遮蔽膜のいずれにおいても、(R0−R1)/R0≧0.03であれば、ブルーヘイズの低減効果が目視で認識できた。一方、0.1≧(R0−R1)/Rであれば、塗膜の透明性が十分に保たれ、建築物の窓ガラス等への適用にも問題がない。
4.顔料成分の添加方法
上記顔料成分を日射遮蔽膜形成用塗布液へ添加する方法は、顔料成分を含有分散した分散液(以下、顔料分散液と記載する場合がある。)を準備し、当該顔料分散液を日射遮蔽膜形成用塗布液に混合し、撹拌することによって当該顔料分散液を含む日射遮蔽膜形成用塗布液を均一化する方法が好ましい。
当該顔料分散液中の顔料成分濃度は、顔料成分が均一に分散していれば限定されないが、通常、1〜20重量%の範囲であることが好ましい。これは、顔料分散液中の顔料成分濃度が20重量%以下であれば、当該顔料分散液の製造が容易で長期保存しても分散液中の顔料が凝集することがないこと、および、日射遮蔽膜形成用塗布液中の顔料成分量が微量であるにも拘わらず、顔料分散液添加量の制御が容易となるからである。一方、顔料分散液中の顔料成分濃度が1重量%以上であれば、当該顔料分散液の添加量が過度に多量となるのを回避できるからである。
上記顔料分散液で用いられる分散媒は、特に限定されるものではなく、日射遮蔽膜形成用塗布液の塗布条件や、塗布環境、塗布液中の固形分の種類に合わせて選択可能である。例えば、メタノール、エタノール、イソブチルアルコールなどのアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテルアルコール類、酢酸メチルや酢酸エチルなどのエステル類、メチルエチルケトンやシクロヘキサノンなどのケトン類など各種溶媒が使用可能である。また用途によって、前記1種
または2種以上の溶媒を組み合わせて使用することもできる。
5.バインダー成分
本発明に係る日射遮蔽膜形成用塗布液に用いられるバインダー成分は、グリシドキシプロピル基を含有するアルコキシシランとアミノプロピル基を含有するアルコキシシランとを混合反応させて得られた反応物である。
グリシドキシプロピル基を含有するアルコキシシランとしては、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランなどを挙げることができる。また、アミノプロピル基を含有するアルコキシシランとしては、アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
上記バインダー成分は、グリシドキシプロピル基を含有するアルコキシシランと、アミノプロピル基を含有するアルコキシシランとを常温で混合し熟成したものである。当該バインダー成分では、両化合物の両端のアルコキシ基の縮合重合が常温下で進み、強固な塗膜を形成させることができる。
6.バインダー成分の製造方法
本発明に係る日射遮蔽膜形成用塗布液に用いられるバインダー成分は、グリシドキシプロピル基を含有するアルコキシシランとアミノプロピル基を含有するアルコキシシランをと混合反応させて得られた反応物である。当該混合反応において、グリシドキシプロピル基を含有するアルコキシシランとアミノプロピル基を含有するアルコキシシランとの配合比は、モル比で2:1〜1:1とするのが好ましい。これは、グリシドキシプロピル基を含有するアルコキシシランのアミノプロピル基を含有するアルコキシシランに対する配合比が、モル比で2:1以下であれば膜の硬化が速く、強度も強くなり、1:1以上であれば膜が白化することがないからである。
得られる反応物の基本構造は下記の一般式(化1)で示される。
Figure 2008194563
(式中、X1、X2はメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基の加水分解によってシラノールを生じるアルコキシル基を示し、Y1、Y2はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基のアルキル基を示し、またa、b、c、dはそれぞれ1≦a≦3、a+b=3、1≦c≦3、c+d=3の関係を満たす数である。)
上記反応物は、グリシドキシプロピル基を含有するアルコキシシランと、アミノプロピル基を含有するアルコキシシランとを混合した後、常温で2週間程度の熟成することで得られる。
グリシドキシプロピル基を含有するアルコキシシランとしては、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランなどを挙げることができる。また、アミノプロピル基を含有するアルコキシシランとしては、アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
ここで、グリシドキシプロピル基を含有するアルコキシシランと、アミノプロピル基を含有するアルコキシシランとを混合した後に加熱することによって、熟成時間を短縮することも可能である。その際の加熱温度は40〜80℃が好ましい。加熱温度が40℃以上あれば、熟成時間短縮の効果があり、80℃以下であれば反応物が着色することがないからである。
本発明に係るバインダー成分は、前記一般式(化1)の基本構造に示すように、分子両端にアルコキシル基を持ち、分子内にフレキシブルなメチレン鎖を持っている。このアルコキシル基は室温で加水分解して反応性の高いシラノールを生じ、これが縮合重合することによって自身で高分子化、あるいは他の成分と結合することができる。また分子中のメチレン鎖は、前記縮合重合時の歪みを吸収し塗膜のクラック発生を抑制する。
さらに、本発明に係る日射遮蔽膜形成用塗布液または波長選択型遮蔽膜形成用塗布液の硬化は、バインダー成分中のアルコキシル基の加水分解と、それに続くシラノールの縮合重合による高分子化とによって起こる。このとき形成されたシロキサン結合は強固であり、堅牢な塗膜を形成することができる。
7.希釈溶媒
本発明に係る日射遮蔽膜形成用塗布液、または、波長選択型遮蔽膜形成用塗布液の希釈溶媒は、特に限定されるものではなく、塗布条件や、塗布環境、塗布液中の固形分の種類に合わせて選択可能であり、例えばメタノール、エタノール、イソブチルアルコールなどのアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテルアルコール類、酢酸メチルや酢酸エチルなどのエステル類、メチルエチルケトンやシクロヘキサノンなどのケトン類など各種溶媒が使用可能である。また用途によって、前記1種または2種以上の溶媒を組み合わせて使用することもできる。
8.硬化触媒
上述のバインダー成分には湿気硬化性があるが、常温での硬化速度を実用的なものとするため、日射遮蔽膜形成用塗布液または波長選択型遮蔽膜形成用塗布液に硬化触媒の添加を行う。そして、当該硬化触媒としては、三弗化ホウ素などが好適に用いられる。さらに、当該硬化触媒の添加量を調整することによって、硬化時間を制御することが可能となる。この硬化時間制御により、本発明に係る日射遮蔽膜形成用塗布液または当該波長選択型遮蔽膜形成用塗布液の応用範囲を広げることが出来る。当該硬化時間制御の観点から、硬化触媒の添加量は、0.01〜10重量%とすることが好ましい。
9.紫外線吸収剤
上述したように、本発明に係る日射遮蔽膜へ紫外線遮蔽能を付与すると、本発明に係る波長選択型遮蔽膜となる。具体的には、本発明に係る日射遮蔽膜形成用塗布液へ、紫外線吸収剤として有機紫外線吸収剤および/または無機紫外線遮蔽成分を含有させることによっても、波長選択型遮蔽膜形成用塗布液とすることができる。
このとき、有機紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系(例えば、ベンゾフェノン)、べンゾトリアゾール系(例えば、ベンゾトリアゾール)のいずれか一方、または両方を含有させることができる。その添加量は、0.5〜7重量%であることが好ましい。紫外線吸収剤の含有量が0.5重量%以上あれば、形成される波長選択型遮蔽膜の紫外線遮蔽能が十分であり、一方、7重量%以下であれば紫外線吸収剤が波長選択型遮蔽膜の表面に滲み出したり、波長選択型遮蔽膜に曇りが生じたりするのを回避できるからである。さらに、当該有機紫外線吸収剤に加え、さらに光安定剤を用いることも好ましい。光安定剤を用いることによって、有機紫外線吸収剤自身の紫外線吸収能持続性が改善され、バインダーの劣化も防ぐことができるからである。当該光安定剤の好ましい例としては、ヒンダー
ドアミン系光安定剤であるTINUVIN 123、TINUVIN 152(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)などが挙げられる。
また用途によっては、紫外線吸収剤として無機紫外線遮蔽成分を用いても良い。
この場合の無機紫外線遮蔽成分として、平均粒径が100nm以下のCeO、ZnO、Fe、FeOOH微粒子の中から選ばれた1種または2種以上を用いることができる。平均粒径を100nm以下とした理由は、粒径が100nm以下であれば微粒子同士の凝集傾向が強くならず、塗布液中における微粒子の沈降の原因とならないこと、また粒径が100nm以下であれば、当該微粒子に起因する光散乱による可視光透過率の低下の原因となることを回避できるからである。また、当該無機紫外線遮蔽成分の含有量は、0.1〜5重量%とすることが好ましい。無機紫外線遮蔽成分の含有量が0.1%以上あれば形成される日射遮蔽膜の紫外線遮蔽能が十分に発揮され、一方、5重量%以下であれば該無機紫外線遮蔽成分に起因する可視光透過率の低下や塗膜のムラが顕著になることを回避できるからである。
さらに、無機紫外線遮蔽成分としてFe微粒子を選択することによって塗布膜に赤味を、FeOOH微粒子を選択することによって塗布膜に黄色味を持たせることも可能である。さらに、これらの無機紫外線遮蔽成分は経時変化が少ない。なお、無機紫外線遮蔽成分の平均粒径は小さいほど好ましい。そして、無機紫外線遮蔽成分においても現在の技術において、粒径2nm程度までの微粒子は容易に商業的に製造できる。
10.日射遮蔽膜形成用塗布液および波長選択型遮蔽膜形成用塗布液の製造
本発明に係る日射遮蔽膜形成用塗布液または波長選択型遮蔽膜形成用塗布液の製造において、近赤外線遮蔽成分である複合タングステン酸化物微粒子を1〜10重量%、窒化チタン、酸窒化チタン、カーボンから選ばれた少なくとも1種の顔料成分を0.05〜0.3重量%、バインダー成分を10〜40重量%添加する。
さらに、上述したように、膜の色調を制御することを目的として、六ホウ化物微粒子を添加する場合は0.5重量%以下となるよう添加し、ATO微粒子または/およびITO微粒子を添加する場合は、これら微粒子と当該複合タングステン酸化物微粒子の合計が15重量%以下となるよう添加することが好ましい。
そして、希釈溶剤を総計が100重量%となるように秤量し、混合する。
また、上記日射遮蔽膜形成用塗布液に紫外線吸収剤を添加する場合は1〜15重量%を添加し、さらに希釈溶剤を添加することによって総計で100重量%となるように秤量し、混合すれば良い。
ここで、近赤外線遮蔽成分の全配合量が1重量%以上であれば形成される日射遮蔽膜または波長選択型遮蔽膜の近赤外線遮蔽能が十分に確保できる。一方、15重量%以下であれば、日射遮蔽膜としての透明性および良好な膜外観が確保できる。
顔料成分の全添加量が0.05重量%以上であれば、形成される日射遮蔽膜の色調が改善される。一方、顔料成分の全添加量が0.3重量%以下であれば日射遮蔽膜または波長選択型遮蔽膜の透明性および良好な膜外観が確保できる。
バインダーの配合量が10重量%以上あれば形成される日射遮蔽膜または波長選択型遮蔽膜の表面硬度が十分に確保でき、一方、40重量%以下であれば塗布液の粘度が過剰に高くなるのを回避でき、均一な塗布が容易である。
紫外線吸収剤の配合量が1重量%以上あれば形成される波長選択型遮蔽膜の紫外線遮蔽能が十分に確保でき、一方、15重量%以下であれば良好な膜外観が確保できる。
硬化触媒の配合量が0.01重量%以上であれば、形成される日射遮蔽膜または波長選択型遮蔽膜の硬化に対して促進効果が得られる。一方、10重量%以下であれば、塗布時の液のレベリング性が確保されない、混合した塗布液が塗布前に硬化してしまう等の問題点を回避することが出来る。尤も、当該硬化触媒が日射遮蔽膜形成用塗布液または波長選択型遮蔽膜形成用塗布液に添加されると、バインダー成分の硬化が開始する。そこで、当該日射遮蔽膜形成用塗布液または該波長選択型遮蔽膜形成用塗布液に関し、当該硬化触媒の添加は、当該塗布液の塗布直前に行うことが好ましい。
さらに、当該硬化触媒は、メタノール、エタノール、イソブチルアルコールなどのアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテルアルコール類、酢酸メチルや酢酸エチルなどのエステル類、メチルエチルケトンやシクロヘキサノンなどのケトン類などの各種溶媒に、予め溶解させておくことが好ましい。当該硬化触媒が溶液の形態であれば、添加が容易で且つ直ちに均一化できるからである。
以下、実施例を参照しながら本発明を、さらに詳細に説明する。
なお、当該実施例に用いた日射遮蔽膜形成用塗布液試料および波長選択型遮蔽膜形成用塗布液試料の構成成分を図1に示し、当該日射遮蔽膜形成用塗布液試料および当該波長選択型遮蔽膜形成用塗布液試料を用いて形成した日射遮蔽膜または波長選択型遮蔽膜の特性を図2に示した。さらに、実施例に係る日射遮蔽膜形成用塗布液試料を用いて塗膜形成した日射遮蔽膜の全光線反射率を図2に、実施例に係る波長選択型遮蔽膜形成用塗布液試料を用いて塗膜形成した波長選択型遮蔽膜の全光線反射率を図2に示した。
<日射遮蔽膜>
[実施例1]
(試料1の製造と光学特性の評価)
メタタングステンアンモニウム水溶液(WO換算で50wt%)と塩化セシウムの水溶液とを、WとCsとのモル比が1対0.33となるように所定量秤量し、両液を混合し
て混合溶液を得た。この混合溶液を130℃で乾燥し、得られた粉末を出発原料とした。この出発原料を、還元雰囲気(アルゴン/水素=95/5体積比)中において550℃で1時間加熱した。そして、一度室温に戻した後、800℃アルゴン雰囲気中で1時間加熱して、Cs0.33WO3の粉末を製造した。この粉末の比表面積は20m2/gであった。また、当該Cs0.33WO3粉末についてX線回折による結晶相の同定の結果、六方晶タング
ステンブロンズ(複合タングステン酸化物微粒子)の結晶相が観察された。
このCs0.33WO3粉末20重量%と、プロピレングリコールモノエチルエーテル75
重量%と、ポリウレタン系分散剤5重量%とを混合し分散処理を行い、平均分散粒子径80nmの分散液(A液)とした。
一方、窒化チタン粉末10重量%と、プロピレングリコールモノエチルエーテル85重量%と、ポリウレタン系分散剤5重量%とを混合し分散処理を行い、平均分散粒子径80nmの分散液(B液)とした。
さらに、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン60gとアミノプロピルトリエトキシシラン40gとを混合し、マグネティックスターラーで1時間撹拌後、室温で14日間熟成させて目的のバインダー成分100g(合成液)を得た。
25gの合成液と、20gのイソブチルアルコールと、24gのプロピレングリコールモノエチルエーテルと、20gのA液と、1gのB液とを混合して撹拌し、さらに触媒として三弗化ホウ素ピペリジンのイソブチルアルコール溶液(濃度:1重量%)10gを加
えて撹拌し、日射遮蔽膜形成用塗布液(試料1)を製造した。
この日射遮蔽膜形成用塗布液を、厚さ3mmのソーダライム系ガラス基板上にバーコーターを用いて塗布し、常温で放置して日射遮蔽膜(試料1)を得た。
得られた日射遮蔽膜(試料1)における光の透過率を、日立製作所(社)製の分光光度計を用いて測定し、JIS R 3106にしたがって可視光透過率(τv)、日射透過率(τe)を、ISO 9050にしたがって紫外線透過率(τuv)を算出した。またテーバー摩耗試験機に摩耗輪CS10fを用い、荷重250g、50回転の摩耗試験を行い、試験前後のへイズの変化量(ΔH)で膜の表面硬度を評価した。なおへイズは村上色彩技術研究所(社)製の反射・透過率計で測定した。
得られた日射遮蔽膜形成用塗布液(試料1)は常温で硬化可能であり、容易に日射遮蔽膜(試料1)を得ることができた。また膜のτvは73.0%、τeは45.9%であり、可視光透過性があり、日射遮蔽能があることが判明した。またΔHは3.3%であり表面硬度の非常に高い膜が形成されていた。また、780nm以下の領域における全光線反射のピーク強度は5.5%であり、散乱光が吸収されてブルーヘイズが抑制されていた。
[比較例1]
(試料2の製造と光学特性の評価)
試料1と同様の合成液25gと、25gのイソブチルアルコールと、20gのプロピレングリコールモノエチルエーテルと、試料1と同様のA液20gとを混合して撹拌し、さらに触媒として三弗化ホウ素ピペリジンのイソブチルアルコール溶液(濃度:1重量%)10gを加えて撹拌することによって日射遮蔽膜形成用塗布液(試料2)を製造した。
次に、試料1に対して行ったものと同様な手順で、日射遮蔽膜(試料2)を塗膜形成し、膜の評価を行った。
日射遮蔽膜(試料2)のτvは78.5%、τeは47.8%であり、可視光透過性があって日射遮蔽能があることが分った。またΔHは3.2%であり表面硬度の非常に高い膜が形成されていた。しかし、日射遮蔽膜(試料2)の780nm以下の領域における全光線反射のピーク強度は5.9%と日射遮蔽膜(試料1)に比べ高く、顕著なブルーヘイズが観察された。
[試料1、2を用いた日射遮蔽膜の評価]
ここで、日射遮蔽膜(試料1)(試料2)の780nm以下の領域における全光線反射のピーク強度の測定結果より、顔料を含有した日射遮蔽膜(試料1)の波長780nm以下の領域における全光線反射のピーク強度R1=5.5、顔料を含有しない日射遮蔽膜(試料2)の波長780nm以下の領域における全光線反射のピーク強度R0=5.9から、
(R0−R1)/R0=0.07
となり、日射遮蔽膜(試料2)に対して、日射遮蔽膜(試料1)ではブルーへイズの低減効果が十分大きいことがわかる。
<波長選択型遮蔽膜>
[実施例2]
(試料3の製造と光学特性の評価)
FeOOH微粒子20重量%と、プロピレングリコールモノエチルエーテル75重量%と、燐酸エステル系分散剤5重量%とを混合して分散処理を行い、平均分散粒子径80nmの分散液(C液)を製造した。
試料1と同様の合成液25gと、20gのイソブチルアルコールと、21gのプロピレングリコールモノエチルエーテルと、試料1と同様のA液20gと、試料1と同様のB液1gと、3gのC液とを混合して撹拌し、さらに触媒として三弗化ホウ素ピペリジンのイ
ソブチルアルコール溶液(濃度:1重量%)10gを加えて撹拌することによって波長選択型遮蔽膜形成用塗布液(試料3)を製造した。
次に、試料1に対して行ったものと同様な手順で、波長選択型遮蔽膜(試料3)を塗膜形成し、膜の評価を行った。
波長選択型遮蔽膜(試料3)のτvは69.2%、τeは42.1%であり、可視光透過性があって日射遮蔽能があることが分った。τuvは0.5%であり紫外光の遮蔽能は優れていた。ΔHは3.4%であり表面硬度の非常に高い膜が形成されていた。また、780nm以下の領域における全光線反射のピーク強度は5.0%であり、散乱光が吸収されてブルーヘイズが抑制されていた。
[比較例2]
(試料4の製造と光学特性の評価)
試料1と同様の合成液25gと、20gのイソブチルアルコールと、22gのプロピレングリコールモノエチルエーテルと、試料1と同様のA液20gと、3gのC液とを混合して撹拌し、さらに触媒として三弗化ホウ素ピペリジンのイソブチルアルコール溶液(濃度:1重量%)10gを加えて撹拌することによって波長選択型遮蔽膜形成用塗布液(試料4)を製造した。
次に、試料1に対して行ったものと同様な手順で、波長選択型遮蔽膜(試料4)を塗膜形成し、膜の評価を行った。
波長選択型遮蔽膜(試料4)のτvは73.5%、τeは44.8%であり、可視光透過性があって日射遮蔽能があることが分った。τuvは1.5%であり紫外光の遮蔽能は優れていた。またΔHは3.2%であり表面硬度の非常に高い膜が形成されていた。しかし、780nm以下の領域における全光線反射のピーク強度は5.2%と波長選択型遮蔽膜(試料3)に比べ高く、顕著なブルーヘイズが観察された。
[試料3、4を用いた波長選択型遮蔽膜の評価]
ここで、波長選択型遮蔽膜(試料3)(試料4)の780nm以下の領域における全光線反射のピーク強度の測定結果より、顔料を含有した波長選択型遮蔽膜(試料3)の波長780nm以下の領域における全光線反射のピーク強度R1=5.0、顔料を含有しない波長選択型遮蔽膜(試料4)の波長780nm以下の領域における全光線反射のピーク強度R0=5.2から、
(R0−R1)/R0=0.04
となり、波長選択型遮蔽膜(試料4)に対して、波長選択型遮蔽膜(試料3)ではブルーへイズの低減効果が十分大きいことがわかる。
本発明に係る日射遮蔽膜形成用塗布液試料および波長選択型遮蔽膜形成用塗布液試料の構成成分を示す図表である。 本発明に係る日射遮蔽膜形成用塗布液試料および波長選択型遮蔽膜形成用塗布液試料の光学特性を示す図表である。

Claims (7)

  1. 近赤外線遮蔽成分と、顔料と、バインダー成分と、を含有する日射遮蔽膜形成用塗布液を用いて塗膜形成される日射遮蔽膜であって、
    前記近赤外線遮蔽成分が、複合タングステン酸化物から選ばれた少なくとも1種を含む平均粒径200nm以下の微粒子であり、
    前記顔料が、窒化チタン、酸窒化チタン、カーボンブラックから選ばれた少なくとも1種を含む平均粒径200nm以下の微粒子であり、
    前記顔料の含有量は、前記日射遮蔽膜の波長780nm以下の領域における全光線反射のピーク強度をR1とし、前記顔料を含有しない前記日射遮蔽膜の780nm以下の領域における全光線反射のピーク強度をR0としたとき、0.15≧(R0−R1)/R0≧0.03を満たす量であり、
    前記バインダー成分の少なくとも1種が、グリシドキシプロピル基含有アルコキシシランとアミノプロピル基含有アルコキシシランとをモル比で2:1〜1:1の範囲で反応させてなる一般式(化1)で表される反応物である、
    ことを特徴とする日射遮蔽膜。
    Figure 2008194563
    (式中、X1、X2は、加水分解によってシラノールを生じるアルコキシル基を示し、Y1、Y2はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基から選択されるアルキル基を示し、a、b、c、dはそれぞれ1≦a≦3、a+b=3、1≦c≦3、c+d=3の関係を満たす数である。)
  2. 請求項1記載の日射遮蔽膜であって、
    前記近赤外線遮蔽成分が1〜10重量%含まれ、且つ、前記顔料が0.05〜0.3重量%含まれ、且つ、前記バインダー成分が10〜40重量%含まれる日射遮蔽膜形成用塗布液を用いて塗膜形成されることを特徴とする日射遮蔽膜。
  3. 請求項1または2のいずれか記載の日射遮蔽膜形成用塗布液であって、
    さらに、ベンゾフェノン系および/またはベンゾトリアゾール系の有機紫外線吸収剤を含有する日射遮蔽膜形成用塗布液を用いて塗膜形成されることを特徴とする波長選択型遮蔽膜。
  4. 請求項1〜3のいずれか記載の日射遮蔽膜形成用塗布液であって、
    さらに、紫外線吸収剤として、CeO、ZnO、Fe、FeOOHから選択される少なくとも1種類以上の無機紫外線遮蔽成分であって、平均粒径が100nm以下の微粒子を含有する日射遮蔽膜形成用塗布液を用いて塗膜形成されることを特徴とする波長選択型遮蔽膜。
  5. 前記複合タングステン酸化物が、一般式MxWyOz(但し、Mは、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、
    V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、Iのうちから選択される1種類以上の元素、Wはタングステン、Oは酸素、0.001≦x/y≦1、2.2≦z/y≦3.0)で
    表記される複合タングステン酸化物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の日射遮蔽膜または波長選択型遮蔽膜。
  6. 前記複合タングステン酸化物微粒子が、六方晶、正方晶、立方晶の結晶構造のいずれか1つ以上を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の日射遮蔽膜または波長選択型遮蔽膜。
  7. 前記M元素が、Cs、Rb、K、Tl、In、Ba、Li、Ca、Sr、Fe、Snから選択される1種類以上の元素であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか記載の日射遮蔽膜または波長選択型遮蔽膜。
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