JPH0726220A - 感圧接着性シート - Google Patents

感圧接着性シート

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JPH0726220A
JPH0726220A JP19181193A JP19181193A JPH0726220A JP H0726220 A JPH0726220 A JP H0726220A JP 19181193 A JP19181193 A JP 19181193A JP 19181193 A JP19181193 A JP 19181193A JP H0726220 A JPH0726220 A JP H0726220A
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JP
Japan
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pressure
sensitive adhesive
adhesive layer
resin
adhesive sheet
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Application number
JP19181193A
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English (en)
Inventor
Norimitsu Ebata
範充 江端
Tetsuo Oga
哲夫 大鋸
Takashi Yoshioka
崇 吉岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Carbide Industries Co Inc
Original Assignee
Nippon Carbide Industries Co Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】気体透過性が小さい基材を用いた感圧接着性シ
ートであって、優れたタック、接着力及び凝集力など感
圧接着性シートとしての諸物性を兼ね備えると共に、ポ
リカーボネート成形品などを被着体としたときにもブリ
スター発生の極めて少ない感圧接着性シートを提供する
こと。 【構成】気体透過性の小さい基材の少なくとも一方の面
に感圧接着剤層を設けてなる感圧接着性シートにおい
て、該接着剤層の被着体に接する側の表面の平均粗さが
5〜50μmであることを特徴とする感圧接着性シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリカーボネート樹脂
やスチレン系樹脂等、表面が平滑で微量のガスが発生す
ることのあるような成形品を被着体とするときにも、ブ
リスター発生が殆ど見られない感圧接着性シートに関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決すべき課題】感圧接着性シ
ートは、被着体に押しつけるだけですぐ貼り着くという
便利さが好まれ、例えば、各種商品や道路標識、公告看
板等の表示用、装飾用、建物や車輌等の窓に貼付する日
照調整用などとして多くの分野で広く利用されている。
特に近年、プラスチック製品の増加に伴い、プラスチッ
ク製品に該感圧接着性シートを貼付する必要性が増大し
ている。
【0003】しかしながら従来、ポリエステルテレフタ
レート(以下、PETと略称することがある)など気体透
過性の小さい基材を用いた感圧接着性シートを、スチレ
ン系樹脂やポリカーボネート樹脂などの成形品を被着体
として貼付する場合、該感圧接着性シートとこれら被着
体との間に斑点状のフクレや浮きなどのブリスターが発
生することが多い。このようなブリスターの発生は、外
観の美麗さを損なうと共に、貼付した感圧接着性シート
の脱落の原因にもなる。
【0004】この現象は、感圧接着性シートに用いるPE
Tなどの基材が、感圧接着剤層と被着体との間に発生す
る微量ガスのガスバリア層となるため、ガスの逃げ場が
なく、ガスの気泡状斑点としてブリスターが発生するも
のと思われる。特に基材としてアルミニウムを蒸着した
フィルムを用いた場合、この傾向が顕著である。従って
このようなアルミニウム蒸着フィルムを基材とした感圧
接着性シートであって、ブリスター発生のないものが望
まれている。
【0005】本発明者等は、気体透過性が小さい基材を
用いた感圧接着性シートであって、優れた諸物性、すな
わち、優れたタック、接着力及び凝集力を兼ね備えると
共に、前記のようにポリカーボネート樹脂やスチレン系
樹脂等、表面が平滑で微量のガスが発生することのある
ような成形品を被着体とするときにも、ブリスター発生
の極めて少ない感圧接着性シートを得ることを目的に種
々検討した結果、感圧接着剤層の被着体に接する側の表
面に特定粗さの凹凸等を設けることにより、これらの課
題をことごとく解決することができることを見出だし、
本発明を完成した。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、気体透過性の
小さい基材の少なくとも一方の面に感圧接着剤層を設け
てなる感圧性接着シートにおいて、該接着剤層の被着体
に接する側の表面の平均粗さが5〜50μmであることを
特徴とする感圧接着性シートに関するものである。
【0007】以下、本発明を更に詳細に説明する。本発
明の感圧接着性シートに用いる気体透過性の小さい基材
とは、該基材の酸素透過度が24時間当たり標準状態換算
で0.08cm3/m2・atm以下、特には0.05cm3/m2・atmのものを
いう。一般に酸素透過度は基材の厚みに反比例するの
で、例えば50μm程度での酸素透過度が比較的大きな材
質のものであっても、厚みが増せば0.08cm3/m2・atm以下
となる。従って、本発明に用いる基材の材質は特に限定
されるものではなく、該酸素透過度範囲を満足する限
り、如何なるものも使用可能である。
【0008】但し本発明に用いる基材としては、貼着作
業性の容易さなどの理由から、一般に約10〜200μm、特
には約25〜100μm程度であるのが好ましく、このような
厚みにおいて上記酸素透過度範囲を満足する基材として
は、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビ
ニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコー
ル等の合成樹脂からなるシートやフィルム、さらにはこ
れらにアルミニウムなどの金属を蒸着させたシートやフ
ィルムなどを挙げることができる。
【0009】本発明の感圧接着性シートは、その感圧接
着剤層の被着体に接する側の表面の平均粗さ(以下、R
a値と略称することがある)が5〜50μm、好ましくは10
〜25μmであることを特徴とするものである。Ra値が該
上限値を超えて大き過ぎては、得られる感圧接着剤層の
接着力及び凝集力が不十分となることがあるので好まし
くなく、一方、該下限値未満と小さ過ぎては、得られる
感圧接着性シートをスチレン系樹脂やポリカーボネート
樹脂などの成形品に貼付したときブリスターが発生する
ことがあるので好ましくない。
【0010】本発明の感圧接着性シートにおいて、その
感圧接着剤層の被着体に接する側のRa値を上記範囲と
なるようにする方法としては、例えば、Ra値が該範囲
の離型材上で感圧接着剤層を形成し、これに前記酸素透
過度範囲を満足する基材を貼り合わせる方法;前記酸素
透過度範囲を満足する基材上で感圧接着剤層を形成し、
これにRa値が該範囲の離型材を圧着する方法;感圧接
着剤層中に加熱分解型発泡剤、熱膨張性ポリマービーズ
などを含有させ加熱発泡させる方法;感圧接着剤層中に
中空状ビーズを含有させる方法;これらを併用する方
法;などを挙げることができる。
【0011】上記加熱分解型発泡剤としては、例えば、
N,N'-ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N'-ジメ
チル-N,N'-ジニトロソテレフタルアミド等のニトロソ化
合物;例えば、アゾジカルボンアミド、アゾビス-i-ブ
チロニトリル等のアゾ化合物;例えば、ベンゼンスルホ
ニルヒドラジド、p,p'-オキシビス(ベンゼンスルホニル
アミド)、ベンゼン-1,3-ジスルホニルヒドラジド、p-ト
ルエンスルホニルヒドラジド及びその誘導体等のスルホ
ニルヒドラジド化合物;p-トルエンスルホニルセミカル
バジド;トリヒドラジノトリアジン;などを挙げること
ができ、この場合尿素系化合物などの発泡助剤を適宜併
用することもできる。
【0012】これら発泡剤の使用量は、その種類によっ
ても異なり、特に限定されるものではないが、耐ブリス
ター性のよさ、接着力及び凝集力のよさ等の観点から、
感圧接着剤層中の感圧接着性樹脂100重量部に対して、
0.01〜10重量部であるのが好ましく、0.1〜5.0重量部で
あるのが特に好ましい。
【0013】前記の熱膨張性ポリマービーズとは、熱可
塑性樹脂を殻壁とするポリマービーズ中に、加熱気化型
発泡剤又は加熱分解型発泡剤を内包させたものである。
【0014】上記の熱可塑性樹脂としては、得られる被
覆用水性樹脂組成物を用いて被膜を形成させる時の加熱
温度で軟化するものであれば特に限定されるものではな
いが、例えば60〜130℃、特には、70〜120℃程度で軟化
する樹脂を用いるのが好ましく、例えば、ポリオレフィ
ン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリレート、ポリス
チレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン及びこれ
らのコポリマー等のビニル系樹脂;ポリエステル樹脂;
シリコーン樹脂;熱可塑性ウレタン樹脂;等の熱可塑性
樹脂を例示することができる。
【0015】前記熱膨張性ポリマービーズに用いる加熱
気化型発泡剤としては、例えば沸点−50〜+50℃程度な
ど低沸点の、炭化水素系、ハロゲン化炭化水素系、エス
テル系、エーテル系、ケトン系等の有機溶媒が使用で
き、加熱分解型発泡剤としては、前記と同様のものを使
用できる。
【0016】これらの熱膨張性ポリマービーズとして
は、その熱膨張温度が、例えば60〜180℃、特には70〜1
60℃程度であり、また、熱膨張前及び熱膨張後の各種安
定性、安全性に優れ、入手容易なものがよく、アクリロ
ニトリル-塩化ビニリデン共重合体などのビニル系樹脂
を殻壁とし、イソブタン等の炭化水素系有機溶媒を加熱
気化型発泡剤として内包させたものが特に好ましい。
【0017】さらに前記熱膨張性ポリマービーズは、そ
の熱膨張前の平均粒子径が1〜30μ、特には3〜15μ程
度であり、また、その熱膨張後の平均粒子径が5〜50
μ、特には10〜30μ程度であるのが好ましい。
【0018】このような本発明に好適に用いることので
きる熱膨張性ポリマービーズとしては、例えば、マツモ
トマイクロスフェアー F-30、F-50〔以上、松本油脂製
薬(株)製〕、エクスパンセル WU#642、WU#551、WU#46
1、DU#551、DU#461、DU#051〔以上、日本フィライト
(株)製〕等の商品名で市販されているものを挙げること
ができる。
【0019】これらの熱膨張性ポリマービーズは、取扱
の容易さなどの理由から、水分を含んだ所謂「ウェット
ケーキ」状のものとして市販されているものもあり、上
記の「マツモトマイクロスフェアー F-30、F-50」及び
「エクスパンセル WU#642、WU#551、WU#461」はこのタ
イプである。
【0020】本発明に使用することのできる中空状ポリ
マービーズとしては、前記熱膨張性ポリマービーズにお
けると同様、例えば、ポリオレフィン、ポリアクリロニ
トリル、ポリアクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビ
ニル、ポリ塩化ビニリデン及びこれらのコポリマー;ポ
リエステル樹脂;シリコーン樹脂;熱可塑性ウレタン樹
脂;等の熱可塑性樹脂を殻壁としたものを挙げることが
でき、例えば、前記熱膨張性ポリマービーズを適宜の加
熱条件下に予め熱膨張させたものを好適に用いることが
できる。またこれら他に、殻壁としてアミノ樹脂、フェ
ノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂
を用いたものも使用できる。
【0021】このような中空状ポリマービーズの平均粒
子径は、一般に5〜50μ、好ましくは10〜30μ程度であ
るのがよい。
【0022】本発明に好適に用いることのできる中空状
ポリマービーズとしては、例えば、エクスパンセル DE#
091、DE#551、WE#551〔以上、日本フィライト(株)製〕
等の商品名で市販されているものを挙げることができ
る。これらの中空状ポリマービーズは、前記の熱膨張性
ポリマービーズの場合と同様、取扱の容易さなどの理由
から、水分を含んだ所謂「ウェットケーキ」状のものと
して市販されているものもあり、「エクスパンセル WE#
551」はこのタイプである。
【0023】本発明における熱膨張性ポリマービーズ及
び/又は中空状ポリマービーズの使用量は、特に限定さ
れるものではないが、耐ブリスター性のよさ、接着力及
び凝集力のよさ等の観点から、感圧接着剤層中の感圧接
着性樹脂100重量部に対して、0.01〜10重量部であるの
が好ましく、0.1〜5.0重量部であるのが特に好ましい。
【0024】本発明の感圧性接着シートに用いることの
できる感圧接着性樹脂としては、特に限定されるもので
はなく、例えば、アクリル系樹脂、天然もしくは合成ゴ
ム系樹脂、オレフィン系樹脂、シリコン系樹脂、ウレタ
ン系樹脂、エポキシ系樹脂などを挙げることができる
が、単量体の種類や共重合組成の選択が容易で、これに
より所望のTgの感圧接着性樹脂が容易に且つ比較的安
価に製造でき、しかも得られる感圧接着層が優れた耐候
性を有するなどの理由からアクリル系樹脂を用いるのが
好ましい。
【0025】上記の本発明の感圧性接着シートに好適に
用いることのできるアクリル系樹脂としては、ガラス転
移点が−20℃以下のアクリル系共重合体であって、下記
単量体(a)及び(b)並びに(c)を共重合してなるアクリル
系共重合体を挙げることができる。このようなアクリル
系共重合体を用いると、得られる感圧接着剤層が好適な
タックを有するようになり、本発明の感圧性接着シート
における基材やその使用対象である被着体に対する接着
力及び凝集力のバランス性に優れているので好ましい。
【0026】(a) 下記一般式で表わされるアクリル酸エ
ステル単量体であって、その単独重合体のガラス転移点
が−20℃以下である単量体、及び、 CH2=CH−COOR1 (式中、R1は炭素数2〜18の直鎖もしくは分枝アルキ
ル基を示す)
【0027】(b) ラジカル重合性不飽和基のほかに少な
くとも1個の官能性基を有する単量体、並びに、必要に
応じて、
【0028】(c) 単量体(a)及び(b)以外の共単量体。
【0029】前記のアクリル酸エステル単量体(a)とし
ては、そのR1が炭素数2〜18、好ましくは2〜12の直
鎖もしくは分枝アルキル基であるのがよい。このような
基R1の具体例としては、エチル基、n-プロピル基、n-
ブチル基、i-ブチル基、n-ヘキシル基、n-オクチル基、
i-オクチル基、2-エチルヘキシル基、i-ノニル基などを
挙げることができ、単量体(a)の具体例としては、エチ
ルアクリレート、n-プロピルアクリレート、n-ブチルア
クリレート、i-ブチルアクリレート、n-ヘキシルアクリ
レート、n-オクチルアクリレート、i-オクチルアクリレ
ート、2-エチルヘキシルアクリレート、i-ノニルアクリ
レート等のアクリル酸エステル単量体を挙げることがで
きる。
【0030】前記アクリル酸エステル単量体(a)の使用
量は、前記単量体(a)〜(c)の合計100重量部中、例え
ば、50重量部以上、好ましくは63〜99.8重量部、特に好
ましくは70〜97.5重量部程度の量が好適である。該単量
体(a)をこの使用量範囲とすることにより、タック、接
着力及び凝集力の良好なバランスが達成できる。
【0031】また前記単量体(b)の、ラジカル重合性不
飽和基のほかに少なくとも1個の官能性基を有する単量
体としては、官能性基として、例えば、カルボキシル
基、アミド基もしくは置換アミド基、アミノ基もしくは
置換アミノ基、水酸基、エポキシ基、または、メルカプ
ト基などを有する単量体を挙げることができ、本発明に
おいてはこれらの単量体(b)の中から1種またはそれ以
上の単量体を適宜選択して用いることができる。
【0032】これら単量体の具体例としては、アクリル
酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレ
イン酸、フマル酸、クロトン酸、シトラコン酸など、好
ましくは、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸など
のカルボキシル基含有単量体;アクリルアミド、メタク
リルアミド、N-メチロールアクリルアミド、N-メチロー
ルメタクリルアミド、N-n-ブトキシメチルアクリルアミ
ド、N-i-ブトキシメチルアクリルアミド、N,N-ジメチル
アクリルアミド、N-メチルアクリルアミドなど、好まし
くは、アクリルアミド、メタクリルアミドなどのアミド
基もしくは置換アミド基含有単量体;
【0033】アミノエチルアクリレート、N,N-ジメチル
アミノエチルアクリレート、N,N-ジエチルアミノエチル
アクリレート、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレー
ト、N,N-ジエチルアミノエチルメタクリレートなど、好
ましくは、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレート、
N,N-ジエチルアミノエチルメタクリレートなどのアミノ
基もしくは置換アミノ基含有単量体;2-ヒドロキシエチ
ルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、
2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロ
ピルメタクリレート、アリルアルコール、メタリルアル
コールなど、好ましくは、2-ヒドロキシエチルアクリレ
ート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキ
シエチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタク
リレートなどの水酸基含有単量体;
【0034】グリシジルアクリレート、グリシジルメタ
クリレート、グリシジルアリルエーテル、グリシジルメ
タリルエーテルなど、好ましくはグリシジルメタクリレ
ートなどのエポキシ基含有単量体;ビニルメルカプタ
ン、アリルメルカプタンなどのメルカプト基含有単量体
などを例示することができる。これらの単量体(b)のう
ち、特にカルボキシル基含有単量体、アミノ基含有単量
体及び水酸基含有単量体の群から選ばれた少なくとも1
種の単量体を用いるのが好ましい。
【0035】前記単量体(b)の使用量は、前記単量体(a)
〜(c)の合計100重量部中、例えば、25重量部以下、好ま
しくは0.2〜20重量部、特に好ましくは1〜10重量部程
度の量を例示できる。単量体(b)の使用量が前記上限値
以下であれば、形成される感圧接着剤層のタックが過少
となることもないので好ましく、一方、その使用量が特
に0.5重量%以上となるようにすることにより形成され
る感圧接着剤層の接着力及び凝集力の良好なバランスが
達成できるので好ましい。
【0036】更に、前記共単量体(c)としては、例え
ば、メチルアクリレート、t-ブチルアクリレート、シク
ロヘキシルアクリレート、ステアリルアクリレートなど
の前記アクリル酸エステル単量体(a)以外のアクリル酸
エステル単量体;例えば、メチルメタクリレート、エチ
ルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、i-ブチル
メタクリレート、t-ブチルメタクリレート、n-ヘキシル
メタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、n-オ
クチルメタクリレート、i-オクチルメタクリレート、2-
エチルヘキシルメタクリレート、i-ノニルメタクリレー
ト、n-ドデシルメタクリレート、i-ドデシルメタクリレ
ート、ステアリルメタクリレートなどのメタクリル酸エ
ステル単量体;
【0037】例えば、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピ
オン酸ビニル、「バーサチック酸ビニル」(商品名)な
ど飽和脂肪酸ビニルエステル単量体;例えば、ジブチル
マレート、ジブチルフマレート、ジブチルイタコネー
ト、ジオクチルマレート、ジオクチルフマレート、ジオ
クチルイタコネート等のα,β-不飽和ジカルボン酸の炭
素数1〜18の直鎖もしくは分枝アルキルエステル;例え
ば、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、
エチルビニルベンゼン等の芳香族ビニル単量体;例え
ば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン
化ビニル単量体;等を例示することができる。
【0038】上記共単量体(c)の使用量は、前記単量体
(a)〜(c)の合計100重量部中、一般には50重量部以下、
好ましくは35重量部以下、特に好ましくは2〜25重量部
程度の量が好適である。共単量体(c)の使用は、該共単
量体の種類によっても変わり得るので一義的には使用量
はきめられないが、接着力と感圧接着性のバランス及び
これらと凝集力とのバランスなどを所望に応じて調節す
るのに役立つので、そのような目的に合致するように前
記範囲量で適宜に選択することができる。この共単量体
(c) の使用量が前記範囲量の上限値以下であれば、感圧
接着性が過少となることもなく、接着力と感圧接着性の
適切なバランスが維持されるので、共単量体(c) を使用
する場合には、前記範囲量で適当に選択利用するのがよ
い。
【0039】本発明に好適に用いることのできる前記の
アクリル系共重合体のガラス転移点(以下、Tgと略記
することがある)は、−20℃以下であることが必要であ
り、−30℃以下であることが好ましい。Tgがこの上限
値を超えて高すぎては、得られる感圧接着剤層のタック
が不十分となり、被着体への貼着が困難となるので好ま
しくない。
【0040】また本発明に好適に用いることのできるア
クリル系共重合体は、その重量平均分子量(以下Mwと
略記することがある)が、15〜150万、特には25〜100万
であるのが好ましい。Mwの値がこの下限値以上であれ
ば、得られた感圧接着剤層の接着力及び凝集力が良好な
バランスを有しているので好ましく、上限値以下であれ
ば、感圧接着剤層を形成時の感圧接着剤組成物溶液の塗
工に際して、この組成物溶液の固形分をあまり低下させ
なくても好適な塗工粘度が得られるので比較的短時間で
乾燥硬化させて感圧接着剤層を形成させることができ、
揮散する有機溶媒量も多くなり過ぎることがないので、
コスト的にもまた環境衛生的にも好ましい。従って、ア
クリル系共重合体のMwはこの範囲内で適宜選択するの
が好ましい。なお本発明における共重合体の「重量平均
分子量」とは、GPC法により測定した値をいう。
【0041】なお本発明において、アクリル系共重合体
のガラス転移点(Tg)は以下の方法で測定した値をい
う。
【0042】ガラス転移点の測定:厚さ約0.05mmのアル
ミニウム箔製の、内径約5mm、深さ約5mmの円筒型のセ
ルに、アクリル系共重合体の約50重量%有機溶媒溶液試
料約10mgを秤取し、100℃で2時間乾燥したものを測定
試料とする。セイコー電子工業(株)製「SSC-5000型」示
差走査熱量計(Differential Scanning Calorimeter)
を用い、−150℃から昇温速度10℃/minで測定決定す
る。
【0043】本発明に好適に用いることのできるアクリ
ル系共重合体の重合方法は、特に限定されるものではな
く、溶液重合、乳化重合など公知の方法を採用できる
が、得られる感圧接着剤層の耐熱性及び耐溶剤性の優秀
さ観点から溶液重合の採用が好ましい。
【0044】溶液重合は、一般に、重合槽内に所定の有
機溶媒、単量体、重合開始剤、および、必要に応じて用
いる連鎖移動剤を仕込み、窒素気流中又は有機溶媒の還
流温度で、撹拌しながら数時間加熱反応させることによ
り行われる。この場合に有機溶媒、単量体、重合開始剤
及び/又は連鎖移動剤の少なくとも一部を逐次添加して
もよい。
【0045】前記の溶液重合に使用する有機溶媒として
は、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、芳香族ナ
フサなどの芳香族炭化水素類;例えば、n-ヘキサン、n-
ヘプタン、n-オクタン、i-オクタン、n-デカン、ジペン
テン、石油スピリット、石油ナフサ、テレピン油などの
脂肪族系もしくは脂環族系炭化水素類;例えば、エチル
アセテート、n-ブチルアセテート、n-アミルアセテー
ト、3-メトキシブチルアセテート、メチルベンゾエー
ト、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテー
トなどのエステル類;
【0046】例えば、アセトン、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノ
ン、メチルシクロヘキサノン等のケトン類;例えば、メ
チルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ
等のグリコールエーテル類;例えば、メチルアルコー
ル、エチルアルコール、n-プロピルアルコール、i-プロ
ピルアルコール、n-ブチルアルコール、i-ブチルアルコ
ール、s-ブチルアルコール、t-ブチルアルコール等のア
ルコール類;などを挙げることができる。これらの有機
溶媒はそれぞれ単独で、または、2種以上混合して用い
ることができる。
【0047】これらの溶媒のうち、重合操作の容易性、
反応速度の速さ、感圧接着剤層形成に当たっての揮散の
容易さなどの観点から、沸点50〜150℃、特には、60〜1
00℃の有機溶媒を用いるのが好ましく、殊に、n-ヘキサ
ン、エチルアセテート、アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルアルコール、n-プロピルアルコールなどの有
機溶媒を用いるのが特に好ましい。
【0048】前記重合開始剤としては、例えば、ベンゾ
イルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、カプロイ
ルパーオキシド、ジ-i-プロピルパーオキシジカーボネ
ート、ジ-2-エチルヘキシルパーオキシジカーボネー
ト、t-ブチルパーオキシビバレート等の有機過酸化物;
例えば、2,2'-アゾビス-i-ブチロニトリル、2,2'-アゾ
ビス-2,4-ジメチルバレロニトリル、2,2'-アゾビス-4-
メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル等のアゾ化合
物;などをそれぞれ単独または組み合わせて使用するこ
とができる。重合開始剤の使用量には、特に限定はない
が、単量体の合計量100重量部に対して、一般に、約0.0
1〜1.0重量部、好適には約0.02〜0.5重量部用いられ
る。
【0049】また、前記連鎖移動剤としては、例えば、
シアノ酢酸;アルキル基炭素数1〜8のシアノ酢酸アル
キルエステル類;ブロモ酢酸;アルキル基炭素数1〜8
のブロモ酢酸エステル類;アントラセン、フェナントレ
ン、フルオレン、9-フェニルフルオレンなどの芳香族化
合物類;p-ニトロアニリン、ニトロベンゼン、ジニトロ
ベンゼン、p-ニトロ安息香酸、p-ニトロフェノール、p-
ニトロトルエンなどの芳香族ニトロ化合物類;ベンゾキ
ノン、2,3,5,6-テトラメチル-p-ベンゾキノンなどのベ
ンゾキノン誘導体類;トリブチルボランなどのボラン誘
導体;
【0050】四臭化炭素、四塩化炭素、1,1,2,2-テトラ
ブロモエタン、トリブロモエチレン、トリクロロエチレ
ン、ブロモトリクロロメタン、トリブロモメタン、3-ク
ロロ-1- プロペンなどのハロゲン化炭化水素類;クロラ
ール、フラルデヒドなどのアルデヒド類;炭素数1〜18
のアルキルメルカプタン類;チオフェノール、トルエン
メルカプタンなどの芳香族メルカプタン類;メルカプト
酢酸;メルカプト酢酸の炭素数1〜10のアルキルエステ
ル類;炭素数1〜12のヒドロキルアルキルメルカプタン
類;ビネン、ターピノレンなどのテルペン類などを挙げ
ることができる。
【0051】上記連鎖移動剤を用いる場合の使用量には
特に限定はないが、単量体の合計100重量部当たり、約
0.005〜3.0重量部であるのが好ましい。重合温度は、一
般に約30〜180℃、好ましくは約60〜120℃の範囲が良
い。
【0052】かくして得られる本発明に好適に用いられ
るアクリル系共重合体の溶液は、通常、該共重合体を20
〜90重量%、好ましくは25〜60重量%程度含有するもの
である。
【0053】本発明の感圧接着性シートにおける感圧接
着剤層は、凝集力、耐熱性及び耐溶剤性を向上させるた
めに、有機多価イソシアネート化合物、有機多価エポキ
シ化合物、アミノ系樹脂、金属架橋剤等の架橋剤により
架橋されたものであるのが好ましい。
【0054】上記の有機多価イソシアネート化合物とし
ては、例えば、p-フェニレンジイソシアネート、4,4'-
ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4-トルイレンジ
イソシアネート、2,6-トルイレンジイソシアネート、キ
シレンジイソシアネート、ナフタレン-1,5-ジイソシア
ネートなどの芳香族多価イソシアネート;例えば、ペン
タメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシ
アネート、ヘプタメチレンジイソシアネート、イソホロ
ンジイソシアネート、水添4,4'-ジフェニルメタンジイ
ソシアネート、水添2,4-トルイレンジイソシアネート、
水添2,6-トルイレンジイソシアネート、水添キシレンジ
イソシアネートなどの脂肪族もしくは脂環族多価イソシ
アネート;
【0055】これら芳香族多価イソシアネートまたは脂
肪族もしくは脂環族多価イソシアネートの三量体;これ
ら芳香族多価イソシアネートまたは脂肪族もしくは脂環
族多価イソシアネートと、ペンタエリスリトール、トリ
メチロールプロパン、グリセロールなどの多価アルコー
ルとの反応生成物であるウレタンプレポリマー類;これ
らの多価イソシアネート類またはウレタンプレポリマー
類をフェノール、オキシム類などで封鎖したブロック化
イソシアネート類などが例示できる。
【0056】前記有機多価エポキシ化合物としては、例
えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノー
ルF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹
脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂などのビスフ
ェノール型エポキシ樹脂を例示することができる。また
これらの他に、例えば、フェノールノボラック型エポキ
シ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂などのノ
ボラック型エポキシ樹脂;例えば、ポリアルキレンポリ
オール(ネオペンチルグリコール、グリセロールなど)
ポリグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル系エポ
キシ樹脂;
【0057】例えば、テトラグリシジルジアミノジフェ
ニルメタン、トリグリシジル-p-アミノフェノール、ト
リグリシジル-m-アミノフェノール、テトラグリシジル-
m-キシレンジアミンなどのグリシジルアミン系エポキシ
樹脂;例えば、ジグリシジルフタレート、ジグリシジル
ヘキサヒドロフタレート、ジグリシジルテトラヒドロフ
タレートなどのグリシジルエステル系エポキシ樹脂;例
えば、ビニルシクロヘキセンジオキシド、3,4-エポキシ
シクロヘキシルメチル(3,4-エポキシシクロヘキサン)カ
ルボキシレート、ビス(3,4-エポキシ-6-チルシクロヘキ
シルメチル)アジペートなどの環状脂肪族型エポキシ樹
脂;例えば、トリグリシジルイソシアヌレート、グリシ
ジルグリシドオキシアルキルヒダントインなどの複素還
式エポキシ樹脂などが例示でき、
【0058】さらに、前記エポキシ樹脂のハロゲン化
物;前記エポキシ樹脂に多塩基酸またはポリエステルポ
リカルボン酸を反応して得られるエポキシ基含有樹脂;
ポリエステルポリカルボン酸のポリグリシジルエステ
ル;ポリエステルポリオールのポリグリシジルエーテル
などの各種エポキシ樹脂を例示することができる。
【0059】前記アミノ樹脂としては、メラミン樹脂、
グアナミン樹脂、ユリア樹脂、メラミン-ユリア共縮合
樹脂、メラミン-フェノール共縮合樹脂などが例示で
き、更に、前記金属架橋剤としては、例えば、アルミニ
ウムトリスアセチルアセトネート、アルミニウムトリ-i
-プロピレート、アルミニウムトリ-s-ブチレート、チタ
ニウムテトラ-i-プロピレート、チタニウムテトラ-2-エ
チルへキシレート、アンチモンブチレート、ジルコニウ
ム-s-ブチレート、ジルコニウムジエトキシ-t-ブチレー
ト、ハフニウム-t-ブチレート、エチルアセトアセテー
トアルミニウムジ-i-プロピレート、トリエタノールア
ミンチタニウムジ-i-プロピレート、チタニウムラクテ
ートのアンモニウム塩、テトラオクチレングリコールチ
タネート、ポリアルキルチタネート、ポリチタニウムア
シレート(チタニウムテトラブチレートの重合物、 チタ
ニウムオレエートの重合物)などが例示できる。
【0060】これら架橋剤の併用量は、例えば、前記ア
クリル系共重合体の合計量100重量部に対して、一般
に、0〜10重量部程度、好ましくは0〜5重量部であ
る。
【0061】本発明の感圧接着性シートにおける感圧接
着剤層は、さらに必要に応じて、例えば、クマロン・イ
ンデン樹脂、テルペン・フェノール樹脂、p-t-ブチルフ
ェノール・アセチレン樹脂、フェノール・ホルムアルデヒ
ド樹脂、テルペン樹脂、キシレン・ホルムアルデヒド樹
脂、石油系炭化水素樹脂、水素添加炭化水素樹脂、ロジ
ン誘導体、テレピン系樹脂などの粘着付与性樹脂などを
添加することができる。これらの樹脂の添加量は、前記
感圧接着性樹脂成分の合計100重量部に対して、例えば
0〜10重量部程度であるのがよい。
【0062】本発明の感圧接着剤層には、前記した成分
のほかに、適宜必要に応じて、例えば、ジオクチルフタ
レートなどのフタル酸エステル系、トリクレジルホスフ
ェートなどのリン酸エステル系、プロセスオイルなどの
可塑剤;例えば、酸化チタン、カーボンブラック、フタ
ロシアニンブルーなどの有機または無機の着色剤;例え
ば、クレー、タルク、炭酸カルシウム、シリカ、水酸化
アルミニウム、ガラス粉末などの無機質充填剤;紫外線
吸収剤;防腐剤などの公知の添加物を添加してもよい。
【0063】本発明に用いられる感圧接着剤層形成用の
感圧接着剤組成物は、前記のごとく、好ましくは、例え
ばエチルアセテートなどの沸点60〜120℃の有機溶媒中
で、溶液重合により得られた共重合体溶液に、必要に応
じて、前記の熱分解型発泡剤加熱気化型発泡剤、熱膨張
性ポリマービーズ及び/又は中空状ビーズ、粘着付与性
樹脂、可塑剤、着色剤、無機質充填剤等を加えて混合す
ることにより製造することができる。
【0064】本発明の感圧接着性シートは、上記のよう
な感圧接着剤組成物を、前記の気体透過性の小さい基材
の少なくとも一方の面に、例えばロールコーター、ナイ
フコーターなどの一般に公知の方法に従って直接塗布
し、乾燥し、必要に応じて加熱して発泡及び架橋させ、
さらに必要に応じて室温放置して架橋を進行させた後、
形成された感圧接着剤層上に、好ましくは、Ra値が5
〜50μm程度の離型材を載置して圧着し、必要に応じて
巻き取り、または、切断するといった方法により作成す
ることができる。
【0065】また、感圧接着剤組成物を上記と同様の離
型材上に同様な方法により塗布し、乾燥した後、基材と
貼り合わせることもできる。感圧接着剤層の厚さは、一
般に約10〜200g/m2、好ましくは約20〜150g/m2程度であ
るのがよい。
【0066】
【実施例】以下、実施例および比較例を挙げて本発明を
更に詳しく説明する。なお、試験用の感圧接着性シート
の作成方法、タック、接着力、凝集力、耐ブリスター
性、及び、感圧接着剤層のRa値の測定方法は次のとお
りである。
【0067】(1) 試験用感圧接着性シートの作成方法 離型材の上に感圧接着剤組成物溶液を乾燥時の感圧接着
剤層の厚みが約35g/m2となるように塗布し、150℃で2
分間熱風循環式乾燥機にて乾燥し、次いで形成された感
圧接着剤層の上に酸素透過度が24時間当たり標準状態換
算で0.01cm3/m2・atm以下である厚さ25μmのアルミニウ
ム(Al)蒸着PETフィルム「VM-PET 1010」〔東洋メタラ
イジング(株)製〕を貼り合わせた後、23℃、65%RHの条
件で7日間架橋させて試験用感圧接着性シートを得た。
【0068】(2) タックの測定 J.DOW法に準じ、傾斜角30゜の斜面に、前(1)項で作成
した試験用感圧接着性シート(試験片の長さ100mm)を
貼りつけ、該試験片の斜面上方100mmの位置より直径x/3
2インチの大きさのスチールボールをころがし、試料上
で停止する最大径のボールの直径xで表示する。
【0069】(3) 接着力の測定 JIS R-6253に規定する#280の耐水研磨紙で磨いたSUS 30
4のステンレス鋼板に、前(1)項で作成した試験用感圧接
着シートより切り出した試片を、JIS Z-0237の方法に従
って圧着し、1時間後、23℃、65%RH、剥離速度300mm/
minの条件下でその剥離強度(g/25mm)を測定する。
【0070】(4) 凝集力の測定 前(3)項で用いたと同様のステンレス鋼板に、前(1)項で
作成した試験用感圧接着シートより切り出した試片を、
その貼着面積が25×25mm2になる様に貼り付け、2kgロ
ーラーを1往復して圧着する。これを100℃の雰囲気下
で1kgの静荷重を試料にかけ、荷重が落下するまでの時
間を測定する。
【0071】(5) 耐ブリスター性の測定 前(1)項で作成した試験用感圧接着性シート(試験片 10
0×5mm)を厚さ2mmのポリカーボネート樹脂板「ダイ
ヤライト」〔三菱レイヨン(株)製〕に貼付け、80℃の雰
囲気下で1時間放置して加熱促進試験を行い、外観を目
視観察して次の基準に従って評価する。
【0072】○・・・・・・異状なし ×・・・・・・ブリスター発生し、外観不良
【0073】(6) 表面粗さの測定 JIS B-0651に規定する測定機を用い、触針の先端10μ
m、荷重0.5g、移動距離3mmにてJIS B-0601の方法に従
い、中心線平均粗さ(カットオフ 0.8mm)を測定して表
面の平均粗さとする。
【0074】参考例1 還流冷却管、温度計、撹拌機、逐次滴下装置を取付けた
セパラブルフラスコ中に、ブチルアクリレート(BA)90
重量部、アクリル酸(AA)10重量部、アゾビス-i-ブチ
ロニトリル(AIBN)0.3重量部、エチルアセテート(EA
c)100重量部を混合して混合物を調製した。そして、初
期仕込みとして、この混合物の25重量%をセパラブルフ
ラスコに入れ、攪拌しながら加熱し、内温80〜85℃還流
下で40分間重合を行った。次に内温を80〜85℃に保持し
ながら、混合物の残量75重量%を約60分に亘り逐次滴下
した。更に120分間還流温度に保った後、トルエン50重
量部を加えて希釈し、固形分約34重量%、粘度9000cps
(B型回転粘度計、25℃、10RPM)のアクリル系共重合
体溶液を得た。この共重合体の平均重量平均分子量Mw
は65万、Tgは−45℃であった。
【0075】実施例1 参考例1で得られたアクリル系共重合体溶液100重量部
(固形分約34重量部)に対し、金属架橋剤「アルミキレ
ートA」〔川研ファインケミカル(株)製;アルミニウム
トリアセチルアセトネート〕0.19重量部(アクリル系共
重合体 100重量部に対して約0.57重量部)及びニトロソ
化合物系加熱分解型発泡剤「セルマイクAN」〔三協化成
(株)製;N,N'-ジニトロソペンタメチレンテトラミン〕
を攪拌混合して感圧接着剤組成物溶液を得た。次いで得
られた感圧接着剤組成物を、Ra値が0.34μmであるPET
フィルム離型材を用い、前記(1)項に従って試験用感圧
接着性シートを作成し、各種物性測定を行った。感圧接
着剤組成物の配合組成を表1に、感圧接着性シートに使
用した基材、離型材の種類、感圧接着剤層のRa値、厚
さ及び物性測定結果を表2に示す。
【0076】実施例2〜3及び比較例1〜2 実施例1において、ニトロソ化合物系加熱分解型発泡剤
「セルマイク AN」の使用量を変えまたはこれを使用し
ない以外は実施例1と同様にして、感圧接着剤組成物溶
液を得、以下実施例1と同様にして感圧接着剤層表面の
Ra値の異なる試験用感圧接着性シートを作成し、各種
物性測定を行った。得られた感圧接着剤組成物の配合組
成を表1に、感圧接着性シートに使用した基材、離型材
の種類、感圧接着剤層のRa値、厚さ及び物性測定結果
を表2に示す。
【0077】実施例4〜6 実施例1において、ニトロソ化合物系加熱分解型発泡剤
「セルマイク AN」を使用する代わりに、塩化ビニリデ
ン系熱膨脹性ポリマービーズ「エクスパンセルDU#551」
〔以上、日本フィライト(株)製〕を用い、その使用量を
変える以外は実施例1と同様にして感圧接着剤組成物溶
液を得、以下実施例1と同様にして感圧接着剤層表面の
Ra値の異なる試験用感圧接着性シートを作成し、各種
物性測定を行った。得られた感圧接着剤組成物の配合組
成を表1に、感圧接着性シートに使用した基材、離型材
の種類、感圧接着剤層のRa値、厚さ及び物性測定結果
を表2に示す。
【0078】実施例7 実施例1において、ニトロソ化合物系加熱分解型発泡剤
「セルマイク AN」を使用する代わりに、塩化ビニリデ
ン系中空状ポリマービーズ「エクスパンセル DE#091」
〔以上、日本フィライト(株)製〕を用い、その使用量を
変える以外は実施例1と同様にして感圧接着剤組成物溶
液を得、以下実施例1と同様にして感圧接着剤層表面の
Ra値の異なる試験用感圧接着性シートを作成し、各種
物性測定を行った。得られた感圧接着剤組成物の配合組
成を表1に、感圧接着性シートに使用した基材、離型材
の種類、感圧接着剤層のRa値、厚さ及び物性測定結果
を表2に示す。
【0079】実施例8 実施例1において、ニトロソ化合物系加熱分解型発泡剤
「セルマイク AN」を使用しない以外は実施例1と同様
にして、感圧接着剤組成物溶液を得、次いで該感圧接着
剤組成物を、Ra値が0.34μmであるPETフィルム離型材
を用いる代わりに、Ra値が6.90μmであるエンボス離型
材「EV130 TA-7(R-8)」〔リンテック(株)製〕を用いて
試験用感圧接着性シートを作成し、各種物性測定を行っ
た。得られた感圧接着剤組成物の配合組成を表1に、感
圧接着性シートに使用した基材、離型材の種類、感圧接
着剤層のRa値、厚さ及び物性測定結果を表2に示す。
【0080】
【表1】
【0081】
【表2】
【0082】
【発明の効果】本発明の感圧接着性シートは、PETなど
気体透過性が小さい基材を用いた感圧接着性シートであ
って、優れた感圧接着性シートとしての諸物性、すなわ
ち、優れたタック、接着力及び凝集力を兼ね備えると共
に、ポリカーボネート樹脂やスチレン系樹脂等の成形品
など微量のガスを発生しやすい被着体に用いても、優れ
た耐ブリスター性など卓越した性能を有するものであ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】気体透過性の小さい基材の少なくとも一方
    の面に感圧接着剤層を設けてなる感圧接着性シートにお
    いて、該接着剤層の被着体に接する側の表面の平均粗さ
    が5〜50μmであることを特徴とする感圧接着性シー
    ト。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002146299A (ja) * 2000-11-08 2002-05-22 Nitto Denko Corp 加熱剥離型粘着シート
JP2008191345A (ja) * 2007-02-02 2008-08-21 Jsp Corp パネル用板状物及び展示パネル

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