JPH05248598A - 水素吸蔵合金貯蔵容器 - Google Patents

水素吸蔵合金貯蔵容器

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JPH05248598A
JPH05248598A JP4050351A JP5035192A JPH05248598A JP H05248598 A JPH05248598 A JP H05248598A JP 4050351 A JP4050351 A JP 4050351A JP 5035192 A JP5035192 A JP 5035192A JP H05248598 A JPH05248598 A JP H05248598A
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JP
Japan
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hydrogen storage
storage alloy
hydrogen
container
alloy
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JP4050351A
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English (en)
Inventor
Toru Ogasawara
徹 小笠原
Kazuyuki Yoshimoto
和幸 吉本
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/32Hydrogen storage

Abstract

(57)【要約】 【目的】 水素吸蔵合金貯蔵容器における水素吸蔵合金
の充填率を向上させ且つ耐久性を向上させる。 【構成】 内部に水素吸蔵合金粒子よりなる例えば焼結
体のような圧粉成形体2が空間部3を残して貯蔵され、
上記空間部3に圧粉成形体2の水素吸蔵時の体積膨張を
許容し且つ熱伝導性を有する金属製緩衝部材4が配設さ
れている。上記金属製緩衝部材4としてアルミニウム粉
末の集合体及び発泡金属体が使用され得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水素吸蔵合金の充填率
を改善した水素吸蔵合金貯蔵容器に関する。
【0002】
【従来の技術】クリーンエネルギーである水素を自動車
の燃料として使用することが環境保全のため重要視さ
れ、この場合、水素を貯蔵するために水素吸蔵合金が使
用されることが多くなっている。
【0003】水素吸蔵合金を燃料タンクとして自動車に
搭載するときには、水素吸蔵合金容器を小型軽量化する
ことが要求されるので、容器内に充填される水素吸蔵合
金の充填率の向上、容器材質の軽量薄肉化及び熱交換用
流体量の削減等の対策が考えられている。
【0004】水素吸蔵合金が充填される容器は、実公昭
61−26718号公報に例示されるように、二枚のプ
レートの間に波形のフィンが設けられた容器が多く用い
られており、上記フィンにより容器中に充填される水素
吸蔵合金に対して熱が効率よく伝達されるようになって
いる。上記のような技術に基づく従来例のものでは、図
6に示すように、水素吸蔵合金貯蔵容器aは二枚のプレ
ートb,bと、両者の間に介在して設けられた波形のフ
ィンcとを有しており、二枚のプレートb,bの間に水
素吸蔵合金dが充填されている。そして、複数の水素吸
蔵合金貯蔵容器aが熱交換用流体が流通する熱媒流路e
を挾んで積層され外殻容器に収容されることにより水素
吸蔵合金タンクfが構成されている。図7に示すよう
に、水素吸蔵合金タンクfでは、水素吸蔵合金貯蔵容器
aにおける水素の流通方向gと熱媒流路eにおける熱媒
の流通方向hとは直交しており、水素吸蔵合金タンクf
の水素の流通方向gと直角となる側の端部には水素ヘッ
ダiが設けられ、同じく熱媒の流通方向hと直角となる
側の端部には熱媒ヘッダjが各々設けられている。
【0005】水素ヘッダiには水素パイプkが接続され
ることにより、水素吸蔵合金貯蔵容器a内の水素吸蔵合
金dによる水素の吸蔵及び放出が行われ、熱媒ヘッダj
には熱媒パイプlが接続されることにより、水素吸蔵合
金容器a内の水素吸蔵合金dを加熱又は冷却するための
熱媒の流通が行われるようになっている。
【0006】また、水素吸蔵合金貯蔵容器内に充填され
る水素吸蔵合金は通常粉末状のものが用いられるので、
水素吸蔵合金貯蔵容器内における充填率が低く、さらに
水素の吸蔵及び放出のサイクルの繰返しにより水素吸蔵
合金は微粉化する傾向がある。これに対して、特開昭6
3−310936号公報に記載されているように、水素
吸蔵合金粒子を展延性の良い金属微粒子で被覆した後、
成形することにより水素吸蔵合金粒子の微粉化を防止す
ることが知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、水素吸
蔵合金貯蔵容器に貯蔵される水素吸蔵合金として粉末状
のものを使用するときは、上記のように水素吸蔵合金が
微粉化し、微粉化した部分が車両の振動により貯蔵スペ
ースの底部に沈降し固化するに至る。固化した水素吸蔵
合金が再び水素を吸蔵した際には、体積膨張は10〜2
0%(容量%であり、以下特記のない限り容量%とす
る。)に達し水素吸蔵合金貯蔵容器を破壊する懸念があ
る。また、このような破壊を防止しようとすれば、水素
吸蔵合金粉末の充填率を貯蔵スペースの50%程度に止
めなければならないので、水素吸蔵合金粉末の充填効率
が悪いという問題点があった。
【0008】さりとて、特開昭63−310936号公
報に記載されている水素吸蔵合金材では、水素吸蔵合金
微粒子に対して被覆層が形成された状態で成形されてい
るので、水素吸蔵合金の微粒子の発生は防止できる反
面、被覆層自体が貯蔵スペースの一部を占有することに
なる。その結果、水素吸蔵合金微粒子の貯蔵量は減少
し、充填効率が悪くなるという問題は解決されない。
【0009】上記に鑑みて、本発明は、水素吸蔵合金貯
蔵容器における水素吸蔵合金の充填率を改善すると共に
水素吸蔵合金の体積膨張時に発生する恐れがある水素吸
蔵合金貯蔵容器の破損防止を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述したような目的を達
成するため、請求項1の発明は、水素吸蔵合金貯蔵容器
への水素吸蔵合金の充填率を改善するために水素吸蔵合
金を圧粉成形体として貯蔵し、圧粉成形体となされた水
素吸蔵合金の体積膨張による影響を水素吸蔵合金貯蔵容
器に与えないために上記水素吸蔵合金の圧粉成形体と上
記水素吸蔵合金貯蔵容器との間に形成された空間部に金
属製緩衝部材を配設し、さらに該金属製緩衝部材の有す
る熱伝導性により水素吸蔵合金の圧粉成形体に対する良
好な熱交換を行うようにするものである。
【0011】具体的に、請求項1の発明の講じた解決手
段は、内部に水素吸蔵合金粒子よりなる圧粉成形体が空
間部を残して貯蔵され、上記空間部に上記圧粉成形体の
水素吸蔵時の体積膨張を許容し且つ熱伝導性を有する金
属製緩衝部材が配設されている構成とするものである。
【0012】また、請求項2の発明は、成形体として貯
蔵される水素吸蔵合金の充填率をより向上させようとす
るものであって、具体的には、請求項1の構成に、圧粉
成形体は水素吸蔵合金粒子を焼結して得られる焼結体で
あるという構成を付加するものである。
【0013】また、請求項3の発明は、水素吸蔵合金粒
子よりなる圧粉成形体又は焼結体の体積膨張を金属製緩
衝部材に分布される微細な空隙群により吸収しようとす
るものであって、請求項1又は2の構成に、金属製緩衝
部材はアルミニウム粉末の集合体であるという構成を付
加するものである。
【0014】また、請求項4の発明は、水素吸蔵合金粒
子よりなる圧粉成形体又は焼結体の体積膨張を金属緩衝
部材に分布される微細な気泡群により吸収すると共に、
車両の振動に対して気泡群の分布の安定性を保持しよう
とするものであって、具体的には、請求項1又は2の構
成に、金属製緩衝部材は発泡金属体であるという構成を
付加するものである。
【0015】
【作用】請求項1の発明の構成により、水素吸蔵合金は
圧粉成形体となされて内部に貯蔵されるため、水素吸蔵
合金の貯蔵密度は大となり、充填率は向上する。また、
上記圧粉成形体は上記貯蔵時に空間部を残して貯蔵され
該空間部に金属製緩衝部材が配設されるので、上記圧粉
成形体は車両の振動等による外力から保護されると共に
上記圧粉成形体の熱膨張及び水素吸蔵による体積膨張は
上記金属製緩衝部材により吸収される。さらに、上記金
属製緩衝部材の熱伝導性は良好であるので上記圧粉成形
体に対する熱の伝達が良好となる。
【0016】請求項2の発明の構成により、圧粉成形体
は焼結体となされるので水素吸蔵合金粒子の分布は一層
密となり成形強度も向上する。したがって、水素吸蔵合
金の充填率はより向上する。
【0017】請求項3の発明の構成により、金属製緩衝
部材はアルミニウム粉末の集合体となされるため、アル
ミニウム粉末の軟質性とアルミニウム粉末相互間に形成
される空隙とにより、上記アルミニウム粉末の集合体に
付加される力は吸収される。
【0018】請求項4の発明の構成により、金属製緩衝
部材は発泡金属体となされるため、発泡金属体の有する
各部均一なクッション性により上記発泡金属体に付加さ
れる力は吸収される。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例につき説明する。
【0020】先ず、本発明に係る水素吸蔵合金貯蔵容器
の構成につき図1に基いて説明すると、水素吸蔵合金貯
蔵容器1の内部に水素吸蔵合金粒子よりなる圧粉成形体
2が水素吸蔵合金貯蔵容器1の壁体1aとの間に空間部
3を残して貯蔵されており、上記空間部3に金属製緩衝
部材4が配設されている。
【0021】上記のように構成された水素吸蔵合金貯蔵
容器1の適宜個数が各水素吸蔵合金貯蔵容器1の壁体1
aの外側の面が熱媒流路5を流通する熱交換用流体に接
するように外殻容器6に収容されており、該外殻容器6
における水素吸蔵合金貯蔵容器1に貯蔵された水素吸蔵
合金の圧粉成形体2に連結する水素パイプ(図示省略)
及び熱媒流路5に連結する熱媒パイプ(図示省略)が各
々設けられて水素吸蔵合金タンクが形成されている。
【0022】ここで、水素吸蔵合金貯蔵容器1の内部に
貯蔵される圧粉成形体2の気孔率と水素吸蔵合金貯蔵容
器1の内部における容積占有率との関係について検討す
る。気孔率が約10%の圧粉成形体2が水素吸蔵合金貯
蔵容器1の容積の95%を占めるように貯蔵される場合
を想定すると、金属製緩衝部材4が配設される空間部3
の占める比率は5%であるのに対し圧粉成形体2が水素
を100%の吸蔵率で吸蔵するに際しての体積膨張及び
熱膨張が許容される見掛け上の値は15%になる。
【0023】一方、水素吸蔵合金における水素の吸蔵率
(飽和吸蔵量に対する吸蔵量)と吸蔵ガス圧力との関係
は図3に示されるグラフのようになる。図3において、
横軸には水素吸蔵率が示され、縦軸には圧力が対数目盛
で示されている。図3に示されるグラフによれば、水素
吸蔵合金の種類により若干の差はあっても平均して水素
吸蔵率が20〜80%の範囲において圧力が平衡するプ
ラトー領域が生じており、ガス貯蔵容器の使用時の法定
圧である10kg/cm2 以下の圧力である数kg/cm2 の圧
力に保持されるなれば水素の最大吸蔵量は80%を超す
ことはない。
【0024】したがって、圧粉成形体2の体積膨張は水
素吸蔵率100%のときに比べて小さくなり、金属製緩
衝部材4の配設量が5%であっても圧粉成形体2の水素
吸蔵による体積膨張はもとより熱膨張も吸収されること
が可能となり、水素吸蔵合金貯蔵容器1に無理な応力の
加わるのが防止され水素吸蔵合金貯蔵容器1が破損する
ことはない。
【0025】次に、本発明の実施例を図面に基づき詳説
する。
【0026】(実施例1)この実施例における水素吸蔵
合金貯蔵容器1は、再び図1に示すように、円筒形とな
っており材質はステンレス鋼が用いられている。この水
素吸蔵合金貯蔵容器1の内部に内容積の95%を占め気
孔率が約10%の圧粉成形体2を貯蔵する。圧粉成形体
2は成形強度の優れた焼結体であり、Fe−Ti系合金
及びLa−Ni系合金等よりなる水素吸蔵合金粒子を冷
間等方圧プレスにより圧粉成形した後、成形用潤滑剤を
脱脂し気孔率が約10%となるように焼結したものを使
用した。尚、この焼結体の最大水素吸蔵時の体積膨張及
び熱膨張の合計は約10%であった。
【0027】上記した焼結体よりなる圧粉成形体2の周
囲に形成される空間部3に金属製緩衝部材4としてのア
ルミニウム粉末を充填した。このような水素吸蔵合金貯
蔵容器1は、図1に示すように、適宜個数が一緒に外殻
容器6中に収容されることにより複数の水素吸蔵合金貯
蔵容器1以外の部分が熱媒流路5となり、さらに水素吸
蔵合金貯蔵容器1に貯蔵される水素吸蔵合金粒子よりな
る焼結体に連結する水素パイプ及び熱媒流路5に連結す
る熱媒パイプが各々別途設けられて水素吸蔵合金タンク
が形成される。
【0028】(実施例2)この実施例における水素吸蔵
合金貯蔵容器1Aは、図2に示すように、一方のプレー
ト1bと他方のプレート1cとが両者に接するフィン及
び複数の端板(共に図示せず)により連結されて形成さ
れる平箱状容器となっており、材質は各プレート及びフ
ィン共にアルミニウム合金が用いられている。この水素
吸蔵合金貯蔵容器1Aの内部に内容積の95%を占め気
孔率が約10%の板状の圧粉成形体2Aを、一方のプレ
ート1b側及び他方のプレート1c側に空間部3A,3
Aを各々残して貯蔵する。
【0029】圧粉成形体2Aは上記実施例1と同様にし
て得られた焼結体であり、この焼結体の最大水素吸蔵時
の体積膨張及び熱膨張の合計は約10%であった。
【0030】上記した焼結体よりなる圧粉成形体2Aの
一方のプレート1b側及び他方のプレート1c側に各々
形成される空間部3A,3Aに金属製緩衝部材4Aとし
てのアルミニウム粉末を充填した。このような水素吸蔵
合金貯蔵容器1Aは、図2に示すように、各水素吸蔵合
金貯蔵容器1Aと隣の水素吸蔵合金貯蔵容器1Aとの間
に熱媒流路5Aが介在するように複数の水素吸蔵合金貯
蔵容器1Aが外殻容器6A中に収容され、上記実施例1
と同様に図示しない水素パイプ及び熱媒パイプが各々別
途設けられて水素吸蔵合金タンクが形成される。
【0031】尚、上記実施例1における圧粉成形体2及
び上記実施例2における圧粉成形体2Aとしていずれも
水素吸蔵合金粒子の焼結体が用いられているが、この焼
結体に代えて非焼成圧粉成形体を使用することができ
る。この非焼成圧粉成形体は、水素吸蔵合金粒子に少量
のバインダを添加し混合した後所要の形状の成形体が得
られる金型に投入し、2〜3t/cm2 の圧力でプレス成
形することにより気孔率約10%の成形体としたもので
ある。
【0032】また、上記実施例1における金属製緩衝部
材4及び上記実施例2における金属製緩衝部材4Aとし
て使用されるアルミニウム粉末の集合体は、アルミニウ
ム粉末の粒径が均一な集合体よりも異った種々の粒径の
アルミニウム粉末の混合された集合体の方が、上記圧粉
成形体の体積膨張及び熱膨張を許容する機能が優れてい
る。さらに、上記実施例1及び実施例2では上記したよ
うなアルミニウム粉末の集合体に代えて発泡金属体を用
いることができる。この発泡金属体はアルミニウム又は
ニッケル等の材質よりなる発泡金属シートとして市販さ
れているものを上記空間部3又は3Aに配設し、発泡金
属体に内蔵される気泡により圧粉成形体2又は2Aの体
積膨張及び熱膨張を吸収する。
【0033】(実施例3)この実施例は図2に示される
実施例2における水素吸蔵合金貯蔵容器1Aの変形例で
ある。すなわち、図4に示すように、水素吸蔵合金貯蔵
容器1Bの内部に水素通路7を配設することにより、図
6及び図7に例示される水素吸蔵合金タンクfに設けら
れた水素ヘッダiを不要とするものである。
【0034】図4に示される水素吸蔵合金貯蔵容器1B
は、一方のプレート1bと他方のプレート1cとこれら
の両者に接して両者間に介在する波形のフィン8と図示
しない複数の端板とから構成されている。そして、水素
吸蔵合金貯蔵容器1Bにおける一方のプレート1bとフ
ィン8との間及び他方のプレート1cとフィン8との間
には各々水素吸蔵合金粒子(この実施例においては圧粉
成形体)2Bが貯蔵されている。しかし、水素吸蔵合金
貯蔵容器1bのほぼ中央部のフィン8の波形のピッチの
半分に相当する部分に限り圧粉成形体2Bが貯蔵されず
に二枚のスクリーン9により仕切られ、水素吸蔵合金貯
蔵容器1Bの一方の端面から他方の端面に貫通する貫通
空間部が形成されており、この貫通空間部が圧粉成形体
2Bに対する水素通路7となされている。
【0035】水素通路7を横切るフィン8には水素の流
通を容易とする貫通孔10が設けられており、さらに水
素吸蔵合金粒子よりなる圧粉成形体2Bにより吸蔵又は
放出される水素を水素吸蔵合金貯蔵容器1B内の各部と
水素通路7との間において支障なく通過させるために、
フィン8には水素通路7を横切る部分以外にも直径2mm
程度の多数の貫通孔10が設けられている。
【0036】上記のように構成された内部に水素通路7
を有する複数の水素吸蔵合金貯蔵容器1Bは、熱媒流路
5Aと交互に重ね合わされて外殻容器に収容されること
により水素吸蔵合金タンクが形成される。この際、複数
の水素吸蔵合金貯蔵容器1B各々の水素通路7の端部を
配管で結び、水素吸蔵合金タンク中の各水素吸蔵合金貯
蔵容器1Bにおける水素を取纏めて取纏めパイプにより
吸蔵させ、或いは放出させることが可能となる。これに
より、図6及び図7に例示されるような水素吸蔵合金タ
ンクFにおける一対の水素ヘッダI(通常、片方で半径
100mm程度の半円形の断面形状を有するような大きさ
となっている。)が不要となるので、本実施例の水素吸
蔵合金貯蔵容器1Bは水素吸蔵合金タンクの小型軽量化
に貢献する。
【0037】(実施例4)この実施例は、上記したよう
な実施例1〜実施例3における水素吸蔵合金貯蔵容器
1,1A,1Bが、熱媒流路5,5Aと組合わされ又は
交互に重ね合わされて外殻容器に収容されることにより
形成される水素吸蔵合金タンクの構成に係るものであっ
て、自動車に搭載し始動及び走行に適応せしめるに際し
て水素吸蔵合金タンクの搭載スペースを縮少せしめる。
言い換えると水素吸蔵合金の貯蔵量を増大せしめる効果
を有している。
【0038】ところで、水素を燃料とする自動車ではエ
ンジンの循環水による加熱によって水素吸蔵合金から水
素を放出している。したがって、エンジンの循環水が温
まっていない始動時は、低温でも水素を放出する水素吸
蔵合金による放出水素によりエンジンを回し、循環水を
温める必要があり、始動用の水素吸蔵合金を貯蔵した始
動用水素吸蔵合金タンクが必要になる。その反面、始動
用水素吸蔵合金は加熱し過ぎると水素の放出圧が高くな
り容器を破損する懸念があるため、図8に示す従来例の
ように始動用水素吸蔵合金タンクmと走行用水素吸蔵合
金タンクnとは個別に製造されて自動車に組合わせて搭
載され、エンジンの始動時及び自動車の走行時に応じて
使い分けるようにされている。
【0039】この実施例に係る水素吸蔵合金タンクは、
上記した従来例のものがタンク全体でみると搭載スペー
スの割に水素吸蔵合金の貯蔵量が少く、吸蔵される水素
量が減少していたのを改善するために、以下のような構
成となっている。
【0040】すなわち、図5に示すように、この実施例
に係る水素吸蔵合金タンク11は、走行用の水素吸蔵合
金貯蔵容器1Aaと熱媒流路5Aaとからなる走行用水
素吸蔵合金貯蔵部12と、始動用の水素吸蔵合金貯蔵容
器1Abと熱媒流路5Abとからなる始動用水素吸蔵合
金貯蔵部13とが熱的に遮蔽される状態で外殻容器6A
に収容されることにより一体に形成されている。走行用
水素吸蔵合金貯蔵部12と始動用水素吸蔵合金貯蔵部1
3との間の熱的遮蔽は始動用の熱媒流路5Abに冷却水
を流したり、或いは熱遮蔽部材14を上記両者間に配設
することにより行われる。
【0041】尚、走行用の水素吸蔵合金貯蔵容器1Aa
の内部に貯蔵される水素吸蔵合金はエンジンの約80℃
の循環温水による加熱で水素を放出する合金でLa−N
i系合金が用いられている。始動用の水素吸蔵合金貯蔵
容器1Abの内部に貯蔵される水素吸蔵合金は約25℃
の水道水による伝達熱で水素を放出する合金でMm−N
i−AI系合金が用いられている。
【0042】また、走行用水素吸蔵合金貯蔵部12に連
結される水素パイプ及び始動用水素吸蔵合金貯蔵部13
に連結される水素パイプは別々に設け、弁により切換え
て走行時の水素又は始動時の水素をエンジンに供給す
る。また、水素の吸蔵も上記各水素パイプを用いて走行
用水素吸蔵合金貯蔵部12と始動用水素吸蔵合金貯蔵部
13とに対し別々に行うことができる。
【0043】水素吸蔵合金タンク11における走行用水
素吸蔵合金貯蔵部12に水素を吸蔵する際は、熱媒流路
5Aaに冷却水を流し走行用の水素吸蔵合金貯蔵容器1
Aaの内部の水素吸蔵合金を冷却し水素吸蔵時の発熱を
抑止する。また、水素を放出する際は熱媒流路5Aaに
温水を流し水素吸蔵合金貯蔵容器1Aaの内部の水素吸
蔵合金を加熱する。
【0044】始動用水素吸蔵合金貯蔵部13に水素を吸
蔵する際は、熱媒流路5Abに冷却水を流し始動用の水
素吸蔵合金貯蔵容器1Abの内部の水素吸蔵合金を冷却
する。ただし、水素を放出する際は温水を流さず冷却水
が入ったままであることはいうまでもない。
【0045】このような水素吸蔵合金タンク11となす
ことにより、自動車の搭載スペースに対する水素吸蔵合
金の貯蔵率は大幅に向上した。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
係る水素吸蔵合金貯蔵容器によると、水素吸蔵合金粒子
は圧粉成形体となされて内部に貯蔵されるため、水素吸
蔵合金の充填率は向上し水素の吸蔵量は多くなるので、
一回の水素補給による走行距離を伸ばすことができる。
【0047】また、上記圧粉成形体は金属製緩衝部材を
介して内部に貯蔵されるため、上記圧粉成形体は振動か
ら保護され且つ体積膨張が許容され、さらに上記圧粉成
形体に対する熱の伝達は良好となるので、水素吸蔵合金
貯蔵容器への水素吸蔵合金の充填率を高めながら、良好
な熱交換性を確保し、水素吸蔵合金貯蔵用容器の耐久性
を確保することができる。
【0048】また、請求項2の発明によると、圧粉成形
体は焼結体となされるため、水素吸蔵合金の充填率はよ
り向上し成形強度も向上するので、水素吸蔵量をより増
大させ、水素吸蔵合金貯蔵容器の耐久性を向上させるこ
とができる。
【0049】また、請求項3の発明によると、金属製緩
衝部材はアルミニウム粉末の集合体となされるため、ア
ルミニウム粉末の集合体に付加される力はアルミニウム
の軟質性とアルミニウム粉末相互間の空隙とによって吸
収されるので、簡便な方法により水素吸蔵合金貯蔵容器
の破損を防止することができる。
【0050】また、請求項4の発明によると、金属製緩
衝部材は発泡金属体となされるため、発泡金属体に付加
される力は発泡金属体の有する各部均一なクッション性
により各部均等に吸収されるので、簡便な方法により水
素吸蔵合金容器の破損を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施例1の水素吸蔵合金貯蔵容器
の断面図である。
【図2】本発明に係る実施例2の水素吸蔵合金貯蔵容器
の断面図である。
【図3】水素吸蔵合金における水素吸蔵率と水素の圧力
との関係を示すグラフである。
【図4】本発明に係る実施例3の水素吸蔵合金貯蔵容器
の斜視図である。
【図5】本発明に係る実施例4の水素吸蔵合金タンクの
斜視図である。
【図6】従来例の構成を説明する要部斜視図である。
【図7】従来例における水素の流通方向及び熱媒の流通
方向を説明する斜視図である。
【図8】従来例の組合わせ式水素吸蔵合金タンクの斜視
図である。
【符号の説明】
1,1A,1B 水素吸蔵合金貯蔵容器 2,2A,2B 圧粉成形体 3,3A 空間部 4,4A 金属製緩衝部材 5,5A 熱媒流路 7 水素通路 8 フィン 9 スクリーン 10 貫通孔 11 水素吸蔵合金タンク 12 走行用水素吸蔵合金貯蔵部 13 始動用水素吸蔵合金貯蔵部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に水素吸蔵合金粒子よりなる圧粉成
    形体が空間部を残して貯蔵され、上記空間部に上記圧粉
    成形体の水素吸蔵時の体積膨張を許容し且つ熱伝導性を
    有する金属製緩衝部材が配設されていることを特徴とす
    る水素吸蔵合金貯蔵容器。
  2. 【請求項2】 上記圧粉成形体は水素吸蔵合金粒子を焼
    結して得られる焼結体であることを特徴とする請求項1
    に記載の水素吸蔵合金貯蔵容器。
  3. 【請求項3】 上記金属製緩衝部材はアルミニウム粉末
    の集合体であることを特徴とする請求項1又は2に記載
    の水素吸蔵合金貯蔵容器。
  4. 【請求項4】 上記金属製緩衝部材は発泡金属体である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の水素吸蔵合金
    貯蔵容器。
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