JP2020037882A - 圧縮機及び冷凍サイクル装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】圧縮機が発生させた熱を短時間で充分に蓄熱部に蓄えさせることができる圧縮機を提供する。【解決手段】圧縮機11は、低温側熱媒体を圧縮して吐出する圧縮部110と、圧縮部110の外周側に配置され、圧縮部110を覆うカバー部120と、を備え、カバー部120は、熱を蓄える第1蓄熱部121及び第2蓄熱部122と、第1蓄熱部121及び第2蓄熱部122よりも熱伝導率の大きい伝熱促進部126と、を有し、第1蓄熱部121及び第2蓄熱部122には、第1蓄熱部121及び第2蓄熱部122と熱交換する流体が流通する流体流路120aが形成され、伝熱促進部126は、圧縮部110と第1蓄熱部121及び第2蓄熱部122との間に配置されている。【選択図】図2
Description
本発明は、圧縮機及び冷凍サイクル装置に関する。
従来、特許文献1には、圧縮機の排熱を蓄熱材に蓄熱し、蓄熱された熱を蒸発器として機能する室外熱交換器の除霜等に有効利用する冷凍サイクル装置が開示されている。より具体的には、特許文献1では、蓄熱材が充填された蓄熱槽を蓄熱部とし、この蓄熱部によって圧縮機の外周を覆うカバー部を構成することで、蓄熱部に排熱を蓄熱させている。更に、圧縮機の外周側に巻き付けられるように配置された冷媒配管に冷媒を流通させることによって、蓄熱部に蓄えられた熱を冷媒に移動させている。
しかしながら、特許文献1の構成では、蓄熱部に充填された全ての蓄熱材を圧縮機に接触させることが難しい。そのため、特許文献1に示される構成では、圧縮機と蓄熱部との間の熱抵抗が大きくなり、圧縮機が発生させた熱を充分に蓄熱部に移動させることができなかった。従って、特許文献1の冷凍サイクル装置では、圧縮機が発生させた熱を短時間で充分に蓄熱部に蓄熱させることができなかった。
本発明は、圧縮機が発生させた熱を短時間で充分に蓄熱部に蓄えさせることを目的とする。
また、本発明は、圧縮機が発生させた熱を蓄熱部に蓄えて利用する冷凍サイクル装置において、圧縮機が発生させた熱を短時間で充分に蓄熱部に蓄えさせて、蓄熱部に蓄えられた熱を効果的に有効利用可能な冷凍サイクル装置を提供することを別の目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の圧縮機は、流体を圧縮して吐出する圧縮部(110)と、圧縮部の外周側に配置され、圧縮部を覆うカバー(120)と、を備え、カバーは、熱を蓄える蓄熱部(121、122)及び蓄熱部よりも熱伝導率の大きい伝熱促進部(126)を有し、カバーには、蓄熱部と熱交換する流体が流通する流体流路(120a)が形成され、伝熱促進部は、圧縮部と蓄熱部との間に配置されている。
これによれば、蓄熱部よりも熱伝導率の大きい伝熱促進部が、圧縮部と蓄熱部との間に配置されているので、圧縮部と蓄熱部との間の熱抵抗を低減することができる。このため、圧縮部が発生させた熱を、短時間で充分に蓄熱部に蓄熱させることができる。
また、上記目的を達成するため、請求項10に記載の冷凍サイクル装置は、冷媒を圧縮して吐出する圧縮機(11)を有する冷凍サイクル装置であって、
圧縮機は、流体を圧縮して吐出する圧縮部(110)と、圧縮部の外周側に配置され、圧縮部を覆うカバー部(120)と、を備え、カバー部は、熱を蓄える蓄熱部(121、122)及び蓄熱部よりも熱伝導率の大きい伝熱促進部(126)を有し、カバー部には、蓄熱部と熱交換する流体が流通する流体流路(120a)が形成され、伝熱促進部は、圧縮部と蓄熱部との間に配置され、流体によって圧縮部が発生させた熱を搬送可能に構成されている。
圧縮機は、流体を圧縮して吐出する圧縮部(110)と、圧縮部の外周側に配置され、圧縮部を覆うカバー部(120)と、を備え、カバー部は、熱を蓄える蓄熱部(121、122)及び蓄熱部よりも熱伝導率の大きい伝熱促進部(126)を有し、カバー部には、蓄熱部と熱交換する流体が流通する流体流路(120a)が形成され、伝熱促進部は、圧縮部と蓄熱部との間に配置され、流体によって圧縮部が発生させた熱を搬送可能に構成されている。
これによれば、蓄熱部よりも熱伝導率の大きい伝熱促進部が、圧縮部と蓄熱部との間に配置されているので、圧縮部と蓄熱部との間の熱抵抗を低減することができる。このため、圧縮部が発生させた熱を、短時間で充分に蓄熱部に蓄熱させることができる。更に、流体によって圧縮部が発生させた熱を搬送可能に構成されているので、この熱を所望の部位へ搬送して、効率的に有効利用することができる。
すなわち、請求項10に記載の発明によれば、圧縮部が発生させた熱を効果的に有効利用可能な冷凍サイクル装置を提供することができる。
なお、この欄及び特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
以下、図面を用いて、本発明の一実施形態について説明する。本実施形態では、本発明に係る圧縮機11を備えた冷凍サイクル装置10について説明する。本実施形態では、冷凍サイクル装置10を、走行用の駆動力を電動モータから得る電気自動車に適用している。冷凍サイクル装置10は、電気自動車において、車室内の空調を行う機能を果たす。
冷凍サイクル装置10は、蒸気圧縮式の冷凍サイクル装置である。冷凍サイクル装置10は、空調用の運転モードに応じて、冷媒回路を切り替えることができる。空調用の運転モードには、冷房モード、除湿暖房モード、暖房モードがある。
冷房モードは、空調対象空間である車室内へ送風される送風空気を冷却して車室内へ吹き出す運転モードである。除湿暖房モードは、冷却して除湿された送風空気を再加熱して車室内へ吹き出す運転モードである。暖房モードは、送風空気を加熱して車室内へ吹き出す運転モードである。
冷凍サイクル装置10は、高圧側冷媒圧力が冷媒の臨界圧力を超えない亜臨界冷凍サイクルを構成している。冷凍サイクル装置10では、冷媒として、HFC系冷媒(具体的には、R134a)を採用している。冷媒には、圧縮機11を潤滑するための冷凍機油が混入されている。冷凍機油の一部は、冷媒とともにサイクルを循環している。
圧縮機11は、冷媒を吸入し、圧縮して吐出するものである。圧縮機11は、車両前方側の駆動用装置室に配置されている。駆動用装置室は、走行用の電動モータ等の車載機器が配置される空間である。
図2に示すように、圧縮機11は、冷媒を吸入口110aから吸入し、圧縮して吐出口110bから吐出する吐出する圧縮部110と、圧縮部110の外周側を覆うカバー部120と、を備える。
圧縮部110は、その外殻を形成するハウジング111内に、吐出容量が固定された固定容量型の圧縮機構、及び圧縮機構を回転駆動する電動モータ等を収容して構成された電動圧縮機である。
この圧縮機構としては、スクロール型圧縮機構、ベーン型圧縮機構等の各種圧縮機構を採用することができる。また、電動モータとしては、交流モータ、直流モータのいずれの形式を採用してもよい。電動モータは、後述する制御装置60から出力される制御信号によって、回転数が制御される。そして、この回転数制御によって、圧縮部110の冷媒吐出能力が制御される。
ハウジング111は、鉄系金属で形成されている。ハウジング111は、電動モータの回転軸方向に延びる有底円筒状に形成されている。
カバー部120は、第1蓄熱部121、第2蓄熱部122、及び2つの伝熱促進部126を有している。第1蓄熱部121及び第2蓄熱部122は、後述する蓄熱材で構成されている。第1蓄熱部121及び第2蓄熱部122は、略円弧板形状であり、第1蓄熱部121及び第2蓄熱部122を、圧縮部110の外周側に配置すると、第1蓄熱部121及び第2蓄熱部122は、一体となって略円筒形状となる。
第1蓄熱部121及び第2蓄熱部122内には、空間120bが形成されている。空間120b内には、流体である後述する低温側熱媒体を流通させる流体流路120aが形成されている。本実施形態では、空間120b内に、流体流路120aの流路長を増大させるために隔壁120cが配置されている。隔壁120cは、第1蓄熱部121及び第2蓄熱部122の空間120bを仕切っている。これにより、図2の太線矢印で示すように、空間120b内に蛇行状の流体流路120aが形成される。
具体的には、隔壁120cは、第1蓄熱部121及び第2蓄熱部122の周方向に沿って形成され、空間120b内を圧縮機11の軸線方向に仕切るように形成されている。そして、隔壁120cの一端又は他端には、隔壁120cによって仕切られた空間120b同士を連通する連通口120dが形成されている。
第1蓄熱部121の外周面には、第1蓄熱部121の流体流路120aの始端に接続する流入口121dが形成されている。また、第1蓄熱部121の外周面には、第1蓄熱部121の流体流路120aの終端に接続する第1接続口121eが形成されている。
第2蓄熱部122の外周面には、第2蓄熱部122の流体流路120aの始端に接続する第2接続口122aが形成されている。第1接続口121eと第2接続口122aとは、ゴム等で構成された配管123によって接続されている。第2蓄熱部122の外周面には、第1蓄熱部121の流体流路120aの終端に接続する流出口122bが形成されている。
このような構成によって、流入口121dから流入した低温側熱媒体は、第1蓄熱部121及び第2蓄熱部122内に蛇行状に形成された流体流路120aを流通して、流出口122bから流出する。
図3に示すように、流体流路120aの内周側は、流体との接触面積を増大させるための接触面積増大部120hが形成されている。本実施形態では、接触面積増大部120hは、圧縮機11の軸線方向に沿って形成され、周方向に並列に複数形成された溝状である。
次に、第1蓄熱部121及び第2蓄熱部122を形成する蓄熱材について説明する。図4に示すように、蓄熱材は、多数の微細な球状のカプセル状蓄熱材125aを骨格材料125bで結合させることによって形成されている。骨格材料125bは、耐熱性に優れる合成樹脂(具体的には、ポリプロピレン)であり、蓄熱時に相変化を伴わない顕熱蓄熱材である。
カプセル状蓄熱材125aは、球状のカプセル125c内に、蓄熱時に相変化を伴う潜熱蓄熱材125dを封入した構造である。カプセル125cは、骨格材料125bと同じ材質(すなわち、ポリプロピレン)で形成されており、蓄熱時に相変化を伴わない顕熱蓄熱材である。
本実施形態では、潜熱蓄熱材125dが相変化して熱を蓄える蓄熱温度は、35℃以上、かつ、60℃以下に設定されている。
このような潜熱蓄熱材125dとしては、パラフィンワックス系の蓄熱材(具体的には、C22ドコサン、C24テトラコサン、C26ヘキサコサン)、高級アルコール系の蓄熱材(具体的には、Caprylone、Camphene)、無機塩系の蓄熱材(具体的には、Sodium phosphate dibasic dodecahydrate、Sodium thiosulfate pentahydrate)等、あるいはこれらの混合材料を採用することができる。
潜熱蓄熱材125dは、自身の融点を境に、相変化して、吸熱又は放熱する。潜熱蓄熱材125dは、低温側熱媒体の温度が自身の融点より高い領域で、低温側熱媒体から吸熱して相変化する。これにより、顕熱蓄熱材と比較して、潜熱蓄熱材125dに、低温側熱媒体の有する熱がより大きく蓄えられる。潜熱蓄熱材125dの融点は、作動時の圧縮部110の表面温度よりも低く設定されている。このため、圧縮部110が作動すると、潜熱蓄熱材125dが、固体から液体に相変化して吸熱する。
一方で、潜熱蓄熱材125dは、低温側熱媒体の温度が自身の融点より低い領域で、低温側熱媒体に放熱して、相変化する。潜熱蓄熱材125dの融点は、カバー部120に蓄えられた熱を低温側熱媒体へ移動させる際の低温側熱媒体の温度よりも高く設定されている。このため、カバー部120に蓄えられた熱を低温側熱媒体へ移動させる際には、潜熱蓄熱材125dが液体から固体に相変化して低温側熱媒体へ放熱する。
骨格材料125b及びカプセル125cは、耐熱性を有する。具体的には、ハウジング111に想定される温度範囲では、骨格材料125b及びカプセル125cは固体である。このため、カバー部120全体としても、ハウジング111に想定される温度範囲内では固体となり、外観形状の変化しない固定形状の部材となる。このように、潜熱蓄熱材125dは、顕熱蓄熱材であるカプセル125c及び骨格材料125bによって保持されている。
伝熱促進部126は、熱伝導率に優れた金属材料(例えば、銅やアルミニウム等)で構成されている。図3に示すように、伝熱促進部126は、略円弧板形状の部材であり、2つの伝熱促進部126を圧縮部110の外周側に配置すると、2つの伝熱促進部126は、一体となって略円筒形状となる。伝熱促進部126は、第1蓄熱部121及び第2蓄熱部122のそれぞれの内周面に、第1蓄熱部121及び第2蓄熱部122と一体となるように取り付けられている。
伝熱促進部126の内周面は、ハウジング111の外周面に対応した形状となっている。伝熱促進部126の内周面とハウジング111の外周面との間には、熱伝導性に優れ柔軟な材料で構成された熱抵抗低減部材127が配置されている。熱抵抗低減部材127は、グリースに金属等の熱伝導性フィラーを分散させた熱伝導グリースや、シリコーンに熱伝導性フィラーを分散させた熱伝導シート等の軟体材料である。この熱抵抗低減部材127によって、ハウジング111の外周面と伝熱促進部126の内周面との熱抵抗が低減される。
伝熱促進部126の外周面は、第1蓄熱部121及び第2蓄熱部122のそれぞれの内周面との接触面積を増大させるための接触面積増大部126aが形成されている。本実施形態では、接触面積増大部126aは、第1蓄熱部121側や第2蓄熱部122側に突出したフィン形状であり、圧縮機11の軸線方向に沿って延びる形状に形成されている。さらに、接触面積増大部126aは、周方向に並列に複数形成されている。
従って、本実施形態の圧縮機11では、圧縮部110を作動させると、圧縮機構の圧縮仕事による冷媒の温度上昇や、ジュール熱による電動モータの温度上昇によって、圧縮部110全体の温度が上昇する。更に、温度上昇した圧縮部110の有する熱の一部は、排熱としてハウジング111から伝熱促進部126を介して第1蓄熱部121及び第2蓄熱部122に蓄熱される。
次に、図1に示すように、圧縮機11の吐出口には、水−冷媒熱交換器12の冷媒通路の入口側が接続されている。水−冷媒熱交換器12は、圧縮機11から吐出された高圧冷媒を流通させる冷媒通路と、高温側熱媒体回路20を循環する高温側熱媒体を流通させる水通路とを有している。そして、水−冷媒熱交換器12は、冷媒通路を流通する高圧冷媒と、水通路を流通する高温側熱媒体とを熱交換させて、高温側熱媒体を加熱する加熱用の熱交換器である。高温側熱媒体回路20の詳細については後述する。
水−冷媒熱交換器12の冷媒通路の出口には、分岐部13aの冷媒流入口側が接続されている。分岐部13aは、水−冷媒熱交換器12の冷媒通路から流出した高圧冷媒の流れを分岐するものである。分岐部13aは、互いに連通する3つの冷媒流入出口を有する三方継手構造のもので、3つの流入出口のうち1つを冷媒流入口とし、残りの2つを冷媒流出口としたものである。
分岐部13aの一方の冷媒流出口には、冷却用膨張弁14を介して、室内蒸発器16の冷媒入口側が接続されている。分岐部13aの他方の冷媒流出口には、吸熱用膨張弁15を介して、チラー17の冷媒通路の入口側が接続されている。
冷却用膨張弁14は、少なくとも冷房モード時に、分岐部13aの一方の冷媒流出口から流出した冷媒を減圧させる冷却用減圧部である。更に、冷却用膨張弁14は、下流側に接続される室内蒸発器16へ流入する冷媒の流量を調整する冷却用流量調整部である。
冷却用膨張弁14は、絞り開度を変更可能に構成された弁体と、この弁体の開度を変化させる電動アクチュエータ(具体的には、ステッピングモータ)とを有して構成される電気式の可変絞り機構である。冷却用膨張弁14は、制御装置60から出力される制御信号(具体的には、制御パルス)によって、その作動が制御される。
更に、冷却用膨張弁14は、弁開度を全閉とすることで冷媒通路を閉塞する全閉機能を有している。この全閉機能により、冷却用膨張弁14は、室内蒸発器16へ冷媒を流入させる冷媒回路と室内蒸発器16へ冷媒を流入させない冷媒回路とを切り替えることができる。つまり、冷却用膨張弁14は、冷媒回路を切り替える回路切替部としての機能を兼ね備えている。
室内蒸発器16は、冷却用膨張弁14にて減圧された低圧冷媒と送風空気とを熱交換させる熱交換器である。室内蒸発器16は、少なくとも冷房モード時に、低圧冷媒を蒸発させて送風空気を冷却する冷却用の熱交換器である。室内蒸発器16は、室内空調ユニット50のケーシング51内に配置されている。室内空調ユニット50の詳細については後述する。
室内蒸発器16の冷媒出口には、蒸発圧力調整弁18の入口側が接続されている。蒸発圧力調整弁18は、室内蒸発器16における冷媒蒸発圧力を予め定めた基準圧力以上に維持する蒸発圧力調整部である。蒸発圧力調整弁18は、室内蒸発器16の出口側の冷媒圧力の上昇に伴って、弁開度を増加させる機械式の可変絞り機構で構成されている。
本実施形態では、蒸発圧力調整弁18として、室内蒸発器16における冷媒蒸発温度を、室内蒸発器16の着霜を抑制可能な着霜抑制基準温度(本実施形態では、1℃)以上に維持するものを採用している。
蒸発圧力調整弁18の出口には、合流部13bの一方の冷媒流入口側が接続されている。合流部13bは、蒸発圧力調整弁18から流出した冷媒の流れとチラー17から流出した冷媒の流れとを合流させるものである。合流部13bは、分岐部13aと同様の三方継手構造のもので、3つの流入出口のうち2つを冷媒流入口とし、残りの1つを冷媒流出口としたものである。合流部13bの冷媒流出口には、圧縮機11の吸入口側が接続されている。
吸熱用膨張弁15は、少なくとも暖房モード時に、分岐部13aの他方の冷媒流出口から流出した冷媒を減圧させる吸熱用減圧部である。すなわち、圧縮機11にて昇圧された高圧冷媒を減圧させる減圧部である。更に、吸熱用膨張弁15は、下流側に接続されるチラー17の冷媒通路へ流入する冷媒の流量を調整する吸熱用流量調整部である。
吸熱用膨張弁15の基本的構成は、冷却用膨張弁14と同様である。従って、吸熱用膨張弁15は、全閉機能を有する電気式の可変絞り機構である。更に、吸熱用膨張弁15は、チラー17の冷媒通路へ冷媒を流入させる冷媒回路とチラー17の冷媒通路へ冷媒を流入させない冷媒回路とを切り替えることができる。つまり、吸熱用膨張弁15は、冷却用膨張弁14と同様に、回路切替部としての機能を兼ね備えている。
チラー17は、吸熱用膨張弁15にて減圧された低圧冷媒を流通させる冷媒通路と、低温側熱媒体回路30を循環する低温側熱媒体を流通させる水通路とを有している。そして、チラー17は、少なくとも暖房モード時に、冷媒通路を流通する低圧冷媒と、水通路を流通する低温側熱媒体とを熱交換させて、低圧冷媒を蒸発させて吸熱作用を発揮させる吸熱用の熱交換器である。チラー17の冷媒通路の出口には、合流部13bの他方の冷媒流入口側が接続されている。低温側熱媒体回路30の詳細については後述する。
次に、高温側熱媒体回路20について説明する。高温側熱媒体回路20は、高温側熱媒体を循環させる回路である。高温側熱媒体としては、エチレングリコールを含む溶液、不凍液等を採用することができる。高温側熱媒体回路20には、水−冷媒熱交換器12の水通路、高温側熱媒体ポンプ21、ヒータコア22、高温側ラジエータ23、高温側流量調整弁24等が配置されている。
高温側熱媒体ポンプ21は、高温側熱媒体を水−冷媒熱交換器12の水通路の入口側へ圧送する水ポンプである。高温側熱媒体ポンプ21は、制御装置60から出力される制御電圧によって、回転数(すなわち、圧送能力)が制御される電動ポンプである。
水−冷媒熱交換器12の水通路の出口には、高温側流量調整弁24の1つの流入出口が接続されている。高温側流量調整弁24は、3つの流入出口を有し、そのうち2つの流入出口の通路面積比を連続的に調整可能な電気式の三方流量調整弁である。高温側流量調整弁24は、制御装置60から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
高温側流量調整弁24の別の流入出口には、ヒータコア22の熱媒体入口側が接続されている。高温側流量調整弁24の更に別の流入出口には、高温側ラジエータ23の熱媒体入口側が接続されている。
そして、高温側流量調整弁24は、高温側熱媒体回路20において、水−冷媒熱交換器12の水通路から流出した高温側熱媒体のうち、ヒータコア22へ流入させる高温側熱媒体の流量と高温側ラジエータ23へ流入させる高温側熱媒体の流量との流量比を連続的に調整する機能を有している。
ヒータコア22は、水−冷媒熱交換器12にて加熱された高温側熱媒体と室内蒸発器16を通過した送風空気とを熱交換させて、送風空気を加熱する熱交換器である。ヒータコア22は、室内空調ユニット50のケーシング51内に配置されている。ヒータコア22の熱媒体出口には、高温側熱媒体ポンプ21の吸入口側が接続されている。
高温側ラジエータ23は、水−冷媒熱交換器12にて加熱された高温側熱媒体と図示しない外気ファンから送風された外気とを熱交換させて、高温側熱媒体の有する熱を外気に放熱させる熱交換器である。
高温側ラジエータ23は、駆動用装置室内の前方側に配置されている。このため、車両走行時には、高温側ラジエータ23に走行風を当てることができる。高温側ラジエータ23は、水−冷媒熱交換器12等と一体的に形成されていてもよい。高温側ラジエータ23の熱媒体出口には、高温側熱媒体ポンプ21の吸入口側が接続されている。
従って、高温側熱媒体回路20では、高温側流量調整弁24が、ヒータコア22へ流入する高温側熱媒体の流量を調整することによって、ヒータコア22における高温側熱媒体の送風空気への放熱量、すなわち、ヒータコア22における送風空気の加熱量を調整することができる。
つまり、本実施形態では、水−冷媒熱交換器12及び高温側熱媒体回路20の各構成機器によって、圧縮機11から吐出された冷媒を熱源として送風空気を加熱する加熱部が構成されている。
次に、低温側熱媒体回路30について説明する。低温側熱媒体回路30は、低温側熱媒体を循環させる熱媒体循環回路である。低温側熱媒体としては、高温側熱媒体と同様の流体を採用することができる。低温側熱媒体回路30には、チラー17の水通路、低温側熱媒体ポンプ31、低温側ラジエータ33、低温側流量調整弁34等が配置されている。
更に、低温側熱媒体回路30には、バッテリ32の冷却水通路が接続されている。バッテリ32は、車両に搭載された各種電気機器に電力を供給するものである。バッテリ32は、充放電可能な二次電池(本実施形態では、リチウムイオン電池)である。この種のバッテリ32は充放電時に発熱を伴う。このため、バッテリ32の冷却水通路は、低温側熱媒体を流通させることで、バッテリ32全体を冷却できるように形成されている。
また、バッテリ32は、低温になると化学反応が進みにくく充放電の関して充分な性能を発揮することができない。一方、高温になると劣化が進行しやすくなる。従って、バッテリ32の温度は、充分な性能を発揮できる適正な温度帯(例えば、10℃以上、かつ、40℃以下)の範囲内に調整されている必要がある。
低温側熱媒体ポンプ31は、低温側熱媒体をチラー17の水通路の入口側へ圧送する水ポンプである。低温側熱媒体ポンプ31の基本的構成は、高温側熱媒体ポンプ21と同様である。チラー17の水通路の出口側には、低温側ラジエータ33の熱媒体入口側が接続されている。低温側ラジエータ33は、チラー17から流出した低温側熱媒体と図示しない外気ファンから送風された外気とを熱交換させる外気熱交換器である。
低温側ラジエータ33は、低温側熱媒体の温度が外気よりも高くなっている場合には、低温側熱媒体の有する熱を外気に放熱させる放熱用の外気熱交換器として機能する。また、低温側熱媒体の温度が外気よりも低くなっている場合には、外気の有する熱を低温側熱媒体に吸熱させる吸熱用の外気熱交換器として機能する。
更に、低温側熱媒体回路30には、バイパス通路35が設けられている。バイパス通路35は、チラー17の水通路から流出した低温側熱媒体を、低温側ラジエータ33を迂回させて、低温側熱媒体ポンプ31の吸入口側へ導く通路である。バイパス通路35には、バッテリ32の冷却水通路が接続されている。
バイパス通路35の出口部には、低温側流量調整弁34が配置されている。低温側流量調整弁34の基本的構成は、高温側流量調整弁24と同様である。低温側流量調整弁34は、低温側熱媒体回路30において、バイパス通路35を流通する低温側熱媒体の流量を調整する流量調整弁である。
従って、低温側熱媒体回路30では、低温側流量調整弁34が、バイパス通路35(すなわち、バッテリ32の冷却水通路)を流通する低温側熱媒体の流量を調整することによって、バッテリ32の温度を調整することができる。
また、冷凍サイクル装置10は、チラー17の水通路の出口側の低温側熱媒体回路30とカバー部120の流入口121dとを接続する第1接続流路45を有している。更に、冷凍サイクル装置10は、カバー部120の流出口122bと低温側ラジエータ33の入口側の低温側熱媒体回路30とを接続する第2接続流路46を有している。
第1接続流路45と低温側熱媒体回路30との接続部には、第1接続流路45の入口部を開放又は閉塞する開閉弁47が配置されている。本実施形態では、開閉弁47は、3つの流入出口を有する三方弁である。開閉弁47は、制御装置60から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
開閉弁47が開き、低温側熱媒体が低温側熱媒体回路30から第1接続流路45に流入すると、カバー部120の流体流路120aに低温側熱媒体が流通する。すると、カバー部120において、カバー部120と低温側熱媒体とが熱交換して、低温側熱媒体が加熱される。そして、加熱された低温側熱媒体は、第2接続流路46を流通して、低温側ラジエータ33の流入側の低温側熱媒体回路30に流入し、圧縮部110の排熱が、低温側ラジエータ33側に搬送される。
次に、室内空調ユニット50について説明する。室内空調ユニット50は、冷凍サイクル装置10において、冷凍サイクル装置10によって温度調整された送風空気を車室内の適切な箇所へ吹き出すための空気通路を形成するものである。室内空調ユニット50は、車室内であって、車室内最前部の計器盤(すなわち、インストルメントパネル)の内側に配置されている。
室内空調ユニット50は、その外殻を形成するケーシング51の内部に形成される空気通路に、送風機52、室内蒸発器16、ヒータコア22等を収容したものである。
ケーシング51は、車室内に送風される送風空気の空気通路を形成するもので、ある程度の弾性を有し、強度的にも優れた樹脂(具体的には、ポリプロピレン)にて成形されている。ケーシング51の送風空気流れ最上流側には、内外気切替装置53が配置されている。内外気切替装置53は、ケーシング51内へ内気(車室内空気)と外気(車室外空気)とを切替導入するものである。
内外気切替装置53は、ケーシング51内へ内気を導入させる内気導入口及び外気を導入させる外気導入口の開口面積を、内外気切替ドアによって連続的に調整して、内気の導入風量と外気の導入風量との導入割合を変化させることができる。内外気切替ドアは、内外気切替ドア用の電動アクチュエータによって駆動される。この電動アクチュエータは、制御装置60から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
内外気切替装置53の送風空気流れ下流側には、送風機52が配置されている。送風機52は、内外気切替装置53を介して吸入した空気を車室内へ向けて送風する機能を果たす。送風機52は、遠心多翼ファンを電動モータにて駆動する電動送風機である。送風機52は、制御装置60から出力される制御電圧によって、回転数(すなわち、送風能力)が制御される。
送風機52の送風空気流れ下流側には、室内蒸発器16及びヒータコア22が、送風空気の流れに対して、この順に配置されている。つまり、室内蒸発器16は、ヒータコア22よりも送風空気流れ上流側に配置されている。また、ケーシング51内には、室内蒸発器16を通過した送風空気を、ヒータコア22を迂回させて下流側へ流す冷風バイパス通路55が形成されている。
室内蒸発器16の送風空気流れ下流側であって、かつ、ヒータコア22の送風空気流れ上流側には、エアミックスドア54が配置されている。エアミックスドア54は、室内蒸発器16を通過後の送風空気のうち、ヒータコア22を通過させる風量と冷風バイパス通路55を通過させる風量との風量割合を調整するものである。
エアミックスドア54は、エアミックスドア駆動用の電動アクチュエータによって駆動される。この電動アクチュエータは、制御装置60から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
ヒータコア22の送風空気流れ下流側には、ヒータコア22にて加熱された送風空気と冷風バイパス通路55を通過してヒータコア22にて加熱されていない送風空気とを混合させる混合空間56が設けられている。更に、ケーシング51の送風空気流れ最下流部には、混合空間56にて混合された送風空気(空調風)を、車室内へ吹き出す開口穴が配置されている。
この開口穴としては、フェイス開口穴、フット開口穴、及びデフロスタ開口穴(いずれも図示せず)が設けられている。フェイス開口穴は、車室内の乗員の上半身に向けて空調風を吹き出すための開口穴である。フット開口穴は、乗員の足元に向けて空調風を吹き出すための開口穴である。デフロスタ開口穴は、車両前面窓ガラス内側面に向けて空調風を吹き出すための開口穴である。
これらのフェイス開口穴、フット開口穴、及びデフロスタ開口穴は、それぞれ空気通路を形成するダクトを介して、車室内に設けられたフェイス吹出口、フット吹出口及びデフロスタ吹出口(いずれも図示せず)に接続されている。
従って、エアミックスドア54が、ヒータコア22を通過させる風量と冷風バイパス通路55を通過させる風量との風量割合を調整することによって、混合空間56にて混合される空調風の温度が調整される。これにより、各吹出口から車室内へ吹き出される送風空気(空調風)の温度も調整される。
また、フェイス開口穴、フット開口穴、及びデフロスタ開口穴の送風空気流れ上流側には、それぞれ、フェイス開口穴の開口面積を調整するフェイスドア、フット開口穴の開口面積を調整するフットドア、デフロスタ開口穴の開口面積を調整するデフロスタドア(いずれも図示せず)が配置されている。
これらのフェイスドア、フットドア、デフロスタドアは、空調風が吹き出される吹出口を切り替える吹出モード切替装置を構成するものである。フェイスドア、フットドア、デフロスタドアは、リンク機構等を介して、吹出口モードドア駆動用の電動アクチュエータに連結されて連動して回転操作される。この電動アクチュエータは、制御装置60から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
次に、図5のブロック図を用いて、本実施形態の電気制御部の概要について説明する。制御装置60は、CPU、ROM及びRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成されている。そして、そのROM内に記憶された空調制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行い、その出力側に接続された各種制御対象機器11、14、15、21、24、31、34、47、52等の作動を制御する。
また、制御装置60の入力側には、図5に示すように、内気温センサ62a、外気温センサ62b、日射センサ62c、高圧センサ62d、蒸発器温度センサ62e、空調風温度センサ62f、バッテリ温度センサ62g、低温側熱媒体温度センサ62h等の制御用のセンサ群が接続されている。制御装置60には、これらのセンサ群の検出信号が入力される。
内気温センサ62aは、車室内温度(内気温)Trを検出する内気温検出部である。外気温センサ62bは、車室外温度(外気温)Tamを検出する外気温検出部である。日射センサ62cは、車室内へ照射される日射量Asを検出する日射量検出部である。高圧センサ62dは、圧縮機11の吐出口側から冷却用膨張弁14あるいは吸熱用膨張弁15の入口側へ至る冷媒流路の高圧冷媒圧力Pdを検出する冷媒圧力検出部である。
蒸発器温度センサ62eは、室内蒸発器16における冷媒蒸発温度(蒸発器温度)Tefinを検出する蒸発器温度検出部である。空調風温度センサ62fは、混合空間56から車室内へ送風される送風空気温度TAVを検出する空調風温度検出部である。
バッテリ温度センサ62gは、バッテリ32の温度Tbを検出するバッテリ温度検出部である。バッテリ温度センサ62gは、複数の温度センサを有し、バッテリ32の複数の箇所の温度を検出している。このため、制御装置60では、バッテリ32の温度Tbとして、複数の温度センサの検出値の平均値を採用している。
低温側熱媒体温度センサ62hは、低温側熱媒体回路30を流通する低温側熱媒体の温度を検出する低温側熱媒体温度検出部である。本実施形態では、低温側熱媒体温度センサ62hは、低温側ラジエータ33の入口側の低温側熱媒体回路30の低温側熱媒体の温度を検出している。
更に、制御装置60の入力側には、図5に示すように、車室内前部の計器盤付近に配置された操作パネル61が接続され、この操作パネル61に設けられた各種操作スイッチからの操作信号が入力される。
操作パネル61に設けられた各種操作スイッチとしては、具体的に、空調作動スイッチ、風量設定スイッチ、温度設定スイッチ等がある。空調作動スイッチは、乗員が車室内の空調を行うことを要求するための空調作動要求部である。風量設定スイッチは、乗員が送風機52の風量をマニュアル設定するための風量設定部である。温度設定スイッチは、車室内の設定温度を設定するための温度設定部である。
なお、本実施形態の制御装置60は、その出力側に接続された各種制御対象機器を制御する制御部が一体に構成されたものであるが、それぞれの制御対象機器の作動を制御する構成(ハードウェア及びソフトウェア)が、それぞれの制御対象機器の作動を制御する制御部を構成している。
例えば、制御装置60のうち、圧縮機11の作動を制御する構成は、圧縮機制御部60aを構成している。また、開閉弁47の作動を制御する構成は、開閉弁制御部60bを構成している。もちろん、圧縮機制御部60aや開閉弁制御部60b等の各制御部を別体に構成してもよい。
次に、上記構成における本実施形態の冷凍サイクル装置10の作動について説明する。上述の如く、本実施形態の冷凍サイクル装置10は、空調用の運転モードに応じて冷媒回路を切り替えることができる。空調用の運転モードは、予め制御装置60に記憶された空調制御プログラムが実行されることによって決定される。
空調制御プログラムは、車両システムが起動している状態で、操作パネル61の空調作動スイッチが投入(ON)されると実行される。空調制御プログラムでは、制御用のセンサ群によって検出された検出信号及び操作パネル61から出力される操作信号に基づいて、車室内へ送風される送風空気の目標吹出温度TAOを算出する。
目標吹出温度TAOは、以下数式F1によって算出される。
TAO=Kset×Tset−Kr×Tr−Kam×Tam−Ks×As+C…(F1)
なお、Tsetは、温度設定スイッチによって設定された設定温度である。Trは、内気温センサ62aによって検出された内気温である。Tamは、外気温センサ62bによって検出された外気温である。Asは、日射センサ62cによって検出された日射量である。Kset、Kr、Kam、Ksは制御ゲインであり、Cは補正用の定数である。
TAO=Kset×Tset−Kr×Tr−Kam×Tam−Ks×As+C…(F1)
なお、Tsetは、温度設定スイッチによって設定された設定温度である。Trは、内気温センサ62aによって検出された内気温である。Tamは、外気温センサ62bによって検出された外気温である。Asは、日射センサ62cによって検出された日射量である。Kset、Kr、Kam、Ksは制御ゲインであり、Cは補正用の定数である。
そして、空調制御プログラムでは、目標吹出温度TAO、検出信号、及び操作信号に基づいて、運転モードを切り替える。
更に、本実施形態の制御装置60では、図6に示す制御ルーチンを実行することによって、開閉弁47の作動を制御し、暖房モード時に低温側ラジエータの着霜を防止している。なお、図6に示す制御ルーチンは、空調制御プログラムのメインルーチンのサブルーチンとして所定の周期毎に実行される。
サブルーチンの、ステップS11にて、メインルーチンにて運転モードが暖房モードに切り替えられた際には、ステップS12へ進む。一方、ステップS11にて、運転モードが暖房モードに切り替えられていない際には、ステップS14へ進み、開閉弁制御部60bは、開閉弁47を閉じてメインルーチンへ戻る。
ステップS12において、以下に示す着霜条件(1)が成立した場合には、ステップS13へ進み、ステップS13へ進み、開閉弁制御部60bは、開閉弁47を開いてメインルーチンへ戻る。
着霜条件(1):低温側熱媒体温度センサ62hによって検出された、低温側ラジエータ33の入口側の低温側熱媒体の温度が、規定低温側熱媒体温度以下である場合。
着霜条件(1)は、低温側ラジエータ33に着霜が生じ得る運転条件であるか否かを判定する条件である。以下に、各運転モードの作動を説明する。
(a)冷房モード
冷房モードでは、制御装置60が、冷却用膨張弁14を冷媒減圧作用を発揮する絞り状態とし、吸熱用膨張弁15を全閉状態とする。
冷房モードでは、制御装置60が、冷却用膨張弁14を冷媒減圧作用を発揮する絞り状態とし、吸熱用膨張弁15を全閉状態とする。
これにより、冷房モードの冷凍サイクル装置10では、圧縮機11の吐出口→水−冷媒熱交換器12→分岐部13a→冷却用膨張弁14→室内蒸発器16→蒸発圧力調整弁18→合流部13b→圧縮機11の吸入口の順で冷媒が循環する蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。そして、このサイクル構成で、制御装置60は、出力側に接続された各種制御対象機器の作動を制御する。
例えば、制御装置60は、蒸発器温度センサ62eによって検出された冷媒蒸発温度Tefinが目標蒸発温度TEOとなるように圧縮機11へ出力される制御信号を決定する。目標蒸発温度TEOは、目標吹出温度TAOに基づいて、予め制御装置60に記憶された冷房モード用の制御マップを参照して決定される。
具体的には、この制御マップでは、空調風温度センサ62fによって検出された送風空気温度TAVが目標吹出温度TAOに近づくように、目標吹出温度TAOの上昇に伴って目標蒸発温度TEOを上昇させる。更に、目標蒸発温度TEOは、室内蒸発器16の着霜を抑制可能な範囲(具体的には、1℃以上)の値に決定される。
また、制御装置60は、室内蒸発器16の出口側の冷媒の過熱度が予め定めた基準過熱度(本実施形態では、3℃)に近づくように、冷却用膨張弁14へ出力される制御信号を決定する。
また、制御装置60は、予め定めた冷房モード時の圧送能力を発揮するように、高温側熱媒体ポンプ21を作動させる。更に、制御装置60は、水−冷媒熱交換器12の水通路から流出した高温側熱媒体の全流量が高温側ラジエータ23へ流入するように、高温側流量調整弁24へ出力される制御信号を決定する。
また、制御装置60は、目標吹出温度TAOに基づいて、予め制御装置60に記憶された制御マップを参照して送風機52へ出力される制御電圧を決定する。具体的には、この制御マップでは、目標吹出温度TAOの極低温域(最大冷房域)及び極高温域(最大暖房域)で送風機52の送風量を最大とし、中間温度域に近づくに伴って送風量を減少させる。
また、制御装置60は、冷風バイパス通路55を全開としてヒータコア22側の通風路を閉塞するように、エアミックスドア駆動用の電動アクチュエータへ出力される制御信号を決定する。更に、制御装置60は、その他の各種制御対象機器へ出力される制御信号等を適宜決定する。
そして、制御装置60は、上記の如く決定された制御信号等を各種制御対象機器へ出力する。その後、車室内の空調の停止が要求されるまで、所定の制御周期毎に、上述の検出信号及び操作信号の読み込み→目標吹出温度TAOの算出→各種制御対象機器へ出力される制御信号等の決定→制御信号等の出力といった制御ルーチンが繰り返される。なお、このような制御ルーチンの繰り返しは、他の運転モード時にも同様に行われる。
従って、冷房モードの冷凍サイクル装置10では、圧縮機11から吐出された高圧冷媒が、水−冷媒熱交換器12へ流入する。水−冷媒熱交換器12では、高温側熱媒体ポンプ21が作動しているので、高圧冷媒と高温側熱媒体が熱交換して、高圧冷媒が冷却されて凝縮し、高温側熱媒体が加熱される。
高温側熱媒体回路20では、水−冷媒熱交換器12にて加熱された高温側熱媒体が、高温側流量調整弁24を介して、高温側ラジエータ23へ流入する。高温側ラジエータ23へ流入した高温側熱媒体は、外気と熱交換して放熱する。これにより、高温側熱媒体が冷却される。高温側ラジエータ23にて冷却された高温側熱媒体は、高温側熱媒体ポンプ21に吸入されて再び水−冷媒熱交換器12の水通路へ圧送される。
水−冷媒熱交換器12の冷媒通路にて冷却された高圧冷媒は、分岐部13aを介して、冷却用膨張弁14へ流入して減圧される。この際、冷却用膨張弁14の絞り開度は、室内蒸発器16の出口側の冷媒の過熱度が基準過熱度に近づくように調整される。
冷却用膨張弁14にて減圧されて気液二相状態となった低圧冷媒は、室内蒸発器16へ流入する。室内蒸発器16へ流入した冷媒は、送風機52から送風された送風空気から吸熱して蒸発する。これにより、送風空気が冷却されて、送風空気温度TAVが目標吹出温度TAOに近づく。室内蒸発器16から流出した冷媒は、蒸発圧力調整弁18及び合流部13bを介して、圧縮機11へ吸入されて再び圧縮される。
従って、冷房モードでは、室内蒸発器16にて冷却された送風空気を車室内へ吹き出すことによって、車室内の冷房を行うことができる。
ここで、冷房モードは、外気温Tamが比較的高くなっている時(例えば、外気温が25℃以上となっている時)に実行される運転モードである。このため、バッテリ32の温度が、自己発熱によって、適正な温度帯よりも上昇してしまうおそれがある。
そこで、制御装置60は、バッテリ温度センサ62gによって検出されたバッテリ32の温度Tbが予め定めた基準バッテリ温度以上となっている際には、予め定めた圧送能力を発揮するように、低温側熱媒体ポンプ31を作動させる。更に、制御装置60は、バッテリ32の温度Tbが適正な温度帯に維持されるように、低温側流量調整弁34の作動を制御する。
このような制御装置60による電気機器の温度調整は、冷房モードに限定されることなく、除湿暖房モード及び暖房モードにおいても、必要に応じて実行される。更に、車両システム全体が起動していれば、車室内の空調が行われているか否かを問わず(すなわち、空調制御プログラムが実行されているか否かを問わず)、必要に応じて実行される。
(b)除湿暖房モード
除湿暖房モードでは、制御装置60が、冷却用膨張弁14を絞り状態とし、吸熱用膨張弁15を絞り状態とする。
除湿暖房モードでは、制御装置60が、冷却用膨張弁14を絞り状態とし、吸熱用膨張弁15を絞り状態とする。
これにより、除湿暖房モードの冷凍サイクル装置10では、圧縮機11の吐出口→水−冷媒熱交換器12→分岐部13a→冷却用膨張弁14→室内蒸発器16→蒸発圧力調整弁18→合流部13b→圧縮機11の吸入口の順で冷媒が循環するとともに、圧縮機11の吐出口→水−冷媒熱交換器12→分岐部13a→吸熱用膨張弁15→チラー17→合流部13b→圧縮機11の吸入口の順で冷媒が循環する蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。
つまり、除湿暖房モードでは、室内蒸発器16及びチラー17が、並列的に接続される冷媒回路に切り替えられる。そして、このサイクル構成で、制御装置60は、出力側に接続された各種制御対象機器の作動を制御する。
例えば、制御装置60は、高圧センサ62dによって検出された高圧冷媒圧力Pdが目標高圧PCOとなるように圧縮機11へ出力される制御信号を決定する。目標高圧PCOは、目標吹出温度TAOに基づいて、予め制御装置60に記憶された除湿暖房モード用の制御マップを参照して決定される。
具体的には、この制御マップでは、送風空気温度TAVが目標吹出温度TAOに近づくように、目標吹出温度TAOの上昇に伴って目標高圧PCOを上昇させる。
また、制御装置60は、目標吹出温度TAO及び外気温Tamに基づいて、予め制御装置60に記憶された除湿暖房モード用の制御マップを参照して、冷却用膨張弁14へ出力される制御信号及び吸熱用膨張弁15へ出力される制御信号を決定する。
具体的には、この制御マップでは、チラー17における冷媒蒸発温度が少なくとも外気温Tamより低い温度となるように吸熱用膨張弁15の絞り開度を決定する。また、冷却用膨張弁14の絞り開度については、吸熱用膨張弁15の絞り開度よりも大きくなる範囲で決定する。
また、制御装置60は、予め定めた除湿暖房モード時の圧送能力を発揮するように、高温側熱媒体ポンプ21を作動させる。更に、制御装置60は、水−冷媒熱交換器12の水通路から流出した高温側熱媒体の全流量がヒータコア22へ流入するように、高温側流量調整弁24へ出力される制御信号を決定する。
また、制御装置60は、予め定めた除湿暖房モード時の圧送能力を発揮するように、低温側熱媒体ポンプ31を作動させる。
また、制御装置60は、冷房モードと同様に、送風機52へ出力される制御電圧を決定する。また、制御装置60は、ヒータコア22側の通風路を全開として冷風バイパス通路55を閉塞するように、エアミックスドア駆動用の電動アクチュエータへ出力される制御信号を決定する。更に、制御装置60は、その他の各種制御対象機器へ出力される制御信号等を適宜決定する。
従って、除湿暖房モードの冷凍サイクル装置10では、圧縮機11から吐出された高温高圧の冷媒が、水−冷媒熱交換器12へ流入する。水−冷媒熱交換器12では、高温側熱媒体ポンプ21が作動しているので、高圧冷媒と高温側熱媒体が熱交換して、高圧冷媒が冷却されて凝縮し、高温側熱媒体が加熱される。
高温側熱媒体回路20では、水−冷媒熱交換器12にて加熱された高温側熱媒体が、高温側流量調整弁24を介して、ヒータコア22へ流入する。ヒータコア22へ流入した高温側熱媒体は、エアミックスドア54がヒータコア22側の通風路を全開としているので、室内蒸発器16を通過した送風空気と熱交換して放熱する。これにより、室内蒸発器16を通過した送風空気が加熱されて、送風空気の温度が目標吹出温度TAOに近づく。
ヒータコア22から流出した高温側熱媒体は、高温側熱媒体ポンプ21に吸入されて再び水−冷媒熱交換器12の水通路へ圧送される。
水−冷媒熱交換器12の冷媒通路から流出した高圧冷媒は、分岐部13aにて分岐される。分岐部13aにて分岐された一方の冷媒は、冷却用膨張弁14へ流入して減圧される。冷却用膨張弁14にて減圧されて気液二相状態となった低圧冷媒は、室内蒸発器16へ流入する。室内蒸発器16へ流入した冷媒は、送風機52から送風された送風空気から吸熱して蒸発する。これにより、送風空気が冷却されて除湿される。
この際、室内蒸発器16における冷媒蒸発温度は、圧縮機11の冷媒吐出能力によらず、蒸発圧力調整弁18の作用によって、1℃以上に維持される。従って、室内蒸発器16に着霜が生じてしまうことはない。室内蒸発器16から流出した冷媒は、蒸発圧力調整弁18を介して合流部13bの一方の冷媒流入口へ流入する。
分岐部13aにて分岐された他方の冷媒は、吸熱用膨張弁15へ流入して減圧される。この際、吸熱用膨張弁15の絞り開度は、チラー17における冷媒蒸発温度が少なくとも外気温Tamより低い温度となるように調整される。吸熱用膨張弁15にて減圧されて気液二相状態となった低圧冷媒は、チラー17へ流入する。チラー17へ流入した冷媒は、低温側熱媒体から吸熱して蒸発する。
低温側熱媒体回路30では、チラー17にて冷却された低温側熱媒体が、低温側ラジエータ33へ流入する。低温側ラジエータ33では、低温側熱媒体が外気から吸熱する。これにより、低温側熱媒体の温度は、外気温Tamに近づく。低温側ラジエータ33から流出した低温側熱媒体は、低温側熱媒体ポンプ31へ吸入されて、再びチラー17の水通路側へ圧送される。
チラー17から流出した冷媒は、合流部13bの他方の冷媒流入口へ流入し、蒸発圧力調整弁18から流出した冷媒と合流する。合流部13bから流出した冷媒は、圧縮機へ吸入されて再び圧縮される。
従って、除湿暖房モードでは、室内蒸発器16にて冷却されて除湿された送風空気を、ヒータコア22で再加熱して車室内へ吹き出すことによって、車室内の除湿暖房を行うことができる。
(c)暖房モード
暖房モードでは、制御装置60が、冷却用膨張弁14を全閉状態とし、吸熱用膨張弁15を絞り状態とする。
暖房モードでは、制御装置60が、冷却用膨張弁14を全閉状態とし、吸熱用膨張弁15を絞り状態とする。
これにより、暖房モードの冷凍サイクル装置10では、圧縮機11の吐出口→水−冷媒熱交換器12→分岐部13a→吸熱用膨張弁15→チラー17→合流部13b→圧縮機11の吸入口の順で冷媒が循環する蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。
そして、このサイクル構成で、制御装置60は、出力側に接続された各種制御対象機器の作動を制御する。
例えば、制御装置60は、除湿暖房モードと同様に、圧縮機11へ出力される制御信号を決定する。また、制御装置60は、目標吹出温度TAO及び外気温Tamに基づいて、予め制御装置60に記憶された暖房モード用の制御マップを参照して、吸熱用膨張弁15へ出力される制御信号を決定する。具体的には、この制御マップでは、チラー17における冷媒蒸発温度が、少なくとも外気温Tam以下となるように決定される。
また、制御装置60は、予め定めた暖房モード時の圧送能力を発揮するように、高温側熱媒体ポンプ21を作動させる。更に、制御装置60は、除湿暖房モードと同様に、水−冷媒熱交換器12の水通路から流出した高温側熱媒体の全流量がヒータコア22へ流入するように、高温側流量調整弁24へ出力される制御信号を決定する。
また、制御装置60は、予め定めた暖房モード時の圧送能力を発揮するように、低温側熱媒体ポンプ31を作動させる。
また、制御装置60は、冷房モード及び除湿暖房モードと同様に、送風機52へ出力される制御電圧を決定する。また、制御装置60は、除湿暖房モードと同様に、ヒータコア22側の通風路を全開として冷風バイパス通路55を閉塞するように、エアミックスドア駆動用の電動アクチュエータへ出力される制御信号を決定する。更に、制御装置60は、その他の各種制御対象機器へ出力される制御信号等を適宜決定する。
従って、暖房モードの冷凍サイクル装置10では、圧縮機11から吐出された高圧冷媒が、水−冷媒熱交換器12へ流入する。水−冷媒熱交換器12では、高温側熱媒体ポンプ21が作動しているので、高圧冷媒と高温側熱媒体が熱交換して、高圧冷媒が冷却されて凝縮し、高温側熱媒体が加熱される。
高温側熱媒体回路20では、水−冷媒熱交換器12にて加熱された高温側熱媒体が、高温側流量調整弁24を介して、ヒータコア22へ流入する。ヒータコア22へ流入した高温側熱媒体は、エアミックスドア54がヒータコア22側の通風路を全開としているので、室内蒸発器16を通過した送風空気と熱交換して放熱する。これにより、送風空気が加熱されて、送風空気温度TAVが目標吹出温度TAOに近づく。
ヒータコア22から流出した高温側熱媒体は、高温側熱媒体ポンプ21に吸入されて再び水−冷媒熱交換器12の水通路へ圧送される。
水−冷媒熱交換器12の冷媒通路から流出した高圧冷媒は、分岐部13aを介して、吸熱用膨張弁15へ流入して減圧される。この際、吸熱用膨張弁15の絞り開度は、チラー17における冷媒蒸発温度が外気温Tamより低い温度となるように調整される。これにより、低温側熱媒体は、チラー17にて、圧縮部110の表面温度よりも低い温度に冷却される。
低温側熱媒体回路30では、除湿暖房モードと同様に、チラー17にて冷却された低温側熱媒体が、低温側ラジエータ33へ流入する。低温側ラジエータ33では、低温側熱媒体が外気から吸熱する。これにより、低温側熱媒体の温度は、外気温Tamに近づく。低温側ラジエータ33から流出した低温側熱媒体は、低温側熱媒体ポンプ31へ吸入されて、再びチラー17の水通路側へ圧送される。
従って、暖房モードでは、ヒータコア22で加熱された送風空気を車室内へ吹き出すことによって、車室内の暖房を行うことができる。
ここで、図7のタイムチャートを用いて、冷凍サイクル装置10による空調が実行されていない状態から、冷凍サイクル装置10において暖房モードを開始した場合の、圧縮部110の放熱量、カバー部120の蓄熱量、及び低温側ラジエータ33に流入する低温側熱媒体の温度との関係について説明する。なお、図7における圧縮部110の放熱量及びカバー部120の蓄熱量は、単位時間当たりの熱量(W)であり、放熱量あるいは蓄熱量の積算値(J)を示すものではない。
圧縮部110が作動を開始すると、圧縮部110が熱を発生させてハウジング111から伝熱促進部126を介してカバー部120に放熱する。圧縮部110の放熱に伴って、カバー部120に圧縮部110が発生させた熱が蓄熱される。なお、図7において、一点鎖線で示す蓄熱量は、伝熱促進部126を有していない比較用のカバー部を備える圧縮機における蓄熱量を示している。
また、圧縮部110の作動開始時には、即効暖気のために圧縮部110の回転数を増加させるウォームアップ運転を行い、圧縮部110が高い回転数で運転される。このため、ウォームアップ運転が開始されてから通常運転に移行するまで、圧縮部110の放熱量は大きくなる。
一方で、圧縮部110の作動に伴って、低温側熱媒体回路30を流通する低温側熱媒体の温度は徐々に低下する。
そして、低温側熱媒体温度センサ62hによって検出された低温側熱媒体の温度が、規定低温側熱媒体温度以下となると(t1)、着霜条件(1)が成立する。すると、図5のステップS12でYESと判断されて、ステップS13において、開閉弁47が開く。すると、低温側熱媒体が、第1接続流路45を流通して、カバー部120に流体流路120aに流入する。そして、低温側熱媒体は、カバー部120に流体流路120aを流通する際に、カバー部120に蓄熱された圧縮機11の排熱を吸熱して昇温する。
そして、カバー部120に流体流路120aを流通して昇温した低温側熱媒体は、第2接続流路46を流通して、低温側熱媒体回路30に流入し、低温側熱媒体回路30を流通する低温側熱媒体の更なる温度の低下が抑制される。よって、低温側ラジエータ33の着霜が予防される。なお、図7において、破線で示す低温側熱媒体の温度は、開閉弁47が閉じたままの状態の低温側熱媒体回路30を流通する低温側熱媒体の温度を表している。
以上の如く、本実施形態の冷凍サイクル装置10によれば、冷凍サイクル装置10が冷媒回路を切り替えることによって、冷房モード、除湿暖房モード、暖房モードを切り替えることができ、車室内の快適な空調を実現することができる。
ここで、本実施形態のように、運転モードに応じて、冷媒回路を切り替える冷凍サイクル装置10では、サイクル構成の複雑化を招きやすい。
これに対して、本実施形態の冷凍サイクル装置10では、同一の熱交換器へ高圧冷媒を流入させる冷媒回路と低圧冷媒を流入させる冷媒回路とを切り替えることがない。つまり、いずれの冷媒回路に切り替えても室内蒸発器16及び室外熱交換器19へ高圧冷媒を流入させる必要がないので、サイクル構成の複雑化を招くことなく簡素な構成で冷媒回路を切り替えることができる。
更に、本実施形態の冷凍サイクル装置10では、暖房モード時に、カバー部120において圧縮部110の排熱を蓄熱させて回収することができる。そして、カバー部120に低温側熱媒体を流通させて、カバー部120に蓄熱された排熱を低温側ラジエータ33に供給して、低温側ラジエータ33の着霜を予防することができる。
そして、本実施形態の圧縮機11では、第1蓄熱部121及び第2蓄熱部122よりも熱伝導率の大きい伝熱促進部126が、圧縮部110と第1蓄熱部121及び第2蓄熱部122との間に配置されている。これによれば、圧縮部110と第1蓄熱部121や、圧縮部110と第2蓄熱部122との間の熱抵抗を低減することができる。
このため、図7に示すように、伝熱促進部126を有していない比較用のカバー部を備える圧縮機に対して、圧縮部110が発生させた熱を、短時間で充分に第1蓄熱部121及び第2蓄熱部122に蓄熱させることができる。よって、第1蓄熱部121及び第2蓄熱部122に蓄えられた熱を、効果的に利用することができる。つまり、暖房モード時に、低温側ラジエータ33の着霜を予防するために有効利用することができる。
また、本実施形態の圧縮機11では、伝熱促進部126は、圧縮部110の外周側に、圧縮部110を覆うように配置されている。これによれば、圧縮部110の外周側に放熱される熱を伝熱促進部126が受熱することができる。このため、圧縮部110が発生させた熱を無駄なく、第1蓄熱部121及び第2蓄熱部122に伝熱させて、蓄熱させることができる。
また、本実施形態の圧縮機11では、伝熱促進部126は、圧縮部110の外周面、第1蓄熱部121の内周面、及び第2蓄熱部122の内周面と接触している。これによれば、伝熱促進部126が圧縮部110や、第1蓄熱部121、第2蓄熱部122と離れている場合と比較して、圧縮部110と第1蓄熱部121及び第2蓄熱部122との間の熱抵抗を低減することができる。このため、圧縮部110が発生させた熱を、より短時間で充分に第1蓄熱部121及び第2蓄熱部122に蓄熱させることができる。
また、本実施形態の圧縮機11では、伝熱促進部126は、第1蓄熱部121側及び第2蓄熱部122側に突出して、第1蓄熱部121及び第2蓄熱部122との接触面積を増大させる接触面積増大部126aを有している。これによれば、伝熱促進部126と第1蓄熱部121との間の熱抵抗、及び伝熱促進部126と第2蓄熱部122との間の熱抵抗をより低減させることができる。このため、圧縮部110が発生させた熱を、より短時間で充分に第1蓄熱部121及び第2蓄熱部122に蓄熱させることができる。
また、本実施形態の圧縮機11では、伝熱促進部126は、金属で構成されている。これによれば、伝熱促進部126の伝熱促進部126の熱伝導率を容易に向上させることができる。このため、圧縮部110が発生させた熱を、より短時間で充分に第1蓄熱部121及び第2蓄熱部122に蓄熱させることができる。
また、本実施形態の圧縮機11では、図4に示すように、蓄熱材は、蓄熱時に相変化を伴う潜熱蓄熱材125d、及び潜熱蓄熱材125dを蓄熱時に相変化を伴わない顕熱蓄熱材であるカプセル125c及び骨格材料125bを有する。そして、潜熱蓄熱材125dは、顕熱蓄熱材であるカプセル125c及び骨格材料125bによって保持されている。
これによれば、蓄熱材は、潜熱蓄熱材125dを含んでいるので、蓄熱材全体を顕熱蓄熱材で形成した場合に対して、効率的な蓄熱を実現することができる。このため、カバー部120に蓄熱できる蓄熱量を増大させることができる。この結果、低温側ラジエータ33の着霜をより予防することができる。
また、本実施形態の圧縮機11では、顕熱蓄熱材であるカプセル125cは、相変化を伴わないため、固体の固定形状である。このため、顕熱蓄熱材であるカプセル125cは、液相状態となっている潜熱蓄熱材が流れ出てしまうことを抑制することができる。よって、カバー部120の蓄熱量を増大させつつ、カバー部120を容易に形成することができ、カバー部120の形状の自由度を向上させることができる。
また、本実施形態の圧縮機11では、潜熱蓄熱材125dの融点は、作動時の圧縮部110の表面温度よりも低く設定されている。これによれば、圧縮部110の作動時に、潜熱蓄熱材125dが固相から液相に相変化する。このため、潜熱蓄熱材125dの相変化に伴う潜熱蓄熱材125dの吸熱分だけ、カバー部120の蓄熱量を増大させることができる。
また、本実施形態の圧縮機11では、潜熱蓄熱材125dの融点は、蓄熱材であるカバー部120に蓄えられた熱を低温側熱媒体へ移動させる際の低温側熱媒体の温度よりも高く設定されている。これによれば、カバー部120に蓄えられた熱を流体へ移動させる際に、潜熱蓄熱材125dが液相から固相に相変化する。このため、潜熱蓄熱材125dの相変化に伴う潜熱蓄熱材125dの放熱分だけ、カバー部120の放熱量を増大させることができる。
このように、本実施形態の圧縮機11では、潜熱蓄熱材125dの相変化を利用して、圧縮部110の排熱を効率的に蓄熱させることができるとともに、カバー部120に蓄えられた熱を効率的に放熱させることができる。
また、本実施形態の圧縮機11では、伝熱促進部126と圧縮部110の外周面との間には、伝熱促進部126と圧縮部110との間の熱抵抗を低減させる軟体材料で構成された熱抵抗低減部材127が配置されている。これによれば、圧縮部110の外周面と第1蓄熱部121及び第2蓄熱部122の内周面との熱抵抗を低減させることができる。このため、圧縮部110が発生させた熱を、より短時間で充分に第1蓄熱部121及び第2蓄熱部122に蓄熱させることができる。
また、本実施形態の圧縮機11では、流体流路120aは、第1蓄熱部121及び第2蓄熱部122に形成されている。これによれば、低温側熱媒体を第1蓄熱部121及び第2蓄熱部122と直接接触させることができる。このため、低温側熱媒体と第1蓄熱部121及び第2蓄熱部122との熱交換効率を向上させて、第1蓄熱部121及び第2蓄熱部122に蓄えられた熱を、低温側熱媒体に充分に移動させることができる。よって、第1蓄熱部121及び第2蓄熱部122に蓄えられた熱を、効果的に利用することができる。つまり、暖房モード時に、低温側ラジエータ33の着霜を予防するために有効利用することができる。
また、本実施形態の圧縮機11では、空間120b内に、蛇行状の流体流路120aが形成されるように、第1蓄熱部121及び第2蓄熱部122の空間120bを仕切る隔壁120cが形成されている。これによれば、隔壁120cによって、流体流路120aの流路長を増大させることができる。このため、低温側熱媒体と蓄熱材との接触面積を増大させることができる。よって、低温側熱媒体と蓄熱材との熱交換効率をより向上させて、蓄熱材に蓄えられた熱を、低温側熱媒体により充分に移動させることができる。この結果、蓄熱材に蓄えられた熱を、より効果的に利用することができる。つまり、暖房モード時に、低温側ラジエータ33の着霜を予防するために有効利用することができる。
また、本実施形態の冷凍サイクル装置10は、低温側熱媒体によって圧縮部110が発生させた熱を搬送可能に構成されている。このため、圧縮部110が発生させた熱を効果的に有効利用することができる。
また、本実施形態の冷凍サイクル装置10は、冷媒を低温側熱媒体と熱交換させて蒸発させる蒸発器であるチラー17と、低温側熱媒体が循環し、低温側熱媒体によって加熱される加熱対象物である低温側ラジエータ33が配置されている低温側熱媒体回路30と、を有する。
これによれは、カバー部120に蓄熱された熱を、加熱対象物である低温側ラジエータ33の加熱に利用することができる。つまり、カバー部120に蓄熱された熱を低温側ラジエータ33に供給することにより、低温側ラジエータ33の着霜を予防することができる。また、低温側ラジエータ33が着霜している場合には、低温側ラジエータ33の除霜を行うことができる。
また、上述した着霜条件(1)が成立した場合に、開閉弁47を開放させることにより、流体流路120aにて蓄熱材と熱交換して加熱された低温側熱媒体を、低温側熱媒体回路30に流通させている。
これによれば、上述した着霜条件(1)が成立し、低温側ラジエータ33が着霜し易い状況において、流体流路120aにて加熱された低温側熱媒体を、低温側熱媒体回路30に流通させることによって、カバー部120に蓄熱された熱を低温側ラジエータ33に供給することができる。このため、低温側ラジエータ33の着霜を予防することができる。
また、上述した着霜条件(1)が成立せず、低温側ラジエータ33が着霜し難い状況では、低温側熱媒体が低温側熱媒体回路30に流通しない。このため、低温側ラジエータ33が着霜し難い状況において、圧縮部110の排熱が無駄に低温側ラジエータ33に供給されることが防止される。よって、低温側ラジエータ33が着霜し易い状況に備えて、圧縮部110で発生した熱を確実にカバー部120に蓄熱させることができる。
(他の実施形態)
本発明は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、以下のように種々変形可能である。
本発明は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、以下のように種々変形可能である。
(1)上述の実施形態では、本発明に係る冷凍サイクル装置10を電気自動車に適用した例を説明したが、冷凍サイクル装置10の適用はこれに限定されない。例えば、内燃機関から車両走行用の駆動力を得る通常のエンジン車両や、内燃機関及び電動モータの双方から車両走行用の駆動力を得るハイブリッド車両用に適用してもよい。更に、車両用に限定されることなく、定置型の温度調整装置等に適用してもよい。
(2)上述の実施形態では、空調用の運転モードを切替可能に構成された冷凍サイクル装置10について説明したが、空調用の運転モードの切替は必須ではない。少なくとも暖房モードを実行可能であれば、圧縮機11の排熱を充分に回収して有効に利用することができる。
(3)上述の実施形態では、蓄熱材として、蓄熱時に相変化を伴う潜熱蓄熱材125dを採用した例を説明したが、蓄熱材はこれに限定されない。例えば、蓄熱材は、金属部材等で形成されていてもよい。更に、蓄熱材は、蓄熱時に化学変化を伴う化学蓄熱材であってもよい。このような化学蓄熱材としては、アルカリ金属塩化物とアンモニアとを化学反応させる蓄熱材、アルカリ土類金属塩化物とアンモニアとを化学反応させる蓄熱材、遷移金属元素塩化物とアンモニアとを化学反応させる蓄熱材を採用することができる。
(4)顕熱蓄熱材である骨格材料125bを、作動時の圧縮部110の振動を減衰させる減衰材料(例えば、ゴム、発砲ウレタン等)で構成してもよい。この実施形態では、圧縮部110の作動時に、圧縮部110の振動がカバー部120で減衰され、圧縮部110の振動に起因する騒音を低減させることができる。
(5)開閉弁47を設けず、暖房モードにおいて、常時、低温側熱媒体がカバー部120の流体流路120aに流通する実施形態であってもよい。上述したように、圧縮部110の作動開始時には、圧縮部110の放熱量が大きい。本実施形態では、圧縮部110の作動開始時に圧縮部110が発生した大量の熱を、カバー部120に蓄熱させて回収することができる。そして、カバー部120において蓄熱された圧縮部110の排熱を低温側熱媒体に移動させることによって、低温側ラジエータ33の着霜を予防することができる。
(6)暖房モードにおいて、冷凍サイクル装置10の暖房能力が不足する場合に、開閉弁146を開放させて、カバー部120において蓄熱された圧縮部110の排熱を低温側熱媒体に移動させる実施形態であってよい。この実施形態では、低温側熱媒体回路30を流通する低温側熱媒体が昇温することにより、チラー17における低圧冷媒の吸熱量が増大し、水−冷媒熱交換器12における高温側熱媒体の加熱量が増大し、暖房モードにおける冷凍サイクル装置10の暖房能力が向上する。
(7)図6のステップ12で判断される着霜条件は、以下に示す着霜条件(2)、(3)であってもよい。
着霜条件(2):外気温センサ62bによって検出された外気温が、規定外気温以下である場合。
この着霜条件(2)は、低温側ラジエータ33に着霜が生じ得る運転条件であるか否かを判断する条件である。
着霜条件(3):空調風温度センサ62fよって検出された送風空気温度TAVが、規定送風空気温度以下である場合。
この着霜条件(3)は、低温側ラジエータ33に着霜が生じているか否かを判定するための条件である。低温側ラジエータ33が着霜すると、冷凍サイクル装置10の暖房能力が低下し、空調風温度センサ62fよって検出された送風空気温度TAVが低下する。よって、暖房モードにおいて、空調風温度センサ62fよって検出された送風空気温度TAVを検出することによって、低温側ラジエータ33に着霜が生じているか否かを判断することができる。
(8)冷凍サイクル装置10の各構成は、上述の実施形態に開示されたものに限定されない。
例えば、上述の実施形態で説明した冷凍サイクル装置10では、圧縮機11として、電動圧縮機を採用した例に説明したが、これに限定されない。例えば、エンジン駆動式の圧縮機を採用してもよい。エンジン駆動式の圧縮機としては、吐出容量を変化させることによって冷媒吐出能力を調整可能に構成された可変容量型圧縮機を採用してもよい。
また、上述の実施形態で説明した冷凍サイクル装置10に対して、内部に流入した冷媒の気液を分離して、サイクルの余剰液相冷媒を貯える気液分離部を追加してもよい。例えば、合流部13bの冷媒流出口から圧縮機11の吸入口へ至る冷媒流路に気液分離部としてのアキュムレータを配置してもよい。
更に、冷凍サイクル装置10に対して、水−冷媒熱交換器12の冷媒通路の出口から分岐部13aの冷媒流入口へ至る冷媒流路に気液分離部としてのレシーバを配置してもよい。
また、上述の実施形態で説明した冷凍サイクル装置10では、冷却用膨張弁14及び吸熱用膨張弁15として、全閉機能付きの電気式の可変絞り機構を採用した例を説明したが、これに限定されない。例えば、冷却用膨張弁14及び吸熱用膨張弁15の少なくとも一方に代えて、機械的機構で弁開度を調整する温度式膨張弁及び電気式の開閉弁を採用してもよい。
また、上述の実施形態では、第1接続流路45を流通する低温側熱媒体の流量を調整する流量調整部として開閉弁47を採用した例を説明したが、流量調整部はこれに限定されない。例えば、流量調整部として、冷却用膨張弁14や吸熱用膨張弁15と同様の可変絞り機構を採用してもよい。
また、上述の実施形態では、開閉弁47は、第1接続流路45と低温側熱媒体回路30との接続部に配置されている三方弁である。開閉弁47は、第1接続流路45又は第2接続流路46に配置され、第1接続流路45又は第2接続流路46を開放又は閉塞する弁であってもよい。
また、上述の実施形態では、冷凍サイクル装置10の冷媒としてR134aを採用した例を説明したが、冷媒はこれに限定されない。例えば、R1234yf、R600a、R410A、R404A、R32、R407C、等を採用してもよい。または、これらの冷媒のうち複数種を混合させた混合冷媒等を採用してもよい。
また、上述の実施形態では、水−冷媒熱交換器12及び高温側熱媒体回路20によって送風空気を加熱する加熱部を構成した例を説明したが、加熱部はこれに限定されない。例えば、加熱部として、圧縮機11から吐出された冷媒と送風空気とを直接的に熱交換させる室内凝縮器を採用してもよい。
また、上述の実施形態では、バッテリ32の温度を調整可能な低温側熱媒体回路30を説明したが、低温側熱媒体回路30の温度調整対象物はこれに限定されない。例えば、温度調整対象物は、インバータ、充電器、モータジェネレータ等であってもよい。更に、温度調整対象物は、複数であってもよい。
また、高温側ラジエータ23及び低温側ラジエータ33は、互いに独立した構成に限定されない。例えば、第1実施形態で説明した高温側ラジエータ23及び低温側ラジエータ33は、高温側熱媒体の有する熱と低温側熱媒体の有する熱が互いに熱移動可能に一体化されていてもよい。
具体的には、高温側ラジエータ23及び低温側ラジエータ33の一部の構成部品(例えば、熱交換フィン)を共通化することによって、熱媒体同士が熱移動可能に一体化されていてもよい。
11 圧縮機
110 圧縮部
121 第1蓄熱部(蓄熱部)
122 第2蓄熱部(蓄熱部)
120a 流体流路
126 伝熱促進部
110 圧縮部
121 第1蓄熱部(蓄熱部)
122 第2蓄熱部(蓄熱部)
120a 流体流路
126 伝熱促進部
Claims (13)
- 流体を圧縮して吐出する圧縮部(110)と、
前記圧縮部の外周側に配置され、前記圧縮部を覆うカバー部(120)と、を備え、
前記カバー部は、熱を蓄える蓄熱部(121、122)及び前記蓄熱部よりも熱伝導率の大きい伝熱促進部(126)を有し、
前記カバー部には、前記蓄熱部と熱交換する流体が流通する流体流路(120a)が形成され、
前記伝熱促進部は、前記圧縮部と前記蓄熱部との間に配置されている圧縮機。 - 前記伝熱促進部は、前記圧縮部の外周側に、前記圧縮部を覆うように配置されている請求項1に記載の圧縮機。
- 前記伝熱促進部は、前記圧縮部及び前記蓄熱部の双方と接触している請求項1又は2に記載の圧縮機。
- 前記伝熱促進部は、前記蓄熱部側に突出して、前記蓄熱部との接触面積を増大させる接触面積増大部(126a)を有している請求項3に記載の圧縮機。
- 前記伝熱促進部は、金属である請求項1ないし4のいずれか1つに記載の圧縮機。
- 前記蓄熱部は、蓄熱時に相変化を伴う潜熱蓄熱材(125d)及び前記潜熱蓄熱材を蓄熱時に相変化を伴わない顕熱蓄熱材(125c、125b)を有し、
前記潜熱蓄熱材は、前記顕熱蓄熱材で保持されている請求項1ないし5のいずれか1つに記載の圧縮機。 - 前記潜熱蓄熱材の融点は、作動時の前記圧縮部の表面温度よりも低く、且つ、前記蓄熱部に蓄えられた熱を前記流体へ移動させる際の前記流体の温度よりも高く設定されている請求項6に記載の圧縮機。
- 前記伝熱促進部と前記圧縮部の外周面との間には、前記伝熱促進部と前記圧縮部との間の熱抵抗を低減させる熱抵抗低減部材(127)が配置されている請求項1ないし7のいずれか1つに記載の圧縮機。
- 前記流体流路は、前記蓄熱部に形成されている請求項1ないし8のいずれか1つに記載の圧縮機。
- 冷媒を圧縮して吐出する圧縮機(11)を有する冷凍サイクル装置であって、
前記圧縮機は、
流体を圧縮して吐出する圧縮部(110)と、
前記圧縮部の外周側に配置され、前記圧縮部を覆うカバー部(120)と、を備え、
前記カバー部は、熱を蓄える蓄熱部(121、122)及び前記蓄熱部よりも熱伝導率の大きい伝熱促進部(126)を有し、
前記カバー部には、前記蓄熱部と熱交換する流体が流通する流体流路(120a)が形成され、
前記伝熱促進部は、前記圧縮部と前記蓄熱部との間に配置され、
前記流体によって前記圧縮部が発生させた熱を搬送可能に構成されている冷凍サイクル装置。 - 前記冷媒を熱媒体と熱交換させて蒸発させる蒸発器(17)と、
前記熱媒体が循環し、前記熱媒体によって加熱される加熱対象物が配置されている熱媒体回路(30)と、を更に有し、
前記流体は、前記熱媒体である請求項10に記載の冷凍サイクル装置。 - 前記加熱対象物は、前記熱媒体と外気とを熱交換させる外気熱交換器(33)である請求項11に記載の冷凍サイクル装置。
- 予め定めた基準条件を満たした際に、前記流体流路にて前記蓄熱部と熱交換して加熱された前記熱媒体を、前記熱媒体回路に流通させる請求項12に記載の冷凍サイクル装置。
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