JP2008193400A - 圧電振動子及びその製造方法 - Google Patents

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賀津雄 石川
Juichiro Matsuzawa
寿一郎 松澤
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Abstract

【課題】本発明の目的は、蓋の割れ・クラックを防止し、小さな面積で蓋とパッケージを接合し、封止後の光学的な認識を可能にすることにある。
【解決手段】パッケージ60は、圧電振動片1が固定される底部62と、少なくとも上端面66が金属から形成されて底部62を囲む枠壁部64と、を含み、底部62の上方に開口を有する。蓋100が、底部62及び枠壁部64とオーバーラップしてパッケージ60の開口を塞ぐ。蓋100は、枠体110を含む。蓋100は、枠体110の内側に取り付けられて上面部が厚み方向の他の部分よりも大きい幅を有するように形成された透明体120を含む。蓋100は、枠体110の上面とは面一であるが下面とは段差ができるように枠体110の外側に延びるフランジ130を含む。枠体110及びフランジ130は金属からなる。フランジ130が、枠壁部64に金属接合されてなる。
【選択図】図3

Description

本発明は、圧電振動子及びその製造方法に関する。
圧電振動片をパッケージ内に固定してガラス製の蓋で封止することが知られおり、ガラス製の蓋とパッケージは、低融点ガラスを使用して接合される(特許文献1)。しかし、低融点ガラスの強度が低いため広い接合面積が必要となってパッケージの小型化に適していない。しかも、蓋全体がガラス製であると、割れ・クラックが生じるという問題もある。なお、樹脂接着剤を使用した接合では気密性に劣るので真空封止をすることができない。また、金属製の蓋で封止することも知られている(特許文献2)。しかし、金属製の蓋では、蓋による封止後はパッケージの内部を光学的に認識することができないという問題があった。
特開2006−196932号公報 特開平10−335970号公報
本発明の目的は、蓋の割れ・クラックを防止し、小さな面積で蓋とパッケージを接合し、封止後の光学的な認識を可能にすることにある。
(1)本発明に係る圧電振動子は、
圧電振動片と、
前記圧電振動片が固定される底部と、少なくとも上端面が金属から形成されて前記底部を囲む枠壁部と、を含み、前記底部の上方に開口を有するパッケージと、
前記底部及び前記枠壁部とオーバーラップして前記パッケージの前記開口を塞ぐ蓋と、
を有し、
前記蓋は、枠体を含み、
前記蓋は、前記枠体の内側に取り付けられて上面部が厚み方向の他の部分よりも大きい幅を有するように形成された透明体と、前記枠体の内側に取り付けられて下面部が厚み方向の他の部分よりも大きい幅を有するように形成された透明体と、前記枠体の内側に取り付けられて厚み方向の中間部が前記上面部及び前記下面部よりも大きい幅を有するように形成された透明体と、前記枠体の内側に取り付けられて厚み方向の中間部が前記上面部及び前記下面部よりも小さい幅を有するように形成された透明体と、からなるグループから選択されたいずれか1つの透明体を含み、
前記蓋は、前記枠体の上面とは面一であるが下面とは段差ができるように前記枠体の外側に延びるフランジと、前記上面及び前記下面の両方と段差が形成されるように前記枠体の外側に延びるフランジと、からなるグループから選択されたいずれか1つのフランジを含み、
前記枠体及び前記フランジは金属からなり、
前記フランジが、前記枠壁部に金属接合されてなる。本発明によれば、枠体が金属からなるので蓋の割れ・クラックを防止することができ、金属接合を適用するので小さな面積で蓋とパッケージを接合することができ、蓋が透明体を有するので封止後の光学的な認識が可能になる。
(2)本発明に係る圧電振動子は、
圧電振動片と、
前記圧電振動片が固定される底部と、少なくとも上端面が金属から形成されて前記底部を囲む枠壁部と、を含み、前記底部の上方に開口を有するパッケージと、
前記底部及び前記枠壁部とオーバーラップして前記パッケージの前記開口を塞ぐ蓋と、
を有し、
前記蓋は、枠体を含み、
前記蓋は、前記枠体の内側に取り付けられて上面部が厚み方向の他の部分よりも大きい幅を有するように形成された透明体と、前記枠体の内側に取り付けられて下面部が厚み方向の他の部分よりも大きい幅を有するように形成された透明体と、前記枠体の内側に取り付けられて厚み方向の中間部が前記上面部及び前記下面部よりも大きい幅を有するように形成された透明体と、からなるグループから選択されたいずれか1つの透明体を含み、
前記蓋は、前記枠体の下面とは面一であるが上面とは段差ができるように前記枠体の外側に延びるフランジを含み、
前記枠体及び前記フランジは金属からなり、
前記フランジが、前記枠壁部に金属接合されてなる。本発明によれば、枠体が金属からなるので蓋の割れ・クラックを防止することができ、金属接合を適用するので小さな面積で蓋とパッケージを接合することができ、蓋が透明体を有するので封止後の光学的な認識が可能になる。
(3)この圧電振動子において、
前記透明体の前記上面部は、前記枠体の前記上面と面一であってもよい。
(4)この圧電振動子において、
前記透明体の前記下面部は、前記枠体の前記下面と面一であってもよい。
(5)この圧電振動子において、
前記蓋の平面形状は、一対の平行辺及び前記一対の平行辺に直交する方向に延びる他の一対の平行辺からなる四辺を含み、
前記透明体は、前記蓋のいずれかの前記一対の平行辺の一方に対して他方よりも接近するように中心からずれて位置してもよい。
(6)この圧電振動子において、
前記圧電振動片は、基部と、前記基部から延びる一対の振動腕と、前記基部から延びる一対の支持腕と、を含み、
前記一対の支持腕が前記パッケージの前記底部に固定されていてもよい。
(7)本発明に係る圧電振動子の製造方法は、
底部と少なくとも上端面が金属から形成されて前記底部を囲む枠壁部とを含み前記底部の上方に開口を有するパッケージを用意して、前記底部に圧電振動片を固定する工程と、
前記底部及び前記枠壁部とオーバーラップするように蓋を配置し、溶接によって、前記枠壁部及び前記蓋を接合して、前記パッケージの前記開口を前記蓋によって塞ぐ工程と、
を含み、
前記蓋は、枠体を含み、
前記蓋は、前記枠体の内側に取り付けられて上面部が厚み方向の他の部分よりも大きい幅を有するように形成された透明体と、前記枠体の内側に取り付けられて下面部が厚み方向の他の部分よりも大きい幅を有するように形成された透明体と、前記枠体の内側に取り付けられて厚み方向の中間部が前記上面部及び前記下面部よりも大きい幅を有するように形成された透明体と、前記枠体の内側に取り付けられて厚み方向の中間部が前記上面部及び前記下面部よりも小さい幅を有するように形成された透明体と、からなるグループから選択されたいずれか1つの透明体を含み、
前記蓋は、前記枠体の上面とは面一であるが下面とは段差ができるように前記枠体の外側に延びるフランジと、前記上面及び前記下面の両方と段差が形成されるように前記枠体の外側に延びるフランジと、からなるグループから選択されたいずれか1つのフランジを含み、
前記枠体及び前記フランジは金属からなり、
前記フランジを、前記枠壁部に溶接する。本発明によれば、枠体が金属からなるので蓋の割れ・クラックを防止することができ、溶接を適用するので小さな面積で蓋とパッケージを接合することができ、蓋が透明体を有するので封止後の光学的な認識が可能になる。
(8)本発明に係る圧電振動子の製造方法は、
底部と少なくとも上端面が金属から形成されて前記底部を囲む枠壁部とを含み前記底部の上方に開口を有するパッケージを用意して、前記底部に圧電振動片を固定する工程と、
前記底部及び前記枠壁部とオーバーラップするように蓋を配置し、溶接によって、前記枠壁部及び前記蓋を接合して、前記パッケージの前記開口を前記蓋によって塞ぐ工程と、
を含み、
前記蓋は、枠体を含み、
前記蓋は、前記枠体の内側に取り付けられて上面部が厚み方向の他の部分よりも大きい幅を有するように形成された透明体と、前記枠体の内側に取り付けられて下面部が厚み方向の他の部分よりも大きい幅を有するように形成された透明体と、前記枠体の内側に取り付けられて厚み方向の中間部が前記上面部及び前記下面部よりも大きい幅を有するように形成された透明体と、からなるグループから選択されたいずれか1つの透明体を含み、
前記蓋は、前記枠体の下面とは面一であるが上面とは段差ができるように前記枠体の外側に延びるフランジを含み、
前記枠体及び前記フランジは金属からなり、
前記フランジを、前記枠壁部に溶接する。本発明によれば、枠体が金属からなるので蓋の割れ・クラックを防止することができ、溶接を適用するので小さな面積で蓋とパッケージを接合することができ、蓋が透明体を有するので封止後の光学的な認識が可能になる。
(9)この圧電振動子の製造方法において、
前記フランジの溶接にシーム溶接を適用し、
前記蓋の平面形状は、一対の平行辺及び前記一対の平行辺に直交する方向に延びる他の一対の平行辺からなる四辺を含み、
前記透明体は、前記蓋のいずれかの前記一対の平行辺の一方に対して他方よりも接近するように中心からずれて位置し、
前記シーム溶接を、前記透明体に接近する前記辺から、前記透明体とは離れる前記辺の方向に進めて行ってもよい。
(10)この圧電振動子の製造方法において、
前記圧電振動片は、基部と、前記基部から延びる一対の振動腕と、前記基部から延びる一対の支持腕と、を含み、
前記一対の支持腕を前記パッケージの前記底部に固定してもよい。
(圧電振動片)
図1(A)は、本発明の実施の形態に係る圧電振動子に含まれる圧電振動片(音叉型圧電振動片)を示す平面図である。なお、圧電振動片1の底面図は平面図と対称に表れるので記載を省略する。圧電振動片1は、水晶、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム等の圧電材料からなる。圧電振動片1は、基部10と、基部10から延びる一対の振動腕12と、を含む。
図1(B)は、図1(A)に示す圧電振動片のIB−IB線断面拡大図である。振動腕12は、相互に反対を向く表裏面14,16と、表裏面14,16を両側で接続する第1及び第2の側面18,20とを有する。圧電振動片1を水晶から構成する場合、結晶方位について、表裏面14,16がZ軸方向を向き、第1の側面18がX軸の+方向を向き、第2の側面20がX軸の−方向を向くように構成する。
一方(図1(A)で左側)の振動腕12の第1の側面18と他方(図1(A)で右側)の振動腕12の第2の側面20が対向するように並列している。第1の側面18は、表裏面14,16の間隔によって定義される振動腕12の厚みの中央方向に高くなる山型となるように形成されている。第1の側面18が描く山型の高さは、第1及び第2の側面18,20の間隔によって定義される振動腕12の幅の、0%超12.5%以下である。
振動腕12は、基部10に接続される根本部において、基部10側に向けて幅を拡げてあり、広い幅で基部10に接続するので剛性が高くなっている。振動腕12は、第1及び第2の側面18,20の間隔によって定義される幅が、基部10から先端に向けて細くなる第1のテーパ部22を含む。第1のテーパ部22を形成することにより、振動腕12は振動しやすくなっている。振動腕12は、第1のテーパ部22よりも先端に近い位置に、幅が第1のテーパ部22から先端に向けて太くなる第2のテーパ部24を含む。第2のテーパ部24は、錘の機能を果たすので、振動周波数を低くすることができる。振動腕12は、第1及び第2のテーパ部22,24が接続される幅変更点が長溝26よりも先端近くに位置するように形成されている。
振動腕12には、表裏面14,16に、長手方向に延びる長溝26がそれぞれ形成されている。長溝26によって振動腕12が動きやすくなって効率的に振動するのでCI値を下げることができる。長溝26は、振動腕12の長さの50〜70%の長さを有する。また、長溝26は、振動腕12の幅の60〜90%の幅を有する。
長溝26は、第1の側面18と背中合わせに延びる第1の内面28と、第2の側面20と背中合わせに延びる第2の内面30と、を含む。第1の内面28は第2の内面30よりも、表裏面14,16に対する角度が垂直に近くなっている。第1の内面28は平坦面であってもよい。第2の内面30も平坦面であってもよいが、図1(B)に示す例では、異なる角度の面が接続されてなる。第1及び第2の側面18,20は、第2の内面30よりも表裏面14,16に対する角度(表裏面14,16と接続する部分の角度)が垂直に近くなっている。
圧電振動片1は、基部10から一対の振動腕12が延びる方向とは交差方向であってそれぞれ相互に反対方向に延び、一対の振動腕12の延びる方向に屈曲してさらに延びる一対の支持腕32をさらに含む。屈曲することで、支持腕32は小型化される。支持腕32は、パッケージ60に取り付けられる部分であり、支持腕32での取り付けによって、振動腕12及び基部10は浮いた状態になる。
基部10には、振動腕12の表裏面14,16と同じ側の面に括れた形状が表れるように、相互に対向方向に一対の切り込み34が形成されている。一対の切り込み34は、それぞれ、一対の支持腕32が基部10から延びて屈曲する方向の側で一対の支持腕32に隣接して基部10に形成されている。切り込み34によって、振動腕12の振動の伝達が遮断されるので、振動が基部10や支持腕32を介して外部に伝わること(振動漏れ)を抑制し、CI値の上昇を防止することができる。切り込み34の長さ(深さ)は、基部10の強度を確保できる範囲で長い(深い)ほど、振動漏れ抑制効果は大きい。一対の切り込み34の間の幅(一対の切り込み34に挟まれた部分の幅)は、一対の振動腕12の対向する第1及び第2の側面18,20の間隔よりも小さくしてもよいし大きくしてもよいし、一対の振動腕12の相互に反対を向く第1及び第2の側面18,20の距離よりも小さくしてもよいし大きくしてもよい。
振動腕12には、励振電極膜40が形成されている。励振電極膜40は、100Å以上300Å以下の厚みを有する下地のCr膜と、Cr膜上に形成された200Å以上500Å以下の厚みを有するAu膜と、を含む多層構造であってもよい。Cr膜は水晶との密着性が高く、Au膜は電気抵抗が低く酸化し難いことで知られている。励振電極膜40は、第1及び第2の側面18,20にそれぞれ形成された第1及び第2の側面電極膜42,44と、第1及び第2の内面28,30にそれぞれ形成された第1及び第2の内面電極膜46,48と、を含む。励振電極膜40によって、第1及び第2の励振電極50,52が構成される。
第1の励振電極50は、長溝26に形成された第1及び第2の内面電極膜46,48を含む。1つの長溝26に形成された第1及び第2の内面電極膜46,48は、相互に連続的に形成されて電気的に接続されている。表裏面14,16の一方(例えば表面)の長溝26に形成された第1及び第2の内面電極膜46,48と、表裏面14,16の他方(例えば裏面)の長溝26に形成された第1及び第2の内面電極膜46,48と、は電気的に接続されている。すなわち、表裏面14,16それぞれに形成された一対の第1の励振電極50は電気的に接続されている。一方の振動腕12に形成された一対の第1の励振電極50は、基部10上の表裏面14,16それぞれに形成された引き出し電極54に接続され、これらの引き出し電極54が、他方の振動腕12の第1又は第2の側面電極膜42,44に接続されることで電気的に接続される。
第2の励振電極52は、第1及び第2の側面電極膜42,44を含む。また、第1及び第2の側面電極膜42,44は電気的に接続されている。その電気的接続は、振動腕12の長溝26が形成されていない部分(例えば先端部)において、表裏面14,16の少なくとも一方(あるいは両方)上に形成された接続電極56によってなされている。
一方の振動腕12に形成された第1の励振電極50と、他方の振動腕12に形成された第2の励振電極52と、は基部10上の引き出し電極54で電気的に接続されている。引き出し電極54は、第2の励振電極52が形成される振動腕12の隣に並ぶ支持腕32上に至るまで形成されている。引き出し電極54は、支持腕32の表裏面(あるいはさらに側面)に形成されている。支持腕32上で、引き出し電極54を外部との電気的接続部にすることができる。
本実施の形態では、第1の側面電極膜42と第1の内面電極膜46との間に電圧を印加し、第2の側面電極膜44と第2の内面電極膜48との間に電圧を印加することで、振動腕12の一方の側端を伸ばし、他方の側端を縮ませて振動腕12を屈曲させて振動させる。言い換えると、1つの振動腕12において、第1及び第2の励振電極50,52間に電圧を印加して、振動腕12の第1及び第2の側面18,20を伸縮させることで振動腕12を振動させる。なお、第1及び第2の励振電極50,52は、振動腕12の70%までは、長いほどCI値が下がることが分かっている。
図2は、本実施の形態に係る圧電振動片の動作を説明する図である。図2に示すように、一方の振動腕12の第1及び第2の励振電極50,52に電圧が印加され、他方の振動腕12の第1及び第2の励振電極50,52に電圧が印加される。ここで、一方(左側)の振動腕12の第1の励振電極50と他方(右側)の振動腕12の第2の励振電極52が同じ電位(図2の例では+電位)となり、一方(左側)の振動腕12の第2の励振電極52と他方(右側)の振動腕12の第1の励振電極50が同じ電位(図2の例では−電位)となるように、第1の励振電極50及び第2の励振電極52は、クロス配線によって交流電源に接続され、駆動電圧としての交番電圧が印加されるようになっている。印加電圧によって、図2に矢印で示すように電界が発生し、これにより、振動腕12は、互いに逆相振動となるように(振動腕12の先端側が互いに接近・離間するように)励振されて屈曲振動する。また、基本モードで振動するように交番電圧が調整されている。
(第1の実施の形態)
図3〜図5は、本発明の第1の実施の形態に係る圧電振動子の製造方法を説明する図である。本実施の形態では、上述した圧電振動片1を用意する。圧電振動片1の振動腕12には、錘としての金属膜58が形成されている。これに加えて、パッケージ60を用意する。パッケージ60は、底部62及びこれに接合された枠壁部64を含み、圧電振動片1を収納する封止空間を形成し、底部62の上方に開口を有する。パッケージ60は、その全体を金属で形成してもよいが、主としてセラミック等の非金属で形成する場合には枠壁部64の非金属部の上端面66をメッキなどによって金属にして、その上にシールリング80が設けられる。シールリング80は、溶融温度の比較的高いろう材(例えば銀ろう材)で構成される。シールリング80はメッキされた金属からなる上端面66に接合(固定)されている。底部62には、真空引きを行うための貫通穴68が形成されている。また、底部62が上下2層のセラミックで形成される場合、底部62の下層セラミックに貫通穴68が形成され、上層セラミックは枠壁部64との接合領域と、貫通穴68の一部を塞ぐ領域とを残した枠形状に形成されている。
パッケージ60の底部62に圧電振動片1を固定する。詳しくは、支持腕32を接着剤70によってパッケージ60に固定して、振動腕12をパッケージ60から浮いた状態にする。底部62は、振動腕12の先端部と対向する領域が低くなっており、振動腕12が底部62に接触しないようになっている。接着剤70として、導電性接着剤を使用して、支持腕32の引き出し電極54(図1参照)と電気的に接続する。接着剤70を、パッケージ60の底部62に形成されている配線パターン(図示せず)上に設けて電気的に接続する。配線パターンがパッケージ60の外側に至るまで延長されていれば、圧電振動片1の、パッケージ60の外部との電気的接続が可能である。
また、蓋100を用意する。蓋100の平面形状(図4参照)は、一対の平行辺及び一対の平行辺に直交する方向に延びる他の一対の平行辺からなる四辺を含む。蓋100は、金属からなる枠体110を含む。枠体110とは、貫通穴を有する部材をいい、貫通穴の大きさを問わない。蓋100の少なくとも一部が金属から形成されているので、割れ・クラックを防止することができる。枠体110は、上面部(上面とはパッケージ60とは反対に向ける面をいう。以下同様。)の穴が、それ以外の部分(下面部(下面とはパッケージ60に向ける面をいう。以下同様。)及び中間部(中間とは厚み方向で上面部及び下面部の間をいう。以下同様。))の穴よりも大きくなっている。
蓋100は、枠体110の内側(穴)に取り付けられて上面部が厚み方向の他の部分(下面部及び中間部)よりも大きい幅(上面に平行な方向の長さ)を有するように形成された透明体120を含む。透明体120の上面部は、枠体110の上面と面一である。透明体120の下面部は、枠体110の下面と面一である。透明体120は、蓋100のいずれかの一対の平行辺の一方(図4では右側の辺)に対して他方(図4では左側の辺)よりも接近するように中心からずれて位置する。透明体120は、ガラス等の無機材料から構成されてもよいし、樹脂等の有機材料から構成されてもよい。枠体110の内側にこれらの材料を配置して溶融し、再度凝固させて透明体120を形成することができる。透明体120は、枠体110(その内側面)に密着して設けられている。
蓋100は、枠体110の上面とは面一であるが下面とは段差ができるように枠体110の外側(外周全体)に延びるフランジ130を含む。蓋100の下面に段差があるので、枠体110をパッケージ60の内側に配置して蓋100の位置決めを行うことができる。また、枠体110の上面とフランジ130が面一であるため、枠体110よりもフランジ130が厚み方向に突出することがなく薄型化が可能である。フランジ130も金属(枠体110と同じ金属)からなる。フランジ130及び枠体110は一体的に形成されている。
上述したように、透明体120の上面部の幅が大きく、枠体110の上面から側方にフランジ130が延びている。すなわち、透明体120の幅方向に突出した部分の外側で枠体110からフランジ130が突出している。したがって、フランジ130によって、蓋100の端部から透明体120の幅の広い部分の端部までの距離が遠くなるので、フランジ130が透明体120を保護する機能を果たしている。
そして、蓋100を、底部62及び枠壁部64とオーバーラップするように配置する。枠壁部64及び蓋100を接合して、パッケージ60の開口を蓋100によって塞ぐ。接合は、溶接(局所的な溶接)によって行う。詳しくは、フランジ130を、シールリング80に溶接する。フランジ130の溶接にシーム溶接を適用してもよい。シーム溶接は、ローラ電極(図示せず)をフランジ130に接触させながら回転させ、局所的な溶接領域を移動させて行う。ローラ電極が回転しつつも常時フランジ130に接触しているため、フランジ130及び枠体110が累積的に加熱されていく。枠体110が加熱されるとこれに接触する透明体120にも熱による影響がある。そこで、本実施の形態では、シーム溶接を、透明体120に接近する辺(図4では右側の辺)から、透明体120とは離れる辺(図4では左側の辺)の方向に進める。こうすることで、熱が加えられる領域が、透明体120から離れて行くので、透明体120に近づく方向に行う場合よりも透明体120への累積的な熱量が少なくなるので、熱による影響を抑えることができる。また、シーム溶接を適用すると、溶接時にフランジ130に接触させるローラ電極(図示せず)からの力でパッケージ60に応力が生じる。しかしながら、本実施の形態では、圧電振動片1を支持腕32で固定してあるので、溶接によってパッケージ60に生じている残留応力が振動腕12に伝わらないので、特性に影響しない。
本実施の形態によれば、枠体110が金属からなるので蓋100の割れ・クラックを防止することができ、溶接を適用するので小さな面積で蓋100とパッケージ60を接合することができ、蓋100が透明体120を有するので封止後の光学的な認識が可能になる。
続いて、貫通穴68を介してパッケージ60の封止空間の真空引きを行って、図5に示すように貫通穴68を塞ぐ。あるいは、パッケージ60の封止空間にガスを注入してもよい。さらに、錘としての金属膜58の一部を除去し、振動腕12の重さを減らして、振動腕12の振動周波数の調整を行う。金属膜58の除去はレーザによって行ってもよく、その場合、透明体120を通して金属膜58を認識する。
図5には、上記プロセスを経て製造された圧電振動子が示されている。圧電振動子は、上述した圧電振動片1が固定される底部62と、少なくとも上端面66が金属から形成されて底部62を囲む枠壁部64と、を含み、底部62の上方に開口を有するパッケージ60を有する。蓋100が、底部62及び枠壁部64とオーバーラップしてパッケージ60の開口を塞ぐ。蓋100は、枠体110を含む。さらに、圧電振動子は、上述したその製造方法の説明から当然に導くことができる内容を含む。
(第1の実施の形態の変形例1)
図6(A)は、本発明の第1の実施の形態の変形例1に係る圧電振動子の蓋を示す図である。この変形例では、透明体121の厚み方向の中間部が、上面部及び下面部よりも大きい幅を有する。枠体111は、厚み方向の中間部の穴が、上面部及び下面部の穴よりも大きい。この変形例によれば、透明体121は、中間部の幅が大きいので、枠体111から抜けにくくなっている。また、透明体121の突出する部分(中間部)の上下両面が枠体111(その穴の内面)と接触しているので、枠体111と透明体121の接触面積が大きくなって強固に密着する。
この蓋101を、第1の実施の形態で説明した蓋100の代わりに使用してもよい。蓋101のその他の構成及びパッケージ60への取り付け方法並びに効果については、透明体121の形状の違いに起因する内容を除き、第1の実施の形態の説明が該当する。
(第1の実施の形態の変形例2)
図6(B)は、本発明の第1の実施の形態の変形例2に係る圧電振動子の蓋を示す図である。この変形例では、透明体122の下面部が、上面部及び中間部よりも大きい幅を有する。枠体112は、下面部の穴が、上面部及び中間部の穴よりも大きい。この変形例によれば、透明体122の幅方向に突出する部分とフランジ130が、蓋102の厚み方向に最もずれているので、溶接時にフランジ130に加えられる熱が透明体122に伝わりにくくなっている。
この蓋102を、第1の実施の形態で説明した蓋100の代わりに使用してもよい。蓋102のその他の構成及びパッケージ60への取り付け方法並びに効果については、透明体122の形状の違いに起因する内容を除き、第1の実施の形態の説明が該当する。
(第1の実施の形態の変形例3)
図6(C)は、本発明の第1の実施の形態の変形例3に係る圧電振動子の蓋を示す図である。この変形例では、透明体123の厚み方向の中間部が、上面部及び下面部よりも小さい幅を有する。枠体113は、中間部の穴が、上面部及び下面部の穴よりも小さい。この変形例によれば、透明体123は、中間部の幅が小さいので、枠体113から抜けにくくなっている。また、透明体123の括れる部分(中間部)の上下両面が枠体113(その穴の内面)と接触しているので、枠体113と透明体123の接触面積が大きくなって強固に密着する。
この蓋103を、第1の実施の形態で説明した蓋100の代わりに使用してもよい。蓋103のその他の構成及びパッケージ60への取り付け方法並びに効果については、透明体123の形状の違いに起因する内容を除き、第1の実施の形態の説明が該当する。
(第2の実施の形態)
図7(A)は、本発明の第2の実施の形態に係る圧電振動子の蓋を示す図である。本実施の形態では、フランジ230が、枠体210の上面及び下面の両方と段差が形成されるように延びる。すなわち、フランジ230は、枠体210の厚み方向の中間部から延びる。本実施の形態でも、蓋200の下面に段差があるので、枠体210をパッケージ60の内側に配置して蓋200の位置決めを行うことができる。また、フランジ230の上下面の両方から枠体210が厚み方向に突出するので、枠体210が上下面両方を補強しており、シーム接合時にフランジ230に力を加えても撓み難くなっている。撓み難いことにより、透明体220が外れることを防止できる。
さらに、本実施の形態では、透明体220の上面部が、下面部及び中間部よりも大きい幅を有する。枠体210は、上面部の穴が、下面部及び中間部の穴より大きい。これらの形状の効果は第1の実施の形態で説明した通りである。
この蓋200を、第1の実施の形態で説明した蓋100の代わりに使用してもよい。蓋200のその他の構成及びパッケージ60への取り付け方法並びに効果については、フランジ230の形状の違いに起因する内容を除き、第1の実施の形態の説明が該当する。
(第2の実施の形態の変形例1)
図7(B)は、本発明の第2の実施の形態の変形例1に係る圧電振動子の蓋を示す図である。この変形例では、透明体221の厚み方向の中間部が、上面部及び下面部よりも大きい幅を有する。この形状の効果及びこの形状から当然に導き出される構成は、第1の実施の形態の変形例1で説明した通りである。
この蓋201を、第2の実施の形態で説明した蓋200の代わりに使用してもよい。蓋201のその他の構成及びパッケージ60への取り付け方法並びに効果については、透明体221の形状の違いに起因する内容を除き、第2の実施の形態の説明が該当する。
(第2の実施の形態の変形例2)
図7(C)は、本発明の第2の実施の形態の変形例2に係る圧電振動子の蓋を示す図である。この変形例では、透明体222の下面部が、上面部及び中間部よりも大きい幅を有する。この形状の効果及びこの形状から当然に導き出される構成は、第1の実施の形態の第1の変形例2で説明した通りである。
この蓋202を、第2の実施の形態で説明した蓋200の代わりに使用してもよい。蓋202のその他の構成及びパッケージ60への取り付け方法並びに効果については、透明体222の形状の違いに起因する内容を除き、第2の実施の形態の説明が該当する。
(第2の実施の形態の変形例3)
図7(D)は、本発明の第2の実施の形態の変形例3に係る圧電振動子の蓋を示す図である。この変形例では、透明体223の厚み方向の中間部が、上面部及び下面部よりも小さい幅を有する。この形状の効果及びこの形状から当然に導き出される構成は、第1の実施の形態の第1の変形例3で説明した通りである。
この蓋203を、第2の実施の形態で説明した蓋200の代わりに使用してもよい。蓋203のその他の構成及びパッケージ60への取り付け方法並びに効果については、透明体223の形状の違いに起因する内容を除き、第2の実施の形態の説明が該当する。
(第3の実施の形態)
図8(A)は、本発明の第3の実施の形態に係る圧電振動子の蓋を示す図である。本実施の形態では、フランジ330が、枠体310の下面とは面一であるが上面とは段差ができるように延びる。すなわち、フランジ330は、枠体310の厚み方向の下面部から延びる。
さらに、本実施の形態では、透明体320の上面部が、下面部及び中間部よりも大きい幅を有する。枠体310は、上面部の穴が、下面部及び中間部の穴より大きい。これらの形状の効果は第1の実施の形態で説明した通りである。
本実施の形態によれば、透明体320の幅方向に突出する部分(上面部)とフランジ330が、蓋300の厚み方向に最もずれているので、溶接時にフランジ330に加えられる熱が透明体320に伝わりにくくなっている。
この蓋300を、第1の実施の形態で説明した蓋100の代わりに使用してもよい。蓋300のその他の構成及びパッケージ60への取り付け方法並びに効果については、フランジ330の形状の違いに起因する内容を除き、第1の実施の形態の説明が該当する。
(第3の実施の形態の変形例1)
図8(B)は、本発明の第3の実施の形態の変形例1に係る圧電振動子の蓋を示す図である。この変形例では、透明体321の厚み方向の中間部が、上面部及び下面部よりも大きい幅を有する。この形状の効果及びこの形状から当然に導き出される構成は、第1の実施の形態の変形例1で説明した通りである。
この蓋301を、第3の実施の形態で説明した蓋300の代わりに使用してもよい。蓋301のその他の構成及びパッケージ60への取り付け方法並びに効果については、透明体321の形状の違いに起因する内容を除き、第3の実施の形態の説明が該当する。
(第3の実施の形態の変形例2)
図8(C)は、本発明の第3の実施の形態の変形例2に係る圧電振動子の蓋を示す図である。この変形例では、透明体322の下面部が、上面部及び中間部よりも大きい幅を有する。この形状の効果及びこの形状から当然に導き出される構成は、第1の実施の形態の第1の変形例2で説明した通りである。
この蓋302を、第3の実施の形態で説明した蓋300の代わりに使用してもよい。蓋302のその他の構成及びパッケージ60への取り付け方法並びに効果については、透明体322の形状の違いに起因する内容を除き、第3の実施の形態の説明が該当する。
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び結果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
図1(A)は、本発明の実施の形態に係る圧電振動子に含まれる圧電振動片を示す平面図であり、図1(B)は、図1(A)に示す圧電振動片のIB−IB線断面拡大図である。 図2は、本実施の形態に係る圧電振動片の動作を説明する図である。 図3は、本発明の第1の実施の形態に係る圧電振動子の製造方法を説明する図である。 図4は、本発明の第1の実施の形態に係る圧電振動子の製造方法を説明する図である。 図5は、本発明の第1の実施の形態に係る圧電振動子を説明する図である。 図6(A)〜図6(C)は、それぞれ、本発明の第1の実施の形態の変形例1〜3に係る圧電振動子の蓋を示す図である。 図7(A)〜図7(D)は、それぞれ、本発明の第2の実施の形態及びその変形例1〜3に係る圧電振動子の蓋を示す図である。 図8(A)〜図8(C)は、それぞれ、本発明の第3の実施の形態及びその変形例1〜2に係る圧電振動子の蓋を示す図である。
符号の説明
1…圧電振動片、 10…基部、 12…振動腕、 14,16…表裏面、 18…第1の側面、 20…第2の側面、 22…第1のテーパ部、 24…第2のテーパ部、 26…長溝、 28…第1の内面、 30…第2の内面、 32…支持腕、 34…切り込み、 40…励振電極膜、 42…第1の側面電極膜、 44…第2の側面電極膜、 46…第1の内面電極膜、 48…第2の内面電極膜、 50…第1の励振電極、 52…第2の励振電極、 54…電極、 56…接続電極、 58…金属膜、 60…パッケージ、 62…底部、 64…枠壁部、 66…上端面、 68…貫通穴、 70…接着剤、 80…シールリング、 100〜103…蓋、 200〜203…蓋、 300〜302…蓋、 110〜113…枠体、 120〜123…透明体、 130…フランジ、 210…枠体、 220〜223…透明体、 230…フランジ、 310…枠体、 320〜322…透明体、 330…フランジ

Claims (10)

  1. 圧電振動片と、
    前記圧電振動片が固定される底部と、少なくとも上端面が金属から形成されて前記底部を囲む枠壁部と、を含み、前記底部の上方に開口を有するパッケージと、
    前記底部及び前記枠壁部とオーバーラップして前記パッケージの前記開口を塞ぐ蓋と、
    を有し、
    前記蓋は、枠体を含み、
    前記蓋は、前記枠体の内側に取り付けられて上面部が厚み方向の他の部分よりも大きい幅を有するように形成された透明体と、前記枠体の内側に取り付けられて下面部が厚み方向の他の部分よりも大きい幅を有するように形成された透明体と、前記枠体の内側に取り付けられて厚み方向の中間部が前記上面部及び前記下面部よりも大きい幅を有するように形成された透明体と、前記枠体の内側に取り付けられて厚み方向の中間部が前記上面部及び前記下面部よりも小さい幅を有するように形成された透明体と、からなるグループから選択されたいずれか1つの透明体を含み、
    前記蓋は、前記枠体の上面とは面一であるが下面とは段差ができるように前記枠体の外側に延びるフランジと、前記上面及び前記下面の両方と段差が形成されるように前記枠体の外側に延びるフランジと、からなるグループから選択されたいずれか1つのフランジを含み、
    前記枠体及び前記フランジは金属からなり、
    前記フランジが、前記枠壁部に金属接合されてなる圧電振動子。
  2. 圧電振動片と、
    前記圧電振動片が固定される底部と、少なくとも上端面が金属から形成されて前記底部を囲む枠壁部と、を含み、前記底部の上方に開口を有するパッケージと、
    前記底部及び前記枠壁部とオーバーラップして前記パッケージの前記開口を塞ぐ蓋と、
    を有し、
    前記蓋は、枠体を含み、
    前記蓋は、前記枠体の内側に取り付けられて上面部が厚み方向の他の部分よりも大きい幅を有するように形成された透明体と、前記枠体の内側に取り付けられて下面部が厚み方向の他の部分よりも大きい幅を有するように形成された透明体と、前記枠体の内側に取り付けられて厚み方向の中間部が前記上面部及び前記下面部よりも大きい幅を有するように形成された透明体と、からなるグループから選択されたいずれか1つの透明体を含み、
    前記蓋は、前記枠体の下面とは面一であるが上面とは段差ができるように前記枠体の外側に延びるフランジを含み、
    前記枠体及び前記フランジは金属からなり、
    前記フランジが、前記枠壁部に金属接合されてなる圧電振動子。
  3. 請求項1又は2に記載された圧電振動子において、
    前記透明体の前記上面部は、前記枠体の前記上面と面一である圧電振動子。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載された圧電振動子において、
    前記透明体の前記下面部は、前記枠体の前記下面と面一である圧電振動子。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載された圧電振動子において、
    前記蓋の平面形状は、一対の平行辺及び前記一対の平行辺に直交する方向に延びる他の一対の平行辺からなる四辺を含み、
    前記透明体は、前記蓋のいずれかの前記一対の平行辺の一方に対して他方よりも接近するように中心からずれて位置している圧電振動子。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載された圧電振動子において、
    前記圧電振動片は、基部と、前記基部から延びる一対の振動腕と、前記基部から延びる一対の支持腕と、を含み、
    前記一対の支持腕が前記パッケージの前記底部に固定されてなる圧電振動子。
  7. 底部と少なくとも上端面が金属から形成されて前記底部を囲む枠壁部とを含み前記底部の上方に開口を有するパッケージを用意して、前記底部に圧電振動片を固定する工程と、
    前記底部及び前記枠壁部とオーバーラップするように蓋を配置し、溶接によって、前記枠壁部及び前記蓋を接合して、前記パッケージの前記開口を前記蓋によって塞ぐ工程と、
    を含み、
    前記蓋は、枠体を含み、
    前記蓋は、前記枠体の内側に取り付けられて上面部が厚み方向の他の部分よりも大きい幅を有するように形成された透明体と、前記枠体の内側に取り付けられて下面部が厚み方向の他の部分よりも大きい幅を有するように形成された透明体と、前記枠体の内側に取り付けられて厚み方向の中間部が前記上面部及び前記下面部よりも大きい幅を有するように形成された透明体と、前記枠体の内側に取り付けられて厚み方向の中間部が前記上面部及び前記下面部よりも小さい幅を有するように形成された透明体と、からなるグループから選択されたいずれか1つの透明体を含み、
    前記蓋は、前記枠体の上面とは面一であるが下面とは段差ができるように前記枠体の外側に延びるフランジと、前記上面及び前記下面の両方と段差が形成されるように前記枠体の外側に延びるフランジと、からなるグループから選択されたいずれか1つのフランジを含み、
    前記枠体及び前記フランジは金属からなり、
    前記フランジを、前記枠壁部に溶接する圧電振動子の製造方法。
  8. 底部と少なくとも上端面が金属から形成されて前記底部を囲む枠壁部とを含み前記底部の上方に開口を有するパッケージを用意して、前記底部に圧電振動片を固定する工程と、
    前記底部及び前記枠壁部とオーバーラップするように蓋を配置し、溶接によって、前記枠壁部及び前記蓋を接合して、前記パッケージの前記開口を前記蓋によって塞ぐ工程と、
    を含み、
    前記蓋は、枠体を含み、
    前記蓋は、前記枠体の内側に取り付けられて上面部が厚み方向の他の部分よりも大きい幅を有するように形成された透明体と、前記枠体の内側に取り付けられて下面部が厚み方向の他の部分よりも大きい幅を有するように形成された透明体と、前記枠体の内側に取り付けられて厚み方向の中間部が前記上面部及び前記下面部よりも大きい幅を有するように形成された透明体と、からなるグループから選択されたいずれか1つの透明体を含み、
    前記蓋は、前記枠体の下面とは面一であるが上面とは段差ができるように前記枠体の外側に延びるフランジを含み、
    前記枠体及び前記フランジは金属からなり、
    前記フランジを、前記枠壁部に溶接する圧電振動子の製造方法。
  9. 請求項7又は8に記載された圧電振動子の製造方法において、
    前記フランジの溶接にシーム溶接を適用し、
    前記蓋の平面形状は、一対の平行辺及び前記一対の平行辺に直交する方向に延びる他の一対の平行辺からなる四辺を含み、
    前記透明体は、前記蓋のいずれかの前記一対の平行辺の一方に対して他方よりも接近するように中心からずれて位置し、
    前記シーム溶接を、前記透明体に接近する前記辺から、前記透明体とは離れる前記辺の方向に進めて行う圧電振動子の製造方法。
  10. 請求項7から9のいずれか1項に記載された圧電振動子の製造方法において、
    前記圧電振動片は、基部と、前記基部から延びる一対の振動腕と、前記基部から延びる一対の支持腕と、を含み、
    前記一対の支持腕を前記パッケージの前記底部に固定する圧電振動子の製造方法。
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