JP2004132503A - 水素吸蔵合金の封入容器、及びこれを使用した水素貯蔵装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】水素の通過抵抗の増加を防止し、熱伝導率の低下を防止し、水素の吸蔵及び放出を迅速に行える水素吸蔵合金の容器と、この容器を使用する水素貯蔵装置を提供する。
【解決手段】水素吸蔵合金の封入容器1は、圧力容器2内に、間隔を有して配列された複数の熱伝導フィン12とフィルター10,11により水素吸蔵合金Mを収容する合金収容5室を形成し、入口フィルター10と出口フィルター11は、ろ過精度の異なる複数のフィルター10a〜10c,11a〜11cを積層して構成され、熱伝導フィン12は収容された水素吸蔵合金Mを加熱あるいは冷却する。封入容器1は、水素の吸蔵及び放出を行う際に、下方位置から上方位置に向けて水素を流すように合金収容室5を配置する。また、封入容器1は水素吸蔵合金Mを振動させる振動装置20を備える。
【選択図】 図2
【解決手段】水素吸蔵合金の封入容器1は、圧力容器2内に、間隔を有して配列された複数の熱伝導フィン12とフィルター10,11により水素吸蔵合金Mを収容する合金収容5室を形成し、入口フィルター10と出口フィルター11は、ろ過精度の異なる複数のフィルター10a〜10c,11a〜11cを積層して構成され、熱伝導フィン12は収容された水素吸蔵合金Mを加熱あるいは冷却する。封入容器1は、水素の吸蔵及び放出を行う際に、下方位置から上方位置に向けて水素を流すように合金収容室5を配置する。また、封入容器1は水素吸蔵合金Mを振動させる振動装置20を備える。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池等に使用する水素吸蔵合金の封入容器に係り、特に、水素ガスを迅速に、長期間亘って安定して吸蔵及び放出できる水素吸蔵合金の封入容器と、この封入容器を使用した水素貯蔵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の水素吸蔵合金の封入容器31は、例えば図11(a)に示すように、内部が板フィルタ32を介して2室に分かれており、一方は水素吸蔵合金Mが封入される合金収容室33であり、他方は水素移動用の溝34を形成する溝形成板35の収容室36であり、板フィルタ32及び溝形成板35の両者によって水素分配手段を構成している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、従来の水素吸蔵合金収容ユニットは、例えば図11(b)に示すように、加熱・冷却のための2本の熱媒管41に、複数のプレート状の熱媒管42を多数横架し、かつ、プレート状熱媒管の間に多数のフィン43を配することにより構成され、プレート状熱媒管とフィンで構成される空間に水素吸蔵合金Mを充填してえられる水素吸蔵合金収容ユニットであり、収容ユニットの周囲をフィルター44で被覆している(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−4244号公報(段落[0014]、図1)
【特許文献2】
特開7−330301号公報(特許請求の範囲、図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
水素吸蔵合金を用いた水素貯蔵システムでは、合金が本来持っている水素の速い吸蔵・放出速度をできるだけ有効に利用することが重要なポイントとなる。すなわち、水素を吸蔵するときには、発生する反応熱をできるだけ速やかに合金から取り去り、水素を放出するときには、吸収する反応熱をできるだけ速く合金に与えることが必要である。
【0006】
ところが粉末状の水素吸蔵合金自体の熱伝導率が低いこと(例えば、直径100μmのLaNi5 系では約30Wm−1K−1)、さらに、水素の吸蔵・放出の繰り返しにより合金が微粉化し、一層熱伝導率が低下する(例えば、直径10μmのLaNi5 系では概ね0.1〜1Wm−1K−1)。水素吸蔵合金の微粉化は水素の吸蔵により、合金の結晶内に水素が入り込み生じる結晶の歪みと水素の放出による歪みの緩和の繰り返しが原因で進行する。合金の微粉化は熱伝導率の低下の他に、水素ガスの通過抵抗を大きくし水素吸蔵合金が充填された容器内で水素が流れにくくなる。
【0007】
水素吸蔵合金容器は水素ガスの出入りを1個所で行う往復タイプと、水素ガスの出入口を別にする連続タイプがある。前記の特許文献1に記載の水素吸蔵合金の封入容器は往復タイプで、水素ガスの通過抵抗増加を抑制するものであり、特許文献2に記載の水素吸蔵合金収容ユニットは連続タイプで、水素の吸蔵と放出に関する熱の受け渡しを効果的に行い、微粉化に伴う容器の変形を防止するものである。
【0008】
ところで、前記特許文献1に記載の水素吸蔵合金の封入容器や、特許文献2に記載の収容ユニットにおいて、水素吸蔵合金は材料により違いはあるが、一般的に微粉化前の合金粒径は100μm程度のものを使用し、吸蔵・放出を繰り返していくと約数μm程度に微粉化するが、微粉化が進行しても水素の通過抵抗の増加を抑制することができると共に、合金の熱伝導率の低下を抑える容器の有用な手段がなかった。
【0009】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、合金の微粉化に伴う通過抵抗の増加、すなわち圧力損失の増加を防ぎ、容器内の水素移動量の低下を抑制することができる水素吸蔵合金の封入容器を提供することにある。また、合金の微粉化に伴う熱伝導率の低下を防止でき、水素の吸蔵及び放出を効率良く行うことができる水素吸蔵合金の封入容器を提供することにある。そして、前記の封入容器を使用し、水素の吸蔵及び放出を効率良く行える水素貯蔵装置を提供する。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成すべく、本発明に係る水素吸蔵合金の封入容器は、圧力容器内に、間隔を有して配列された複数の熱伝導フィンとフィルターにより水素吸蔵合金を収容する合金収容室を形成したもので、前記フィルターは、ろ過精度の異なる複数のフィルターを積層して構成され、熱伝導フィンは収容された水素吸蔵合金を加熱あるいは冷却することを特徴とする。熱伝導フィンは熱媒管や熱媒通路を流れる熱媒により加熱、冷却される。
【0011】
前記のごとく構成された本発明の水素吸蔵合金の封入容器は、水素を吸蔵するとき、あるいは水素を放出するときに、ろ過精度の異なる複数のフィルターで水素吸蔵合金を段階的に捕捉するため目詰まりを防止でき、水素の通過抵抗が増えるのを防止できる。また、微粉化した合金は適宜、粉末合金内から除かれ、出口フィルター部に捕捉されるため合金の熱伝導率の低下を防止でき、水素吸蔵合金の加熱、冷却が効率良くでき、水素の吸蔵及び放出を迅速に、長期間に亘って安定して行うことができる。
【0012】
また、本発明に係る水素吸蔵合金の封入容器の好ましい具体的な態様としては、前記封入容器は、水素の吸蔵及び放出を行う際に、下方位置から上方位置に向けて水素を流すように前記合金収容室を配置したことを特徴としている。そして、前記封入容器は3層構造で構成され、下層を水素の入口空間とし、中層を前記合金収容室とし、上層を水素の出口空間とすることが好ましい。
【0013】
この構成によれば、水素の吸蔵及び放出を行うとき、水素は下から上に向かって流れるため合金の横方向への偏在を防止でき、水素の吸蔵、放出時の容器の温度変化によって生ずる局所的な変形や損傷を防止でき、封入容器の耐久性を高めることができる。封入容器を3層構造とすることにより、水素を下方から上方に向けて安定して流すことができる。
【0014】
さらに、本発明に係る水素吸蔵合金の封入容器の好ましい具体的な他の態様としては、前記水素吸蔵合金を振動させる振動装置を備えることを特徴としている。振動装置としては、圧電振動子やモーターの回転軸に偏心マスを固定した振動装置等が用いられる。この構成によれば、合金収容室に収容された水素吸蔵合金に振動を与えて、収容室内での偏在を防止することができ、合金内に存在する微粉化した合金を入口フィルター側へ導くことで合金の熱伝導率の低下を防ぐことができる。
【0015】
本発明に係る水素貯蔵装置は、前記の封入容器の合金収容室に、水素吸蔵合金を収容したことを特徴とする。このように構成された本発明の水素貯蔵装置は、微粉化した合金を段階的に捕捉し、水素の通過抵抗の増加を防止できるため迅速な水素の吸蔵及び放出を可能とする。また、水素吸蔵合金の熱伝導率の低下を防止し、合金の吸蔵及び放出に伴う反応熱の授受を速やかに行え、迅速で高効率な水素の吸蔵と放出を達成することができる。さらに、合金の偏在に伴う封入容器の変形や損傷を防止することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る水素吸蔵合金の封入容器の一実施形態を図面に基づき詳細に説明する。図1は本実施形態に係る水素吸蔵合金の封入容器を使用した水素貯蔵装置の斜視図、図2は図1のA−A線断面図、図3は図2のB−B線断面図、図4はフィルターと水素吸蔵合金の関係を示す模式図、図5は図1の内部構造である熱伝導フィンとフィルターを分解した斜視図である。
【0017】
図1〜5において、水素を吸蔵及び放出する水素吸蔵合金の封入容器1は、直方体状の圧力容器2を備えており、例えばステンレススチール等の金属から形成され、所定の圧力に耐える構造をしている。圧力容器2の内部は、上下方向に分割された3層構造となっており、下層の空間は水素あるいは水素を含有する混合ガスが流入する入口空間3となっており、上層の空間は水素吸蔵合金から放出された水素を溜める出口空間4となっている。中層の空間は、後述する複数の熱伝導フィンと、熱伝導フィンの上下面を被覆するフィルターにより水素吸蔵合金を収容する合金収容室5を形成している。
【0018】
下層の入口空間3には水素あるいは混合ガスが流入する流入管6が接続され、上層の出口空間4には水素あるいは混合ガスが放出されて燃料電池等の機器に供給する流出管7が接続されている。また、中層の合金収容室5には室内の水素吸蔵合金を加熱、冷却する熱媒が通る熱媒管8が貫通しており、熱媒管8の端部は圧力容器2から突出し熱媒が入る入口管8aと、熱媒の出る出口管8bとなっている。流入管6、流出管7、入口管8a及び出口管8bと圧力容器2との接続部分は溶接等により気密状態となっている。本実施形態では、熱媒として空気を使用しており、水素吸蔵時には冷風(約10℃)を送風し、水素放出時には温風(約50℃)を送風している。なお、熱媒としては、温水、冷水を用いることもできる。
【0019】
中層の合金収容室5は下方の入口フィルター10と、上方の出口フィルター11とにより圧力容器2内で区画され、入口フィルター10、出口フィルター11との間には複数の熱伝導フィン12が所定の間隔をもって垂直状態に配列されており、合金収容室5は熱伝導フィン12と、この上下面を被覆するフィルター10,11により形成される。熱伝導フィン12は、これらを貫通する熱媒管8に溶接等により所定の間隔を有して固定されている。そして、水素吸蔵合金Mが熱伝導フィン12の間の空間に収容されている。このように、熱伝導フィン12により細分化された空間に水素吸蔵合金Mは収容されるため、合金の微粉化に伴う粉末の圧密化を防ぐことができ、さらに、両フィルター10,11で被覆されているために、過度の圧力はフィルターで緩和されるように構成されている。
【0020】
熱伝導フィン12は厚さが数mm程度の熱伝導率の高い銅やアルミニウム等の矩形状の金属から形成され、収容された水素吸蔵合金を加熱あるいは冷却するものであり、熱伝導フィンの両側辺は圧力容器2の内面に接している。熱伝導フィン12の間隔は熱力学的に計算されることが好ましく、熱伝導フィン12の間隔を狭めることや、熱伝導フィン12の厚さを増やすにより、収容される水素吸蔵合金Mの熱伝導率を高めることができる。
【0021】
入口フィルター10及び出口フィルター11は、熱伝導フィン12の上下に配置され、ポリプロピレン等の樹脂シートで形成され、水素を素通りさせることができる。合金収容室5に収容される水素吸蔵合金Mの粉末は、入口フィルター10及び出口フィルター11によって保持され、入口フィルター10及び出口フィルター11によって微粉が合金収容室5から漏れるのを防止し、飛散するのを防止している。
【0022】
入口フィルター10及び出口フィルター11は、ろ過精度の異なる複数のフィルターを積層しており、水素吸蔵合金Mに接する側から外側に向けて、ろ過精度が小さくなるように設定している。本実施形態では、両方のフィルター10,11は内側の合金側フィルター10a,11a、その外側の中間フィルター10b,11b及び外側フィルター10c,11cの3層からなり、合金側フィルター10a,11aは微粉化前の合金より小さな細孔を有するものを使用し、外側に向けて、すなわち中間フィルター10b,11bの細孔が合金側フィルターに比べて小さくなり、さらに外側フィルター10c,11cの細孔が中間フィルターに比べて小さくなり、徐々に細孔の内径が小さくなっている。
【0023】
細孔の内径の例としては、使用前の水素吸蔵合金Mの粒径が100μm程度の場合、合金側フィルター10a,11aのろ過精度は50μm、中間フィルター10b,11bのろ過精度は25μm、外側フィルター10c,11cのろ過精度は1〜2μmとしている。両方のフィルター10,11は、奥行きでろ過するデプスタイプを使用している。このため、面でろ過する薄膜のメンブランタイプと比較して、フィルターとしての機能は向上している。なお、両方のフィルターを2層構造として、中間フィルターを省略したものでもよい。また、入口フィルターは、ろ過精度の異なるフィルターを積層せず、最も小さい細孔のフィルターのみで構成するようにしてもよい。
【0024】
さらに、両方のフィルターは金属繊維を用いたシートで構成してもよく、この場合は熱伝導率を向上させることができる。また、両方のフィルターを、例えば水素吸蔵合金より熱伝導性に優れた銅、アルミニウム等の金属薄板から形成し、水素を素通りさせる多数の細孔を形成してもよい。この細孔は、水素吸蔵合金の粉末径より小さい内径で形成され、エッチング処理等により形成すると好適である。この場合も、フィルターのろ過精度を外側に向けて小さくする。
【0025】
このように、水素吸蔵合金の封入容器1は、圧力容器2の上下方向の中間部に、熱伝導フィン12を多数配列した熱媒管8を水平方向に配置し、熱媒管8の熱伝導フィン12の上下面をフィルター11,10で被覆して構成され、上下方向に分割された3層空間3,4,5を有し、下層空間を水素等のガスの入口空間3とし、中間空間を水素吸蔵合金Mの合金収容室5とし、上層空間を水素等のガスの出口空間4としている。このため、水素ガスは封入容器1内を下方から上方に向けて流れるように構成され、封入容器1は水素の吸蔵及び放出を行う際に、水素を下方位置から上方位置に向けて流すように合金収容室5を配置している。
【0026】
前記の如く構成された本実施形態の水素吸蔵合金の封入容器1の作用について以下に説明する。封入容器1に水素を吸蔵するときは、流入管6から下方の入口空間3に水素等を流入させると、水素等は入口フィルター10の外側フィルター10c、中間フィルター10bを経由して合金側フィルター10aを通過し、合金収容室5内の水素吸蔵合金Mに吸蔵される。このとき水素吸蔵合金Mは発熱するため、この熱は熱伝導フィン12及び熱媒管8を介して放熱され、入口管8aから入る熱媒に吸熱されて出口管8bを通して排熱される。
【0027】
このときに水素は下から上に流れるため、水素吸蔵合金Mが横方向に押しやられることがなくなる。そして、合金粉末が撹拌され合金収容室5内での偏在が防止され、過度の圧力が圧力容器2に加わることがなく、封入容器1が変形あるいは損傷することを防止できる。すなわち、水素吸蔵時に発生する熱の影響で水素吸蔵合金Mが体積膨張し、圧力容器2の壁面が過度の圧力を受けて変形したり、損傷したりするのを防止できる。従来のように、水素を上から下に、あるいは横方向に流すと、水素の流れ方向に合金が押しやられ、このような状態で水素の吸蔵や放出を繰り返すと、水素吸蔵時に生じる体積膨張により、合金の粉末が圧密化され、容器の壁が過度の圧力を受けて変形あるいは損傷するおそれがあるが、本実施形態では前記のような不具合を防止することができる。
【0028】
また、水素を放出するときは、入口管8aから加熱された熱媒を流入させると、熱は熱伝導フィン12を通して水素吸蔵合金Mを加熱して水素を放出し、水素は出口フィルター11を通して出口空間4に入り、流出管7から圧力容器2外に流出する。水素吸蔵合金Mは水素の吸蔵、放出を繰り返すと、合金の結晶内に水素が入り込んで生じる結晶の歪と、水素の放出による歪の緩和の繰り返しが原因で微粉化が進行するが、微粉化した合金はろ過精度の異なる出口フィルター11で段階的に捕捉される。
【0029】
すなわち、図4(a)〜(b)に示すように、合金側のフィルター11aで大きい粒径の合金を捕捉し、このフィルターを通過したやや小さい粒径の合金は中間フィルター11bで捕捉され、さらに細かい粒径の合金は外側フィルター11cで段階的に捕捉されるため、目詰まりを防止して水素の通過抵抗の増加を抑えることができ、迅速な水素の放出を可能としている。また、微粉化した合金は適宜、粉末合金内から除かれ出口フィルター11に捕捉されるため、熱伝導率の低下を抑え水素の吸蔵・放出が阻害されにくくなる。
【0030】
本発明の他の実施形態を図6〜9に基づき詳細に説明する。図6は本発明に係る水素吸蔵合金の封入容器を使用した水素貯蔵装置の他の実施形態の斜視図、図7は図6のC−C線断面図、図8は図7のD−D線断面図、図9は図6の内部構造を分解した斜視図である。なお、この実施形態は前記した実施形態に対し、合金収容室内の水素吸蔵合金を加熱、冷却する熱媒の流入経路と熱伝導フィンの形状が異なることを特徴とする。そして、他の実質的に同等の構成については同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
【0031】
図6〜9において、封入容器1は前記の実施形態と同様に、下層の入口空間3と、中層の合金収容室5と、上層の出口空間4とを備えており、3層の空間の両側部に上下に貫通した状態の熱媒の流れる断面が矩形状の熱媒通路15,15を形成している。そして、熱媒通路15,15は、圧力容器2を長手方向に貫通し、両端は開口している。熱媒通路15,15には、開口部から加熱空気、冷却空気等の熱媒が供給される。
【0032】
また、合金収容室5内に配列された多数の熱伝導フィン16は、中央部の長尺の平板部16aと、平板部の両端から一方向に直角に折り曲げた短尺の曲げ部16b,16bとから構成された略コ字状をしており、両端の曲げ部16bが隣接する熱伝導フィン16の平板部16aに対接して所定の間隔で配列されている。そして、熱伝導フィン16の曲げ部16bが熱媒の流れる熱媒通路15,15の壁面に接触している。
【0033】
このため、熱媒通路15,15を流れる加熱された熱媒の熱エネルギーは熱伝導フィン16の両端の曲げ部16bに伝達され、平板部16aに熱伝導して内部に収容された水素吸蔵合金Mを加熱する構成となっている。この例では、熱伝導フィン16の曲げ部16bの水平方向長さを調整することにより、水素吸蔵合金Mの収容量を調整できると共に、熱伝導率を調整することができる。すなわち、熱伝導フィン16の曲げ部16bの長さを長くすると空間が増えるため水素吸蔵合金Mの収容量を増やすことができ、熱伝導率は小さくなる。
【0034】
この実施形態においては、合金収容室5内を熱媒が流れず、両側方の熱媒通路15,15を流れる熱媒からの熱エネルギーを熱伝導フィン16の熱伝導により水素吸蔵合金Mに与えるため、熱媒が安定して流れて水素吸蔵合金Mへの熱エネルギーの供給が安定し、水素吸蔵合金Mからの水素の放出が、より迅速となる。また、熱伝導フィン16は合金収容室5内に配列するだけで、前記の例のように溶接する必要がないため、製造が容易となる。
【0035】
本発明のさらに他の実施形態を図10に基づき詳細に説明する。図10は本発明に係る水素吸蔵合金の封入容器を使用した水素貯蔵装置のさらに他の実施形態の斜視図である。なお、この実施形態は前記した第1の実施形態に対し、合金収容室内に収容された水素吸蔵合金を振動させる振動装置を備えることを特徴とする。そして、他の実質的に同等の構成については同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
【0036】
圧力容器2の両側面には、水素吸蔵合金Mを振動させる振動装置20が固着されている。この振動装置20は、例えばチタン酸バリウム等の圧電素子に電極を形成した圧電振動子で構成され、電界を印加することで振動を発生されるものが用いられている。振動装置20の振動モードは、圧力容器2の取付面に対して水平方向に変位するモードでも、垂直方向に変位するモードでもよく、適宜設定でき、振動周波数も適宜設定できる。
【0037】
この実施形態においては、水素を吸蔵あるいは放出するときに振動装置20を作動させると、この振動が圧力容器2、熱伝導フィン12、フィルター10,11を通して水素吸蔵合金Mに伝達され、合金粉末が撹拌されて合金収容室5内での偏在を防ぐことができる。この結果、合金内に存在する微粉化した合金を重力により入口フィルター10の部分へ導くことができ、水素吸蔵合金Mの熱伝導率の低下を防ぐことができ、水素の吸蔵、放出に伴う反応熱の授受を速やかに行うことができる。
【0038】
なお、振動装置20を定期的に作動させ、水素吸蔵合金Mの偏在を修正するように構成してもよい。また、振動装置20は圧力容器2の両側面に固定する限りでなく、圧力容器の上下面や、上下面と両側面に固定するものでもよい。振動装置はモータの回転軸に偏心マスを固定し、モータを回転させて振動を発生させるものでもよい。さらに、振動装置は圧力容器の内部空間、例えば入口空間や出口空間に固定してもよく、前記第2の実施形態の水素貯蔵装置に設けるようにしてもよい。
【0039】
以上、本発明の一実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。例えば、熱媒として加熱空気の例を示したが、温水等で熱伝導フィンを加熱して水素を放出するように構成してもよい。また、他の不活性な流体を用いてもよい。圧力容器は直方体に限らず、円柱状や他の形状でもよいことは勿論である。
【0040】
前記した実施形態では、水素を吸蔵するため水素あるいは水素を含む混合ガスが流入する流入管と、放出された水素が流出する流出管とを備える連続タイプの容器について述べたが、1つのパイプで水素の流入と流出を行う往復タイプの容器にも、本発明を適用することができる。この往復タイプの容器の場合は、水素吸蔵合金を収容する合金収容室と、流出入管との間に、ろ過精度の異なる複数のフィルターを積層した1つの出入口兼用のフィルターを配置すればよい。
【0041】
【発明の効果】
以上の説明から理解できるように、本発明の水素吸蔵合金の容器は、水素の吸蔵及び放出時に水素の通過抵抗が増加するのを抑制し、水素の迅速な吸蔵と放出を可能とする。また、水素吸蔵合金の熱伝導率の低下を防止し、水素の吸蔵及び放出に伴う反応熱の授受を速やかに行うことにより、迅速で効率の良い水素の吸蔵及び放出を行うことができる。さらに、水素吸蔵合金の容器内での偏在を防ぐことができ、圧力容器の変形や損傷を防いで長期間に亘って安定した水素の吸蔵と放出が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る水素吸蔵合金の封入容器を使用した水素貯蔵装置の一実施形態の斜視図。
【図2】図1のA−A線断面図。
【図3】図2のB−B線断面図。
【図4】フィルターと水素吸蔵合金の関係を示し、(a)は微粉化前の状態の模式図、(b)は微粉化が進行した状態の模式図。
【図5】図1の内部構造を分解した斜視図。
【図6】本発明に係る水素吸蔵合金の封入容器を使用した水素貯蔵装置の他の実施形態を示す斜視図。
【図7】図6のC−C線断面図。
【図8】図7のD−D線断面図。
【図9】図6の内部構造を分解した斜視図。
【図10】本発明に係る水素吸蔵合金の封入容器を使用した水素貯蔵装置のさらに他の実施形態を示す斜視図。
【図11】(a)は従来の水素吸蔵合金の封入容器を示す展開図、(b)は従来の水素吸蔵合金収容ユニットを示す一部破断斜視図。
【符号の説明】
1 水素吸蔵合金の封入容器、
2 圧力容器、 3 入口空間、
4 出口空間、 5 合金収容室、
6 流入管、 7 流出管、
8 熱媒管、
8a 入口管、 8b 出口管、
10 入口フィルター、 11 出口フィルター、
10a,11a 合金側フィルター、
10b,11b 中間フィルター、
10c,11c 外側フィルター、
12,16 熱伝導フィン、
15 熱媒通路、 20 振動装置、
M 水素吸蔵合金
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池等に使用する水素吸蔵合金の封入容器に係り、特に、水素ガスを迅速に、長期間亘って安定して吸蔵及び放出できる水素吸蔵合金の封入容器と、この封入容器を使用した水素貯蔵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の水素吸蔵合金の封入容器31は、例えば図11(a)に示すように、内部が板フィルタ32を介して2室に分かれており、一方は水素吸蔵合金Mが封入される合金収容室33であり、他方は水素移動用の溝34を形成する溝形成板35の収容室36であり、板フィルタ32及び溝形成板35の両者によって水素分配手段を構成している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、従来の水素吸蔵合金収容ユニットは、例えば図11(b)に示すように、加熱・冷却のための2本の熱媒管41に、複数のプレート状の熱媒管42を多数横架し、かつ、プレート状熱媒管の間に多数のフィン43を配することにより構成され、プレート状熱媒管とフィンで構成される空間に水素吸蔵合金Mを充填してえられる水素吸蔵合金収容ユニットであり、収容ユニットの周囲をフィルター44で被覆している(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−4244号公報(段落[0014]、図1)
【特許文献2】
特開7−330301号公報(特許請求の範囲、図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
水素吸蔵合金を用いた水素貯蔵システムでは、合金が本来持っている水素の速い吸蔵・放出速度をできるだけ有効に利用することが重要なポイントとなる。すなわち、水素を吸蔵するときには、発生する反応熱をできるだけ速やかに合金から取り去り、水素を放出するときには、吸収する反応熱をできるだけ速く合金に与えることが必要である。
【0006】
ところが粉末状の水素吸蔵合金自体の熱伝導率が低いこと(例えば、直径100μmのLaNi5 系では約30Wm−1K−1)、さらに、水素の吸蔵・放出の繰り返しにより合金が微粉化し、一層熱伝導率が低下する(例えば、直径10μmのLaNi5 系では概ね0.1〜1Wm−1K−1)。水素吸蔵合金の微粉化は水素の吸蔵により、合金の結晶内に水素が入り込み生じる結晶の歪みと水素の放出による歪みの緩和の繰り返しが原因で進行する。合金の微粉化は熱伝導率の低下の他に、水素ガスの通過抵抗を大きくし水素吸蔵合金が充填された容器内で水素が流れにくくなる。
【0007】
水素吸蔵合金容器は水素ガスの出入りを1個所で行う往復タイプと、水素ガスの出入口を別にする連続タイプがある。前記の特許文献1に記載の水素吸蔵合金の封入容器は往復タイプで、水素ガスの通過抵抗増加を抑制するものであり、特許文献2に記載の水素吸蔵合金収容ユニットは連続タイプで、水素の吸蔵と放出に関する熱の受け渡しを効果的に行い、微粉化に伴う容器の変形を防止するものである。
【0008】
ところで、前記特許文献1に記載の水素吸蔵合金の封入容器や、特許文献2に記載の収容ユニットにおいて、水素吸蔵合金は材料により違いはあるが、一般的に微粉化前の合金粒径は100μm程度のものを使用し、吸蔵・放出を繰り返していくと約数μm程度に微粉化するが、微粉化が進行しても水素の通過抵抗の増加を抑制することができると共に、合金の熱伝導率の低下を抑える容器の有用な手段がなかった。
【0009】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、合金の微粉化に伴う通過抵抗の増加、すなわち圧力損失の増加を防ぎ、容器内の水素移動量の低下を抑制することができる水素吸蔵合金の封入容器を提供することにある。また、合金の微粉化に伴う熱伝導率の低下を防止でき、水素の吸蔵及び放出を効率良く行うことができる水素吸蔵合金の封入容器を提供することにある。そして、前記の封入容器を使用し、水素の吸蔵及び放出を効率良く行える水素貯蔵装置を提供する。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成すべく、本発明に係る水素吸蔵合金の封入容器は、圧力容器内に、間隔を有して配列された複数の熱伝導フィンとフィルターにより水素吸蔵合金を収容する合金収容室を形成したもので、前記フィルターは、ろ過精度の異なる複数のフィルターを積層して構成され、熱伝導フィンは収容された水素吸蔵合金を加熱あるいは冷却することを特徴とする。熱伝導フィンは熱媒管や熱媒通路を流れる熱媒により加熱、冷却される。
【0011】
前記のごとく構成された本発明の水素吸蔵合金の封入容器は、水素を吸蔵するとき、あるいは水素を放出するときに、ろ過精度の異なる複数のフィルターで水素吸蔵合金を段階的に捕捉するため目詰まりを防止でき、水素の通過抵抗が増えるのを防止できる。また、微粉化した合金は適宜、粉末合金内から除かれ、出口フィルター部に捕捉されるため合金の熱伝導率の低下を防止でき、水素吸蔵合金の加熱、冷却が効率良くでき、水素の吸蔵及び放出を迅速に、長期間に亘って安定して行うことができる。
【0012】
また、本発明に係る水素吸蔵合金の封入容器の好ましい具体的な態様としては、前記封入容器は、水素の吸蔵及び放出を行う際に、下方位置から上方位置に向けて水素を流すように前記合金収容室を配置したことを特徴としている。そして、前記封入容器は3層構造で構成され、下層を水素の入口空間とし、中層を前記合金収容室とし、上層を水素の出口空間とすることが好ましい。
【0013】
この構成によれば、水素の吸蔵及び放出を行うとき、水素は下から上に向かって流れるため合金の横方向への偏在を防止でき、水素の吸蔵、放出時の容器の温度変化によって生ずる局所的な変形や損傷を防止でき、封入容器の耐久性を高めることができる。封入容器を3層構造とすることにより、水素を下方から上方に向けて安定して流すことができる。
【0014】
さらに、本発明に係る水素吸蔵合金の封入容器の好ましい具体的な他の態様としては、前記水素吸蔵合金を振動させる振動装置を備えることを特徴としている。振動装置としては、圧電振動子やモーターの回転軸に偏心マスを固定した振動装置等が用いられる。この構成によれば、合金収容室に収容された水素吸蔵合金に振動を与えて、収容室内での偏在を防止することができ、合金内に存在する微粉化した合金を入口フィルター側へ導くことで合金の熱伝導率の低下を防ぐことができる。
【0015】
本発明に係る水素貯蔵装置は、前記の封入容器の合金収容室に、水素吸蔵合金を収容したことを特徴とする。このように構成された本発明の水素貯蔵装置は、微粉化した合金を段階的に捕捉し、水素の通過抵抗の増加を防止できるため迅速な水素の吸蔵及び放出を可能とする。また、水素吸蔵合金の熱伝導率の低下を防止し、合金の吸蔵及び放出に伴う反応熱の授受を速やかに行え、迅速で高効率な水素の吸蔵と放出を達成することができる。さらに、合金の偏在に伴う封入容器の変形や損傷を防止することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る水素吸蔵合金の封入容器の一実施形態を図面に基づき詳細に説明する。図1は本実施形態に係る水素吸蔵合金の封入容器を使用した水素貯蔵装置の斜視図、図2は図1のA−A線断面図、図3は図2のB−B線断面図、図4はフィルターと水素吸蔵合金の関係を示す模式図、図5は図1の内部構造である熱伝導フィンとフィルターを分解した斜視図である。
【0017】
図1〜5において、水素を吸蔵及び放出する水素吸蔵合金の封入容器1は、直方体状の圧力容器2を備えており、例えばステンレススチール等の金属から形成され、所定の圧力に耐える構造をしている。圧力容器2の内部は、上下方向に分割された3層構造となっており、下層の空間は水素あるいは水素を含有する混合ガスが流入する入口空間3となっており、上層の空間は水素吸蔵合金から放出された水素を溜める出口空間4となっている。中層の空間は、後述する複数の熱伝導フィンと、熱伝導フィンの上下面を被覆するフィルターにより水素吸蔵合金を収容する合金収容室5を形成している。
【0018】
下層の入口空間3には水素あるいは混合ガスが流入する流入管6が接続され、上層の出口空間4には水素あるいは混合ガスが放出されて燃料電池等の機器に供給する流出管7が接続されている。また、中層の合金収容室5には室内の水素吸蔵合金を加熱、冷却する熱媒が通る熱媒管8が貫通しており、熱媒管8の端部は圧力容器2から突出し熱媒が入る入口管8aと、熱媒の出る出口管8bとなっている。流入管6、流出管7、入口管8a及び出口管8bと圧力容器2との接続部分は溶接等により気密状態となっている。本実施形態では、熱媒として空気を使用しており、水素吸蔵時には冷風(約10℃)を送風し、水素放出時には温風(約50℃)を送風している。なお、熱媒としては、温水、冷水を用いることもできる。
【0019】
中層の合金収容室5は下方の入口フィルター10と、上方の出口フィルター11とにより圧力容器2内で区画され、入口フィルター10、出口フィルター11との間には複数の熱伝導フィン12が所定の間隔をもって垂直状態に配列されており、合金収容室5は熱伝導フィン12と、この上下面を被覆するフィルター10,11により形成される。熱伝導フィン12は、これらを貫通する熱媒管8に溶接等により所定の間隔を有して固定されている。そして、水素吸蔵合金Mが熱伝導フィン12の間の空間に収容されている。このように、熱伝導フィン12により細分化された空間に水素吸蔵合金Mは収容されるため、合金の微粉化に伴う粉末の圧密化を防ぐことができ、さらに、両フィルター10,11で被覆されているために、過度の圧力はフィルターで緩和されるように構成されている。
【0020】
熱伝導フィン12は厚さが数mm程度の熱伝導率の高い銅やアルミニウム等の矩形状の金属から形成され、収容された水素吸蔵合金を加熱あるいは冷却するものであり、熱伝導フィンの両側辺は圧力容器2の内面に接している。熱伝導フィン12の間隔は熱力学的に計算されることが好ましく、熱伝導フィン12の間隔を狭めることや、熱伝導フィン12の厚さを増やすにより、収容される水素吸蔵合金Mの熱伝導率を高めることができる。
【0021】
入口フィルター10及び出口フィルター11は、熱伝導フィン12の上下に配置され、ポリプロピレン等の樹脂シートで形成され、水素を素通りさせることができる。合金収容室5に収容される水素吸蔵合金Mの粉末は、入口フィルター10及び出口フィルター11によって保持され、入口フィルター10及び出口フィルター11によって微粉が合金収容室5から漏れるのを防止し、飛散するのを防止している。
【0022】
入口フィルター10及び出口フィルター11は、ろ過精度の異なる複数のフィルターを積層しており、水素吸蔵合金Mに接する側から外側に向けて、ろ過精度が小さくなるように設定している。本実施形態では、両方のフィルター10,11は内側の合金側フィルター10a,11a、その外側の中間フィルター10b,11b及び外側フィルター10c,11cの3層からなり、合金側フィルター10a,11aは微粉化前の合金より小さな細孔を有するものを使用し、外側に向けて、すなわち中間フィルター10b,11bの細孔が合金側フィルターに比べて小さくなり、さらに外側フィルター10c,11cの細孔が中間フィルターに比べて小さくなり、徐々に細孔の内径が小さくなっている。
【0023】
細孔の内径の例としては、使用前の水素吸蔵合金Mの粒径が100μm程度の場合、合金側フィルター10a,11aのろ過精度は50μm、中間フィルター10b,11bのろ過精度は25μm、外側フィルター10c,11cのろ過精度は1〜2μmとしている。両方のフィルター10,11は、奥行きでろ過するデプスタイプを使用している。このため、面でろ過する薄膜のメンブランタイプと比較して、フィルターとしての機能は向上している。なお、両方のフィルターを2層構造として、中間フィルターを省略したものでもよい。また、入口フィルターは、ろ過精度の異なるフィルターを積層せず、最も小さい細孔のフィルターのみで構成するようにしてもよい。
【0024】
さらに、両方のフィルターは金属繊維を用いたシートで構成してもよく、この場合は熱伝導率を向上させることができる。また、両方のフィルターを、例えば水素吸蔵合金より熱伝導性に優れた銅、アルミニウム等の金属薄板から形成し、水素を素通りさせる多数の細孔を形成してもよい。この細孔は、水素吸蔵合金の粉末径より小さい内径で形成され、エッチング処理等により形成すると好適である。この場合も、フィルターのろ過精度を外側に向けて小さくする。
【0025】
このように、水素吸蔵合金の封入容器1は、圧力容器2の上下方向の中間部に、熱伝導フィン12を多数配列した熱媒管8を水平方向に配置し、熱媒管8の熱伝導フィン12の上下面をフィルター11,10で被覆して構成され、上下方向に分割された3層空間3,4,5を有し、下層空間を水素等のガスの入口空間3とし、中間空間を水素吸蔵合金Mの合金収容室5とし、上層空間を水素等のガスの出口空間4としている。このため、水素ガスは封入容器1内を下方から上方に向けて流れるように構成され、封入容器1は水素の吸蔵及び放出を行う際に、水素を下方位置から上方位置に向けて流すように合金収容室5を配置している。
【0026】
前記の如く構成された本実施形態の水素吸蔵合金の封入容器1の作用について以下に説明する。封入容器1に水素を吸蔵するときは、流入管6から下方の入口空間3に水素等を流入させると、水素等は入口フィルター10の外側フィルター10c、中間フィルター10bを経由して合金側フィルター10aを通過し、合金収容室5内の水素吸蔵合金Mに吸蔵される。このとき水素吸蔵合金Mは発熱するため、この熱は熱伝導フィン12及び熱媒管8を介して放熱され、入口管8aから入る熱媒に吸熱されて出口管8bを通して排熱される。
【0027】
このときに水素は下から上に流れるため、水素吸蔵合金Mが横方向に押しやられることがなくなる。そして、合金粉末が撹拌され合金収容室5内での偏在が防止され、過度の圧力が圧力容器2に加わることがなく、封入容器1が変形あるいは損傷することを防止できる。すなわち、水素吸蔵時に発生する熱の影響で水素吸蔵合金Mが体積膨張し、圧力容器2の壁面が過度の圧力を受けて変形したり、損傷したりするのを防止できる。従来のように、水素を上から下に、あるいは横方向に流すと、水素の流れ方向に合金が押しやられ、このような状態で水素の吸蔵や放出を繰り返すと、水素吸蔵時に生じる体積膨張により、合金の粉末が圧密化され、容器の壁が過度の圧力を受けて変形あるいは損傷するおそれがあるが、本実施形態では前記のような不具合を防止することができる。
【0028】
また、水素を放出するときは、入口管8aから加熱された熱媒を流入させると、熱は熱伝導フィン12を通して水素吸蔵合金Mを加熱して水素を放出し、水素は出口フィルター11を通して出口空間4に入り、流出管7から圧力容器2外に流出する。水素吸蔵合金Mは水素の吸蔵、放出を繰り返すと、合金の結晶内に水素が入り込んで生じる結晶の歪と、水素の放出による歪の緩和の繰り返しが原因で微粉化が進行するが、微粉化した合金はろ過精度の異なる出口フィルター11で段階的に捕捉される。
【0029】
すなわち、図4(a)〜(b)に示すように、合金側のフィルター11aで大きい粒径の合金を捕捉し、このフィルターを通過したやや小さい粒径の合金は中間フィルター11bで捕捉され、さらに細かい粒径の合金は外側フィルター11cで段階的に捕捉されるため、目詰まりを防止して水素の通過抵抗の増加を抑えることができ、迅速な水素の放出を可能としている。また、微粉化した合金は適宜、粉末合金内から除かれ出口フィルター11に捕捉されるため、熱伝導率の低下を抑え水素の吸蔵・放出が阻害されにくくなる。
【0030】
本発明の他の実施形態を図6〜9に基づき詳細に説明する。図6は本発明に係る水素吸蔵合金の封入容器を使用した水素貯蔵装置の他の実施形態の斜視図、図7は図6のC−C線断面図、図8は図7のD−D線断面図、図9は図6の内部構造を分解した斜視図である。なお、この実施形態は前記した実施形態に対し、合金収容室内の水素吸蔵合金を加熱、冷却する熱媒の流入経路と熱伝導フィンの形状が異なることを特徴とする。そして、他の実質的に同等の構成については同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
【0031】
図6〜9において、封入容器1は前記の実施形態と同様に、下層の入口空間3と、中層の合金収容室5と、上層の出口空間4とを備えており、3層の空間の両側部に上下に貫通した状態の熱媒の流れる断面が矩形状の熱媒通路15,15を形成している。そして、熱媒通路15,15は、圧力容器2を長手方向に貫通し、両端は開口している。熱媒通路15,15には、開口部から加熱空気、冷却空気等の熱媒が供給される。
【0032】
また、合金収容室5内に配列された多数の熱伝導フィン16は、中央部の長尺の平板部16aと、平板部の両端から一方向に直角に折り曲げた短尺の曲げ部16b,16bとから構成された略コ字状をしており、両端の曲げ部16bが隣接する熱伝導フィン16の平板部16aに対接して所定の間隔で配列されている。そして、熱伝導フィン16の曲げ部16bが熱媒の流れる熱媒通路15,15の壁面に接触している。
【0033】
このため、熱媒通路15,15を流れる加熱された熱媒の熱エネルギーは熱伝導フィン16の両端の曲げ部16bに伝達され、平板部16aに熱伝導して内部に収容された水素吸蔵合金Mを加熱する構成となっている。この例では、熱伝導フィン16の曲げ部16bの水平方向長さを調整することにより、水素吸蔵合金Mの収容量を調整できると共に、熱伝導率を調整することができる。すなわち、熱伝導フィン16の曲げ部16bの長さを長くすると空間が増えるため水素吸蔵合金Mの収容量を増やすことができ、熱伝導率は小さくなる。
【0034】
この実施形態においては、合金収容室5内を熱媒が流れず、両側方の熱媒通路15,15を流れる熱媒からの熱エネルギーを熱伝導フィン16の熱伝導により水素吸蔵合金Mに与えるため、熱媒が安定して流れて水素吸蔵合金Mへの熱エネルギーの供給が安定し、水素吸蔵合金Mからの水素の放出が、より迅速となる。また、熱伝導フィン16は合金収容室5内に配列するだけで、前記の例のように溶接する必要がないため、製造が容易となる。
【0035】
本発明のさらに他の実施形態を図10に基づき詳細に説明する。図10は本発明に係る水素吸蔵合金の封入容器を使用した水素貯蔵装置のさらに他の実施形態の斜視図である。なお、この実施形態は前記した第1の実施形態に対し、合金収容室内に収容された水素吸蔵合金を振動させる振動装置を備えることを特徴とする。そして、他の実質的に同等の構成については同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
【0036】
圧力容器2の両側面には、水素吸蔵合金Mを振動させる振動装置20が固着されている。この振動装置20は、例えばチタン酸バリウム等の圧電素子に電極を形成した圧電振動子で構成され、電界を印加することで振動を発生されるものが用いられている。振動装置20の振動モードは、圧力容器2の取付面に対して水平方向に変位するモードでも、垂直方向に変位するモードでもよく、適宜設定でき、振動周波数も適宜設定できる。
【0037】
この実施形態においては、水素を吸蔵あるいは放出するときに振動装置20を作動させると、この振動が圧力容器2、熱伝導フィン12、フィルター10,11を通して水素吸蔵合金Mに伝達され、合金粉末が撹拌されて合金収容室5内での偏在を防ぐことができる。この結果、合金内に存在する微粉化した合金を重力により入口フィルター10の部分へ導くことができ、水素吸蔵合金Mの熱伝導率の低下を防ぐことができ、水素の吸蔵、放出に伴う反応熱の授受を速やかに行うことができる。
【0038】
なお、振動装置20を定期的に作動させ、水素吸蔵合金Mの偏在を修正するように構成してもよい。また、振動装置20は圧力容器2の両側面に固定する限りでなく、圧力容器の上下面や、上下面と両側面に固定するものでもよい。振動装置はモータの回転軸に偏心マスを固定し、モータを回転させて振動を発生させるものでもよい。さらに、振動装置は圧力容器の内部空間、例えば入口空間や出口空間に固定してもよく、前記第2の実施形態の水素貯蔵装置に設けるようにしてもよい。
【0039】
以上、本発明の一実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。例えば、熱媒として加熱空気の例を示したが、温水等で熱伝導フィンを加熱して水素を放出するように構成してもよい。また、他の不活性な流体を用いてもよい。圧力容器は直方体に限らず、円柱状や他の形状でもよいことは勿論である。
【0040】
前記した実施形態では、水素を吸蔵するため水素あるいは水素を含む混合ガスが流入する流入管と、放出された水素が流出する流出管とを備える連続タイプの容器について述べたが、1つのパイプで水素の流入と流出を行う往復タイプの容器にも、本発明を適用することができる。この往復タイプの容器の場合は、水素吸蔵合金を収容する合金収容室と、流出入管との間に、ろ過精度の異なる複数のフィルターを積層した1つの出入口兼用のフィルターを配置すればよい。
【0041】
【発明の効果】
以上の説明から理解できるように、本発明の水素吸蔵合金の容器は、水素の吸蔵及び放出時に水素の通過抵抗が増加するのを抑制し、水素の迅速な吸蔵と放出を可能とする。また、水素吸蔵合金の熱伝導率の低下を防止し、水素の吸蔵及び放出に伴う反応熱の授受を速やかに行うことにより、迅速で効率の良い水素の吸蔵及び放出を行うことができる。さらに、水素吸蔵合金の容器内での偏在を防ぐことができ、圧力容器の変形や損傷を防いで長期間に亘って安定した水素の吸蔵と放出が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る水素吸蔵合金の封入容器を使用した水素貯蔵装置の一実施形態の斜視図。
【図2】図1のA−A線断面図。
【図3】図2のB−B線断面図。
【図4】フィルターと水素吸蔵合金の関係を示し、(a)は微粉化前の状態の模式図、(b)は微粉化が進行した状態の模式図。
【図5】図1の内部構造を分解した斜視図。
【図6】本発明に係る水素吸蔵合金の封入容器を使用した水素貯蔵装置の他の実施形態を示す斜視図。
【図7】図6のC−C線断面図。
【図8】図7のD−D線断面図。
【図9】図6の内部構造を分解した斜視図。
【図10】本発明に係る水素吸蔵合金の封入容器を使用した水素貯蔵装置のさらに他の実施形態を示す斜視図。
【図11】(a)は従来の水素吸蔵合金の封入容器を示す展開図、(b)は従来の水素吸蔵合金収容ユニットを示す一部破断斜視図。
【符号の説明】
1 水素吸蔵合金の封入容器、
2 圧力容器、 3 入口空間、
4 出口空間、 5 合金収容室、
6 流入管、 7 流出管、
8 熱媒管、
8a 入口管、 8b 出口管、
10 入口フィルター、 11 出口フィルター、
10a,11a 合金側フィルター、
10b,11b 中間フィルター、
10c,11c 外側フィルター、
12,16 熱伝導フィン、
15 熱媒通路、 20 振動装置、
M 水素吸蔵合金
Claims (5)
- 圧力容器内に、間隔を有して配列された複数の熱伝導フィンとフィルターにより水素吸蔵合金を収容する合金収容室を形成した水素吸蔵合金の封入容器であって、
前記フィルターは、ろ過精度の異なる複数のフィルターを積層して構成され、前記熱伝導フィンは、収容された水素吸蔵合金を加熱あるいは冷却することを特徴とする水素吸蔵合金の封入容器。 - 前記封入容器は、水素の吸蔵及び放出を行う際に、下方位置から上方位置に向けて水素を流すように前記合金収容室を配置したことを特徴とする請求項1に記載の水素吸蔵合金の封入容器。
- 前記封入容器は3層構造で構成され、下層を水素の入口空間とし、中層を前記合金収容室とし、上層を水素の出口空間とすることを特徴とする請求項2に記載の水素吸蔵合金の封入容器。
- 前記水素吸蔵合金を振動させる振動装置を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の水素吸蔵合金の封入容器。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の封入容器の合金収容室に、水素吸蔵合金を収容したことを特徴とする水素貯蔵装置。
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