JP2011144695A - 蓄熱装置、ならびにこれを備えた空気調和機 - Google Patents

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大輔 川添
Kensho Yamamoto
憲昭 山本
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Kazuya Tanimoto
和也 谷本
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Abstract

【課題】圧縮機の熱を蓄える蓄熱量と、蓄えた熱を使用する際の吸熱スピードを両立し、かつ保温性に優れた蓄熱装置を提供すること。
【解決手段】蓄熱装置は、隔壁により分画された第1の区画3aおよび第1の区画3aに隣接する第2の区画3bを有し、第2の区画3bに吸熱熱交換器2が配設されるとともに、圧縮機1の外周表面に接触する容器3と、第1の区画3aに充填された顕熱蓄熱材4と、第2の区画3bに充填された潜熱蓄熱材5とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、空気調和気の圧縮機からの放熱を蓄熱する蓄熱装置、ならびにこれを備えた空気調和機に関する。
従来のこの種の空気調和機の圧縮機から放熱される熱を蓄熱する蓄熱装置については以下のものが知られている。かかる蓄熱装置は、少なくとも圧縮機の外周表面の一部と接する形状とした金属製容器を配設し、圧縮機と金属製容器との隙間にはシリコン系樹脂を充填し、金属製容器の中には蓄熱材を充填し、さらに金属製容器の外表面で、少なくとも圧縮機と接していない部分の一部には、断熱材を配設している。また、蓄熱材を充填する容器は一層である(例えば特許文献1)。
特開平1−8376号公報
しかしながら、前記従来の構成では、蓄熱材を充填する容器が一層であるため、複数種類の蓄熱材は充填できず、蓄熱材に潜熱蓄熱材を用いた場合は、熱容量が大きいが、吸熱スピートに劣ると言う問題があり、一方、蓄熱材に顕熱蓄熱材を用いた場合は、吸熱スピードに優れるが、熱容量が潜熱蓄熱材に比較し小さいという欠点があった。
本発明は、前記従来課題を解決するもので、圧縮機の熱を蓄える蓄熱量と、蓄えた熱を使用する際の吸熱スピードを両立し、かつ保温性に優れた蓄熱装置を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の蓄熱装置は、圧縮機の外周表面の少なくとも一部と接触するようにした容器を、少なくとも2つの領域に分割し、少なくとも2分割された領域の、少なくとも一方に顕熱蓄熱材、もう一方に潜熱蓄熱材をそれぞれ充填し、吸熱熱交換器を顕熱蓄熱材の領域に配設したものである。
これによって、圧縮機の熱を蓄える蓄熱量と、蓄えた熱を使用する際の吸熱スピードを両立し、かつ保温性に優れた蓄熱装置を提供することができる。
本発明の蓄熱装置は、圧縮機の熱を蓄える蓄熱量と、蓄えた熱を使用する際の吸熱スピードを両立し、かつ保温性に優れた蓄熱装置を提供することを目的とする。
本発明の第1の実施形態における蓄熱装置の水平断面図 本発明の第1の実施形態における蓄熱装置の鉛直断面図 本発明の第2の実施形態における蓄熱装置の水平断面図 本発明の第3の実施形態における蓄熱装置の水平断面図 本発明の第4の実施形態における蓄熱装置の斜視図
第1の発明は、蓄熱槽を複数の領域に分割し、顕熱蓄熱材の領域に吸熱熱交換器を配設しているので、液体である顕熱蓄熱材は、吸熱熱交換器との密着度は非常に高く、ほぼ100%であるため、優れた吸熱スピードが実現できる。さらに、潜熱蓄熱材に蓄えられた熱は、蓄熱槽の領域を分割する隔壁を介して顕熱蓄熱材に熱移動し、吸熱熱交換器で取り出されるので、潜熱蓄熱材の優れた蓄熱量と顕熱蓄熱材の優れた吸熱スピードを両立できる。
第2の発明は、第1の発明の蓄熱装置の隔壁の一方主面に凸部を設け、隔壁の他方主面に凸部に対応させて凹部を設けたものであり、顕熱蓄熱材と潜熱蓄熱材の熱交換が行われる伝熱面積を増大させ、顕熱蓄熱材と潜熱蓄熱材の熱交換効率を増大させ、吸熱熱交換器に流れる冷媒に効率良く熱を吸収させることができる。
第3の発明は、第2の発明の蓄熱装置の隔壁を、折りたたみ形状あるいは波板形状にしたものであり、顕熱蓄熱材と潜熱蓄熱材の熱交換が行われる伝熱面積を増大させ、顕熱蓄熱材と潜熱蓄熱材の熱交換効率を増大させ、吸熱熱交換器に流れる冷媒に効率良く熱を吸収させることができる。
第4の発明は、第1〜第3のいずれか1つの発明の蓄熱装置の内周部分から外周部分に向かって顕熱蓄熱材と潜熱蓄熱材のそれぞれ充填された区画が隔壁を介して交互に配置され、同種の蓄熱材を充填する領域は少なくとも一部で連結している略積層構造を有するようにしたものであり、顕熱蓄熱材と潜熱蓄熱材の熱交換が行われる伝熱面積を増大させ、顕熱蓄熱材と潜熱蓄熱材の熱交換効率を増大させ、吸熱熱交換器に流れる冷媒に効率良く熱を吸収させることができる。
第5の発明は、第1〜第4のいずれか1つの発明の蓄熱装置の分割した領域の最外周領域に潜熱蓄熱材を、最内周部分に顕熱蓄熱材を充填しているものであり、圧縮機からの熱を素早く蓄熱できるとともに、蓄熱装置が外気に熱を奪われにくくすることができる。
第6の発明は、第1〜第5のいずれか1つの発明の蓄熱装置の上記の領域を分割する隔壁を伝熱性能に優れた部材で構成したものであり、顕熱蓄熱材と潜熱蓄熱材の熱交換が行われる伝熱面積を増大させ、顕熱蓄熱材と潜熱蓄熱材の熱交換効率を増大させ、吸熱熱交換器に流れる冷媒に効率良く熱を吸収させることができる。
第7の発明は、上述の蓄熱装置を備えたことを特徴とする空気調和機とするもので、暖房能力が高く、暖房再開時において圧縮機が再び運転を開始するまでの時間が短縮された空気調和機を得ることができる。さらに、蓄熱装置に蓄えた熱を除霜時に使用することができ、除霜時間の短縮や除霜運転中に暖房運転を継続することが可能な空気調和機を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態における蓄熱装置の水平断面図である。また、図2は本発明の実施の形態における蓄熱装置の垂直断面図である。なお本実施の形態では、圧縮機1が従来公知の円筒形状のものである場合について説明する。
圧縮機1は、不図示の吸込管と吐出管を備えており、吸込管から冷媒を吸い込み、冷媒を所定の圧力まで圧縮し、圧縮した冷媒を吐出管から吐出する。圧縮機1は、冷媒を圧縮
する工程で温度が上昇し、周囲に熱を放出する。
圧縮機1の暖房能力を向上させるには、冷媒の温度は高い方が良い。また、圧縮機1の温度は運転のために所定の範囲の値である必要があるが、圧縮機1の運転を停止して放置すると、圧縮機1の温度が機能を果たすのに必要な温度以下にまで低下してしまい、再度運転する場合、圧縮機1の温度を圧縮機1が運転可能となる温度に再度上昇させるまで時間を要する。
暖房能力の向上、および運転停止後に再度運転するまでの時間を短縮するために、圧縮機1には蓄熱装置6を装着することで、圧縮機1から放出された熱を蓄熱装置6で吸収・蓄熱し、圧縮機1の温度低下を緩やかなものとしている。
また、設置面積の効率化の観点から圧縮機1と蓄熱装置6は長手方向が鉛直となるよう設置されている。
蓄熱装置6は容器3からなる。容器3は、顕熱蓄熱材4と潜熱蓄熱材5とを収容する有底の3重円筒形状であり、内円筒31と中央円筒32と外円筒33と不図示の底板とからなる。
内円筒31の内側には底板はなく貫通穴になっており、貫通穴の内壁面と圧縮機1が接している。圧縮機1からの放熱を内円筒31が吸収する。
内円筒31との中央円筒32と底板で囲まれた領域が第1の区画3aであり、この第1の区画3aの内部に吸熱熱交換器2が配設されており、さらに吸熱熱交換器2を浸漬するように第1の区画3aの内部には水や、オイル、グリコール等の液体である顕熱蓄熱材4が充填されている。
ここで、仮に潜熱蓄熱材5を充填した領域に吸熱熱交換器2を配設すると、吸熱熱交換器2に冷媒を流した際に、潜熱蓄熱材5は、吸熱熱交換器2に熱を吸収され、吸熱熱交換器2と接触する潜熱蓄熱材5は、凝固点以下に冷却され固体となる。凝固した結果、潜熱蓄熱材5の体積が縮小してしまい、吸熱熱交換器2と潜熱蓄熱材5との間に隙間が発生し、密着率が低下する、すなわち熱交換効率が低下する欠点がある。
そこで、顕熱蓄熱材4を充填した領域に吸熱熱交換器2を配設することにより、顕熱蓄熱材4は、吸熱熱交換器2に熱を吸収されても凝固せず、液体のままであるので、吸熱熱交換器2との密着度がほぼ100%と非常に高く、吸熱熱交換器との熱交換効率が高いので、優れた吸熱スピードが実現できる。
顕熱蓄熱材4には、潜熱蓄熱材5のように状態変化(凝固−融解)を伴う、融点での温度変化のない区間が存在しないので、顕熱蓄熱材4を圧縮機1に近い領域とすることで、温度上昇を素早くすることができる。
中央円筒32と外円筒33と底板で囲まれた領域が第2の区画3bである。第2の区画3bには潜熱蓄熱材5が充填されている。潜熱蓄熱材5は従来公知のものが使用でき、例えばパラフィン、酢酸ナトリウム三水和物等からなり、凝固点で状態変化に伴う潜熱を利用できることから、顕熱蓄熱材4に比べ蓄熱量も多い。
第1の区画3aと第2の区画3bは中央円筒32が隔壁となって分離されている。
顕熱蓄熱材4と潜熱蓄熱材5とは隔壁を介して熱交換を行っており、このとき隔壁の表
面は熱交換面となっている。
圧縮機1の外周表面に蓄熱装置6の内周表面が密着している。圧縮機1は運転により発熱し、圧縮機1からの熱は蓄熱装置6に伝搬する。この伝搬した熱を蓄熱装置6が吸収し蓄える。
内円筒31は、圧縮機1の外周表面に密着している。圧縮機1の外周表面から放出された熱は、顕熱蓄熱材4に伝搬する。顕熱蓄熱材4は内円筒31より伝搬した熱を中央円筒32に伝搬させる。中央円筒32は顕熱蓄熱材4より伝搬した熱を潜熱蓄熱材5に伝搬させる。顕熱蓄熱材4と潜熱蓄熱材5はともに熱を蓄熱する。
潜熱蓄熱材5は、容器の外気に放熱しやすい部分、すなわち外円筒33に接するよう配設することで、蓄熱装置6全体の温度を保温する効果が得られる。
吸熱熱交換器2は、蓄熱装置の熱を利用し除霜を行う従来公知の冷媒回路(例えば特許公報昭54−38737)に組み込むことが可能である。除霜時には不図示の弁の開閉が行われ、吸熱熱交換器2に冷媒が流れる。
ここで吸熱熱交換器2は、蒸発器として働き、中を通る冷媒が蒸発して顕熱蓄熱材4の熱を吸収することにより、冷媒回路に熱を供給することができる。
その結果、蓄熱装置6に蓄えた熱を除霜時に使用することができ、除霜時間の短縮や除霜運転中に暖房運転を継続することが可能となる。
図3は、本発明の第2の実施形態の蓄熱装置の水平断面図である。
本実施形態においては、第1の実施形態での中央円筒32の代わりに、側壁が折り畳み形状あるいは板波形状の筒状体34とすることで、顕熱蓄熱材4と潜熱蓄熱材5との熱交換が行われる伝熱面積を増大させている。
このことにより、顕熱蓄熱材4と潜熱蓄熱材5との熱交換効率はさらに増大し、吸熱熱交換器の中を流れる冷媒に効率よく熱を吸収させることができる。
この隔壁である筒状体34は、一方主面に凸部34aが設けられており、主面に前記凸部に対応させて凹部34bが設けられている。
図4は、本発明の第3の実施形態の蓄熱装置の水平断面図である。
本実施形態においては、内円筒31と中央円筒32との間にスリット入りの2重円筒35をさらに配置している。
2重円筒の内周枠35aと外周枠35bのスリット側端部は折り返し部35cで連続している。
外周枠35bと中央円筒32とは連通枠36で連通しており、2重円筒35と連通部36領域と中央円筒32と外円筒33と底部で囲まれた領域が第2の区画3bとなっている。
かかる構成により、蓄熱装置の内周部分から外周部分に向かって、顕熱蓄熱材4と潜熱蓄熱材5が充填された区画が隔壁を介して交互に配置され、同種の蓄熱材を充填する区画は少なくとも一部で連続している略積層構造となっている。
この構成をとることにより、第1の区画3aと第2の区画3bとを隔てる隔壁の表面積を大きくすることができ、顕熱蓄熱材4と潜熱蓄熱材5との熱交換効率はさらに増大し、吸熱熱交換器の中を流れる冷媒に効率よく熱を吸収させることができる。
本発明は以上の実施形態に限定されることなく種々の実施の形態とすることが可能である。
上記の実施形態では全体形状が円筒形状であったが、これに代えて図5に示すような全体形状が馬蹄形状のものを用いてよい。
ここで馬蹄形状とは、蓄熱装置6が圧縮機1に接する接触面が圧縮機1の曲率と略同一である基部61と、基部61の端部に接続される一対の並設される側壁部62からなり、一対の側壁部の間の間隔(すなわち開口幅)が略一定、あるいは曲壁部側の反対側(すなわち先端側)に向かうにつれて大きくなる、全体形状が略U字形状のものであることを意味する。
本実施の形態においても、容器3は、少なくとも2つの領域に分割し、少なくとも2分割された領域の、少なくとも一方に顕熱蓄熱材4、もう一方に潜熱蓄熱材5をそれぞれ充填し、吸熱熱交換器2を顕熱蓄熱材4が充填された領域に配設している。
蓄熱装置をこのような構成とすることにより、蓄熱装置6は圧縮機1に対して、水平方向から進退自在に嵌め入れることができる。
以上のように構成された蓄熱装置を圧縮機1に装着する工程について以下説明する。
まず、本実施の形態の蓄熱装置6を圧縮機1に装着する前に予め作成する。
次に、圧縮機1が蓄熱装置6の開口部を臨むよう位置合わせする。さらに、圧縮機1が一対の側壁部62の間を通過し、開口部の最奥にいたるまで、蓄熱装置6を移動させる。
以上のようにして、密着性を高くして圧縮機1に蓄熱装置6を取り付けることができる。
蓄熱装置6を圧縮機1に装着する前に予め作成することにより、圧縮機1へ蓄熱装置6を装着する工程において圧縮機1を蓄熱装置6に挿入する作業以外に特別な作業を必要としなくなり、圧縮機に簡単に素早く搭載することが可能になる。
本発明に係る蓄熱装置は、圧縮機の熱を蓄える蓄熱量と、蓄えた熱を使用する際の吸熱スピードを両立し、かつ保温性に優れており、空気調和機等に有用である。
1 圧縮機
2 吸熱熱交換器
3 容器
3a 容器3の第1の区画
3b 容器3の第2の区画
4 顕熱蓄熱材
5 潜熱蓄熱材
6 蓄熱装置
31 容器3の内円筒
32 容器3の中央円筒
33 容器3の外円筒
34 容器3の筒状体
35 容器3の2重円筒
35a 容器3の2重円筒の内周枠
35b 容器3の2重円筒の外周枠
36 容器3の連通部
61 基部
62 側壁部

Claims (7)

  1. 隔壁により分画された第1の区画および第1の区画に隣接する第2の区画を有し、第2の区画に吸熱熱交換器が配設されるとともに、圧縮機の外周表面に接触する容器と、
    第1の区画に充填された顕熱蓄熱材と、
    第2の区画に充填された潜熱蓄熱材と、
    を備えた蓄熱装置。
  2. 隔壁の一方主面に凸部が設けられており、隔壁の他方主面に前記凸部に対応させて凹部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の蓄熱装置。
  3. 隔壁は、折りたたみ形状あるいは波板形状であることを特徴とする請求項2に記載の蓄熱装置。
  4. 内周部分から外周部分に向かって顕熱蓄熱材と潜熱蓄熱材が充填された区画が隔壁を介して交互に配置され、同種の蓄熱材を充填する領域は少なくとも一部で連結している略積層構造を有する請求項1〜3のいずれかに記載の蓄熱装置。
  5. 分割した領域の最外周領域に潜熱蓄熱材を、最内周部分に顕熱蓄熱材を充填したことを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の蓄熱装置。
  6. 上記の領域を分割する隔壁は、伝熱性能に優れた部材で構成したことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の蓄熱装置。
  7. 請求項1から6のうちいずれか1つに記載の蓄熱装置を備えた空気調和機。
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