JP2008191345A - パネル用板状物及び展示パネル - Google Patents

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Akira Iwamoto
晃 岩本
Masatake Nakamura
正剛 中村
Yosuke Naoi
洋輔 直井
Tadashi Wakairo
正 若色
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Abstract

【課題】離型シート押し付け時に粘着剤が離型シートの端から染み出ることがなく、特殊な離型シートを使用せずとも、被貼着物を貼る際に空気の抱き込みを防止し、作業性を大幅に向上させた展示用などのパネル用板状物を提供する。
【解決手段】粘着剤としてホットメルト粘着剤を使用し、該粘着剤を、板状基材の片面全面または両面全面に塗布するとともに、塗布された粘着剤表面の十点平均粗さ(Rz)を80μm以上180μm以下とし、該粘着剤層4表面を、該粘着剤層表面に比べ平滑な表面を持つ離型シート5で被覆する。
【選択図】図1

Description

本発明は、展示用の写真やポスター等を貼着して展示パネルや案内板等に利用されるパネル用板状物及び展示パネルに関する。
従来、展示用の写真やポスター等を貼着するためのパネル用板状物としては、合成樹脂発泡板やベニヤ板あるいは合成樹脂板等の板状基材の上面全面又は上下面の全面に粘着剤を塗布し、これに離型シートを積層したものが知られている。板状基材(以下、単に基材という)として、ベニヤ板や非発泡の合成樹脂板は重量が重く取り扱い性が悪いことなどから、近年、軽量で加工性がよく使い勝手がよい合成樹脂発泡板が好んで利用されてきている。
展示用の写真やポスター等を貼着した展示パネルは、広告宣伝用の大型ポスターや写真展やコンテストへの出展、イベント等の案内板等の掲示、あるいはインテリア用として用いられており、写真やポスター等が綺麗な状態に貼られていることが要求される。
したがって、パネル用板状物に写真やポスター等の被貼着物(以下、単に「被貼着物」と記すことがある)を貼る作業に当たっては、離型シートを剥がして粘着剤を露出させ、被貼着物と粘着剤との間に空気が抱き込まれないように、また位置ズレしないように慎重に細心の注意を払って行なうことが必要で、貼り付け作業には熟練と時間を要する。
パネル用板状物と被貼着物との間に空気を抱き込んだ状態で貼り付けられた場合には、空気を抱き込んだ個所が所謂「ふくれ」となって被貼着物の表面に凹凸や皺が発生し仕上がり不良となる。このようなふくれの発生を防ぐためには被貼着物を貼り付ける際に如何に空気を抱き込まないようにするかが重要であり、これまで、いくつかの提案がなされてきており、基材表面への粘着剤の塗布面を工夫したものとして、例えば、特許文献1や特許文献2がある。
特許文献1、2には、基材表面に粘着剤が非付設部分を残したパターンで付設されており、非付設部分を残した粘着剤のパターンが点又は線で構成され、非付着部分が基材の端縁に通じているパターンが平行線や網目状、あるいは斑点状に形成されている展示パネル用台板が提案されている。
特許文献1、2で提案された粘着剤の非付設部分を設けたパネル用台板は、被貼着物を貼る際に空気を逃がし易いという反面、粘着剤の非付設部分が比較的多く存在すると共に粘着剤の各非付設部分は板状基材の端縁に通じており、更に粘着剤がエマルジョン系のものであるため、粘着層における粘着剤の乾燥が促進され、離型シートが付いている段階での台板の保管状態によっては、粘着性が部分的に変化する場合がある。また、エマルジョン系粘着剤の乾燥に伴い、パネル用台板に反りが発生しやすいという問題があった。
上記した問題を解決しようとするものとして特許文献3に記載の展示パネル用台板が提案されている。特許文献3に記載の展示パネル用台板は、基材の上に粘着剤層と離型シートとがこの順で積層されており、離型シートの粘着剤層に面する面には多数の微細な凹凸が形成されており、粘着剤層の離型シートに面する面には離型シート面に形成した微細な凹凸に呼応した多数の凹凸が密接状態で形成されたものであって、離型シート面に形成した微細な凹凸は円あるいは長円などのリング状の閉じた凸条と凸条に囲まれた凹部とからなるものである。これにより、「離型シートの粘着剤層に面する面には、通常、シリコンのような離型剤が設けてあり、必要時に、離型シートを容易に剥がすことができる。離型シートを剥がした後の粘着剤層の表面には離型シートに形成した凹凸に呼応する多数の微細な凹凸が形成されており、メディアを貼り合わせるときに、微細な凹凸間に形成される空間を通過して、空気は容易に外側に向けて移動するので、空気の抱き込みが生じることはない。また、貼り合わせ直前まで、粘着剤の全表面は離型シートで覆われており外気と接することはないので、粘着剤の粘着性は粘着剤層の全表面にわたり均一であり、メディア全面を均一な力で貼り付けることができる。」と記載されている。
特開平8−276521号公報 特開平9−1711号公報 特開2005−274926号公報
しかしながら、上記特許文献3に記載の展示パネル用台板では、エマルジョン粘着剤を使用し、粘着剤の乾燥が進む前に離型シートを粘着剤面に強く押し付けて離型シートの凹凸に呼応するような凹凸を粘着面に形成しなければならないため、離型シート積層時には粘着剤は水気の多い粘度の低い状態にせざるを得ないため、離型シート押し付け時に粘着剤が離型シートの端から染み出してしまい、展示パネル用台板の周囲を汚してしまうという問題があった。また、特殊な凹凸を付与した離型シートを使用しなければならないため離型シートの製造に手間がかかるという問題があった。
したがって、本発明は、離型シート押し付け時に粘着剤が離型シートの端から染み出ることがなく、特殊な離型シートを使用せずとも、被貼着物を貼る際に空気の抱き込みを防止し、作業性を大幅に向上させたパネル用板状物を提供することを目的とする。
上記したような現状に鑑み、本発明者らは多角的に種々の検討を行った結果、粘着剤としてホットメルト粘着剤を使用し、該粘着剤を板状基材の片面全面または両面全面に塗布するとともに塗布された粘着剤表面の十点平均粗さ(Rz)を80μm以上180μm以下とし、該粘着剤層表面を、該粘着剤層表面に比べ平滑な表面を持つ離型シートで覆ったことにより上記の目的を達成するに至った。
すなわち本発明は、
(1)板状基材の少なくとも片面の全面にホットメルト粘着剤が塗布されて粘着剤層を有しており、該粘着剤層表面の十点平均粗さ(Rz)が80μm以上180μm以下であり、該粘着剤層表面には離型シートが積層されており、該離型シートの該粘着剤層表面に積層する側の表面が該粘着剤層表面に比べ平滑であることを特徴とするパネル用板状物、
(2)板状基材が熱可塑性樹脂発泡板であることを特徴とする上記(1)に記載のパネル用板状物、
(3)板状基材が熱可塑性樹脂発泡板の両面に紙製シートが設けられたものであることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のパネル用板状物、
(4)さらに、上記(1)〜(3)のいずれかに記載のパネル用板状物から離型シートを除去し、露出した粘着剤層の表面に被貼着物を貼着した展示パネル、を要旨とする。
本発明のパネル用板状物は、板状基材の少なくとも片面の全面に粘着剤が塗布されて粘着剤層を有しており、かつ該粘着剤層表面の十点平均粗さ(Rz)が80μm以上180μm以下であるため、写真や展示用ポスター等の被貼着物の貼り付け作業に際して空気の抱き込みを防ぐことができ、ふくれの発生が防止される。また、本発明のパネル用板状物は、粘着剤としてホットメルト粘着剤を採用し、該粘着剤層表面を、該粘着剤層表面に比べ平滑な表面を持つ離型シートで覆ったものであるため、エマルジョン粘着剤のように離型シートの積層時に離型シートの周囲に水気の多い粘着剤が染み出してパネル用板状物の周囲を汚してしまうといったことが起こらない。また、粘着剤がホットメルトタイプであることから、粘着剤中の水分の乾燥による問題は生じない。
本発明のパネル用板状物は、板状基材(以下、基材ともいう。)の少なくとも片面の全面にホットメルト粘着剤が塗布されて粘着剤層を有しており、かつ該粘着剤層表面の十点平均粗さ(Rz)(以下、単に「Rz」ということがある)が80μm以上180μm以下である。
ホットメルト粘着剤とは、常温では固形状であり、粘着性を有するもので、加熱すると溶融し、基材に塗布可能となり、塗布後は冷却されると固形状の粘着性物質に戻るものである。ホットメルト粘着剤は、例えば、特開平11−106730号公報、特開2001−271049号公報、特開2002−155257号公報、特開2003−323781号公報、特開2006−143870号公報等に示されている。
本発明において、粘着剤層表面の十点平均粗さ(Rz)は、JIS B0601(1994)に従って次の条件で測定されたものである。
測定機器:キーエンス株式会社の高精度形状測定システム KS−1100(レーザー測定器:LT−9500、形状測定ソフトウェアー:KS−H1A)
KS−1100の測定条件は次の通り。
基準長さ:8000μm。
測定ピッチ:2μm。
移動速度(ステージ駆動速度):1000μm/秒。
ステージ送り:連続。
また、LT−9500の設定は次の通り。
スキャン/幅:OFF。
平均回数:2回。
光量設定値:30
ダークアウト:OFF
感度:高感度
本件発明において、粘着剤層表面粗さを十点平均粗さ(Rz)で評価する理由は次の通りである。
Rzとは、JIS B0601(1994)に定義される通り、粗さ曲線からその平均線の方向に基準長さだけ抜き取り、この抜取り部分の平均線から縦倍率の方向に測定した、最も高い山頂から5番目までの山頂の標高の絶対値の平均値と、最も低い谷底から5番目までの谷底の標高の絶対値の平均値との和を求め、この値をマイクロメートルで表したものである。Rzの値は、最も深い谷から最も高い山頂までの高低差の代表値長さ高さを大きい方から順に5つ抜き出して平均した値と言うことができ、この値を評価すれば、凹凸の大きい箇所の平均的な高低差を知ることができるため、大小さまざまな微細な凹凸を評価するには、凹凸の全体的な平均値である算術平均粗さ(Ra)や、最も高い山頂と最も低い谷底との差で表現される最大高さ(Ry)よりも好都合である。
上記Rzは、後述するように、使用されるホットメルト粘着剤の塗布時の粘度、塗布ロールの回転速度(周速度)や基材の送り速度等を適宜調整することにより、簡単に調節が可能であり、塗布後に冷却して粘着剤の粘度が高まれば、その後に離型シート積層のために平滑な離型シートを強く粘着剤面に押し付けても、大きく押しつぶされないし、エマルジョン粘着剤のように離型シートと基材との界面から染み出す危険性も低い。また、粘着剤層表面のRzが上記の範囲にある場合に被貼着物の貼り付け時に空気の抱き込みを抑制し、効率よく貼り付けることができる。このように粘着剤層表面に凹凸があるものの、凹凸が非常に小さいうえ、基材の少なくとも片面全面に粘着剤が存在しているため、被貼着物を貼り付けた後は、接着力に優れる。
基材の粘着剤層表面に被貼着物を貼るには一般的には左右の位置決めを行い、空気を抱き込まないように、一方の端から他方の端に向かって押し付けるようにして押圧しながら貼り付けられる。このとき粘着剤層表面のRzが80μm未満である場合には、粘着剤層表面が平滑な状態となり被貼着物の貼り付け作業時に空気の抱き込みを起し易くなり、作業性が大幅に低下する。一方、180μmを超える場合には、粘着剤層表面の凹凸が大きくなりすぎ、離型シートが板状基材の端部において剥がれやすくなってしまう。
従って、本発明のパネル用板状物における粘着剤層表面のRzは、好ましくは、90μm〜170μmであり、より好ましくは、100μm〜160μmであり、さらに105μm〜150μmが最も好ましい。
また、ホットメルト粘着剤の塗布量は、基材の表面1m当たり20g〜100gが好ましい。この塗布量が20g/m未満であると、粘着剤表面に粘着剤が塗布されない箇所が生じる虞があり、100g/mを超えると経済的でない。このような観点から、ホットメルト粘着剤の塗布量は、基材の表面1m当たり25g〜90gがより好ましく、30g〜70gが更に好ましい。
本発明に使用される粘着剤は、ホットメルト粘着剤であるが、塗布する際の温度における溶融粘度が1500〜15000mPa・sであることが望ましい。上記粘度が1500mPa・sを下回る場合には粘着剤の粘度が低くすぎ、粘着剤層表面に所定のRzを付与することができない虞がある。
一方、上記粘度が15000mPa・sを超える高粘度である場合には粘着剤層表面に発現される凹凸が大きくなり粗くなり易く所望のRzが得られ難く、また塗布加工の作業性が悪い。
したがって、ホットメルト粘着剤は、上記溶融粘度が上記の範囲にあるものが好ましく、さらに1800〜12000mPa・sであることがより好ましく、2000〜10000mPa・sであることが更に好ましい。
ホットメルト粘着剤を塗布する際の温度におけるホットメルト粘着剤の溶融粘度は、JIS K 6862(1984)のB法に従って測定された値である。ただし、その際の測定温度は、ホットメルト粘着剤を塗布する際の温度が採用される。
ホットメルト粘着剤の塗布時の溶融粘度は上記した範囲が好ましいが、塗布時に板状基材が大きな変形を起こさない温度でなければならない。従って、基材が熱可塑性のプラスチック素材からなるものである場合には、塗布時の粘着剤温度が板状基材の熱変形温度を大きく上回らない、比較的低温で上記溶融粘度範囲を示すものを使用する必要がある。ただし、塗布は瞬間的に行なわれ、粘着剤が塗布に使用される加熱ロールから離れると直ちに外気で冷却されるため、基材の熱変形温度を多少上回っていても基材の変形は生じにくい。従って、塗布のラインスピードが遅いほど、塗布量が多いほど、同じ温度でも基材の熱変形が生じやすい傾向があるため、予備実験をして熱変形の有無を確認する必要がある。また、基材は表面に紙製シート等が積層されたものであることが好ましい。紙製シート等が表面に積層された基材であると、塗布時の熱を紙が吸収するため基材の熱変形を抑制する効果がある。
比較的低温で上記の溶融粘度を示す本発明で好ましいホットメルト粘着剤としては、例えば、株式会社松村石油研究所から商品名:モレスコメルトTN−530、TN−369、TN−552等として市販されている合成ゴム系のホットメルト粘着剤が例示される。
本発明における基材は密度0.04〜1g/cmのものが好ましい。基材の密度が0.04g/cm未満である場合には板状物として剛性が低くディスプレー基材として好ましくない。一方、密度が1g/cmを超える場合にはディスプレー基材として重すぎ、取扱い難く作業性、加工性のうえからも好ましくない。密度は、好ましくは、0.045〜0.45g/cmである。
上記密度範囲を満足するような板状物としては、ベニヤ板、ダンボール板、プラスチック異型押出板(通称「プラ段」と呼ばれる)、合成樹脂板、合成樹脂発泡板等が挙げられ、ディスプレー用基材として通常使用されるものが用いられる。これらのうち、合成樹脂板や合成樹脂発泡板が好適なものとして挙げられるが、特に合成樹脂発泡板(以下、単に「発泡板」ということがある)が好ましく用いられる。発泡板としては、例えば、ポリスチレン樹脂発泡板、ポリプロピレン樹脂発泡板、ポリカーボネート樹脂発泡板、ポリ乳酸樹脂発泡板等が挙げられる。
また、上記基材の厚みはディスプレー用基材として用いられる厚さのもので、一般的には1〜30mmである。通常汎用されるものは2〜20mm程度のものである。
また、基材表面とホットメルト粘着剤との間には、上記した通り、紙製シートが存在することが好ましい。基材と粘着剤との間に紙製シートが存在することにより、特に基材が発泡板の場合、発泡板製造の際に使用された発泡剤が微量ではあるが発泡板中に残存していることがあり、これが長期の使用中に徐々に揮散してくることがあるが、このような場合にふくれが生じるのを回避することができる。基材表面と粘着剤との間に存在させる紙製シートは一般にディスプレー用発泡板の表面に使用されるものが用いられ、板状物表面に接着剤で貼り付けられる。
また、基材表面に紙製シートが存在した基材の場合には補強の効果、あるいは静電気発生の防止効果もある。
また、本発明のパネル用板状物は、基材に粘着剤を塗布直後に被貼着物を貼る場合が殆どないため、粘着剤表面を保護する離型シートで覆われて流通に供される。この離型シートは、離型紙等として市販されているものが使用でき、クラフト紙、上質紙、グラシン紙等の紙の粘着剤側表面に直接又は紙の粘着剤側表面にポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂等からなる熱可塑性樹脂フィルムを積層した上、同フィルム面にシリコン等の離型剤をコーティングしたものが一般的である。本発明では、離型シートの粘着剤側の面が平滑なものが使用されるが、これは、特許文献3のような特殊な凹凸を形成したものを使用する必要がないことを意味している。また、本発明では、ホットメルト粘着剤が微細な凹凸表面を持つように基材に塗布される上、塗布後のホットメルト粘着剤が冷却されてから離型シートが貼り合わされるため、離型シートの粘着剤層側の面の凹凸が大きいと、粘着剤層表面と離型シートとの間に形成される隙間が大きくなって離型シートが剥がれ易くなってしまう虞がある。従って、粘着剤層表面に比べ離型シートの粘着剤層側の面は平滑である必要がある。ここで、粘着剤層表面に比べ離型シートの粘着剤層側の面が平滑であるとは、粘着剤層表面のRzに比べ、離型シートの粘着剤層側の面のRzが小さいことを意味するものであるが、離型シートの粘着剤層側の面のRzは、80μm以下であることが好ましく、70μm以下であることがより好ましく、5〜65μmであることが更に好ましい。Rzが5μm未満の離型シートはコスト増加に繋がる。また、離型シートは、湿度変化による寸法変化が小さいものが好ましい。
紙の少なくとも粘着剤と接する面にはポリオレフィン系樹脂、例えば、ポリエチレン系樹脂等がコーティング処理されたものは上記寸法変化が小さいので好ましい。ポリオレフィン系樹脂でコーティング処理されていると離型シート自体の湿度に対する寸法変化を抑制することができるため、パネル用板状物の保管時に湿度変化があっても、離型シートのふくれや皺の発生を抑えることができる。湿度変化による離型シート(幅方向)の寸法変化率(以下、寸法変化率という)は、離型シートを長さ50cm、幅10cmに切り出し、これを25℃、相対湿度が30%で24時間保持したときの長さ寸法(以下、基準長さ寸法という)を100%とし、25℃、相対湿度90%で24時間保管した直後の長さ寸法(以下、A寸法という)及び続いて25℃、相対湿度30%で24時間保管した直後の長さ寸法(以下、B寸法という)のそれぞれを測定し、両寸法の差の絶対値(|B寸法−A寸法|)を基準長さ寸法で除し、100を乗じた値をいう。上記寸法変化率は、0.5%以下であることが望ましい。上記寸法変化率が0.5%を超えるとふくれや皺の発生が生じる虞が高くなるので好ましくない。寸法変化率の小さい離型シートとしては、上質紙の一方の面をクレーコート処理し、他方の面にポリエチレンをコーティングし、その上にシリコンコーティングしたものが最も好ましい。
さらに、離型シートは坪量が50g/m以上であることが望ましい。50g/mを下回る場合には軽いうえに剛性に乏しく、温度や湿度などの環境変化に影響され易い。離型シートの坪量を増やすことは重量が重くなるので微細なふくれに対して押圧する作用効果がある。しかし必要以上に坪量が大きいものではコスト高となり好ましくなく、実用的には200g/m未満であるものが選択される。また離型シートの厚さも通常使用される範囲のものが用いられ、40〜150μm程度のものが一般である。
本発明に係るパネル用板状物の一例を図面に示す。図1は離型シートを一部剥離した状態のパネル用板状物の一例を示す斜視図であり、図2は粘着剤層表面の凹凸状態を説明する断面模式図を示す。図1、2において、1は発泡板を、2は紙製シートを、3は基材を、4は粘着剤層を、5は離型シートを、6はパネル用板状物を夫々表す。
次に、ホットメルト粘着剤層表面に所定の凹凸を形成する方法について説明する。
本発明の所定のRzを表面に有する粘着剤層を持つパネル用板状物を製造するには、株式会社地人書館の昭和42年8月25日再版発行の「高分子工学講座9 接着と積層」の第136頁の図3.38に示されたロールコーダ方式を採用すればよい。この際、同図のドクターロールとスプレッダロールに相当するロール(以下、コーティングロールという)については鏡面仕上げの金属ロールとし、コーティングロールについては加熱、温度コントロール及び駆動回転可能とし、同図の送りロールに相当するロールについてはいずれも駆動なしの自由回転ロール又は単なるテーブルとし、ドクターロールについては駆動回転可能かつコーティングロールとのクリアランスを調節可能とし、更に同図のサポートロールに相当するロール(以下、ゴムロールという)については駆動可能にすると共に表面全周にはゴム層が形成され、送りロールの機能を持たせたものが使用される。そして、ドクターロールとコーティングロールの間であってかつ両ロールの上部にホットメルト粘着剤を供給して回転するコーティングロールの熱でホットメルト粘着剤を溶融させてコーティングロール上に広げ、コーティングロールとゴムロールとの間に基材を通過させることにより、ホットメルト粘着剤を基材表面に転写させる。この際、ホットメルト粘着剤を塗布する際の温度(コーティングロールの温度)におけるホットメルト粘着剤の溶融粘度を前記した範囲にすることにより、基材の片面全面にホットメルト粘着剤を塗布することができると共に、得られる粘着剤層表面の十点平均粗さ(Rz)を80μm以上200μm以下に調節することができる。また、塗布作業の周囲温度や、塗布量により若干異なるが、基材がコーティングロールから離れるとホットメルト粘着剤は直ちに非溶融状態に戻るため、その後、離型シートを粘着剤層側に強く押し付けると、押し付け前に比較し、ややRzは小さくなるため、Rzを上記範囲に調節するにはその点の考慮も必要である。
尚、上記ロールコーダ方式により、粘着剤層表面に適度な凹凸が付与できる理由は、必ずしも明らかではないが、次のように考える。
基材へのホットメルト粘着剤を塗布するに際して、コーティングロールを上記と反対に回転させた場合(いわゆるレバースロールコーダ方式)では得られる粘着剤層表面のRzは小さくなり、本発明の範囲にすることが困難であることと、上記したホットメルト粘着剤を塗布する際の温度(コーティングロールの温度)におけるホットメルト粘着剤の溶融粘度が小さすぎるとRzが小さくなることと、同溶融粘度が大きすぎるとRzが大きくなることが本発明者等の研究で判明した。ロールコーダ方式では、ホットメルト粘着剤が表面に保持されたコーティングロールを基材に接触させてホットメルト粘着剤を塗布した直後に、塗布を開始した側と反対側で基材とコーティングロールとが離れる。この際、ホットメルト粘着剤の溶融粘度が上記した適度な粘度であると、基材とコーティングロールとが離れる際に、コーティングロールに粘着剤が残った状態で基材から次々に剥ぎ取られるような動きになる。この剥ぎ取られるような動きが、得られる粘着剤層表面に安定した凹凸を形成するものと考えられる。
上記した説明では、基材の片面にホットメルト粘着剤層を形成した例を示したが、基材の反対側にも同様にしてホットメルト粘着剤層を形成してもよい。
本発明のパネル用板状物について実験例を挙げ具体的に説明する。
実験例1〜27
図3に、ここで使用されたホットメルト粘着剤塗布装置(1)及び離型シート積層装置(2)の概略図を示す((1)と(2)は併設されており、基材の下側には図示しないテーブルが存在している)。また、基材としては、株式会社ジェイエスピー製のポリスチレン発泡体ボードである商品名「ミラボードHタイプ」(密度0.1g/cm、寸法910mm×1820mm、厚み6.9mm)の両面に、片側表面をクレーコート処理した上質紙を、クレーコート処理面が外側を向くように接着剤で積層した総厚み7mmもの(株式会社ジェイエスピー製の商品名「ミラパネエース」)を使用した。次に、図3に示す装置(1)、(2)を使用して上記したロールコーダ方式にて、表1に示す条件でホットメルト粘着剤を、基材の片側全面に塗布し、続いて、塗布した後5秒後に離型シートを積層し、パネル用板状物を得た。この際、ホットメルト粘着剤としては株式会社松村石油研究所製の商品名「モレスコメルトNT−369」を、離型シートとしては、上質紙の両面にポリエチレンをコーティングし、その一方の面(粘着剤層に積層される面)上にシリコンコーティングしたもの(王子タック株式会社の商品名「WF74C/Z/KS−S/N」。寸法変化率は0.22%。)をそれぞれ使用した。離型シートのシリコンコーティング面のRzは41μmであった。
得られた粘着剤表面のRz(離型シートを剥がして測定)とパネル用板状物と同サイズの写真(被貼着物)の貼り付けに際しての状況を併せて表1に示す。
尚、実験例1、25、26及び27は本発明の比較例であり、実験例22は参考例であり、他の実験例は本発明の実施例である。
実験例28(実施例)
基材として、株式会社ジェイエスピー製のポリプロピレン発泡体ボードである商品名「PボードH」(密度0.23g/cm、寸法910mm×1820mm、厚み5.0mm)を使用し、ロールの間隔(ゴムロールとコーティングロールとの最小間隙、および離型シート貼り合わせロール同士の最小間隙、以下同じ)や他の条件を表2の通りに変更した以外は実験例10と同様にしてパネル用板状物を得た。次いで実験例10と同様にして写真を貼り付け展示パネルを得た。結果を表2に示す。
実験例29(実施例)
基材として、株式会社ジェイエスピー製のポリプロピレン発泡体ボードである商品名「PボードH」(密度0.23g/cm、寸法910mm×1820mm、厚み5.0mm)を使用し、ホットメルト粘着剤として株式会社松村石油研究所製の商品名「モレスコメルトNT−530」を使用し、ロールの間隔や他の条件を表2の通りに変更した以外は実験例10と同様にしてパネル用板状物を得た。次いで実験例10と同様にして写真を貼り付け展示パネルを得た。結果を表2に示す。
実験例30(実施例)
基材として、株式会社ジェイエスピー製のポリカーボネート発泡体ボードである商品名「ミラポリカボード」(密度0.25g/cm、寸法910mm×1820mm、厚み5.0mm)を使用し、ホットメルト粘着剤として株式会社松村石油研究所製の商品名「モレスコメルトNT−552」を使用し、実験例28と同様にロールの間隔や他の条件を表2の通りに変更した以外は実験例10と同様にしてパネル用板状物を得た。次いで実験例10と同様にして写真を貼り付け、展示パネルを得た。結果を表2に示す。
エマルジョン系粘着剤を使用したときには、離型シートを粘着剤層に貼り合わせる際に離型シートの端部から粘着剤が染み出してパネル用板状物を汚す不具合があったが、ホットメルト粘着剤を使用した全ての実験例では、離型シートを粘着剤に積層する際に離型シートの端部から染み出すようなことはなかった。
実験例1(比較例)より、コーティングロールの温度におけるホットメルト粘着剤の溶融粘度が大きいと得られる粘着剤層表面のRzが大きくなり、離型シートが剥離し易いことが分かる。また、同じく実験例25の結果より、コーティングロールの温度におけるホットメルト粘着剤の溶融粘度が小さいと得られる粘着剤層表面のRzが小さくなり、被貼着物を貼り合わせる際に空気の抱きこみが発生してしまうことが分かる。
また、実験例16(実施例)、22(参考例)及び24(実施例)より、粘着剤塗布後の離型シート積層時において離型シート貼り合わせロール同士の最小間隔を狭めるとRzは小さくなる傾向を示すが、実験例24は離型シート貼り合わせロール間隔が実験例16に比べて狭くてもコーティングロール周速度が実験例16と同じであり基材片面表面1平方メートル当たりの塗布量が多く、粘着剤層の凹凸は相当に残っていることが分かる(実験例24(実施例))。また、実験例26及び27より、リバースロールコーダ方式でホットメルト粘着剤を塗布した場合には得られる粘着剤層表面のRzが小さくなり、被貼着物を貼り合わせる際に空気の抱きこみが発生してしまうことが分かる。
これに対し、本発明の実施例では、ホットメルト粘着剤の塗布時における温度での溶融粘度を前記した範囲に設定してロールコーダ方式で塗布すると、本発明のパネル用板状物が得られ、展示パネルを得るために写真を貼り付けても空気の抱きこみが生じないことが分かる。
更に、実験例28〜30(実施例)より、発泡板の種類やホットメルト粘着剤の種類を変更しても粘着剤の塗布時における温度での溶融粘度を上記した範囲に設定してロールコーダ方式で塗布すると、被貼着物を貼り合わせる際に空気の抱きこみが発生しない本発明のパネル用板状物が得られることが分かる。
Figure 2008191345
Figure 2008191345

本発明に係るパネル用板状物の一例の斜視図を示す。 粘着剤付設面の凹凸を説明する断面模式図を示す。 ホットメルト粘着剤の塗布装置と離型シート積層装置の概略図を示す。
符号の説明
1 発泡板
2 紙製シート
3 基材
4 粘着剤層
5 離型シート
6 パネル用板状物
7 離型シート貼り合わせロール
8 コーティングロール
9 ドクターロール
10 ゴムロール
11 ホットメルト粘着剤

Claims (4)

  1. 板状基材の少なくとも片面の全面にホットメルト粘着剤が塗布されて粘着剤層を有しており、該粘着剤層表面の十点平均粗さ(Rz)が80μm以上180μm以下であり、該粘着剤層表面には離型シートが積層されており、該離型シートの該粘着剤層表面に積層する側の表面が該粘着剤層表面に比べ平滑であることを特徴とするパネル用板状物。
  2. 板状基材が熱可塑性樹脂発泡板であることを特徴とする請求項1に記載のパネル用板状物。
  3. 板状基材が熱可塑性樹脂発泡板の両面に紙製シートが設けられたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のパネル用板状物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のパネル用板状物から離型シートを除去し、露出した粘着剤層の表面に被貼着物を貼着した展示パネル。
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