JP2008190627A - 水素吸蔵合金容器、及び水素吸蔵合金容器の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】水素吸蔵合金の熱交換特性の向上が図られる水素吸蔵合金容器と、製造等におけるコストの抑制を図ることが可能な水素吸蔵合金容器の製造方法を提供する。
【解決手段】容器1を、水素吸蔵合金を収納する扁平状の胴体部2と、水素吸蔵合金を外部に接続するための接続部4と、胴体部2から接続部4に向かって傾斜する傾斜領域3aを有する肩部3と、を備え、胴体部2には、水素吸蔵合金を複数区画に仕切るためのフィン5が、接続部4に対して複数の区画が開放される方向に、延在配置されている構成とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、水素吸蔵合金容器、及びこの水素吸蔵合金容器の製造方法に関する。
近年、水素吸蔵合金に関する研究が広く行われている。水素吸蔵合金は、自己の体積よりも遥かに大容量の(例えば常温常圧で1000倍以上の体積を有する)水素ガスを、繰り返し放出/吸収させることが可能な合金である。水素の放出/吸収を利用した製品には、ヒートポンプや冷凍機などのほか、特に期待されている装置として、水素貯蔵装置や水素精製装置などが挙げられる。
水素吸蔵合金は、容易に水素化し吸蔵量の多い金属(発熱型金属)と水素放出能力の高い金属(吸熱型金属)とを混合した金属である。水素吸蔵時は発熱反応、水素放出時は吸熱反応が生じる。
よって、水素吸蔵合金に対して連続的に水素を放出/吸収させようとした場合、合金の温度変化が進行することによって、充分な量の水素を放出/吸収させる前に放出/吸収が停滞してしまうおそれがある。使用に適した温度範囲は、合金の種類によって異なるが、水素吸蔵時は熱の放出を、水素放出時には熱の供給を、周囲との熱交換によって補うことが必要と考えられている。
このために、前述の装置において、水素吸蔵合金は、合金の温度を制御するための部材を備えた容器(水素吸蔵合金容器)の内部に配置される。
温度制御、つまり熱交換特性の向上のための部材としては、流体(所謂熱媒)の移動管が挙げられる。この流体移動管を備えた構成によれば、熱媒の温度を選定することによって、水素吸蔵合金を加熱/冷却することも可能になる。
しかし、前述の装置においては、装置が輸送装置を兼ねる場合をはじめ、小型化や軽量化が求められることも多い。流体の移動管を備えた構成では、通常、流体自体やその供給源の体積及び重量までもが必要となるため、このようなニーズに応えることは困難となる。
このため、容器内部に、水素吸蔵合金に比して熱伝導特性に優れた部材(伝熱部材)を備えた構成が、注目を集めている。具体例としては、水素吸蔵合金が占める空間の一部に部材を挟み込んだ構造が挙げられる。
ところで、水素吸蔵合金においては、水素ガスの吸蔵/放出に伴って膨張/収縮が生じる。また、水素ガスの吸蔵/放出を繰り返すと微粉化が進むことや、容器部に合金圧密層が形成されることなどにより、長期的に体積の増加が進行することが知られている。したがって、水素吸蔵合金容器においては、内側の水素吸蔵合金からの応力を受けやすく、変形や破壊が生じるおそれがあることが問題となっていた。
この問題に対し、複数の水素吸蔵合金の間に緩衝材を挟みこんだ構成により、水素吸蔵合金の膨張/収縮を緩和して、水素吸蔵合金容器の変形を抑制する手法が提案されている(例えば特許文献1参照)。
また、水素吸蔵合金を、合金粒子と繊維材料の混合合金として構成することにより、膨張/収縮の緩和を図るとともに、微粉化を抑制する手法も提案されている(例えば特許文献2参照)。
しかしながら、これらの手法によって前述した問題の解決を図ると、新たな問題を生じてしまう。
まず、膨張/収縮や微粉化は抑制されるものの、容器内部で熱交換に寄与し難い部分が増大するため、熱交換効率が低下するおそれがある。
また、従来の水素吸蔵合金容器の製造においては、容器の内部構造が複雑化するほど、製造した後で水素吸蔵合金を充填することが困難となる。よって、従来は水素吸蔵合金を充填しながら容器の製造を行う必要があったが、これでは製造を円滑に行うことが難しくなる。更に、従来の内容物である水素吸蔵合金を入れ替える際には、容器を破壊及び廃棄しなければならないため、長期的にコスト高となることが避けられない。
国際公開2004−031645号公報 特開2005−336040号公報
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、水素吸蔵合金の熱交換特性の向上が図られる水素吸蔵合金容器と、製造等におけるコストの抑制を図ることが可能な水素吸蔵合金容器の製造方法を提供することにある。
本発明に係る水素吸蔵合金容器は、水素を供給するための水素吸蔵合金容器であって、水素吸蔵合金を収納する扁平状の胴体部と、この水素吸蔵合金を外部に接続するための接続部と、胴体部から接続部に向かって傾斜する傾斜領域を有する肩部と、を備え、胴体部には、水素吸蔵合金を複数区画に仕切るためのフィンが、接続部に対して前記複数の区画が開放される方向に、延在配置されていることを特徴とする。
本発明に係る水素吸蔵合金容器は、水素吸蔵合金が充填される胴体部と、この胴体部を外部に接続する接続部とを備え、胴体部の内部に、接続部へと向かう斜め方向に延在するフィンが、複数設けられていることを特徴とする。
本発明に係る水素吸蔵合金容器は、水素吸蔵合金が充填される胴体部と、この胴体部を外部に接続する接続部とを備え、胴体部の外面が、少なくとも一部、凹凸面とされていることを特徴とする。
本発明に係る水素吸蔵合金容器の製造方法は、水素吸蔵合金に比して高い熱伝導率を有する材料による、扁平型の部材を形成する形成工程と、前記扁平型の部材の内部に、複数の孔を形成して成形部材とする成形工程と、断面が前記成形部材側に底辺を有する先細形状であり、かつ内部に前記複数の孔に対応する空間を有する補助部材を、前記成形部材の孔が開放されている一端に連結する連結工程と、を有することを特徴とする。
本発明に係る水素吸蔵合金容器によれば、水素吸蔵合金を収納する扁平状の胴体部と、水素吸蔵合金を外部に接続するための接続部と、胴体部から接続部に向かって傾斜する傾斜領域を有する肩部と、を備え、胴体部には、水素吸蔵合金を複数区画に仕切るためのフィンが、接続部に対して複数の区画が開放される方向に、延在配置されていることから、容器内部における、水素吸蔵合金の熱交換特性向上が図られる。
本発明に係る水素吸蔵合金容器によれば、水素吸蔵合金が充填される胴体部と、この胴体部を外部に接続する接続部とを備え、胴体部の内部に、接続部へと向かう斜め方向に延在するフィンが、複数設けられていることから、容器内部における、水素吸蔵合金の熱交換特性向上が図られる。
本発明に係る水素吸蔵合金容器によれば、水素吸蔵合金が充填される胴体部と、この胴体部を外部に接続する接続部とを備え、胴体部の外面が、少なくとも一部、凹凸面とされていることから、容器内部における、水素吸蔵合金の熱交換特性向上が図られる。
本発明に係る水素吸蔵合金容器の製造方法によれば、前述したように、形成工程と、成形工程と、連結工程とを有することから、製造等におけるコストの抑制を図ることが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
<水素吸蔵合金容器の第1の実施の形態>
まず、本発明に係る水素吸蔵合金容器の、第1の実施の形態について説明する。
図1に、本実施形態に係る水素吸蔵合金容器の、一部を切開した概略斜視図を示す。
本実施形態に係る水素吸蔵合金容器1は、厚さに対して幅及び長さが大とされた、略扁平型の水素吸蔵合金容器である。本実施形態において、水素吸蔵合金容器1は、扁平型の長手方向(長さ方向)に沿って順に、胴体部2と、肩部3と、接続部4とを備える。胴体部2内には、水素吸蔵合金を複数区画に仕切るためのフィン5が、接続部4に対して、胴体部2内の複数の区画が開放される方向に、延在配置されている。
図2は、図1に示した水素吸蔵合金容器の縦断面を示す、概略断面図である。
本実施形態に係る水素吸蔵合金容器1において、胴体部2は、複数のフィン5で区画される水素吸蔵合金の配置部6を有する。
また、肩部3は、胴体部2から接続部4に向かって傾斜する傾斜領域3aを有する、所謂テーパー状とされている。この傾斜領域3aの長手方向に沿って切断した断面は、胴体部2側に底辺を有する先細の形状であり、肩部3の先細形状の先端側が、接続部4によって外部に接続される。この接続部4を介して、胴体部2内に配置される水素吸蔵合金と外部とが、通気可能に接続される。
本実施形態においては、肩部3のうち、主として接続部4との連結に供される一部以外の領域が傾斜領域3aとされ、この傾斜領域の長手方向に沿って切断した断面が台形となっている。
このような、胴体部2から接続部4に向かって傾斜する傾斜領域3aを有する肩部3により、後述する弾性体の配置部となって胴体部2における水素吸蔵合金の崩れが抑制され、水素吸蔵合金の充填もスムーズに行うことができ、更には水素吸蔵合金の(例えば交換のための)取り出しも、容器を破壊することなく行うことができる。
なお、接続部4が特に細い形状の場合には、底面から略垂直に延在する複数のフィンに対する肩部3の傾斜領域の角度が変化するとともに、前述の断面が略三角形となる。
また、本実施形態において、フィン5は、胴体部2内のみを区画する隔壁として設けられており、肩部3内には至っていない。肩部3内は、少なくとも水素吸蔵合金に比して熱伝導率が高い材料による弾性体(例えばウール状の金属繊維)の配置部7とされる。
これにより、水素吸蔵合金の充填や取り出しを、肩部3の内部でフィンに妨害されることなく、特にスムーズに行うことが可能となる。
本実施形態に係る水素吸蔵合金容器によれば、水素吸蔵合金を収納する扁平状の胴体部と、胴体部から接続部に向かって傾斜する傾斜領域を有する肩部と、水素吸蔵合金を外部に接続するための接続部と、を備え、胴体部に、水素吸蔵合金を複数区画に仕切るためのフィンが、接続部に対して前記複数の区画が開放される方向に、延在配置されている。
よって、従来のような、水素吸蔵合金及び容器が円筒型である場合に比べ、水素吸蔵合金の厚みによる熱交換特性の低下が抑制される。すなわち、本実施形態に係る水素吸蔵合金容器によれば、フィンが内蔵されることから、扁平型などの薄型化によって熱交換特性の向上を図ることが可能となる。また、フィンが胴体部を構成する外枠部材と一体化されていることにより、更に熱交換特性の向上が図られる。このような構成によれば、従来構成に比べて、熱交換特性向上のために他の部材を設ける必要性を回避することができる。
したがって、本実施形態に係る水素吸蔵合金容器によれば、容器内部における、水素吸蔵合金の熱交換特性向が図られる。
<水素吸蔵合金容器の製造方法の実施の形態>
次に、本発明に係る水素吸蔵合金容器の製造方法の実施の形態について、図1及び図2に示した水素吸蔵合金容器を製造する場合を例として、説明する。
まず、図3Aに示すように、アルミやステンレスなど、高い熱伝導率を有する材料による、扁平型の部材を作製する形成工程を行う。続いて、この部材の内部に、複数の孔を、例えば押し出し成形や削り出しなどによって形成して成形部材2aとする、成形工程を行う。
なお、最終的に水素吸蔵合金の配置部となるこれらの複数の孔は、図1及び図3Bに示したような断面四角形の孔に限られず、例えば図3Cに示すような断面円形の孔でも良いし、図3Dに示すような断面三角形の孔でも良いなど、目的に応じて選定が可能である。
続いて、図4Aに示すように、成形部材2aの、孔が開放されている一端に、成形部材2aと同様の熱伝導率を有する部材(底面部材)2bを溶接し、この一端を塞いで、最終的に得る容器の底面とする。
続いて、図4Bに示すように、最終的に得る容器において、胴体部から接続部に向かって傾斜する傾斜領域3aを有する肩部となる、内部に複数の孔に対応する空間を有する補助部材3bを、成形部材に連結する、連結工程を行う。補助部材3bの空間は、成形部材2aの複数の孔のうち少なくとも一部に対応していればよいが、胴体部となる全ての孔をカバーする寸法形状とすることが好ましい。
続いて、図4Cに示すように、補助部材3bの外側に位置する先細の先端から、粉末状の水素吸蔵合金8を、胴体部2の内部(つまり合金の配置部6)に注ぎ込み、充填する。
本実施形態においては、補助部材3bによって形成される肩部3が、長手方向の断面が台形や三角形などの先細形状となる、傾斜領域3aを有する構成とされていることから、複数のフィン5が設けられていても、最終的に得る容器においては胴体部2の中央のみならず周辺にも水素吸蔵合金を行き渡らせることが可能となる。
続いて、図4Dに示すように、補助部材3bの外側に位置する先細の先端から、胴体部2に充填された水素吸蔵合金の上の、肩部3内に、水素吸蔵合金よりも粗い弾性体9を注ぎ込み、充填する。
このように、肩部3内に、例えばウール状の金属による(つまり合金よりも熱伝導性の高い)弾性体を充填することにより、水素吸蔵合金の膨張/収縮や外部からの衝撃によって生じる応力の緩和が図られるとともに、弾性体によっても放熱特性の向上を図ることが可能となる。弾性体の大きさは、水素吸蔵合金よりも粗いことが好ましく、具体的には、金属ウールの場合、直径1μm〜数百μm、長さ1mm〜数mm程度に選定することにより、肩部の内部で中央のみならず周辺にも行き渡らせることが可能となる。
続いて、補助部材3bの先細の先端側に、外部との接続のための接続部材を、嵌め込むなどして連結する。
この接続部材に、水素ガスの通気を可能とするフィルターを設けておくことにより、充填後における、水素吸蔵合金及び弾性体の飛散を防止することが可能となる。また、接続部材と補助部材の連結、或いは接続部材と外部装置との連結を、ワンタッチで行えるように(着脱可能に)することにより、容器の取り扱いにおける容易さと安全さが向上する。
なお、本実施形態においては、肩部3に弾性体を充填しているため、水素吸蔵合金粉末がフィルターに到達しにくく、水素吸蔵合金粉末によるフィルターの目詰まりの抑制も図られる。
本実施形態に係る水素吸蔵合金容器の製造方法によれば、前述したように、形成工程と、成形工程と、連結工程とを有することから、容器の製造後に充填を行うことができるため、製造等におけるコストの抑制を図ることが可能となる。また、内容物(合金)を入れ替える必要が生じた場合にも、接続部材のみを取り外すことにより、弾性体とともにスムーズに内容物を取り出すことが可能となる。
なお、合金粉末や弾性体を注ぎ込む際、胴体部2を揺動ないし振動させながら充填を行うことにより、より効率的に多くの充填量を確保することが可能となる。
<水素吸蔵合金容器の第2の実施の形態>
次に、本発明に係る水素吸蔵合金容器の、第2の実施の形態について説明する。
本実施形態に係る水素吸蔵合金容器11は、図5に示すように、少なくとも、水素吸蔵合金の配置部12を有する胴体部12と、この胴体部を外部に接続する接続部14とを備える。なお、本実施形態においては、第1実施形態におけるのと同様の、胴体部12から接続部14に向かって傾斜する傾斜領域13aを有する、肩部13も設けられている。
本実施形態に係る水素吸蔵合金容器11においては、胴体部12の内面において互いに接しない状態で設けられる複数のフィン15が、前述の第1実施形態におけるように容器の底面から垂直方向に設けられておらず、主として容器の側面から接続部14へ向けて斜め方向に延在する構成とされている。
この構成によれば、第1実施形態に係る水素吸蔵合金容器と同様に、内容物(合金)を入れ替える必要が生じた場合にスムーズに内容物を取り出すことができることに加えて、フィン15と水素吸蔵合金の接触面積を増大させて、熱交換特性の更なる向上を図ることが可能となる。したがって、本実施形態に係る水素吸蔵合金容器においても、容器内部における、水素吸蔵合金の熱交換特性向上が可能となる。
<水素吸蔵合金容器の第3の実施の形態>
次に、本発明に係る水素吸蔵合金容器の、第3の実施の形態について説明する。
本実施形態に係る水素吸蔵合金容器21は、図6Aに示すように、水素吸蔵合金の配置部22を有する胴体部22と、肩部23と、接続部24とを備え、少なくとも胴体部22の外面が、第1実施形態とは異なる凹凸面とされている。
本実施形態に係る水素吸蔵合金容器においても、容器内部における、水素吸蔵合金の熱交換特性向上が可能となる。
そして、容器の外面の少なくとも一部に立体的な凹凸が設けられることにより、表面積が増加するため、熱交換特性の更なる向上が図られる。
なお、凹凸面は、図6Bの断面図に示すような屈曲湾曲形状でもよいし、図6Cに示すような非屈曲湾曲形状でもよいし、これらを組み合わせた様々な形状を、目的とする熱交換特性や容器全体の寸法形状に応じて選定してもよい。また、一部の厚さを異ならせてもよい。
<実施例>
本発明の実施例について、説明する。
本実施例では、前述した第1〜第3の実施形態に係る水素吸蔵合金容器の具体例として、容器の内部に水素吸蔵合金及び弾性体を配置(充填)し、所謂カセットボンベを構成した例について説明する。
この、本実施形態に係る水素吸蔵合金容器によって構成されたカセットボンベは、接続部において、例えば容器と組み合わされる他の装置(水素ガスを取り込み利用する装置)の嵌合部との接続がなされ、水素ガスが装置に供給される。
そして、本実施形態に係る水素吸蔵合金容器によれば、熱交換特性に優れた容器構成により、多量の水素を安定して供給することができるほか、水素吸蔵合金の充填や交換における手間やコストの低減も図られる。更に、容器と他の装置との連結を、接続部と嵌合部との間でワンタッチで行えるように(着脱可能に)構成されることにより、取り扱いの容易さと安全さが向上する。
以上の実施の形態及び実施例で説明したように、本発明に係る水素吸蔵合容器によれば、容器内部における、水素吸蔵合金の熱交換特性向上が可能となる。
また、本発明に係る水素吸蔵合金容器の製造方法によれば、製造等におけるコストの抑制を図ることが可能となる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、説明で挙げた使用材料及びその量、処理時間及び寸法などの数値的条件は好適例に過ぎず、説明に用いた各図における寸法形状及び配置関係も概略的なものである。すなわち、本発明は、この実施の形態に限られるものではない。
例えば、前述の実施の形態では、胴体部及びフィンを押し出し成形や削り出しなどによって得る場合を例として説明を行ったが、フィンは、胴体部2の外枠とは別に作製してから取り付けることもできる。この場合、フィンを外枠の金属に比べて緩衝特性に優れた材料で構成することにより、緩衝特性を優先的に向上させることもできる。なお、容器内部における耐圧も、フィンと胴体部2との接着方法によって向上させることができる。
また、例えば、弾性体は肩部の内部のみに限定される必要はなく、例えば、容器(胴体部)の底部にも弾性体を配置して緩衝性の向上を図ってもよい。また、水素吸蔵合金も、肩部の一部を含めて配置されてもよい。
また、前述の実施形態では、長手方向を容器の長さ方向としたが、本発明は、容器の幅方向が長さ方向よりも大となる場合にも適用可能であるし、前述の実施例で説明したカセットボンベ以外の装置にも適用可能であるなど、本発明は、種々の変形及び変更をなされうる。
本発明に係る水素吸蔵合金容器の一例の構成を示す、一部を切開した概略斜視図である。 本発明に係る水素吸蔵合金容器の一例の構成を示す、概略断面図である。 A〜D それぞれ、本発明に係る水素吸蔵合金容器の一例の製造方法の説明に供する、説明図である。 A〜D それぞれ、本発明に係る水素吸蔵合金容器の一例の製造方法の説明に供する、説明図である。 本発明に係る水素吸蔵合金容器の他の例の構成を示す、概略断面図である。 A〜C それぞれ、本発明に係る水素吸蔵合金容器の一例の構成を示す、一部を切開した概略斜視図と、概略断面図である。
符号の説明
1,11,21・・・水素吸蔵合金容器、2,12,22・・・胴体部、2a・・・成形部材、2b・・・底面部材、3,13,23・・・肩部、3a,13a,23a・・・傾斜領域、3b・・・補助部材、4,14,24・・・接続部、5,15,25・・・フィン、6,16・・・水素吸蔵合金(配置部)、7,17・・・弾性体(配置部)、8・・・水素吸蔵合金、9・・・弾性体

Claims (8)

  1. 水素を供給するための水素吸蔵合金容器であって、
    水素吸蔵合金を収納する扁平状の胴体部と、前記水素吸蔵合金を外部に接続するための接続部と、前記胴体部から前記接続部に向かって傾斜する傾斜領域を有する肩部と、を備え、
    前記胴体部には、前記水素吸蔵合金を複数区画に仕切るためのフィンが、前記接続部に対して前記複数の区画が開放される方向に、延在配置されている
    ことを特徴とする水素吸蔵合金容器。
  2. 前記フィンが、前記胴体部内にのみ設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載の水素吸蔵合金容器。
  3. 前記肩部が、少なくとも前記水素吸蔵合金に比して熱伝導率が高い材料による弾性体の配置部である
    ことを特徴とする請求項1に記載の水素吸蔵合金容器。
  4. 前記肩部の前記断面の形状が、前記胴体部側に底辺を有する三角形状または台形状である
    ことを特徴とする請求項1に記載の水素吸蔵合金容器。
  5. 水素吸蔵合金が充填される胴体部と、該胴体部を外部に接続する接続部とを備え、
    前記胴体部の内部に、前記接続部へと向かう斜め方向に延在するフィンが、複数設けられている
    ことを特徴とする水素吸蔵合金容器。
  6. 水素吸蔵合金が充填される胴体部と、該胴体部を外部に接続する接続部とを備え、
    前記胴体部の外面が、少なくとも一部、凹凸面とされている
    ことを特徴とする水素吸蔵合金容器。
  7. 水素吸蔵合金に比して高い熱伝導率を有する材料による、扁平型の部材を形成する形成工程と、
    前記扁平型の部材の内部に、複数の孔を形成して成形部材とする成形工程と、
    前記扁平型の部材側から傾斜する傾斜領域を有し、かつ内部に前記複数の孔に対応する空間を有する補助部材を、前記成形部材の孔が開放されている一端に連結する連結工程と、
    を有する
    ことを特徴とする水素吸蔵合金容器の製造方法。
  8. 前記肩部に対し、外部との接続のための接続部材を嵌め込む
    ことを特徴とする請求項7に記載の水素吸蔵合金容器の製造方法。
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